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TikTokまで経由して世界的な再評価の真っ只中にある日本のアンビエント/サントラ作家・日向敏文の弟であり、2度にも渡りグラミー賞にノミネートされた著名音楽プロデューサー、そして、88年のニューエイジ傑作『Tarzanland』でも知られる日向大介、細野さんと共にFriends Of Earthを結成した日本のミュージシャンにして、唯一作『A-Key』が〈Studio Mule〉から2022年度初LP化再発されたばかりの野中英紀、そして、サックス奏者の「ミッチ」こと沢村満らによる80年代国産アンビエント最高峰のグループ、Interiorのセルフ・タイトル・デビュー作が待望の公式アナログ・リイシュー。1982年に〈Yen Records〉から発売された作品であり、やはりプロデュースを手がけるのはその主催者である細野晴臣(!)インストゥルメンタルなシンセ・ポップから、日本の環境音楽の柔らかなミニマリズム、心地よいサウンド・デザインを最もハートウォーミングな形でブレンドした、非常に珍しいタイプのグッド・フィーリンなアンビエント・ミュージック。ノスタルジックなモダニズムが、今を最も楽しい思い出のように感じさせてくれる『Interior』は、あなたを別世界へと誘います(←DeepL訳)。1985年には、米国のニューエイジ・ミュージック聖地こと〈Windham Hill〉の目にも留まりトラックリストを若干変更し、再リリースもなされています。
バークレー音楽院の同窓生だった日向大介、野中英紀を中心に結成された”インテリア”。アルバム「インテリア」は1982年に細野晴臣主催のレーベル[Yen Records]からリリースされたファーストアルバム。
インストゥルメンタル・シンセポップに”アンビエント・ミュージック””環境音楽”的作法を元にエモーショナルな味付けを加えた音楽スタイルは、USニューエイジ・ミュージック界の代表格ウィンダム・ヒル・レコードも着目。
1990年から1994年の間に制作され楽曲をまとめ、1995年にリリースされた移籍後2枚目となるアルバム。初期のアンビエントやIDM、ハードコア・テクノを踏襲しながら、アシッドやノイズ、“ドリルンベース”とも形容される破綻したビートを搭載するなどエイフェックス・ツイン二面性や多様性を網羅する一枚。強烈なインダストリアル・ダウンテンポが炸裂したシングル「Ventolin」や、「Xtal」と並べて語られる名曲「Alberto Balsalm」を含む全12曲を収録。180g重量盤。

エレクトロニック・ ミュージックとジャズをブレンドし、独自の作品を生み出し続ける異能、Jameszoo。Flyig Lotus率いる〈Brainfeeder〉より発売される本作『Music for 17 Musicians』はオランダのコンテンポラリー・アンサンブル、Asko_Schonbergとのコラボレーション・アルバムとなっている。タイトルは、スティーヴ・ライヒが1978年にECMからリリースした名作「Music for 18 Musicians」に因んだものとなっている。
本作は、“音楽から作曲者や演奏者の存在を切り離す”という大胆な問いかけから始まった。その鍵を握るのは、自動演奏ピアノだった。MIDIとアルゴリズムを駆使し、MarkovモデルやLSTMによって設計されたルールに基づいて、まるで人間の即興演奏のように“自律的”な判断で音を紡ぎ出した。これは単なるテクノロジーの実験ではなく、Kit Downes、Matthew Bourne、Niels Broosといった個性派ミュージシャンの演奏データをもとに生まれた音楽であり、知的でありながら情感豊かな感覚を併せ持っている。Jameszoo自身のバンドメンバーやHIIITのパーカッショニストFrank Wienkらも参加し、電子音と生音が自在に交差する多層的なサウンドスケープを創出している。
『Blind』(2022年)で提示されたテーマを発展させながら、より開かれた音楽体験へと昇華させた本作は実験音楽、現代音楽、ジャズ、エレクトロニカの垣根を越えて響く“未来のアンサンブル作品”となっている。

大名門〈KOMPAKT〉主宰、Wolfgang Voigtによる大人気アンビエント・プロジェクト、GASが〈Kompakt〉からリリースした2021年の「Der Lange Marsch」がヴァイナル再発!ドイツの森林を彷彿とさせる幻想的で重厚なアンビエント・サウンドにより、ベーシック・チャンネルやエイフェックス・ツイン等と共にヨーロッハのテクノ・サウント黎明期に生み出された音場を包み込む傑作ダブ/アンビエント。

2025年リプレス。2703年宇宙の旅、高まるイマジネーションは最高潮へ。再び、神のミラーボールが廻りだす。
果てしなく広がる至福のアンビエント、どっぷりと旋回する至高のダブワイズ。生ける伝説ジ・オーブ、名門【Kompakt】へ10年ぶりに帰還!!
エレクトロニック・ミュージックの真のパイオニアにして生ける伝説、アレックス・パターソンとトーマス・フェルマンによるジ・オーブが名門【Kompakt】からは実に10年ぶりとなる最新作『MOONBUILDING 2703 AD』をリリース!!
ゆっくりと広がるメランコリックなアンビエンスを追いかけるように、波紋を広げ続けるサイケデリックなシンセの層、揺らぐブレイクビーツと極太ベースラインによる至高のリズム・セクション…円熟の構成力はリスナーを桃源郷へと没頭させ、ダンサーへと変貌させる問答無用の仕上がり!!さらにタイトル曲にしてアルバムのクローザーである「MOONBUILDING 2703 AD」(M-4)ではまるでマーティン・デニーのアルバムをKLFがコラージュしたようなジャズ、エキゾ、モンドにエイフェックスのアンビエント・ワークスをブレンドしながらダブワイズ、今作における至福のハイライトへじりじりと登りつめてゆく様は圧巻の一言!!KLF『Chill Out』や『The Orb's Adventures Beyond TheUltraworld』、『U.F.Orb』など不朽の名盤たちのDNAを色濃く受け継ぎながら、今なお膨張をやめないイマジネーションは最高潮へ。ジ・オーブが生み出した新たなマスターピースとともに神のミラーボールが再び廻りだす!!
ドイツ・ベルリンのミステリアスな作曲家、プロデューサー、楽器製作者であるJörg Hillerの変名であるKonrad Sprengerによる最新アルバムが〈Black Truffle〉からアナログ・リリース。多作なコラボレーターであるSprengerは、Ellen Fullman (彼女と素晴らしくエキセントリックな歌のアルバム 『Ort』をレコーディングしている)やLa Monte YoungやPauline Oliveros、Alvin Lucierのもとで学んだアメリカのヴィジュアル・アーティスト/前衛的作曲家のArnold Dreyblattなど、アメリカのミニマリズムのアイコンと幅広く協力し、彼らの音楽を自身の完璧にキュレーションされたレーベル〈Choose〉からリリースしている事でも知られています。LPの2面には、長年のコラボレーターであり、〈Black Truffle〉のボスことOren Ambarchiもゲスト出演。Sprengerのさまざまな作品の要素を、作曲家と謎めいた Ensemble Risonanze Moderneによって演奏し、非常に伝染力のある遊び心のある叙事詩にまとめた内容となっています。

本作は、シドニーのニュー・サウス・ウェールズ州立美術館で開催された、江戸時代以降の怪談やフォークロアに焦点を当てた展覧会「Japan Supernatural」のために制作。日本的なものを直接的に感じさせる音使いを表面的には避けながらも、本質的な部分にそのエッセンスと方法論を取り込んだ作風となっていて、不穏なポエトリー・リーディングに寄り添うシンセや生楽器のサウンドに、不協和音と美しい静寂が交互に立ち現れる先鋭的でユニークな内容となっています。石橋英子作品では常連のJim O'Rourke(コントラバス)とJoe Talia(パーカッション)とのコラボレーションで制作され、舞踊家であり振付家でもある藤村隆一が呪術的な短歌の朗読を披露。インナー・スリーブには、アーティスト・ポートレートと石橋英子のライナー・ノーツを収録。ジャケットとレーベル・デザインは阿部修平。ミキシングとマスタリングはJim O'Rourkeが担当!

John Also Bennettによる、2019年の『Erg Herbe』以来となるソロ作『Ston Elaióna』が〈Shelter Press〉から登場!本作は、彼が現在拠点とするギリシャ・アテネで制作され、バスフルートと純正律によるYamaha DX7iiシンセを中心にしたエレクトロアコースティック作品で、早朝の静けさのなかで録音された音は、古代と現代が交錯するアテネの空気をそのまま封じ込めたような、詩的で内省的な響きを持っている。タイトル「Ston Elaióna(オリーブの木立にて)」が示す通り、土地の風景や歴史、都市の雑音、教会の鐘、嵐、家の中の出来事といった日常の体験と環境音が深く反映された、都市のアンビエンスやフィールド録音を織り交ぜた静謐な全9曲。ミニマルで感情豊かな音世界が展開される。現存する世界最古の楽曲「Seikilos Epitaph」のカバーをはじめ、宗教的な感情やギリシャ神話、土地の記憶が静かに反響するような雰囲気で、古代と現在、外界と内面を音で結ぶ。長年の漂泊と深いリスニングの実践が、ミニマルでスピリチュアルな音世界に結晶したような一枚。

Sun Raが1988年に自身の〈El Saturn〉レーベルから発表した最後のアルバムで、ニューヨークのKnitting Factoryでの3夜連続ライブを収録した作品『Hidden Fire Volumes 1 & 2』。極少数のみ流通し、手書きラベルや本人制作のアートワークなどで知られる幻の音源が、このたび〈Strut Records〉から正式にリイシュー!音楽的には80年代の他作品とは一線を画しており、ヤマハDX7シンセサイザーのみを操って暗く不協和な領域を切り開き、3艇のヴァイオリンを含む重厚な弦楽編成や、60年代初期以来目立った登場のなかったスペース・ボーカリストArt Jenkinsが参加。デューク・エリントンを想起させるリフから、死の支配を語る説教、強烈なインプロビゼーションや混沌としたサウンドスケープが展開し、ブルース曲も歪んだ電化アレンジに変貌していて、全編が生々しく不安定で圧倒的な音世界を描く。静かな曲にも不穏さと美しさに満ち、宇宙的歓喜よりも未知への扉を開くことに焦点を当てたような晩年の創造力が刻まれている。オリジナル音源からのリマスター、新たなライナーノーツ、復刻アートワークを伴い、Sun Ra最後の創作期を捉えた決定的ドキュメントとなっている。

シカゴの作曲家・即興演奏家・民俗音楽家ベン・ラマー・ゲイの最新アルバム『Yowzers』が〈 INTERNATIONAL ANTHEM〉より登場!本作では彼のキャリアで築かれた音楽的語彙と共演者たちとの信頼関係がアルバム全体を通して強く感じられ、民話が語られているのを聞くかのような、リズムとメロディの物語性に満ちた意欲作。本作の中心は彼のカルテット(トンマーゾ・モレッティ、マシュー・デイヴィス、ウィル・ファーバー)で、長年にわたる共演を経て築かれた即興的かつ緻密な音楽言語が展開される。民俗的なメロディや物語を核に、ジャズ、ゴスペル、エレクトロニカ、フォークなどを自在に横断、楽曲の多くはシカゴでライブ録音され、その場の空気感や身体性が濃厚にパッケージされている。またカルテット外のゲストとのスタジオ制作も加え、サウンドの幅を拡張している。物語の語り部として、過去のフォークロアやブルースの精神を未来へと受け渡すような構成になっている。『Yowzers』は、混沌とした今という時代の空気をとらえつつ、音楽を語ることとして捉え、希望と継承のメッセージを静かに伝えるような一枚。新しさと懐かしさ、即興と構築が共存する、現代の真のフォーク・ミュージック!

Pitaの生前に〈Editions Mego〉が〈INA-GRM〉と共に立ち上げた先鋭レーベルであり、現在は〈Shelter Press〉がその運営を引き継いでいる〈Portraits GRM〉より2025年最新スプリット・アルバムが登場。ラジオ・フランスとINA grmの共同委嘱作品であるカナダの作曲家サラ・ダヴァチの「Basse Brevis」とフランソワ・J・ボネの『Banshee』の2曲を収録!サラ・ダヴァチの「Basse Brevis」は、スティーブ・ライヒに捧げられたPrésences 2024フェスティバルで初演されたもので、独自のミニマルなアプローチで、音楽の音律的、空間的、持続的な構成要素の織り成す複雑な関係を細心の注意を払って探求しており、極めて精密で繊細かつ生き生きとした音楽を創り出すことに成功。フランソワ・J・ボネの『Banshee』はインナー・ヘブリディーズ諸島で録音された音源を素材として動物相、植物相、気候の音像を織物のようにしっかりと織り上げている。マスタリングはGiuseppe Ielasiが、スリーブデザインはStephen O’Malley が担当!

デジタルとフィジカルの境界をさまようAmnesia Scannerが、フレンチ・ハッカーFreeka Tetとタッグを組んだ実験的三部作。PANからリリースされた3枚のデジタルアルバムが3枚組LPで登場!!混沌としたデジタル・バロックとインダストリアル・ポップが交錯する3rdアルバム『STROBE.RIP』は、Freeka Tetがボーカル&共同プロデューサーとして加わり、Amnesia Scannerはより"生身"のカオスへと接近している。2枚組のミラー・プロジェクト『HOAX』のうち、『AS HOAX』は、崩壊寸前のバラードや暴力的なダンスビートが入り乱れるAmnesia Scanner流の進化形ポップ。《FT HOAX》は、その音楽を反転・分解し、ノイズキャンセリング的手法で"音を消す"ことで浮かび上がる異形のドローン作品。ポスト・クラブ、ノイズ、デジタル・アートが交差する最前線。Amnesia ScannerとFreeka Tetが生み出す音楽の亡霊とでもいうべき問題作!!

和製コズミック・サイケ/アンビエントの秘宝。今年2月7日に逝去した日本の音楽シーンにおける最大のレジェンドのひとり、Magical Power Makoが、1993年に自主制作で発表した知られざる音宇宙『Next Millennium Vibrations』が、アートワークを新装し、リマスタリング仕様でCD再発!祈りのようなシンセサイザーの波動、メディテイティヴな旋律、そして内面宇宙を旅するようなスピリチュアルな浮遊感。クラウトロック〜ニューエイジ〜環太平洋の民族音楽までを呑み込みながら、誰にも似ていない独自のサイケデリックなサウンドスケープを形成。極私的な録音の中に潜む、未だ聴かれぬ「次の千年」の響き。まさに未来への密やかな手紙です。

当店でも大人気の先鋭アーティストClaire Rousayと、〈Orange Milk〉や〈Ecstatic〉などからの作品も知られるマルチ奏者More Eazeによるコラボアルバムが〈Thrill Jockey〉からアナログで登場!雄大なアメリカ中西部の風景への憧憬を、ミクロな音響操作と親密な電子ノイズで編み上げた、実験的アンビエントの到達点。日常の断片を思わせるヴォイス・メモや環境音が、きめ細かく構築されたドローンや電子音と溶け合い、どこまでもパーソナルでありながら、開かれた広大な音の空間を描き出していきます。静謐でありながら、内側に情熱を宿すようなプロダクションが、美しくも切実な音響詩として響く傑作。
テキサス・サンアントニオの女性ミュージシャンであり、対象物とその潜在的な音を用いて、クィアネス、人間関係、自己認識を探求している、要注目作家、Claire Rousayのニュー・アルバム『sentiment』が〈Thrill Jockey〉よりアナログ・リリース。実験音楽やアンビエント音楽の形式における慣習に挑戦する、唯一無二のアーティスト、Claire Rousay。彼女の音楽はキュレーション的で細部まで緻密であり、感情に訴える作品として巧みに形作られており、本作では、孤独や郷愁、感傷、罪悪感、セックスといった、心を打つ感情の領域を瞑想した、生々しくも親密なメタ・アンビエント・ミュージックを送り届けています。アンビエント・フォークの名手Andrew Weathersによるマスタリング仕様。
日本人プロデューサー鬼才NHKyxことKohei Matsunagaが、マンチェスターの名門〈Skam〉の中でも秘蔵的な〈Kasm〉ラインから放つ4トラックEP。A面は、緻密で躍動感あふれるブレイクビート・テクノ「Filled With Vacuum」から幕を開け、続く「Ancient Behave」ではうねりを伴ったダークで不穏なサウンドへと沈み込む。B面は、きらめくパーカッションに乗ってメロディが柔らかくうねる「Same Point Different Coordinate」、そしてアシッドの泡が深海から湧き上がるような「Formulated Rhythm 4s」で締めくくる構成。全編にわたり、硬質な電子ビートと有機的な揺らぎが絶妙に交差する一枚になっている。
『サルゲッチュ』のドラムンベースが満載の超オイシイ一枚が登場!1990年代から2000年代初頭にかけて自身のレーベル〈Far East Recording〉からリリースされた作品をHuneeのキュレーションでまとめた『Sounds From The Far East』を〈Rush Hour〉よりリリースし、再び脚光を浴びることになった、ジャパニーズ・ディープ・ハウス・レジェンド、寺田創一。そのスタイリッシュで風雅なハウス・ミュージック・プロダクションで世界的によく知られているだけでなく、ビデオゲーム・サウンドトラック制作も数多く手掛ける同氏による、プレイステーション用ゲーム『Ape Escape』(サルゲッチュ)のサウンドトラックからの6曲を集めたコンピレーションEP作品『Apes In The Net』が、自身の〈Far East Recording〉より堂々アナウンス!自身の制作してきたハウス・トラックとは一線を画すドラムンベースやジャングルに傾倒した内容であり、アトモスフェリック・ドラムンベースやブレイクコアがアンダーグラウンド・シーンを飛び越えて興隆する20年代の今の空気にもフィットした一枚。

32周年記念再発!Aphex Twinによる1992年の伝説のレイヴ大名作『Digeridoo』が、Richard D.James信頼の名匠Beau Thomasによる現代風のリマスタリングのもと拡張エディションでアナログ再発!コーンウォールで開かれたビーチ・パーティーの最後にレイバーたちを熱狂させるために作り上げられた、衝撃的なエネルギーを放つ傑作EPの2024年拡張版。オリジナル版の「Digeridoo」、「Flaphead」、「Phloam」、「Isoprophlex」の4曲に加え、Richard D. JamesがNakamichi CR7eカセットデッキでエンコードしたヴァージョンが収録。
Sontag Shogunとフィンランドの作曲家Lau Nauによる『Päiväkahvit』は、2021年作『Valo Siroutuu』の姉妹編にあたる作品。どちらも2019年、フィンランドのキミト島でのセッションから生まれたもので、Lau Nauの自宅で過ごした穏やかな日々から紡がれた音の親密さや静けさが、その後の世界の変化を経てより深い響きを持つようになったと感じられる。本作には当時のセッションからこれまで未発表だった9曲に加え、Amulets、Fadi Tabbal、Post-Dukes、Jeremy Youngらによるリワークが収録。雨音や鳥の声、さざ波のリズム、温かいピアノやアコースティック・ギター、そっと滲む電子音が、ひと続きの流れの中で溶け合っていく。音はときに霧のように漂い、ときに小さなきらめきとして現れ、聴き手を穏やかで光に満ちた時間へと聴き手を招き入れる。Lau Nauはアコースティック楽器、リール・トゥ・リールテープ、電子音響を自在に行き来し、Sontag Shogunはノスタルジックなピアノと自然素材の音、そしてライブプロセッシングを組み合わせ、二人の響きは、何かを目指す旅というよりも、音とともに漂う感覚的な旅路のよう。静けさの奥に温もりがあり、温もりの奥にかすかな寂しさがある、そんな揺らぎをそのまま封じ込めた作品。

ソ連生まれ→カリフォルニア育ち→ベルリン在住の電子音楽家重鎮であり、〈~scape〉や〈Kranky〉〈Senufo Editions〉といった名門からのリリースでも知られるAndrew Pekler。Jan Jelinek主宰の〈Faitiche〉 から"SG"名義でリリースした傑作アルバム。作品全体を通して、ロマンチックなムードからメランコリーなムードまでを横断し、エフェクターや雨音の録音を駆使して、時に寂しげな雰囲気を高めています。名匠Giuseppe Ielasiによるマスタリング仕様。

激激高内容です。未体験の実験音楽マニアの方は是非!スウェーデンのカルトレーベル〈Discreet Music〉傘下の〈I Dischi Del Barone〉や〈Students Of Decay〉といった実験系のレーベルからも作品を発表してきた、豪州の作家Mark BarrageによるプロジェクトBlue Chemise。2017年に限定105部のプライベートリリース作品として発表されていたデビューLPであり、現在大変入手困難となっている非常に人気の高いアルバム『Influence On Dusk』が、ベルギーの〈B.A.A.D.M.〉よりアナログ再発。荘厳で神秘的なアトモスフェリック・ドローン/アンビエント・サウンドから、時には不気味なサウンドコラージュ/エレクトロアコースティックでのシュールな世界観まで、独特の音楽的サイクルを形成した、極めてミステリアスで魅惑的な逸品。Christophe Albertijn によるリマスター サウンドと最新のアートワークを起用。限定300部。

SIGNEND EPはこれまではバンドでベーシストとしての活動がメインであった音楽家Keisuke Taniguchiのソロ名義、TURLCARLYのデビュー作品です。アーティストとレーベルで会話やアイデアの交換、ぶらり飲み歩きなどを重ね、構想から約1年を経て今回のリリースに至りました。全曲コンピューターを用いた作曲を基本としていますが、3曲目のSontriumのベースパートはコントラバスの演奏を録音して制作されています。世界には複数の音楽ジャンルの要素を掛け合わせた折衷的な音楽が数多く存在し、そのなかにときおり「これは」と思うような新しい音楽の扉を開いてくれるものに私たちは出会うことがあります。このEPは実験音楽的な空気感を持ったダンスミュージックの一つの「オリジナル」のかたちとして、多くの人に驚きや新たなインスピレーションを与えてくれる作品であると思います。マスタリングエンジニアはScape MasteringのPoleさんにお願いしました。時間軸が音で埋められることなく、隙間や静寂の表現が豊かなこれらの楽曲の空間性、そして実験的で鋭く尖った空気感を、見事なまでに再生音源というかたちにアウトプットしてくれたと思います。是非とも良質なサウンドシステムで再生してみてください。アートワークはTaizo Watanabe。
