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ベルギーのギタリストRuben Machtelinckxを中心に、Toma Gouband(パーカッション)、Frederik Leroux(ギター)、Fredrik Rasten(ギター)が参加したアコースティック即興作品『porous structures II』。本作では、3本のスティール弦ギターと繊細なパーカッションが織りなす静謐で詩的な音響の中で、音の間(ま)や残響が丁寧に扱われており、ジャンルを超えた音の対話が、瞑想的な空間を生み出している。ギターはメロディよりも質感や空間性を重視し、打楽器は自然音のようなニュアンスを加える。フォーク、室内楽、アンビエント、即興音楽の要素が溶け合い、抽象的でありながら温かみのある響きが印象的。録音はベルギーの静かな空間で行われ、音の質感にもその空気が反映されているかのよう。静かに語りかけるような音楽が、聴く者の内面に深く響く一枚。限定200部。


テクノとダブ・レゲエの奇跡的合一。独Mark Ernestus & Moritz von OswaldのBasic Channelにより、1995年にMシリーズとしてリリースされていた音響ダブ/ミニマル・テクノの傑出した普遍的名曲が、2025年リプレス。
テクノとダブ・レゲエの奇跡的合一。独Mark Ernestus & Moritz von OswaldのBasic Channelにより、1994年にリリースされていた音響ダブ/ミニマル・テクノの傑出した普遍的名曲が、2025年リプレス。
テクノとダブ・レゲエの奇跡的合一。独Mark Ernestus & Moritz von OswaldのBasic Channelにより、1993年にリリースされていた音響ダブ/ミニマル・テクノの傑出した普遍的名曲が、2025年リプレス。

トータス、ヨ・ラ・テンゴ、スティーヴ・ライヒ他、多くのコラボレーションでも知られるアーティスト・作曲家、竹村延和が、米シカゴの名門インディー・レーベル、Thrill Jockey Recordsより、オリジナル・アルバムとしては2014年の『Zeitraum』以来となる約11年半振りの新作アルバム。
2016年から2024年の間にレコーディングされた珠玉の楽曲、全18曲(日本盤はボーナス・トラックを1曲追加し、全19曲収録)を収録。
このアルバムに収録されている楽曲は、アルバムのために新たに書き下ろしたものではなく、録り溜めていた過去の膨大な楽曲の中から竹村自身が厳選したものになります。
曲の構想が2000年代中頃からあったものも含まれており、レコーディングは竹村の京都にあるスタジオ(moonlit studio)で行われています。
作曲からプログラミング、演奏、レコーディング、編集まで、竹村がすべて一人で行っており、日本人シンガーdoroがゲスト・ヴォーカルとして参加しています。
スキマキ・アニメーションによるアニメーション作品『深海の虹』(2019年)のサウンドトラックも収録。
竹村によれば、
「「knot of meanings」は 直訳すると「意味の結び目」ですが、邦題の「意味のたま」は、洋裁で用いる毛糸の玉のようなもので、そこから意味が泉の様に導かれてくることを示しています。リスナーは単に多義的なものとしてジャケットのガラスの断片・ モザイクから、各自自由に全体像を描き、受け取ってもらえれば幸いです。」
とのことで、ジャケットのガラスのオブジェクトの作成や撮影も竹村本人が手掛けており、その受け取り方は(様々なスタイルの収録曲が混在した)アルバムの内容ともども、リスナーそれぞれに委ねています。
竹村が長年、“Child’s View” (子供の視点)を用いて、知的好奇心を原動力として、表現や創作活動を続けてきた結晶が、このアルバムとなっています。
常に驚きと喜びを感じられるものを作るという理念を大切にし、同じことを繰り返すことはせず(停滞や反復に抵抗し)、新たな発見のあるような独創的な作品を探求して来たことの実証でもあります。

1960〜70年代にリビアのベンガジで活動していたインディーレーベル〈Bourini Records(اسطوانات البوريني)〉を中心に、エジプトの周縁地域で育まれたもうひとつの大衆音楽の歴史を紹介するコンピレーションが〈Sublime Frequencies〉より到着。20世紀のエジプトでは、カイロを中心とする洗練された大衆音楽、アートソングが主流で、中産・上流層に親しまれていたが、カイロから遠く離れたアレクサンドリアやタンタ、さらにはリビア国境に至るまでの地方では、より素朴で荒々しい「シャアビ/アル=ムシーカ・アル=シャアビーヤ(庶民の音楽)」が育っていた。その中で重要な役割を果たしたのが、1968〜75年にかけて活動したベンガジ拠点のインディーレーベル〈Bourini Records〉で、このレーベルは、基本的にはエジプト人アーティストによる7インチ・シングルを40〜50作ほどリリースし、盲目のベドウィン歌手アブ・アバブやアレクサンドリアのシェイク・アミンらの短いが鮮烈なキャリアを支えた。本コンピレーションに収録された音源は、ラフで生々しい演奏や即興的な構成、シャアビ特有の打楽器やアコーディオン、竪琴などが収録されているのが特徴的で、主流音楽とはまったく異なる美学を示している。中には、動物のように唸るヴォーカルや、不協和音で終わる手拍子曲など、実験的なトラックも含まれる。この音楽は、洗練や理想を追求する都市部のポップスとは対照的に、「無名の人々の日常」をそのまま記録したもので、50年以上が経った今も、その迫力や切実さは色あせておらず、まるで目の前で演奏されているかのように響く。中央から見捨てられた周縁の声を拾い上げた伝説のレーベル〈Bourini Records〉の音楽は現在も強いリアリティをもっている。
オリジナルは1981年にリリースの、ジャマイカン・ダブの実験的コラボレーション・アルバム『Three The Hard Way』。Scientist、Barnabas、Lancelot “Maxie” McKenzieという3人のエンジニアが、それぞれの個性を活かしたトラックを提供。 Channel OneやKing Tubby’sといった名門スタジオで録音され、重厚なベースラインと空間的なエフェクトが織りなすジャマイカン・ダブ黄金期を象徴するサウンドが展開されている。Scientistの緻密で濃密な音響処理、Barnabasの荒々しくエネルギッシュなダブ、Maxieのメロディアスで柔らかなアプローチが交錯し、ダブの多様性と革新性を体現している。タイトル通り3人の猛者による競演に、ジャマイカ音楽の深みとスタジオ技術の粋を詰め込んだ今なお強烈な印象を残す一枚。
ジェイムス・ブラウンが1973年にリリースした2枚組アルバム『The Payback』。70年代のJBを代表する一作にして、ファンク史でも屈指の重要作である本作は、もともとは映画のサントラ用に書かれたが、ダークすぎると却下され、代わりに単独アルバムとして発表されたという経緯がある。その結果として、JB特有の鋭いリフ、ゴツゴツしたビート、反復するグルーヴが徹底的に突き詰められた仕上がりになっている。全体は長尺トラックを中心に構成され、硬質でミニマルなリフを延々と刻むスタイルは、後にヒップホップのサンプリング・ソースとしても膨大に引用されることになり、Public EnemyやEn Vogue、Mary J. Bligeらがこぞってこのアルバムの断片を使ったのも象徴的。しっとりしたソウル寄りの楽曲もあるが、基本的には重低音とリズムのループ感が支配する、徹底的にファンクに振り切った内容。2枚組というボリュームも含め、ジェイムス・ブラウンの中でも特にハードコアなグルーヴを刻んだ一作。
Bob Marley & The WailersがLee "Scratch" Perryと組んで1971年に制作したルーツ・レゲエの名盤『Soul Revolution Part II』。メジャーデビュー前の荒削りながらも生々しく鋭い演奏とLee Perryの革新的なプロダクションにより、シンプルながらも深みのある独特な音響が魅力で、「Sun Is Shining」「African Herbsman」「Keep On Moving」など、後に再録され世界的に知られることとなる名曲が多数収録されている。Marleyのメッセージ性の強い歌詞と、Peter Tosh、Bunny Wailerとのハーモニーが印象的で、初期Marley作品の中でも、特に深い精神性と音楽的探求が感じられる。Bob Marley & The Wailersの成熟と、Lee Perryのスタジオ魔術が交差した稀有な瞬間を捉えた重要作。

ボノボに見いだされ、無名の新人ながら彼が監修したコンピレーション『Late Night Tales』に楽曲が収録されるや、そのスウィートでメロウなサウンドが一躍話題となった、今や世界的な人気を誇るインストゥルメンタル・バンド、クルアンビン。彼らの2015年のデビュー作を10年越しに再構築した『The Universe Smiles Upon You ii』。オリジナルと同じテキサスの納屋(バーン)で、同じ日付に録音され、「もし10年前に戻れるなら、自分たちに何を伝えるか?」という問いに対する音楽的回答として制作されたもので、セミ・インストゥルメンタルで穏やかにサイケデリックなグルーヴはそのままに、より洗練された演奏と録音技術が活かされている。オリジナルの「無限のグルーヴ」と「地平線に広がるリフ」という美学を保ちつつ、成熟した音の余白と深みが加わっており、クルアンビンらしいエキゾチックなムードと、時を経た感情のニュアンスが交錯する、静かで豊かな再解釈。

〈Hessle Audio〉や〈Timedance〉などからのリリースでも知られるUKベース以降の音楽的探求を続けるブリストルの奇才Bruceによるダブ、アンビエント、ベーステクノを横断する3曲入り12"『The Hand』。ダークなニューウェーブ調のダブ「Golden Water Queen」、映画『DUNE』に触発された深遠なアンビエント・パッドが中心の「The Hand」、跳ねるキックとパーカッションによるフロアライクなベース・テクノ「Dham’s Jam」を収録。Bruceの音楽的成熟とDIY精神が結実した、短くも濃密な音響の旅。
UKを拠点に活動する電子音楽家で、自然環境そのものを録音対象とし、民俗的音響を融合させた作風で知られるPooleによる、スコットランドの自然環境とケルト的音響を融合した、幻影的かつ実験的なエレクトロニック・フォーク作品『Ben Beinn』。凍った峠道、嵐、花崗岩などの自然環境をコンタクトマイクやハイドロフォンで採取したフィールド録音を加工・使用し、フルート、ローホイッスル、バグパイプ、ピアノ、ストリングスなどの伝統楽器とシンセ、抽象化された声を融合。スコットランドの自然環境から採取した音を、感情的な音響テクスチャーに編み込み、場所そのものを音楽として再構築している。風景と記憶、民俗と抽象、自然と人間が交錯する音響詩。
アルゼンチンのサウンド・アーティストayluことAilin Gradによる、繊細で実験的な電子音楽が個人的な内面の葛藤とそこからの回復のプロセスを映し出す音響的探求『Fobia』。短く断続的な呼吸音や不安定なリズムから始まり、神経的な緊張感と解放感が交錯する構成で、断片的でありながら緻密に編み込まれたサウンドが感情の流れや変化、記憶、内面の風景を可視化する。断片的な呼吸音やノイズが、やがて滑らかなドローンへと変化し、徐々に明るくなる音色、安定したリズムへと変化していくプロセスを共にすることは、音楽として昇華された痛みが、聴く者の心に共鳴し癒しや共感、回復の力をもたらすよう。心の奥に静かに触れる精神的な音楽。
ジャズの影響を感じさせるハウス、ダブテクノ、バレアリックを展開する、カナダ・バンクーバーを拠点に活動する音楽家、空間音響エンジニアで、レーベル〈Mood Hut〉の創設メンバーであるLocal ArtistことIan WyattによるプロジェクトSlow Riffsの実質的なデビュー・アルバム『Simulacra』。Slow Riffs名義では、より内省的で抽象的なアンビエント、ニューエイジ、コズミック・サウンドを探求。空間と静寂を重視したビートレスで浮遊感のあるサウンドに、Jon HassellやBrian Enoの影響が色濃い宇宙的な広がりを感じさせるシンセや音響処理。リズムよりも音の揺らぎにフォーカスするような、ダブを通過した残響やエフェクトが印象的。哲学的テーマを内包した〈Mood Hut〉のフローティング・ハウス美学を体現する、静謐で深遠な作品。

Peak OilやKrankyで知られるBrian Footeが始動した新レーベル〈False Aralia〉の第2弾リリースとして、Izaak Schlossman の別名義 Selfsameによるものが登場。前作 Zero Key 名義での『False 01』に続き、今回はよりダブ寄りで低音に重心を置いた音像へと踏み込み、スロッシーかつ流動的なビート・アートを展開。Basic Channel~Chain Reactionの流れを汲んだ曖昧で物理法則がねじれたクラブ・ミュージックとして構成されており、まるで重力から解き放たれたアンビエント・クラブとでも言うべきサウンド感。静かに揺らめくグルーヴと、曇った音の輪郭が交差する極上のサウンド・プロダクト。False Araliaの方向性を明確に示す1枚。
現行アンビエント/エクスペリメンタル・シーンを牽引するポートランドの要注目作家、Patricia Wolfによる〈Balmat〉からの2作目は、アイスランドを舞台にしたドキュメンタリー映画のためのサウンドトラック。UDO Super 6シンセサイザーを中心に据えながら、ギターやマレット、フィールド録音を交え、風景と記憶の交錯を緻密に描いたユニークな作品。ドラマティックな起伏を避けつつ、持続音の層が静かに移ろう中で、幼少期の記憶や北欧的フォークロアの気配が立ち上がる様子が美しい。Patricia Wolfの緻密な音響設計と叙情性が結びついた、彼女のキャリアを象徴する一枚と言えるでしょう。

(数量限定/Indie Exclusive/ブルー・ヴァイナル)“Megaton, No War No Death!” ー 本来なら僕たちは互いに連帯すべきなのに、ソーシャルメディアによって分断されている。ジェノサイド…スワイプ…ジム通いの写真…スワイプ…食べ物の写真…スワイプ…飢餓。恐ろしい情報の洪水のあとに猫のミームが現れ、加工で原型を失った顔が続く。そんな現実の重みによって、社会は連帯を失い、静かに崩壊している。
ー Jason Williamson
労働者階級の代弁者 Sleaford Mods が、2023年のアルバム『UK GRIM』以来となる新曲「Megaton」を〈Rough Trade〉よりリリース。本曲は重厚なビートとアトモスフェリックな電子音に、社会の凡庸さを切り刻むような鋭いリリックを乗せ、グルーヴと知性を兼ね備えたSleaford Modsならではの楽曲となっている。
今回も継続的にタッグを組んでいるチャリティ団体 War Child とのパートナーシップのもと、シングルの収益はすべて戦争の影響を受けた子どもたちを支援する活動に寄付される。
同曲の世界観にインスパイアされ、アーティスト/写真家の Nick Waplington が監督を務めた MVも公開。
ロンドン・ハイドパークのスピーカーズ・コーナーで撮影され、19世紀から演説や議論の場として知られる同地で、楽曲「Megaton」が群衆の中に響き渡る映像作品となっている。
War Childのライブ音楽企画を統括・運営している Clare Sanders-Wright は次のようにコメントをしている。「Sleaford Modsの継続的な支援と寛大さに心から感謝しています。この特別な限定シングルは、ただの新曲ではなく、戦争によって苦しむ子どもたちに直接的な支援を届けるものです。」
billy woodsとELUCIDによるArmand Hammer とThe Alchemist が手を組んだ2021年作『Haram』。本作は、発表当時は名プロデューサーとの初タッグという話題性に注目が集まったが、振り返るとむしろThe Alchemist が従来のソウルやジャズをサンプリングして太いビートを組み立てるビートスタイルから外れ、Armand Hammer の複雑で比喩的・断片的なラップの響き方に寄り添ったことが要点となっていて、ドローンや歪んだリズム、言葉が漂う余地を残したプロダクション、くぐもった音や断片的なフレーズのコラージュなど、Armand Hammerの不可解さをそのまま響かせる音作りとなっている。また、同時に、メロウで陽光を感じるビートやソウルフルなフックも散りばめられており、ある意味でポップで聴きやすい瞬間が共存しているのも興味深い。ゲスト陣も強力で、Curly Castro、Quelle Chris、Amaniらの参加、Earl Sweatshirt の「Falling Out the Sky」や、KAYANAの「Black Sunlight」、Fieldedの「Aubergine」など、実験的な声の使い方も印象的。ハードボイルドな言葉遊びと実験的なビートが奇跡的に融合した、唯一無二のアンダーグラウンド・ヒップホップの到達点。

1月中旬再入荷。(12月下旬分は完売しました)。Armand Hammer(with Elucid)の片翼として知られるbilly woodsが久々に放つソロ・アルバム『GOLLIWOG』。現代アメリカの黒人経験を、暗く歪んだ夢のような音像で描いた怪作で、プロデューサー陣にはEl-P(Run The Jewels / Company Flow)、Shabaka Hutchings(Sons of Kemet / The Comet Is Coming)、The Alchemist、Kenny Segal、DJ Haram、Ant(Atmosphere)、Conductor Williamsなど、ヒップホップとジャズ、アンダーグラウンドと実験音楽を横断する重鎮たちが勢ぞろい。その多彩な布陣が織りなすのは、不穏でサイケデリック、そして異様に鮮明な悪夢のような音世界。「英語そのものが暴力だ」と言い放つwoodsのリリックは相変わらず鋭く、皮肉と哲学が交差する。全体を通して現実という感覚そのものがぐらつく構成になっており、単なる社会批評ではなく、現代における意識そのものをテーマとしているよう。billy woods流のダーク・アメリカーナとも言うべき一枚。

アメリカのドラマーJeremy Hymanによる初のソロ・あるばむで、Animal CollectiveやBoredomsなどとの共演経験を経て、アンビエント、バレアリック、ニューエイジの領域へと踏み込んだ、静謐で実験的な音響作品『Low Air』。Korg ESXなどの古いサンプラーを用い、再生速度を倍速・三倍速にすることで音の質感とピッチを変化させる手法を用いており、リズムのズレや細かな音の配置が独特の辺境的なニュアンスを生み出している。全体の音色はエレクトロニカ的な華やかさを抑え、澄み切ったドローンやバレアリックな浮遊感が際立っている。どこか、ドラムという身体的な経験を通して得た音が空間を満たす感覚、リズムが身体を通じて空間と共鳴する感覚を電子音楽として再構築したようなところがあり、音が呼吸するようにも感じられる、静かに深く沈み込んでいけるような一枚。
