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7月17日発売。Jack DeJohnette、John Medeski、Karl Berger、Lenny White、Ben Perowskyなど、ジャズ界の重鎮が多数参加。ハードコア史に名を刻むBad Brainsの共同創設者で、ベーシスト、Darryl Jeniferによる最新インストゥルメンタル作品 『The Weather Channel』。2010年のソロ作『In Search of Black Judas』以来となる、十数年ぶりのソロ名義アルバム。ジャズの即興性と、Darryl Jeniferが持つパンク、ダブの精神性を軸にした深いグルーヴと多層的な音像がアルバム全体を貫いている。Bad Brainsのエネルギーをそのまま持ち込むのではなく、スピリットを抽出し、ジャズの言語で再翻訳したようなアプローチで、空間処理の効いたダブ、鍵盤が描くサイケデリックな感覚、デジョネットらが生み出すしなやかなリズム、それらが重なり合い、ジャズ、フュージョン、ダブ、サイケ、パンクが交差する探求的なサウンド。Bad Brainsの名曲『Sacred Love』『Re-Ignition』の再構築版を含む意欲作。

7月17日発売。90年代エモ/インディーの隠れた名バンドJejuneの全スタジオ録音を網羅した、〈Numero Group〉渾身の3CDボックス『Wait A Lifetime』。1st『Junk』、2nd『This Afternoon's Malady』、未発表に終わった3枚目のアルバムからの素材で拡張された『R.I.P.』、さらに7インチやスプリット、コンピ提供曲まで、バンドの全キャリアを一望できる決定版アーカイヴ。サウンドは、透明感のあるギターと胸に刺さる叙情性が同居する、90年代エモの青さそのもの。初期のストレートなエモ・パンクから、2ndでの洗練されたオルタナ的アプローチ、そして未完成3rdで垣間見える新たな方向性まで、バンドの変遷と成長がそのままパッケージされている。Sunny Day Real EstateやMineralに通じる叙情性を持ちながら、よりポップで開けたメロディが魅力。エモ再評価の流れの中で、バンドの全貌を知るうえで欠かせない一箱。Opaque Red Vinylの豪華仕様に加え、当時の写真や詳細なエッセイを収めたブックレットも付属し、資料性も抜群。
7月10日発売。90年代後半、アーカンソー州リトルロックのDIYシーンで活動し、エモ、インディポップの隠れた名バンドとして語り継がれてきたEveryone Asked About Youによる、25年ぶりの新録音源『Never Leave』。制作は 2024年4月の皆既日食のタイミングで行われ、中年になった自分たちの人生を13分で総括するような作品と語られており、彼らの代名詞である、男女ツインボーカル、透明感のあるギター、軽やかなエモにほんのり甘いシンセポップのニュアンスはそのままに、大人になった今の生活がそのまま刻まれている。全4曲はどれもテンション高く、「中年にはもう時間がない」というテーマを象徴するように無駄のないアレンジで一気に駆け抜ける。青春の記憶を抱えたまま大人になったバンドが、もう一度あの頃の自分たちと向き合う、懐かしさと痛み、そして優しさが同居する、エモ・リバイバルの中でも特に印象に残る一枚。

7月10日発売。INA-GRMのディレクターとしても知られる電子音響作家Kassel Jaeger が、〈Shelter Press〉からリリースする最新作。タイトルの『Sub Re』はラテン語で「物質の下」を意味し、音の素材そのものの下層に潜む力学や気配を探るというコンセプトが貫かれている。ヴェネツィア・ビエンナーレやシオン・サウンド・ビエンナーレで発表された作品を発展させた楽曲も収録し、近年の活動を総括するような内容だ。フィールド録音、電子音、アコースティック楽器の断片が出自を失ったまま重なり合い、濃密な音塊とほとんど無音に近い空間が波のように交互に押し寄せる。低域のうねりや微細な粒子のざわめきが、海底の圧や巨大な構造物の影を思わせるスケール感を生み出し、聴き手を物質の下へと引きずり込むような深い没入を誘う。GRMの系譜を継ぎながら、静謐な〈Shelter Press〉の美学とも響き合う、現代電子音響の最前線。

1947年、Alan Lomaxがニューヨークのデッカ・スタジオにBig Bill Broonzy、Memphis Slim、Sonny Boy Williamsonらを招き、ブルースの起源と黒人の現実を語り、歌わせた歴史的録音『Blues in the Mississippi Night』。当時、彼らが語った内容、ミシシッピ・デルタの生活、ジム・クロウ法下の暴力、労働キャンプや刑務所農場の実態はあまりに率直で危険だったため、3人は偽名でクレジットされたほど。音楽的には、Broonzyの乾いたギター、Memphis Slimの都会的でありながら土の匂いを残すピアノ、Williamsonの鋭くも祈りのようなハープが交互に現れ、語りと歌がひとつの流れとして続いていく。ブルースの曲というより、土地の温度、身体の記憶、沈黙の重さがそのまま音になったような質感で、語りの後に続く歌は言葉の余韻を抱えたまま響き、音楽が慰めではなく証言として機能しているのがわかる。ブルースの源流と黒人の現実を記録した、音楽史、社会史の両面で価値ある復刻。

2009年に〈Students Of Decay〉から発表され、長らく入手困難となっていたCelerの名作『Capri』が、未発表音源を追加した全34曲の完全版として〈Two Acorns〉から再登場。オリジナル・テープからStephan Mathieuが丁寧にリマスターし、当時の淡い質感を保ちながらも奥行きと透明度が増した決定版。2007〜2008年に録音された素材をもとに、「理想化された情景の断片」をテーマに構築されたコンセプト作品で、1〜3分ほどの短いヴィネットが連なり、光が差し込む瞬間や、海辺の風景、遠い夏の記憶がふっと立ち上がっては消えていくような、Celer特有の記憶を呼び起こすようなアンビエントが続いていく。Celer の中でも特に瞬間性と儚さが際立つ作品で、聴くほどに時間の層が静かに積み重なっていくような繊細な一枚。

Will Longが継続してきたディープ・ハウス・シリーズ最新作『Long Trax 5』。ローズ、シンセ、リズムマシン、スペースエコー、スプリングリバーブなど、すべてハードウェアのみで制作された6曲を収録し、シリーズの核であるアナログの温度感と長い時間軸の反復がさらに深化した一枚。本作には3名の新しいナレーターが参加し、Long Traxシリーズの特徴である 社会性・思想性を帯びた語りが、ミニマルなビートの上に静かに重ねられていく。音は極限まで削ぎ落とされ、ローズの柔らかなコードと深いキックがゆっくりと揺れ続ける。Celer名義での作品で培われた余白の感覚が、ここではハウスのフォーマットの中で自然に息づき、アンビエント的な空気とモノトーンのディープ・ハウスが交差し、瞑想的で内省的なグルーヴが全編を貫く。
スコットランドのバンド、Tacoma Radarが2002年に残した唯一のアルバム『No One Waved Goodbye』が未発表音源を加え、大名門〈Numero〉より再発。Tacoma Radarは、静かで内省的なポストロックとメランコリックなスロウコアの中間を漂うようなサウンドが特徴的で、繊細なギターのアルペジオ、ゆったりとしたテンポ、囁くようなヴォーカルが織りなす音の景色は、激情や派手さとは無縁。その代わりに、感情の余白や沈黙の美しさを大切にした音作りがなされていて、どこまでも控えめで、だからこそ深く沁みてくるようなものがある。音数少なく、空気の振動や残響まで音楽にしてしまうようなセンスがあり、スコットランドの灰色の空と雨の気配がそのまま音になったような印象。今回の初リイシューでは、オリジナル・アルバムに加え、2枚の7インチ・シングルと未発表ライヴ音源『Live From the 13th Note』を収録。繊細で哀愁を帯びたメロディと曇り空のような静かさが同居する、ひそやかな名盤。

7月下旬再入荷。Total Blueのメンバーとしても知られるAnthony Calonicoが、〈Music From Memory〉から届ける初のソロ・アルバム『Spacious Heart』。2020〜2024年の長い時間をかけて丁寧に育て上げた作品で、アンビエント、フュージョン、ソングライティングが柔らかく溶け合うレーベルらしい有機的アンビエント・ジャズ。温かいエレピやシンセ、淡いパーカッションが霞がかった朝の光のような空気をつくり、その上をCalonico自身の繊細な歌声が静かに漂う。Total Blueでは控えめだったヴォーカルが前面に出ており、Mark HollisやArthur Russellを思わせる内省的な存在感がアルバムの核を成している。音と音のあいだの余白を大切にしたサウンドデザインは、Harold Buddやスピリチュアル・ジャズの浮遊感とも響き合い、アンビエントの静けさとポップの親密さが自然に共存。全編を包む幽玄でプライベートなムードは、個人的な日記のような親密さを持っている。

7月中旬再入荷。マルチ奏者、作曲家、プロデューサーのJesse PetersonとLAの大人気パーカッショニストCarlos Niñoを中心とした音楽プロジェクト、Turn On The Sunlightによる、ロサンゼルス、東京、ロンドン、メキシコのサン・ミゲル・デ・アジェンデ、そしてハワイ・マウイ島など、世界各地で録音された素材を編み込んだレイアーが重なり合うアンビエント作品『Iseo』。Laraaji、Mia Doi Todd、Ko Ishikawa、Luis Pérez Ixoneztliなど、国境を越えた多数の音楽家が参加。シンセ、ギター、ツィター、フルート、尺八、声、環境音が柔らかく重なり、オーガニックで呼吸する音楽が生まれている。音は配置されるのではなく、時間の中で自然に沈殿し、混ざり合い、形を変えていく。中心曲「Medianoche En La Calle Aurora」は15分にわたり、光と影のあいだを漂うような静かな変化を描く長編。コミュニティの演奏が生む開放性が強く、個人の作品というより場としての音楽が広がる。静かで温かく、どこか神秘的な一枚。
徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説、Merzbowに、Mats Gustafsson、Balázs Pándiというフリー・ジャズ界の巨星たちを加えた伝説的なトリオの最新作『CUTS CUT』。長年のコラボレーションが到達した、ノイズ×フリージャズの極限的インプロ作品。ノイズとフリージャズの境界が完全に溶解する45分の巨大な即興の塊。

Sun Raの精神世界を、現代エレクトロニックの視点から再構築する〈Omni Sound〉の新シリーズ 『When There Is No Sun』。キュレーションを務めるのは巨匠、Ricardo Villalobos。Underground Resistance、Calibre、A Guy Called Gerald、Chez Damier & Ben Vedrenなど最前線の面々が名を連ねる豪華シリーズ。『Living Sky』の録音素材や、Sun Raの詩集『My Words Are Music』のテキストをもとに、各アーティストはそこから断片的な音や言葉を抽出し、自らの軌道へと引き寄せながら新たなサウンドへと変換。ジャズ、テクノ、ハウス、ポエトリー、アフロフューチャリズム。そのすべてを横断しながら、Sun Raの遺産を過去のものとして保存するのではなく、未来へ向かう創造的なエネルギーとして解き放つ意欲作。「別の世界は存在する」というSun Raの約束を、現代のダンスミュージックが鮮やかに証明する一枚。
現代におけるスピリチュアル・ジャズの意義を改めて示す、圧巻のドキュメント。スピリチュアル&アフリカン・ジャズの巨匠Kahil El’Zabarが率いるEthnic Heritage Ensembleによる、2024年ロンドンmuでの二夜を収めたライブ作品 『Let The Spirit Out』。El’Zabarのカリンバやパーカッションが空間を揺らし、アフリカン・ポリリズムの躍動が全編を貫く、儀式的でトランス感のあるスピリチュアル・ジャズ。即興演奏がひとつの流れとなり、演奏者と聴衆、個と共同体の境界が溶けていくような体験。力強く、開放的で、そして深い癒しに満ちたサウンドは、半世紀以上にわたり独自の表現を追求してきたEl’Zabarの真骨頂と言える、重要ライブ作品。

Alice Coltraneの精神性を現代に継ぐ音楽家として注目を集めるSurya Botofasinaの2ndアルバム『Ashram Sun』。スピリチュアル・ジャズ、アンビエントの重要人物Carlos Niñoプロデュース、Nate Mercereau、Angel Bat Dawid、Mia Doi Toddなど、現代スピリチュアル・ジャズシーンを象徴する面々が集結した本作は、新たな潮流と共鳴しながら、その源流の一つでもあるAlice Coltraneの思想と実践を現代へと接続した重要作。即興演奏を基盤としながら、清らかなキーボードの響き、浮遊するパーカッション、祈りにも似たヴォーカルが折り重なり、瞑想的で生命力に満ちた、アンビエント、ニューエイジ等が自然に溶け合うディープリスニングな音世界を形成。
Sun Raが1982年にニューヨークVariety Studiosで行った後期セッションの中でも、特に柔らかい側面が際立つ作品、『Celestial Love』。Sun Raの宇宙的フリージャズのイメージとは少し異なり、スウィング、ブルース、スタンダード曲の再構築が中心。「Sophisticated Lady」「Sometimes I'm Happy」「Smile」など、デューク・エリントンや古典ジャズへの敬意が強く表れた選曲が特徴的。
タージ・マハル旅行団やFluxus、さらにマース・カニンガム舞踏団での活動など、前衛音楽の歴史に深く刻まれた小杉武久の探究心が最もストレートな形で結晶化した、1989年ニューヨーク録音のソロ作品 『Violin Improvisations』。ヴァイオリンという単一の楽器から驚くほど多層的な音響世界を引き出しており、擦過音、倍音、微細なノイズ、澄んだ高音、弱音のささやき、それらがディレイによって重なり、まるでひとりでアンサンブルを構築しているかのような立体感が生まれる。旋律を奏でるというより、音が生まれては消える瞬間そのものを扱う即興で、音の質感・空気の振動・空間の響きがそのまま作品の主題になっている。微妙に揺れる音程や間の扱いに漂う東洋的な感覚と極めて抽象的が両立した、小杉武久という音楽家の核心に触れられる重要作。
ドラマー Damon Cheの爆発的かつ変則的なドラミングでも知られる、アメリカ・ピッツバーグ出身のインストゥルメンタル・マスロックの代表的バンド Don Caballero の4作目にして、マスロック史に残る金字塔とされる名盤『American Don』。ギター2本+ドラムによる複雑なポリリズム、変拍子を多用した緻密な構造、それでいてメロディアスで開放感のあるサウンドは轟音よりも繊細な構築美が印象的で、前作までの荒々しいエネルギーから一転、より洗練されたポストロック的アプローチが際立つ作品となっている。

7月下旬再入荷。シカゴを拠点に活動した独学の作曲家で、ピアノを中心に膨大な量の楽曲を書き、自分の頭の中にある物語世界を音楽で表現していたアウトサイダー作曲家 Charles Joseph Smith。子どもの想像力と大人の作曲技法が混ざったような独特の世界観を持ち、音楽業界やアカデミックな世界の外側で誰にも知られることもなくひたすら自分の世界を作り続けた彼の、特に異彩を放つ楽曲をまとめた決定的アーカイブ『Charles Joseph Smith – Collected Works and War of the Martian Ghosts』。クラシック、SF、ミニマル、電子音楽、そして彼独自のストーリーテリングが混ざり合う非常にユニークな音楽性で、伝統的なクラシックの語法をベースにしながらも、構造は独特で、反復や奇妙なフレーズが続く。どこか懐かしく、しかし奇妙に歪んだ音の風景はどこにも属さない個人的なもの。頭の中の宇宙をそのまま音にしたような、唯一無二のアウトサイダー作品。
7月下旬再入荷。Funkadelicの2ndアルバムで、デビュー作からわずか数か月後に発表された、ロック、ファンク、サイケデリアを融合し始めた初期の重要作。10分超の表題曲を筆頭に、フィードバック・ギター、エフェクトまみれのヴォーカル、空間を歪ませるオルガンが渦巻く、サイケデリック・ファンクの極北と呼べる内。LSDを用いたマラソン・セッションで制作されたという逸話が有名で、混沌と恍惚が同居するそのサウンドは、Eddie Hazelのロック的なギターと、ファンクのグルーヴがせめぎ合う、初期P-Funkならではの衝撃的なもの。サイケデリック・ロック、ファンク、P-Funkのルーツを辿るうえで欠かせない、歴史的マスターピース。45回転盤高音質仕様。
1993年、カリフォルニア州サンノゼ郊外で結成されたオルタナティブ・シューゲイザー・バンドSuper Static Fever。活動期間わずか2年、数回のライヴのみで消え去った彼らは、Melvinsばりのスラッジ、Swervedriverのメロディックな轟音、後期Black Flagの爆音主義をミックスしたような音楽性で、熱気こもる85年製フォード・エコノラインの車内で鳴っていそうな、荒くれて煙たい音を鳴らしていた。バンドの解散後、25年ものあいだ放置されていた未完成テープを、唯一の条件としてスティーヴ・アルビニがミックスし復活、大名門〈Numero〉流石の仕事となった。90年代 DIYシーン特有の壊れかけのコンピューターやVHS的なノイズ感、粗いチップボードのパッケージまで含めて、存在自体が奇跡というべき代物となっている。「これはそもそも存在すべきではなかった」。そんな危うさごとパッケージされた、幻の遺産。

7月下旬再入荷。「言葉が意味から解放され、音として漂い始める」というコンセプトで、話し言葉の抑揚や呼吸をそのまま音響素材として扱う独自の手法を中心に据えた、ニューヨーク拠点の作曲家Ben Vidaによる『Oblivion Seekers』。Nina Dante、Christina Vantzou、John Also Bennett、Félicia Atkinsonらが声の出演で参加。複数の声が重なり合い、ジェンダーやアクセントが流動的に混ざり合うことで、誰の声でもあり、誰の声でもない集合的な語りが立ち上がる。電子音は控えめに配置され、低いドローンや微細なノイズが声の動きを支えることで、静謐でありながら幻覚的な空間が広がる。静けさの奥で声が多層に漂い、言葉と音の境界がほどけていくその繊細な瞬間をとらえた、声のための実験音響作品。
1977年に自主レーベルから発表された、NYロフトジャズの最重要人物たちが集結した歴史的録音であり、Michael Gregory Jacksonのデビュー作『Clarity』。22歳の若きジャクソンが、Oliver Lake、David Murray、Wadada Leo Smithという錚々たるメンバーを迎え、アコースティックギターを中心に、フォーク、フリージャズ、室内楽的アンサンブルを大胆に融合。ジャクソンの繊細なアコースティックギターが中心にありながら、そこにLakeのフルート/サックス、Murrayの太く荒々しいテナー、Wadada Leo Smithの鋭いトランペットが交錯する。静けさと緊張が総挙する、室内楽的なフリージャズといった趣で、70年代ロフトシーンの自由な空気がそのまま刻まれている。本人公認の新規リマスターで、オリジナルの音像を丁寧に磨き上げた決定版。
フランス・フリージャズの重要人物François Tusquesが率いたIntercommunal Free Dance Music Orchestraの初期代表作であり、1971年に南仏Prades‑Le‑Lezの水車小屋で録音された 伝説的ライブ音源『Vol.1』と、続くセカンド・アルバム『Vol.2』が、セットでCD化!

1970年代後半、Sun Ra and His Arkestraはアメリカ中西部を中心に精力的なツアーを行い、そのステージは、ジャズの歴史、宇宙的な意思、儀式性が渾然一体となった、他に類を見ないライブ体験として語り継がれている。本作『Somewhere Over The Rainbow』は、1977年インディアナ州ブルーミントンでの公演を収めたライブ盤で、その当時の達成と多層的な音楽性をそのまま封じ込めている。「Take The “A” Train」「Gone With The Wind」などのスタンダード曲が収録されているが、それらは原曲の枠を軽々と飛び越え、スウィング、フリージャズ、アフロフューチャリズム、コズミック・ブルースがひとつの流れの中で連続する変容の音楽へと姿を変える。とりわけタイトル曲「Over The Rainbow」は、穏やかなメロディを保ちながらも、電子オルガンやミニムーグの宇宙的響きも相まって、別の次元に接続されたスタンダードとでも言うべき独特の世界。Marshall Allen、Danny Ray Thompson、Michael Rayら主要メンバーが参加した編成は、多層的な渦を形成し、ステージ全体が儀式のような熱気に包まれていく。スタンダード曲の再解釈とコズミック・ジャズが同じステージで呼吸する、歴史と未来が同時に鳴っている瞬間を鮮明に感じられる一枚。
