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ソウルやロック、ハウスへと脈々と受け継がれる現代ポピュラー音楽の真の源流!黒人アカペラ・ゴスペル・カルテットの聖地であるアラバマ州ジェファーソン郡にて、製鉄所や鉱山の労働者たちによって1929年に結成された名門グループThe Sterling Jubilee Singersが、1994年に遺した貴重な現場リハーサル音源『Jesus Hits Like the Atom Bomb』。楽器伴奏をいっさい排し、長年の練磨によって培われた圧巻の4部合唱ハーモニーだけで構築される生々しく力強い歌声。祈りの言葉や厳格な儀礼、和やかな語らい、さらには会場のすぐ脇を走る列車の走行音までもがそのまま収められており、生活と信仰が地続きとなったアメリカ南部のディープなカルチャーをありのままに伝えてくれる。伝統の重みと生の歓びがそのまま刻まれているかのような、全てのルーツ、ブラック・ミュージック・ファン必携のドキュメンタリー!

アメリカ中西部のカジノを舞台に、スロットマシンの音響を生々しく捉えたAdrian Rewによるカルト的名作フィールドレコーディング集『Slot Machine Music, Vol. 1 & 2: Field Recordings from Middle American Casinos』。厳重な警備の目を盗み、コートのポケットに潜ませたレコーダーで2013年から現地に通い詰めて密かに録音されたもので、ゲームデザイナーがハーモニーの調和を図るためにハ長調にチューニングしたという無数のスロットのチャイムや電子音が、意図せずしてニューエイジやJoe Jonesによる瞑想音楽を思わせる優美なドローンとして立ち現れる。警備員とのやり取りや利用者の生々しい歓声、深夜の屋外の虫の鳴き声や貨物列車の轟音までがそのまま収められ、美しさと背中合わせにある狂気と寂寥感を浮き彫りにする極上のサウンドスケープ!
公民権運動家であり牧師のF. D. Kirkpatrickが主宰したフェスティバルの貴重なライヴ音源。家族や地域コミュニティの絆がダイレクトに伝わる、素朴で力強いソウルフルな歌声。装飾を削ぎ落としたライヴ録音ならではの臨場感が、ルーツ・ミュージックとしてのゴスペルの原点を浮き彫りにしている。家族や仲間たちによるゴスペルやスピリチュアルの演奏を通じて、アメリカ黒人文化の豊かなルーツと結束の精神を現代に伝える、歴史的価値の高いFolkwaysのアーカイブ作品。
ゴスペルにおける〈ジュビリー・コーラス・スタイル〉のパイオニア:フィスク・ジュビリー・シンガーズ(1871結成)による抑制されたスピリチュアル・コーラス・アレンジから、ハッピー・アイ・アム・クワイアによるジャズの影響を反映したゴスペルに至るまで、1913年から1954年までに録音されたスピリチュアル~ゴスペルの音源を収録。ゴスペル誕生前の厳粛で端正な歌声から、ジャジーでソウルフルなゴスペル・コーラス全盛期までの約40年間の歴史が丁寧に紐解かれた一枚です。
ベトナム音楽界の巨星Phạm Duyが1965年にフィールド録音した、Folkwaysの貴重なアーカイブ作品。1960年代当時のベトナムにおける伝統音楽を網羅的に捉えたフィールド録音調査アルバム。前半は「先ベトナム」時代の先住民族・少数民族である高地デガル族やチャム族の音楽、後半はキン族の伝統室内楽、古都の宮廷音楽、民謡を収録。歴史的価値とアジア伝統音響の美しさが詰まったフィールド・レコーディング。
細野晴臣率いるティン・パン・アレーが、1976年5月8日、横浜・中華街の老舗中華菜館「同發新館」で行った伝説的なライブ。その夜の空気を克明に記録した音源が、半世紀の時を経て“ステレオ・ミックス”として蘇る。
今回のリリースでは、新たに発見されたステレオマスターをもとに、エンジニアの保土田剛による新たなミックス/マスタリングを実施。当時の会場の空気感、臨場感を感じる素晴らしいMIXを是非アナログでお楽しみください。50年という時間を超えてなお輝き続ける一夜のライブ音源が遂にLP化!
[Credits]
細野晴臣 Vocal, Marimba, Hand Clap
鈴木茂 E.Guitar, Banjo
林立夫 Drums
浜口茂外也 Percussions, Flute, Hand Clap
矢野顕子 Piano, Chorus
坂本龍一 E.Piano, Synthesizer
田中章弘 E.Bass, Hand Clap
羽鳥幸次 Trumpet, Hand Clap
新井英治 Trombone, Hand Clap
村岡健 Sax, Hand Clap
Mix, Mastering : Goh Hotoda
Cutting Engineer : Shinya Matsushita (PICCOLO AUDIO WORKS)
Art Direction & Design : Takashi Okada
Illustration : Takashi Okada, Yasuo Yagi
Photographs : Masashi Kuwamoto
Liner Notes : Yoshiro Nagato
【収録内容】
SIDE-A
1. つめたく冷して
(Words & Music : Otis Blackwell, Elvis Presley Japanese Words : Morio Agata)
2. 香港Blues
(Words & Music : Hoagy Carmichael)
3. 絹街道
(Words & Music : Haruomi Hosono)
4. チャタヌガ・チュー・チュー
(Words : Mack Gordon Music : Harry Warren Japanese Words : Haruomi Hosono)
5. ボレロ(メンバー紹介)
(Music : Maurice Ravel)
6. ハリケーン・ドロシー
(Words & Music : Haruomi Hosono)
7. ブラック・ピーナッツ
(Words & Music : Haruomi Hosono)
8. トーク・トゥ・ミー
(Words & Music : Irving Fields, Sunny Skylar)
SIDE-B
1. 北京Duck
(Words & Music : Haruomi Hosono)
2. 蝶々-San
(Words & Music : Haruomi Hosono)
3. アヤのバラード
(Music : Haruomi Hosono)
4. 熱帯夜
(Words & Music : Haruomi Hosono)
5. ファイアークラッカー
(Music : Martin Denny)
6. “サヨナラ” ザ・ジャパニーズ・フェアウェル・ソング
(Words : Freddy Morgan Music : Hasegawa Yoshida)
伝説の中華街ライブ初LP化を記念して、POP UPで先行発売していた「絹街道」、「北京ダック」7"の一般発売も開始!
トラックリスト:
SideA:絹街道
SideB:ハニー・ムーン
細野晴臣率いるティン・パン・アレーが、1976年5月8日、横浜・中華街の老舗中華菜館「同發新館」で行った伝説的なライブ。その夜の空気を克明に記録した音源が、半世紀の時を経て“ステレオ・ミックス”として蘇る。
今回のリリースでは、新たに発見されたステレオマスターをもとに、エンジニアの保土田剛氏による新たなミックス/マスタリングを実施。当時の会場の空気感、臨場感を感じる素晴らしいMIXを是非アナログでお楽しみください。50年という時間を超えてなお輝き続ける一夜のライブ音源が遂にLP化!
また本作のリリースを記念し、ライブの舞台となった中華菜館「同發新館」と横浜・中華街に2025年11月にオープンしたばかりの「TRAN.SCENDER_ H_TEL Yokohama」にて期間限定のポップアップイベントの開催も決定。LPは一般発売に先駆けて当時のライブ会場だった中華菜館「同發新館」にて先行販売。一般発売は6月24日に決定。POP UP 会場で先行販売していた7インチシングル「絹街道」、「北京ダック」も同日に一般発売が決定。中華街でのPOP UPでは今回のリリースに関連したアイテムの販売や展示なども予定。
ベトナム北西部および北中部(ゲアン省、タインホア省、ソンラ省など)に分布する少数民族:クムム族。彼らは独自の言語を持ち、農耕や竹細工を生業としています。竹という素材は、そんなクムム族の伝統音楽の重要な主柱。独特な音色を持つ竹製のリード・パイプ、フルート、吹管、マウス・オルガン、その他打楽器は、彼らの伝統音楽を強く印象付ける重要なエッセンスとなります。
本作では、そんなクムム族の竹製伝統民俗楽器の魅力を紹介。カリフォルニア郊外のアパートからラオス、ベトナム、タイの山村に至るまで、およそ15年間にわたるフィールド調査の基に制作された本作は、クムム族各コミュニティが持つ音楽文化の揺るぎない美しさと個性を伝えます。
《Stern’s Africa Archive Editions》
ギニアが生んだ歴代最高のアフリカン・シンガーの決定盤が復活!
西アフリカがアフリカ音楽の宝庫であることは広く知られていますが、その中でも“声の文化”において特別な位置を占めるのがこの地域です。本作は、その頂点に立つ伝説的歌手ソリ・カンジャ・クヤテの決定的コンピレイション。2012年に英Stern’s Africaが制作した2枚組作品が、40ページにおよぶ豪華ブックレット仕様のまま待望の復活となりました。長らく入手困難だった重要タイトルの再登場としても注目されます。
1933年、現在のギニア中部に生まれたクヤテは、マンディングの伝統を受け継ぐグリオー(ジェリ)の家系に育ちました。グリオーとは歴史や叙事詩、家系の記憶を語り継ぐ世襲の音楽家・語り部であり、彼は幼少期から父のもとで叙事詩や旋律、語りの技法を徹底的に学びます。その圧倒的な声量と緻密な節回し、聴衆を惹きつける語りの力によって早くから頭角を現し、宮廷や祝祭の場で名声を確立しました。1958年の独立前後の激動期において、クヤテはギニア国立アフリカ・バレエ団の中心歌手として活躍。ヨーロッパ、アメリカ、中国など世界各地を巡演し、その力強くも気品に満ちた歌声で国際的評価を確立します。独立後は国家文化政策の中核的存在として、伝統的な叙事詩に加え、新国家の理念や社会的メッセージを反映した楽曲も歌い上げました。1970年には代表作『アフリカの声』がフランスでグラン・プリを受賞し、アフリカ音楽を象徴する存在となりますが、1977年に44歳の若さでこの世を去りました。
本作には、ギニア国営レーベル〈シリフォン〉に残された音源を中心に、彼の芸術を多角的に捉える楽曲群を収録。CD1ではエレキ・ギターやホーンズを加えたモダンなバンド編成による録音を収め、独立期の都市文化や国家的高揚を反映したダイナミックなサウンドを展開します。リズミックなグルーヴの中で声がオーケストラを牽引する構造は、当時のギニア音楽の革新性を象徴するものです。一方CD2では、コラやバラフォン、ンゴーニといった伝統楽器を主体とした編成による録音を収録。ここではグリオー本来の役割である叙事詩の語りや賛歌が前面に現れ、声と楽器が緊密に絡み合いながら物語を紡いでいきます。装飾的でありながら厳格な旋律運びや、反復と即興の交錯といったマンディング音楽の本質も鮮やかに示されています。収録曲の内容も幅広く、西アフリカの英雄や王を讃える叙事詩、地域に根ざした民謡、さらには独立国家ギニアの理念や政治的メッセージを反映した楽曲までを網羅。古層の伝統と新しい国家意識が同時に鳴り響く、きわめて重要な時代のドキュメントとなっています。
さらに付属の40ページ・ブックレットには、貴重な写真資料に加え、詳細な英文/仏文解説を掲載。クヤテの生涯や音楽的背景、収録曲の主題や成立事情まで丁寧に解説されており、本作をより深く理解するための重要な資料となっています。このように音源とテキストが一体となった構成も大きな魅力と言えるでしょう。
圧倒的な声量と精神性を兼ね備えたその歌声は、しばしばヌスラット・ファテ・アリー・ハーンにも比されるほど。“アフリカの声”という名にふさわしい、西アフリカ音楽の核心に触れる決定盤です。
●日本語解説/帯付き
トラックリスト
CD1
1. N'Na
2. Tara
3. Mikossaya
4. Djoliba
5. Conakry
6. Fouaba
7. Minawa
8. Souaressi
9. P.D.G.
10. Hellaya
11. Touyend
12. Namatimbaye
13. Tinkisso
14. Sakhodougou
CD2
1. Douga
2. Kedo
3. Massane Ciss
4. Toubaka
5. Siiba
6. Kem Bourema
7. Nina
8. Malisadio
9. Toutou Diarra
10. Djandjon Bonus Download

OrganumのDavid JackmanやNew Blockaders、Giancarlo Toniuttiといったノイズ・レジェンドたちとのコラボレーションや、Christoph Heemannとの伝説的プロジェクトMirror(1999-2004)の活動でも知られ、英国にて40年以上に静かに影響を与え続ける音楽を生み続けてきたAndrew Chalk。最初期のインダストリアルな作風から、近年の繊細なギターやキーボード、コラージュを用いた楽曲にまで及ぶ長いキャリアを、凝縮した形で提示するような作品『Mystical Obscurant』。近年制作した音源をまとめたもので、ギターの微細な倍音、霞んだ鍵盤、環境音の粒子がゆっくりと重なり、光と影がゆっくり移ろう風景のような音響が広がる。淡い光を放つギターが宗教的な静けさを帯び、ミニマルな反復が穏やかな流れをつくる。環境音やループが絵の具の層のように重なり、コラージュ的な構造が静かに展開する。彼が築き上げた様々な音楽言語を映し出した楽曲群でありながら、どれも一貫して控えめな美しさがあり、抑制と余白の美学に貫かれた静謐な音響作品。

人気作が待望のリプレスです!Harold BuddやJürgen Müller、Jan Jelinekが好きな方にもオススメ!〈Faitiche〉や〈Sferic〉からも傑出した作品を発表しているフランス人ライフガード/実験音楽家Roméo Poirierによるデビュー作『Plage Arrière』が待望の再プレス!〈Kit Records〉から16年に発表したオリジナルのカセットも、20年のLP再発盤も共にプレミア化している貴重な一枚にして、3つの島にまたがるギリシャのビーチ群を舞台としたコンセプチュアルな作品!微分音のサンプル、クリック音、きらめくピアノによる、チルアウトした雰囲気で満たされた、深海系アンビエントの一大傑作!限定500部。
現行エクスペリメンタル/ドローンのアイコン的アーティスト、スウェーデンの作曲家/オルガニストAnna von Hausswolffが2020年に発表した、声もバンド編成も排し、巨大なパイプオルガン一台のみで構築された、彼女のキャリアの中でも特異な位置を占める作品『All Thoughts Fly』。録音はヨーテボリのGOArt Organ Centerに設置された北欧最大級のパイプオルガンを使用。歴史的オルガンの構造を研究し再現した特別な楽器で、その複雑な倍音と空間共鳴が作品全体の核となっている。イタリア・ボマルツォの奇怪な彫像と迷宮的な庭園のあるSacro Boscoをインスピレーション源として、低音の重厚なうねりと、高音の澄んだ響きがゆっくりと交差しながら進む。ミニマルな反復が少しずつ形を変え、石造建築の中を歩くようなスケール感が広がる。歌はないにもかかわらず、フレーズの運びや呼吸がどこか人間的で、声なき歌としてのオルガンが強く印象に残る。静けさの中に強いドラマを宿した、スピリチュアルな一本。
現代の音楽における形式からは大きく逸脱したループの作用にも注力したという本作。安らぎと悲愴のヒスノイズの絶妙な隙間にあって、冷涼なサウンドが幾重にも連なっては過ぎ去り、アンビエントともクラシックとも取れない屈折した何かが出来上がる、不可解な音楽です。彼のアルバムの中で最も象徴的な作品の一つではないでしょうか。

Pan Sonicの片翼として電子音響の極限を切り開いてきたMika Vainioが、Ø名義で残した中でも特に個人的な感触を持つ作品『Kantamoinen』。1999年から2004年にかけて、バルセロナ、ウィーン、ベルリンで録音された断片を静かに編み上げた16曲で、祖母Laina Vainioへの献呈作として知られている。Pan Sonicの硬質なミニマリズムとは異なり、ここでは柔らかいメロディの線がゆっくりと立ち上がる。薄い音の層が重なりながら、空間は大きく広がり、フィンランドの風景や幼少期の記憶が、具体的ではないのに確かにそこにある気配として漂う。曲名が示す自然のイメージが、音の揺らぎとして淡く現れては消えていく。シンセの旋律は美しいが、感情を直接押し付けるものではなく、冷たい空気の中にふっと差し込む光のような距離感を保ち、フィールド録音や声の断片が一瞬だけ差し込み、抽象的な音響の中に人の気配が微かに浮かぶ。静けさの中に個人的な記憶が滲む、情緒と構造のバランス、その独自の情緒が美しい一枚。

10月上旬再入荷。ブラジルのサウンドシステム文化におけるカリンボス=スタンプとヴィニェタ=イントロと呼ばれる、曲の前に鳴る派手な音響演出だけを集めた、前代未聞のミックステープが登場。GG Albuquerqueが1980年代から2025年までの素材を横断し、Akira Umedaがミックスとしてまとめ上げた本作は、バイレファンキのストリート精神をそのまま音にした強烈なアーカイブ。内容は、曲の前に鳴る爆発音、DJドロップ、広告、煽り、スター・ウォーズの引用、ピッチの狂った声、音楽の断片などがノンストップで連打される30分のコラージュ。常にクライマックスが続くような構造で、巨大なストリートパーティーの断片を高速で切り貼りしたような聴感。1980年代のローファイな素材と、2020年代SNS時代の過剰な音響が同じテンションで並び、ブラジルのファンク文化40年分の記憶が圧縮されたような濃度。ユーモア、勢い、地域性、悪ノリ、猥雑さ。バイレファンキの音の言語がそのまま詰め込まれている。
Ullaが主宰するレーベル〈28912〉より、J and the Woolen Starsによる、アンビエント、フォークトロニカ、エレクトロアコースティックが静かに溶け合う、きわめて親密な音響作品『Puff』。アコースティックギターはざらついた質感で、古い録音機材で記録されたような不完全さが残る。その不完全さが、忘れかけたメロディがふと蘇るような儚い感触を生む。電子音と生音は曖昧に溶け合い、部屋の空気や生活音がそのまま音に混ざり込んだようなローファイの魔法が漂う。高尚さと素朴さの境界を揺らす、壊れかけのフォークソングを拾い集めたような一枚。TenniscoatsやVincent Galloを思わせる、歌のないフォークのようであり、音響作品のような音像が、ひとつの静かな夢のように流れていく。

2026年リプレス。90年代後半、Torsten Pröfrock(Dynamo)が立ち上げた聖地〈DIN〉からリリースを始動、MonolakeやPoleらと並び、ドイツから発信されるIDM/グリッチ・サウンドの質の高さを世界へと知らしめた才傑Arovane。Giuseppe IelasiやFrank Bretschneider & Taylor Deupree、Vladislav Delayなどの作品も再発している〈Keplar〉からは、元々はCDオンリーで発表されていた99年産IDM大傑作盤『Atol Scrap』が初アナログ復刻。まさにタイムレスというべき珠玉の音世界が余すところなくパッケージされた、クリスタルでノスタルジックなエレクトロニカ/アンビエントの過小評価されたといっても決して過言ではないマスターピース。これからももっと多くの音楽好きの心に傷を残し続けていくべき奇跡の一枚です。〈Dubplates & Mastering〉にて、Kassian Troyerの手によりリマスタリング/アナログ・カット。

ノルウェーのデュオDeaf Centerによる、時間の流れをテーマにした音響の旅『Through Time』。前半はTotlandのピアノが少ない音数で置かれ、その余白にSkodvinの暗いテクスチャが静かに広がっていく。霧の中をゆっくり歩くような、影と光が交互に現れる音の風景が続く。中盤以降は、ドローン、微細な電子音、ストリングスが重なり、空間がゆっくりと変化していくような感触が強まる。特に後半では、ストリングスが深い音響の中に柔らかな光を差し込み、静けさの中に高揚が立ち上がる瞬間が印象的。静かな音のレイヤーが少しずつ形を変えながら進む、Deaf Centerの成熟を感じるアンビエント/エレクトロアコースティック作品。 夜の読書や深夜の作業に寄り添う、静かで奥行きのある一枚。

ノルウェーの音響デュオDeaf Centerのピアニストとして知られるOtto A Totlandが2014年に発表した初のフル・ソロアルバム『Pinô』が待望のリプレス。収録された18曲はすべて短いピアノ小品で構成され、1〜3分ほどの音のスケッチが静かに連なっていく。メロディは控えめで、冬の光のように淡く、影のニュアンスを含んだ情緒が漂う。ピアノの響き、鍵盤のノイズ、ペダルの残響まで丁寧に捉えた極めて親密な音像で、物理的なノイズまでが音楽の一部となり、音楽にリアリティを与えている。静けさの中にある感情を丁寧に描いた、現代ピアノ作品の名作。

ニューヨークの音響作家Ezekiel Honigが2008年に発表した、ミュージック・コンクレート、アンビエント、ダウンテンポ、ミニマル・ハウスを独自のバランスで編み上げた名作『Surfaces Of A Broken Marching Band』。街のざわめき、遠くの人声、室内の響きといった 都市の微細な環境音を音楽の素材として中心に据え、電子処理や楽器断片と触れ合うことで、近さと遠さが同時に存在する独特の距離感が生まれている。控えめな4/4のパルスが静かな音像にわずかな推進力を与え、アンビエントの漂いとミニマル・ビートがゆるやかに交差する。曲によっては、陰影あるギターがポストロック的なニュアンスを帯びるものも。音を繊細に編み込み、構築というより発見に近い音の展開を生む、現代エレクトロアコースティックの文脈でも再評価されるべき重要作。

Portable/Bodycode名義で知られるAlan Abrahamsと、お馴染みJan Jelinekによる初のコラボレーション作。Alanが録りためた声のスケッチを、Jelinekが徹底的に加工・再構築することで生まれた、〈Faitiche〉らしい抽象性と身体性が交差する。歌ともノイズともつかない声のレイヤーが、乾いたビートや微細なパルスと溶け合い、ダンスとアンビエントの境界を漂うような独特のグルーヴを生み出している。聴くほどに細部が浮かび上がる音のコラージュには、深夜の都市の空気を思わせる孤独な内省と声の温度が同居しており、静かで深く、親密な電子音楽作品。

Fennesz参加!ケニア・ナイロビ出身でベルリンを拠点に活動するサウンドアーティストJoseph KamaruことKMRUによる最新作『Kin』が2020年の代表作『Peel』に引き続き〈Editions Mego〉から登場!フィールドレコーディングと電子音響を融合させた独自のスタイルをさらに深化させたもので、故ピーター・レーバーグとの「『Peel』の続編はどんな音になるのか」というディスカッションから始まり、2021年初頭にナイロビで制作が開始。若き日にギターで奏でた音を想起させるディストーションをテーマに、従来よりもノイジーで荒々しいアプローチを追求した本作は、レーバーグの死により一時中断を余儀なくされながらも2022年に再開され、完成へと至った。Fenneszを迎えた「Blurred」は、MEGO/Editions Megoの系譜に連なる現代エレクトロニック・ミュージックの最前線を体現し、さらに「We Are」ではAphex Twinを彷彿とさせるサウンドを展開。KMRUの進化を鮮烈に刻み込んだ作品。

リトアニアの実験ロック、電子音楽作家Brokenchordによる、クラウトロックのモータリックなグルーヴと、電子音楽出身らしい緻密な音響処理が交差するハイブリッドなロック作品 『Lima Echo Crack!』が〈South of North〉から登場。直進的な反復ビート、ざらついたギター、重心の低いドラムが推進力を生み、長尺トラックではサイケデリックな気配もじわりと広がる。ノイズや残響の質感と結びつく、少し不気味でダークなイメージと、電子音楽の精度を保ちながら、ロックの粗さや生々しさを前面に押し出した、クラウトロック、スペースロック、アンビエント、ポストロックの境界を横断しながら、独自への世界へと誘う充実の一枚。

2026年リプレス!Posh Isolationの面々とのコラボレーションでも知られるコペンハーゲンのアート・ポップ・プロジェクト、CTMの2024年作。デンマークの実験、インディ・シーンを横断してきた経験が結晶し、ミニマルな構造とポップなメロディが静かに共存する独自の音世界が展開。声・電子音・室内楽的テクスチャを繊細に編み込んだ音響は、静謐でありながら、どこか身体的で、ポップでありながら、実験的。そのあいだに生まれる美しさを引き出した、北欧アートポップの到達点。
