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NYのアンダーグラウンド・クラブシーンから現れた新鋭、Eden Aureliusのデビュー・アルバム『Entre Nous』。霧状のテクスチャ、波の花のように立ち上がるコード、胸の奥を震わせる低域が、曖昧なリズムの上でゆっくりと重なり、アンビエントとダブ・テクノの境界線を曖昧にしてゆく。音の発生源が判別できないほど複雑に反射するフィルター処理、輪郭を持たないキック、湿った高域のレイヤーが、NYの夜の空気をそのまま音像化したような質感を生む。Pontiac Streatorが参加したトラックでは、〈Short Span〉〈3XL〉〈False Aralia〉周辺の流れが自然に接続され、Eden Aureliusの音楽が単なる静けさではなく、都市の電子音響として成立していることがよくわかる。6曲というコンパクトな構成ながら、季節の移り変わりや光の濃淡を感じさせる密度の高いアルバム。

〈Chain Reaction〉のカタログの中でも異彩を放った、オリジナルは1999年発表のHallucinatorの『Landlocked』が、2LP仕様で再登場。Trevor Mathison、Anna Piva、Edward Georgeの3名によるプロジェクトで、ロンドンの実験音響とベルリン後にダブ・テクノと呼ばれる潮流が交差した、深く響くアルバムで、低域、ざらついた質感、霧のようなアンビエンスが折り重なり、音が引かれたり戻ったりするサブトラクティブな構造が全編を貫く。一定のグルーヴを保ちながら、空間の揺れや残響の変化がじわじわと立ち上がることで、音響の奥行きが強烈に感じられる。質感と空間処理が主役で、音の層が地層のように積み重なっていく感触。Rashad Beckerによるリマスターは、オリジナルの荒さと深度を損なわず、現代的な精度で再構築。歴史的文脈と現在の音響感覚が自然に接続された再発盤。

細野晴臣が、通算23枚目となる新作アルバム『Yours Sincerely』を、2026年9月11日(金)に全世界リリース。全10曲を収録した本作は、母性や慈悲といった人間の深層意識をテーマに、孤独や混乱の時代の先にある“調和”を静かに描いた作品となっている。デビューから57年にわたり、ロック、テクノ、アンビエント、実験音楽など、常に新たな音楽表現へ挑戦し続けてきた細野晴臣。その現在地とも言える本作は、世界とのつながりの変化や、自身の新たな境地が滲む、祈りのように穏やかなアルバムに仕上がっている。
■完全生産限定盤 アナログレコード通常仕様
LP1枚組(通常ジャケットver.)+2つ折りブックレット(セルフライナーノーツ付)
トラックリスト:
1. Note of Mothership
2. Sincerely
3. Ayurveda
4. M for Mandala
5. Rojiura
6. Happy Holiday
7. To a Wild Rose
8. Humming "Dream of Love"
9. Figlio Perduto
10. Anemo Wheel
パキスタンの伝説的声楽家Salamat Ali Khanが、1974年にベルリンの新ナショナルギャラリーで開催された「MetaMusik」フェスティバルで遺した未発表ライヴ録音の第2弾!Michael Hönigが録音を手掛け、タブラのShaukat Hussein Khan、ハルモニウムのHussein Bux Khanと共に挑んだ、深夜のラーガ「Raag Chandrakauns」の圧巻の40分間を収録。タンプーラを廃し、特別に調律されたアルプ・チターを自ら奏でる特殊な編成が生み出すのは、従来のインド古典の枠組みを超えた美しくも重厚な浮遊感。前半の深遠で瞑想的な静寂から、後半にかけてタブラの超絶技法と複雑に交錯するスピーディな声の即興展開へとダイナミックに変化し、最後は息を呑むような一体感で熱狂の渦へと導いていく。伝統に裏打ちされた確かなロジックと自由な即興性が交錯する、実にスペーシーでサイケデリックな名演。

2026年リプレス!これぞ、アブストラクトなハウスの深遠!Sean CantyとMiles Whittakerによる現行エクスペリメンタル・エレクトロニックの最強コンビ、Demdike Stareが主催し、ジャマイカン・ダンスホールの新鋭EquiknoxxやRobert Aiki Aubrey Loweのリリースも手がけてきた重要レーベル、DDSからは、Basic Channel傘下のChain Reactionから01年にダブテクノ/ミニマル・ダブのカルト的名作とされる唯一作を発表し、それ以降消息が途絶えていた日本人プロデューサー、Shinichi Atobeが13年ぶりに発表したフルアルバムにしてMeditations超強力大推薦の名作「Butterfly Effect」が待望のリプレス!Demdike Stareが直接本人にコンタクトし、リリースの運びとなった超弩級のアルバム。Basic Channel/Modern Love以降のダブ・テクノ・スタイルをよりいっそう洗練させつつ、ディープ・ハウスやニューエイジ、ノイズなど、エクスペリメンタルな要素を混淆し、スタイリッシュに磨き上げたとんでもなく素晴らしい一枚。表題通りの美しい情感と骨太のグルーヴ感がこの上ない恍惚を運んでいます。あまりにもエモーショナルでアトモスフェリックな音世界はまさに孤高。尖端音楽の一つの転換点とも言える今こそ聞き直すべき一枚です。Matt Coltonによるマスタリングと盤質も完璧。

2026年リプレス!10年代の再来以降、絶大な人気を誇り続ける日本のテクノの宝にして、〈Chain Reaction〉からのリリースも知られる偉才がまたしてもカムバック。陶酔感溢れるヒプノティックなミニマル/テック・ハウス・サウンドを展開したベテランの風格溢れる渋い一枚!〈Modern Love〉からの傑作群も知られる名デュオ、Demdike Stare主宰の大名門〈DDS〉からは、大大大人気作『HEAT』(当店ベストセラー!!!!!)の爆発的なヒットでもおなじみのShinichi Atobeによる同レーベルからとしては初めてとなる12"シングル作品をドロップ。ヘヴィなベースによるアシッドなファンクネスと揺らめくコズミックなウワモノ、瞑想的なアンビエンス・パッドが珠玉なA面、都心部的な夜景を思い起こさせるユーフォリックでチルアウト感に溢れたアンビエント・ダンスで締めくくるB面共に大変秀逸です!

2026年リプレス!10年代の再来以降、絶大な人気を誇り続けるディープ・ハウス/ダブ・テクノ国宝級プロデューサーShinichi Atobeが、〈Basic Channel〉のサブレーベル〈Chain Reaction〉から2001年に発表したダブ・テクノの重要作が〈DDS〉より復刻!Demdike Stareも長年その魅力を高く評価してきた一枚で、〈Chain Reaction〉特有の深く沈み込むダブ・テクノの構造を備えながらもドリーミーでロマンティックな雰囲気が特徴的で、深く甘美なシューゲイザーにも接近した、淡く滲むような幽幻的音響による〈Chain Reaction〉屈指の傑作。

maya ongaku3年ぶりとなる待望の2ndアルバム『Nothing Space Music』の12inch VINYLが、Guruguru Brainからリリース!
2023年『Approach to Anima』での世界デビュー以降、国内外で精力的にライブ活動を展開し、各地で高い評価を獲得してきたmaya ongaku。 本作では、その経験を経た先にある「沈黙」に焦点を当て、より内省的かつ深度のあるサウンドへと歩みを進めた。反復するグルーヴと繊細なアンサンブル、アンビエントな空間性、即興性を兼ね備えながらも、 本作には人の記憶や感情に寄り添うポップスとしての親密さがあり、時間や境界の感覚をほどいていくような没入感に満ちている。 その一方で、制作の過程で浮かび上がった「Nothing Space」というひとつの空間のイメージ。
それは単なる無ではない。過去・現在・未来、あらゆる時間の記憶が漂い、空と海、陰と陽、音と沈黙といった境界が溶け合う広大な場所。 「Vanishing Waves」から「Permanent Waves」へ。 ジャンルを横断しながらも、そのどれにも属さない独自のサウンドは、国内インディーシーンのみならず、 海外リスナーにも高い親和性を持つ作品として、maya ongakuの新たな到達点となる全8曲を収録した珠玉の名作。
デトロイト・テクノの巨匠Carl Craigと、ベルリン・ダブ・テクノの開拓者Moritz von Oswald。電子音楽界のふたりの先駆者がタッグを組み、なんと〈Deutsche Grammophon〉のアーカイブを再構築した音響芸術の2008年傑作『ReComposed』が待望のリプレス!ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるモーリス・ラヴェルやムソルグスキーの歴史的名演を素材に、解体と再構成を重ねる。オーケストラの音源を単純にリミックスするのではなく、フレーズや音の断片、細かなパターンへと細分化。ラヴェル特有の色彩豊かなオーケストレーションは繊細な電子音響のテクスチャーと調和し、ムソルグスキーの壮大なドラマ性はデトロイト特有のディープなグルーヴと予期せぬ融合を果たしている。厳格な構造美と静けさ、そして脈打つミニマリズムが高次元で均衡した洗練のサウンドを展開。断片にも宿るクラシックの歴史の積み重ねと対峙した、電子音楽史に輝く金字塔的作品!
デュッセルドルフのOpen Groundで行われたStefan Schwander主催のイベントFunkscapesの夜を記録した、While My Sequencer Gently Bleeps名義の1時間ライブセットを収めたカセット作品。Stefan SchwanderがスウェーデンはElektron社による名機Elektron Monomachineを軸に組み上げるサウンドは、深いベースの推進力、巧妙に組まれたドラムパターン、そしてきらめくメロディが有機的に絡み合う。既発曲に加えて未発表トラックも複数含まれ、当日の流れをそのまま封じ込めたドキュメンタリー的ライブ録音で、ライブならではの即興的なエネルギーと、細部まで作り込まれた音響操作が同時に立ち上がる。ストリップされたリズムにダブ的な深さが重なり、モジュレーションされたベースラインや鋭いシンセのアクセントが絶えず表情を変える。グルーヴとしての強度、温かいハーモニーを保ちながら、実験的な音響デザインが随所に顔を出す、Stefan Schwanderの現在形を示す一作。

フランスのビートメイカーでありヴァイナル・ジャンキーであるOnraが、自身の祖父母の故郷であるベトナムへ旅した際、サイゴンの街をバイタクで巡った末に見つけた約30枚のボロボロのベトナム、アジアン・レコードを買い集めたことを起点に制作された、オリジナルは2007年にリリースされたインスト・ヒップホップのカルト名盤『Chinoiseries』。伝統的なアジアン楽器の独特な旋律や哀愁漂うボーカル・サンプルを、J. Dillaへの深いリスペクトを感じさせる太く跳ねるブームバップ・ビートへと大胆に昇華。エキゾチックな異国情緒と高度な編集センス、そして遊び心あふれる緻密な構成力が高次元で結実し、他にはない極上のオリエンタル・ビート・サウンドを構築している。単なる珍品の域を完全に凌駕したヴィンテージな質感と圧倒的な中毒性を誇る大名盤!
ギタリストJakob Broと、高田みどりによる初のコラボレーション。二人はこれまでヨーロッパでの共演歴があり、その流れが本作で結実。制作はPierre Boulez Saalの委嘱によって始まり、タイトル「あなたに出会うまで」は高田みどりの楽曲名に由来。友情が生む静かな変化をテーマにした、親密で穏やかなアコースティック作品。BroのギターはECM系らしい透明感のある残響をまとい、高田みどりのマリンバやパーカッションは木の温度をそのまま伝えるような柔らかい倍音を広げる。二人の演奏は主張しすぎず、呼吸のような間合いで響きを交換する音の対話として進行する。森の中で光が揺れるような微細なパーカッションの粒子と、ギターの短いフレーズが静かに重なり、小さな生態系が立ち上がるかのよう。音が少しずつ形を変えながら連なり静かな風景がゆっくりと立ち上がる、環境音楽と室内楽の境界を歩くような親密な作品。

2025年に〈Modern Love〉から発表したアルバム『Rhythm Immortal』も素晴らしかったUKのプロデューサーCarrierが、セルフリリースで放つ12インチシングル『Thresholds』。商業化が進む現代のドラムンベースやダンス・ミュージックに対してアンチテーゼを掲げ、音と音の余白を徹底的に追求したストイックなサウンド。ジャングルやD&B、2ステップの骨組みを限界まで削ぎ落とし、Burialを思わせる残響と、AutechreやRaster-Notonにも通じる鋭利で精密な音響設計を融合。極限まで張り詰めた緊張感の中、歪んだ低音と漂うミニマルな残像が空間を侵食していく。密室的でありながら圧倒的な音圧でフロアを研ぎ澄ます、実験的クラブ・ミュージックの最前線。

David Augustが新名義Argentoで描き出す、ベルリンとイタリア・トスカーナ沿岸を往復しながら制作された、地中海の光、風、風景をテーマにした架空のサウンドトラック『Miraggi』。〈Music From Memory〉らしい柔らかい電子音と、1970〜80年代イタリアン・ライブラリー・ミュージックの抽象的な質感が自然に重なる一枚で、パーカッションにはLorenzo Settiが参加し、生のニュアンスが作品全体に有機的なグルーヴを与えている。シンセは地中海の陽光が揺れるような柔らかいトーンで、砂浜、潮風、夕暮れの色彩がレイヤーとして静かに立ち上がる。アコースティック・パーカッションは水面の反射のように細かなニュアンスを刻み、フィールドレコーディングは遠くの波や風の気配を思わせる空気として配置。穏やかな広がりと、地中海の精神性、イタリアン・ライブラリーの映画的な抽象性が美しく結びついた、風景を描く電子音楽。

セネガルとスウェーデンの音楽家が、距離を越えて作り上げてきたプロジェクトWau Wau Collectifの三部作の最終作『Teranga』。2018年にToubab Dialawの村で始まった録音は、WhatsAppを介した音源交換を経て、2021年『Yaral Sa Doom』、2022年『Mariage』へと発展し、今回の最終作は初のヨーロッパ・ツアー中にメンバーが実際に集まりながら仕上げられた。本作には 26名の音楽家が参加し、バラフォン、ンゴニ、カラバス、ヴァイオリン、チェロ、サックス、オムニコードなど、多彩な楽器が柔らかく重なり合う。アフリカの伝統的な響きと、室内楽的な質感、そして控えめな電子処理が自然に混ざり、素朴なメロディと有機的なリズムがゆっくりと広がる音像をつくり出している。古いアフリカン・ギターを思わせる瞬間や、2000年代初期のアフリカン・ポップの軽やかさが顔を覗かせつつ、録音の配置や編集の手つきは現代的で、過去と未来が同じ地平で響くような独自の感触。実際の旅と共同作業を経て、文化の違いを越えて響き合う、〈Sahel Sounds〉らしいクロスカルチュラルな魅力が詰まった一枚。

南米の先住民族のひとつマプチェ族にルーツを持つ音楽家Eli Wewentxuと、リトアニアの伝統弦楽器カンクレス奏者Indrė Jurgelevičiūtėによる、「雨上がりに」を意味するタイトルの通り、湿った空気と静かな生命の気配をそのまま音にしたような、アコースティック・アンビエント作『Después de llover』。2025年夏、Indrėの自宅で行われた即興セッションを軸に、文化も言語も異なる二人が、音だけを頼りに共有できる世界を探る対話として生まれた作品で、カンクレスの澄んだ響き、ヴァイオリンの湿った倍音、そして口琴の素朴な振動が重なり、水滴、霧、草木の光といった雨上がりの細やかな情景が立ち上がる。相手の音に耳を澄ませながらそっと返すような、呼吸のようなやり取りが続く。音楽は完成された構造ではなく、自然の中で音が生まれては消えていくような、静かで有機的な流れ。伝統楽器は新しい表情を見せ、音数は少ないが、ひとつひとつの音が空気を震わせるように響き、静けさの中に確かな生命感が宿る。雨上がりの世界をよりしろとして、世界への祈りをそっと音へと結晶させたような、美しいアコースティック・アンビエント作品。

J.TRIPPがキュレーションを手掛け、ネットレーベル〈666ridims〉からopoの先鋭的なソロワークを集めた注目の12インチ『666ridims (2020-2026)』。美術家Billy Bigwoodとの長距離のやり取りから生まれた即興スケッチや、バルセロナ拠点のDJ Hanakitoによる輸入ヴァイナルのサンプルをフィーチャーした楽曲まで、2020年から2026年にかけての多面的な思考と実験を凝縮したもので、SF的ビジョン、アフロ伝統音楽、ジャズ、パフォーマンス・アートが複雑に交錯する。従来のクラブ・グリッドを解体・再構築する奇妙な変拍子やポリリズム、荒々しくスケッチのようなプロダクションが印象的で、トランス的な詩情を帯びた浮遊感と、緩急自在に変化するアフロ・エレクトロニックなグルーヴが強烈。ミニマルな音像の中にダイナミックなリズム実験とディアスポラ的な叙述が息づく、奥深い一枚。
Mos DefことYasiin Beyが、原点回帰と再生を掲げて放った2009年の代表作『The Ecstatic』。Madlib、Oh No、J Dilla、Georgia Anne Muldrowら錚々たるプロデューサー陣が参加し、多国籍なサンプルと鋭い視点が交差するオルタナティブ・ヒップホップの金字塔。MadlibやOh Noが〈Stones Throw〉で制作したビートを再利用しており、MF DOOMの影響も本人が言及。アフロビート、ラテン、ジャズ、中東音楽など、世界中の音楽が縦横無尽に飛び交うビートを核に、Mos Defのフロウは軽やかで、曲によっては声そのものがパーカッションのように機能し、ビートと一体化していく。短い曲が連続するスケッチ集のような構造で、軽いリバーブ処理や変則的な拍子が多用され、常に新しい景色へ移り変わる。Mos Def が世界を旅するように音を紡いだ、多彩で知的なヒップホップの到達点。

Funkadelicが1971年に残したサイケデリック・ファンクの金字塔『Maggot Brain』。A面を飾るタイトル曲「Maggot Brain」は、LSDに浸りきっていたジョージ・クリントンがギタリストのエディ・ヘイズルに、前半は「母親が死んだと聞かされた時のように弾け」、そして「その後、母親が生きていたと知った時のように弾け」と指示したという逸話で知られる10分超のソロ・パフォーマンス。圧倒的な存在感を放つ、ロック史に残る名演。アルバム後半では、フォーキーなコーラスが心地よい「Can You Get To That」、ハードロック的なギターが炸裂する「Super Stupid」、ノイズとジャムが渦巻く「Wars of Armageddon」など、サイケ、ファンク、ロックが混ざり合うP-Funkの原点が展開。一発録りで収録された絶望と悲壮感漂う表題曲をはじめ、ファンカデリック史上最高傑作と名高い1971年発表のアルバム。

リディム職人Prince Riserによる、Sammy Gold、Madi Simmonsといったルーツ・シンガーを迎え、各曲にはダブ・バージョンも収録した、サウンドシステム仕様の本格派デビュー・フルアルバム『Through The Storm』がドイツのデジ・ダブ名門〈Jahtari〉より登場。Prince Riserは、Dread & Fred、Exterminator、King Jammyといった80s〜90sデジタル・ダンスホールの系譜を意識しつつ、〈Jahtari〉らしいチップチューン的な質感を織り交ぜるたハイブリッドなダブ・サウンドを構築。さらにレーベル主宰のdisruptも関わり、宇宙的な独自の音像に仕上げている。深く沈むベースと渦を巻くエコーが印象的な重厚ダブのタイトル曲「Through The Storm」、Sammy Goldを迎えた、Sly & Robbieを思わせる「Poverty Ina Russia」、Wackie’s系のスピリチュアルなソウル感が漂う「Keep On Trodding」など収録した、〈Jahtari〉の奇妙で宇宙的な質感を堪能できる一枚。

10月中旬再入荷。KarateのフロントマンGeoff Farinaが、1998〜2000年に〈Southern Records〉から発表したソロ作品をまとめた編集盤が大名門〈Numero〉から2LPで登場。『Usonian Dream Sequence』『Reverse Eclipse』、そしてシングル『Steely Dan』の計27曲を収めた決定版。全編を通して、ギターと声だけの親密な構成が中心。ベッドルーム録音ならではの粗さがそのまま温度として残り、指板のノイズや息遣いが近く、深夜の静かな部屋で鳴っているような近さが印象的。フォークの素朴さを軸にしながら、コードの選び方やフレーズの運びにはKarateの静かな緊張感やポストロック的な間合いが自然に滲む。派手な展開はないが、ひとつのモチーフを丁寧に見つめるような曲が多く、小さな世界をそっと描くソングライティングが魅力的。

大阪拠点のコンポーザー・パフォーマー、7FOがその名を広めた名盤『竜のぬけがら』(2018)以来、満を持してエム・レコードから発表する待望のニューアルバム。そのイメージは「質量」。
ある日、ふと道でひろった石が7FOの掌で割れました。音楽家である前に東アジア人という属性をもつ7FOに突如開いた説明のつかない「自然」、そこに音楽家という性(さが)が作動して掴み取った「音の種」のようなものを育て、ある種の媒介者として、自然に投げ返した音の群れ、それが本作だと思われます。音に質量は無いはずなのに、このアルバムの音には手で触れられる実体があるかのようです。かつて武満徹は「自分を超えた自然や未知の響きに対して、自らを投げ出すことによってのみ、本当の音に出会うことができる」と言いました(『音、沈黙と測りあえるほどに』)。「質量」という言葉には、ダイナミクスのないノイズ、金属的響き、耳をつんざくダンスフロアの狂乱、様々な形態のドローンなどの音響イメージが思い浮かび、それぞれは独自に「重厚」と言えますが、7FOは重厚の異なる側面を探求しました。密度の高い低周波、彫刻のように凝縮された音の塊、微妙に揺れ動く重力場、躍動感あふれる喜びと滲み出るようなユーモアの集合体です。2024年から2025年にかけて録音された本作で、7FOはドラムマシン、ギター、シンセサイザーと音楽的ビジョンを8つのコンパクトな構造に集約しています。これらの構造は、アメリカの戦前ブルースの強烈なエッセンス、エチオピアの伝統音楽の魂からも部分的にインスピレーションを受けています。『ひろった石が割れた』の出発点は、7FOが初めてシングル曲というコンセプトに挑んだ7インチ「ヒーリング剣」(2023年)のカップリング曲であるライブ一発録りの「蛇」に遡ります。この7インチがヘンリー・ロリンズの手に渡り、彼のラジオ番組でB面の「蛇」がオンエアされたことが7FOを刺激し、それが「しろへび」という曲に変態し、アルバムの画竜点睛となって『ひろった石が割れた』が完成しました。音の種を視覚的に育てたようなアートワークは飛鷹宏明によるものです。
Tracks:
A1. 左右図形
A2. ルリホコリ拾った
A3. 化けの皮
A4. まどろみ
B1. 石が割れた
B2. 道具箱
B3. 夜の池の沼
B4. しろへび

インドネシア音楽史に燦然と輝く、屈指のプログレッシヴ・ロック金字塔!1977年にカセットのみ発表されていた幻の『Guruh Gipsy』が、遂に公式再発!
インドネシア初代大統領スカルノの息子であり作曲家でもあるGuruh Sukarno Putraと、プログレッシヴ・ロック・バンドGipsyによるプロジェクト。バリ島のガムランや伝統音楽、西洋オーケストレーション、そしてプログレッシヴ・ロックを大胆に融合させ、インドネシア音楽の可能性を大きく押し広げる革新的な作品として、高く評価され続けてきた伝説的アルバム。
ガムランやジャワの民族音楽を単なる素材として流用するのではなく、その精神や構造を現代的な作曲法と結びつけた本作は、東南アジアにおける実験音楽の先駆であると同時に、今日のワールド・ミュージックからニューエイジ以降の潮流までにも接続した類い稀な音楽性を実現。
EL&Pを彷彿させるキーボードと壮麗なアンサンブル、緻密なアレンジのなかに息づく祈りや自然観が統合された、神話規模の巨編音楽になってます。 現存する最良の音源をもとにリマスタリングされており、より深い奥行きと豊かな音像を実現した決定的なリイシューです。これはお見逃しなく!
Carla dal FornoやCS + Kremeのメンバーらと共にメルボルン地下シーンを築いてきたTarquin Manekによるソロ・プロジェクト、Static Cleaner Lost Rewardによる、2013年から2020年にかけて録り溜めた音源を編んだ、歪んだ美意識が充満する異形のアウトサイダー・ポップ作品『Breathing Under Honey』。エコーの余韻と酩酊感あふれるループ、ダブの変幻自在な音響処理、ローファイなエキゾチカ、ダウナーなポストパンク、そしてDIYコンクレートの混沌が緻密に混ざり合う。ストレンジなポップや不気味で美しく歪んだダンスホール・グルーヴが、水中をゆらめくように展開していく。多面的なアヴァン・ジャンルの交錯する、ダウナーでドリーミーな音響世界。
