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8月21日発売。オーストラリア出身、レバノン系のバックグラウンドを持ち、その文化的ルーツにあるDabkeやレバノン・ポップのリズム、音階 をクラブミュージックへ直接的に取り込むスタイルで知られるプロデューサー、DJのDJ Pleadによるアルバム『Please』。2023〜2025年に制作された120以上のデモから選び抜かれた楽曲で構成されており、一度完成させた別アルバムを丸ごと破棄したのち、より生々しく、むき出しの素材を集めて再構築されている。複雑なパーカッションのレイヤーと、ゆったりとした有機的なタイム感は、これまで以上に内省的で、感情も含めて、素のままが残されているように感じられる。後半には、アンビエント、ダウンテンポ、鍵盤の即興演奏、マイクロトーナルな装飾音が現れ、クラブ音楽から離れた私的な音のスケッチのような瞬間も多く、DJ Pleadがこれまで築いてきたハードドラムとレバノン音楽というスタイルを土台にしつつ、よりパーソナルでな繊細さが同居している。ダンスミュージックを一度壊したからこそ辿り着けた、美しく、孤独な一枚。

UNKNOWN MEのメンバーとしても知られる日本人アンビエント作家H. Takahashiが、2016年に名門〈Constellation Tatsu〉から発表した初期代表作『Body Trip』。現代国産アンビエントの金字塔として国内外で愛され続ける名盤が、最新リマスター音源に加えて新世代のアーティスト陣によるリミックスを追加した2枚組で復刻。繊細なシンセサイザーのトーンと静かな反復、そして控えめなメロディラインが織りなす瞑想的な音響空間。心地よく身体に染み渡るオリジナル音源の温もりに加え、ダブやアンビエント・テクノ、エレクトロニクスの要素を含んだ多彩なリミックス群が作品の新たな魅力を引き出している。静けさと深み、そして穏やかな安らぎに満ちた、好内容作。
日本国内限定盤(100枚限定)。スローモーション・ダブの独自路線を確立するフランスのアンビエント、エレクトロ・ダブ・デュオFroid Dubによる、自身の美学をさらに深化させた最新作『Positive And Natural』。全8曲の平均BPMは約85前後と極端にスローモーションながら、808キック、303アシッド・ベース、そしてテープディレイの揺らぎが三位一体となり、静けさの中にドライブ感が宿るミニマル・ダブを構築。タイトル曲「Positive And Natural」のメロディカ的ニュアンスから、「Love」「No Sense」で聴けるうねるアシッド・ダブまで、クラシックなダブの精神と現代エレクトロの質感が自然に溶け合う。音数は極端に少ないのに、テープディレイの揺らぎや微細な残響が空間を満たし、静けさの中に情報量が宿る。トリップホップ/ニューエイジ/DIYダブの流れを感じさせる、温かく漂う質感と実験性が共存する、充実作。

Sun Raの希少な未発表のアーカイブ音源を、Merzbowが電子ノイズの極限まで再構築した異形の作品『Strange City』。2016年にLP版とCD版で内容が分かれていた音源を、今回の再発で初めて統合。Sun Ra Estate公式ライセンスのもと、Sun Raとノイズが交差する特別タイトル。砂嵐のような高域、地鳴りのような低域、断続的なフィードバックが立体的に押し寄せるMerzbow特有の飽和した電子ノイズの奔流の中で、Sun Raのホーンの破片やパーカッションの影が一瞬だけ浮かび上がり、宇宙的ジャズの断片がノイズの海で点滅する。ジャズのリズムやモチーフは輪郭を保たず、幽霊のように現れては消え、Merzbowの電子処理によって別の次元へ引きずり込まれる。長尺のノイズ組曲として機能する構成で、Granular Jazzシリーズはジャズの粒子を電子ノイズで増幅、変形し続ける抽象的なジャズの再解釈としても聴こえる。Sun Raの宇宙的ムードとMerzbowの破壊的ノイズという絶妙な取り合わせに、企画した〈Cold Spring〉の采配が光る、唯一無二のコラボレーション作。

アシッド・ハウスとインド古典ヒンドゥスタニ音楽〜ラーガの奇跡的合一。近年ではGlass Beamsがカヴァーする等で益々人気高騰中で、オリジナル盤はインド国内でも18万円は下らない価格で取引されている、あのインド産アシッドハウス名盤が遂に公式リマスター再発!
アメリカでハウスが誕生する以前に、実は既にインドにアシッドハウスが存在していた物的証拠となるにわかには信じがたい物件で、Chip E - Jack Trax"や"Phuture - Acid Tracks"(1985)よりも3年前の1982年に発表されていた作品。1981年に発売直後のTB-303等をシンガポールで入手した後にムンバイへ持ち帰り、独自に操作方法を模索し最終的にそれらの同期方法を発見し、TR-808やTR-303、Jupiter-8等を駆使したアシッド・サウンドを実現。
本人も欧米圏のハウス等は聴いた事が無かったとコメントしている通り、ハウスという音楽自体が認知されていなかった時代にもちろんそんな概念がインドに存在したはずはなく、シンセサイザーを用い新たなダンスミュージックを作り出そうというクリエイティブな精神が生み出した奇跡的フライングとも言える驚愕の内容となっています。ゲイトフォールド・スリーブ仕様、未公開写真多数とライナーノーツを掲載した20Pブックレット付属。MUST!

アシッド・ハウスとインド古典ヒンドゥスタニ音楽〜ラーガの奇跡的合一。近年ではGlass Beamsがカヴァーする等で益々人気高騰中で、オリジナル盤はインド国内でも18万円は下らない価格で取引されている、あのインド産アシッドハウス名盤が遂に公式リマスター再発!
アメリカでハウスが誕生する以前に、実は既にインドにアシッドハウスが存在していた物的証拠となるにわかには信じがたい物件で、Chip E - Jack Trax"や"Phuture - Acid Tracks"(1985)よりも3年前の1982年に発表されていた作品。1981年に発売直後のTB-303等をシンガポールで入手した後にムンバイへ持ち帰り、独自に操作方法を模索し最終的にそれらの同期方法を発見し、TR-808やTR-303、Jupiter-8等を駆使したアシッド・サウンドを実現。
本人も欧米圏のハウス等は聴いた事が無かったとコメントしている通り、ハウスという音楽自体が認知されていなかった時代にもちろんそんな概念がインドに存在したはずはなく、シンセサイザーを用い新たなダンスミュージックを作り出そうというクリエイティブな精神が生み出した奇跡的フライングとも言える驚愕の内容となっています。ゲイトフォールド・スリーブ仕様、未公開写真多数とライナーノーツを掲載した20Pブックレット付属。MUST!

アシッド・ハウスとインド古典ヒンドゥスタニ音楽〜ラーガの奇跡的合一。近年ではGlass Beamsがカヴァーする等で益々人気高騰中で、オリジナル盤はインド国内でも18万円は下らない価格で取引されている、あのインド産アシッドハウス名盤が遂に公式リマスター再発!
アメリカでハウスが誕生する以前に、実は既にインドにアシッドハウスが存在していた物的証拠となるにわかには信じがたい物件で、Chip E - Jack Trax"や"Phuture - Acid Tracks"(1985)よりも3年前の1982年に発表されていた作品。1981年に発売直後のTB-303等をシンガポールで入手した後にムンバイへ持ち帰り、独自に操作方法を模索し最終的にそれらの同期方法を発見し、TR-808やTR-303、Jupiter-8等を駆使したアシッド・サウンドを実現。
本人も欧米圏のハウス等は聴いた事が無かったとコメントしている通り、ハウスという音楽自体が認知されていなかった時代にもちろんそんな概念がインドに存在したはずはなく、シンセサイザーを用い新たなダンスミュージックを作り出そうというクリエイティブな精神が生み出した奇跡的フライングとも言える驚愕の内容となっています。未公開写真多数とライナーノーツを掲載した36Pブックレット付属。MUST!

パプア・ニューギニアでのバンブー・フルートの名録音でも知られる録音技師のRagnar JohnsonとRalph Harrissonが1971年にエチオピア各地を巡りながら録音したフィールド音源を、丁寧なリマスターを施しまとめたアーカイブ2LP『Ethiopian Musics 1971 - Recorded by Ragnar Johnson and Ralph Harrisson』。Addis Ababaの猥雑なバーでの民謡演奏から、エチオピアン・ハープによる正教の宗教歌、Afar砂漠のチャント、Anuakのサンザ、Nuerのハープとダンス・ドラムまで、都市・砂漠・国境地帯の音が幅広く収録されている。深い祈りや民謡の生命力、旋律というより風と同化しているのかのようなフルートなど、どの録音にも、当時の空気、土地、人々の実態がそのまま刻まれている。50年以上前の録音ながら、リマスターによって細部の質感が鮮明に立ち上がり、エチオピアの多民族文化が音の地層として積み重なる重要な再発。

2011年以来となるSeekersinternationalとwzrdryAVの実に15年振りの再コラボ作『Orbit Flares』。『Magnetic Haze』の続編として制作された、反転、循環、ループをテーマにしたアブストラクト・ダブ電子音楽で、wzrdryAVが描く広がりのあるドローン・スケープを、Seekersinternationalが切断し、ねじ曲げ、再構築。ピッチがわずかに歪むダブ・コードが渦を巻き、低域が液体のように揺れる。遠くのサウンドシステムが霧越しに聴こえるような距離感で、リズムは一定ではなく、揺れたり崩れたり立ち上がったりしながら、音の重力が変わる瞬間が続く。ドローン、ダブ、ループという三層構造が常に動き続けることで、Seekersinternationalのコラージュ的センスと、wzrdryAVの音響的広がりが自然に結びついたユニークな作品。

モーリタニアの名門音楽一家Ahl Nanaの中心人物、Yassine Nanaが1984年から1989年に残したカセット音源を丁寧に復刻したコンピレーション『Modern Pop from Mauritania (1984–1989)』。砂漠の伝統音楽と80年代の電気化が交差する変革期のモダン・ポップを鮮やかに伝えるもので、乾いたギターのトーン、素朴で温かいシンセ、軽やかなドラムマシンのステップが重なり、サハラの旋律感とレゲエ、ソウル、ニューウェイブの影響が自然に混ざり合う。反復するメロディの中に 旅の途中で聴こえる歌のような郷愁が漂い、家族の声が重なるコーラスはローカルな温度をそのまま運んでくる。電気化の導入がまだ新しかった時代の手探りのモダニティが、どの曲にも刻まれている。地域内だけで流通していたカセット音源を現代的な音質で聴ける貴重な復刻盤。伝統と電気化、パン・マグレブ的交流が同じフレームに収まった、80年代モーリタニア・ポップの重要な記録。

ポストハードコア・バンドthe north endのメンバーとしても知られる、東京を拠点に活動するアーティストFeLidによる、ギターの偶発性とアンビエント、ダブの音響処理を組み合わせたソロ名義2作目となるカセット作品『Magic Hour』。即興的に鳴らされるギターのフレーズが柔らかく揺れ、夕暮れの光がゆっくり変化していくような色彩感を帯びて進む。アンビエントの静けさ、ダブの空間処理、そして、細やかな編集による透明感が重なり、都市の片隅で立ち止まったときにふと立ち現れる、どこでもない世界を思わせる音像が広がる。

Monolakeが1999年に発表していた『Interstate』が、オリジナルリリースから27年を経て初2LPヴァイナルとして登場!
初期のダブ・テクノ的アプローチから一歩進み、Max/MSPを駆使した音響設計はさらに深化。ミクロなリズムと精緻に変化するテクスチャーが有機的に絡み合い、実験電子音楽の多くの系譜に影響を与え続ける独自のサウンド・エコシステムを構築。全8曲はそれぞれ異なる音の生態系を形成しつつ、緻密なグルーヴが根のように張り巡らされる。Robert HenkeとGerhard Behlesが完全共同で制作した最後のアルバムにして、IDM/エレクトロニカ史に刻まれるマイルストーン的名盤。

Will Longが継続してきたディープ・ハウス・シリーズ最新作『Long Trax 5』。ローズ、シンセ、リズムマシン、スペースエコー、スプリングリバーブなど、すべてハードウェアのみで制作された6曲を収録し、シリーズの核であるアナログの温度感と長い時間軸の反復がさらに深化した一枚。本作には3名の新しいナレーターが参加し、Long Traxシリーズの特徴である 社会性・思想性を帯びた語りが、ミニマルなビートの上に静かに重ねられていく。音は極限まで削ぎ落とされ、ローズの柔らかなコードと深いキックがゆっくりと揺れ続ける。Celer名義での作品で培われた余白の感覚が、ここではハウスのフォーマットの中で自然に息づき、アンビエント的な空気とモノトーンのディープ・ハウスが交差し、瞑想的で内省的なグルーヴが全編を貫く。限定200部。

オーストラリアの名バンドThe Triffidsのペダル・スチール奏者であり、さらに、The KLF名作『Chill Out』の中で、特にハイライトである「Baltimore to Fair Play」において、その情感豊かなペダル・スチールの音色がソウルフルな中心的役割を果たしたことで知られるEvil Graham Leeが、72歳にして初のソロ作を完成。長年のキャリアを静かに凝縮したような、ゆっくりと滲むトーン、空間に溶ける倍音、そして音がほとんど動かないのに情景が変わっていくような没入感。タイトル曲「I Think I’m Alone Now」は15分に及ぶ深いドローンで、孤独・祈り・静けさがひとつの風景として立ち上がる。一方で「Seeking Beauty In Sadness」など、メロディの残り香を感じさせる曲では、カントリーの哀愁が柔らかく顔を出す。ジャケットはBradley Pinkerton、ライナーノーツはThe KLFの盟友Bill Drummondが担当。永い時間をかけて熟成された、ペダルスティールで描く孤独な宇宙。※入荷時よりスリーブに若干ダメージございます。予めご了承くださいませ。
琉球民謡ファンもビーチボーイズ・ファンもアヴァンポップ/アンビエント好きも腰を抜かした衝撃の70sウチナーポップ秘宝。 誰が呼んだか《琉球ペットサウンズ》 。内外のリクエストにお応えし新装リプレス。
2026年版仕様:
装丁はマルフクレコードの旧譜復刻シリーズ(FMシリーズ)へのオマージュ/折り込みフラップ形状で背面柄はマルフクのカスタムスリーブをイメージ/沖縄の紺碧の海をイメージした半透明カラーVINYL仕様。
「かじゃでぃ風節」は琉球古典音楽・琉球舞踊を代表する曲で、めでたい祝いの席で演奏される大定番。通常、少人数で三線を伴奏に歌われるものだが、新崎純(あらさきじゅん)というミュージシャンの好奇心から、ビッグバンドで演奏したらどうなるか?と70 年代に実験されたのが本ヴァージョンだ。人間国宝の照喜名朝一をはじめとする演奏家がスタジオに集められ、5 人の三線奏者、4 人の管楽器奏者、ピアノ、エレキギター、エレキベース、パーカッションとドラムの総勢13 人で、なんとリハ無しぶっつけ本番、一度きりの演奏で吹き込まれたまさにミラクル録音。新崎によると和声が無い琉球古典ゆえに編成と編曲には苦心したというが、出てきた音は重厚な荘厳さを漂わせ、更に音楽マニアには琉球音階の『Pet Sounds』に聞こえてしまうというオマケ付き。リリースにあたり当時記録用に録音したカセットテープを発掘できたのはこれもまた奇跡である。このテイクにノックアウトされたヴィジブル・クロークスによるリミックスは、あの世でもこの世でもない<第四世界>の傑作ヴァージョン。
なお、シープス(sheeps)は綴り間違いだが、原題のままにしている(英題では修正)。
Tracks:
Side-A: 新崎純とナイン・シープス「かじゃでぃ風節」(1977)
Side-AA: Visible Cloaks「かじゃでぃ風節 (Visible Cloaks Remix)」(2018)

スイスはジュネーブの実験音楽クァルテットOndanacondaが、口琴を中心にした音響探求という極めてユニークなコンセプトで作り上げたデビュー作。口琴をアンプリファイし、処理を施し、ドローン、パーカッション、ベースへと変形。金属的な響きが増幅されることで、アコースティック楽器でありながらシンセのような太さや揺れを獲得。口腔そのものが楽器になるという原始的な力と、現代音楽的な緊張感が同時に立ち上がる。静かに揺れる倍音が美しい長尺ドローンから、パーカッシブな躍動が前面に出る楽曲まで、同じ楽器を使っているにも関わらず曲ごとにまったく異なる音の風景が展開される。息のノイズ、身体の動き、口腔の共鳴がそのまま音楽の素材となり、電子音よりも 人間の呼吸のリズムが前に出るのが特徴的。古代的な楽器を大胆に再発明したエレクトロ・アコースティックの新機軸。

Alice Coltraneの精神性を現代に継ぐ音楽家として注目を集めるSurya Botofasinaの2ndアルバム『Ashram Sun』。スピリチュアル・ジャズ、アンビエントの重要人物Carlos Niñoプロデュース、Nate Mercereau、Angel Bat Dawid、Mia Doi Toddなど、現代スピリチュアル・ジャズシーンを象徴する面々が集結した本作は、新たな潮流と共鳴しながら、その源流の一つでもあるAlice Coltraneの思想と実践を現代へと接続した重要作。即興演奏を基盤としながら、清らかなキーボードの響き、浮遊するパーカッション、祈りにも似たヴォーカルが折り重なり、瞑想的で生命力に満ちた、アンビエント、ニューエイジ等が自然に溶け合うディープリスニングな音世界を形成。ゲイトフォールド仕様、180g重量盤。

MoMAパーマネントコレクション収蔵、Rolandとの共同制作、Pentagram Londonパートナー就任など、サウンドアートとデザインの分野で国際的に活動する、Yuri Suzukiによる最新作『Bless This Acid House』。約6年ぶりとなるアルバム作品が、〈abend kollektiv〉の限定2LPとして登場。
長年にわたり音そのものの知覚や空間性を探究してきたYuri Suzukiが、アシッド・ハウスの沼にひたすら深く潜り込み、TB-303のベースラインを軸に、オールドスクールなアシッドの快楽を宿しながらも、どこか建築的な視座を感じさせる緻密な音響感覚を共存させた、アシッド・ハウスへの愛情と実験精神が結実した一枚。マスタリングは名工Rashad Becker、ヴァイナルオンリーの限定200部カラー・ヴァイナル仕様。

トロンボーン、そして静謐なピアノと歌声がスピリチュアルに溶け合うアンビエント・ジャズ・シーン注目の逸材。
作曲家/トロンボーン奏者/ヴォーカリスト、カリア・ヴァンデヴァーによる〈International Anthem〉からのデビュー作『Mana』は、前作のドリーミーな感触を引き継ぎつつ、より広がりのある音響世界へと踏み込んだ意欲作となっている。
モダン・ジャズからアンビエント、エレクトロ・アコースティックまでを横断する作風で、エフェクトを重ねたソロ・トロンボーンと、坂本龍一を想起させる静謐なピアノが織りなす空間的サウンドが核となっている。長音を基調としたメランコリックなブラスの旋律は、リヴァーブやピッチシフトによって霞がかった質感へと変容し、そこに私的な歌が重なることで、深い情感と親密さが表現されている。
ジャンルに縛られない活動や多様な観客との出会いを経て獲得した自由さは、より内省的でリリカルな表現へと結実。ハワイの文化における「マナ」という概念を背景に、祖先や土地とのつながり、喪失や愛といった感情を内包した本作は、静けさの中に確かな強度を宿す音響体験として響く。

カタルーニャの音楽家Andreu G. Serraと、UKのシンガー/作曲家Kiran LeonardによるデュオOr Sobre Blauが、約10年ぶりに本格的なコラボレーションを再始動し完成させた最新作『Making Friends』。2人は9年前にリスボンで出会い、共同生活の中で即興録音を開始。その後は別々の国で暮らしながらも交流を続け、今作では遠隔制作に苦戦しながらも、最終的には互いの住む街を行き来し、毎週のセッションを積み重ねて完成した再会のアルバム。アコースティックギター、ピアノ、ベル、サンプラー、そして2人それぞれの母語による歌が交差し、室内楽のような繊細さと、即興の生々しさが同居。Pete Simonelliや、2人の母親が参加した楽曲もあり、作品全体に友情と家族の物語が静かに流れている。フォークの温度感、エクスペリメンタルの自由さ、そしてエモーショナルな衝動がひとつの流れとして結びついた、〈STROOM〉らしい親密で実験的、奇妙に美しい一枚。

学生時代に参加した"グループ音楽”での先鋭的な音楽活動、また1964年からはフルクサスへ参加した事でも知られる塩見允枝子氏。1990年に招聘されたヴェネチアのフルクサス・フェスティバルは、その後の氏の活動に大きな変化を与える出来事となり、同年に創始者であるジョージ・マチューナスへの追悼を込め鎮魂曲をカセットフォーマットにて自主出版。
シンセサイザーのチェンバロとオルガンの音色で演奏した自作曲、逆再生した自身の声をテープに記録、その音源を業者に持ち込みヴェネチアの会場で録音した環境音と合成/編集を行ったテープ音楽作品。ラ・モンテ・ヤング、マリアン・ザジーラ、エリック・アンダーセン、ウィレム・ドゥ・リダー、ケン・フリードマンらフルクサスの重要作家らの声も使用、テープの特性を利用しユニークなアイデアと構造を盛り込んだ、氏の音源の中でも特殊な位置付けとなる作品。
塩見氏が本再発版の為に書き下ろした新たな解説文、会場で撮影された当時の写真資料やスコアを掲載した、A4サイズの全8ページブックレット付き(日本語/英語)。LP版はDLコードが付属。マスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。

Alexis Le-TanとJoakimによるデュオFull Circleが、過去10年間に手がけてきたリミックスをまとめた集大成的作品 『Full Circle Remixes』。Vox Populi!、Tapan、10LEC6、Die Orangenなど、ジャンルも地域も異なるアーティストの楽曲リミックスが10曲収録。彼らが一貫して追求してきた美学が強く反映されており、テンポは急がず、じわじわと熱を帯びていくスローモーション・トランス。丸みのあるキックと太いベースが、深夜のフロアをゆっくりと回転させるような重心の低いグルーヴを生み出す。〈Good Morning Tapes〉からのリリースなど、カルト的な人気を築いてきたFull Circleの活動の裏側を一望できる総括的なリミックス集。

限定シルクリクリーン・スリーブ仕様。 〈Space Key〉レーベルの7インチ・シリーズ第1弾で、Sun Raの宇宙思想を象徴する2曲「Children Of The Sun」と「They Plan To Leave」を収めた限定シングル。A面の「Children Of The Sun」は、June Tysonを中心としたコーラスが儀式のように響き、パーカッションが強い推進力を生む太陽への賛歌。Marshall AllenやJohn Gilmoreら黄金期メンバーが織りなすホーンが、土着的なリズムに宇宙的な光を差し込む。Sun Raのシンセが時折きらめき、アーシーでありながらスピリチュアルな広がりを持つ一曲。B面「They Plan To Leave」は、A面とは対照的に静けさが支配する、旅立ちの歌。ピアノとフルートが柔らかく絡み、Sun Raの語りかけるような声が、どこか遠くへ向かう意志を静かに描き出す。アーケストラの多層的な音がゆっくりと浮上し、深い余韻を残すスピリチュアル・ジャズの名演。

ブランクーシが終生、「飛翔の真髄」(*人間の条件の克服を象徴しているがゆえに幸福と等しい)と彼が呼んだものにとり憑かれていたことは意味深い。しかし、彼が重力の祖型であるいかにも「物質」と呼ぶにふさわしい石を使用して上昇の躍動を表現しえたことは、それ以上に驚くべきことである。彼は「物質」を変質させたのだと、より正確にいえば、反対の一致を実現させたのだということができるだろう。なぜなら、同一のオブジェの中に「質量」と「飛翔」とが、重量とその否定とが一致して存在しているからである。ミルチャ・エリアーデ
20世紀を代表するルーマニア出身彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brancusi)の作品集。2026年3月から8月にかけてベルリンの「新ナショナル・ギャラリー(Neue Nationalgalerie)」で開催された展覧会に伴い刊行された。
本書は、パリの「ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター(Centre national d’art et de culture Georges Pompidou / CNAC-GP)」との協働により実現したベルリンでの回顧展に際して刊行された包括的なカタログであり、作者の多面的な制作を明らかにする。国際的なコレクションから集められた主要作品に加え、アトリエの様子も収録されている。さらに、作者自身のコレクションに含まれていた写真が図版セクションを補完する。
キュレーターのアリアンヌ・クーロンドル(Ariane Coulondre)による序文のほか、作品の展示方法に関して美術史家であるニーナ・シャレンベルク(Nina Schallenberg)が触れ、ヨーロッパにおける受容を扱うマイケ・シュタインカンプ(Maike Steinkamp)の論考を収録する。
英語、ドイツ語併記。
hardcover
240 pages
210 x 260 mm
color, black and white
2026
