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〈Good Morning Tapes〉や〈INDEX:Records〉といった各地の実験的なレーベルからの作品でも知られる、テキサス・オースティン拠点の人気アンビエント作家、Gi Giによる最新アルバム『Dreamliner』が〈Quiet Time Tapes〉よりアナログ・リリース。ダウンテンポを経由した独自のアブラストラクトなテイストを軸に、催眠的なトリップホップ・サウンドやダブの要素、トライバルで謎めいた奥地的な雰囲気、宇宙音楽的なサウンドスケープを取り入れた、没入感と推進力に溢れるコスミッシェ・アンビエント作品。

Maher Shalal Hash Bazの非常にアメリカ的なカウンターパートと言える存在。ポートランド拠点のアート・ロック・トリオ、Sun Footが新型コロナウイルス感染症のパンデミックの真っ只中に残した、表現主義的かつ即興実験的であり、ミニマルで感情的な知性のカタルシスに満ちた、壮大な音の断片を収めた23年作品『In the Baleen』をストック!Sonny Smith主宰の〈Rocks In Your Head Records〉と当店おなじみの名門〈Mississippi Records〉の共同でリリースされた作品。Sonny Smithプロデュースのもと休みなく創作を続けた3人の友情、独創性、そして深い音楽的探求の証が詰まった逸品。焼けつくようなギターがアクセントとなった、ニューウェイヴ/ポスト・パンク経由の脱線的ポップ・ソングから、制作の途中でこの世を去ったパーカッショニスト、Ron Burnsを含めた、3人の思慮深いミュージシャンによる、非常にパーソナルで独創的な音楽言語のやりとりに至るまで、実に多岐に渡る音楽的表現が結晶した珠玉の一枚!
カルロス・アギーレ・グルーポが2008年に発表した3作目のアルバム、通称『ヴィオレータ(紫盤)』がレコード化。
カルロス・アギーレが、深く信頼する音楽仲間とともに楽曲とアンサンブルの両面で表現の高みを目指した、現代ネオ・フォルクローレという枠を超えて高度に洗練された音世界が広がる名作です。内外の多くのアーティストに影響を与えた本作は、今なお聴くたびに新鮮な驚きと発見に出会えます。
2024年に5年振りの来日ツアーを開催したカルロス・アギーレ。その感動の余韻が残る中、2008年に自身のグループを率いて発表した3rdアルバム、通称『ヴィオレータ(紫盤)』がレコード化。
『クレーマ(白盤)』(00年)、『ロホ(赤盤)』(04年)を経て、カルロスと彼のグループが作り上げたのは、豊かな詩情をたたえた雄大なサウンドスケープが広がる、ネオ・フォルクローレの到達点と言うべき音世界。カルロスが深く信頼するメンバーとともに演奏を重ね、幅広い音楽的背景と自由な発想で練り上げられたアンサンブルは圧巻。起伏に富んだ展開で10分を越える大作3曲を含む全編インストゥルメンタルの本作は、まるで大きな絵画のように聴くものを惹き込みます。
アカ・セカ〜アンドレス・ベエウサエルトなどネオ・フォルクローレからミナス新世代へとつながる系譜の源泉にして、サム・ゲンデルやファビアーノ・ド・ナシメントなどジャズ/アンビエント/民族音楽をシームレスに横断するアーティストのファンにも聴き応え充分な本作。2018年の日本盤CDリリース当時の対訳・解説を再構成して収録、4枚の異なる用紙がレイヤーされて完成するオリジナル・アートワークも再現し、数量限定盤として待望のレコード化となります。
■ライナーノーツ:吉本宏(bar buenos aires)
■日本語訳:西村秀人・谷本雅世(PaPiTaMuSiCa)
■国内盤LP(東洋化成プレス)
■シングルスリーヴ(380gsm用紙/リバースボート印刷/型抜き加工)
■トラックリスト
Side A
1. Invierno (11:08)
2. Ambar (1:29)
3. Casa nueva (10:56)
Side B
1. Rumor de tambores (6:14)
2. Laguna de agua (6:26)
3. Mariposa leve (10:22)

(数量限定/日本語帯付き)よりポップに、柔らかに... 温かみのある音像をバックにサウンド・デザイン化させていく、新境地を見せたターニング・ポイント的作品。
本作「Mars Audiac Quintet』 は、よりポップでふくよかにサウンドデザイン化させていく手法へと舵を切った作品であり、この後のバンドのさらなる飛躍を予感させるにふさわしい、次のステー ジへの起点となったターニング・ポイント的作品となっている。本作の時点ではまだマッカーシー時代からのギター・ロックの面影が残っているが、ジャズ、ブラジル音楽、R&Bなどの要素 を惜しげもなく見せつけていくようになるのはこの時代からだ。約10年の休止期間を経た活動再開と今回の一連のリイシュー・シリーズで、彼らがいかに2020年を目前に控えた今の時代、現代のシーンと時空を超えてコミットしていたかをぜひ実感してほしい。(解説より一部抜粋)

(数量限定/日本語帯付き)成熟の域に達したソングライティングの才能とジョン・マッケンタイアとジム・オルークのプロデュース・ワークが冴え渡る珠玉の1枚!
この『Sound-Dust』の最も驚くべきことは、ポップ・アルバムとしての完成度の高さである。ジョン・マッケンタイアとジム・オルークのプロデュースによって仕上げられた楽曲は、個別に聴いてみると、例えばドラムの音一つとってみても、その音色や音の響きの違いが感じ取れる。だが、それはあくまでも音作りの方向性であって、彼ら二人が共同作業をしていなかったにせよ、変化を厭わないゲイン、そしてバンドの思いを彼らは理解していたはずだ。それに加え、ロックからジャズ、ヒップホップ、テクノ、ドラムンベース、さらにはブラジル音楽やフレンチ・ポップ、ミニマル・ミュージック、ラウンジ・ミュージック、ブルー・アイド・ソウルに至るまで、ありとあらゆる音楽を並列化して聴いているような感覚を感じさせるゲインのソングライティングの才能--それはステレオラブの最大の強みでもある--を、前作をプロデュースしていた経験から感じ取れていたからこそ、マッケンタイアとオルークのプロデュース・ワークが冴え渡り、トータリティのあるこの『Sound-Dust』が完成したのである。(解説より一部抜粋)

貴重で上質なレゲエ/ダブ音源のアーカイヴァルなリイシューで知られる名門《Pressure Sounds》が、スタジオ・ワン・レコーディング・スタジオの誕生と、スカタライツの結成が重なったジャマイカ文化史の重要な瞬間を記録したスカタライツの貴重音源を見事にコンパイル!
1962年8月5日、300年にわたる英国の支配からジャマイカは遂に独立した。独立直後のジャマイカは確かに貧困と深い不平等が蔓延する厳しい状況であったが、独立によってもたらされたジャマイカ国民のエネルギーの爆発は本物だった。当時のニュース映像には、着飾った群衆の熱狂と興奮が映し出されており、そして島中で勃興していたスカ・ミュージックの大胆さと高揚感がこの時代の完璧なサウンドトラックとなっていた。そして独立の翌年1963年12月にコクソン・ドッドがスタジオ・ワン・スタジオをオープン、その半年後の1964年6月にジャマイカのスーパーグループとしてスカタライツが結成された。若く新進気鋭のプロデューサー、フィリップ・ジャスティン・ヤップは、制作活動のほとんどをこのスタジオ・ワンの新しいレコーディング・ルームに切り替え、スカタライツの数多くの名曲を録音した。彼はまた、小規模のブラス・セクションを使った優れたインストゥルメンタル楽曲も数多くレコーディングし、スカタライツのメンバーをメインに起用し、その曲の作曲者やアレンジャーの名前をクレジットした。コクソン自身のレコーディングと合わせ、ジャスティンの<Top Deck>と、<Tuneico>のために制作されたこれらの作品は、スタジオ・ワンの独特な雰囲気の中で、スカタライツのメンバーが最高の状態で演奏している様子を見事に捉えており、スタジオ・ワン・レコーディング・スタジオの誕生と、強靭なスカタライツの結成が重なったジャマイカ文化史の重要な瞬間の貴重な記録となっている。

エイフェックス・ツインが2023年にリリースしたEP作品『Blackbox Life Recorder 21f / In a Room7 F760』の輸入盤12インチ・スタンダードエディションがリリース。
オランダの〈Basta〉からリリースされていた、アメリカのピアニスト、バンドリーダー、作曲家であり、そして何よりも赤ちゃん向け電子音作品という『SOOTHING SOUNDS FOR BABY』で知られる希代の電子音作家Raymond Scottの'61年~'71年に録音されていた大量の未発表電子音楽音源をまとめた編集盤が入荷できました!『Three Willow Park: Electronic Music from Inner Space, 1961–1971』には珠玉の61曲が収録されており、その多くはスコットのエレクトロニウム(プログラムされた知性によって作曲・演奏される発明品)によって演奏される催眠術のようなリズム・トラックをフィーチャーしており、早すぎたエレクトロニカのアンソロジーとでもいうべき内容。自身のインナー・スペースと対峙した結果としての生まれたような電子音はあまりにも純粋で、天才の仕事と言えるもの。

〈Death Is Not The End〉の主に再発などを手掛けるサブ・レーベル〈333〉から、ドラマーSly Dunbar 、ベーシストRobbie Shakespeareのリズムセクションを中心とした、1970年代中盤から1980年代初頭のルーツからダンスホール初期にかけてジャマイカで最も優れたセッション・ミュージシャンたちによって構成されたレゲエで最も有名なセッション・バンドの1つであるREVOLUTIONARIESが、NYブルックリンのレゲエ・シーンの中核をなしていた重要レーベルFLAMESに残したシングルオンリーのレアなダブ・ヴァージョンを含む70年代中期から後期にかけての初期作品を集めたコンピレーション・アルバム『Meditation In Dub 』がリマスタリングされ、本人たちの許可を得てオフィシャル・ヴァイナル復刻。オリジナルはDiscogsでも高値で取引される激レア盤。限定プレスのためこの機会に是非お見逃しなく!

英国のアンビエント・ハウス・デュオ、Ultramarineが1998年にリリースした5枚目のアルバム『A User’s Guide』が〈WRWTFWW Records〉からアナログ再発!このデュオがこれまでにリリースしたものやそれ以降のどれとも根本的に異なる、時代を超越する、本質的に未来派的な名作!丹念に作られた電子音やテクスチャー、金属的なモチーフ、空間のあるコード、現代のテクノやドラムンベース文化に根ざしたリズム、そして、Tortoiseにも通じるポスト・ロックの雰囲気、Basic Channelのぼんやりとしたダブ・テクノ、デトロイトのテック・ジャズ、ベルリンのミニマリズム、シカゴのディープハウスの音楽的に広がる暖かさに至るまで、当時の先駆的な音楽への敬意がたっぷりと込められた破格のアンビエント・テクノ/IDM傑作!オリジナルのDATからの完全リマスタリング仕様。

MF DOOM × Madlib のタッグ: Madvillain、アンダーグラウンド・ヒップホップ界のマスターピース・アルバム”Madvillainy”のリリース20周年を記念し、オリジナルアルバムのAudiophile Edition (オーディオ愛好家向け特別盤)がStones Throwからリリース決定!
高音質180g / 45rpmでのプレス、また世界トップクラスの高音質のレコードマスタリングでも知られるBernie Grundman Masteringが担当。さらに、パッケージもゲートフォールド仕様となり、リリックも掲載されている。

1938年モロッコのサレに生まれ、ラバト音楽院(モロッコ)で音楽を学んだ後、1962年にパリに移りMax Deutschに師事した電子音楽作曲家Ahmed Essyadの作品セレクション『Moroccan Electroacoustic Music 1972-74』がSUB ROSA名シリーズ「EARLY ELECTRONIC SERIES」よりリリース!モロッコの先住民、ベルベル民族の伝統音楽をインスピレーションの源としたというエレクトロニック・ミュージックは、エキゾチックやスピリチュアルといった言葉では表現しきれないもので、「東洋と西洋を融合させることではなく、前衛音楽というヨーロッパ中心主義の枠組みの外に、もうひとつの現代性が存在しうる想像上の空間を開くこと」が重要と本人が語る通り、奇妙で独創的な作品!

LA が生んだレジェンド:MADLIB、永遠にしてもはや幻のプロジェクト:Quasimoto 名義でリリースした2013年のアルバム”YESSIR WHATEVER”が、新たなシルバー・フォイル(銀箔)エディションで限定枚数のLPリリースが決定。メタリック・カラー盤+ジャケットのQuasimotoのイラストもオリジナル盤同様にステッカー仕様となっております。
ヒップホップからジャズ、ソウル、ワールド、ビートシーンまであらゆるシーンがその動向をチェックしている LA が生んだ真の鬼才 / 最重要プロデューサー:Madlib の別名義プロジェクトが Quasimoto。ソウル、ジャズ、ファンク、ディスコからレゲエ、ワールド、ライブラリー、、膨大なレコードコレ クションから奇想天外なサンプリングソースを大胆に活かして直感的に作られたMadlibのトラックが次々に展開、そこにQuasimotoと Madlib自身が絶妙のコンビネーションでスピーディーにラップを繰り広げる様はまさに圧巻!Madlibのワンアンドオンリーの世界観が生み出すこの極めつけのフィーリングは聴けば聴くほどにハマる! サンプリングによるストレートなヒップホップが持つ無限の可能性を改めて感じさせてくれる。更にマッドな世界観をいっそう際立たせるLAを代表するアーティスト:Jeff JankによるQuasimotoキャラクターのイラストも最高です。

Madlibの別名義: Quasimotoが2005年にリリースしたセカンドアルバム"The Further Adventures of Lord Quas"、Quasimotoのイラストも手掛けるJeff Jank により、新たなアルバムカバーのアートワーク + 厚手のゲートフォールド仕様 + カラー盤レコードで、スペシャルな2LP盤が限定数量でリリース決定。当初、Stones Throwのオンラインストアのみでの販売で即完しておりましたが、限定数量にて日本にも流通が実現。お見逃しなく!
João Gilberto, Azymuth, Arthur Verocaiなどのファンにも是非!Stones Throwから初のブラジル出身アーティスト: ゲイブリエル・ダ・ローサ(Gabriel da Rosa)、ブラジルの伝統的なボサノバやサンバ音楽に現代的なエッジを加えたデビューアルバム"É o que a casa oferece”(2022)に続く、新たなシングル2曲 “"Cafuné b/w Sort Of" が7インチでリリース。

Stones Throwから初のブラジル出身アーティスト: ゲイブリエル・ダ・ローザ(Gabriel da Rosa)、ブラジルの伝統的なボサノバやサンバ音楽に現代的なエッジを加えたデビューアルバム"É o que a casa oferece"をリリース!近年レアグルーヴ的観点から再評価が進むブラジルの伝説的バンド、アジムス(Azymuth)のドラマー: アイヴァン・コンチ (Ivan Conti)が参加。セウ・ジョルジ(Seu Jorge)やロドリゴ・アマランテ(Rodrigo Amarante)など国際的活躍が記憶に新しいアーティストの名コラボレーター: ペドロ・ドム(Pedro Dom)も共同プロデュースで参加。さらにエンジニアはビースティ・ボーイズ(Beastie Boys)の作品でも知られるレジェンド: マリオ・C(Mario C)が担当。

徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説Merzbowと、Modern Obscure Musicを主催するスペインの作家Pedro Vianとのコラボレーション・アルバム。ペドロ・ヴィアンがDia:Beacon、特にリチャード・セラの彫刻の内部で録音したフィールド・レコーディングした特徴的なアンビエント・パーカッションとノイズを融合させた作品。限定300部。

徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説、Merzbow。1996年にアルケミーレコードからCDで最初にリリースされ、実験的なノイズ・ミュージック・シーンの重要なマイルストーンとなった傑作『Mercurated』がイタリアの〈Urashima〉からアナログ・リイシュー。リマスターは、Sunn O))), ISIS, Pelican, そしてEarth等のミックスも手掛けたJames Plotkinによるもので、深重感抜群。限定299部。

鋭い実験的なサウンドと挑戦的なリリックで知られる電子音楽プロデューサー、ボーカリスト、そしてパフォーマーのayaが2021年に書籍とデジタルアルバムで発表したアルバム『im hole』をワンプレス限定のカラーヴァイナルでリリース!
本作は、初期の実験的なサウンド、DJセットやエディットで見せたユーモア、そしてライブでのアイデンティティを揺さぶるリリックを結集させた作品として、発表当時からPitchforkの「Best New Music」に選ばれ、DJ Mary Anne Hobbsの年間ベストアルバムにも選出されるなど、高い評価を得ている。
リズムやノイズ、サウンドの断片を使いながら、言語、方言、ジェンダー、セクシュアリティといったテーマを自由に変形させ、自伝的な物語を紡ぎ出すのと同時に、クィアアートが陥りがちな自己陶酔的なループを打破し、既成概念や固定観念を問い直す作品でもある。
タイトルの『im hole』は、自己実現とセクシュアリティの間の曖昧なバランスを表し、文化的に語られるトランス体験への挑発的な視点を含んでいる。
サウンド面でも、既存の音や言葉を分解し、予想外の形で再構築。
絶望の中にも鋭いユーモアが光るストーリーテリングが特徴で、ダブステップが細やかなメロディや繊細な音のテクスチャと融合するような多層的で挑戦的なサウンドがリスナーを引き込む。
2025年に予定されている新作に先駆けて、再びその魅力を味わえる一枚と言えるだろう。

【※400枚限定プレス!Japan exclusive Blue vinyl※】(数量限定/日本語帯付き/解説書封入/日本限定ブルー・ヴァイナル)カリブーやダフニ名義の活動で知られるダン・スナイスや宇多田ヒカル他参加!!
エレクトロニック・ミュージック・シーン随一の頭脳派として知られる一方、熱心なレコードコレクターでもあり、フォー・テットやボノボ、カリブーと言ったアーティストと並び称されるDJとしても活躍、近年はフリージャズの生きる伝説、ファラオ・サンダースとロンドン交響楽団とのコラボ作品『Promises』や宇多田ヒカルのアルバム『BADモード』の共同プロデュースも話題となったフローティング・ポインツことサム・シェパードが2024年最新アルバム『Cascade』を〈Ninja Tune〉よりリリース。
マンチェスターで過ごした子供時代にはクラシック教育を受け、大学では神経科学の博士号も取得した秀才であり、そのアーティスト名が示すように、ジャンルを自由に横断しながら様々な実験を続けるフローティング・ポインツ。直近では、サンフランシスコ・バレエ団と共同で制作した初のバレエ作品『Mere Mortals』も手がけ、交響楽団と電子音楽を融合したアプローチが称賛されたばかり。モジュラー・シンセサイザーの美しい音色と複雑なドラム・パターンと、ファラオ・サンダースのサックス、そしてロンドン交響楽団の演奏を見事に一つに織り合わせた『Promises』は、米ピッチフォークで2021年の最高点レビューを獲得し、Mojo誌やTime Magazineなどでアルバム・オブ・ザ・イヤーに選出、Resident Advisorからは「最も偉大なモダンジャズ・アルバムのひとつ」と評されるなど大きな称賛を受け、マーキュリー賞にもノミネートされている。
彼のキャリアにおいても、重要な転換期と言えるそれらのプロジェクトの成功は、あたかも彼がダンス・ミュージック・シーンから離れることを示唆しているように見えたかもしれない。しかし、昼間はバレエの楽譜に没頭しながら、夜になるとダンスフロアの狂騒や脈打つエレクトロニック・ミュージックの奔放さを切望している自分に気づいたという。
『Cascade』は、『Crush』に続く作品としてスタートし、フローティング・ポインツのサウンドをダンスフロアで体験するためのサウンドが詰まっている。Buchlaのシンセサイザーが生み出すリズムが炸裂し、グリッチを効かせたメロディーが身体を揺さぶる。それは中山晃子による液体の流れる動きを捉えたカラフルなアートワークにも通じるものだ。「滝状の流れ」を意味するタイトルもまた、今作のサウンドを見事に表し、我々リスナーはその贅沢な音の狭間に身を委ねることで体験したことのない刺激的な理想郷へと誘われる。
本作は、マンチェスターで過ごした青春時代に出会った多種多様なエレクトロニック・ミュージックの持つ、聴く者の心を拡張し、感情を浄化する魅力をベースに作り上げられた作品だ。『Crush』の続編でありながら、フローティング・ポインツのサウンドは、また一段上のレベルへと進化し、前作と比較して長尺のトラック一つ一つの中で、サウンドとグルーヴの広がりが探求されている。
デビュー・アルバム『Elaenia』から約10年を経て、作曲家サム・シェパードは、クラブミュージック以外での実験をダンスフロア向けの音楽にシームレスに取り入れる方法を会得した。「常に挑戦を追い求めているんだ」と語る彼の、拡大し続ける創造的可能性において、本作はどのように位置づけられるのだろうか。「常に物事を動かし続け、自分を興奮させるようなことに全力で取り組みたいと思っている。それが100人編成のオーケストラとバレエ作品を作ることであろうと、自分ひとりでラップトップに向かっていることであろうとね」と彼は微笑みながら説明する。エレクトロニック・ミュージックの革新性と、本能を刺激するようなトラック作りにおいて、フローティング・ポインツは永久に満足を得ることなく探究を続けていくだろう。
