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Jan JelinekがGramm名義でクリック〜マイクロハウスを制作していた90年代末に、リスニングにフォーカスした作品として制作された『Personal Rock』が、本人主宰レーベルFaiticheよりオリジナル・アートワーク仕様で20年の時を経て、ついにヴァイナル復刻。クリック音や微細なノイズ、細かく刻まれたサンプルが緻密にレイヤーされ、静けさの中で絶えず揺れ動く粒子の音楽が展開される。メロディを前面に押し出すのではなく、音の質感そのものが表情をつくり、反復の中で少しずつ変化していく構造は、Jelinekが、より抽象的で内省的な方向へ踏み込んだ作品であり、後の代表作「Loop-Finding Jazz Records」に通じる美学の原点ともいえる。深夜の静けさや都市の空気を思わせる繊細な緊張感が全編に漂い、20年以上経った今でも色褪せない魅力を放つ大名盤。
日本国内限定盤(100枚限定)。スローモーション・ダブの独自路線を確立するフランスのアンビエント、エレクトロ・ダブ・デュオFroid Dubによる、自身の美学をさらに深化させた最新作『Positive And Natural』。全8曲の平均BPMは約85前後と極端にスローモーションながら、808キック、303アシッド・ベース、そしてテープディレイの揺らぎが三位一体となり、静けさの中にドライブ感が宿るミニマル・ダブを構築。タイトル曲「Positive And Natural」のメロディカ的ニュアンスから、「Love」「No Sense」で聴けるうねるアシッド・ダブまで、クラシックなダブの精神と現代エレクトロの質感が自然に溶け合う。音数は極端に少ないのに、テープディレイの揺らぎや微細な残響が空間を満たし、静けさの中に情報量が宿る。トリップホップ/ニューエイジ/DIYダブの流れを感じさせる、温かく漂う質感と実験性が共存する、充実作。

大推薦!90年代、ニューヨークのトランスセクシュアル系クラブで活躍し、現在日本を拠点に活動しながら世界中を飛び回り、ハウス・ミュージックを切り口にアーティスティックな音楽展開を続けるカリスマDJ、Terre ThaemlitzがDJ Sprinklesとして発表したデビュー・フル・アルバムであり、オリジナルは高値で取引されている人気作『Midtown 120 Blues』が自身によるカスタム・パッケージで〈Comatonse Recordings〉から再リリース!RAこと〈Resident Adviser〉にも2009年の年間ベスト・アルバムに選出されたディープ・ハウスのマスターピースが待望の復刻。ニューヨーク・ハウスがリバイバルし、それらのユートピア的なフィクションを構築されていく一方で、ハウス・ミュージックの奥深くへと到達した傑作。空っぽのミッドタウンのダンス・フロアのリズムが、トランスジェンダーのセックスワーク、ブラックマーケットのホルモン、ドラッグ&アルコール中毒、人種差別、ジェンダー&セクシュアルクライシス、失業、検閲の困難さと共鳴していく様を眺めているような珠玉のディープ・ハウス・アルバム。両面インサート(100mm x 100mm)や新聞紙ポスター・インサート(472mm x 472mm)がヴァイナル・ポーチに付属。※プレス時より盤面裏に、再生に支障がないモアレ状の跡がついている場合がございます。これは元からとなり、レーベル全ての在庫が同じ状態となります。予めご了承の上、ご購入をお願いいたします。
視聴-Midtown 120 Intro・ミッドタウン120イントロ
視聴-Midtown 120 Blues・ミッドタウン120ブルース
視聴-Reverse Rotation・後戻り
視聴-Grand Central, Pt. II (72 hrs. by Rail from Missouri)・グランドセントラル駅 パート2(列車でミズーリ州から72時間)

2011年、東日本大震災後に日本人アーティストMarterがNYのYonyを訪れた際のセッションを起点に、長い年月を経て形になったアナログ録音のダブ作品『Rhythm Matter』が、EPや未発表曲を加えたDeluxe Editionとして再構築。カセット、4トラック、リール・トゥ・リールで録られた素材をPro Toolsで丁寧に編集した制作工程が、テープ特有の丸い低域や柔らかいエコーをそのまま音像に残している。Basic ChannelやRhythm & Sound、King Tubbyへの明確なリスペクトがあり、ダブの重心とディープハウスの浮遊感が自然に重なるグルーヴが特徴。ベースは波のようにうねり、ギターやキーボードは淡い残響をまといながら空間を照らし、ライブ・ダブの呼吸がそのまま録音に刻まれたような生々しさがある。ベルリンとキングストンの系譜を理解したダブ・テクノとも評された、2018年のデジタル版で話題となった作品を、デラックスエディションとして再構成した決定版のアナログ再発。
Warp Recordsに「現代のエレクトロニック・ミュージックの基準であり、発祥の地でもある。また、すべての家にはこのレコードが必要(一家に一枚)だ。」とまで言わしめた、史上最強の奇人にして最大の天才Aphex TwinのベルギーR&Sから1992年に発表されたデビューアルバムにして金字塔。正に一家に一枚!電子音楽〜テクノ〜アンビエント、ジャンルを超えて今尚燦然と輝き続ける説明不要の歴史的名盤のヴァイナルがリマスターされ待望の再プレス!
エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスが85年から92年にかけて作りためていたアンビエント・テクノ・トラックをまとめた本作。それまでハードコア・レイブなトラックによって頭角を現していたエイフェックス・ツインが突如リリースし、その美しくピュアな電子音によって大きな驚きと共にその評価を決定付けた傑作!! 本作がその後のシーンやアーティストに与えた影響は計り知れず、クラフトワークの『アウトバーン』を始めとしたマスターピースと肩を並べる1枚であると同時に、ジャンルと世代を越えて世界中で評価され続けている。モダン・エレクトノニック・ミュージックの起源であり、基準とされてきた作品であることは間違いないが、なによりもまず、すべての音楽リスナーが聴くべき、素晴らしい音楽作品であり、また何と12歳頃から作りためていたトラックを収録しているという逸話を始め、シンボルマーク、楽曲の記号性等、そのミステリアスなイメージも相まり、孤高のアーティストとしてエイフェックス・ツインのイメージを確立した作品でもある。

長年にわたり、岡田拓郎は静かな問いを抱き続けてきた。
「日本人の音楽家として、アフリカ系アメリカ人の音楽を単に借用することなくどう敬意を払えるのか?」
――その探求が新作アルバム『Konoma』を形作った。
東京を拠点に活動するギタリスト/プロデューサー/バンドリーダーである岡田は、幼少期からこの葛藤の中で生きてきた。ブルース、ジャズ、ファンクのレコードに惹かれ育ちながらも、そこに刻まれた歴史の重みに直面し、また日本人として日本に生まれ育った自分自身の起源、そしてそれらの音楽との接点について考えを巡らせていた。そんな彼に道を示したのが、アーティスト・シースター・ゲイツ(Theaster Gates) の展示で知った「アフロ民藝」だった。
ゲイツは、ブラック・アートの美学と日本の民藝運動を結びつけ、いずれも“抵抗”の精神に根ざした文化であることを示した。「Black is Beautiful」という言葉が人種差別への抵抗を象徴したように、民藝運動もまた、産業化によって消えゆく日常の美を守るために生まれた。この2つの精神の共鳴が、岡田にとっての『Konoma』の羅針盤となった。本作は文化と時間の境界を越えて鳴り響く余韻に耳を澄ませた作品である。
『Konoma』には、6曲のオリジナルと2曲のカヴァーが収録されている。
どの曲も、この“対話”の中で形づくられた。優雅でゆったりとした「Portrait of Yanagi」は、まるでぼんやりとした記憶の中にある、別の時代のスタンダードのように漂い、短くも濃密な「Galaxy」では、後期サン・ラのエレクトリック・オルガン実験、初期フライング・ロータスのビートテープの分裂的推進力、そしてトリップホップの影のような空気感を想起させる。カバーの選曲も、岡田の思想と対話を鮮明に映す。
ヤン・ガルバレクの「Nefertite」は、1970年代ECMを象徴する冷ややかな美をまとい、ヨーロッパの音楽家たちがジャズの中で自らのアイデンティティを探していた時代を再構築する。一方、鈴木宏昌の「Love」は1970年代日本ジャズ・シーンの電気的な熱気を呼び起こす。当時ミュージシャンたちはサイケデリック、ファンク、フォークを融合させ、独特の"ローカルな方言"を生み出した。両者を通じて『Konoma』は、借りた形式を新たな表現へと“ねじ曲げてきた”アーティストたちの系譜に連なっていく。
ISC Hi-Fi SelectsとTemporal Driftの共同リリースによる本作『Konoma』で、岡田拓郎はこれまでで最もパーソナルかつ広がりのある表現を提示した。
それは、つながり、影響、そして文化を超えて生き続ける美についての瞑想。

2026年リプレス!Matthew Herbertとの共作も大人気なロンドンを拠点に活動するプロデューサー、ソングライター、マルチインストゥルメンタリストであるMomoko Gillの待望のデビュー・ソロ・アルバム『Momoko』。ジャズ、ソウル、エレクトロニカ、実験音楽が交差するサウンドで、 Matthew Herbertとの共同制作や、Shabaka Hutchingsらを迎えた50人規模の壮大な合唱を取り入れるなど、多彩なコラボレーションが光る。自らドラム、キーボード、ボーカルを手掛ける彼女の音楽は、既存の枠に囚われないブロークン・ビート/ニュー・ジャズ的なスタイルを持ち、また、彼女の声は語りと歌の間を漂いながら、母との関係やアイデンティティの探求といった個人的な感情やテーマを、自身の日本・アメリカ・イギリスにまたがる経験を反映した音楽的言語で、内省的でありながら普遍的な物語へと昇華している。フィールドレコーディングや環境音も取り入れた、ジャンルを超えた表現と、詩的で繊細な構成が特徴の、妥協のないデビュー作品。

時代の評価軸を静かにすり抜けながら、現在進行形で更新を続ける孤高の電子音楽家【Shinichi Atobe】。セルフ・レーベルPlastic & Soundsから初となるアルバム「Silent Way」。
本年7月突如始動させたセルフ・レーベル【Plastic & Sounds】より、二枚の12インチ・シングルを経て、現時点での集大成となる全10曲を収録したアルバム「Silent Way」がCOLORED VINYL 2LP(Gatefold Sleeve/33RPM/Limited Press)レコードとデジタルで3月27日にリリース。
マスタリング/レコード・カッティングは、ベルリンのRashad Becker。アートワークは、写真家、山谷佑介の作品を核に、P&Sの全作品を手がける鈴木聖がその世界観を構築。
昨年、10月、Resident Advisorの人気シリーズ「RA Podcast」に登場し2023年4月に行われた世界初ライブの音源が公開、渋谷WWWにて、Plastic & Soundsローンチ公演「"Plastic & Sounds" label launch party」を開催。2026年1月には、同会場のニューイヤーパーティーで名盤「Haet」のライブセットを披露。
また、前作「Discipline」がPitchforkの「The 30 Best Electronic Albums of 2025」に、そして代表曲のひとつである「Butterfly Effect」がRA(Resident Advisor)の「The Best Electronic Tracks of 2000-25」に選出されるなど国内外で注目の高まる中のリリースとなる。

9月下旬再入荷。50周年記念版!全ての色目が異なる100%再生グリーン・ヴァイナル。「植物のための、そしてそれらを愛する人々のための暖かな地球の音楽」これまで幾度となく非公式再発が為されてきた歴史的名盤が遂に公式再発!70s視点で空想未来を飛行する絶品のSci-Fi電子盤!ファンク/ディスコ脈でも大いに作品を生み出し活躍したカナダの作曲家、Mort Garson(1924-2008)の76年大傑作がなんとSacred Bonesから復刻リリース!
当時ロサンゼルス近郊でSimmons社のマットレスを購入した際に、ノベルティ用として制作されたレコードで、内容はそのタイトル通りの光合成ヒーリング・ムーグ・ポップ・サウンドスケープ集。まさかのSacred Bonesからの再発と言うのもある意味驚きですが、同レーベルの根差してきたサイケ感のルーツといったところでしょうか。1曲目から凄まじい埃の臭いと哀愁に満ちていて、空想する楽しみが豊かに息づいてます。ライブラリー音楽からコスミッシェムジークを通ってアンビエントまで直結のBGM具合です。ただただ暖かく、ある意味ニューエイジで未知の光景へ想いを馳せたくなります。モンド~エレクトロニック系のファンにも是非。
ソウルフルな選曲と温かいグルーヴが溶け合う、Ubiquity名義の中でも屈指の完成度を誇る作品。Bill Withers「Ain’t No Sunshine」、Aretha Franklin「Day Dreaming」、Temptations「Papa Was A Rolling Stone」といった名曲カバーを、Ayersならではのメロウで黒いグルーヴへと再構築。妖艶なヴィブラフォンの響きと、タイトなリズム隊が織りなす70年代ブラックネスが全編に満ちている。タイトル曲「Red, Black & Green」はレアグルーヴ・クラシックとして知られ、グルーヴィーなベースラインと浮遊感のあるヴィブラフォンが絡み合う名演。オリジナル曲とカバーが自然に溶け合う、Ayersの音楽性が最もバランスよく結晶した名盤。
あの音楽史に残るミニマル金字塔が、リリース三十五周年仕様の180g重量盤+特殊エンボスジャケで限定再発!
クラウト・ロックの範疇を超え、エレクトロニック・ミュージック全般にも多大な影響を与えた1984年歴史的傑作が久々再入荷!尽きる事の無いシンセの波のようなリフレインと流麗なギターソロが織り成す唯一無二のミニマル一大傑作。

アシッド・ハウスとインド古典ヒンドゥスタニ音楽〜ラーガの奇跡的合一。近年ではGlass Beamsがカヴァーする等で益々人気高騰中で、オリジナル盤はインド国内でも18万円は下らない価格で取引されている、あのインド産アシッドハウス名盤が遂に公式リマスター再発!
アメリカでハウスが誕生する以前に、実は既にインドにアシッドハウスが存在していた物的証拠となるにわかには信じがたい物件で、Chip E - Jack Trax"や"Phuture - Acid Tracks"(1985)よりも3年前の1982年に発表されていた作品。1981年に発売直後のTB-303等をシンガポールで入手した後にムンバイへ持ち帰り、独自に操作方法を模索し最終的にそれらの同期方法を発見し、TR-808やTR-303、Jupiter-8等を駆使したアシッド・サウンドを実現。
本人も欧米圏のハウス等は聴いた事が無かったとコメントしている通り、ハウスという音楽自体が認知されていなかった時代にもちろんそんな概念がインドに存在したはずはなく、シンセサイザーを用い新たなダンスミュージックを作り出そうというクリエイティブな精神が生み出した奇跡的フライングとも言える驚愕の内容となっています。ゲイトフォールド・スリーブ仕様、未公開写真多数とライナーノーツを掲載した20Pブックレット付属。MUST!
Meditationsベストセラー!あまりにも異様な透明感と浮遊感を孕んだAOR/ライト・メロウの傑作として、未だに大きな支持を受けている、Steve Hiettの唯一作「渚にて…」が、メルボルンのEfficient SpaceとBe With Recordsの共同リリースによって初となるヴァイナル・リイシュー決定!アート・ディレクターやデザイナーなどの経歴を経て、「VOGUE」や「MARIE CLAIRE」といった一流ファッション誌でもフォトグラファーとして活動したスティーヴ・ハイエット。ワタリウム美術館の前進となる現代美術画廊ギャルリー・ワタリの依頼で個展が提案されたことを発端として制作された一枚。1983年にCBS/Sonyからリリースされたオリジナルは現在入手困難を極める激レア作品として知られており、ムーンライダーズの岡田徹、白井良明、鈴木博文、武川雅寛、加藤和彦という当時の日本の音楽シーンを代表する超豪華な陣容が集結しながらも日本盤オンリーのリリースで世界流通のなかった超希少盤。ブルージーな哀愁をたっぷりと滲ませるエレクトリック・ギター・サウンドが全編に渡って展開され、真夏の白昼に魔法のような密室世界を描き出す、類い稀なる魅力を秘めた一枚。AORや音響派、サイケデリックといったどんなジャンルの枠にも収まり切らないでしょう。オリジナル・マスター・テープからのリマスタリング仕様。絶対にお見逃しなく!
説明不要、ブライアン・イーノが1979年に発表したアンビエント音楽の金字塔『Ambient 1: Music for Airports』。注意深く聴いても、聴き流しても成立する音楽というイーノ自身の理念を明確に提示した最初の作品であり、アンビエントというジャンル名を定着させた歴史的アルバム。1978年にロンドンとケルンで録音され、ピアノ、女性声、シンセサイザーなどの素材を異なる長さのテープループで重ね合わせるという革新的手法で構築。空港の緊張感を和らげるために設計され、実際にニューヨークのラガーディア空港で短期間使用された記録も残る。イーノが1975年の事故療養中に体験した雨音と静かな音楽が溶け合う感覚や、エリック・サティの家具の音楽の思想が背景にあり、空間の質を変える音楽というコンセプトが本作で結晶した。ドラマ性を排した静謐な響きがゆっくりと漂い、ピアノの単音、声の断片、柔らかなシンセが空気のように浮遊する音響空間を形成。アンビエントの原点にして永遠の基準点。空間を静かに変える音楽の本質。
ミニマルな電子音楽を数多く輩出するドイツの重鎮プロデューサーJan Jelinekの、長らく入手困難プレミア化していた2001年発表のマスターピースが2つのボーナストラック付属で再発!古いジャズのレコードからのアブストラクトなサンプリングを中心に、Pole主催の~scapeレーベルらしいクリック~ダブな質感、ミニマムで小さな動きが交差しながら無限に広がるモノトーンでミニマルなインナーゾーン作品。約20年経過した今でも耐えうる普遍的な内容で、現在では寧ろテクノやエレクトロニカ以外のリスナーにも大推薦な守備範囲広い内容。マスタリングは信頼のRashad Beckerで、音質も抜群。

ツジコノリコが長い間人生を共に過ごし深い絆を結んだ愛猫PONへの追悼として制作された最新作『PON』。日本的な情緒を帯びたフィールドレコーディングや家庭的な音の断片が散りばめられ、色彩豊かなフォトアルバムのように彼女の内面世界が記録されている。収録曲「Knife of Yonder」はイーノ的なアンビエントから高揚感のある中盤、ブルースに寄り添うような終盤へと展開する10分超の大作。「Kikoeru Pon」では猫の声を含む生活音が溶け込み、個人的な記憶がそのまま音楽になったような親密さが漂う。個人的テーマを抱えながら、無邪気さと抽象性が交互に現れる独特の情緒を持ち、電子音は冷たさとは無縁で、柔らかい光を帯びている。ある種の子どもっぽさと深い喪失感の同居した、彼女の持ち味がさらに深化した成熟した一枚。

学生時代に参加した"グループ音楽”での先鋭的な音楽活動、また1964年からはフルクサスへ参加した事でも知られる塩見允枝子氏。1990年に招聘されたヴェネチアのフルクサス・フェスティバルは、その後の氏の活動に大きな変化を与える出来事となり、同年に創始者であるジョージ・マチューナスへの追悼を込め鎮魂曲をカセットフォーマットにて自主出版。
シンセサイザーのチェンバロとオルガンの音色で演奏した自作曲、逆再生した自身の声をテープに記録、その音源を業者に持ち込みヴェネチアの会場で録音した環境音と合成/編集を行ったテープ音楽作品。ラ・モンテ・ヤング、マリアン・ザジーラ、エリック・アンダーセン、ウィレム・ドゥ・リダー、ケン・フリードマンらフルクサスの重要作家らの声も使用、テープの特性を利用しユニークなアイデアと構造を盛り込んだ、氏の音源の中でも特殊な位置付けとなる作品。
塩見氏が本再発版の為に書き下ろした新たな解説文、会場で撮影された当時の写真資料やスコアを掲載した、A4サイズの全8ページブックレット付き(日本語/英語)。LP版はDLコードが付属。マスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。
南アフリカ・ケープジャズの重要人物Tete Mbambisaが1979年に残した名作『Did You Tell Your Mother』。テナーサックスのBasil Coetzeeを迎えたカルテット編成で、アフリカ的なスピリチュアル性とアメリカのモーダル・ジャズが自然に溶け合う、深みのある演奏。11分超えの「Trane Ride」はタイトル通り Coltraneへの敬意が滲む長尺モーダルで、反復するピアノと熱量のあるサックスがじわじわと高揚していくスピリチュアルな名演。「Past Time」「Winter Time」では、南アフリカ特有の哀愁と柔らかいグルーヴが漂い、ラストの「Irene」では温かく語りかけるようなピアノが印象的。アパルトヘイト時代にも国内に留まり、アコースティック・ジャズを貫いた彼の姿勢がそのまま音に刻まれており、生々しいアンサンブルが当時の空気をそのまま閉じ込めている。

9月下旬再入荷。フィラデルフィアのインディ・ポップ・トリオ Market East による、日常の風景にそっと寄り添うような、温かく穏やかなアコースティック・ポップアルバム『French Street』。柔らかなギターとピアノ、控えめなリズム、そして彼らの代名詞である美しい多声コーラスが重なり、60〜70年代のソフトロックやバロック・ポップを思わせるノスタルジックな空気をまとっている。派手さはないけれど、聴くほどにじんわりと心に染み込むメロディと現代的な透明感が、街角の素朴な暮らしのような親密さを感じさせる。あくまでも自然体で、日常の風景やささやかな感情を丁寧にすくい上げた、聴き終えたあとにふっと心が軽くなるような一枚。

ジジ・マシンのサポートアクトを勤めたことでも知られるNashpaintsによる、ローファイのざらつきとベッドルーム・ポップの親密さが溶け合う、小さくて不思議な宝石のようなアルバム『Everyone Good is Called Molly』。曇ったギター、つぶやくようなボーカル、カセット録音のような柔らかい質感。すべてが誰かの部屋の片隅で生まれた音楽特有の空気をまとい、素直に心に触れてくる。ポップでありながら影があり、夢の中の断片のように淡く揺れるメロディが、アルバム全体に独特の温度を与えている。

RSD2026限定リリース。フライング・ロータスの革新的なプロダクションの原点、シーンに衝撃を与えたデビュー作が20周年を記念し〈Brainfeeder〉よりリマスター再発!!エンボス加工のゴールド・メタリック・スリーブに収められた、ゴールド・スプラッター・ヴァイナルの超豪華仕様!!
各メディアが賛否を交えつつも強烈な個性を打ち出した、フライング・ロータスの衝撃的デビュー作が待望のリマスター再発!!本作は自身の生まれ年にちなんだ作品名となっており、オリジナル盤は2006年に〈Plug Research〉から発売された。中古市場では高騰していた作品であり、自身が主催する〈Brainfeeder〉からの再発は、ファン待望のリリースといえる。
ジャズからジャパニーズ・シンセポップ、アフロ・キューバン・リズム、歪んだゲームサウンドまでを大胆に継ぎ合わせた音像は、単なるインスト・ヒップホップの枠を軽々と突破。温かく有機的でありながら、円環的に構築されたビートは中毒性抜群で、聴くほどに深みを増していく。
マッドリブ的ジャジー感覚、J・ディラ譲りのダスティなグルーヴ、さらにサイケデリックなテクスチャーが融合したそのサウンドは、“コズミック・アンダーグラウンド・ヒップホップ”と称されるにふさわしい完成度を誇る。後の傑作群へと連なる美学をすでに提示した、後のキャリアにつながる記念碑的一枚。
本リリースに際してはダディ・ケヴがリマスターを手がけ、エンボス加工を施したゴールド・メタリック・スリーブに収められたゴールド・スプラッター・ヴァイナルの豪華仕様となっている。
Flying Lotus
この20年にわたり、ロサンゼルス出身のフライング・ロータスは、21世紀の音楽を形作り、影響を与え続けてきた。LAで育った彼は、アリス・コルトレーンやマリリン・マクロード (Marilyn McLeod)といった音楽界の伝説を家族に持つ、豊かな芸術的環境に身を置きながら成長し、ビートメイキングからアニメまで幅広い興味を育んだ。2000年代後半には、ジャズ、ヒップホップ、そして未来的で捉えどころのない要素を融合させるその才能によって、LAの名門シーン"Low End Theory"をはじめとする音楽界で確固たる地位を築いた。
〈Warp Records〉から発表された作品群にはデヴィッド・リンチやエリカ・バドゥらが参加し、ケンドリック・ラマーの歴史的作品『To Pimp A Butterfly』にもプロデューサーとして関わっている。また自身も〈Warp Records〉に所属する一方で、レーベル〈Brainfeeder〉を設立し、サンダーキャット、ジョージ・クリントン、カマシ・ワシントン、ハイエイタス・カイヨーテといったグラミー級アーティストの作品を世に送り出してきた。
音楽だけでなくビジュアル面でも高く評価されるフライング・ロータスは、精巧な映像投影や3Dアニメーション、前衛的なライティングを駆使したライブパフォーマンスでも知られる。そのビジョンは映像作品にも及び、近年では活動の幅をさらに拡張。ホラー・アンソロジー『V/H/S 99』では一編の脚本・監督・音楽を担当し、アーロン・ポールとエイザ・ゴンザレス主演の映画『Ash』では監督兼作曲を務めた。さらにNetflixアニメ『Yasuke』の音楽制作・エグゼクティブプロデュースや、Appleのマジック・ジョンソンのドキュメンタリー『They Call Me Magic』のテーマ曲も手がけている。
2024年秋には、ハウス志向のEP『Spirit Box』をサプライズで発表。ジャンルや表現手法に縛られないその姿勢は、彼がいかに予測不能で多才なクリエイターであるかを改めて示している。
1976年に日本のみでリリースされた、Marion Brownの70年代の探求を象徴する知られざる名盤。ブラウンは60年代フリージャズ以降、より構造的でリズムを軸にした音楽へと移行しており、アフロ・カリビアン的なポリリズム、ファンクの切れ味、レゲエの揺れが、曲ごとに異なる地層のように積み重なる。アルトは、旋律を吹くというより、リズムの上を滑りながら物語を紡ぐような語りのニュアンスが強く、ギターやベースはグルーヴを前に押し出すのではなく、リズムの層に陰影を与える役割を担う。全体として、黒人音楽のリズム的遺産を抽象化し、ブラウン独自の構造としてのリズムへと昇華。鋭いアルト、豊かなポリリズム、そして集団即興の熱量が交わり、ジャズの枠を越えたコミュニティの音楽として響く一枚。
DeepChord、Echospaceの中心人物たるRod Modellによる最新アンビエント作品『Frequencies In The Fog』。Pt.1 と Pt.2 の2曲構成で、パッドを中心としたミニマルな音の軌跡、控えめに配置された電子音の粒子、ゆっくりと深く包み込む低音が持続的に重なり合う。逆再生処理された判別しにくい声の残響や、停滞する静寂と円環的な動きが交互に現れ、厚い霧の層の奥から現実の風景が断片的に浮かび上がっては消えていくよう。Rod Modellらしい深海のような音響と環境音の抽象化が研ぎ澄まされた一枚。
フランスの民族音楽名門レーベルOCORAからタントラ(悟りを実現させるための実践)の場であったギュト寺院の聲明の録音が待望の再プレス!!
何十万というチベット人が亡命を余儀なくされた出来事が起こる前の1970年代初頭、ギュト寺院の僧侶約100名がインドに亡命しました。本来、外の世界に出すものではないと思われる聲明ですが、その伝統が消されるのではないかという危機感からか、彼らはその後、外国での客演、録音を数多く行うようになりました。この録音はその最初期である1975年のパリで行われたライブ録音です。
鐘の音や禁欲的なチベットホルンの音、打鳴らされる太鼓、人間とは思えない野太い低音と宇宙的なものを感じさせる倍音が重層的に響くさまは、一聴するとあまりにも厳しい音世界ですが、深く瞑想するように聴き入っていくと、次第にあらゆる余分なものが消失してゆき、やがてそれは一つの調和として立ち現われ、一種のトランス状態に至るとんでもない内容!没入の強度と深度が違います!!
各地の伝統録音をきく方や、音楽を探求するかたにはもちろん聴いていただきたいですが、ダーク・アンビント/ドローン、インダストリアルなどがお好きなかたにも、ぜひ一度きいてみていただきたいと思います。日本語解説付
Disc 1
「秘密集会」ないし「秘密の単一」タントラ/ 文殊菩薩の忿怒の現れたるヤマーンタカの儀式における灌頂の抜粋/ 奉献の儀式、ラプネーの抜粋
Disc 2
大黒天/黄金の献酒/吉祥の祈り
