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ブリュッセル拠点のアーティスト Sagat による、空気の中で音がゆっくりと形を変えていくようなアンビエント/電子音響作品『VEIL + e/tape remix』。はっきりしたメロディやリズムはほとんど姿を見せず、代わりに、かすかな揺らぎや淡いノイズが静かに重なり合い、霧の中で音が浮かんでは消えるような独特の世界が広がる。電子音と物理的なノイズが自然に混ざり合い、音の肌触りや温度が前面に出る構造が印象的。耳元でささやくような細い音、遠くで響く低い振動、曖昧な残響がゆっくりと流れ、聴くほどに深い静けさへ沈んでいく。スロベニアのアーティスト e/tape によるリミックスも収録した夜の静けさに寄り添うような音響作品。
スペインの電子音楽家 Estrato Aurora と Absis によるコラボレーション・プロジェクト Atàvic。彼らが追求してきたテクスチャーの自発的な進化と音の有機性をさらに深めた、静かで密度の高いミニマル・エレクトロニック作品『Creatividad Artificial E.P』。抑制されたビートと柔らかい低音の脈動を軸に、粒子のような音がゆっくりと浮かび上がり、空間に広がってゆく。メロディはほとんど姿を見せず、代わりに音の揺らぎや残響が物語を紡ぐ。過剰な装飾を排し、音が自然に変化していくプロセスそのものを聴かせる構造は、クラブ・ミュージックと純粋な音響作品の中間に位置する独特の魅力を放っている。夜明け前のような薄明かりのムードと、質感を主役に据えた、〈Alpenglühen〉の美学を体現する、深いリスニングに最適な一枚。

ジョージア出身の電子音楽家 Rezo Glonti による、過去の記憶や風景を音の断片として再構築する Recollections シリーズの続編となる7インチ作品『Recollections V–VI』。短いフォーマットながら、彼の音楽が持つ透明感のあるアンビエント、繊細なエレクトロアコースティック、微細なノイズの揺らぎが凝縮されており、フィールド録音のような自然なテクスチャーと、柔らかく重なる電子音が静かに呼応し、過去の風景がぼんやりと浮かび上がるような感覚を生む。大きな展開はなく、音の粒子がゆっくりと漂うだけだが、その余白こそが作品の魅力で、聴くほどに深い内省へと沈み込んでいく。小さくも豊かなアンビエント作品。
伝統楽器とエレクトロニクスが真正面から交わる、韓国発の実験的コラボ作品『Ancient Moment Part 1』。本作は、韓国の伝統楽器である大金奏者 Hong Yoo と電子音楽家 Unjin、 同じく伝統楽器の伽耶琴奏者 Lee Hwayoung とアンビエントデュオ Hosoo という2組のコラボレーションによる即興演奏で構成されている。大金や伽耶琴の微細な震えと電子音の粒子、ドローンがぶつかり、溶け、境界を失っていく。融合というより、異なる世界がそのまま衝突し、共鳴する瞬間を記録した音で、大きな構成よりも瞬間の響きを捉えることに焦点を置いた、非常に純度の高い音響作品。

デンマークのミニマル・アンサンブル、Copenhagen Clarinet Choirと作曲家Anders Lauge Meldgaard のコラボレーション・アルバム《Jeux d’eau》をリリース
《Jeux d’eau(ジュ・ドー)》は、実験的アンサンブル Copenhagen Clarinet Choir と、デンマークの作曲家・演奏家 Anders Lauge Meldgaard による探究的なコラボレーションから生まれた作品です。中心となるのは Meldgaard による作曲と、日本発の電子楽器 New Ondomo の演奏。この楽器は1920年代後半にフランスで生まれた最も古い電子楽器のひとつ オンド・マルトノ に着想を得て開発されたもので、Copenhagen Clarinet Choir の鮮やかなエネルギーと冒険心が、Meldgaard の音楽的ヴィジョンに生命を吹き込んでいます。
プロジェクトの着想源となったのは、イタリア・ティヴォリにある Villa d’Este の庭園を Meldgaard が訪れたことに始まります。この場所はかつて Franz Liszt や Maurice Ravel にインスピレーションを与え、彼らは同名のピアノ曲《Jeux d’eau(水の戯れ)》を作曲しました。本作もその系譜を受け継ぎながら、新たな音の旅へと聴く者を誘います。従来の作曲家たちが厳格な構造に重きを置いていたのに対し、Meldgaard はより開かれた形式を採用し、演奏者が即興的に関与できる余地を残しています。
こうした柔軟性が、ミニマル・ミュージック特有の反復の性質に、よりしなやかで心地よい響きを与えています。
コペンハーゲンの The Village で録音されたこのアルバムでは、クラリネット・クワイアの有機的な共鳴と、New Ondomo および電子音の予測不能なテクスチャが交錯する音響体験が展開されます。
《Jeux d’eau》は、構造と自由、前進と反復を絶妙に行き来する音楽です。Terry Riley や Steve Reich といったアメリカの古典的ミニマル・ミュージックに影響を受けながらも、単なる模倣にとどまらず、後期ロマン派的な抒情性を帯びたメロディと豊かなハーモニーにより、反復の厳格さがやわらげられています。加えて、Jo Kondo や Sueko Nagayo のような日本の作曲家に通じる繊細さと明快さも感じられます。作品全体は、躍動と静寂が交差する、遊び心と深みを兼ね備えた音世界を生み出しています。
この作品は、水への賛歌であると同時に、人間と自然の繊細なつながりに対する静かな問いかけでもあります。流れるような形とオープンな記譜法により、音楽は自然のダイナミクスを映し出す鏡のような存在となり、演奏者には即時の気づきと、協調、バランスへの配慮が求められます。水のように、音楽もまた変化し続けるものであり、私たちの環境が常に移ろいゆく存在であること、そしてそれを守る責任があることを、優しくも力強く伝えています。
Varg2™ と Chatline が再びタッグを組み、2023〜2024年にスウェーデン・Västra Skogenでライブ録音された2曲構成の作品で〈Northern Electronics〉らしい冷たさと緊張感を極限まで研ぎ澄ませた、極端にミニマルで閉ざされた音響ドキュメント『ASMR for Suicidal Thoughts』。音楽は徹底して削ぎ落とされ、解決しない緊張が持続する固定された状態を描かれる。展開やドラマ性はほとんど排除され、わずかな変化だけが静かに揺らぎ続け、聴き手は動かない時間と向き合わされる。ノイズは壁のように圧倒するのではなく、薄く脆い膜のように張りつめた質感で存在し、そこに時折、葬送のような短いメロディの断片が浮かんでは消える。逃げ場のない静けさに支配された作品。

日本人ギタリスト・福住康平によるアンビエント、ドローン作品で、ギターの残響と淡い記憶のような音像が漂う静謐なアルバム『A Replica Screams』。ギターを中心にした靄のような音像で、ギター・ドローンが空間に滲むように広がっていく。音の密度がゆっくり変化し、聴くほどに景色が移り変わっていくようで、夢のようなアンビエントのよう。派手な展開はないが、音の揺らぎや質感の変化が美しく、深く沈み込むような印象を残す一枚。
オリジナル盤、デッドストック品。スリランカ出身で後に英国へ渡った Race Knower が、1984年に自主制作で残した DIY ファンク/ソウル・アルバム『Tumbling Down』。Linn Drumを軸にした80年代らしい打ち込み、AOR風のメロウなグルーヴ、そしてどこか Arthur Russell を思わせる独特のヴォーカルが印象的。温かくメロウ、だけど少し影のあるムードに、自主制作盤ならではのローファイな質感。生活感やリアルな感情が音に滲み出た、夜の街や雨のロンドンを思わせる、ローカル自主制作ソウルの魅力が詰まった一枚。

80年代ダンスホールの甘酸っぱさとストリート感が絶妙に混ざり合ったラヴァーズ寄りダンスホールの隠れ名作Freddie & Dessie『Girls Talk』。シンプルなリズムボックスと軽快なベースラインの上で、Freddie の柔らかい歌声と Dessie のチャーミングなフロウが絡み合い、まるで街角の恋愛トークをそのまま曲にしたような、肩の力が抜けた楽しさが漂う。派手なプロダクションではないけれど、そのローファイな質感が逆に魅力を引き立てていて80sダンスホールの家庭的な温度をしっかり感じられる。小さくて愛らしいジャマイカン・ポップの宝石。

Legowelt こと Danny Wolfers と、ミステリアスな存在として知られる Noda によるコラボレーション作で、アナログ・リズムマシンの魅力を徹底的に掘り下げた実験的エレクトロ/シンセ・ジャム集『Avant Garde Rhythm Box』。ズレや不完全さをあえて残したDIY的な質感と古いリズムボックス特有のチープで温かい音による反復するビートがじわじわと催眠的なグルーヴを生む。家庭用キーボードで遊んでいるような無邪気さと、職人技の両立があり、実験的でありながら、どこかキャッチー。完璧に作り込むのではなく、瞬間のノリをそのままパッケージしており、聴くほどにクセになるゆるい実験精神にあふれている。80年代の家庭用シンセやリズムボックスが勝手に暴走しているような楽しさに満ちた怪作。

ハワイを代表する歌姫 Teresa Bright が、トロピカルな空気と都会的な洗練を絶妙に溶け合わせた名作。ハワイアンの伝統的なメロディやリズムをベースにしながら、スウィング、ボサノヴァ、ラウンジ・ジャズの要素を軽やかに取り込んだ、南国の風がそっと吹き抜けるような心地よさ。Bright の透明感あるヴォーカルが、海辺の静けさや夕暮れの柔らかい光を思わせる、穏やかで優しい時間を作り出している。英語曲とハワイ語曲が自然に並んでいることも、アルバムに豊かな表情を与えており、軽やかでありながら、長く聴き込んでいくこともできる上質な一枚。

ヨルダンを拠点に活動するプロデューサー Taymour と、レバノン拠点のアーティスト Bareetlblad による、アラブ圏のリズムや声のニュアンスを取り込みながら、インダストリアル、エレクトロ、エクスペリメンタルが交差するコラボレーション作『Nos Insan』。アラブ圏のパーカッションのニュアンスを抽象化し、メタリックで硬質なビートと融合。祈りのような声、叫び、囁きが加工されて用いられ、電子音のレイヤーは暗く、熱を帯びている。重心の低いビート、ざらついた電子音、そして人間の声の断片が混ざり合い、都市の熱気と混沌、そしてどこか宗教的な影を感じさせる独特のサウンドスケープが広がっている。人間の本性や衝動を音で描くような濃密さが魅力的。
Buddha Machineを深く探求したMonolake名義でも知られるRobert HenkeによるオリジナルはCDの2006年作『Layering Buddha』が〈Astral Industries〉より2LP仕様で再発!Buddha Machineは中国の電子音楽デュオFM3が2005年に発表したお経や仏教音楽を流すための装置を元にしたループ再生専用の小型音楽プレーヤーで、Brian Enoが50台まとめ買いしたことでも知られている。Buddha Machineに内蔵された9種類の短いループは、製造誤差によって個体ごとに音質・ピッチ・ループ長が微妙に異なり、このゆらぎを複数台同時に鳴らし、空間に配置。ローファイな再生回路がもたらすざらついた質感と、複数のループが干渉し合うことで生まれる複雑な倍音構造が印象的で、テクスチャーそのものに焦点を当てたHenke自身のキャリアの中でも独自の位置を占める実験的名盤。

ベルリンを拠点に活動するサウンドアーティスト Jasmine Guffond による、商業空間で流れる作業効率を上げる音楽、ミューザックを逆手に取り、生産性を下げるための音楽として再構築した実験的アンビエント作品『Muzak for the Encouragement of Unproductivity』。電子音の揺らぎ、低周波のドローン、ざらついたノイズ、そして微細なリズムの断片がゆっくりと浮かんでは消え、何かが起きそうで起きない時間が伸び縮みする。あえて集中を妨げるような、曖昧で揺らぐ音の構造で聴くほどに思考がほどけていくような感覚を覚える。深夜の作業中にふと流れてきた謎の音楽のような一枚。
ロンドンを拠点に活動する音楽家Hinako Omoriによる、シンセサイザー、フィールドレコーディング、そして柔らかな声のレイヤーを用いて水の流れを音として描き出した、静かで透明なアンビエント作品『studies on a river』。湯河原、京都、大阪の様々な水源から採集した川のせせらぎや風の音といった自然の気配が電子音と溶け合い、ゆっくりと漂うようなサウンドが広がる。Omori 特有の澄んだシンセの揺らぎと、歌というより、息や囁きのような声のテクスチャーが深い癒しと内省をもたらし、聴く者をそれぞれの静かな水辺へと誘う。自然音と電子音が境界なく溶け合う有機的な世界は、水辺を歩きながら風景を眺めているような、静かな時間に寄り添う一枚。

クラシカルなピアノに、現代的・実験的なアプローチで挑み、現代音楽の旗手として不動の地位を築いてきたKelly Moran。2018年にはOneohtrix Point Neverのツアー・アンサンブルに参加し、FKA Twigsのライブでも活躍。クラシックの領域ではMargaret Leng Tanの作曲を手掛ける一方、Kelsey LuやYves Tumorといったアーティストとも共演してきた彼女が、最新作を〈Warp Records〉より発売!
自動演奏を取り入れた前作『Moves in the Field』に続く二部作を締めくくる本作は歪みや反射、そして自分自身を少しずつ取り戻していく緩やかな営みを探求する作品である。レーベルメイトであるBibioを迎えた本作の全10曲は、音のテクスチャーが屈折しながらきらめきを放ち、自己との再接続と集中へと向かう没入的な旅路を描き出している。
え

(数量限定/日本語帯付/解説付)今や世界的な人気を誇るインストゥルメンタル・バンド、クルアンビン。ボノボに見いだされ、無名の新人ながら彼が監修したコンピレーション『Late Night Tales』に楽曲が収録されるや、そのスウィートでメロウなサウンドが一躍話題に。そんな彼らのデビュー・アルバムとなる本作は、ディープでレアなファンク・サウンドの産地としても知られるテキサスを拠点に制作。60〜70年代のタイ音楽や東南アジアのポップ・ミュージックから影響を受けたエキゾチックでノスタルジックな音世界と、チルでオーガニックな激ユルほっこりグルーヴが絶妙に融合し、一度聴いたら病みつき必至!まるでタランティーノやジム・ジャームッシュの映画サウンドトラックと、カウボーイ・ジャンキーズ『The Trinity Session』を掛け合わせたような、至福の時間を約束する大傑作!

(数量限定/日本語帯付/解説付)世界的な人気を誇るインストゥルメンタル・バンド、クルアンビン。2ndアルバムとなる本作では、先行シングル「Maria Tambien」で百戦錬磨のライヴで培ったアグレッシヴなファンク・サウンドを披露する一方、アルバム全編ではディープ・チルでオーガニックな激ユルほっこりグルーヴを徹底的に追求している。まろやかで芯のあるベースライン、ドライでタイトなドラム、AORやソフト・ロック、ハワイアンまで取り込んだロマンチックなギターが絶妙に絡み合い、聴く者をまさにテキサスの秘湯へと誘う。全世界に真夜中の至福の時間を届けたブレイク作で、人気曲「Friday Morning」「August 10」も収録された、クルアンビンの出世作にして大傑作!

(数量限定/日本語帯付き/解説書付き)エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムス。若くして「テクノモーツァルト」の称号を得たエレクトロニック・ミュージック界の最高峰であり、誰もが認める〈WARP RECORDS〉の看板アーティストである彼が、ポリゴン・ウィンドウ名義で発表され、エレクトロニック・ミュージックの歴史を変えた伝説のアルバムが帯付き盤LPで待望のリイシュー決定!
1992年、〈WARP〉がリリースした革新的コンピレーション『Artificial Intelligence』の冒頭を飾ったのは、エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスによる「Polygon Window」という楽曲だった(ただし同作ではThe Dice Man名義)。そして翌1993年、若くして“テクノ・モーツァルト”と称された彼が〈WARP〉から初めてリリースしたアルバムこそ、エイフェックス・ツインではなくポリゴン・ウィンドウ名義で発表された伝説的作品『Surfing On Sine Waves』である。当時22歳のリチャードによって生み出された本作は、エレクトロニック・ミュージックのその後の方向性を大きく変える画期的なアルバムとなった。アルバム・タイトルはリチャード自身の発言をもとにRob Mitchellが選定したもので、UKダンス・チャートでは初登場2位を記録。同年には続編としてEP『Quoth』もリリースされ、表題曲のほか、このEPで初登場となる楽曲も収録された。
そして2025年、32年の時を経て登場する『Surfing On Sine Waves (Expanded Edition)』は、オリジナル・バージョンのアルバムとEPをひとつにまとめたエクスパンデッド・エディションとしてリリースされる。

現代音楽シーンにおいて、静かに、しかし圧倒的な影響力を持つワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(以下OPN)が、アルバム『Tranquilizer』を〈Warp〉よりリリース。OPNならではの幻想的で超現実的なサウンド世界が姿を現す。
精神安定剤を意味する『Tranquilizer』の出発点は偶然の光景だった。歯医者の椅子に横たわり、歯に響く振動を受けながら、ふと見上げた蛍光灯のカバー。灰色のタイル天井に貼られた、青空とヤシの木のプリント−−安っぽい人工の楽園。その瞬間、OPNは問いかける。この世界の音とは何か。日常と非日常がかろうじて均衡を保ちながら共存する、この薄っぺらな現実の音とは。
さらに、数年前、インターネット・アーカイブから、巨大なサンプル・ライブラリがインターネットから忽然と消えた事件も創作の引き金となった。90年代から2000年代にかけての何百枚ものクラシックなサンプルCD−−シーケンス、ビート、パッド、バーチャル楽器。『サイレントヒル』から『X-ファイル』まで、数え切れない作品に陰影を与えてきた音源たちが、一瞬にして闇に呑み込まれたという出来事。それは文化の断絶、時代の記憶を繋ぐ回線が無慈悲に断ち切られるような体験だった。幸いにも、失われかけた音の断片は再び救出され、文化的アーカイブとして息を吹き返す。本作は、過去への逃避とは何を意味するのか、そしてその先に何が待っているのかを問いかけ、超現実的でディープなテクスチャーで聴く者を包み込む。
失われた音の断片をもとに、『Tranquilizer』は音の幻覚を描き出す。静謐なアンビエンスがデジタルの混沌へとねじれ、日常の質感は感情の奔流へと変容する。忘却と廃退に形づくられたレコード。現実と非現実の境界はぼやけ、サンプルはノイズへと溶け込み、夢の中で扉がきしむ音を立てる。今作のOPNは、これまで以上に没入的だ。ノスタルジーではなく、失われた音を新しい感情の器として再構築している。
アートワークは、インディアナ州を拠点とするアーティスト、アブナー・ハーシュバーガーによって描かれた絵画で、アブナーが育ったノースダコタの平原を抽象的かつ有機的に再構築している。忘れ去られた素材や農村風景に根ざしたそのビジュアルは、『Tranquilizer』のテーマである崩壊、記憶、クラフト感と呼応する。
過去20年にわたり、OPNは世界有数の実験的エレクトロニック・ミュージックのプロデューサー/作曲家としてその名を確立し、21世紀の音楽表現を刷新し続けている。初期の『Eccojams』はヴェイパーウェイヴを生み出し、『R Plus Seven』や『Garden of Delete』といった作品はデジタル時代のアンビエント/実験音楽を再定義した。さらに、サフディ兄弟の『グッド・タイム (原題:Good Time)』と『アンカット・ダイヤモンド (原題:Uncut Gems)』やソフィア・コッポラの『ブリングリング (原題:The Bling Ring)』の映画音楽を手がけ、今年最も注目を集める映画のひとつであるジョシュ・サフディ監督作『Marty Supreme』の音楽も担当。またザ・ウィークエンド、チャーリーXCX、イギー・ポップ、デヴィッド・バーン、アノーニとのコラボレーションでも知られている。

〈On-U Sound〉を率いるUKダブの総帥エイドリアン・シャーウッドが、13年ぶりとなるソロアルバム『The Collapse Of Everything』をリリース!繊細かつ重層的なサウンドデザインと、ダブを基盤にジャンルの境界を越えて展開される冒険的な音響世界。マーク・スチュワートやキース・ルブランへの追悼の意も込められた本作は、シャーウッドの音楽人生と感情が凝縮された意欲作。ダグ・ウィンビッシュを中心に卓越したミュージシャン陣が集結。キース・ルブランの演奏やブライアン・イーノによる作曲を織り交ぜ、挑戦的かつドープなサウンドスケープを描き出す。
UKダブ界の名プロデューサー/ミキサーとして知られるエイドリアンだが、今回はミキシング・デスクの背後から前に出て、自身の冒険心に満ちたサウンドをこれまで以上に新たな領域へと押し広げている。そして、他アーティストのプロデュースと自身の作品との違いについて、次のように語っている。
「今まで何百枚も他人の作品を作ってきて、どれも誇りに思っている。でもソロ作品では、自分がすべての判断を下せるし、他の誰かを満足させる必要がない。今回のアルバムをライブでどう表現していくかも楽しみだし、多くの人が気に入ってくれると嬉しい。これは本当に良い作品だと思うんだ。」と。

最終入荷です。長年にわたり、岡田拓郎は静かな問いを抱き続けてきた。
「日本人の音楽家として、アフリカ系アメリカ人の音楽を単に借用することなくどう敬意を払えるのか?」
――その探求が新作アルバム『Konoma』を形作った。
東京を拠点に活動するギタリスト/プロデューサー/バンドリーダーである岡田は、幼少期からこの葛藤の中で生きてきた。ブルース、ジャズ、ファンクのレコードに惹かれ育ちながらも、そこに刻まれた歴史の重みに直面し、また日本人として日本に生まれ育った自分自身の起源、そしてそれらの音楽との接点について考えを巡らせていた。そんな彼に道を示したのが、アーティスト・シースター・ゲイツ(Theaster Gates) の展示で知った「アフロ民藝」だった。
ゲイツは、ブラック・アートの美学と日本の民藝運動を結びつけ、いずれも“抵抗”の精神に根ざした文化であることを示した。「Black is Beautiful」という言葉が人種差別への抵抗を象徴したように、民藝運動もまた、産業化によって消えゆく日常の美を守るために生まれた。この2つの精神の共鳴が、岡田にとっての『Konoma』の羅針盤となった。本作は文化と時間の境界を越えて鳴り響く余韻に耳を澄ませた作品である。
『Konoma』には、6曲のオリジナルと2曲のカヴァーが収録されている。
どの曲も、この“対話”の中で形づくられた。優雅でゆったりとした「Portrait of Yanagi」は、まるでぼんやりとした記憶の中にある、別の時代のスタンダードのように漂い、短くも濃密な「Galaxy」では、後期サン・ラのエレクトリック・オルガン実験、初期フライング・ロータスのビートテープの分裂的推進力、そしてトリップホップの影のような空気感を想起させる。カバーの選曲も、岡田の思想と対話を鮮明に映す。
ヤン・ガルバレクの「Nefertite」は、1970年代ECMを象徴する冷ややかな美をまとい、ヨーロッパの音楽家たちがジャズの中で自らのアイデンティティを探していた時代を再構築する。一方、鈴木宏昌の「Love」は1970年代日本ジャズ・シーンの電気的な熱気を呼び起こす。当時ミュージシャンたちはサイケデリック、ファンク、フォークを融合させ、独特の"ローカルな方言"を生み出した。両者を通じて『Konoma』は、借りた形式を新たな表現へと“ねじ曲げてきた”アーティストたちの系譜に連なっていく。
ISC Hi-Fi SelectsとTemporal Driftの共同リリースによる本作『Konoma』で、岡田拓郎はこれまでで最もパーソナルかつ広がりのある表現を提示した。
それは、つながり、影響、そして文化を超えて生き続ける美についての瞑想。

(数量限定/ネオングリーン・マーブル・ヴァイナル/Indie Exclusive)社会に対する不満や怒りを、DIYなパンク・サウンドとメッセージ性の強い歌詞と共に表現するスリーフォード・モッズが、アルバム『The Demise of Planet X』を〈Rough Trade Records〉よりリリース。
アンドリュー・フェーンとジェイソン・ウィリアムソンによるこれまでで最もスケールが大きく野心的な作品である本作には、俳優グウェンドリン・クリスティー(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『ゲーム・オブ・スローンズ』)が初となる音楽作品への参加及び出演を果たし、さらにはライフ・ウィズアウト・ビルディングスの元フロント・ウーマン、スー・トンプキンスという稀少なゲスト参加に加え、〈4AD〉に所属するオルダス・ハーディング、ソウル・シンガーのリアム・ベイリー、そしてグライムMCのスノーウィーとのコラボレーションを収録。後者2人はどちらもバンドの地元ノッティンガム出身である。
「The Good Life」は、社会的な崩壊と個人的な崩壊が入り混じった感覚を描いている。アンドリュー・フェーンよる切迫感のあるビートと魅惑的なメロディに乗せて、ウィリアムソンがマシンガンのような語り口で、音楽シーンに波紋を呼んだ自身の発言の影響を描き出している。ビッグ・スペシャルとグウェンドリン・クリスティーは、その発言によって生まれた混乱の中で揺れる、彼の内なる葛藤と苦悩の声を代弁している。「“The Good Life”は、他のバンドをけなすこと、そしてそれが自分にもたらす喜びと苦しみについて歌っている。自分自身に問いかけているんだ−−なぜ自分はバンドをけなすのか?なぜそんなことをずっと続けているのか?グウェンドリンとビッグ・スペシャルは、俺の心の声を具現化してくれていて、“良い人生(=Good Life)”を楽しむべきなのか、それとも混沌に身を委ねるのかという、内なる葛藤をめぐって議論しているんだ」とウィリアムソンは語る。
『The Demise of Planet X』は、未来を予測することが非常に困難な状態の中で生きる人生、そして集団的トラウマによって形づくられた人生を表している。前作を書いたときは、停滞−−まるで死体のように息をしていない国−−についての作品だった。あれから3年、その死体は戦争とジェノサイド、そしてコロナ禍の長引く心理的影響によって切り裂かれ、SNSはグロテスクで歪んだデジタル操作の場へと変貌した。まるで廃墟の中で生きているような感覚。それは俺たちの集団的な精神に刻み込まれた、多層的でおぞましい異形のようなものだ。世界がクソみたいな状況に落ちていく中で自分を褒めるのもどうかと思うけど、『The Demise of Planet X』には本当に満足している。ただ突きつけるだけの作品じゃなくて、ちゃんとメガネをかけて中身を覗き込むように、じっくり味わう必要があるんだ。
- ジェイソン・ウィリアムソン(Sleaford Mods)

EBM(Electronic Body Music)の原点を作った最重要バンドとして知られるD.A.F の名曲「El Que」を、フランスのテクノ/EBMシーンのパイオニアで、 長年同曲をDJセットでプレイしてきたほどの愛好家Terence Fixmerが再構築した12インチ。原曲の生々しい筋肉質のパルスを残しつつ、よりシャープで現代的なクラブ仕様にアップデートしたLeather Remix、より推進力のある、ダークでストイックなテクノ寄りのアプローチのDrive Remixを収録。
