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コンゴ民主共和国キンシャサ出身でベルギー育ちの音楽家、Maurice Poto Doudongoによる幻の作品『The Lost Album』。1987年にブリュッセルで録音されながらも長らく未発表だった音源が、約40年の時を経てアナログ・リリース。アフリカ音楽のリズムとメロディに、80年代ヨーロッパの実験的エレクトロニクスが融合した音楽性はアフリカン・エレクトロ、スークース、ニュー・ビート、ディスコ、インディーダンス、シンセウェイブなど様々なジャンルにまたがるオリジナルなもの。16歳で学校を辞め、借り物の4トラックで録音を開始したというDIY精神と多文化的感性が反映されている。1980年代のブリュッセルの空気を反映するサウンドは、シティポップが取り入れていたAORやディスコ、ファンクの洗練されたアレンジと通じる都会的な雰囲気もあり、アフリカン・リズムに乗せたキャッチーなメロディや、シンセを多用したアレンジも相まって、忘れられた音が、時代を越えて再び息を吹き返す。

1940年タブリーズ(イラン北西部)に生まれ、シャンソンタイプの歌曲の作曲から始まりその後映画界に進出し、数々の人気テーマの作曲家として名声を博したアルメニア人作曲家ハムレット・ミナシアンの1979年作『Armenian Pop Music』が〈Numero Group〉よりリリース!アルメニア民謡のオリジナル声楽曲やオーケストラ編曲も手がけ、ロマンスやバレエの作曲も数多く手がけているハムレット・ミナシアンのソロ作は、ユーロのアティテュードとアルメニアの伝統的な歌をハイブリッドさせ、異次元を思わせる長く催眠的なプロト・ハウスで、中東の忘れ去られたダンス・ミュージック文化の証と言える傑作!

ポーランド・ヴロツワフを拠点に活動するプロデューサー、dadan karamboloによるUKベース・ミュージックの最前線を走る〈Sneaker Social Club〉からリリースされた12インチEP『Awkward Expressions of Love』。グライム、ダブステップ、ハードドラム、IDM、ジャングル、さらには80年代ホラー・スコアの断片までを、鋭利なサウンドデザインとミニマルな構造で再構築した全6曲を収録。Sci-Fi的な空間性とトライバルなグルーヴ、煙たいアンビエント感が交錯する音像は、Low End Activistや5G Tower周辺のUK地下シーンにも通じる感覚を持ちつつ、東欧的なDIY精神と感情的な美学が光る。UK地下クラブ・カルチャーの断片を東欧的な美学で再構築したハイブリッドなベース・ミュージック。また、「不器用な愛の表現」というタイトルも示唆する、攻撃的なクラブサウンドに奇妙なほど繊細でロマンチックといえる感情を織り込んでおり、なんとも異色の一枚。

Ivan Pavlov(CoH)とPeter "Sleazy" Christopherson(Coil)によって結成されたSoiSongによるオリジナルは2008年リリースの唯一のフルアルバム『xAj3z』が〈DAIS〉より再発!短命ながらも輝きを放つユニークな音楽プロジェクトであったSoiSongはデジタルの冷たさとジャズやトロピカルな要素を融合させ、ジャンルにとらわれない独自の音楽世界を築いた。本作はジャズをデジタル的に解釈した作品で、人工的なボーカルと生ドラムが共存し、ジャズノワール的な雰囲気と南国の繊細なメロディが絶妙に混ざる。感情豊かで時に詩的、時に暗く、時に明るい多層的な音楽体験を届けてくれる。ジャズやトリップホップの要素が漂う名曲「Dtorumi」、東南アジアの自然を感じさせる「J3z」、ライブトラックの新ミックス「Lom Tum Lai Kwee」など多様な楽曲を収録。
Puce MaryやLana Del Rabiesらと並ぶ、慟哭するインダストリアル/ノイズ女帝Pharmakon。久々となる5枚目のフルレングス・アルバム『Maggot Mass』が、USインディ最大の聖地〈Sacred Bones Records〉より登場!邦題にして『蛆虫の塊』と訳される本作は、環境や他の生命体と人類の機能不全な関係に対する深い嫌悪感から生まれた作品。力強いエレクトロニクスとノイズに根ざした実験的な要素を保持しつつ、インダストリアルおよびパンクの影響を取り入れた、実に強烈なパワエレ作品!

当店でも紹介した昨年のソロ・アルバムも大変秀逸だった、ソングライターのEstrella del Sol率いるメキシコシティのインディ・ロック/シューゲイズ・トリオ、Mint Fieldの最新ミニLP『Aprender a Ser: Extended』が〈Felte〉からアナログ・リリース。ラスト・トラックには友人のチェロ奏者Mabe Frattiが友人のゲスト参加。シューゲイザーやドリーム・ポップ、クラウトロック、エレクトロニック・ミュージックからの影響が折衷された7曲入りのコレクション。時に激情で空間を満たしながら、全編を通してサイケデリックで夢の様な催眠的サウンドを展開します。限定547部。

アムステルダム出身のヴィジュアル・アーティストKim David Botsとマルチ奏者のLyckle de Jongの2人が、オランダで最も爆撃された都市であり、70年前に地図からほぼ消え去ってしまったホラント州最北部の都市デン・ヘルダーで2020年に録音したコンセプチュアルなアルバム『the third of may』が〈South Of North〉からアナログ・リリース。爆撃により殆ど消滅した街で紡ぎ出された、おとぎ話のような空想的魅力に溢れた架空の物語を収めた作品。前衛的なエレクトロニクスやクラシック楽器、フィールド・レコーディングなどを組み合わせて、英実験宅録ポップ・デュオWooや川手直人『デモデモデ』にも通じる、摩訶不思議で遊び心とイマジネーションに溢れたサウンドを生み出しいています。World Of Paintによるマスタリング仕様。
ジャンルを超越した決定盤!Butthole SurfersやMelvinsへの参加でも知られる鬼才JD Pinkusが5年間に渡り制作を続けてきた最新アルバム『Grow A Pear』が、Daniel Johnstonのプロデュースでもおなじみのカルト作家Kramerの〈Shimmy Disc〉からアナログ・リリース!Paul Leary (Butthole Surfers)、Sam Coomes (Quasi)、Billy Sheeranら豪華アーティストがサポートした意欲作!ヘヴィなサイケデリア、ドラムンベースのグルーヴ、弾むようなブギ、キャッチーな曲、そして味わい深いホーン、キー、ストリングスの散りばめられたコンボ...アメリカン・インディー・ミュージックの急進的な要素が詰まったまさに宝庫と言える一枚です!

近年のレフトフィールドなダンス・シーンで異彩を放つ米国のプロデューサー、Tomu DJ。アンビエント、クラウドラップ、ジャズ、エレクトロニカ、内省的なサウンドと語りが混じり合う最新作が、ロンドン拠点〈Cone Shape Top Imprint〉より登場!感情の曖昧さや夢見心地の浮遊感覚、そして"なりたさ"への静かな欲望が滲むように展開される、軽やかなダンス・ミュージック。音と言葉が揺れながら、個としての存在を探し続けるような静謐で詩的な作品です。

オハイオ州シンシナティのレーベル〈Chiefdom Records〉による〈Terrestrial Radio〉シリーズからの第3弾!生々しくソウルフルなインストゥルメンタル・ヒップホップ・サウンドを生み出してきた同地在住のプロデューサーであり、90年代のラップグループ「MOOD」の元メンバーでもあるJason Grimezの変名Doctor Bionicの最新アルバム。「オーガニック・グルーヴ」とも説明される音楽性が素晴らしく孤高な、ヒップホップやジャズ、ファンクなどを横断したメロウデリックで麻の香りに満ちたインストゥルメンタル・フュージョン傑作です!


UK・ウェイクフィールド出身のアーティスト、Pretty Vによる初となるフル・アルバム『Destiny of Illusion』が、昨今大人気のBianca Scoutも作品を発表していた南ロンドンの〈life is beautiful records〉よりフィジカル限定でリリース!プロデューサーaloisiusとの完全共同制作による、ローファイな質感と実験的な構成が特徴的な作品であり、ジャンルを越境するサウンドと、自己表現への強い意志が感じられる一枚。デジタル配信無しとのこと!Dean BluntやMount Kimbieのファンにもレコメンドしたい、現代UKアンダーグラウンドの注目作。

レバノン出身の作曲家であり、即興演奏と実験音楽の探求者Raed Yassinが手がけた壮大なプロジェクト『Phantom Orchestra』が、ついに〈Morphine Records〉からリリース。合計1000分以上にも及ぶベルリンの実験シーンを支える42人のトップ即興演奏家たちのソロ録音を巧みな編集で一本の作品にまとめあげた意欲作!このプロジェクトの発想はパンデミック中に生まれ、多くの即興演奏家がソロ演奏へと活動をシフトせざるを得なかった時期に、彼らの演奏を新たな形で再構築する試みとして始動。録音は2021年秋に行われ、それぞれの演奏をダブプレートにカットし、12台のターンテーブルと6チャンネルのサウンドシステムを駆使したライブパフォーマンス用の素材として用意。その後、これらの膨大な録音を編集し、7つの「楽章」としてダブルLPに凝縮。即興の持つ偶発性と緊張感を活かしながらも、驚くほど統一感のあるコラージュ作品に仕上げた。Raed Yassinは、ジャズ、実験音楽、エレクトロニクスを横断する独自のアプローチを持っているが、今回はさらにスケールを拡大し、ベルリンの即興シーンの多様性とその可能性を鮮やかに描き出している。「これは、もう一度"コミュニティ"として生きるための学びでもある」とYassin自身が語るように、単なる即興の記録ではなく、共に生きることへの問いを音楽として表現したと言うべきアルバム!!
中東地域のネットカルチャーとグローバル・ベース/クラブ・ミュージックの接点を捉え続けてきた〈HEAT CRIMES〉から、注目のコンピレーション『REEL TALK - BEST OF DOUYIN TRACKS』が登場。中国のショート動画プラットフォーム「抖音(Douyin)」上で流通したサンプリング音源やクラブトラックをキュレートし、カットアップ、スクリュー、トランス、スピードコア、トラップ、アンビエントまでを雑多に飲み込む全20曲。ネット特有の速度感と無作為さ、そして奇妙なエモーションが交錯する、デジタル以降のサウンド・アーカイブとしての一枚。カルト的人気を誇るシリーズ最新章。

ドキュメンタリー制作や展覧会キュレーションなど幅広い表現活動で知られるViolence Gratuiteによる初めての音楽作品『Baleine à Boss』が入荷できました!ウガンダの首都カンパラを拠点とする、東アフリカの伝統的な音楽と現代の電子音楽を融合させた現行のアンダーグラウンドで革新的なサウンドを世界に紹介するレーベル〈nyege nyege tapes〉のサブ・レーベルである〈Hakuna Kulala〉からのリリースで、本作もフレンチ・ポップ、ラップ、ノーウェーブ、エレクトロニクスの混淆とも言える独自の世界!パリ郊外育ちで、ブルターニュとカメルーンにルーツを持つ彼女は、文化的バックグラウンドを反映させながらも、フレンチ・ポップ的なメロディー、トラップやグライムから影響を受けたビート、そして幽玄なヴォーカルを自在に行き来しながら展開。トリッキーやリジー・メルシエ=デクルーらに通じるダークで不穏な空気を漂わせつつ、ダンスホールやカリブ音楽のリズムも取り込むなど、常に予測不能な流れを作り出している。ポップとアヴァンギャルドの狭間で揺れ動く、自由奔放で多層的な作品!!

ウガンダの首都カンパラを拠点とする、世界各地のオルタナティブなエレクトロニック・ミュージックやエクスペリメンタル系を自由に追求するレーベル〈Heat Crimes〉による、ハンガリー系トランシルヴァニア出身Réka Csiszérの2作目のソロアルバム『Danse des Larmes』。本作は、子ども時代の孤独や無意識のトラウマをテーマに、東欧の民謡、インダストリアル、ダークアンビエント、古いホラー映画音楽を溶かし合わせた、身体と精神の境界があいまいになるような、幽玄で冷たいサウンドスケープ。デビュー作『Veils』に続き、演劇や映画、オペラへの関心を滲ませつつ、今回はより個人的な記憶と未来的なビジョンを交錯させている。冒頭の「Eden X」では、うめくシンセと聖歌のような声が溶け合い、不穏な世界に誘我、続く表題曲では、歪んだフォークの要素が顔を出し、夢と現実の境界を揺さぶる。ハンガリーの巨匠Mihály Vígへのオマージュも含まれ、彼の曲をエーテルのようなドリームポップに再構築している。全編を通して、トラウマや過去の記憶が幻想的に変質していくような、暗く湿っていながらも不思議な美しさに満ちたアルバムとなっている。
10年以上にわたってエクスペリメンタル・ラップの世界で独自の道を切り開いてきたロンドン生まれ・ブリストル拠点のラッパー/プロデューサーThisisDA。ジャズ・コレクティヴSumo ChiefやKlein、Eyedressとのコラボを通じて、ジャンルにとらわれず自由なスタイルを追求してきた彼の探究心の結晶のような作品『Fast Life』が、ウガンダの首都カンパラを拠点とする、世界各地のオルタナティブなエレクトロニック・ミュージックやエクスペリメンタル系を自由に追求するレーベル〈Heat Crimes〉より登場!本作ではドリル、グライム、エレクトロ、トラップといった要素を自在に横断しながら、型にハマらないサウンドを展開しており、〈Hakuna Kulala〉のビートメイカーDebmasterや、ウェールズ出身のシンガーMimi Jonesとの共作を含みつつ、全体を通してThisisDAの軽妙なワードプレイと強烈な個性に貫かれている。ミニマムでアブストラクトなビート、力強くも繊細なラップ、ソウルフルなオートチューン、さらにはサウスのネオン光るサウンドまで取り入れた今作は、ヒップホップの枠を大きく飛び越えた意欲作と言える一枚!

『Clube da Mariposa Mórbida』は、サンパウロ拠点のDIYアーティストAkira Umedaと、ウガンダはカンパラを拠点とするレーベル〈Nyege Nyege Tapes〉 周辺で活動するMetal Preyersがコラージュ的に作り上げた、異文化横断型のエレクトロ・アコースティック作品。南米のファンク、ノイズ、実験的なシンセ、民族楽器などが錯綜し、現実と仮想、過去と未来、デジタルとアナログの境界が曖昧に。収録曲では、倒錯したブラジル・ファンクや壊れた寺院の鐘、電子的なミュージックボックスなど、さまざまなサウンドが交錯する。二人のコラボは、Metal Preyers側が送った音の断片やコンセプトを、UmedaがGoogle翻訳を駆使しながら解釈し、自らの直感に基づいて印象を音にしていった。Umeda はそれを「粘土細工のような幽霊の成形作業」と語っている。従来の「第4世界音楽(Fourth World)」よりもさらに異次元的な夢幻世界。

1999年から東アフリカのアンダーグラウンド・シーンで活動を続けてきたMC YallahことYallah Gaudencia Mbiddeの最新作『Gaudencia』が〈Nyege Nyege Tapes〉のサブレーベルであり、東アフリカやコンゴのアンダーグラウンド・エレクトロニック・ミュージックを世界に紹介する〈Hakuna Kulala〉より登場!プロデュースは前作に引き続き、ベルリン拠点のフレンチ・ビートメイカーDebmasterが全編を担当。アフリカでしか考えられないようなマイクさばきとジャンルを超えたビートが完全に融合し、アフリカン・ヒップホップの枠組みすら軽々と飛び越える内容に仕上がっている。Yallahは英語、ルガンダ語、ルオ語、スワヒリ語を自在に行き来しながら、ラップ・歌・アドリブを織り交ぜる多言語かつ多面的な表現力で、より深く、自身の内面と音楽観に潜り込んでいる。20年以上かけてようやく自分の"信徒"を見つけたというMC Yallahの言葉どおり、『Gaudencia』は彼女の音楽人生の集大成であり、アフリカン・ラップの未来を指し示す予言の書のようでもある。破壊的で、精神的で、唯一無二な一枚。
ウガンダ・カンパラのアーティスト、Catu Diosisによるデビュー作『Anyim』が〈Nyege Nyege Tapes〉のサブレーベルであり東アフリカやコンゴのアンダーグラウンド・エレクトロニック・ミュージックを世界に紹介する〈Hakuna Kulala〉から登場!アフロハウス、Batida、Kuduroといったアフリカン・ダンスミュージックの要素をベースにしつつも、そこから大胆に逸脱していく異形クラブ・ミュージック集。振付師やMCとしての経歴、さらにRian Treanorとの共演などを経て完成させた本作は、東アフリカのクラブ・サウンドを軸にしながら、変則ビートと声のミニマリズム、そして身体性を融合させた強烈な一作。踊り手としての鋭いタイミング感覚と、プロデューサーとしての自在な逸脱が随所に見られ、Kuduroの推進力を土台にしつつ、グルーヴは常に崩れ、再構築され、定型に落ち着くことはない。生々しく、それでいて極めて洗練されたサウンド。前衛的ダンスミュージック!

ブラジル・ベロオリゾンテのファンク・シーンに革新をもたらしたプロデューサー、Anderson do Paraísoのアルバム『Queridão』が、ウガンダの首都カンパラを拠点とする〈nyege nyege tapes〉より登場!彼は、ダウナーでミニマルな「ベロオリゾンテファンク」の中核的存在で、2010年代半ば、ベロオリゾンテの路上パーティ「Baile do Serrão」に通うようになったことで作風が大きく変化し、リオのファンクをベースにしながらも、スローでリバーブが効いたビートや不穏な空気感を取り入れた独自のサウンドを確立した。本作の楽曲ではクラシカルな要素(ピアノ、バイオリン、ソプラノコーラス、ティンパニなど)と電子音(トラップのハイハットやロボット音)を融合しており、特に「Blogueira Que Virou Puta」や「Chama as Sua Colegas」では、静けさや緊張感を使って官能と恐怖が交錯するようなムードを演出している。この幽玄で実験的なファンクはTikTokやストリーミングでも注目され、ジャンルの新たな可能性を切り開いている。

オランダ・ロッテルダムのDJ Shaun-Dによる、バブリングからダッチ・ハウスへの進化を辿るコンピレーション・アルバム『From Bubbling to Dutch House』が、〈Nyege Nyege Tapes〉よりリリース。本作には、1990年代のスピードアップされたダンスホールを基盤に、エレクトロ・ハウス、トラップ、B-More、レイヴなどを融合させた、シュリルなシンセとシンクロペーションが特徴の全10曲を収録。初期の代表曲"Pull Up"や"XXXmachine"から、未発表の新曲
Outta Control"、"Ultra Instinct"まで、DJ Shaun-Dのキャリアを網羅した内容となっています。

NET GALAの〈Hakuna Kulala〉からのデビューアルバム『Galapaggot』は、ノイズとクラブミュージックの境界を曖昧にしながら、ダンスフロアにも通じるエネルギーを秘めた奇妙な傑作。本作は韓国のプロデューサーであるNET GALAがShade SeoulというLGBTQコレクティブや、ソウルの有名クラブCakeshopなどでキャリアを磨きながら培った、型破りなダンスサウンドの集大成で、2019年の初EP『[re:FLEX*ion]』や、2021年に〈SVBKVLT〉からリリースされた『신파 SHINPA』で磨いたドラマティックなアプローチをさらに押し広げ、今回はより自由で無秩序な実験を展開している。フットワークやボールルーム、グラインドコア、ハードトランスといった音楽の要素をチラリと覗かせながら、韓国語のゲイ・スラングを叫ぶ曲や、ベトナムのアーティストとコラボしたトラックもあり、アルバム全体がカオスでパワフル。笑いや皮肉も交えながら、「普通」に収まらない自分たちの居場所を音で表現するような一枚。
