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ロンドンとマンチェスターを拠点に活動するスポークンワード・アーティストにして詩人、哲学者、サックス奏者Alabaster DePlumeによる最新アルバム『A Blade Because A Blade Is Whole』がシカゴ拠点の現代ジャズ大名門レーベル〈International Anthem〉から登場!デプルームのこれまでの作品は、集団セッション、即興、編集から生み出されたものだったが、本作は、デプルーム自身が作曲、編曲、プロデュースを手がけてお理、そこから、マシー・スチュワート(ストリングス)、ドナ・トンプソン(バッキング・ヴォーカル)、モモコ・ギル(ストリングス&バッキング・ヴォーカル)ら奏者や共同編曲者に楽曲を提供し、彼が長年関わってきた集団芸術スペース、トータル・リフレッシュメント・センターでセッションを行った。人々は癒しを必要としている。しかし、なぜ、そして癒しとはどういうことなのだろうか?という問いかけを通じて生まれた『自分の価値を探して:刃のプロローグ』という70ページに及ぶ詩が歌詞の半分以上を占める本作は思索的で瞑想的で、全体が自分の感情と向き合うような重苦しい吐息のようであるが、同時に長い間水中に潜っていた後、水面にたどり着いたときのような感覚を覚える。なんとも深みのある作品。
尺八とコンピュータで呼応する、新潟の親子が交わした「時間と音」の記録を巡る福島家の電子音響ダイアリー。
1990年代に佐渡での村松流尺八との出会いをきっかけに尺八奏者として演奏・即興を始めた福島麗秋。その彼の息子であり、リアルタイムなコンピュータ処理によって奏者との対話的かつ未知なる電子音響の可能性を探求する福島諭。今作は新潟の父と子からなる親子ユニットの記録として綴られた初の<アルバム>作品。深い息遣いをみせる身体的な尺八の演奏をコンピュータで分解・加工処理で即時応答し、現在に過去を進行形で重ね、未だ見ぬ新たなる音像を多層的に創出していく。過去と現在、身体と機械、分解と構築、間と動作、作曲と即興。相反するふたつの事象/現象を行き交い、やがてその境界線で根を張り、まるで艶やかで柔らかな花びらが開花するように、電子音響レイヤードは凛と美しく、未来へと眩しい輝きを放っているかのようである。
+ 初版限定300部
+ ライナーノーツ:三輪眞弘
+ コメント:長嶋りかこ
+ カバー写真:吉原悠博(吉原写真館)
Greville in Bloodによる、暗い音響と重心の低いビートがゆっくりと沈み込む作品『Bloods』。荒々しいテクスチャーの中にしっかりとしたリズムが通り、アンダーグラウンドで脈打つような重いグルーヴが生まれている。金属的なアタック、湿った低域、くぐもったテクスチャーが重なり、閉ざされた工場跡地の奥で鳴り続けるインダストリアル・ビートのような世界観を描き出す。ミニマルな構造ながら、音の圧と反復の快楽がじわじわと高まっていく、地下実験音楽。

EXLRUTHによる、声のためのオリジナル・スコアとして構築された、静謐で深い余韻を持つ作品『Romeo’s Fall』。わずか4曲、約17分という短い尺ながら、声、残響、電子音が溶け合うように広がり、アンビエントとモダン・クラシカルの境界を漂う独特の世界を描き出している。囁きのような声のテクスチャー、柔らかく揺れるシンセ、空間に滲む残響が重なり、落下と浮遊を同時に感じさせるような内省的なムードが続く。1960年代サンダーランド周辺の写真を収めた20pの写真集が付属し、音と共に物語を補完する。ミニマルでありながら情緒が深く、聴くほどに静かな重さを帯びていく作品。

シカゴを拠点に活動するWhitney Johnson、Lia Kohl、Macie Stewartの三人が、長年の即興実践と深い聴取の感覚をもとに紡ぎ上げた『BODY SOUND』。音が生まれる瞬間の親密さと、空間が持つ固有の気配をそのまま封じ込めたような作品で、ヴィオラ、チェロ、ヴァイオリン、声は、ただ重なるのではなく、録音された場所の空気、光、温度と結びつきながら、ゆっくりと形を変えていく。スタジオ、教会、フェス会場のパブ。異なる空間で生まれた即興の断片は、アナログテープの物理的な操作によって再び編み直され、時間の層が折り重なるような独特の深みを帯びる。テープは単に質感を与えるためではなく、もうひとつの即興として機能し、音の流れを揺らし、歪め、再配置していく。そこに立ち上がるのは、フォークの素朴さ、ドローンの持続、実験音楽の自由さが自然に溶け合った、どこかの土地に伝わる古い音楽のような気配。深く、静かで、時にざらつき、時に広がり、言葉よりも先に、音と空間と身体がひとつの呼吸で動くような、内側にある静かな場所へとそっと触れる作品になっている。
エレクトロニック・ミュージックの先駆者として、テクノの生みの親として、結成から54年が経過した今なお愛され続ける伝説的なドイツのグループであるKraftwerk。カスタムメイドの電子楽器を製作し、最先端の機器を使用して独自のサウンドを生み出し、アルバム『アウトバーン』などで世界的に高い評価を得た彼らが1970年から1981年にかけて放送していた音源を一挙収録したCD5枚組ボックス!
Pitchforkでは”The Best Experimental Albums”にも選出されるなど、日本から大きな話題を呼んだ作家による2019年発表の2ndアルバムが2025年エディションで国内版CD化!
浮世絵や雅楽、そして、宮崎駿からJ Dillaにまでインスパイアされた孤高のエクスペリメンタル・アンビエント大傑作!「lost Japanese mood」をコンセプトに活動する広島在住の日本人作曲家、Meitei / 冥丁。これは本当に美しい・・・・本作は、彼の99歳の祖母の死からインスパイアされており、タイトルは小野小町から取られているとのこと。彼の祖母が生きた古き日本の心象風景を切り取るように、今は失われた日本の原風景を描き出した孤高のアルバム。TempleATS周辺の作家達の才気にも劣らない、国籍すらも遥かに超克し、妖艶にして澱み一つ無い、まさに無比と言えるエキゾティック・アンビエント傑作。鈴木春信によるカバー・アートワークをフィーチャー。Brandon Hocuraによるマスタリング。横田進や竹村延和、吉村弘のファンの方も必携の一枚です!
1990年から2014年まで山梨県の清里に存在した清里現代美術館。他に類例のない膨大なコレクションを常設展示した個人美術館であり、また同館はジョン・ケージを初めとする先鋭的作曲家の音楽作品の展示や蒐集も行っていた。この音楽に関する知識や情報を同館に提供していたのが、主に80年代日本の環境音楽の分野で知られるサウンド・デザイナーの広瀬豊であった。本作は氏が全面的に展示構成に協力、期間中会場内に流れるサウンドも手掛けた、同館1992年開催の"ジョン・ケージ メモリアル展”の資料を作品として再編集し復刻したものである。
広瀬が展示空間の為に制作した音源は、当時関係者にCD-Rで配布されただけであり今回が初の作品化。当時の作風としては珍しいケージの手法のオマージュや、騒音や日常の音を用いたミュージック・コンクレート、コラージュ作品など極めて先鋭的な楽曲で統一されている。
付属のA4冊子には展示に関する関係者のテキスト、広瀬豊の楽曲解説、展示風景の写真を掲載。(日本語/英語)
1990年から2014年まで山梨県の清里に存在した清里現代美術館。他に類例のない膨大なコレクションを常設展示した個人美術館であり、また同館はジョン・ケージを初めとする先鋭的作曲家の音楽作品の展示や蒐集も行っていた。この音楽に関する知識や情報を同館に提供していたのが、主に80年代日本の環境音楽の分野で知られるサウンド・デザイナーの広瀬豊であった。本作は氏が全面的に展示構成に協力、期間中会場内に流れるサウンドも手掛けた、同館1992年開催の"ジョン・ケージ メモリアル展”の資料を作品として再編集し復刻したものである。
広瀬が展示空間の為に制作した音源は、当時関係者にCD-Rで配布されただけであり今回が初の作品化。当時の作風としては珍しいケージの手法のオマージュや、騒音や日常の音を用いたミュージック・コンクレート、コラージュ作品など極めて先鋭的な楽曲で統一されている。
付属のA4冊子には展示に関する関係者のテキスト、広瀬豊の楽曲解説、展示風景の写真を掲載。(日本語/英語)

イタリアのダブ・テクノ・デュオBabe RootsによるセルフタイトルLP収録の楽曲を、気鋭のプロデューサーたちが再構築したモダン・ダブテクノの傑作リミックス集『Babe Roots – Remixes EP (12")』。ミニマルで深いベースが印象的なステッパーズ・ダブ「Work Hard (DB1 Remix)」、スモーキーで幽玄なダブ・テクノ「Jah Nuh Dead (Forest Drive West Remix)」、DeepChord直系のディープ・ダブ・グルーヴ「Bless Me (Mike Schommer Remix)」、原曲の精神性を保ちつつ、より瞑想的に再構築した「Sufferation Time (Babe Roots Remix)」など、DB1、Felix K、Forest Drive West、Mike Schommerたちによるリワークに加え、Babe Roots自身によるセルフ・リミックスも収録。Rhythm & SoundやDeepChordの系譜に連なる現代的なダブ・テクノを象徴するアルバム。

これまでに100枚以上の作品を発表してきた多作な実験音楽家Richard Youngsによるアンビエント最新作『Hidden』。本作ではMoog Grandmotherシンセサイザーによるランダム化されたアルペジオが核となっており、反復的で催眠的なパターンは、クラウス・シュルツェやタンジェリン・ドリームなどのクラシック作品を思わせる電子的質感。Richard Youngs特有の「アイデアを徹底的に追求する」スタイルが貫かれ、シンプルながら深い表現となっている。ベルリン・スクール的な電子音楽の伝統を継承しつつ、現代的で瞑想的な一枚。

Mark FellとPat Thomasによる初のコラボレーションで、電子音楽とジャズ即興が交錯する、知的かつ感覚的な音響による対話『Reality Is Not A Theory』。シェフィールドの電子音楽シーン出身で、構造的抽象性を追求するMark Fellとジャズと現代音楽に精通した即興ピアニスト/電子音楽家Pat Thomasの両者のアプローチは対照的でありながら、音楽をただ流れるものではなく、構造化されたものとして捉える姿勢が共通しており、長尺のライブ即興が中心とした各楽章は、計算された構造と予測不能な展開が同時に存在する揺らぎの空間を形成している。音楽を通じて「時間とは何か」「主体とは誰か」を問い直す哲学的な実験であり、聴く者にもその問いを投げかける知覚の冒険ともいえる一枚。
ルーマニアのミニマル・テクノ、アンビエントの重要人物で、ダンスミュージックと現代音楽の境界を行くPetre Inspirescuによる、2017年リリースのジャズやクラシックの要素を取り入れたミニマル・アンビエント作品『Vîntul Prin Salcii』。柳を吹き抜ける風という詩的なタイトルが示すように、自然との調和や静けさ、時間の流れを感じさせる静謐な音世界。

ジム・オルーク主宰の〈Moikai〉、〈Sonoris〉、そして〈Staalplaat〉の伝説的サブレーベル〈Mort Aux Vaches〉などなど、世界各地の名所から傑出した作品群を送り出してきたKevin Drumm の代表作にしてノイズ史に残る名作、電子音楽の一大名門〈Mego〉から2002年に発表されていた『Sheer Hellish Miasma』が2025年リプレス!オリジナルはCDで発表され、以降ノイズ、実験音楽の文脈で究極の到達点とまで評されることが多い作品。内容は徹底して妥協を許さないノイズ構築で、ギター、マイク、アナログ・シンセ、テープ操作、エフェクト、さらに控えめなコンピュータ処理まで駆使し、轟音の壁を緻密に編み込んでいる。ひたすら物理的に襲いかかる音圧でありながら、実際には極めて計算された設計が裏に潜んでいて、無秩序の中に精密なコントロールが感じられる。フィードバックやアナログ・シンセのうねりが、時間の中で少しずつ層を変えながら重なっていくさまは、作曲としか言いようのない構築感があり、音を素材とした抽象芸術として成立している稀有な一枚。20年以上経った今も生々しく、今回の2LP仕様は、作品が本来持つ強度をフィジカルに体験する意味でも重要な再発。

至上の傑作『Loop-Finding-Jazz-Records』でもお馴染み、ミニマルな電子音楽を数多く輩出するドイツの重鎮プロデューサーJan Jelinekによる最新アルバム『Social Engineering』が自身の〈Faitiche〉よりアナログ・リリース。インターネットのダークサイドを探求した本作では、合成音声を使用して、フィッシングメールの朗読と歌という奇抜なコンセプトに挑戦。アンビエントとサウンド・コラージュからなる不吉なエッジが詰め込まれた魅惑的なレコードに仕上がっています!Rashad Beckerによるマスタリングとバックアップも万全!

ベルリンの音響職人ヤン・イェリネックと、コペンハーゲン拠点の作曲家マッズ・エミル・ニールセンが、お互いの楽曲をリミックスし合った7インチ作品。もともとは2019年、チャリティ・コンピ『CRXSSINGS』に収録されたデジタル音源だったが、アナログ化にあたってニールセンのグラフィック・スコアも同梱され、改めてその完成度が際立つこととなっている。イェリネックはニールセンの「Framework 10」を、原曲の2分から7分へと大幅に引き延ばし、初期電子音楽の幻覚めいた揺らぎの中に、きしむサイン波の唸りやくぐもった金管音を散りばめて再構築。一方ニールセンは、イェリネックによる「Zwischen」のコラージュ(マルセル・デュシャンのインタビュー音声から言葉と単語の間の「沈黙」だけを抽出した実験作)に、ホワイトノイズやモジュラーのうねりを加え、静寂に潜む緊張感をより際立たせている。

米ミシガン出身ながら、心は70年代ドイツの実験音楽シーンに根ざすというコンセプトがユニークなプロジェクト Fling II によるセルフタイトル・デビュー作。NEU!やCANのモータリックなリズム、ClusterやKraftwerk的な電子音響の質感を取り入れつつ、現代的な解釈を加えた強烈なクラウトロック・リバイバル。ギター、シンセ、フェンダー・ローズ、ウーリッツァーなど多彩な楽器を駆使し、70年代クラウトロックのサウンドを細部まで再現。現代的な感性と録音技術も随所に垣間見える懐かしさと新鮮さを同時に感じさせる作品。

シチリア出身で現在バーゼルを拠点に活動する電子音楽家 Papiro によるエキゾチックかつ瞑想的なトライバル・アンビエント作『Uscire Da Fuori』。アナログ・シンセを中心に、オーボエ、リコーダー、竹笛などの民族楽器、エーテル的な声と古楽器プサルテリウムを導入し、宇宙的な上昇感から瞑想的アンビエントまで、多彩な表現を展開。アフロデリックな要素やアンデス的な響きも混ざり合う音楽的漂流。唯一無二のエクスペリメンタル・グルーヴ!

2017年に棄世されたフィンランド電子音楽の巨星であり、Pan Sonicでの活動も広く知られる鋼鉄の漢、Mika VainioがØ名義名義で残した最後の作品『Sysivalo』。2017年の逝去直前まで制作していた未発表の素材をもとに、Rikke Lundgreen と Tommi Grönlund が遺されたメモに基づいて仕上げたもので、まさに遺作と呼ぶにふさわしい一枚。全20曲、約60分にわたる構成は、Ø名義の作品の中でも特に短い楽曲を連ねたエチュード形式を採用しており、断片的ながら連続性をもった音のスケッチ集のように展開する。ビートのない楽曲が多くを占め、電子音やドローン、残響の中に細やかな旋律や音響的な陰影が浮かび上がり、静止した時間や感情の余白を強く意識させながら、ノイズや低周波が持つ物質感と、儚いメロディのきらめきが共存する、Vainioの音響的探究の到達点。特に、彼の最も美しい作品のひとつと評される最終曲「Loputon(Endless)」は、透明感と静謐さをたたえた楽曲で、まるでレクイエムのようにVainio のキャリアにおける理想的な結びとなっている。

EBM(Electronic Body Music)の原点を作った最重要バンドとして知られるD.A.F の名曲「El Que」を、フランスのテクノ/EBMシーンのパイオニアで、 長年同曲をDJセットでプレイしてきたほどの愛好家Terence Fixmerが再構築した12インチ。原曲の生々しい筋肉質のパルスを残しつつ、よりシャープで現代的なクラブ仕様にアップデートしたLeather Remix、より推進力のある、ダークでストイックなテクノ寄りのアプローチのDrive Remixを収録。

オブスキュア~ニューエイジ・リバイバルを大いに先導したオランダ・アムステルダムの名門〈Music From Memory〉から最新物件!ロサンゼルスを拠点とするBenedek、Alex Talan、Anthony Calonicoという人気ミュージシャン3組からなる要注目トリオ、"Total Blue"による10年越しのデビュー・アルバムがアナウンス!偶然を受け入れ、未知のものを招き入れ、純粋な遊びと探求の精神に導かれたTotal Blueは、3 人が長年追い求めてきたとらえどころのない雰囲気を求めて「向こう側に触れる」という願望により推し進められてきました。アルバム全体を通じて、彼らの使命は繊細さと繊細な人間味で巧みに達成されており、デジタル・シンセ、AKAI EVI ウィンド・シンセサイザー、フレットレス・ベース、ギターの豊かなパレットで描かれた、水平線の向こうまで響く幽遠なニューエイジ/バレアリック・サウンドで大変素晴らしい仕上がりです!!!

(数量限定/日本語帯付き/解説書封入)2016年に発表された本作は、1980年代の幻のヴィンテージ機材〈Cheetah MS800〉をメインに使用して制作された、エイフェックス・ツインらしい実験精神に満ちた一枚。レトロな音色を下敷きにしながら、重厚なベースラインと独特に歪んだ電子音がうねりを生み出し、聴く者をじわじわと深みに引き込む。無機質でありながら妙にユーモラス、そしてクセになる奇妙な質感は、エイフェックス・ツインならではの音響魔術。ヴィンテージ機材への愛情と未来的サウンドの融合が生んだ、特異なクラシック。
Xavisphone によるブラジル音楽の温度感と実験的エレクトロニクスが独自に溶け合ったユニークなアルバム『balança e paixão』。本作では、lo-fi エレクトロニクスの質感、どこかサンバやMPBの影を感じさせる柔らかなリズムに、ざらついた電子音やシンプルなドラムマシンが寄り添い、部屋の中でひっそりと紡がれたような親密さを生み出している。素朴で近い距離感のボーカル、温かいシンセ、日常の風景がにじむような録音の手触り。ミニマルで実験的な構造でありながら、メロディはどこか切なく、自然と心と身体が揺れるような軽やかさを持つ。ブラジルの空気を抽象化したような、穏やかで、心に余韻の残る、日常の隙間にそっと寄り添うような作品。

ミニマル・エレクトロニクスの探求者 Mark Fell による、電子音の配置、反復、ズレといった彼の美学を極限まで研ぎ澄ませたカセット作品『Ten Types of Elsewhere』。クリック、パルス、微細なトーンが幾何学的に並びながら、わずかな変化や揺らぎによって、音が空間そのものを描き出すような独特の感覚を生み出している。冷たく精密な電子音の連なりの中に、カセット特有の歪みや帯域の丸みが混ざり、無機質さと温度の揺らぎが同居。抽象的でありながらどこか有機的な深夜のような空気は、静かで、緊張感があり、どこか遠くの場所へ意識が引き寄せられるよう。Mark Fell の音響的思考が最も純度高く提示された、密度の高いミニマル・エレクトロニクス。
