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ベルリンの〈MISS YOU〉が1980〜1985年の日本のニューウェイヴ、ポストパンク、実験音楽から、ダブの手法を取り入れた録音だけを選び抜いた発掘コンピレーション『Japanese New Wave On Dub 1980–1985』。当時のアンダーグラウンドを横断するアーティストが参加し、自主制作カセットや小規模レーベルに埋もれていた音源が初めて体系的にまとめられている。ニューウェイヴ特有の硬質なギターやシンセの質感に、深いエコーや残響が重ねられ、都市的な乾いた音とダブの空間処理が自然に交差する。リズムはミニマルで、反復の中で音が少しずつ形を変えていく構造が多く、ジャマイカのものとは異なる日本的な抽象性が前面に出ている。DIY録音ならではのざらつきや機材の癖がそのまま残り、80年代の現場の空気が生々しく立ち上がるのも魅力。日本の知られざる音楽史の一側面を改めて示す重要な再発。
【track list】
A-1. Chinggis Chan Dread - Yattane Babylon
A-2. The Air Music International - Hot Steppers In A Dub
A-3. So-Do - Nothing
A-4. Momoyo & Lizard! - Sa·Ka·Na
A-5. EP-4 - dB
A-6. Pablo Picasso - Tsun
B-1. Bananarians - Suna No Atama
B-2. Pressure - Goouder
B-3. Pineapple 4.9 - Yoruni
B-4. Concretes - Watch The Moon
B-5. Masumi Hara - Looks Like An Angel
B-6. Business - Minato No Cafe

沖縄が世界に誇るDUBアーティストHarikuyamakuが2013年にCDでリリースしたアルバム『島DUB』がHoney Recordsによってアナログ化!!
オリジナルのCDアルバムより7曲抜粋、未発表音源1曲、Harikuyamakuと共にダンスミュージックユニットangamaとして活動する盟友bitowaによるRemixを1曲収録。
Harikuyamaku、レーベルオーナーYasu-Pacino、Bitowa a.k.a. KOR-ONEの3人で選曲、構成、ミックスの修正などを綿密に行い、Taiji Okuda氏によるマスタリングを経て、ドイツにてプレッシング。音、内容ともに間違いない、一家に一枚、現場でも大活躍間違いなしの最高音盤が完成した。
10年以上の時を経て新たに生まれ変わった島DUBを、ぜひ堪能してください。

マーキュリー賞にもノミネートされる英国電子音楽の異端児、ActressことDarren Cunninghamが放つ最新作『Radical Frame』。デビュー作『Hazyville』から18年、DJ、プロデューサー、画家、作家、作曲家として多彩な表現を追求してきた彼の創造性が、ひとつの頂点へと結実した作品だ。
Actressはこれまで10作以上のアルバムを通じ、断片化されたビート、抽象的な電子音、ダンスフロアの熱量を再構築した独自の音響世界を築き上げてきた。本作でも、壊れたリズムの短いスケッチ、微細なサウンドの拡大解釈、異空間へと屈折するテクノ/エレクトロニック・ミュージックが展開される。
アルバムの核となる先行シングル「Overchord」では、ミニマルでありながら圧倒的な存在感を放つ音像を提示。さらにCASISDEADを迎えた「Live By You」や、プレストン出身のアーティストRainy Millerとの共演など、新たな響きとの出会いも作品に深みを与えている。
ブラック・ブリティッシュ・アヴァンギャルドの系譜を更新し続けるActress。その謎めいた美学と革新的な電子音響表現が凝縮された『Radical Frame』は、クラブ・ミュージック、現代音楽、サウンド・アートの境界を超えて響く、唯一無二の傑作である。

この50年間で最も影響力のある作曲家だ。 - ブライアン・イーノ
国内流通仕様盤3CD (解説書封入/28ページ英語ブックレット/ハードカバー仕様)3部作全ての作品を収録した3枚組CD。
Listening To Pictures (Pentimento Volume One)
第四世界の思想、電子音響、民族音楽の要素を融合し、長年培った革新的な音楽世界を再構築。絵画的なテクニックをプロダクション・アレンジメントに反映させたペンティメント・シリーズ第1作。
Seeing Through Sound (Pentimento Volume Two)
ペンティメント・シリーズ第2作。多彩なミュージシャンとの協働による反復するリズムと変容する音響が、時間感覚を揺さぶる幻想的で没入感あふれるサウンドスケープを描く。
Music Is Invisible (Pentimento Volume Three)
ジョン・ハッセル最後のライヴ録音を元に再構築したシリーズ完結作。即興、過去の音源、電子音響を融合し、「見えない音楽」を追求した彼の創造性と遺産を刻むラスト・ステートメント。
ジョン・ハッセルの『Music Is Invisible』は、「Pentimento Trilogy」を締めくくる第3作であり、彼が生前最後に行ったライヴ・パフォーマンスを収録した特別な作品である。2015年5月23日にロンドンのSt John at Hackney教会で行われた、Rリック・コックス、ジョン・フォン・ゼーゲルンとのトリオ演奏を、ジェフ・ロナが緻密な編集・ミックスによって再構築し、単なるライヴ盤の枠を超えた音響作品へと昇華している。
2018年の『Listening To Pictures』、2020年の『Seeing Through Sound』に続く本作では、両作に登場したテーマ、モチーフ、リフが半即興的な演奏の中に姿を現す。Pentimentoとは、絵画の上から塗り重ねられた過去のイメージや筆跡が浮かび上がる現象を指す言葉。ハッセルはこの概念を音楽に応用し、過去のライヴやリハーサルの録音を素材として新たな演奏を重ねたり、ループや編集によって別の楽曲へと変容させてきた。その手法には、ジャマイカのダブにおける「ヴァージョン」文化や、テオ・マセロによるマイルス・デイヴィスの大胆なテープ編集からの影響も色濃く反映されている。
『Music Is Invisible』もまた、過去の演奏をサウンドベッドとして活用し、編集、サンプリング、オーバーダビングを施すことで、ライヴとスタジオの境界を曖昧にしている。アルバム・タイトルは、ハッセルが『Seeing Through Sound』制作時に考えていた候補のひとつであり、ライナーノーツには彼自身による「On The Invisibility Of Music」を収録。
アートワークには、彼の親友マティ・クラーワインによる1976年の絵画『Leh C'est Beau』を使用。リック・コックス、ジョン・フォン・ゼーゲルや、長年のエンジニア、アルノー・メルシエらの協力のもと完成された本作は、ハッセルが追求した「見えない音楽」の思想を受け継ぐ、静かで壮大なラスト・ステートメントである。
ジョン・ハッセル
ジョン・ハッセルは、2021年6月26日、84歳で逝去した。彼は生涯を通じて創造した、音楽とアートにおける多大な影響力を持つ遺産を残した。
トランペット奏者、作曲家、そして音楽的コンセプトの探求者であった彼は、20世紀の芸術と音楽における極めて広範な領域を結びつけた、まるで至る所に居合わせるカメレオンのような存在だった。
彼は第二次世界大戦後のテネシー州メンフィスで、ジューク・ジョイントやブルース・パーティーに通いながら育った。シュトックハウゼンのもとで学び、カンのメンバーとなるホルガー・シューカイやイルミン・シュミットと交流を深めた。
テリー・ライリーと親交を結び、歴史的録音「In C」に参加したこと。
ラ・モンテ・ヤングとマリアン・ザジーラによる「Theatre Of Eternal Music」の一員となった。
パンディット・プラン・ナートからラーガの指導を受けた。
最初の作品ではデヴィッド・ローゼンブームやナナ・ヴァスコンセロスと共演した。
ブライアン・イーノとのコラボレーション。
トーキング・ヘッズの『Remain In Light』への参加。
アーティスト、マティ・クラレンとの生涯にわたる友情。
ファラフィナ、ライ・クーダー、レスリー・ウィナー、ファン・アトキンス、モリッツ・フォン・オズワルド、ピーター・ガブリエル、デヴィッド・シルヴィアン、ビョークなど、数多くのアーティストとの録音。
さらに映画音楽、演劇作品、オペラ、児童書(!)まで、その活動範囲は果てしなく広がっている。そして彼の成し遂げた功績の全貌が本格的に評価され始めたのは、実は近年になってからのことだった。
〈Ndeya〉は、ジョン・ハッセル自身が〈Warp Records〉と共同で、自身の音楽を発表する拠点として設立したレーベルである。
これまでNdeyaからは、Pentimentoシリーズの2作品——『Listening To Pictures』(2018年)と『Seeing Through Sound』(2020年)——がリリースされている。これらは真のオーター(作家性を持つ表現者)による見事な集大成である。
さらに、オリジナル・テープからリマスターされたデビュー・アルバム『Vernal Equinox』の待望の再発や、自身の音楽について書いた文章をまとめた限定版コレクション『Atmospherics』も発表された。
現在、Jonがこの世を去った後も、〈Ndeya〉はハッセルの遺族と協力しながら、彼の音楽的遺産を未来へ残していくため、複数のアーカイブ・プロジェクトを進行させている。
彼の作品群を辿れば、彼のトランペットは幻視的な存在へと変化している。それは言語を超越したものだ。聴いたことがないのに、奇妙なほど馴染み深い。
それは熱帯の鳥たちが広がる樹冠であり、異国の言葉で歌われる女性の嘆きであり、羽音を立てる昆虫であり、砂丘の向こうから響くベドウィンの角笛であり、遠くから聞こえる列車の汽笛であり、金星にいるChet Bakerなのだ。
- Resident Advisor

この50年間で最も影響力のある作曲家だ。 - ブライアン・イーノ
(数量限定/日本語帯付き/解説書封入)ジョン・ハッセルの『Music Is Invisible』は、「Pentimento Trilogy」を締めくくる第3作であり、彼が生前最後に行ったライヴ・パフォーマンスを収録した特別な作品である。2015年5月23日にロンドンのSt John at Hackney教会で行われた、Rリック・コックス、ジョン・フォン・ゼーゲルンとのトリオ演奏を、ジェフ・ロナが緻密な編集・ミックスによって再構築し、単なるライヴ盤の枠を超えた音響作品へと昇華している。
2018年の『Listening To Pictures』、2020年の『Seeing Through Sound』に続く本作では、両作に登場したテーマ、モチーフ、リフが半即興的な演奏の中に姿を現す。Pentimentoとは、絵画の上から塗り重ねられた過去のイメージや筆跡が浮かび上がる現象を指す言葉。ハッセルはこの概念を音楽に応用し、過去のライヴやリハーサルの録音を素材として新たな演奏を重ねたり、ループや編集によって別の楽曲へと変容させてきた。その手法には、ジャマイカのダブにおける「ヴァージョン」文化や、テオ・マセロによるマイルス・デイヴィスの大胆なテープ編集からの影響も色濃く反映されている。
『Music Is Invisible』もまた、過去の演奏をサウンドベッドとして活用し、編集、サンプリング、オーバーダビングを施すことで、ライヴとスタジオの境界を曖昧にしている。アルバム・タイトルは、ハッセルが『Seeing Through Sound』制作時に考えていた候補のひとつであり、ライナーノーツには彼自身による「On The Invisibility Of Music」を収録。
アートワークには、彼の親友マティ・クラーワインによる1976年の絵画『Leh C'est Beau』を使用。リック・コックス、ジョン・フォン・ゼーゲルや、長年のエンジニア、アルノー・メルシエらの協力のもと完成された本作は、ハッセルが追求した「見えない音楽」の思想を受け継ぐ、静かで壮大なラスト・ステートメントである。
ジョン・ハッセル
ジョン・ハッセルは、2021年6月26日、84歳で逝去した。彼は生涯を通じて創造した、音楽とアートにおける多大な影響力を持つ遺産を残した。
トランペット奏者、作曲家、そして音楽的コンセプトの探求者であった彼は、20世紀の芸術と音楽における極めて広範な領域を結びつけた、まるで至る所に居合わせるカメレオンのような存在だった。
彼は第二次世界大戦後のテネシー州メンフィスで、ジューク・ジョイントやブルース・パーティーに通いながら育った。シュトックハウゼンのもとで学び、カンのメンバーとなるホルガー・シューカイやイルミン・シュミットと交流を深めた。
テリー・ライリーと親交を結び、歴史的録音「In C」に参加したこと。
ラ・モンテ・ヤングとマリアン・ザジーラによる「Theatre Of Eternal Music」の一員となった。
パンディット・プラン・ナートからラーガの指導を受けた。
最初の作品ではデヴィッド・ローゼンブームやナナ・ヴァスコンセロスと共演した。
ブライアン・イーノとのコラボレーション。
トーキング・ヘッズの『Remain In Light』への参加。
アーティスト、マティ・クラレンとの生涯にわたる友情。
ファラフィナ、ライ・クーダー、レスリー・ウィナー、ファン・アトキンス、モリッツ・フォン・オズワルド、ピーター・ガブリエル、デヴィッド・シルヴィアン、ビョークなど、数多くのアーティストとの録音。
さらに映画音楽、演劇作品、オペラ、児童書(!)まで、その活動範囲は果てしなく広がっている。そして彼の成し遂げた功績の全貌が本格的に評価され始めたのは、実は近年になってからのことだった。
〈Ndeya〉は、ジョン・ハッセル自身が〈Warp Records〉と共同で、自身の音楽を発表する拠点として設立したレーベルである。
これまでNdeyaからは、Pentimentoシリーズの2作品——『Listening To Pictures』(2018年)と『Seeing Through Sound』(2020年)——がリリースされている。これらは真のオーター(作家性を持つ表現者)による見事な集大成である。
さらに、オリジナル・テープからリマスターされたデビュー・アルバム『Vernal Equinox』の待望の再発や、自身の音楽について書いた文章をまとめた限定版コレクション『Atmospherics』も発表された。
現在、Jonがこの世を去った後も、〈Ndeya〉はハッセルの遺族と協力しながら、彼の音楽的遺産を未来へ残していくため、複数のアーカイブ・プロジェクトを進行させている。
彼の作品群を辿れば、彼のトランペットは幻視的な存在へと変化している。それは言語を超越したものだ。聴いたことがないのに、奇妙なほど馴染み深い。
それは熱帯の鳥たちが広がる樹冠であり、異国の言葉で歌われる女性の嘆きであり、羽音を立てる昆虫であり、砂丘の向こうから響くベドウィンの角笛であり、遠くから聞こえる列車の汽笛であり、金星にいるChet Bakerなのだ。
- Resident Advisor

ナイトメアズ・オン・ワックスによる不朽の名作アルバム『In A Space Outta Sound』のリリース20周年を記念したアニバーサリー企画として、UKダブの総帥エイドリアン・シャーウッドがリワークを手がけた『In A Space Outta Dub』が〈Warp Records〉からリリース。
『In A Space Outta Sound』は、ナイトメアズ・オン・ワックスことジョージ・エヴリンのキャリアにおいて、「原点」と「現在」の両方を映し出す作品である。2005年に発表されたオリジナル・アルバムは、彼がウェスト・ヨークシャーで育つ中で親しんだレゲエ・カルチャーへのオマージュとして制作された。その原体験は、2025年末にリリースされたミックステープ『Echo45 Sound System』においても掘り下げられている。両作に通底するのは、ジャマイカ由来のサウンドを軸に、ソウル、ジャズ、ヒップホップを自在に融合させ、サンプルを一瞬で耳に残るフックへと昇華させる、ジョージ・エヴリンの比類なき手腕であり、感性だ。
「You Wish」や「Flip Ya Lid」といった楽曲は世界的なヒットを記録し、数え切れないほどのシーンで鳴り響いてきた。それらは人々の意識に自然と染み込み、ナイトメアズ・オン・ワックス最大のグローバル・ヒット作として広く認識されている。最も商業的に成功した作品であると同時に、その影響力はアーティスト名を超え、カルチャーそのものに溶け込んできた。ソウルフルなヴァイブレーションを宿したこれらの楽曲は、多くの人々の日常に寄り添うサウンドトラックとして、長く愛され続けている。
アルバムの核を成すベースの鼓動は、伝説的ダブ・マスターであるエイドリアン・シャーウッドによる新たなダブ・ワークを通して、より際立ったものとなっている。ジョージ・エヴリンの招きにより、オリジナル・アルバム収録曲の一部を解体・再構築するという挑戦に臨んだ〈On-U Sound〉主宰のシャーウッドは、その期待に見事に応えた。代名詞とも言えるエフェクト操作でリズムを大胆に削ぎ落とす一方、サイラス・リチャード(ホレス・アンディ/ダブ・アサンテ・バンド)やダグ・ウィンビッシュ(タックヘッド/リヴィング・カラー)といった重要なプレイヤーたちと新たなオーバーダブも録音している。
こうして完成した8曲入りの『In A Space Outta Dub』は、マッド・プロフェッサーがマッシヴ・アタックの『Protection』を素材に再構築した『No Protection』をはじめとする名盤ダブ作品の系譜に連なる一作である。同時に、プライマル・スクリームやパンダ・ベア&ソニック・ブーム、スプーンといったアーティストの作品を再解釈してきたシャーウッド自身のリワーク作品群とも響き合い、格式ある歴史の一端を担う存在となっている。
『In A Space Outta Sound』は今なお生き続けるアーティファクトであり、今回のリイシューは、20年にわたりこの作品と向き合ってきたリスナーに向けた再発見の機会でもある。人生を肯定する楽曲群、ジャンルを横断するサウンド、革新的なコラボレーション──本作は、私たちの日常における「内なる空間(インナー・スペース)」を今も形作り続ける決定的な一枚だ。
〈Warp Records〉で最も長く在籍する古参アーティストとして、ジョージ・エヴリンは30年以上にわたりエレクトロニック/ソウル・ミュージックの最前線を走り続けてきた。本アニバーサリー企画は、その歩みとともに、世代を超えて響き続けるその影響力と、時代を超越した作品の価値をあらためて証明するものである。

13年の沈黙を破り、ボーズ・オブ・カナダが最新アルバム『Inferno』を発表。〈Warp Records〉より5月29日にリリースされることが明らかとなった。本作は、マイケル・サンディソンとマーカス・イオンによる音楽プロジェクト、ボーズ・オブ・カナダにとって2013年の『Tomorrow's Harvest』以来となる待望の5thアルバムとなり、18の新曲が収録される。
ノルウェーの気鋭Carmen Villainのニュー・アルバム『Memoria』が〈Smalltown Supersound〉より登場!Pauline Oliverosのディープ・リスニング思想や、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の同名映画から影響を受け、風化し変容する記憶をテーマに音の空間へと落とし込んだ濃密なもので、フルートやクラリネット、トランペットの繊細なアコースティック録音を解体・再構成し、ダブの手法と立体音響的な質感で再構築。Rhythm & SoundやPoleを想起させる重低音のサブベースと残響、Jon Hassell由来のフォース・ワールド・ジャズの気配、そして微細なクリック&カッツが有機的に重なり合い、空間そのものが息づくようなシネマティックな音響美学を描き出している。過度な歪みやメロディに頼らず、引き算の美学と高度なイコライジングによって音の残影を繊細に捉えた音響芸術。
〈XKatedral〉の共同創設者であるスウェーデンの作曲家Maria W Hornが、W.G. Sebald『土星の環』から着想を得て制作した室内アンサンブル作品『Melting Pillars of Snow』。コントラバス・リコーダー、笙、パーカッション、エレクトリック・ギター、声、電子音響を組み合わせた編成は彼女のキャリアでも特に野心的なもので、倍音の層がゆっくりと変化し続ける静的で緻密な構造。Anna Petrini、Mattias Hållsten、Magdalena Meitzner、Mats Erlandssonらも参加し、アコースティック楽器の倍音と電子処理がゆっくりと重なり変化していく様は、季節や風景の移ろい、深い時間を体験するかのよう。低域の重い呼吸と高域の持続音が対照的に響き、空間の縦の広がりが強調される一方、金属的な細かな音が薄い霧のように全体を包む。ギターはアルペジオやドローンで影のように構造を支え、Hornの電子音響処理がアコースティック楽器の倍音と絡み合いながらスペクトルを変形させていく。静寂と緊張が同じ温度で存在する、深い観察性を持つアルバム。
〈XKatedral〉の共同創設者であるスウェーデンの作曲家Maria W Hornが、W.G. Sebald『土星の環』から着想を得て制作した室内アンサンブル作品『Melting Pillars of Snow』。コントラバス・リコーダー、笙、パーカッション、エレクトリック・ギター、声、電子音響を組み合わせた編成は彼女のキャリアでも特に野心的なもので、倍音の層がゆっくりと変化し続ける静的で緻密な構造。Anna Petrini、Mattias Hållsten、Magdalena Meitzner、Mats Erlandssonらも参加し、アコースティック楽器の倍音と電子処理がゆっくりと重なり変化していく様は、季節や風景の移ろい、深い時間を体験するかのよう。低域の重い呼吸と高域の持続音が対照的に響き、空間の縦の広がりが強調される一方、金属的な細かな音が薄い霧のように全体を包む。ギターはアルペジオやドローンで影のように構造を支え、Hornの電子音響処理がアコースティック楽器の倍音と絡み合いながらスペクトルを変形させていく。静寂と緊張が同じ温度で存在する、深い観察性を持つアルバム。

カナダのオールドタイム・バンジョー奏者Allison de Grootと、〈Third Man Records〉等からのリリースで知られるナッシュビルの実験的プロデューサーRich Ruthによるコラボレーション。当初のソロ制作から約1年におよぶセッションを経て共同作へと昇華、ディレイやルーパーを施したバンジョーが刻む繰り返しのミニマルなフレーズは、クラウトロック的な力強い推進力を獲得。そこに重厚なシンセサイザーやシネマティックなバイオリン、空間を押し広げるペダル・スティールが重なり合う。無機質な電子音やヴィブラフォンと、野鳥の鳴き声やラジオの断片といった有機的な素朴さが混ざり合い、大地に根ざした温かみと広大な宇宙感覚が同居するサイケデリックな音響世界を構築している。アメリカン・トラッドの伝統的な手触りと、スピリチュアル・ジャズやアンビエントの実験精神が見事に溶け込んだ、新しい共有空間。

Floristのメンバーとしても知られるアンビエント作家Emily A. Spragueが、架空の惑星『Cyano』を舞台に制作したコンセプト作品。これまでのインスト中心の作風から一歩踏み込み、自身の歌声を本格的に取り入れた初のアルバム。すべての音がシンセサイザーのみで生成され、サンプルやアコースティック楽器を使わないという徹底したアプローチが特徴。霧のように漂うシンセのレイヤーと、風景の一部として現れる静かな歌声。光と影が交差するような微細な揺らぎが続き、どこか遠い場所の空気を覗き込むような感触がある。Floristでのフォーク的な手触りは残しつつも、構造的というよりはメロディの断片や音の身振りだけが浮かぶ抽象的な構成へと変化している。シンセと声だけで描かれた遠い惑星をモチーフに内面世界を旅する静かで深いアンビエント作品。

Floristのメンバーとしても知られるアンビエント作家Emily A. Spragueが、架空の惑星『Cyano』を舞台に制作したコンセプト作品。これまでのインスト中心の作風から一歩踏み込み、自身の歌声を本格的に取り入れた初のアルバム。すべての音がシンセサイザーのみで生成され、サンプルやアコースティック楽器を使わないという徹底したアプローチが特徴。霧のように漂うシンセのレイヤーと、風景の一部として現れる静かな歌声。光と影が交差するような微細な揺らぎが続き、どこか遠い場所の空気を覗き込むような感触がある。Floristでのフォーク的な手触りは残しつつも、構造的というよりはメロディの断片や音の身振りだけが浮かぶ抽象的な構成へと変化している。シンセと声だけで描かれた遠い惑星をモチーフに内面世界を旅する静かで深いアンビエント作品。

The Waterboysの名曲をカヴァーした、The Watergirls名義による最初で最後の限定12インチ!OptimoのJD TwitchことKeith McIvorが末期脳腫瘍の診断を受けたことをきっかけに、広義のOptimoコミュニティのメンバーが集結して制作、当初はリリース予定のないプライベートなトラックだったが、友人を経て共有される中でチャリティ・リリースへと発展した。コミュニティの有志が集結した、悲しみを超えた愛と希望、そしてクラブカルチャーへの感謝が詰まった特別なもの。Hardway BrosのSean Johnstonによるリミックス等を収録し、遅めのテンポで徐々にフロアを加熱させるスローバーニングなダブ〜エレクトロニック・ハウスを展開。エレクトロニックで多幸感にあふれたトラックの上で、親密かつ開放的なメロディが響き渡る、まさに親しい人同士が抱き合い歌い交わすために生まれたダンス・アンセム。グラスゴーの精神とOptimo周辺の固い絆、純粋な情熱が結実した心揺さぶる一枚!

ボリビアはラパス出身の現代音楽作曲家Cergio Prudencioが1980年に創設し、ラテンアメリカ最高峰の過激な音響実験として世界的に評価される先住民楽器実験オーケストラによる、1989年から2014年にかけて書き下ろされた重要作品群を編んだ『Antología 2』。シクやタルカといったアンデス高地の伝統楽器が持つ特殊な発音原理やマイクロトーン、アイマラ民族の伝統的な交互奏法や祈りの儀式構造を、現代音楽の前衛的なコンテンポラリー手法と完全融合。大規模な音塊が押し寄せる圧巻のダイナミズムから、アンデスの静謐な時間観念を思わせる繊細な残響まで、伝統と現代前衛が火花を散らす唯一無二の音響劇を展開。古代の精神性と前衛音響理論が高次元で結実した重要作。作曲家本人による解説テキストも付属した、探求的な逸品!
チリ出身の詩人であり芸術家のCecilia VicuñaとコロンビアのピアニストRicardo Gallo、そして同国の先住民音楽を探求するトリオHombre de Barroによるコラボレーション作品『Tejiendo nubes contra la muerte』。気候変動や環境への意識を先住民の知恵と繋げたVicuñaの詩集『Cloud Net』を軸に、2022年7月にコロンビアの山あいで録音、2023年に他界した参加ミュージシャンErnesto "Teto" Ocampoの遺作としても深い意味を持つ一枚。朗読や囁き、吐息や静寂までを自在に行き来するVicuñaの詩的ヴォイスに対し、静謐なピアノやシンセサイザー、チェロ、フルート、ギターが即興的かつ有機的に交差。コロンビア伝承音響の深いルーツと現代アヴァンギャルドが高次元で融合し、儀式的で神秘的な音響空間を立ち上げている。精神性と芸術性が全編を貫く充実作。
1978年のイスラム革命前夜、現代へと語り継がれる、革命前のイラン音楽における黄金期である1960年代から70年代のイランにおけるロックンロール、ガレージ、サイケデリック、ポップスシーンを捉えたコンピレーション『Iranian Nuggets』。GoogooshやKourosh Yaghmaeiといったスターから、The RebelsやThe Golden Ringなどの貴重なバンド、マニアックな隠れた名義まで厳選13曲を収録し、各アーティストの解説とともに当時の熱気をパッケージ。ファズの効いたアッパーなガレージ・ギターやチープなオルガン、キャッチーなビートに乗せて、ペルシャ音楽特有のエキゾチックで哀愁を帯びた旋律や情感あふれるヴォーカルが鮮やかに交差。西洋のロックやポップスへの憧憬と自国の音楽的ルーツが融合した唯一無二の生々しいサウンドを収録した刺激的な一枚。
1978年のイスラム革命直前、テヘランの街を包んでいた熱狂と先進的なサウンドの交差点に焦点を当てたペルシャ・ファンク・コンピレーション『Iranian Funk』。GoogooshやKourosh Yaghmaeiといった当時のスターからマニア垂涎のマイナー音源まで厳選10曲を収録し、革命によって歴史の表舞台から姿を消すこととなった黄金期の貴重な音源を網羅。タイトで太いアメリカン・ファンクの躍動的なリズムやヘヴィーなブラス・セクションに、ペルシャ音楽特有のエキゾチックな旋律やコブシ、サイケデリックなギターやシンセサイザーが重厚に交差。西洋への憧憬とオリエンタルな情念が奇跡的な熱量で融合した高密度のグルーヴは、圧倒的な中毒性に満ちている。音楽的価値と歴史的価値を兼ね備えた一枚。

ブラジル音楽界の重鎮Marcos Valleが1972年に残した、キャリア屈指の重要作にして名盤『Vento Sul』が180g重量盤で復刻。ボサノヴァから洗練されたMPBへと進化してきた彼が、自らの音楽的境界線を押し広げ、大胆な自己再発明を果たした転換点となる一枚で、ボサノヴァ譲りの美しいメロディセンスを核に置きつつ、サイケデリック・ロックやプログレッシヴ・ロックの実験性、ジャズの自由度が高次元で交錯する緻密かつ神秘的なサウンドを展開。オーガニックでありながらどこか浮遊感のあるトリップ感があり、サイケ・フォークやレフトフィールドなMPBとしても楽しめる音楽的魅力が凝縮された一枚。
世界中のコレクターやDJを魅了するブラジリアン・フロア・クラシック「A Gira」で知られるファミリー・グループ、Trio Ternuraが1972年に残した非常に珍しい7インチ・シングル『O Mensageiro』が初復刻。LPには収録されずシングルのみでリリースされていた貴重な音源で、ブラジル音楽特有のしなやかな質感とソウル・ミュージックのエッセンスが絶妙に溶け合い、兄弟姉妹グループならではの息のあったヴォーカル・ハーモニーが華やかに躍動する極上のグルーヴを展開。甘美で洗練されたメロディラインからキャッチーで疾走感あふれるアッパーなトラックまで、普遍的なポップネスを備えたタイムレスな輝きを放つ佳曲。
サン・セバスティアン出身で現在はニューヨークを拠点に活動するバスク人マルチ奏者Iker Munduateによる注目のセカンドアルバム『Sinkronia』。ノイズ、パンクからフリー・ジャズ、インプロ・シーンを経て、リンカーン・センターでのGlenn Branca作品への参加など異彩を放つ彼が、ファイン・アートの美学と高度なコンポジションを融合させて生み出した現代ミニマル・ミュージックの逸品。シロフォンやハンドドラムなどの多彩なパーカッション、エレクトリック・ギター、シンセサイザーを用い、Steve ReichやSuso Saiz、高田みどりらに通じる東洋・西洋のミニマリズムを独自に展開。Steve Reich調のミニマリズムからDetroit Escalator Companyのような静謐なフューチャリスティック感、さらには竹村延和を思わせる繊細な内省性までを感じさせる音響空間を構築。イタリアのアヴァンギャルドや日本のニューエイジが洗練された構造美のもとで交差する充実の一枚。
サン・セバスティアンを拠点に活動する建築家兼ミュージシャン、José María Lluchによるデビュー作『La Proyección』。2015年から2024年までの9年間にわたり、自宅スタジオで静かに書き溜められた音源から11曲を厳選したプライベートな作品で、誰に見せるためでもなく、商業的な意図からも完全に切り離された場所で制作された本作は、一人の人間が長年紡いできた音の記録であり、手つかずのまま残された日記を覗き込むような親密さに満ちている。フィンガーピッキングによる素朴なアコースティック・ギターの響きや優しい倍音に、テープ・マニピュレーションや日常の環境音が幻想的に重ね合わされている。洗練されすぎない不完全さの中に温もりと無垢な魅力が漂う、聴く者の意識を静かに解き放つようなエーテル的なアンビエント・フォーク。

Joe Bataanがレーベルの独立とクリエイティヴな自由を求めて立ち上げたインディペンデントレーベル、〈Ghetto Records〉の1970年発表の記念すべき第一弾作品『Ghetto Records Presents... Eddie Lebron』が嬉しい復刻。プエルトリコ生粋の魂とニューヨークのストリート感覚をあわせ持つピアニスト、Eddie Lebrón率いるバンドのデビュー作であり、屈指のレア盤。R&Bやドゥーワップを通過したバックバンドによる重厚なヘヴィー・サルサと、Joe Bataan監修のもと組み込まれた甘美な英語詞ラテン・ソウルのブレンドが最大の聴きどころ。Lebrón自身が手掛けた躍動感あふれるアレンジとエッジの効いたピアノ、そしてハーレムの熱気をそのまま閉じ込めたようなリアルなストリート・サウンドが脈打つ、70年代ニューヨリカン・カルチャーの黎明期を象徴する名盤。
スペインのポップ史に燦然と輝く初期エレクトロニック・ミュージックの金字塔Aviador Dro Y Sus Obreros Especializadosによる『La Chica De Plexiglas / La Vision』が待望の復刻。1980年と1981年にリリースされた最初期のシングル群に、幻の1980年未発表セッション音源を加えた1983年発表のミニLP仕様が完璧な形で蘇った。コンピューターが部屋一つ分のサイズだった時代に産み落とされた、スペイン最初期にして最も鋭利なテクノ・パンクの記録。Kraftwerkが提示した整然とした電子音の骨格に、Devoの持つ奇妙なニューウェイヴ的衝動、さらにはThe Residentsのような実験的アヴァンギャルド性を融合させた唯一無二の世界観を展開。チープながらも鮮烈なガジェット感あふれるシンセサイザーと無機質なヴォーカルが交差する音像は、初期パンクのDIY精神と未来派エレクトロ・ポップが奇跡的なバランスで結実したもの。80年代初頭の熱気と先進性をダイレクトに体感できる一枚。
