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ダブ・テクノのパイオニアにして、Basic Channel、Rhythm & SoundのMark Ernestusが、セネガルでの長年の現地リサーチとミュージシャンたちとの協働を経て構築してきたプロジェクトNdagga Rhythm Force。西アフリカ・ンバラの精緻なポリリズムとベルリン流ミニマリズム/ダブの深層が交差する、9年ぶりのアルバム『Khadim』が〈Ndagga〉より登場。もともとErnestusは、ジャマイカのリディム感やサウンドシステム・カルチャーの源流をたどる中でセネガルに辿り着き、作品ごとに深化を続けてきたが、今回の『Khadim』ではさらに構成を大胆に削ぎ落とし、ギターを完全に排除し、パーカッション× Prophet-5シンセ×ヴォーカルというミニマルな編成となっている。中心にあるのは、Ernestusが長年愛用してきたProphet-5によるドローン的シンセ、Mbene Diatta Seckによるソウルフルかつスピリチュアルな歌声、そして打楽器奏者Bada Seck&Serigne Mamoune Seckによるしなやかで予測不能なサバール・パーカッション。これらが有機的に絡み合い、リズムで語るストーリーテリングの極致とも言うべき音のタペストリーを織り上げていル。ポスト・レゲエ、アフロ・ミニマル、スーフィー的精神性が一点で交差する、現代アフリカ音楽の極北とも言える内容で、空間性と肉体性、即興と構築の間で、精神と身体を丸ごと包み込む。肉体的なリズムの奥に静かな霊性が宿っていて、聴きながら内と外が同時に揺れるような感覚が素晴らしい!Ernestusの徹底して削ぎ落とすセンスと、セネガルのリズム/声/信仰の力が美しく交差した、ダンス・ミュージックの文脈でも、アフリカ音楽としても、どちら側から見ても誠実で、深い傑作。
伝説のレゲエシンガー達を現代に召喚してきたMark ErnestusとMoritz von Oswaldによるドリーム・プロジェクト、Rhythm & SoundのTikimanとの初期カタログを網羅した98年名盤。底なしに深く響く無機質なトラックに、Tikimanのボーカルが木霊するベルリン最深瞑想的ダブ傑作。

2024年11月末、冥丁は、別府市制100周年記念事業の一環として、温泉文化をテーマにした滞在制作に招かれ、別府を訪れた。
「失日本」シリーズで知られる冥丁は、忘れ去られた日本の時代や風景を音として再構築する表現で注目を集める音楽家。今回の制作では、海辺に佇む築100年の旅館「山田別荘」の蔵に約1週間半滞在し、雨水が火山岩に染み込み、癒しの湯となって地上に戻る循環に耳を澄ませた。その結果生まれた作品『泉涌』は、温泉文化の内なる精神をたどるものである。
冥丁は竹瓦温泉、坊主地獄、へびん湯、そして山田別荘の内湯や貸切湯など別府の象徴的な温泉地を訪れ、泉源の音、泥の泡立ち、噴気孔の響き、竹林を渡る風、湯を楽しむ人々の会話などの環境音を丁寧に録音した。これらのフィールドレコーディングとその深い聴取体験を楽曲の音の土台とし、立ちのぼる湯気や体感した湯加減の塩梅までも音として描き出そうと試みている。
この作品は、一連の楽曲として展開し、硫黄と火山岩の風景の中を湯気のように漂っていく。坊主地獄に潜む狂気、山田別荘の内湯に響く幽玄な残響、苔むした竹瓦温泉の風情の中で交わされる日常の語らい。そうした断片が静かに織り込まれている。そこには水の静けさや土地に宿る記憶、そして代々ここで湯に親しんできた人々への深い敬意が込められている。
『泉涌』は、失われた日本の記憶を主題とする冥丁の探求を継承しつつ、新たな領域に踏み込んでいる。別府の風土や記憶を音 で巡礼するかのように、リスナーを深い没入体験へと誘う。マスタリングはStephan Mathieuが担当。また、本作は「失日本」 プロジェクトの新章『失日本百景』の幕開けを飾る作品。このシリーズでは、現代の生活の中でひっそりと息づく「憧憬の残る場」を探求していく。

Eliane Radigueの最高傑作と称される三時間におよぶ電子音響の大作『Trilogie de la Mort(死の三部作)』。本作は、ドローン、ミニマル・ミュージックの金字塔ともいえる作品であり、チベットの死生観に基づき、生と死、そして死後の再生までを主題にした深い瞑想のような音の旅。三部構成で、第一部「Kyema」は『チベット死者の書』の六つの中間状態を音で描写。第二部「Kailasha」はヒマラヤの聖山カイラス山を巡る想像上の巡礼を描き、第三部「Koumé」では死の最も深い地点へと潜り込み、そこで再び生の火花が灯る──死は誕生へと転じる、という循環的な世界観を静かに提示している。ラディーグはこの作品を8年かけてアナログ機器のみで丁寧に制作。最初はただのハム音にしか聴こえなくても、深く耳を傾けると、そこには豊かな倍音、音の揺らぎ、感情の移ろいがあり、まるでオーケストラやバグパイプが幽かな哀歌を奏でているようにも感じられる。ゆっくりとしか変化しない音の流れは、日常のスピードを緩め、聴く者の時間感覚そのものを変容させる。耳で聴くのではなく、時間とともに存在する音楽であり、精神的・哲学的な深みと芸術的な緻密さを兼ね備えた唯一無二の音響体験となっている。

これがRadigue史に残された最後のフィードバック音源!70年制作の未発表作品、大きな転換点とされる傑作Opus 17が待望の初CD化!
1970年にヴェルデロンヌで開催されたインスタレーションの為の作品で、この同じ年に自作シンセの第1号を完成させ、濃厚ドローンへの道へと歩んで行きます…ただごーっと鳴っているというよりも、霊的な存在感が研ぎすまされ、音それぞれが浮かび上がって独立行動するような迫力があり、後のシンセ期と生楽器演奏に繋がる芯がありつつ、フィードバックでこその荒い太さが素晴らしい仕上がりです。彼女の技術が惜しみなく注ぎ込まれた全5編を収録。

フィンランドを拠点にブックデザイナーとして活動するジョン・ハバードが、1989年に自主レーベルStrength Through Joyより限定50部で発表した伝説的プロジェクトVogelscheiß Und Seine Verrückten Krötenの唯一音源を初復刻。1988年のヨーロッパ旅行でスティーヴン・ステイプルトンに会い、その後アーヘンを訪れクリストフ・ヒーマン、アンドレアス・マーティン兄弟と共に行なった謎多きセッションの記録がここに解禁。
小杉武久やPierre Henry、Come Organisationのタイトル等も手掛けてきたJos Smoldersがリマスタリングを担当。
CD版にはLP版とは異なるクラフト紙のジャケットを使用。色合いや質感が異なります。限定200部。

ギリシャ正教の聖地アトス山に伝わる典礼音楽のフィールド録音と、それにインスパイアされた現代の楽曲を収めたコンピレーションCD『Athos: Echoes from the Holy Mountain』。前半は現代のアーティストがアトス山の聖歌の神秘的なエッセンスを、ダブや実験的サウンドも交え、電子音楽やアンビエントに昇華。後半は1960年代から今日までの修道院でのオリジナル録音を収録。祈りと瞑想に用いられるビザンチン聖歌の荘厳で静謐な響きがそのまま伝わる。現代の音楽と聖歌を並置することで、むしろ聖歌により深く触れることができるような重要な一枚。

英国の音響作家RapoonことRobin Storeyによる1994年発表の、アフリカのパーカッションとアジアの弦楽器を融合したトライバル・アンビエントの傑作『Cidar』が未発表音源3曲を追加、リマスタリングを施されて再発。アフリカの打楽器とアジアの弦楽器をサンプリング、加工し、深い残響と民族的リズムが交錯。旋律よりも質感と空間性を重視し、見えない風景を描くようなアプローチで、フィールドレコーディングや環境音も織り交ぜて、リバーブやディレイを多用したどこか遠くから響いてくるような断片が重なる。瞑想的かつ幻視的な時間が漂うエスノ・アンビエントの金字塔。

ジュネーブ民族学博物館で開催されたサウンド・エキシビションのために制作された、西洋中心的な博物館学や音楽民族学の言説を解体することを目的としたコンピレーション『Afrosonica』。KMRU、高田みどり、Yara Mekawei、Mo Laudiら4名のアーティストが参加し、アフリカ社会とディアスポラにおける音楽の役割を探求、サウンド・アート、フィールド録音、電子音楽、民族音楽が交差する実験的な構成で、各曲が異なる文化的視点を提示している。KMRUはケニアの都市音を素材に、環境とアイデンティティの関係性を探るアンビエント作品を展開。 Yara Mekaweiはエジプトの宗教的・政治的文脈を背景に、音の構造を通じて社会的メッセージを表現。 Mo Laudiは南アフリカのポエトリーとクラブ・ミュージックを融合し、身体性と抵抗のリズムを刻む。高田みどりは日本の打楽器と電子音響を融合し、共同体、儀式、記憶、抵抗といったアフリカ的な音楽の役割を、異なる文化圏から再解釈している。アフリカ音楽とは何か?を固定的に定義するのではなく、離散と再構築というディアスポラ的視点から音楽の意味を問い直す、現代的なサウンド・エスノグラフィーの記録。

この録音は、京都と大阪間を結ぶ京阪、JR、阪急線の発車メロディーからインスピレーションを得ています。これらの音のモチーフは、まず探求され、次に私たちの集合的記憶のプリズムを通して変容され、1時間のライブパフォーマンスに結実しました。これは記憶の機能に関する私の研究を延長するものです。私たちの記憶は現実に忠実なのか、それとも個人的な物語に適応した再構築なのか?

Art into Lifeが2015年にリリースしたAnne Gillisの5CDアーカイヴボックス。リリース10年周年を記念し新たなパッケージデザインの2ndエディションを制作。彼女の1994年インスタレーション作品”Tultim”のフォトをあしらったブラックボックス仕様にて限定300部。新たにポートレート・カードが付属。
日常的でシアトリカルな音制作、及びパフォーマンスを80年代前半に開始したフランスのManon Anne Gillis。最初期83年のDevil's Picnic名義の作品から、2005年のインスタレーション/展示記録までを網羅した初のアーカイブ音源集。(CRI)2、DMA2、Rangehenからの全出版LP & CDアルバム、唯一の他者との共作である盟友G.X. Jupitter-Larsenとの7インチ、1999年までのコンピレーション提供音源(オリジナルマスターを紛失した一部を除く)、初出となる11の未発表マテリアルを纏めた5枚組CDボックス。美しき閉鎖のイメージで満たされた濃密なコンテンツ。
全トラックICRのコリン・ポッターによる2015年リマスタリング。オリジナルアートワークを使用したディスクスリーヴ、貼箱仕様、20ページのブックレットが付属。
![Anne Gillis - Eyry] (CD)](http://meditations.jp/cdn/shop/files/0041435277_10_{width}x.jpg?v=1762673618)
80年代よりプリミティブなシステムにて楽曲制作を継続して来たManon Anne Gillis。自身の声、呼吸、言葉、楽曲を素朴な手法にて繋いだ9thソロアルバム。「私のサウンドはコンセプチュアルなものでは無く、理解するよりも感受しその中へ入り込むことの方がずっと大切である」と語る様に、音を触覚的な感覚で捉えた10作品で構成。語りや歌声を不鮮明な異音や変則的な反復として、またリズムトラックへと落とし込み、新たな内的世界を作り上げている。
マスタリングはMaiko Okimoto氏が担当。CD版は限定200部。

1973年にバンクーバー美術館で開催された音響彫刻の展覧会"Sound/Sculpture”。この展示のオーディオカタログとして1975年に出版された、音響彫刻に関する重要書籍"Sound Sculpture”の編集者であるJohn Graysonと米コンポーザーDavid Rosenboom監修によるブックレット付きLP作品[The Sounds Of Sound Sculpture]。この分野のパイオニア的存在であるBaschet兄弟、Sonambientシリーズで知られるHarry Bertoiaの有名彫刻をDavid Rosenboom、John Graysonらが演奏した稀有なテイクや、60年代からキネティック彫刻の創作に着手したStephan Von Hueneの希少な録音、ニューヨークのサウンドアーティストDavid Jacobsの重厚な空気圧システムなど、視覚的にも惹きつける歴史的音具の記録を写真や資料と共に網羅。
David Rosenboomによる2024年リマスタリング音源を収録。12ページブックレットが付属。

民族音楽学や人類学、宗教、歴史を専門に研究、人間の文化的な多様性、またその重要性を記録し独自の発信を行なってきたオランダの出版社Sound Reporters。ここより1988年にカセットフォーマットにてリリースされた、エーゲ海キクラデス諸島の一つであるギリシャ領”アモルゴス島"のフィールドレコーディング。数年間現地に居住していた画家Harry Van Essenがサウンドスケープを収集、Sound Reportersの創設者であり民族音楽学者のFred Galesがミックスを担当した共同作品。島の北東部に位置する港”エギアリ”近辺のサウンドをスケッチ的に結合、前半部では海の音と大衆音楽が交互に流れ、詩の朗読、漁船の音、ボードゲームを楽しむ人々、祝宴の会場と、人々の生活に根差した音風景が展開。村を通り抜け山へ登る後半部では人々の日常風景に加え、コオロギの鳴き声、ミツバチの羽音、放牧された大量のヤギが奏でるカウベルなど、島本来の素朴な環境が現れる。
リマスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。

クィアリフィケーションズ&ルインズ(クィア化とその残骸)~DJスプリンクルズによるリミックス集
2013年にMule Musiqから2枚組CDとして最初にリリースされた、非常に収集価値のあるコンピレーション。現在はアップデートされ、約4時間に及ぶ21曲のリミックスが収録された3枚組CDセットに拡張されています。Sprinkles自身のComatonse Recordingsから自主リリースされた「Queerifications & Ruins: Collected Remixes by DJ Sprinkles Expanded Edition」には、2006年から2017年の間にDJ Sprinklesが制作したリミックスの大部分が収録されています。
世界中で絶賛された傑作アルバム「midtown 120 blues」、自身のアイデアソースとなった90年代初頭の貴重なアーリー・ハウス・トラックを満載したDJミックス作品「Where Dancefloors Stand Still」のリリース、ヨーロッパ・ツアー&パノラマ・バーでのDJプレイと現在精力的に活動する川崎在住の世界が認めるアーティスト、テーリ・テムリッツのプロジェクト、DJスプリンクルスのリミックス作品集がリリース!本作で初披露となるリミックス作品や初CD化音源満載の意欲作!

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視聴-k-s.h.e spirits, lose your hold(Excerpt 1)
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CelerことWill LongとのアンビエントxハウスなコラボCDは弊店でもメガ・ヒットでおなじみです。90年代、ニューヨークのトランスセクシュアル系クラブで活躍し、現在日本を拠点に活動しながら世界中を飛び回り、ハウス・ミュージックを切り口にアーティスティックな音楽展開を続けるカリスマDJ、Terre Thaemlitz(=DJ Sprinkles)。DJ SprinklesとMark Fellのコラボレーション12インチと『Complete Spiral EP』セッションからの未発表アウトテイク10曲を収録した編集盤2枚組CD。テーリ氏自身の手によるカスタム・パッケージ仕様。新聞紙に印刷した4x4パネル・ポスター(472mm x 472mm)インサートが付属。※プレス時より盤面裏にモアレ状の跡がついております。これは元からとなり、レーベル全ての在庫が同じ状態となります。予めご了承の上、ご購入をお願いいたします。
視聴-dj sprinkles & mark fell incomplete insight (2012-2015)(Excerpt 1)
視聴-dj sprinkles & mark fell incomplete insight (2012-2015)(Excerpt 2)
視聴-dj sprinkles & mark fell incomplete insight (2012-2015)(Excerpt 3)
視聴-dj sprinkles & mark fell incomplete insight (2012-2015)(Excerpt 4)
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視聴-dj sprinkles & mark fell incomplete insight (2012-2015)(Excerpt 9)
視聴-dj sprinkles & mark fell incomplete insight (2012-2015)(Excerpt 10)
伝説のレゲエシンガー達を現代に召喚したMark ErnestusとMoritz von Oswaldによるドリーム・プロジェクトRhythm & Soundの2004年名盤。10インチ・シングルをコンパイルしたもので、底なしに深く響く無機質なトラックにCornell CampbellやTikiman, Love Joys等、歴代の名シンガー達の枯れたボーカルが木霊するベルリン最深瞑想的ダブ傑作。あまりにディープな内容で、今尚全くもって色褪せる事を知らないクラシック・アルバム。
Jeff Parker率いるETA IVtetによる、2019年から2021年にかけてロサンゼルスのバー「Enfield Tennis Academy」で毎週月曜に行われていた即興セッションを記録したライブ・アルバム『Mondays at The Enfield Tennis Academy』。Josh Johnson(サックス)、Anna Butterss(ベース)、Jay Bellerose(ドラム)とのカルテット編成で、全4曲、各20分超に及ぶ長尺の演奏を収録。即興といっても、調性や構造、メロディの輪郭がしっかりと感じられ、自由な作曲とでも言うべきアプローチがとられているのが特徴的。サンプリング的手法をリアルタイムに取り入れた演奏は、ジャズでありながらも、アンビエントやポスト・ロック、ヒップホップといった多層的なジャンル感覚を持ち込んでいる。緊張感と寛ぎが絶妙に共存しており、聞き流すことも、深く聴き込むこともできる、現代的な音楽!


ヴァージニア州、メヘリン川沿いに残る18世紀の酪農農場。2023年9月、この場所にノースカロライナ周辺の音楽仲間9人が集まり、家の居間と食堂を即席スタジオに仕立てて録音したアルバム『Diamond Grove』。Weirsは固定したメンバーを持たず、オールドタイム音楽とDIYノイズを自由に横断する共同体的な集団で、ここではSluiceやMagic Tuber Stringbandの面々を含む編成で、夜が更けるまで古い歌や旋律に取り組んでいる。彼らは、忘れ去られそうな古い楽曲を収集し、Guided by VoicesのようなインディーロックからJean Ritchieのようなフォークまで、幅広い影響を融合させており、その音楽は伝統を保存するのではなく、伝統をどう生かすかを問い直すもので、古い賛美歌をMIDI化してiPhoneスピーカー越しに鳴らし直したり、ゴスペルを納屋の残響ごと封じ込めたりと、音の場そのものを演奏と同等の要素として扱っている。その結果、古い旋律は再現されると言うよりも、今この瞬間にふっと立ち上がって、リスナーの前に姿を現すのように響く。本作は、農場の古い建物、土地の記憶、夜の虫の声までが音楽の一部になっており、トラッド/フォークの純粋性を疑いながら、それでも歌の命脈をつなぎ、今日の耳にどう届きうるかを模索している。その本質はフォーク・リヴァイヴァルよりもむしろミュジーク・コンクレートやローファイ実験音楽の感覚に近いもので、アウトサイダー・フォークの系譜にありつつ、地域性と現代感覚を交差させたユニークな一枚。
