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徹底したアヒンサーを提唱実践、「ノイズ」の枠を超越したオルタナティヴな表現を試み続けるジャパノイズ伝説、Merzbowによる『Paulownia』がルーマニアの〈Sun & Moon Records〉からリリース。強烈な電子音の操作と、彼が長年抱き続けている自然現象への心酔が融合した、2曲の長大なコンポポジション。Merzbowらしい高密度ノイズの壁が立ち上がりながらも、内部には微細な粒子の動きが絶えず渦巻き、物質的でありながら瞑想的。自然物のイメージがデジタルノイズの中に溶け込んでいるかのような、素材感と電子処理の融合が特に鮮烈な一枚。

ディープ・リスニングの巨匠ポーリン・オリヴェロス、21弦箏奏者でサウンドアーティストの正岡みや、日本の無形文化財に指定された、清虚洞一絃琴の宗家四代目、峯岸一水。異なる文化圏と音楽観を持つ3名が、ニューヨークのドリームランド・スタジオで2日間にわたり行った即興セッションを収めた2枚組作品。オリヴェロスのアコーディオンが空間を柔らかく満たし、箏と一絃琴が細い糸のように音を紡ぎ、3者の呼吸が一つの場を形成する。旋律というより響きの気配そのもので、日本の古楽器と西洋の電子アコーディオンという、本来なら出会うはずのない響きがディープ・リスニングという哲学の下でいかに一つに溶け合ったかを示す、静謐な記録。
廃盤デッドストック入荷。漆黒の伝道師、灰野敬二が1981年にPinakotheca(Tom RecchionやJohn Duncanも在籍)から発表した不朽の大名盤「わたしだけ?」、史上初のヴァイナル・リイシュー。
リイシュー版のCDですら高値を付けることでも知られる、まさしくジャパニーズ・アンダーグラウンドを代表する世紀の一枚。即興で紡ぎ出される言繰り、漆黒に咆哮するギター、暗闇の中で爆発するノイズの絶叫、全てが完璧な調和と崩壊の上で成り立っている世界最高峰のアウトサイダー・アートにして、一瞬の気の緩みさえ、存在できない絶妙な緊張がフィールドを支配した究極のサイケデリック・ノイズ・アヴァンギャルド。約30分に渡るノイズ・インプロヴィゼーション、ラスト曲の"捧げる"は灰野敬二の根底を限りなく放出した極上の大曲です。ジャケットには金銀をソレゾレ表裏に使用し、Elysian MastersにてDave Cooleyがリマスタリング、Bernie Grundman MasteringのChris Bellmanがカッティング、Record Technology Inc.での高品質プレスと文句の無いプレス仕様に仕上がっています。ダウンロード・コードには同時期のライブ音源を収録。

ロックマガジン編集長、阿木譲氏の率いた関西アンダーグラウンドの牙城にして、国産初期エクスペリメンタル/プロト・テクノの聖地〈Vanity Records〉に残された作品群の中でも、特に際立ったアヴァン世界を提示した男女ユニットTolerance。日本のインダストリアル/ポストパンク史に残る81年の2ndアルバムにしてラスト・アルバムである『Divin』が〈Mesh Key〉から単独アナログ再発!前作『anonym』で見られたピアノやギターなどを用いたフリーフォームな楽器演奏の側面は後退し、リズムマシンとシンセサイザーをメインとした電子音楽へと大きく歩を進めた作風な、日本のインダストリアル/ポストパンク史に残る名作。

東京拠点のサウンド・アート系俊英レーベル〈ato.archives〉より、台湾のモジュラー・シンセ・シーンを横断的に捉えたコンピの続編として、日本編が登場。儚く、移ろうモジュラー特有の瞬間性をテーマに、Yu Ogu、Chihei Hatakeyama、HATAKEN、Straytoneなど、国内外で評価の高いアーティストが参加。ケーブルをつなぎ、ノブを回し、偶然と意図のあいだで生まれる音の変化をそのまま記録するというコンセプトのもと、アンビエント、ドローン、実験音響が多層的に展開される。柔らかいパルスが揺れるミニマルなトラックから、粒立ちの細かい電子音が漂うサウンドスケープ、あるいはノイジーなモジュレーションが渦を巻く曲まで、アーティストごとに音の哲学が異なるのが魅力的。日本のモジュラー文化の成熟と多様性をそのまま封じ込めた一本。

〈Kankyo Records〉にもモダン・アンビエントの結晶的作品を残す実験音響作家──Yama Yuki主宰のもと、Marginal ConsortやEast Bionic Symphoniaでの活動も知られる前衛音楽家、多田正美や前衛劇団〈パパ・タラフマラ〉で音楽を指揮した環境音楽の名手・菅谷昌弘といった作家の貴重なカセットフォーマットの新譜まで手掛けてきた、現行国内最高峰の音響系カセット・レーベル〈ato.archives〉のタイトルが一挙到着!本作は、アンビエント、ダブ、エレクトロニカ、民族音楽的要素を独自に融合したサウンドで知られる沖縄を拠点に活動する音楽家/プロデューサーharikuyamakuが沖縄のリゾートホテルのために制作した、土地の空気感と静けさをそのまま音にしたようなアンビエント作品。沖縄の自然、海風、湿度、光の移ろいといった環境そのものを音響的に抽象化し、さざ波のような揺らぎ、南国の湿度を思わせる柔らかなシンセ、遠くで響くようなパーカッションの残響など、沖縄という土地の空気を音響的に捉えつつ、リゾート空間に溶け込むよう音の余白や静けさを活かした秀作。
戦前のブルースから移民の音楽、南米のフォルクローレを始め、各地の骨董音楽を掘り起こす一大名所〈Death Is Not The End〉から新物件!ハロウィンを記念し、1980年から1991年にかけての日本のポスト・パンク、ゴス、ニューウェーブの豪華ミックステープ作品が登場!フィラデルフィアのパンク・アーキビストであるWorld Gone Madと共同で制作された、地域に焦点を当てたミックス・シリーズの第2弾。カセットオンリーでのリリースとなります。限定プレス。
戦前のブルースから移民の音楽、南米のフォルクローレを始め、各地の骨董音楽を掘り起こす一大名所〈Death Is Not The End〉から新物件!ハロウィンを記念し、1980年から1991年にかけての日本のポスト・パンク、ゴス、ニューウェーブの豪華ミックステープ作品が登場!フィラデルフィアのパンク・アーキビストであるWorld Gone Madと共同で制作された、地域に焦点を当てたミックス・シリーズの第1弾。カセットオンリーでのリリースとなります。限定プレス。

2003年に自身のレーベル〈Skintone〉からひっそりとリリースされ、過去に海外に向けライセンスリリースされることもなかったことから、長らく幻のアルバムとして語られてきた横田進の『Laputa』が、ついにSkintone Editionとして登場。『The Boy And The Tree』と『Symbol』の間に位置する本作は、キャリアの中でも最も実験性が強く、神秘的で、不穏さと美しさが同居する特異点のような作品。ドローン、断片的なサンプル、ストリングス、ノイズ、囁き声、ブルースギターなど、多様な素材がコラージュのように重なり合い、ガリバー旅行記の幻想的な浮島の名にふさわしい異世界的なサウンド。複数の映画が同時に流れているような多層的な音像は、横田のサンプラー/セレクターとしての才能を鮮烈に示しており、メロディアスな瞬間と抽象的な音響が交互に現れ揺れ動く独特の世界観は、今聴いても圧倒的な個性を放っている。

日本ジャズ界の重鎮ベーシスト、池田芳夫が1978年に残した初のリーダー作『Sketch Of My Life』が、〈Studio Mule〉から初のアナログ再発。渡辺貞夫、菊地雅章、日野皓正ら名手との共演で知られる池田が、自身の美学を初めて明確に提示した作品で、参加メンバーには、YMO関連でも知られる橋本一子、ベルリンを拠点に活動する高瀬アキ、日本を代表するドラマー日野元彦、そして清水末寿という豪華布陣が揃う。冒頭の名演「Whispering Weeds」は、橋本一子のスキャットとスリリングなピアノが鮮烈で、BBEのコンピレーションにも収録された名曲。全4曲というシンプルな構成ながら、アヴァンギャルドと日本的叙情が自然に同居する独自の世界観は、今聴いてもまったく古びない。70年代ジャズの熱気と、現代にも通用する音響感覚が奇跡的に共存した一枚。日本ジャズの深部。

日本の伝説的アーティスト、Susumu Yokotaの音楽的探求の軌跡を年代を超えて記録した、極めて個人的な作品集『Image 1983-1998』。本作は、彼の音楽キャリアにおける二つの異なる時期に制作された短い楽曲で構成されており、前半のトラックは1983年から84年にかけての、ギターやオルガンを用いたローファイなテープ実験の時代のものが収録、ポストパンクやゴーストリー・ポップの断片が垣間見える。続く後半のトラックは、これらの初期作品に触発され1997年から98年に作曲されたもので、後のアンビエントの傑作『Sakura』へと繋がる、より洗練された電子音響とメロディと抽象性が両立する作品が収録されている。音楽的自伝ともいうべき内容で、初期の脆いギターの音色と、後年の穏やかなシンセサイザーのモチーフが、アルバム全体を通して「記憶と予感」という共通のムードで結びついており、両時代が並行して存在するような不思議な感覚を覚える。彼がテクノの制作で多忙を極める中で、初期の実験への回帰と感情的なミニマリズムを追求した、音のスクラップブックあるいはデザインボードとも呼べる、アーティストの核心に迫る貴重なドキュメント。

横田進が2001年に自身のレーベル〈Skintone〉から発表したアルバム『Grinning Cat (Skintone Edition)』。日常の幸福感、特に自宅で過ごした猫との生活から着想を得て制作された作品で、ピアノや弦楽器などクラシック音楽からの断片をループし、切れ端をあえて見せることで不完全さを強調。不完全なループや微妙なズレという意図的な不協和が、独特の緊張感の中になぜか親しみやすい寛ぎを生み出している。『Sakura』や『Symbol』と並び、国際的に評価されたアンビエント作品群の一角で、彼の音楽世界を再発見する重要な再発。
ノイズ界の二大巨頭、Merzbow と Bastard Noise が真正面から激突したコラボ作『Brick Wall Evolution』。Merzbow の流動的で有機的なハーシュノイズと、Bastard Noise の低域重視のパワーエレクトロニクスが融合し、圧倒的な密度と質量を持つ音響が立ち上がる。高周波のきらめきと地鳴りのような低周波が層を成し、混沌と秩序が同時に存在するノイズの地形が刻々と変化していく。タイトル通り、進化した音の壁!!

トロント拠点の日本人音楽家・Masahiro Takahashi(髙橋政宏)。2023年発表の『Humid Sun』に続く今作では、共同プロデューサー兼エンジニアにジョセフ・シャバソンを迎え、制作のプロセスを一新。作曲の起点をAbletonから楽譜へと移し、メロディとハーモニーを楽曲の基軸に据えました。マーカー・スターリングが手がけた緻密なヴォーカルアレンジや、ドロシア・パースの瑞々しい歌声、ホーンやストリングス、ビブラフォンが重なるアンサンブルからは、ハイラマズやビーチボーイズ、フリーデザインといったポップスへの深い愛情が感じられます。録音には、トム・ギル(サム・ウィルクスのサポート)、フィリップ・メランソン(サム・ゲンデル作品に参加)など、トロントのジャズ/エクスペリメンタル・シーンの重要人物10名が参加。黒澤明の映画『夢』や荘子の寓話に着想を得た全10曲は、ジャズ、アンビエント、インディーポップ、ラウンジまでを鮮やかに横断し、色彩豊かな音楽世界を繰り広げます。
1977年に自主制作でわずか500枚のみプレスされた、日本フリージャズ史の最重要記録がついに正規再発。梅津和時、原田依幸、森順治、菊池隆という後の生活向上委員会オーケストラへつながる面々が、八王子「Alone」を拠点に活動していた時期の白熱したライブをそのまま封じ込めた一枚で、複数のアルトがぶつかり合いながらも不思議な統一感を生み、原田のピアノは旋律と打楽器の境界を彷徨い、菊池のドラムは時間を刻むのではなく場そのものを揺らす。破壊的なフリーインプロヴィゼーションと、どこか歌心のあるフレーズが自然に共存し、70年代の日本フリージャズ特有の開放感と実験精神が鮮やかに立ち上がる。都心から離れた八王子で育まれたDIY精神と、当時の現場の熱量がそのまま刻まれた、唯一無二のライブ・ドキュメント。

刀根康尚、塩見允枝子らと日本初の集団即興といわれるグループ音楽を結成した小杉武久、そして同じくフルクサスの一員であった長谷川時夫、永井清治などが参加した、戦後音楽史に燦然と輝く実験音楽アンサンブル、タージマハル旅行団の2ndアルバムであり、オリジナルは入手困難を極めるため、ブートが出回ってきた伝説的一枚がコロンビアからライセンスを得てベルギーの霊性再発レーベル、Aguirreより正規再発で登場!
別の世界で咲いている無数の虫たちの生命の躍動は、こっちの世界でサイケデリックといいます。ニューエイジでも、サイケデリックでも、民族音楽でもない・・・比較するものがない、代替え品のない、いわば体験というものなのでしょう。もはや楽器が楽器としての体を成しておらず、演奏者たちは別次元へと行ってしまっています。プレイヤーを持って自然に出かけて、大地と対話するもよし、全ての楽器が、全ての音の全体の一つであって、代わりが効く音など入っていないというような名盤です。Rashad Beckerによるリマスタリング&カッティング。Julian Cowleyによるライナーノーツが付属。ワンショット・プレスの限定1,000部、180G重量盤

限定100部リプレスです。Keita Sano主宰の〈Mad Love〉より見出された東京の3人組にして、じゃがたら、キミドリ、戸張大輔、さかな、裸のラリーズ、Laraajiなどを始めとしたアーティストたちからの影響を受けているというWool & The Pantsが、〈PPU〉より発表したデビュー作!Yu Tokumo (ギター、ボーカル), Kento Enokida (ベース)、Aki Nakagomi (ドラム)から構成されるこの人たち、本当に素晴らしいです!どこまでもクセになる絶妙に"ズレ"た音のヴァイブス。脱線したポスト・パンク観からテン年代の宅録ベッドルーム/ローファイ・ムード、サイケデリック、ソウル、ダウンテンポなどが奇跡的なバランスで配合されたレフトフィールド・ポップス傑作..!!! 幅広いリスナーに推薦したい内容です!
京都のローファイ・ファンクデュオmess/ageによる待望のフルアルバム『MESS/AGE/2』が、ワシントンD.C.拠点の〈PPU〉からインターナショナルリリース。ざらついたドラムマシン、丸みのあるベース、柔らかく揺れるシンセが絡むサウンドは、〈PPU〉らしいDIYブギー/ローファイ・ファンクの文脈と強く共鳴しつつ、京都特有の空気感や日本的な間合いが自然に滲む。収録曲には「Nandake」「House」「Anpan」「Uma Hitsuji Inu」「Street Fighter」など、日常の風景や遊び心を感じさせるタイトルが並び、生活感とファンクの軽やかなグルーヴが自然に溶け合う。

昨年発表された傑作ミニアルバムが当店でも大ヒット。今年度の日本のインディ・ミュージックの中でも最高峰の予感!ダブやネオ・サイケデリア、都会的コンテンポラリーR&B等の多彩な要素を巧みにブレンドした東京拠点のインディ・ロック・バンド、その名も"TAMTAM"による最新アルバムが〈PPU〉からアナウンス!ネオ・シティポップ以降の感性を通過しながら、アシッド感覚を帯びたダブ~ジャズ~ネオ・ソウルがなめらかに交錯する、サイケデリック・スモーキーな大変素晴らしいタイトル。浮遊するリズムと空間処理に彩られたプロダクションは、70sレゲエやUKジャズ、ブラジリアン・ミュージック、The Internet以降のネオ・ソウルにも接続しつつ、都市の黄昏を思わせる幻想的な陰影を湛えています。やわらかく歪むベースラインと揺らめくようなヴォーカル、ミスティックなギター・エフェクトが織りなす、内省的で多層的なサウンドスケープ。※入荷時よりスリーブ角にダメージございます。予めご了承くださいませ。
2026年リプレス!初の海外レーベルからのリリースとの事!〈Stones Throw〉ファンにも間違い無しなネオ・シティポップ/ドリーム・ポップの金字塔的な大傑作。今年度の日本のインディ・ミュージックの中でも最高峰の地位を獲得するであろう作品としてレコメンドします!
ダブやネオ・サイケデリア、アーバンなコンテンポラリーR&B等の多彩な要素を巧みにブレンドした東京拠点のインディ・ロック・バンド、その名も"TAMTAM"による最新EP『Ramble In The Rainbow』が〈PPU〉こと〈Peoples Potential Unlimited〉より堂々アナログで登場!
2024年、TAMTAMは新作EP『Ramble In The Rainbow』を米レーベルPeoples Potential Unlimitedよりリリースする。初の海外リリースとなった本作は、かつてないほど幻想的な浮遊感に包まれ、またもジャンルのボーダーを超える存在感を放っている。
歌詞は極めてプライベートな出来事をきっかけに魂や死、自然といった大きく抽象的な概念を介した寓話のように綴られる。サウンド面ではSun Ra、Lee “Scratch” Perry、清水靖晃や鈴木良雄などが影響元に挙げられており、バンドの要となるグルーヴはそのままに更にドープになった演奏が印象的。以前からの持ち味であるレゲエやソウル、ジャズ的な要素に加えニューエイジ音楽的な発想が巧みに掛け合わされた、バンドの成熟を感じさせる怪作となっている。
80年代初頭、日本アンダーグラウンドの唯一無二の残像のような一枚、Daisuck & Prostituteによる『Dance Till You Die』。「踊り尽くせ」という命令と警告が同時に響く、妥協のないポストパンクのエネルギーが詰まったサウンドは、ニューヨークのNo Waveを思わせる尖ったギター、ノイジーで異物感のあるテクスチャー、ざらついたヴォーカルに支えられつつ、どこか儀式めいたグルーヴを持っているのが特徴的で、無秩序なようでいて、身体を突き動かす強烈なリズムがあり、ダンスフロアでも異様に機能してしまう。その一方で、聴き心地は決して容易ではなく、鋭利な音の断片が次々と突き刺さってくる。当時は商業的な動きとはまったく無縁で、伝説の地下音源というべきその異様な存在感や妥協のなさは、時代を超えてなお鮮烈に響く。日本のポストパンクが世界的な爆発の只中でどう独自の形をとったのかを物語る重要なドキュメント。
1984年に結成され、現在も京都を拠点に第一線で活動するマルチメディア・パフォーマンス・アート・グループ、ダムタイプ (DUMB TYPE)。最初期ダムタイプシアター時代の公演のために、音楽家・山中透とグループの中心人物であった故・古橋悌二が製作したカセットブック作品「庭園の黄昏 - Every Dog Has His Day(1985年録音)」と「睡眠の計画 - Plan For Sleep (1986年録音)」の2タイトルが、初めてレコードとして同時リリースされます。
ダムタイプ創立当初、山中は主に音楽制作を担当し、古橋はその楽曲を舞台演出に落とし込む役割を果たしていました。2人の共同制作は、ダムタイプ以前に組んでいたORGやR-STILLに始まり、その時期に志向していたNEW WAVEやプログレッシヴ・ロックに加えて、ミニマル・ミュージックや前衛パフォーマンスを融合させたローリー・アンダーソン、メレディス・モンク、ロバート・ウィルソンらからの影響を受けています。さらに、当時の先鋭的なサンプリング・ミュージックやハウス・ミュージックを大胆に取り入れた独創的なアプローチは、ダムタイプのサウンドの礎となり、日本のミニマル〜アンビエント・ミュージックとパフォーマンス・アートの重要な接点として歴史に刻まれるべきものです。
「庭園の黄昏(1985年)」と同時に制作されていた本作「睡眠の計画(1986年)」の公演では、山中がサウンド・オペレーションを担当することになりました。電子オルガンの音色と印象的なピアノやサックスのフレーズがシンコペーションしながら疾走するミニマル・ナンバーで始まり、次に、機械の駆動音のようなけたたましいインダストリアル・ビートの上を様々なサウンドソースの断片が漂います。また、タイプライターのタイピング音をリズムに変えたナンバーもあり、当時はまだ新しかったサンプリング・ミュージックからインスピレーションを受けた様々な試みを展開し、パフォーマンスの身体性と見事に結びついています。
加えて映画音楽からも多大な影響を受けている山中らしい、メランコリックな旋律から世俗的なジャズなどの様々な情景を喚起させる色彩豊かなメロディが加わり、ポストモダン時代の世界中のパフォーマンス・アートのなかでも他に類を見ない、完全に独創的で洗練された世界観を構築しています。

あのVanity Records最初期リリース作であり、近年、再評価著しい日本産(プレ・)ニューエイジ傑作を全世界待望の単独LP再発。オリジナルマスターからハイレゾAD変換/最新マスタリングを施し、更に、長年の誤解を解く正しい曲名でお届けする決定版エディション。発掘レア写真も多数掲載!作品解説:柴崎祐二。
ポストパンク期の大阪を代表するインディー・レーベル、ヴァニティ・レコードの第二弾として1978年に発表された『クリスタリゼイション』は、SAB(サブ)と呼ばれた当時若干19歳の天才音楽家が思い描いた壮大な音楽の叙事詩を、電子音楽機材を用いて磁気テープ上に「結晶化」したアルバムで、「ニューエイジ」の呼称・風俗が日本に広まる前に出現したプレ・ニューエイジ・ミュージックの名盤です。録音では2人のミュージシャンのサポートを受けていますが、大半はSAB自身による多重録音で制作されたもの。SABの唯一のソロ・リリースである『クリスタリゼイション』には、Brian EnoとObscureレーベル勢やPopol Vuhからの影響を窺わせる編曲・楽器法が聴けますが、それらの影響からの回避も同時に試みられており、その結果、「どんなシンセ音楽の系譜にも属さない傑作」(※註)という地位を獲得。2020年代のオーディエンスにとっての新たな古典となっています。また、近年勃興したニューエイジ・リバイバルや日本の環境音楽の再発見といった動向の中で、時を経て一層輝かしい音楽価値を持つこととなりました。アートワークは思想家ロジェ・カイヨワの著作から着想を得ており、図版(土星)はまりのるうにい(松岡正剛夫人)が描いたもの。
※註)『レコード・コレクターズ』誌2023年11月号特集「日本の新名盤1970-89」掲載 田山三樹氏による『Crystallization』評。
=作品仕様=
+ オリジナルマスターよりハイレゾAD変換/最新リマスター
+ 4頁インサート、発掘貴重写真掲載
+ 解説:柴崎祐二/英訳掲載

今のアート文脈から無きものとして抹消されるなら我々で存在証明してやるという意気込みだけで展開した企画ながら、世界的にも話が通じることが確認できたヘンリー川原再訪運動 (複数の記事になって取材も受けました)。そんな中、鋭意準備中の続編 『電脳的反抗と絶頂2: その他のヘンリー川原』 (仮題)の景気づけに投与するのが今回のシングルです。※コンピには未収の限定ワンオフ・リリースです。
この「Minami-kaze α Wave(南風 α ウェイヴ)」 は、川原が手がけた希少な日本語ヴォーカル曲であり、1993年にHMD (H Music De-Perception) という名で発表された「南風#3」の未発表ヴァージョンだ (マニアですいません)。 同曲は『電脳的反抗と絶頂』 にも収録したサイバーエキゾ・トラック「南風」をヴォーカル曲用に改編したもので、記録によれば宝達奈巳が歌い、既出版とMIXが微細に異なる未発表ヴァージョン。90年代末のTKファミリーを彷彿とさせるユニット名で、80年代に細野晴臣がプロデュースしたアイドル曲群に真っ向から挑んだような<ポップスもできた川原>を確認できる希少例だ。
=作品仕様=
+ 半透明GREEN VINYL
+ 片面1曲のみ収録
+ 特殊アルミ蒸着紙を使ったペラジャケ付き。見本図版の色目は実物と異なります。ギラギラになります。
