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大名門〈Numero〉が手がけるスウィートソウル、ローカルソウルの秘宝を掘り起こすコンピレーション『Eccentric Sweet Soul』。シリーズの中でも特に 甘くメロウで、ロマンティックなソウルに焦点を当てたもので、1960〜80年代のローカルレーベルや自主制作盤から発掘した知られざる名曲 を多数収録。コレクターが探し続けてきたシングル音源や一度も再発されていない曲も含め、失われかけたローカル・ソウル文化を丁寧に再構築している。ストリングスやホーンを使ったメロウなアレンジ、切ないファルセット、甘いハーモニーのスロウバラードは、夜のリスニングやチルアウトにぴったりのスウィートソウルの裏名盤ともいうべき好内容。どこか素朴で、手作り感のある温かいサウンドは、いわゆる大ヒット曲ではないのに、不思議と心に残るメロディと歌の喜びに満ちている。
1979〜80年に英国系ケニア人ミュージシャンJohn Lowが憧れのギタリストたちからフィンガースタイルを学ぶため、東アフリカから中部アフリカを旅しながら録音した、アフリカン・アコースティック・ギター音楽をまとめたコンピレーション。John Lowは、Jean-Bosco Mwenda、Losta Abelo、Emmanuel Mulemenaといった名手の家を訪ね、時には滞在しながら、各地に根付く伝統を丁寧に記録していった。録音は家庭の居間、村の広場、酒場など、生活の場そのもので行われ、ギターの音色に混じって、笑い声や会話、周囲の環境音が自然に入り込む。スタジオ録音では決して得られないその場の空気が刻まれており、磨き上げられた作品というより、音楽が日常の中でどのように響き、共有されていたのかをそのまま伝える、かけがえのない記録。また、Francis KitimeやMtonga Wangananguなど、当時ほとんど録音が残っていなかった奏者の演奏も収められており、文化的資料としての価値も非常に高い。多くの音源は今回が初出で、Lowが残したオリジナルテープから、Andrew Walterが丁寧に修復・リマスターを施し、当時の温度感を損なうことなく鮮やかに蘇らせている。さらに、John Low本人による解説と歌詞、タンザニアの研究者John Kitimeのコメントも収録され、地域のギター文化を深く理解できる内容になっている。〈Mississippi Records〉が愛情を込めて続けてきたアフリカン・ギター音楽の記録の系譜を受け継ぐ一枚であり、『African Guitar Box』をさらに発展させた作品。
PC Musicの中心人物にしてハイパーポップの父、A. G. Cook による、Charli XCX主演のモキュメンタリー作品映画のオリジナル・スコア『The Moment』。全10曲は、Cookが得意とする 硬質なエレクトロニックと、緊張感のあるシンセのうねりを軸に、クラブ・トラックの推進力と映画音楽としての陰影が同居する仕上がりになっている。Cookの作品らしく、メロディの断片や質感の変化がシーンの切り替わりのように立ち上がり、ポップと実験性を知的に融合させる独自の美学が研ぎ澄まされている。
版元完売、お見逃しなく。ドイツの異才ギタリスト、ハンス・ライヒェルの初期から中期に当たる1973〜1988年のソロ・ギター演奏を体系的にまとめた2枚組アーカイブ『Dalbergia Retusa』。〈Black Truffle〉から Oren Ambarchi の監修でリリースされ、自作ギターや独自の拡張奏法から生まれる、ギターとは思えない倍音、金属的な響き、パーカッシブなアタックが縦横無尽に展開される。フリー・インプロヴィゼーション、実験音楽、音響的探求が交差するそのサウンドは、同時代のギター表現を軽々と飛び越え、今なお新鮮な驚きを与えるもの。ライヒェルが当時住んでいた西ドイツ・ヴッパータールは、ヨーロッパ・フリージャズの重要拠点で、Peter Brötzmann や Peter Kowald らの活動地でもあった。そういった特殊な環境の中で深化した異世界のような音響と、自由即興の精神が詰まった一枚。

ロンドン拠点のアーティストaloisiusによるデビュー・アルバム『vernacular』。ギター、チェロ、ピアノ、トランペット、声など、身の回りの楽器をラップトップの内蔵マイクでそのまま録音した生の素材だけで構築された即興的サウンドスケープで、整えられたスタジオ録音とは真逆のその場の衝動が作品の核になっている。全編が即興演奏のレイヤーで構成され、フォーク、室内楽、アンビエント、シューゲイズ、エクスペリメンタルが自然に溶け合う。1分に満たない断片的なスケッチから、13分を超える壮大な「The Garden」までが混在する、日記のような親密さとトランス的な没入がひとつの流れとして共存。Bianca Scoutがピアノで参加した楽曲もあり、レーベル内の有機的なつながりも感じられる。「vernacular」というタイトルが示すように、生活の中で自然に生まれる音楽の姿がそのまま封じ込められた、混沌としながら鮮烈で、野性味と祝祭感あふれる一枚。
ブラック・アーク黄金期の1977〜79年に制作された5つのクラシック・ディスコミックスを公式にまとめた〈Studio 16〉の人気シリーズ第1弾『5 Classic Discomixes From The Black Ark Studio 1977–9』。Lee “Scratch” Perryが最も創造性と狂気を爆発させていた時期の12インチ・ロングミックスを収録し、ブラック・アークの魔術的サウンドをそのまま封じ込めた決定的コンピ。代表曲「Disco Devil」はMax Romeo「Chase the Devil」をベースに、Perry自身がヴォーカルとエフェクトを重ねた ブラック・アークを象徴するサイケデリック・ダブの金字塔。煙のように立ち上るエコー、ざらついた質感、湿度を帯びた残響が絡み合い、スタジオそのものが呼吸しているかのような独特の音響空間を生み出す。さらに、Junior Murvin「Roots Train」やLord Creator「Such Is Life」など、当時の12"ミックス文化を象徴する長尺ヴァージョンを収録。特に「Such Is Life」は 未発表だったフルレングス・ディスコミックスが初めて公式に復元された貴重音源。ブラック・アーク期の魔術が最も濃密に味わえるクラシック中のクラシック。
オリジナルは1999年にドイツの音響ミニマル名門〈~scape〉からリリースの、Kit Claytonのデビュー・アルバムにして、ミニマル・ダブ/クリック&カッツの金字塔的作品『Nek Sanalet』。カリフォルニアの電子音楽家Joshua Kit Claytonが、当時のベルリン音響シーンとUS西海岸のエクスペリメンタル感覚を接続した重要作で、深く沈み込むような低音、湿度を帯びたダブ処理、微細なクリックノイズが立体的に配置された音響空間。ビートは控えめで、音の粒がゆっくりと漂いながら沈んでいく深海アンビエントのような質感があり、メロディを排した霧のようなシンセが揺らぎを生み、音に包まれて「今」へとゆっくりと溶解していく。冷たい音響の中に微かな温度が差し込む、アナログ的な揺れやノイズの人間味も魅力。音の配置、空間の扱い、低音の質感が極めて精緻で、タイムレスな魅力を放つ最良のダブ・ミニマルの一つ。

ジョージアはトビリシを拠点に活動する日本人デュオ、Heavenphetamineによる初のフル・スタジオアルバム『The Sun On A Winter Day』。本作は、メンバーがジョージアとウクライナで過ごした日々の体験をもとに制作され、特に2022年12月、戦時下のキーウで録音されたセッションが核となっている。停電、ミサイル警報、シェルターでの待機といった極限状況の中で収録された音は、単なる音楽作品を超えた現場の記録としての強度を持っている。ポストロック、朗読、ノイズ、叙情歌が交差する独自のスタイルで、静寂と爆発が交互に訪れるダイナミクスが印象的。語りのような歌、金属的なノイズ、深い残響を持つギターが重なり、凍える空気と緊張感をそのまま封じ込めたような音像が広がる。雪、血、祈り、喪失、再生といった強烈なイメージが曲ごとに立ち上がり、映像的な連作のように物語が進む。美しさと残酷さが同居し、希望と絶望が同時に存在する矛盾した感覚が、作品全体を貫くテーマとなっている。

ハンガリーのプロデューサーLaurine Frostが、自主レーベルよりリリースする最新作『Maiden』。架空の娘Lenaの人生を音で描くコンセプト作品群の中でも、本作は少女から大人へという最も揺れ動く時期を扱った、シリーズ随一のドラマ性を持つ一枚。ジャズの生々しさとエレクトロニックの構造が複雑に絡み合い、ウッドベースやサックスの有機的な響きが、IDM的なポリリズムやダブテクノの深い音響と共存する独自のスタイル。全編に漂うのは、深夜の都市を彷徨うような暗い映画的ムード。複数の拍子が重なり合うポリリズムが不安定な浮遊感を生み、音が常に変化し続けることで、Lenaの内面の揺らぎが立ち上がる。ジャズ、エレクトロニカ、アヴァンギャルド、ダブテクノが交差するFrostならではの音世界が、シリーズの物語性と強く結びついた作品。

アムステルダム拠点のNicolini、Nushin Naini、La RatによるトリオDevon Rexiと、UKアンダーグラウンドの重要人物John T. Gastによるコラボレーション作『Breathstep』。クラウトロックの反復性、ノーウェイヴ的な生々しい質感、そしてGastの深く沈み込むダブ処理が混ざり合い、有機と人工が同時に脈打つような独特の音響世界を形成。音の断片が突然現れては消えるコラージュ的構造、湿り気を帯びた重低音、呪術的に加工されたヴォーカル。どれもがダンスミュージックの枠を外れながら、身体の奥を震わせる奇妙なグルーヴを生み出している。残響や空白の扱いが異様に巧みなGastのプロダクションもあり、音が沈んでいく深度そのものを聴かせるような感触のある前衛性と中毒性を兼ね備えた1枚。
札幌を拠点に世界的評価を集めるプロデューサーKuniyuki Takahashiが、2012年に発表した名作『Feather World』が待望のアナログ・リイシュー。本作では世界各地のミュージシャンとのコラボレーションが大きく広がり、Bugge Wesseltoft、Henrik Schwarz、板橋文夫、Anne Clark、Sona Diabatéなど、ジャンルも国籍も異なるアーティストが参加し、Kuniyukiのディスコグラフィの中でも特に音楽的越境が際立っている。「Inner Groove」「The Session 2」では、ジャズの即興性とディープハウスが溶け合い、「Before Creation」「After Creation」ではアンビエント的な静けさとスピリチュアルな気配が漂う。さらに、ギニアの伝統的な音楽を現代に伝える偉大な女性歌手Sona Diabatéが参加する「Afric Univers」は、生命力溢れる歌声と西アフリカのリズムが、Kuniyukiの漆黒のディープ・グルーヴと有機的に絡み合う、本作を象徴するトライバル・ハウス。他者のルーツに対する深い敬意と、それを一つの壮大な物語へと昇華する編集力が存分に発揮された名盤。
1972年に日本でのみリリースされた伝説のライヴ・アルバム。
一切の駆け引きなし。抜き身のロイ・エアーズがグルーヴの神髄に迫る。
世界を虜にしてきたヴィブラフォン奏者、ロイ・エアーズ。名作を挙げればキリはないが、なかでもその内容と希少性から支持されてきたのが本作『Live At The Montreux Jazz Festival』だ。ユビキティ名義での最初期作品であること、数少ないライヴ録音であること、そして日本盤のみしか制作されなかったこと。いくつかの要素が重なり、その存在は伝説となっている。熱に浮かされたような「Daddy Bug」、クールかつサイケデリックな「In A Silent Way」、ハリー・ウィテカーのヴォーカルをフィーチャーした激グルーヴィな「Move To Groove」、緩急のある展開がエキサイティングな「A Cup Of Tea」。エッジの効いた演奏はこの時期のロイ・エアーズの充実と、来たるべきユビキティの黄金時代を思わせる。これぞまさに、熱狂のライヴである。

USプレスの180g重量盤ブラック・ヴァイナル、帯付きラミネート加工Stoughton社製チップオン・ゲートフォールド・ジャケットの豪華な仕様。Cohranファミリー提供による未公開写真+Adler Planetariumのオリジナル・プログラムノートを掲載した4ページ・インサートも封入。
Stones Throw Recordsが新たに立ち上げるインプリント〈Listening Position〉の第1弾リリースとして、Kelan Phil Cohran & Legacyによるスピリチュアル・ジャズの名作『African Skies』が待望のリイシュー。
2010年に限定1,000枚のみでアナログ・リリースされた本作は、長年にわたり廃盤状態が続き、ジャズ・コレクターの間では“聖杯(ホーリー・グレイル)”と称される幻の一枚。中古市場では500ドル以上で取引され、Discogsでは数千人が「Want」登録するなど、再発が強く望まれてきた作品だ。今回のリイシューは、この深遠な録音作品の決定版とも言える内容となっている。
Kelan Phil Cohranは、アフロ・フューチャリズムを切り拓いた伝説的集団Sun Ra Arkestraのメンバーとして活動し、数々の名盤に参加。さらに1960年代には、自身のバンドThe Artistic Heritage Ensembleを率いてオリジナル作品を発表し、マルコムXへのトリビュート作品など、現在も高い評価を受けるコレクターズ・アイテムを残している。
また彼は、Earth, Wind &Fire、Chaka Khanらに影響を与えた教育者・メンターとしても知られ、8人の息子たちが在籍したシカゴのブラス・バンドThe Hypnotic Brass Ensembleの精神的支柱でもあった。

Roy Ayersが ジャズ・ファンク路線を確立しつつあった黄金期のUbiquityが、NY・Electric Lady Studiosで録音した1974年の名作『Change Up The Groove』。ファンク、ソウル、ジャズが溶け合い、よりポップで洗練された都会のグルーヴへと進化した一枚。カバー曲が多いのも特徴で、Stevie Wonder「Don’t You Worry ’Bout A Thing」やRoberta Flackの大ヒットでも知られるEugene McDaniels作詞作曲「Feel Like Makin’ Love」など、当時のブラック・ミュージックを象徴する名曲を、Ayers流のメロウネスとファンクネスで再構築。ヴィブラフォンの透明感、エレピの柔らかいタッチ、タイトなリズム隊が織りなすグルーヴは、70年代NYの空気をそのまま閉じ込めたような心地よさ。中でも「The Boogie Back」は、重いドラムブレイクとファンキーな展開でクラブ/レアグルーヴ文脈でも人気の高いキラートラック。メロウで都会的、かつファンキーなUbiquityサウンドの魅力が凝縮された一枚。
ブラジル音楽を代表する作曲家、シンガーのマルコス・ヴァーリが残した初期の名作がなんと50年以上ぶりの初のレコード再発。ボサノヴァ、サンバジャズ、サイケ・フォーク、モダン・ソウルへと自在にスタイルを変えながら常に第一線で活躍してきた彼の、そのキャリアの中でもボサノヴァの基礎を築いたと語られる重要な一枚。ブラジル音楽史上もっとも愛される名曲「Samba de Verão」を収録し、兄パウロ・セルジオとの名コンビによる流麗なメロディが全編を貫く。柔らかくどこか儚げな歌声、夜の静けさを思わせるアコースティック・ギター、そしてエウミール・デオダートらによる優雅なストリングス・アレンジが、ボサノヴァの繊細さとMPBの広がりを美しく結びつけている。都会的で爽やかな質感の中に、ブラジル音楽特有のほのかな哀愁が漂う、60年代作品の中でも特に完成度の高い一枚。

グラミー賞も受賞したラテン楽団=グルーポ・ファンタズマとブラウンアウトのメンバーで構成されるバンド、マニー・チーチャ(Money Chicha)の3枚目フルアルバムが到着! ニューオーリンズのマリニー・スタジオでレコーディングされたこのアルバムは、エキゾチックなテクスチャー、ヴィンテージ・オルガンのうねり...。彼らの特徴ともいえるサイケデリック・クンビア~アマゾニカ・サウンドをさらに深めた傑作だ。
テキサスのラジオ局KUTXはこう評する。「マニー・チーチャを聴くと、LSDを摂取し、テキーラを数杯飲み干し、飛行機に乗って1960年代のペルーへ飛んでいるような気分になる…脳を再構築し、魂を目覚めさせ、かつて訪れたことのない場所へと連れて行ってくれるような音楽だ」
そこに南テキサス特有の威勢の良さ、強烈なラテン・ファンクの香りが加わった本作『Onda Esotérica』はバンド史上最も冒険的なサウンドに仕上がった。なかでもアフロサウンドによる早すぎたエキゾクンビア「Cumbia Arabe」のカバーは秀逸。儀式と啓示が等しく融合した万華鏡のようなサウンドは、他のエキゾサイケ~クンビア・リバイバル・バンドとは一線を画す出来栄えと言えるだろう。
オリジナルは$200は下らないChic Chocolate他、レア音源満載!インド映画音楽の宝庫から、魅力的なインストゥルメンタル・トラックにフォーカスした人気シリーズ第2弾『Bollywood Nuggets Vol. 2』。Charanjit Singh、R.D. Burman、S.D. Burman、O.P. Nayyar、Kalyanji-Anandji など、ボリウッド黄金期を支えた巨匠たちのレア音源を多数収録した、濃厚な内容。サイケデリックなシンセ、ホーンの強烈なリフ、タイトなファンク・ビートが入り混じる、ボリウッドならではのエネルギッシュなグルーヴが満載。映画音楽らしいシネマティックなアレンジが随所に光りつつ、エキゾチックなメロディや独特のパーカッションが生み出す辺境感も魅力的。映画音楽としては数が多いわけではないにも関わらず、ボリウッドの魅力が凝縮されたインストゥルメンタルという切り口で彼の地の深い音楽文化を楽しめる一枚。

スペイン電子音楽のパイオニア、Eduardo Polonioの初期キャリアを総括する決定的アーカイヴ作品『Obra electroacústica 1969–1981』。Alea Electronic Music Laboratory、Phonos、Electroacoustic Music Cabinet など、スペイン各地の電子音楽スタジオで制作された1969〜81年の重要作を、マスターテープからのリストアして収録した本格的アンソロジー。荒々しい電子ノイズがむき出しの初期作品から、環境音や声をコラージュした音響作品まで、Polonioの創作の幅と実験精神がそのまま刻まれている。エレクトリック・ギターとベースを素材に、アンビエントの萌芽とフリージャズ的な揺らぎ、サイケデリアが交差する独特の質感を持った異色のエレクトロアコースティック「Continuo」など、珍しい音楽性も光る。電子音楽がまだ手作業の実験だった時代の空気と、技術の進化に伴う音響美学の深化を一望できる構成は、アーカイヴ作品としても非常に秀逸。スペイン電子音楽史の核心に触れられる一枚。

即完売だった人気盤!ジャマイカ出身のシンガーであり、ルーツ・レゲエの重要人物、〈ON-U SOUND〉でも活躍したBim Shermanが1988年に発表したダブ・アルバムで、King Tubby、Prince Jammy、Adrian Sherwood ら名匠がミックスを手がけたダブ黄金期の集大成とも言える作品『Ghetto Dub』。長らく入手困難だった名盤が〈Week‑End Records〉よりめでたくリイシュー!深く沈むベースと、空間を切り裂くようなエコー、ボーカルを排し、リズムと残響だけで世界を構築するストイックな美学は、80年代ジャマイカのスタジオの空気感がそのまま刻まれた生々しいダブ。名匠たちの手によるミックスが光り、Bim Sherman の静謐でスピリチュアルな世界観が結晶した一枚。Adrian Sherwood の関与により、ジャマイカ本流の温かさに、UKアンダーグラウンド特有の硬質さが加わっているのも印象的。Sly & Robbie、Style Scott、Bingy Bunny、Roots Radics ら、ジャマイカのレジェンドも多数参加。

トイピアノや小型楽器を駆使した独自のアヴァン・ポップで知られるPascal Comeladeが、40年にわたり録りためてきた私的ヒットパレードを一枚にまとめたコンピレーション『Métaphysique Du Hit‑Parade』。Ramones「Sheena Is A Punk Rocker」、Jonathan Richman「Egyptian Reggae」、The Kinks「Sunny Afternoon」、MC5「Ramblin’ Rose」など、ロック史を横断する名曲を、原曲の影だけを残してまったく別の生命体へと変換するコムラード流カバーとして収録。トイピアノのチリチリとした響き、ミニマルに反復するフレーズ、奇妙なユーモアと温かいノスタルジー。ロックの名曲が夢の中の残響のように歪み、柔らかく再構築される。さらに Bob Dylan「Girl from the North Country」とNirvana「Come As You Are」は本作のための新録音。ロックの記憶を自分の言葉で語り直すような、個人的でありながら普遍的なカバー・アンソロジー。

6月下旬再入荷。2026年リプレス!永遠の金字塔『Gobi』の〈Astral Industries〉からのアナログ化に続き、超弩級のリリースが到来!オリジナルは、1997年に〈Basic Channel〉の伝説的サブレーベル〈Chain Reaction〉より発表されていた、ドイツのダブ・テクノの偉才Robert Henke a.k.a. Monolakeによる歴史的ファースト・アルバム『Hongkong』が〈Field Records〉より待望のアナログ・リイシュー!!!! MonokakeのRobert HenkeとGerhard Behlesがコンピューター・サイエンスを学び、ベルリンのテクノ・シーンに没頭していた頃に作られたアルバムにして、初期のシングル・コレクション的作品。Porter RicksやVladislav Delayといったレジェンドが残した画期的な作品と並んで、このジャンルのクラシックとしての重要なリスニング体験を担う作品です。リマスタリング仕様。初めて完全なダブル12インチ・パッケージとしての発売。ヘンケ自身が「25年経った今でも、このレコードは私にとって様々な意味で計り知れない価値を持っている」と説明しているように。実験的なテクノの進化を語る上で欠かせない作品の決定版です!
バリの革新的作曲家Dewa Alitが率いるGamelan Salukatによる最新作。Dewa Alit自身が設計した11音階の独自調律のガムラン楽器群と、インドネシア出身のピアニストSri Hanuragaを迎え、ガムランとピアノが衝突しながらも一体化していくダイナミックな構造。金属的な倍音が渦を巻くガムランの層に、ピアノの打鍵が切り込むことで生まれるポリリズムは、アコースティックでありながら電子音楽のような鋭さを持つ。高速反復やミュート奏法が生む異常に精密で推進力のあるリズムの塊、そしてガムラン特有の揺らぎが共存し、聴くほどに迷宮へ引き込まれる。安易なクロスオーバーではなく、異なる調律とリズム体系がぶつかり合うことで生まれる新しい音響による先鋭的なリズム・サイケデリア!

民俗音楽のルーツと言語を軸にしつつ、声・アコーディオン・ギターを再構築するアコースティック・アヴァン・トリオRadisによる、イタリアとノルウェーをまたぎ、3年にわたる録音を経て完成した初録音作『Radis』。Andrea Giordanoが歌うのは、絶滅の危機にあるピエモンテ語の詩人たちのテキストで、言語そのものの響きを音として扱うアプローチが、静けさの中に深い情感を浮かび上がらせる。Kalle Mobergのアコーディオンは微細な揺らぎや空気の震えを強調し、Jo David Meyer Lysneのギターは楽器というより、木材や弦の振動そのものを触っているような質感が前に出ている。オープニング曲にはMario Gabolaがゲスト参加し、拡張奏法によるアルトサックスがさらに音響的な奥行きを加える。息づかいやノイズの細部まで丁寧に浮かび上がらせ、空間そのものが音楽として立ち上がるような立体感あるミックスも含めて、フォークの影とアヴァンギャルドの実験精神が自然に溶け合う、静謐かつ前衛的な北イタリア音楽。

Wareikaのギタリストとして知られるHenrik Raabeが、〈Mule Musiq〉から届ける初のソロ・アルバム『LDS』。ジャズ、アフロ、ダブ、ニューエイジ、アンビエントが自然に溶け合う、ジャンル横断型のダウンテンポ作品で、生音の温度感と電子音の透明感が絶妙に混ざり合い、Studio Mule的な音響と質感を重視した佇まいを持っている。ギターは旋律を主張するのではなく、空気の揺れや残響をデザインする音響素材として扱われ、柔らかな陰影をアルバム全体に与えている。The Durutti Column、Dennis Bovell、Virginia Astleyらを思わせる、抒情的かつ夢幻的な淡いノスタルジーが漂いながら、ドイツ的なミニマリズムで引き締められたサウンドは、どこか旅の情景を思い起こさせる。地名を思わせるタイトルが象徴するように、曲ごとに風景が変わるシネマティックな構成も魅力的で、耳に優しく、心に深く染み込む一枚。
