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2月上旬入荷。kishun が描き出す、古い世界の残響をテーマにした実験音響作品『古界|Kokai』。カセットテープ特有のざらつきや揺れを積極的に取り込みながら、環境音、ドローン、ミニマルな旋律、ノイズの粒子がゆっくりと重なり合い、まるで朽ちかけた神殿や、忘れられた土地を歩いているような感覚を生む。雅楽のような空気もあり、現代の音楽というより、どこかでずっと鳴り続けていた祈りのような響きを帯びており、大きな展開はなく、微細な変化がゆっくりと浮かび上がる構造で、耳を澄ませるほど奥行きが広がっていく。アンビエント、ドローン、実験音響の境界を漂いながら、静かでありながら濃密な世界観を持つ一本。
Hyotan Namazによる解説
kishunは雅楽の笙奏者石川高(*1)と、楽琵琶奏者の中村かほる(*2)によるユニット。笙と琵琶のみというミニマルな編成で、「旋律のない雅楽」に潜む響きを引き出すコンセプトで2015年から活動している。
雅楽は千数百年の歴史をもつ日本の伝統音楽で、もともと日本で古来より伝えられてきた歌や舞、5世紀から9世紀にかけて朝鮮半島や中国大陸から渡来した舞や器楽などを、平安時代の貴族がまとめ直したものが現代に伝わっている。大陸由来のものも、日本に定着する過程で、アレンジ・再編成されており、現在伝わる雅楽はどこの国のものとも異なる日本固有のものである。平安時代にはほぼ現在に近い形が整っていたと見られる。宮中で保護・演奏されてきた宮廷音楽としての顔に加え、寺社での法要・祭礼などでも演奏される宗教音楽としての顔も有する。そのような経緯から、貴族や楽人と呼ばれるプロの音楽家などの間で庶民の感性・嗜好から離れた形で伝承されてきており、楽器も舞も、日本の他の伝統音楽とは異なった特徴を多く有する。
雅楽の種目は、大陸から渡来した舞を含む「舞楽」、器楽の合奏である「管絃」、日本古来の歌や舞である「国風歌舞(くにぶりのうたまい)」、平安時代の声楽である「歌物」の四つに大別されるが、この中で、「管絃」は、日本の伝統音楽のなかで楽器のみのオーケストラとして体系化されているきわめてまれな形態といってよく、声楽が中心で、器楽合奏は、小規模編成か、演劇・舞踏の伴奏に用いられることが一般的な日本において異色の存在といえる。
「管絃」で使われる楽器は、三管両絃三鼓といわれ、管楽器(三管)では、笙、篳篥、龍笛、絃楽器(両絃)では琵琶、箏、打楽器(三鼓)では鞨鼓(かっこ)、太鼓、鉦鼓(しょうこ)となっている。旋律を担当するのは篳篥(ひちりき)、龍笛で笙は和音でそれらを包み込むのが主な役割、絃楽器はリズムに縁取りを与えるのが役割である。kishunはこの中の笙、琵琶のみで古典曲の演奏や即興を行っている。
笙は17本の長さ・音高の異なる竹管を束ね、下部に金属製のリードをつけたフリーリード楽器である。伝統的奏法ではタンギングは持ちいられず、息遣いによりフレーズを形成する。各管の音は大きくはなく、合奏における役割は、合竹(あいたけ)と呼ばれる持続和音を演奏することで、旋律を色付けし、モードの重心を示すことである。
一方、楽琵琶はリュート属の楽器で、現在使われているものは4絃4柱(4つのフレット)で、撥を使って弾く。背面は平坦で胴体は浅い。音の特徴として、弾いた瞬間は力強いが音の減衰が早く残響がほとんどない。その為、琵琶の役割は和音的というよりはリズム的である。
kishunは雅楽の管絃のなかで旋律を担当する楽器を含めず、合竹による音の場を作る笙と、リズムの縁取りを行う琵琶に絞ることで、旋律の奥に潜んでいた響きを引き出そうとするところに実験性がある。熟練の2名の技巧により、その狙いは十分に果たされ、伝統的な編成の雅楽では無意識のうちに覆い隠されていた響きは、前景に立ち現れ、斬新な姿で聴くものに語りかけてくるのである。
(*1)石川高 宮田まゆみ、豊英秋、芝祐靖に師事。雅楽の笙と歌謡を学ぶ。1990年より演奏活動を開始。雅楽団体「伶楽舎」に所属し、雅楽古典曲や現代曲の演奏を行うかたわら、独奏者としても活動。坂本龍一、Evan Parkerなど多くのアーティストのプロジェクトにも参加してきた。即興演奏にも積極的。
(*2)中村かほる 大学在学中、世界最古の琵琶譜「番假崇」(芝祐靖氏復曲)の演奏に出会い雅楽を学ぶ。龍笛を芝祐靖、楽琵琶・右舞を山田清彦に師事。「伶楽舎」所属。1990年より演奏活動を行い、国内外の音楽祭やソロでも活躍。廃絶された古典曲の復元にも取り組む。

HTRKが20年以上にわたり築いてきた楽曲群を、現代を代表する重要アーティストたちが再解釈したカバー/リワーク集『String of Hearts (Songs of HTRK)』。HTRK がこれまでほとんど行ってこなかった公式リワーク集で、Loraine James、NWAQ、Perila、Coby Sey、Liars、Kali Malone & Stephen O’Malley、Sharon Van Etten など、ジャンルも背景も異なるアーティストが集まり、原曲の繊細な陰影を尊重しながらも、時に微妙にずらし、時に大胆に解体。アンビエント、エレクトロニック、ドリームポップ、アメリカーナ、ノイズが自然に交差し、原曲の冷たさと温かさが、別の角度から照らされる。全体として、深夜の部屋でひっそりと聴きたくなるような、静かな没入感に満ちた一本。

限定100部のカセット版入荷です。各所で即完売となっていた人気盤です、お見逃しなく!ニューエイジ・ファンにも推薦!サックス、チェロ、ピアノ、フルートを中心に繰り広げられる親密で優美なコスミッシェ・アンビエント・ジャズ・サウンド。ポートランドの「偉大なブラックミュージック」の最高の実践者、The Cosmic Tones Research Trioが、母なる地球へと捧げる音楽『All is Sound』が〈Mississippi Records〉よりアナログで登場。ゴスペルやブルースのルーツやスピリチュアル・ジャズの要素も内包した、癒しと瞑想に捧げる、真摯で宇宙的なレコードに仕上がっています。

2月上旬入荷予定。〈Kankyo Records〉にもモダン・アンビエントの結晶的作品を残す実験音響作家──Yama Yuki主宰のもと、Marginal ConsortやEast Bionic Symphoniaでの活動も知られる前衛音楽家、多田正美や前衛劇団〈パパ・タラフマラ〉で音楽を指揮した環境音楽の名手・菅谷昌弘といった作家の貴重なカセットフォーマットの新譜まで手掛けてきた、現行国内最高峰の音響系カセット・レーベル〈ato.archives〉のタイトルが一挙到着!1975年に小杉武久に師事し、伝説的即興音楽グループEast Bionic Symphoniaに参加。現在はMarginal Consortのメンバーとしても活動、実験音楽、ジャズ、ロック、インド古典音楽、さらに観世流能楽の謡を演奏するTomonao Koshikawaによる、ato.archivesからのデビュー作『Footprint』に続く、2作目のソロ作品。カセットテープというフォーマットの柔らかい質感と、彼の繊細な音響処理が重なり、宇宙空間の広がりと微細な光の粒子が漂うようなサウンド。50年にわたる探究の成果。

2月上旬入荷予定。〈Kankyo Records〉にもモダン・アンビエントの結晶的作品を残す実験音響作家──Yama Yuki主宰のもと、Marginal ConsortやEast Bionic Symphoniaでの活動も知られる前衛音楽家、多田正美や前衛劇団〈パパ・タラフマラ〉で音楽を指揮した環境音楽の名手・菅谷昌弘といった作家の貴重なカセットフォーマットの新譜まで手掛けてきた、現行国内最高峰の音響系カセット・レーベル〈ato.archives〉のタイトルが一挙到着!本作は、尺八奏者であると同時に有機米農家でもあり、自然との関わりをそのまま演奏の根幹に置くKatsuya Nonakaによる純粋な尺八作品。収録曲をすべて古典本曲で構成、使用した尺八はすべて自身が制作した地無し尺八で、竹の自然な形を生かした豊かな倍音と個性ある響きが、曲ごとに異なる表情と深い余韻を生み出している。

2月上旬入荷予定。〈Kankyo Records〉にもモダン・アンビエントの結晶的作品を残す実験音響作家──Yama Yuki主宰のもと、Marginal ConsortやEast Bionic Symphoniaでの活動も知られる前衛音楽家、多田正美や前衛劇団〈パパ・タラフマラ〉で音楽を指揮した環境音楽の名手・菅谷昌弘といった作家の貴重なカセットフォーマットの新譜まで手掛けてきた、現行国内最高峰の音響系カセット・レーベル〈ato.archives〉のタイトルが一挙到着!本作は、Maps and Diagrams が得意とする繊細なアンビエント/エレクトロニカを、自然への静かなオマージュとして結晶化したような作品。カセットテープ特有の温かい質感と、柔らかく揺れる電子音が重なり、森の中で風や光がゆっくりと移ろうような穏やかな音世界。聴くほどに森の奥へと誘われるような一本。
2月中旬入荷予定(変更となりました)。〈Kankyo Records〉にもモダン・アンビエントの結晶的作品を残す実験音響作家──Yama Yuki主宰のもと、Marginal ConsortやEast Bionic Symphoniaでの活動も知られる前衛音楽家、多田正美や前衛劇団〈パパ・タラフマラ〉で音楽を指揮した環境音楽の名手・菅谷昌弘といった作家の貴重なカセットフォーマットの新譜まで手掛けてきた、現行国内最高峰の音響系カセット・レーベル〈ato.archives〉のタイトルが一挙到着!本作は、アンビエント、ダブ、エレクトロニカ、民族音楽的要素を独自に融合したサウンドで知られる沖縄を拠点に活動する音楽家/プロデューサーharikuyamakuが沖縄のリゾートホテルのために制作した、土地の空気感と静けさをそのまま音にしたようなアンビエント作品。沖縄の自然、海風、湿度、光の移ろいといった環境そのものを音響的に抽象化し、さざ波のような揺らぎ、南国の湿度を思わせる柔らかなシンセ、遠くで響くようなパーカッションの残響など、沖縄という土地の空気を音響的に捉えつつ、リゾート空間に溶け込むよう音の余白や静けさを活かした秀作。
2月中旬入荷予定(変更となりました)。日本の現代環境音楽の牙城〈Kankyo Records〉にもモダン・アンビエントの結晶的作品を残す実験音響作家──Yama Yuki主宰のもと、Marginal ConsortやEast Bionic Symphoniaでの活動も知られる前衛音楽家、多田正美や前衛劇団〈パパ・タラフマラ〉で音楽を指揮した環境音楽の名手・菅谷昌弘といった作家の貴重なカセットフォーマットの新譜まで手掛けてきた、現行国内最高峰の音響系カセット・レーベル〈ato.archives〉のタイトルが一挙到着! 今回はなんと、Sun Arawの〈Sun Ark Records〉や前衛/実験音楽老舗〈Important Records〉のカセット部門〈Cassauna〉、Taylor Deupree主宰の音響系聖地〈12k〉を始め、世界各地の名レーベルを練り歩き、ニューエイジ・リバイバル以降の国産モダン・アンビエントの名品の数々を残す東京の電子音楽家/ペインターのAkhira Sanoによる最新カセット作品! 電子音の粒子や微細なノイズ、淡いメロディの断片がゆっくりと浮かんでは消えていく、静謐で内省的なアンビエント作品で、デジタルの冷たさと有機的な温度が同居する音のレイヤーは、深夜の静けさや記憶の残響を思わせ、聴くほどに細部の美しさが立ち上がる逸品。
徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説、Merzbowこと秋田昌美による、オリジナルは1983年に自身のレーベル〈ZSF Produkt〉からリリースの、その後再発されるも長らく入手困難となっていた初期重要作が、〈Old Europa Cafe〉よりカセット再発。日常の物音や加工されたギター、声などを素材にして構成された、純粋なノイズというよりも、インダストリアル、トライバル、コラージュ的な要素が強く、リズムやビートが際立つビートテープのような印象も感じられる荒々しくも緻密な作品。アートワークも当時の雰囲気を再現しつつ、現代的な仕上がりとなっており、音質もリマスタリング済。限定199本の貴重な一本。
全音楽好き必携な大・大・大名作!MF Doom & Madlibからなる超人気ヒップホップ・デュオ、Madvillainが04年に〈Stones Throw〉から発表した金字塔的傑作のカセット版、ストックしました!ざらついたこのアナログな質感、Madlibが次々と放り込みつづける澱みに澱んだビート、そして、どっぷりと酩酊したDoomのフロウで聴き手を酔わせるばかり。欠伸をかくような瞬間など何処にも無く、終始隙を一切感じさせない恐ろしい仕上がり。00年代ヒップホップを代表する世紀の一枚を是非カセットの音質でお楽しみください!
全音楽好き必携!未聴の方今からでも決して遅くありません、座して聴いてください。デトロイトが生んだアンダーグラウンド・ヒップホップ史上の伝説、J Dillaが残した金字塔中の金字塔、セカンド・アルバム「Donuts」がカセット再発!2000年代に残された数々の名作の中でも屈指のアルバムの一つとして〈Rolling Stone〉や〈Pitchfork〉といった主要メディアにも絶賛、その死後もなお多くのリスナーのハートに刻まれ続ける大名作。デトロイトのソウル・ミュージック、そして、デトロイトのモダンなエレクトロニック・ミュージックの命脈がヒップホップのなかで運命的に溶け合ったマスターピース!

佐渡をルーツに活動を展開する打楽器集団”鼓童”の運営するレーベルである〈0on ぜろおん-0音〉からは、”鼓童”の一員である打楽器奏者の中込健太と住吉佑太からなるユニット、ケンタタクユウタタクの自作打楽器も含めたパフォーマンスを収めた4thアルバムとなるカセット作品が登場。タイトルの「Goja(ごじゃ)」は、方言で「めちゃくちゃ」「でたらめ」という意味。
和太鼓、ドラム、ピアノ、マリンバ、アコーディオン、リズムマシーン、エフェクター、木片、たらい、鍋、インパクトドライバー、充電器など…
楽器、非楽器、自作楽器、すべての垣根を越えて、取り留めもなく自由な音楽性を詰め込んだ最新作。
全8曲収録。ダウンロードコードあり。

これまた凄いものが、絶対にお見逃しなく。佐渡をルーツに活動を展開する打楽器集団”鼓童”の運営するレーベルである〈0on ぜろおん-0音〉からは、”鼓童”の一員である打楽器奏者の中込健太と住吉佑太からなるユニット、ケンタタクユウタタクの自作打楽器によるパフォーマンスを収めた3rdアルバムとなるカセット作品が登場。
楽器を使わない多人数アンサンブル作品や、物音系コラージュ作品、即興演奏など全4曲を収録。ケンタタクユウタタクの、また新しいサウンドが詰め込まれた意欲作。
200本限定。ダウンロードコードあり。

(数量限定/ネオングリーン・マーブル・ヴァイナル/Indie Exclusive)社会に対する不満や怒りを、DIYなパンク・サウンドとメッセージ性の強い歌詞と共に表現するスリーフォード・モッズが、アルバム『The Demise of Planet X』を〈Rough Trade Records〉よりリリース。
アンドリュー・フェーンとジェイソン・ウィリアムソンによるこれまでで最もスケールが大きく野心的な作品である本作には、俳優グウェンドリン・クリスティー(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『ゲーム・オブ・スローンズ』)が初となる音楽作品への参加及び出演を果たし、さらにはライフ・ウィズアウト・ビルディングスの元フロント・ウーマン、スー・トンプキンスという稀少なゲスト参加に加え、〈4AD〉に所属するオルダス・ハーディング、ソウル・シンガーのリアム・ベイリー、そしてグライムMCのスノーウィーとのコラボレーションを収録。後者2人はどちらもバンドの地元ノッティンガム出身である。
「The Good Life」は、社会的な崩壊と個人的な崩壊が入り混じった感覚を描いている。アンドリュー・フェーンよる切迫感のあるビートと魅惑的なメロディに乗せて、ウィリアムソンがマシンガンのような語り口で、音楽シーンに波紋を呼んだ自身の発言の影響を描き出している。ビッグ・スペシャルとグウェンドリン・クリスティーは、その発言によって生まれた混乱の中で揺れる、彼の内なる葛藤と苦悩の声を代弁している。「“The Good Life”は、他のバンドをけなすこと、そしてそれが自分にもたらす喜びと苦しみについて歌っている。自分自身に問いかけているんだ−−なぜ自分はバンドをけなすのか?なぜそんなことをずっと続けているのか?グウェンドリンとビッグ・スペシャルは、俺の心の声を具現化してくれていて、“良い人生(=Good Life)”を楽しむべきなのか、それとも混沌に身を委ねるのかという、内なる葛藤をめぐって議論しているんだ」とウィリアムソンは語る。
『The Demise of Planet X』は、未来を予測することが非常に困難な状態の中で生きる人生、そして集団的トラウマによって形づくられた人生を表している。前作を書いたときは、停滞−−まるで死体のように息をしていない国−−についての作品だった。あれから3年、その死体は戦争とジェノサイド、そしてコロナ禍の長引く心理的影響によって切り裂かれ、SNSはグロテスクで歪んだデジタル操作の場へと変貌した。まるで廃墟の中で生きているような感覚。それは俺たちの集団的な精神に刻み込まれた、多層的でおぞましい異形のようなものだ。世界がクソみたいな状況に落ちていく中で自分を褒めるのもどうかと思うけど、『The Demise of Planet X』には本当に満足している。ただ突きつけるだけの作品じゃなくて、ちゃんとメガネをかけて中身を覗き込むように、じっくり味わう必要があるんだ。
- ジェイソン・ウィリアムソン(Sleaford Mods)

ハードコア・パンクというジャンルにおいて初のアフリカ系アメリカ人バンドとして知られ、音楽的にも文化的にも非常に重要な存在でもある、ワシントンD.C.の伝説的ハードコア・バンドBad Brainsの代表作で、ハードコア・パンクにレゲエやメタル、ファンクを融合させた革新的な1986年作『I Against I』。特筆すべきは、真の意味でジャンルを横断する多様性で、ギターはメタル的なリフとファンクのカッティングを行き来し、ベースラインは跳ねるようなファンクの要素を持ちつつ、ドラムはジャズ的なフィルやレゲエの裏打ちを織り交ぜる。ヴォーカルのH.R.は、怒りとスピリチュアリティを同時に表現するような独特のスタイルで、シャウト、メロディ、語りを自在に使い分けている。アルバム全体を通して、ジャンルの境界を越える実験精神が貫かれており、音楽的価値だけではなく「パンクとは何か」「黒人アーティストがロックをどう再定義するか」といった文化的問いにも応える、思想性の面でも後世に大きな影響を与える重要作。

1982年に発表された、ワシントンD.C.の伝説的ハードコア・バンド Bad Brains の衝撃的デビュー・アルバム。シーン全体を揺さぶった金字塔。目も眩むほど速いテンポと鋭いリフで突っ走るハードコア・チューンと、突然テンションを落としてじっくり聴かせるルーツ・レゲエ・ナンバーが共存するのが最大の特徴で、この極端さこそBad Brainsのオリジナリティで、当時のどのパンク・バンドとも違う個性を打ち出している。演奏力の高さも群を抜いていて、HRのソウルフルでアジテーティブなヴォーカル、Dr. Knowの爆発的なギターリフ、Darryl Jeniferのタイトなベース、Earl Hudsonのジャズ畑出身らしい柔軟なドラムが合わさって、とにかく生々しい迫力に溢れている。ハードコア・パンクはもちろん、スラッシュ・メタル、オルタナティヴ、さらにはレゲエやクロスオーバーの領域にまで影響を与えている、まさにハードコアの教科書であり、ブラック・ロックの歴史を変えた一枚。




James Pantsの自主リリースによる、未発表ビートだけで構成された60分のミックステープ『Night Guard』。長年の制作過程で生まれながらも世に出ることのなかったデモやビートを、謎のプロデューサーTBZとPissflapsが昔ながらの手触りでつなぎ合わせ、荒削りで衝動的な魅力をそのまま封じ込めている。ローファイな質感、奇妙なメロディ、チルウェイヴ的な浮遊感、そしてJames Pants特有の外し方が絶妙に混ざり合い、どこを切っても彼らしい世界が広がる。ヒップホップ、ベースミュージック、エレクトロニックの境界を軽やかに横断しながら、DIY精神に満ちたビートメイカーの素顔を覗き込むような一本。

ミシガン州アナーバー出身、ニューヨークのブルックリンをベースに活動し、バークリー音楽大学でジャズを中心にギター演奏を学んだというSSW、Mei Semonesは日本人の母を持ち、これまでもリリックや曲名に日本語を取り入れた作品をリリースしており、日本でも大人気だが、ジョン・ローズボロとの名曲「三月の水」カバーや、昨年リリースのEP『KABUTOMUSHI』でも話題となった彼女の待望のフル・アルバム『Animaru』がついにリリース!インディー・ロック、ボサノヴァ、ジャズ、チェンバー・ポップを融合させた音楽性はそのままに、彼女の音楽が本来持っているロマンスや柔らかな感情を呼び起こすだけに留まらず、アコースティック・ギターの素朴な響きにメイのヴォーカル心地よく乗っているかと思えばふとした瞬間に、ストリングスと複雑なギターのリズムが織り成すオーケストラのうねりへと変化するような、より奥深い表現へと積極的に音楽的な挑戦を試みた一枚!

現在、世界で最も人気のドラマーの1人であり、Clairo、Solange、Adele、Bruno Marsなどの共演も知られるHomer Steinweiss(ex-Holy Hive)によるソロデビュー作であり、ミュージシャンとしてもプロデューサーとしても最前線に立っている事を示す『Ensatina』が〈Big Crown Records〉からアナログ・リリース。現代的なラブソング"Deep Sea"、インスピレーションとメランコリーが並置された"Start Select"、そしてB面のソウルバラードを驚くほど現代的に解釈した”Forever and Ever and Ever and Ever”など珠玉のソウル・ナンバーの数々を収録しています。

時間も場所も流れも超えて、ヒップに、ジャックに、ハウスに朝な夕な明かしたい、94年はガーナ発の知られざる爆弾、"Obaa Sima"が現世に復活!!!ガーナに生まれ、カナダで過ごし、音楽を作り、94年にカナダ-ガーナ間だけで、今作をカセットとして発表したこの人Ata Kak。時は流れ2002年のこと、それをこのレーベル主催者Brian Shimkovitzがガーナで発見、アフリカ音楽の深部を紹介するブログ"Awesome Tapes From Africa"を始めた際にはすぐさまこの音源をポスト。世界中で旋風を巻き起こすことになったわけですが、また更に月日が経ち、本人とその家族の協力のもと、15年には遂にリマスター&公式で全世界に再発という背景。しかし、2015年版のリリースは、オリジナルのDATテープにはカビが生え、劣化が進んでいたため、最高の音質とは言い難いものだった。今回は新たにクリアな音源を発見したことでリマスター再発が実現。
数々の名作を世に送り出してきたShimkovitzが熱狂するのも納得の内容で、ハウス極まりない高揚ダンスに奇怪ボーカル&コーラスが楽しい"Obaa Sima"、スキャットマン某を空気で凌駕するAta Kak流ラップな"Moma Yendodo"、ギターのファンクな線路に延々としたビート反復、「ミニマル」とはこの曲の為にある"Bome Nnwom" (この曲心の底からキラー) などなど、時代の空気をとりこみつつも全曲異彩/鬼才な愉快ぶり。
気分の高揚と面白さ、西洋を超えるこの辺境加減は、数年前に再発されたことで失神者を続出させたあの82年のインド産アシッドハウス"Ten Ragas To A Disco Beat"以来の衝撃でしょう...毎作毎作絶賛せざるをえないこのAwesome Tapes From Africa、今回も凄まじさは計り知れません。
