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実験的エレクトロニック・ミュージックの先駆者として知られる伝説的バンドのSeefeel。1990年代初頭にロンドンで結成され、シューゲイズとエレクトロニックを横断する最も革新的なグループのひとつとして頭角を現した彼らは、重層的なサウンドスケープ、ミニマルなリズム、そしてアンビエントな感性で、本作『Pure, Impure』の後には、エレクトロニックやテクノを軸に多彩な作品を輩出してきた名門〈WARP〉からもリリースを残している。
今回初めてアナログ盤としてリリースされる本作には、1993年に〈Too Pure〉より発表された「More Like Space」「Plainsong」「Time to Find Me」の3作のEPを収録。Aphex Twinによるリミックスや、未発表デモ音源「Moodswing」も含まれた全11曲入り。リマスタリングは名門Abbey Road StudiosにてGeoff Pescheが担当し、アートワークも新たに再構築されている。

最初期ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのドラマー、ラ・モンテ・ヤングのシアター・オブ・エターナル・ミュージックの一員でもあったアンガス・マクリーズ。オリジナルは2015年にニューヨークの出版社Pleasure Editionsより限定100セットでリリースされた3本組カセット[Tapes]を3CDボックスで初復刻。現在はコロンビア大学の図書館に所蔵されている100時間に及ぶオープンリール・アーカイヴから抜粋した音源であり、60年代末から70年代後期までの様々なスタイルのソロ及びセッションをラフに紡いだ異様な編集を特徴とする作品。盟友トニー・コンラッドや、後にコイル、カレント93のメンバーとなるウィリアム・ブリーズと行なった数種のセッション、アイラ・コーエンのフィルム“The Invasion of Thunderbolt Pagoda” の撮影中に録音された秘蔵テイク、アンガス本人がレコーディングを行なったチベット僧侶のパフォーマンスまで、彼とコラボレーター達による過激でミステリアスな記録をノンストップで纏め上げた全3時間に及ぶ集成。ジム・オルークによる2023年リマスタリング版を収録(カセット版とは異なる正確なトラック分割を行いました)。
オリジナルアートワークを使用したディスクスリーヴ、貼箱仕様、ポスター、トラックリスト付き。
William Devaughnによる1974年のフィリー・ソウル名曲を収録した12"『Be Thankful For What You Got / Blood Is Thicker Than Water』がリイシュー! 「Be Thankful For What You Got」は、キャデラックを持たなくても誇りを持てというメッセージを込めたメロウ・グルーヴで、後にN.W.AやMassive Attackなどにサンプリングされた名曲。 B面の「Blood Is Thicker Than Water」も同様に温かみのあるソウル・トラックで、彼のキャリアを代表する両面とも高品質な名作シングル。

The Beatlesの名曲The Long And Winding RoadやAcross The Universeのアレンジを手掛けたことでも知られる才人Richard Anthony Hewsonによるソロ・プロジェクトRAH Bandによるスペースエイジ・ポップの金字塔『Mystery』が、リリースから40周年を記念して待望のリイシュー。クラシック、ジャズ、ファンク、エレクトロ・ポップを独自の手法で融合させてきた彼のキャリアにおいても、本作は音楽性とチャート・ヒットの両立を見事に果たした重要作。先行シングル「Are You Satisfied?」で披露された進化系ジャズ・ファンク・サウンドもさることながら、特筆すべきは「Clouds Across The Moon」。宇宙を越えた恋愛劇というレトロ・フューチャー的な世界観を、ヴィヴィッドなエレクトロと共に描いたこの楽曲は、1985年のUKチャートで6位を記録し、一躍ポップ史にその名を刻むこととなる。クラシック由来の陶酔感のあるスウィートでスペイシーなストリングス・アレンジに、黒人音楽由来のベース、ソウルフルでメロウな女声ヴォーカルが奇跡的に混ざり合った傑作。チープになりかねないコンセプトと、抜群のメロディとアレンジが出逢った、重厚感はないけれど薄っぺらでもないという、けっこう不思議な魅力が尽きない一曲。その他にも、現在もクラブでプレイされるシンセ・ジャズの名曲「Float」や、Steven Julien aka Funkinevenの『DJ Kicks』にも収録されたサックスが冴える「Out On The Edge」など、全8曲が粒ぞろい。ジャンルの垣根を越えた音作り、そして時代を超えて愛されるポップ感覚は、RAH Bandの本質を最も端的に示す傑作!!
オリジナルは1979年にリリースのBarrington Levyのキャリア初期を代表する名盤『Bounty Hunter』。ルーツ・レゲエから初期ダンスホールへとジャマイカ音楽が移行する過渡期を見事に捉えており、Channel Oneスタジオ録音、The Revolutionariesによる演奏とScientistのダブ・ミックスが、Levyの若々しくも憂いを帯びたヴォーカルを際立たせている。「Shaolin Temple」「Moonlight Lover」「Bounty Hunter」などの楽曲は、力強さとメロディアスさが共存する魅力に満ちており、このアルバムは、Barrington Levyのキャリアの礎となり、後のヒット作への布石となっただけでなく、ジャマイカ音楽の変革期を捉えた歴史的な記録としても高く評価されている。レゲエ・ファンはもちろん、ダンスホールのルーツを探る上でも欠かせない一枚となっている。

シアトルの名門〈Light in the Attic〉によるニューエイジ・リバイバルに多大な影響を及ぼした国産アンビエント集成『Kankyo Ongaku 』でも紹介された日本のアンビエント・ミュージックの先駆者、菅谷昌弘による87年の超入手困難なカセット作品『熱の風景(The Pocket Of Fever)』が、新興レーベル〈Ambient Sans〉より初のアナログ再発!小池博史設立の舞台芸術カンパニー/パフォーミング・アーツ・グループ〈パパ・タラフマラ〉の音楽監督としての舞台音楽の制作やNHKテレビ番組『中学生日記』の劇伴制作、編曲家としてのゴンチチのスタジオ・アルバムへの積極的関与、 〈GRM〉から委託された長編音響インスタレーションの制作まで、実に多岐に渡る活動を繰り広げてきた同氏。劇団のパフォーマンスのサウンドトラックとして制作され、公演で配布されていた大変希少な作品。本作収録楽曲のうち3曲は、先述の〈Light in the Attic〉から発売された菅谷作品のコンピレーション作品『Horizon, Vol. 1.』にもピックアップされています。伝統的な日本の音楽の要素と現代音楽の作曲技法、ポスト・ミニマリズムやフォーク、ラテンのフィーリングなどを独自のブレンドで折衷した、深く刺激的で親密な音の風景が広がる国産ニューエイジ大傑作!リマスタリング仕様。全国産アンビエント~環境音楽ファンマストアイテムです!
ジャズ・ピアニストBob Jamesが1974年に〈CTI〉レーベルから発表したソロ・デビュー作で、スムース・ジャズの原点とも言える重要作が〈Endless Happiness〉より高音質45回転盤仕様で嬉しい再発。洗練されたアレンジとエレクトリック・ピアノの美しい響きが印象的な冒頭の「Valley of the Shadows」から、パッヘルベルのカノンをベースにした「In The Garden」、後に数多くのヒップホップ楽曲でサンプリングされ、伝説的なトラックとなった「Nautilus」など多彩な名演と名曲が揃う。アレンジにはストリングスやホーンも用いられ、映画音楽のようなドラマティックな構成も魅力で、クラシック、ファンク、ジャズが融合したサウンドは、ジャンルを超えて多くのリスナーに影響を与えた。Bob Jamesの洗練された音楽性と、豪華なプロダクションが融合した傑作。

チリ出身でニューヨークを拠点とするサウンド・アーティストRafael Anton Irisarriによる、壮大さと繊細さが同居する現代のアンビエント/エクスペリメンタル音楽における金字塔的作品がリリースから10周年を記念してリマスター再発!今回の再発では、自然に囲まれた孤独な環境で制作され、内省的で深い没入感を持つ音響世界が展開される本作品が、2015年のオリジナル盤が持っていた静謐な美しさはそのままに、リマスタリングによって音の奥行きと繊細さがさらに際立ち、まるで空気の振動まで感じられるような仕上がりになっている。深く沈み込む低音と、微細に揺れるテクスチャが織りなす、圧倒的な没入感。静寂の中に響くメランコリックなメロディが美しく、聴く者の内面に静かに語りかけるような深みを持つ。新装されたアートワークも作品の世界観と呼応し、視覚的にもその静謐な美学を補完する充実の再発。
シューゲイザーとアンビエントの境界を探るlovesliescrushingの名作デビュー作『Bloweyelashwish』。1992年、12弦ギターと4トラックのカセットMTR、ループペダル、そして深いリヴァーブだけで組み立てられた音響は、きらめきと靄が入り混じる夢のような質感をもっており、スコット・コルテスのギターのディストーションはノイズでありながらも優しく、メリッサ・アルピン・ドゥイムストラの声は言葉を超えた気配として響く。バンドサウンドとしてのビートを放棄し、甘美な轟音とウィスパーヴォイスだけが響き続ける耽美的な世界。今回のリイシューではリマスターに加え、当時の未発表曲5曲を追加。歌詞やポストカードも付属し、作品の内奥により深く沈み込める仕様となっている。轟音のまぶしさではなく、むしろ、目を閉じることを促すようなこの音楽は、単なるシューゲイザーの名盤にとどまらず、私的な夢の記録でありながら、今なお多くのリスナーを包み込む無限の広がりを感じさせる。

スフィアン・スティーヴンスが2015年に発表した『Carrie & Lowell』が、10周年を記念して特別仕様でリイシュー!静謐で美しいサウンドと、母の死をテーマにした痛切な歌詞が融合し、彼のキャリアの中でも最もプライベートかつエモーショナルな作品として、多くのリスナーの心を掴んできた。アコースティックギターや繊細なエレクトロニクスを駆使しつつ、スフィアン・スティーヴンスの内省的で儚いボーカルが際立っており、シンプルなアレンジながら、感情の深みと緻密なサウンドスケープが融合している。Nick DrakeやElliott Smithのようなフォーキーな雰囲気に、スフィアンらしいクラシカルなアプローチが加わっているのも魅力のひとつ。今回の『Carrie & Lowell – 10th Anniversary Edition』には、未発表のデモ7曲を収録。楽曲の原型や制作過程を垣間見ることができ、アルバムがどのように生まれたのかをより深く感じられる内容となっている。また、カバーアートが新たにデザインされ、スフィアン自身がアルバムを振り返るエッセイを執筆。さらに、美しくデザインされた40ページのブックレットも付属し、作品の世界観をより豊かに味わうことができる。
フリクションのドラマー、チコ・ヒゲによる、オリジナルは1985年リリースのソロ名義セカンド作『Trap』。サウンドはまさにノーウェイヴ直系で、鋭角的なギター、捻じれたサックス、暴走するリズムが絡み合い、混沌の中に奇妙な統一感を生んでいる。ニューヨークのDNAやマーズあたりを思わせつつも、どこか湿った空気感や独特の転がらないビート感覚はやはり日本的。フリクションでのドラミングを土台にしつつ、より過激で自由度の高いアプローチが試みられており、全体を通して強烈な推進力とヒプノティックなグルーヴが支配していて、実験性と身体性が同時に走っている。ジャズ的な即興のニュアンスも垣間見える一方で、パンクの粗暴さとノイズの美学が前面に出ており、制御されたカオスとでも呼ぶべきサウンドを形成している。80年代日本のノーウェイヴを象徴する重要作にして、チコ・ヒゲの革新性を刻み込んだ孤高の一枚。
オリジナルは世界中のコレクターを魅了している国産エキゾチカ・ジャズの大大大名作がなんとリイシュー!細野晴臣、石川鷹彦、松任谷正隆の三巨頭による79年傑作インストゥルメンタル・アルバム、エーゲ海(the AEGEAN SEA)がLP復刻です!アートワークからしてもう間違いなし。世界へと轟いた和ジャズ・フュージョンの威光とギリシアの伝統音楽が混じり合い、南欧の白塗りの街の風景へと想いを馳せる、潤沢なバレアリック・グルーヴが輝かしく響き渡る国産スムース・ジャズ・フュージョン一大傑作。これは音楽好きなら一度は聞いておきたい一枚。もちろん一推しです!限定につきお見逃しなく!
1960年代に数々のジャズ・バンドを率い、チェット・ベイカー、ボビー・ジャスパー、ルネ・トーマス、バディ・コレット、コンテ・カンドリ、ジャック・ペルツァーなど錚々たる顔ぶれと仕事をしたイタリア人ピアニスト兼作曲家、Amedeo TommasiがRCAの伝説的な 「Original Cast 」シリーズの一枚としてJarrell名義で制作した1974年作『Industria 2000』が、ミラノを拠点としてイタリアの過去の影に分け入り、2020年にリリースされた驚異的なエンニオ・モリコーネとブルーノ・ニコライのボックス・セットや、ピエロ・ウミリアーニの作品に特化した取り組みから、伝説的なクランプスのカタログの垂涎のアルバムの数々までを次々とリリースする〈Dialogo〉より初となるヴァイナル・リイシュー!無名でハイクオリティな音楽の宝庫であるイタリア・ライブラリー・ミュージックの中でも最も先鋭的で最高の実験的作品である本作は、野性的でアヴァンギャルドなエレクトロニクスとシンセサウンドの純粋で輝かしい抽象性が、ジョン・カーペンターのシンセを取り入れたサウンドトラックや、インダストリアル・ミュージックやノイズのイディオムを予感させると共に、全体に垣間見えるポップさが絶妙で、イタリアン・ライブラリー・ミュージックの素晴らしさを紹介する完璧な入門盤となると同時に、ファンにとっては最大級の聖杯と言える一枚!限定300枚。リマスター済。
1976年、トレンチタウンにてトレヴァー・ボウを中心に結成された、ルーツ・レゲエ黄金期にあって、熱いメッセージと洗練されたコーラス・ワークで注目を集めたヴォーカルトリオSons Of Jahの、1980年にリリースされた、ジャマイカを代表する名門Treasure Isleスタジオで録音された『Reggae Hit Showcase』が〈Solid Roots〉よりリイシュー!参加ミュージシャンの顔ぶれも豪華そのもので、ベースにはアストン“ファミリー・マン”バレット(The Wailers)、ギターにアール“チナ”スミス、ホーンはスカ〜レゲエを支えた伝説的トロンボーン奏者リコ・ロドリゲスが参加。バック・ヴォーカルには女性コーラス・グループNegus Dawtasを迎え、ヴォーカルと演奏の両面から深い表現力を支えている。ルーツ・レゲエ特有の太いグルーヴとスピリチュアルな雰囲気に加え、数曲のインストゥルメンタル・トラックがアルバム全体に豊かな抑揚を与えており、単なる歌モノにとどまらない広がりを感じさせる内容。宗教性や社会意識を孕んだリリックと、プレイヤー陣の職人芸が交錯した、深く染み入るような一枚。
完全リマスター&ライセンス盤。ルーツ・レゲエの金字塔的名作!1978年に〈Ball Record〉からリリースされたブリティッシュ・レゲエ・バンドEclipseの唯一のアルバムを、エクステンデッド・ヴァージョンで初リイシュー!Steel Pulseと共にバーミンガム最高のレゲエ・バンドの座を争った、70年代後期から80年代中期にかけてのブリティッシュ・レゲエ・シーンの秘宝の一角!オリジナルに収録された8曲に加え、バンドのラスト・シングルの両面と未発表曲が数曲収録された拡張版仕様。限定500部。
実験音楽史における重要な一作であるリチャード・マックスフィールドの1969年作『Electronic Music』が〈PAROLE〉よりリイシュー!フルクサスに参加し、ラ・モンテ・ヤングやデヴィッド・チューダーらと深く関わっていた1960年代初頭に制作された電子音楽/ミュージック・コンクレート作品を収録しており、「Pastoral Symphony」は連続的な電子音によるサウンドスケープで、当時としては革新的な試み。「Bacchanale」では、ジャズや韓国民謡、スポークン・ワード、テリー・ジェニングスのサックスといった異種素材をコラージュ的にミックス。「Piano Concert for David Tudor」は、ピアノの内部奏法に加えてアンプリファイした金属音などが交錯し、アンダーグラウンドな緊張感を持っている。そして「Amazing Grace」では、異なるスピードのテープループを重ねることで、のちのスティーヴ・ライヒやテリー・ライリーを先取りしたようなミニマル的手法を見せている。60年代の電子音楽の可能性を大きく広げ、ミニマリズムや現代音楽の源流にも連なるこの作品は、今なお刺激的な響きを持っている。アナログ盤でこそ際立つヴィンテージ機材や手作業的コラージュの質感がたまりませんね!
1974年、名門〈Canopo〉レーベルからひっそりとリリースされたPaolo Ferraraの『Sound』が、〈Sounds From The Screen〉より初の正規リマスター再発。全編にわたってグルーヴあふれるパーカッションとキレのいいブラス、ファズの効いたギター、浮遊感あるエレピといった映画的で緊張感のあるサウンドスケープを展開。Ferraraらしい実験性とセンスの良さが、ライブラリー音源の枠を超えてアルバム作品としての完成度を保っている。今なお現役で通用するような生々しいファンク感覚と、ジャンルを横断するアレンジ力は驚異的で、レアグルーヴ、ジャズファンク、サイケデリック、イージーリスニング、電子音楽の間を縫う、まさに70年代イタリア音楽の粋が詰まった一枚。ライブラリー、サントラ好きはもちろん、現行のレアグルーヴやレフトフィールド・クラブ・ミュージックに惹かれるアピールする、真にエヴァーグリーンな一枚。


2025年リプレス!シーンの枠組みを越えて多大なリスペクトを浴びてきた我らがジム・オルークの2020年名作が待望のリプレス。石橋英子(ピアノ)、波多野敦子(ヴァイオリン、ヴィオラ)、Eivind Lonning(トランペット)を迎えたアンサンブル編成となっており、自身の若き頃と、名声を得たのちという30年もの時を超えた、2度に渡るGRMへの訪問からインスパイアを得た壮大な一作。散文的なインプロヴィゼーションと、徹底したミニマリズムを土台に、フィールド・レコーディング素材やエレクトロニックなテクスチャーの構築美の妙を見せつけながら、果てしなく予測不可能なゾーンへと突入した35分13秒。驚異的なバランスで抑えられ、整えられた音場ですが、このような静寂のなかに在っても決して内に秘めた熱を失うことがありません。
ダイナミック・レンジが広範であるため、リスナーは適宜ボリュームを調整する必要があるとのこと。これは絶対にお見逃し無く!!
オリジナルは1970年にリリースされたFunkadelicのセルフタイトル・デビュー作が、〈Org Music〉による〈Westbound Records〉再発シリーズの一環として、マスターテープからの丁寧なリマスタリングを経て音質も格段に向上してのリイシュー。本作は、ジャンルの境界を突き破るカオティックでスピリチュアルなグルーヴに満ちており、Motown的な洗練とは真逆をいく、荒削りで予測不能なブラック・サイケの金字塔。歪んだギター、即興性、スピリチュアルな曖昧さを武器に、黒人音楽の可能性を一気に拡張してみせた。Eddie Hazelのギターをはじめとする若きバンドメンバーの熱量と、George Clintonのストリート哲学が融合した、混沌と自由の音楽革命。
セカンドウェイヴ・エモの熱が冷めつつあった2003年、その余波に身を置きながらも、The Appleseed Castはまったく別の方角を選んだ。それまでのキャリアで築いてきたポストロック的な構造美と、エモ由来の感情表現を融合させながら、感情をむき出しにすることなく、それでも深く胸に届く広がりのある音を紡ぎ出した名盤『Two Conversations』。オリジナルは〈Tiger Style〉からリリースされ、今なお彼らの最高傑作とされている。アコースティック・ギターの細やかなアルペジオ、ドリーミーなキーボードとシンセ、そしてやわらかくも芯のあるヴォーカルが溶け合い、愛や喪失、その間に広がる空白を静かに描き出す。激情ではなく、内省。ドラマチックではなく、詩的な余白。全体を包むのは、映画的な空間性とテクスチャー。全体としては非常にメロディックでありながら、感情を過剰に押し付けることなく、あくまで静かに寄り添うような音楽となっている。90年代中盤のエモやスローコアの精神を継承しつつ、さらに洗練されたサウンドに昇華させたような一枚。

東京拠点のアメリカ人アーティストWill LongによるアンビエントプロジェクトCelerの膨大なカタログの中から『Perfectly Beneath Us』が〈Field Records〉より再発。元々2012年にCD-Rでリリースされていた本作は、Stephan Mathieuがリマスターを担当し、今回初めてのアナログ盤として登場!Celerは2005年にカリフォルニアでWill LongとDanielle Baquetの共同プロジェクトとしてスタート。Baquetが2009年に亡くなるまで、二人で数多くの作品を自主リリースしていたが、その後もLongはCelerを続け、純粋なアンビエント音楽の探求を深めていった。『Perfectly Beneath Us』は、その中期の作品として、ゆったりとした動きと繊細な表現が特徴的な4つのピースを収めており、Celerの世界に触れるための理想的な入口となる。じっくりと聴くことで深く響く一方、ただ流し聴きするだけでも心地よく響く一枚。

いまだかつて、これほどまでにスリリングで美しいサウンドトラックがあっただろうか。名匠・前田憲男が手掛けた、シネジャズの最高峰。
1971年に公開された映画『3000キロの罠』。田宮二郎製作/主演、福田純監督による本作は、「鹿児島から北海道へ、日本を縦に裂いて突っ走るスポーツカー」のキャッチフレーズ通り、全編で三菱ギャランGTOが駆けるサスペンス・アクション。アメリカン・ニューシネマの傑作『バニシング・ポイント』と比較されることも多いロードムービーである。音楽を手掛けたのは名匠・前田憲男。華麗にコーナリングするピアノ、颯爽と駆け抜けるヴィブラフォン、力強く疾駆するベース、ギアを上げてゆくドラム。躍動と静寂、執念と欲望、歓喜と悲哀。スリリングな演奏と美しい旋律が、映画の魅力を最大限に引き出す。サウンドトラックとしてはもちろん、1971年当時の“日本のジャズ”としても尋常ならざるクオリティである。これほどの演奏。正確なパーソネルが判明していないのが残念だが、かねてから猪俣猛率いるサウンド・リミテッド(もしくはザ・サード)の関連が囁かれている。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
トラックリスト:
Side A
1. ハイウェイの影~第一の疑惑
2. 待っていた女~第一の罠
3. ハイウェイの影~メイン・テーマ
4. 謎の女~罠!?
5. 待っていた女~メイン・テーマ
6. ハイウェイの影~罠への挑戦
Side B
1. 幸薄の女~奈美子の追憶
2. 謎の女~メイン・テーマ
3. ハイウェイの影~敵を求めて
4. 幸薄の女~メイン・テーマ
5. 待っていた女~ヴァリエーション
6. ハイウェイの影~悲しい結末
作曲・編曲・指揮:前田憲男
サンフランシスコのカリスマ・スケーターにしてマルチ奏者、トミー・ゲレロによる名盤『Soul Food Taqueria』が、〈Be With Records〉による再発プロジェクトの一環として、もともと1枚に収められていた音源を本人協力のもと高音質でリマスタリングし、180g重量盤2LP仕様・見開きジャケット仕様で再発。オリジナルは2003年リリースの3rdアルバムで、ジャズ、ファンク、ラテン、ヒップホップが融合したチルアウトな傑作。西海岸の陽光を感じさせるメロウなグルーヴと、内省的なムードが絶妙に溶け合っていて、どの曲もとにかく心地よい。アルバム全体が一つの流れのようにまとまっていて、どこから聴いても気持ちが上がる。まるでソウルフードのように滋味深く、聴く者の心を満たす名作。
