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音楽研究者Jacqueline Cogdell DjeDje博士が、米ジョージア州南東部の農村地帯に深く入り込み、教会の聖歌隊やそのリハーサル、歌手の自宅などでフィールド録音した貴重な黒人宗教音楽集『Black American Religious Music from Southeast Georgia』。アフリカの伝統音楽や奴隷制時代のスピリチュアルの面影を強く遺したコール&レスポンスと、世代を超えた歌い手たちによる熱量あふれる即興ボーカル。スタジオ録音とは対極にある教会や家庭の生々しい空気感のなか、手拍子や観客の歓声が一体となって立ち上るサウンドは、信仰とコミュニティの結びつきが生み出す洗練されていないからこその圧倒的にピュアなダイナミズムを放っている。18〜19世紀の歴史を物語る深い歌詞と、身体にダイレクトに響く根源的なリズムと唄声。モダン・ゴスペル成立以前のたくましいエネルギーと祈りの響きが詰まった、圧巻のルーツ・ミュージック!

インドネシア音楽史に燦然と輝く、屈指のプログレッシヴ・ロック金字塔!1977年にカセットのみ発表されていた幻の『Guruh Gipsy』が、遂に公式再発!
インドネシア初代大統領スカルノの息子であり作曲家でもあるGuruh Sukarno Putraと、プログレッシヴ・ロック・バンドGipsyによるプロジェクト。バリ島のガムランや伝統音楽、西洋オーケストレーション、そしてプログレッシヴ・ロックを大胆に融合させ、インドネシア音楽の可能性を大きく押し広げる革新的な作品として、高く評価され続けてきた伝説的アルバム。
ガムランやジャワの民族音楽を単なる素材として流用するのではなく、その精神や構造を現代的な作曲法と結びつけた本作は、東南アジアにおける実験音楽の先駆であると同時に、今日のワールド・ミュージックからニューエイジ以降の潮流までにも接続した類い稀な音楽性を実現。
EL&Pを彷彿させるキーボードと壮麗なアンサンブル、緻密なアレンジのなかに息づく祈りや自然観が統合された、神話規模の巨編音楽になってます。 現存する最良の音源をもとにリマスタリングされており、より深い奥行きと豊かな音像を実現した決定的なリイシューです。これはお見逃しなく!

唯一無二のドローンサウンドでカルト的人気を博すSarah Davachiによる最新アルバム『The Will of Tongues』がリリース!本作は、3枚組のLP(CDは2枚組)におさめられた2時間以上に及ぶ、これまでで最も野心的な大作となっている。作品には米国・カナダ・オランダ各地で録音されたオルガンのサウンドに加え、EMPAC(ニューヨーク)やアイルランドのLouth Contemporary Music Societyの為に制作された楽曲も含まれている。
参加アーティストはDavachi自身のオルガン演奏に加え、Whitney Johnson(viola)、Eyvind Kang(viola)、Lucy Railton (cello)、さらにはマイクロトーナル金管アンサンブルDiapasonや、スイス拠点の古楽フルート・コンソートPhaedrus、Chamber Choir Irelandなどが名を連ねている。
本作は、反復、調律理論、音色変化、長大な持続時間、垂直的和声といった彼女の作曲的探求を深化させたものであり、ミニマリズムの系譜に連なる精緻な構造を持ちながらも、より意図的で明確な構築性を備えている。各楽器・アンサンブル間でモチーフが受け渡され、時間とともにゆるやかに変容していく。
聴取そのものへの深い敬意を主題とする本作は、容易なリスニング体験を拒みながらも、音そのものと向き合う行為を促す。長大な時間軸の中で生成される音響とその精神的空間は、極めて内省的かつ没入的な聴取体験をもたらす作品となっている。

Tom ThielとMax Loderbauerによるベルリンの伝説的デュオSun Electricが、約20年ぶりとなる待望のニュー・アルバム『Episodes』を〈De:tuned〉から発表!ベルギー芸術アカデミーの協力を経て、1960年代の希少なヴィンテージ機材Subharchord Synthesizerを用いて制作、特有のサブハーモニックな重厚感と温もりのある電子音が、精緻に組み立てられたミニマルなシーケンスのなかでゆっくりと変化。静謐で宇宙的なドローンから浮遊感あふれるディープなテクノ・リズムまで、緻密で奥深い音響テクスチャーが美しく広がっていく。長年培われた巧みな音響設計とヴィンテージ機器への飽くなき探求心が見事に結実した全6曲。知性と情緒が美しく交錯する音響世界。

Karkossyn名義でのダークな音像で知られるUKの電子音響作家Tavis Hitchcockが、新たなプロジェクトGrandma Loveを始動、一転してノスタルジーや家族との夏の思い出をテーマに掲げたセルフタイトルのデビュー・アルバムが名門〈Constellation Tatsu〉からリリース。色あせたパッドシンセや繊細なパーカッション、フィールドレコーディングに加え、古いホームビデオのVHSから抽出したような音の断片を繊細に構築。夕暮れ時に家へと帰る道すがらや、どこか懐かしい部屋の陽だまりを思わせる、セピア色のチルアウトな音響を見事に描き出している。時間の彼方に消えかけた記憶が、静かに蘇るような、心解きほぐされる好内容な一作!

クラシックのヴァイオリニストとして20年近いキャリアを持ち、ポストパンクや即興演奏を経て独自の表現に到達したShaina Panのソロ・プロジェクトsachi's mirrorによる、静かな変容と旅路を描き出す待望のデビュー・フルアルバム『Talking in a Different Way』が名門〈Constellation Tatsu〉からリリース。長年の現代クラシックで培われた優美なヴァイオリンとストリングス・アレンジに、フィールドレコーディング、くすんだサンプルのテクスチャー、そしてフロントに据えられた自身の歌声が幻想的に交錯。アンビエントやドリームポップ、前衛室内楽がシームレスに溶け合い、薄霧の中で静かに渦を巻くような幽玄の音響空間を作り出している。実験精神とロマンティシズムが気品高く同居する一本。

UNKNOWN MEのメンバーとしても知られる日本人アンビエント作家H. Takahashiが、2016年に名門〈Constellation Tatsu〉から発表した初期代表作『Body Trip』。現代国産アンビエントの金字塔として国内外で愛され続ける名盤が、最新リマスター音源に加えて新世代のアーティスト陣によるリミックスを追加した2枚組で復刻。繊細なシンセサイザーのトーンと静かな反復、そして控えめなメロディラインが織りなす瞑想的な音響空間。心地よく身体に染み渡るオリジナル音源の温もりに加え、ダブやアンビエント・テクノ、エレクトロニクスの要素を含んだ多彩なリミックス群が作品の新たな魅力を引き出している。静けさと深み、そして穏やかな安らぎに満ちた、好内容作。
緊急地震速報音やIDの決済音などを生み出したことで知られる、日本を代表する環境音楽家・サウンドデザイナーの小久保隆。
90年代にイオンシリーズとしてリリースされた作品群の中から、特に人気のタイトルである「風のオアシスII~森と水の物語~」が待望の再発!
小久保隆氏は、グラミー賞にもノミネートされた日本のアンビエント・ニューエイジにフォーカスしたコンピレーションに参加していることでも近年話題となりました。
また本作はデジタル時代に再評価が進み、オンライン上で数百万回再生を記録するなど、全世界のアンビエント・リスナーから強い支持を集めています。
森のざわめき、水のせせらぎ、柔らかく広がる電子音──。
まるで深い森林の中へ迷い込んだかのような音世界は、聴く人の心と空間を静かに潤していきます。森林浴のような音楽体験を是非この時代に。
カリフォルニアのプライベート・プレス系スピリチュアル・ジャズにおける至高のホーリーグレイルとして知られる、ヴィブラフォン/マリンバ奏者Rickey Kellyの1979年デビュー作『My Kind Of Music』が待望の初アナログ再発。学生だった彼がレジェンドドラマーのBilly Higginsをはじめ、Adele SebastianやDiane Reevesといった第一線の名手を迎え、スタジオ・マスターズにて録音した奇跡的なセッションで、Kellyが奏でるヴィブラフォンとマリンバの涼しげで澄んだ美音を軸に、可憐なフルートや伸びやかなヴォーカル、確かなリズム隊が華やかに交錯。ラテン・テイストを帯びた亜熱帯風ジャズからアフロ・ルーツのスピリチュアル・スタイル、洗練されたメロウネスまでを自在に渡り歩く。若き才能の瑞々しさと百戦錬磨の巨匠たちの熱量が見事に結実した、珠玉の名盤!

ロンドン〜ブライトンの先鋭レーベル〈Kit Records〉より、ブエノスアイレスを拠点とする作曲家Ignacio SandovalによるプロジェクトYOTOのCD作品『Ciprés』がリリース。アルゼンチン・フォルクローレの伝統と地元ブエノスアイレスの実験芸術シーンの境界に根を下ろし、南米フォークの美学を解体・再構築したアヴァン・フォークロア。リアルタイムのギター・インプロヴィゼーションを中心に、可愛らしいマリンバやシロフォンのメロディ、スピリチュアルで静かな打楽器が層を成すアンサンブルは、前作の緻密なマキシマリズムから一転し、日々の生活の親密さや孤独に寄り添うような素朴で繊細な音響表現へと結実している。ラテンアメリカ伝来の叙情性と有機的な音響実験が静かに融け合い、部屋の隙間に漂う微細な情緒を捉えた充実作!

ロンドン〜ブライトン拠点の〈Kit Records〉より、鬼才Stephen MaskellによるプロジェクトViolet Cowboyの6作目となるCD作品『Ramraid at the Wiggly Worm』がリリース。都市を逍遥するサイバー・ダンディの視点から、英国文化の断片や路上のストーリーをサンプリングし、不気味で魅力的な音響絵巻へと仕立て上げた快作。泥臭いブルース・ギターやグリッチ処理されたマカロニ・ウェスタン風の旋律、伸縮自在のダブ・ビート、繊細なクラシカル・ミニマリズム、さらにはエドガー・アラン・ポーを彷彿とさせるゴシックな語りまでが奔放に交錯。Moondogの素朴さやRy Cooderのさすらい、Autechreの先進的なエレクトロニクスが同居したかのような、ジャンル定義不能で遊び心あふれるコラージュ・サウンド!
公民権運動家であり牧師のF. D. Kirkpatrickが主宰したフェスティバルの貴重なライヴ音源。家族や地域コミュニティの絆がダイレクトに伝わる、素朴で力強いソウルフルな歌声。装飾を削ぎ落としたライヴ録音ならではの臨場感が、ルーツ・ミュージックとしてのゴスペルの原点を浮き彫りにしている。家族や仲間たちによるゴスペルやスピリチュアルの演奏を通じて、アメリカ黒人文化の豊かなルーツと結束の精神を現代に伝える、歴史的価値の高いFolkwaysのアーカイブ作品。
ゴスペルにおける〈ジュビリー・コーラス・スタイル〉のパイオニア:フィスク・ジュビリー・シンガーズ(1871結成)による抑制されたスピリチュアル・コーラス・アレンジから、ハッピー・アイ・アム・クワイアによるジャズの影響を反映したゴスペルに至るまで、1913年から1954年までに録音されたスピリチュアル~ゴスペルの音源を収録。ゴスペル誕生前の厳粛で端正な歌声から、ジャジーでソウルフルなゴスペル・コーラス全盛期までの約40年間の歴史が丁寧に紐解かれた一枚です。
ベトナム音楽界の巨星Phạm Duyが1965年にフィールド録音した、Folkwaysの貴重なアーカイブ作品。1960年代当時のベトナムにおける伝統音楽を網羅的に捉えたフィールド録音調査アルバム。前半は「先ベトナム」時代の先住民族・少数民族である高地デガル族やチャム族の音楽、後半はキン族の伝統室内楽、古都の宮廷音楽、民謡を収録。歴史的価値とアジア伝統音響の美しさが詰まったフィールド・レコーディング。
ベトナム北西部および北中部(ゲアン省、タインホア省、ソンラ省など)に分布する少数民族:クムム族。彼らは独自の言語を持ち、農耕や竹細工を生業としています。竹という素材は、そんなクムム族の伝統音楽の重要な主柱。独特な音色を持つ竹製のリード・パイプ、フルート、吹管、マウス・オルガン、その他打楽器は、彼らの伝統音楽を強く印象付ける重要なエッセンスとなります。
本作では、そんなクムム族の竹製伝統民俗楽器の魅力を紹介。カリフォルニア郊外のアパートからラオス、ベトナム、タイの山村に至るまで、およそ15年間にわたるフィールド調査の基に制作された本作は、クムム族各コミュニティが持つ音楽文化の揺るぎない美しさと個性を伝えます。
《Stern’s Africa Archive Editions》
ギニアが生んだ歴代最高のアフリカン・シンガーの決定盤が復活!
西アフリカがアフリカ音楽の宝庫であることは広く知られていますが、その中でも“声の文化”において特別な位置を占めるのがこの地域です。本作は、その頂点に立つ伝説的歌手ソリ・カンジャ・クヤテの決定的コンピレイション。2012年に英Stern’s Africaが制作した2枚組作品が、40ページにおよぶ豪華ブックレット仕様のまま待望の復活となりました。長らく入手困難だった重要タイトルの再登場としても注目されます。
1933年、現在のギニア中部に生まれたクヤテは、マンディングの伝統を受け継ぐグリオー(ジェリ)の家系に育ちました。グリオーとは歴史や叙事詩、家系の記憶を語り継ぐ世襲の音楽家・語り部であり、彼は幼少期から父のもとで叙事詩や旋律、語りの技法を徹底的に学びます。その圧倒的な声量と緻密な節回し、聴衆を惹きつける語りの力によって早くから頭角を現し、宮廷や祝祭の場で名声を確立しました。1958年の独立前後の激動期において、クヤテはギニア国立アフリカ・バレエ団の中心歌手として活躍。ヨーロッパ、アメリカ、中国など世界各地を巡演し、その力強くも気品に満ちた歌声で国際的評価を確立します。独立後は国家文化政策の中核的存在として、伝統的な叙事詩に加え、新国家の理念や社会的メッセージを反映した楽曲も歌い上げました。1970年には代表作『アフリカの声』がフランスでグラン・プリを受賞し、アフリカ音楽を象徴する存在となりますが、1977年に44歳の若さでこの世を去りました。
本作には、ギニア国営レーベル〈シリフォン〉に残された音源を中心に、彼の芸術を多角的に捉える楽曲群を収録。CD1ではエレキ・ギターやホーンズを加えたモダンなバンド編成による録音を収め、独立期の都市文化や国家的高揚を反映したダイナミックなサウンドを展開します。リズミックなグルーヴの中で声がオーケストラを牽引する構造は、当時のギニア音楽の革新性を象徴するものです。一方CD2では、コラやバラフォン、ンゴーニといった伝統楽器を主体とした編成による録音を収録。ここではグリオー本来の役割である叙事詩の語りや賛歌が前面に現れ、声と楽器が緊密に絡み合いながら物語を紡いでいきます。装飾的でありながら厳格な旋律運びや、反復と即興の交錯といったマンディング音楽の本質も鮮やかに示されています。収録曲の内容も幅広く、西アフリカの英雄や王を讃える叙事詩、地域に根ざした民謡、さらには独立国家ギニアの理念や政治的メッセージを反映した楽曲までを網羅。古層の伝統と新しい国家意識が同時に鳴り響く、きわめて重要な時代のドキュメントとなっています。
さらに付属の40ページ・ブックレットには、貴重な写真資料に加え、詳細な英文/仏文解説を掲載。クヤテの生涯や音楽的背景、収録曲の主題や成立事情まで丁寧に解説されており、本作をより深く理解するための重要な資料となっています。このように音源とテキストが一体となった構成も大きな魅力と言えるでしょう。
圧倒的な声量と精神性を兼ね備えたその歌声は、しばしばヌスラット・ファテ・アリー・ハーンにも比されるほど。“アフリカの声”という名にふさわしい、西アフリカ音楽の核心に触れる決定盤です。
●日本語解説/帯付き
トラックリスト
CD1
1. N'Na
2. Tara
3. Mikossaya
4. Djoliba
5. Conakry
6. Fouaba
7. Minawa
8. Souaressi
9. P.D.G.
10. Hellaya
11. Touyend
12. Namatimbaye
13. Tinkisso
14. Sakhodougou
CD2
1. Douga
2. Kedo
3. Massane Ciss
4. Toubaka
5. Siiba
6. Kem Bourema
7. Nina
8. Malisadio
9. Toutou Diarra
10. Djandjon Bonus Download

Fennesz参加!ケニア・ナイロビ出身でベルリンを拠点に活動するサウンドアーティストJoseph KamaruことKMRUによる最新作『Kin』が2020年の代表作『Peel』に引き続き〈Editions Mego〉から登場!フィールドレコーディングと電子音響を融合させた独自のスタイルをさらに深化させたもので、故ピーター・レーバーグとの「『Peel』の続編はどんな音になるのか」というディスカッションから始まり、2021年初頭にナイロビで制作が開始。若き日にギターで奏でた音を想起させるディストーションをテーマに、従来よりもノイジーで荒々しいアプローチを追求した本作は、レーバーグの死により一時中断を余儀なくされながらも2022年に再開され、完成へと至った。Fenneszを迎えた「Blurred」は、MEGO/Editions Megoの系譜に連なる現代エレクトロニック・ミュージックの最前線を体現し、さらに「We Are」ではAphex Twinを彷彿とさせるサウンドを展開。KMRUの進化を鮮烈に刻み込んだ作品。

フランスのビートメイカー、プロデューサーとして、アジアの古い歌謡曲をサンプリングした『Chinoiseries』シリーズから、80sシンセ・ファンクへのオマージュ『Long Distance』まで、世界中のディガーを唸らせてきた Onra。彼が、自身の代名詞であるモダン・ブギー路線をさらに洗練させた最新作『After Dark』。80sブギー、ファンク、R&Bのエッセンスを、現代的なビート感覚と都会的なメロウネスで再構築した、アーバン・ナイト・ミュージックの決定版。跳ねるシンセベース、煌めくコード、軽やかなドラムマシン。Onraが長年磨き上げてきた夜のブギーの美学が、散りばめられたメロウ・トラックでより柔らかく、よりシルキーに表現されている。一方で、ビートメイカーとしてのルーツも健在で、サンプル感覚やタイトなリズム構築が、インスト・ヒップホップとしての強度も保っている。都会的で静かな高揚感に浸る、完成度の高いモダン・ブギー作品。

9月下旬再入荷。ブラジル・マセイオ出身のシンガーソングライター、Bruno Berleがロンドン、サンパウロ、ミナスジェライス、ドイツ、マセイオを巡りながら制作した、柔らかい歌声と透明な音像で描いた現代ブラジル音楽の重要作『Sem Fronteiras』。アコースティック・ギター、控えめなシンセ、軽いパーカッションが水彩画のように薄いレイヤーで重なり、どの曲も朝の窓を開けた瞬間のようにすがすがしい。ギターのアルペジオが静かに煌めき、朝の光をそのまま音にしたような柔らかいトラックに、低いテンションのビートと淡いメロディが穏やかに揺れる。MPB、インディ・フォーク、ソフト・ポップが透明な質感で自然に溶け合い、Bruno Berleの詩的な世界観が静かに広がる、現行ブラジル音楽の中でも特に繊細で美しい作品。

世界に衝撃を与え、レアグルーヴからロック・ファンまでを虜にした伝説的コンピ『Nigeria 70』のリリースから20余年。名門〈Strut〉が満を持して放つ待望の新章『Nigeria 80』!!!政治、経済の著しい混迷期にありながら、〈Tabansi〉や〈Phonodisk〉といった独立系レーベルの台頭や、Onyeka Onwenuをはじめとする女性アーティストの目覚ましい活躍によって空前の創造性を誇った、1980年代ナイジェリアの広大な音世界に肉薄する決定盤。ラゴスからエヌグまで全土を網羅し、名ディガーとして知られるDuncan Brookerが厳選した楽曲は、実にすべてが今回世界初の再発音源!王道のハイライフや熟成を極めたアフロビート、疾走するジュジュの熱狂はもちろんのこと、前作以上に80年代ならではのプロト・ヒップホップや自主制作レゲエ、さらには初期エレクトロニクスの質感を取り入れたハイブリッドなサウンドまでを縦横無尽に網羅。土着的なパーカッションのうねりと洗練された都市型ファンクネスが複雑に交差するアンサンブルは、ひとつの国が秘めた底知れぬ音楽的ダイナミズムと多様性を物語る。単なる貴重音源の発掘や資料的価値にとどまらず、ダンスフロアを激しく揺らすポテンシャルと時代のエネルギーが凝縮された、ナイジェリアの底知れなさを示す、必聴の歴史的ドキュメント。

イタリアの電子音楽家Caterina Barbieriと、ノルウェーのサックス奏者Bendik Giskeによる初の共同名義作『At Source』。Barbieriのモジュラー・シンセと、Giskeの身体そのものを楽器化するかのような拡張サックス奏法が純粋な対話として記録されたミニマルなアンビエント作品。ふたりの関係は2019年の共演から始まり、ICA Milanoでのレジデンシーやライブを経て深化。Barbieriの幾何学的なアルペジオと、Giskeの息づかい、キー音、摩擦音まで含む生々しいサックスが音が生まれる瞬間を探るように交差する。宇宙的スケールと親密な身体性が同居するサウンドスケープは、Barbieriの近年の作品群とも、Giskeのソロ作とも異なる第三の領域を切り開く充実作。

MerzbowことMasami Akitaが2026年5月に自宅スタジオで制作した最新ノイズ作品『Vapor Hoof』が、〈Etherworld〉より30年振りに登場。従来の高密度ノイズの壁というより、電子的な破片、金属的なテクスチャ、低域のうねりが層を成しながら周期的に変形していく構造的ノイズで、パルスが歪み、反復が微細に揺れ続けることで、抽象的でありながら身体的な振動を伴う独特の運動感が生まれている。フィードバックの揺らぎや擦過音がミュージック・コンクレート的に配置され、音素材そのものの変化が前面に出る。近年のMerzbowに見られるリズムの影のような残響もわずかに感じられ、完全抽象のノイズでありながら、どこかグルーヴの気配が漂うのが印象的。
アフリカ最高の“ソネーロ”が甦る!
セネガルとキューバを結んだ伝説的歌手の決定版アンソロジー!
西アフリカ音楽史において、キューバ音楽との深い結びつきを象徴する歌手として語り継がれているのがラバ・ソセー(Laba Sosseh)です。1942年にガンビアで生まれた彼は、セネガルとガンビアの両方にルーツを持つ“セネガンビア人”として育ち、英語圏とフランス語圏という二つの文化を自然に身につけました。後に彼は、その豊かな音楽的背景を武器に、西アフリカとラテン音楽の架け橋となる存在へと成長していきます。
彼を見出したのは、“セネガル音楽の父”とも呼ばれるイブラ・カッセ(Ibra Kasse)でした。1960年代初頭、ダカールの名門ナイトクラブ〈マイアミ〉で歌っていたラバの才能に着目したイブラは、彼をスター・バンド・ド・ダカールへ迎え入れます。当時のスター・バンドは、後のセネガル音楽界を担う数多くの名手たちが集まる一大拠点であり、ラバはそこで頭角を現しました。その歌声は早くから高く評価され、「卓越した才能を持つ歌手が現れた」と評されたと伝えられています。
その後、ナイジェリア出身のサックス奏者デクスター・ジョンソン(Dexter Johnson)が率いるスーパースター・ド・ダカールに参加し、さらに大きな人気を獲得。情熱的で伸びやかな歌声と圧倒的な表現力によって、“アフリカ最高のソネーロ(ソン歌手)”と称される存在となりました。彼の代表曲「Seyni」や「Aminata」は、西アフリカ各地で広く親しまれ、後にタブー・レイ・ロシュローやベンベヤ・ジャズをはじめとする数多くの音楽家によって取り上げられるなど、世代や国境を越えて歌い継がれていきました。
その人気は国境を越え、マリではレイル・バンドで活動し、後にはコートジヴォワールへ渡ってSuper International Bandを結成。当時アフリカ音楽の中心地となっていたアビジャンで数多くの録音を残しました。さらにキューバ系音楽家との交流も深く、ロベルト・トーレス(Roberto Torres)やオルケスタ・ブロードウェイとの録音、キューバの名歌手モンギート(Monguito)との共演、さらにはオルケスタ・アラゴーン(Orquesta Aragn)との録音も実現。アフロ・キューバン音楽を体現するアフリカ人歌手として国際的な名声を確立しました。
本作『ラ・ベル・エポック VOL.1』は、そんなラバ・ソセーの全盛期を振り返る2枚組アンソロジーです。代表曲「Seyni」や「Aminata」をはじめ、「Guantanamera」「El Manisero」などキューバ音楽の名曲も収録。彼のレパートリの幅広さと卓越した表現力を改めて堪能することができます。
セネガルでンバラが誕生する以前、西アフリカがソンやルンバ、グァヒーラ、サルサに熱狂していた時代。その中心で歌い続けたラバ・ソセーの歌声は、今なお色褪せることなく輝きを放っています。アフリカ音楽とラテン音楽が幸福な形で結びついていた黄金時代の空気を伝える、まさに決定版と言うべき名編集盤です。
アフロ・ラテン・ファンはもちろん、セネガル音楽の歴史を知りたい方にも強くお勧めしたい作品です。
●日本語による説明をつけた帯を商品に添付して発送いたします。日本語解説は同封しておりません。予めご了承ください
トラックリスト
CD1
1. Unite Africaine
2. Guantanamera
3. Seyni
4. Guateque De Juan
5. Ma Bedou
6. Aminata
7. Fechelen Khaleyi
8. Comolloran
9. Condoleance Au Psdt Houphouet
10. El Manisero
11. Abidjan Me Voy
12. Sindjeli
13. Yo Tango Una Mujer
14. Conel Masayo
CD 2
1. El Guaguanco
2. Ay Que No
3. La Portuguita
4. El Manicero
5. El Divorcio
6. Preparen Candela
7. No Quiero El Son
8. Leyli
9. Sitiera
10. Yamanekh
11. Marie Gomis
12. Boni Boni
