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Sufjan Stevensが長年にわたって育んできたクリスマス・プロジェクトから、選りすぐりの楽曲を厳選した初のベスト盤『Worst Christmas Ever!』。ボックスセット『Songs for Christmas』や『Silver & Gold』に収められた100曲を超えるアーカイブから人気トラックを凝縮し、さらに約15年ぶりとなる待望の新曲「On This Christmas (It Only Gets Better)」を追加収録。The NationalのAaron DessnerやBryce Dessner、Arcade FireのRichard Reed Parryら豪華ゲストを自宅に招き作り上げられていたアットホームなDIYセッション。温もりあふれるローファイ・フォークから、Sufjan Stevens特有の切なくきらめくポップス、トラディショナルな旋律とアイロニカルなユーモアが織りなすサウンドまで、冬の空気を色鮮やかに彩る極上のメロディが満載されている。祝祭感の中にふと立ち現れる静かな祈りと哀愁、そしてどこか歪でチャーミングな世界観がひとつに結実した珠玉のクリスマス・アルバム。

名作『Welcome to the Afterfuture』をはじめ、アンダーグラウンド・ヒップホップの極北を歩んできたMike Laddが、実に10年以上ぶりとなる待望のソロ・アルバム『Nonechosen』を〈Backwoodz Studioz〉からリリース。近年も映画サントラ制作や現代美術作家との協働など多岐にわたる表現を展開してきた彼が、自らのセルフ・プロダクションをベースに、名プロデューサーPreservationが絶妙な微調整を施して研ぎ澄ませたサウンド。長年の同胞であるNo SurrenderやTom Degeeterも参加し、重厚なポエトリー・リーディングと抽象的なビート、鋭利なノイズと引き締まったミニマリズムが交錯。過去の威厳を保ちつつもより深みを増したスポークン・ワードと、ダークで洗練されたアブストラクト・ヒップホップが見事な調和を見せている。往年のアンダーグラウンド・ファンはもちろん、Billy Woods率いる〈Backwoodz〉周辺の先進的ヒップホップを追う層にもアピールする、充実の一枚。
徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説、Merzbowと、北欧エレクトロニック/実験音楽シーンの重要人物Vanity ProductionsことChristian Stadsgaardによるコラボ作品『The New Peasantry』。過剰な音圧の応酬にとどまらず、プリペアド・ピアノの物理加工と緻密なデジタル信号処理を交錯させた刺激的なアヴァンギャルド・コンポジション。Conlon Nancarrowを想起させる機械的で突き放したピアノのフレーズが解体・再構築され、その背後で北欧特有の静けさと深みのあるメランコリックな音響キャンバスがじわじわと侵食する。冷徹な構造美と現代への痛烈な批評性が交わる、ディストピア的音響空間!

徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説、Merzbowが2004年にリリースしたカセット期の異色名作『Tamago』が、イタリアの重要ノイズ・レーベル〈Urashima〉より、当時のセッションから掘り起こされた未発表ボーナストラック2曲を追加収録し、木製の卵型特殊パッケージでリイシュー。2000年代初頭のラップトップ期における緻密な音響アプローチが結実した本作は、単なる音圧の暴力ではなく、電子音のループや周波数の微細な変化、機械的なパルスの反復によって催眠的な緊張感を構築する傑作。本人の愛鳥による鳴き声をデジタル処理で著しく歪ませ伸長させたタイトル曲をはじめ、生体音とデジタル・フィルターが交錯するテクスチャーが圧巻。反復と変容の美学が冴え渡る、ノイズ表現の新たなる側面を提示した重要作。

オーストラリアはタスマニア島を拠点に活動する、庭師兼作曲家のAlex Lastによるソロ・プロジェクトSoda Lite。植物の成長に寄り添う音響作品をリリースするシリーズ「Music To Watch Seeds Grow By」より登場した本作は、自宅のレンガの隙間にたくましく根を張り実を付けたホオズキの生態や植物の目線から見た感覚世界から着想を得て制作。これまでのフィールドレコーディング中心のアプローチから一転し、植物そのものが持つ生命のエネルギーや揺らぎを、緩やかに波打つシンセサイザーのさざ波で繊細に描写。過剰な演出を削ぎ落とした透明感あふれる電子音調と、コンポストのように音源の断片を再循環させた密やかな音響テクスチャーが交錯する。人間中心の視点から離れ、過酷な環境を生き抜く植物のたくましさや、分解と再生のサイクルに静かに耳を澄ませるような、優美で深みのあるバイオ・アンビエントの佳作。

Shrapknelの一員としても知られるラッパーCurly Castroによる、1970年代前半のアメリカで生まれた、黒人キャストを中心に据えた低予算の娯楽映画群、ブラックスプロイテーション映画の美学を現代のアンダーグラウンド・ラップへと再構築した意欲作『Yaphet』。全編をLocustがプロデュースし、硬質なブーンバップの質感とざらついたサンプリングが同居するビートの上で、Castroの語りは映画のカット割りのように場面を切り替えながら進む。黒人文化史、映画的引用、社会的文脈、そして自身の喪失体験が重なり、言葉の密度が非常に高い。billy woods、PremRock、Fatboi Sharif、Brian Ennalsなど〈Backwoodz Studioz〉周辺のMCが多数参加し、それぞれの声質が作品に群像劇的な奥行きを与えている。荒々しさと知性が共存する、2020年代以降のアンダーグラウンド・ラップの到達点とも言える、映画的な世界観と個人的な痛みが交差する、強度の高い一枚。

細野晴臣が、通算23枚目となる新作アルバム『Yours Sincerely』を、2026年9月11日(金)に全世界リリース。全10曲を収録した本作は、母性や慈悲といった人間の深層意識をテーマに、孤独や混乱の時代の先にある“調和”を静かに描いた作品となっている。デビューから57年にわたり、ロック、テクノ、アンビエント、実験音楽など、常に新たな音楽表現へ挑戦し続けてきた細野晴臣。その現在地とも言える本作は、世界とのつながりの変化や、自身の新たな境地が滲む、祈りのように穏やかなアルバムに仕上がっている。
■カセットテープ
カセットテープ+歌詞ブックレット
トラックリスト:
1. Note of Mothership
2. Sincerely
3. Ayurveda
4. M for Mandala
5. Rojiura
6. Happy Holiday
7. To a Wild Rose
8. Humming "Dream of Love"
9. Figlio Perduto
10. Anemo Wheel

90年代後半のエモ・リバイバルの重要バンドのひとつとして知られ、後のインディー/ポストロック系バンドにも影響を与えたJejuneが1997年に発表したデビュー・アルバム『Junk』が〈Numero〉より再発。デュアル・ヴォーカルとメロディックなギターリフが織りなす生々しいサウンドは当時のアンダーグラウンド・シーンを象徴する一枚!

Alvin CurranやFrederic Rzewskiらと共に実験音楽集団Musica Elettronica Vivaを立ち上げたAllan Bryant。彼が1970年代に独自開発した改造楽器を用いて制作し、1977年に発表した幻のソロ作『Space Guitars』が、1995年の追加音源を含む拡張版2枚組LPとして〈Death Is Not The End〉より初のヴァイナル再発。シンセサイザーやテープ操作を一切排し、アンプ増幅と自作改造ギターの物理的な演奏のみで電子音楽の音響ロジックを具現化した異色作で、プリペアドされた弦から放たれる高周波のビープ音や昆虫の不規則な羽音、モジュラーラックのシークエンスを思わせる高密度な音塊、そして極限まで張られた弦が鉄路の軋みを想起させる即興音響が交錯。アヴァンギャルド・ギターの概念を根本から覆すような、実体的電子音響の極北。
20世紀アメリカ前衛音楽の巨星Earle Brownが1950〜60年代に遺した金字塔的音源を収め、名門〈CRI〉から1974年に発表された作品が、なんと〈Death Is Not The End〉よりアナログ再発。David Tudorによる打鍵の破片と余白が緊迫感を生む静謐なピアノ演奏から、Karlheinz StockhausenやPierre Henry作品にも比肩する磁気テープの断片コラージュ、そしてアンサンブルの生演奏とテープが立体的に融合するエレクトロ・アコースティック音響までを凝縮。不協和音やピッチのゆがみが描く前衛的な色彩と、時代の先をゆく実験精神が圧倒的な異彩を放っている。John CageやMorton Feldmanらと共にニューヨーク・スクールを形成した彼が現代音楽の領域を大きく拡張した記念碑的ドキュメント。
名門〈Death Is Not The End〉による、2019年にNTS Radioで放送されたミックスをもとに、アメリカ、イギリス、日本、ペルー、アンゴラ、タイなど世界各地のインストゥルメンタル・サーフ、ガレージ・ロック、スペースエイジ・サイケデリック音源を横断的にセレクトしたコンピレーション。収録曲や詳細なクレジットは非公開ながら、国境やジャンルを越えた世界各地のアウトサイダーなサーフ&ガレージ・サウンドを一気に巡ることのできるユニークな一本。

1970年代初頭、コンピュータ・ミュージックの先駆者Charles Dodgeがベル研究所のメインフレームを駆使して制作した歴史的ヴォーカル作品集が、まさかの〈Death Is Not The End〉よりアナログ再発。詩人Mark Strandのシュルレアリスムな詩をあらかじめ録音し、その音響データを解析・数値化して過激に再構築。人間の発声構造の限界を超え、ピッチの急速な上昇下降やフォルマントの操作、劇的な歪みによって言葉を解体。日常的な対話やオペラの構造を模しながらも、突如として不気味で異質なマシン・ボイスや合成叫び声へと変容するダイナミックな展開は、コミカルでありながら強烈な不穏さを漂わせる。生成AI時代の現代にこそより一層の鋭い批評性を帯びて響く、初期音声合成テクノロジーの金字塔的ドキュメント。

Equiknoxxの異能プロデューサーGavsborgと、グラミーノミネート歴を持つベーシスト元Raging FyahのPele Fyahによる強力コラボカセット『Black Roses』。2025年秋にチェンナイとシンガポールを繋いで始動、90年代ダンスホール文化の金字塔「Black Roses Crew」に敬意を捧げつつ、ブイヨンやダンスホール、デネリといったカリブ音楽の多彩なスタイルを現代的かつ実験的なアプローチで再構築したもので、Gavsborgが得意とする捻りの効いた変則的なビートとドリーミーなシンセ・フックに、Pele Fyahのしなやかで力強く跳躍するステッパーズ・ベースラインが絶妙に噛み合う。ソカやデジダブの疾走感、シンゲリを彷彿とさせる高速トリル、さらにはクラフトワークがズークに化けたかのようなユーモラスなトラックから宇宙的なレフトフィールド・ダブまで、高揚感あふれるサウンドを展開。極上のレフトフィールド・カリビアン・ベース。
東南アジアの光景と異国情操を独自の視点で掬い上げるBodega PopのGary Sullivanによるラオス現地音源の極上コンピレーション『The Remains: Short-Run Regional Releases from the Lao People's Democratic Republic』。ルアンパバーンやビエンチャンのナイトマーケット、カフェ等で掘り起こされた1970年代から2000年代初頭の超小ロット自主制作CDR/CDから音源を厳選したカセット限定作品で、ラオスの象徴である竹製笙ケーンの素朴な響きをはじめ、水牛の角でつくられたリード楽器サナイや儀式用ゴングなど、様々な民族の伝統楽器が紡ぐ力強くもノスタルジックな音像。現地の空気感をそのまま封じ込めたかのような盤面の経年劣化や音飛びすらも美点として抱え込み、学術的な分類を越えて音の質感とリズムに導かれて編み上げた、ラオスの忘れ去られた音楽風景を旅するフォークロア集!
11月下旬再入荷。イーストLA発、現行チカーノ・スウィートソウルの最重要バンドThee Sinseersによる『Love Stories』。Joey Quiñonesを中心に、60年代ソウルの温かい質感を現代的なアンサンブルで再構築した、甘くて切なく、そしてほろ苦い愛の物語が詰まった一枚。前作『Sinseerly Yours』を経て、バンドとしての成熟が色濃く表れた作品で、スタンドアップベース、アンプを通したギター、柔らかなホーンなど、黄金期ソウルの手触りを丁寧に再現しつつ、アレンジはより緻密でタイト。Joeyの切ない歌声が、恋の喜び・痛み・迷いといった愛の全スペクトルを描き出す。ライブでも人気の楽曲を含む全11曲、甘いだけではなく、未練や葛藤といったリアルな感情も丁寧に描くことで、スウィートソウルの枠を超えた深みを獲得した名盤。
90年代USポスト・ハードコアの重鎮Unwoundが、世紀の変わり目に人里離れた農村の地下室で自主録音し生み出したラスト・アルバムにしてバンド最高傑作『Leaves Turn Inside You』が、25周年を記念し、オリジナル・アナログ・テープからリマスター、カセットテープ仕様で登場!Phil Spectorによるウォール・オブ・サウンドへのノー・ウェーヴからの回答とも評される、緻密かつ破滅的なサウンド。切り刻むようなギター、唸りを上げる重低音ベース、ヴィンテージ・シンセの歪み、そして呪文のように唱えられるモノトーンなボーカルが交錯し、合唱系グランジと称される壮大なカオスと静寂を描き出している。ポスト・ハードコアの枠組みを完全に超越した緻密な音響編集と、圧倒的なノイズの美学が結実した世紀の奇作。

〈Kashual Plastik〉や〈Osàre! Editions〉などの先鋭的レーベルからのリリースでも知られるInkasso & MLによる、名門〈Stroom〉からのデビュー作品『Fashion Recession』。即興セッションから立ち現れた不条理な戯曲をはじめ、濃密な夜の気配とサイバーで退廃的な幻想世界を描き出したミステリアスな一作だ。湿り気を帯びたダークなシンセサイザーと鈍いグルーヴ、そして呟くようなヴォイスやポエトリー・リーディングが絶妙に交錯。ポスト・インダストリアル、トリップホップ、ノワール映画の劇伴音楽が融合したような音像は、歴史的実験音楽から現代のレフトフィールド/アヴァン・ポップの潮流までを繋ぐ深遠な美学を感じさせる。偏執的な音響センスとコールドな詩情が横溢する、深夜に最適な極上のレフトフィールド作品!

GrailsのEmil Amosを新ドラマーに迎え、プロデューサーにSteve Albiniを起用したOMによる、タンブーラやフルートを演奏するゲスト陣を交え、従来のミニマルな重低音世界をより東洋的かつ瞑想的な領域へと拡張させた、2009年発表の『God is Good』。ラーガを思わせるインド音楽的なドローンやタブラ調のリズム、聖歌のような単音唱法から、突如として解き放たれる圧巻の超重量重低音リフまで、静寂と激動が交錯する音響空間を展開。Steve Albini特有のリアルな録音が生むクリアな緊張感のもと、中東〜アジアン・サイケデリアとへヴィ・ドゥームの衝動が高次元で融合した神秘的な作品。
珠玉の和ジャズ名盤が初カセットテープ。
圧倒的な音圧、弾力と粘りを伴う一音一音の響き。
日本独自の主体性と録音技術が邂逅した、珠玉の和ジャズ名盤が初カセットテープ化。
日本のジャズがアメリカやヨーロッパの潮流を受けながらも、自らのアイデンティティを模索していた当時、稲垣次郎が目を付けたのは“グルーヴ”だった。
その片鱗は、ジャズ・ロックとファンクの融合を試みた前作『In the Groove』にも垣間見られる。しかし本作『Funky Stuff』において、その弾力と粘りを併せ持つ漆黒のグルーヴは、ついに完成形へと到達した。
イントロのフィンガーピッキング・ベースがタイトなグルーヴを生み出す「Painted Paradise」、コルゲンこと鈴木宏昌によるメロウなアレンジが光る「Breeze」、そしてクール&ザ・ギャングの楽曲を独自の解釈でカヴァーしたタイトル曲「Funky Stuff」を収録。
また、本作の魅力を語るうえで欠かせないのが録音面での特色だ。近接マイキングと徹底した吸音処理、そして積極的なコンプレッションが生み出した日本独自の録音美学。濃密でドライ、それでいて生々しい音像は、本作のグルーヴをより鮮烈なものにしている。
Text by 堤健司郎(223 Music Lab.)

ブラジルのサウンドシステム文化におけるカリンボス=スタンプとヴィニェタ=イントロと呼ばれる、曲の前に鳴る派手な音響演出だけを集めた、前代未聞のミックステープが登場。GG Albuquerqueが1980年代から2025年までの素材を横断し、Akira Umedaがミックスとしてまとめ上げた本作は、バイレファンキのストリート精神をそのまま音にした強烈なアーカイブ。内容は、曲の前に鳴る爆発音、DJドロップ、広告、煽り、スター・ウォーズの引用、ピッチの狂った声、音楽の断片などがノンストップで連打される30分のコラージュ。常にクライマックスが続くような構造で、巨大なストリートパーティーの断片を高速で切り貼りしたような聴感。1980年代のローファイな素材と、2020年代SNS時代の過剰な音響が同じテンションで並び、ブラジルのファンク文化40年分の記憶が圧縮されたような濃度。ユーモア、勢い、地域性、悪ノリ、猥雑さ。バイレファンキの音の言語がそのまま詰め込まれている。

植物の成長をテーマにした人気シリーズMusic To Watch Seeds Grow Byの第10作目。KiF Productionsによる本作『Music To Watch Seeds Grow By 010: Passiflora』は、トケイソウの種子の休眠から発芽、光への伸長、開花、受粉、結実、そして土へ還るまでのライフサイクルを音のレイヤーで丁寧に描いたアンビエント、サウンドコラージュ作品。フィールド録音、柔らかなシンセ、木管、チャイム、民族的な声、短波ノイズなど多様な素材が静かに重なり、自然物の時間軸で進むような音響環境をつくり出している。音は急がず、ゆっくりと形を変えながら進み、微細な変化が積み重なることで成長が音として立ち上がるようで、鳥の声や風の気配が電子音と有機的に溶け合い、コラージュの多層性が作品に奥行きを与える。劇的な展開ではなく、静かな変化を見守るような聴き心地が特徴で、シリーズの中でも特に完成度の高い一本。
デュッセルドルフのOpen Groundで行われたStefan Schwander主催のイベントFunkscapesの夜を記録した、While My Sequencer Gently Bleeps名義の1時間ライブセットを収めたカセット作品。Stefan SchwanderがスウェーデンはElektron社による名機Elektron Monomachineを軸に組み上げるサウンドは、深いベースの推進力、巧妙に組まれたドラムパターン、そしてきらめくメロディが有機的に絡み合う。既発曲に加えて未発表トラックも複数含まれ、当日の流れをそのまま封じ込めたドキュメンタリー的ライブ録音で、ライブならではの即興的なエネルギーと、細部まで作り込まれた音響操作が同時に立ち上がる。ストリップされたリズムにダブ的な深さが重なり、モジュレーションされたベースラインや鋭いシンセのアクセントが絶えず表情を変える。グルーヴとしての強度、温かいハーモニーを保ちながら、実験的な音響デザインが随所に顔を出す、Stefan Schwanderの現在形を示す一作。

ベルギー・リエージュを拠点に活動するfrançois vankaによる、東ベルギーの自然保護区や森との境界線、川の谷間を巡る散策の中で採集された音の断片を凝縮し、自然物から作り上げた自作楽器やフィールドレコーディングを用いて紡ぎ出された静謐な音響日記のようなデビュー作『quelques endroits』。セイヨウニワトコから削り出したチャイムやカタツムリの殻、フランス海岸の貝殻などを用いたハンドメイド楽器の素朴な不規則音と、霜のように繊細な音色、静かに漂うピアノとループが美しく交錯。風や水のせせらぎ、鳥たちの羽ばたきといった森のささやきに澄んだ響きが優しく溶け合い、作り手と聴き手の境目をやわらかく曖昧にしていくオーガニック・アンビエント空間を創出している。あらかじめ決められた構造を持たず、時間の流れから切り取られた自然の美しさと内省的な響きが調和した繊細な音像が静かに寄り添う好内容作!
南アフリカ・プレトリア出身の当時20歳の異才プロデューサーDJ Black Lowが、同国のタウンシップから世界へ広がったムーブメント「アマピアーノ」を独自の実験精神で拡張・解体したデビュー作『Uwami』がカセットテープで登場!ズールー語やツワナ語など多言語で彩られるローカル・ヴォーカルと、ストリート感覚あふれる変則トラックによる、いわばデコンストラクト・アマピアーノとも呼ぶべき新境地を切り拓いたカルト的名盤!
