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迷宮にざわめく雑多な音の中から鈴木惣一朗が見つけた『シレンシオ』の道は、 後から来る人への貴重なガイドとなるだろう ー 細野晴臣
細野晴臣氏のプライヴェート・レーベル「デイジーワールド・ディスク」からリリースした最後のアルバムとなった2010年作、通算9枚目のアルバム『シレンシオ』。発売当時、細野晴臣氏が上記コメントを寄せて絶賛した静かなる傑作が、多くのリクエストに応えてアナログ・レコードとして再発されます。
作品の根幹となるのはカルロス・アギーレやルス・デ・アグアなどアルゼンチン音楽へのオマージュ。アルゼンチンからブラジル~ミナス、そしてポルトガル~カポ・ヴェルデを経由したさまざまな国の音楽を吸収し、2年以上の制作期間をかけ、ワールドスタンダードにしか創り得ない音世界を描き出した本作。アナログ・レコードならではの音で、今改めて聴いてほしい「静かな光のエキゾティシズム」の音楽がここに。
初レコード化にあたりオリジナル・マスターから改めてリマスタリング。柔らかな音色と奥行きのある音像は、静けさの向こうにある情感を豊かに伝えてくれます。さらに、鈴木自身が寄せた2023年版ライナーノーツは『シレンシオ』のアナザー・ストーリー的な内容。激しく移り変わるシーンで、多くの人に変わらず愛聴され続けるこのアルバムの現在地を示します。
女優で歌手でもある梶芽衣子が約50年前にリリースしたデビュー・アルバム『銀蝶渡り鳥』('73年)が、Wewantsoundsからリイシュー。代表作『修羅雪姫』に影響を受けたQuentin Tarantino監督が映画『キル・ビル』においてオマージュを捧げるなど、世界的なカルト・アイコンとして支持を集める中でリイシューが実現。今作は1972年に東映が公開した仁侠映画『銀杏渡り鳥』の主題歌をはじめ、ポップス、演歌、サイケ・ロック、70年代のシネマティック・グルーヴが見事にミックスされた、テイチクのベテラン・プロデューサーである伊東順文と中島賢二によって制作された名作。本作は新たにマスタリングされた音源、オリジナル・アートワーク、さらにロサンゼルスを拠点とするレーベルPlant Bass Records主宰、DJ、音楽制作など多岐に渡る活動行うバルーチャ・ハシム廣太郎によるライナー・ノーツ付き!
細野が映画に添えたイメージの数々を再構築した音源作品が アナログでリリース決定!
Note by 細野晴臣
映画「アンダーカレント」に添えたイメージの数々を再構築しました。映画用には音の 断片を極力シンプルに、素っぴんに近い形で作りました。
音の世界を完成形にすれば、 映画に溶け込む隙がなくなると思ったのです。ですから今回アルバムとしてまとめる際は、音楽の世界を再構築することが必要でした。
とはいえ映画のために作った素材以外は使用していません。そして静けさと激しさが同居した映画、「アンダーカレント」のイメージがこの様になりました。
トラックリスト:
Side A
01 Bath&Frog (風呂と蛙)
02 Underwater (水中)
03 Memory (記憶)
Side B
01 Lake (湖沼)
02 Undercurrent (底流)
03 Reverberation (余韻)
「Light years」と冠され、一年をかけて四枚のアルバムを制作するプロジェクト。
この作品は2022年・秋から冬のために制作された
2枚目のアルバムである。
輝かしい一年を。
トラックリスト:
「少年の日」
「Mid Day」
「LEAVES」
「あなたのはじめてみた海」
「雨が降るピアノ」
「NOSURI」
「HAO」
「子供たちの声がする」
「a day」
「街灯に贈る」
硬派なジャズ、インプロヴィゼーションを巧みな技術で演奏し、近く深く潜るような深いエフェクトでダブワイズ。暗闇の中に浮かび上がるメロウな生音の温かさが素晴らしい大傑作。緩やかなダンスと共にチルアウトにもオススメの4曲28分収録。
弊店でもロングセラーの新作&久しぶりの来日公演で話題沸騰しているVisible CloaksのSpencer Doranとオブスキュアを掘り極める名ブログにして名レーベルのRoot StrataのMaxwell August Croyによる新レーベルEmpire Of Signsから極上の案件登場!!!!
日本のアンビエント音楽の歴史の中で重要人物として間違いのない地位にいたにも関わらず、日本盤のみのリリースのため、海外にほとんど知られることのなかった吉村ですが、昨今のニューエイジ再評価の流れでようやく日の目を見るところまでやってきました。9枚のポストカードに籠められたコンセプト「波の記譜法」を喚起する、創造的で耽美な日本産アンビエント・ミュージック最高峰の響き。エリック・サティやブライアン・イーノ、ローデリウスなどが紡いできた環境音楽/アンビエントの歴史を日本的情緒と霊的なコスモの次元で繋ぎ留めた神秘の音世界。フェンダー・ローズとキーボードによる最小限のセットで試みられたホームメイド・アンビエントの奇跡的録音です。Empire Of Signsの第一弾リリースとなる今作のリイシューは、吉村弘の妻であるYoko Yoshimuraと共に進められ、Doran、Croy、Yoshimuraによる新たなライナーノーツ付属。オリジナルのテープからのリマスター。
前作の衝撃的サウンドはそのままに、更に拡大し続ける"長谷川白紙"という唯一無二の音楽を魅せる記念碑的傑作。各メディアで取り上げられた「あなただけ」(川崎太一朗トランペット参加)や、高速ビートの「o(__*)」、石若駿ドラム参加の「蕊のパーティ」、幻想的な「悪魔」など収録。
代表曲「草木」や「毒」、YMOのカバー「キュー」などのほかボーナストラックとして「毒 (SCREWED)」を追加収録。ジャズ、ブレイクコア、現代音楽までも取り込んだ新時代の幕開けを告げるポップスサウンドがここに。
ダンスミュージック/アンビエント・チルアウトを主軸に傑出した作品を送り出してきた栃木県宇都宮市を拠点とする作家/プロデューサー、Masanori Nozawa氏主宰の電子音楽レーベル〈MEDIUM〉から、日本のアンビエント・シーンに捧ぐ大作が満を持して登場!
2020年代版『Kankyo Ongaku』と呼ぶに相応しい一枚として力強く推薦したい珠玉の傑作盤。
日本の各所を拠点とする多様なミュージシャンがモダンで澄んだ観点から、制作手法を問わず幅広くキュレーションされ、生まれたアンビエント・コンピレーション・アルバム『Medium Ambient Collection 2023 』が待望の2CDボックス!
今作はエレクトロニカ、ポスト・クラシカル、チップチューン、アンダーグラウンドなテクノ、Willam Basinski的な洗練、ヴェイパーウェイヴ以降、自然との調和などの多様な観点が声、具体音、弾けるシンセサイザー、霊的な電子音響、ロービットなサウンド、澄み切った持続音、美しいピアノなどの音響を持ち、現在におけるアンビエントの一つの極点を示した記念碑的コンピレーション・アルバムである。
多種多様なシーンの作家が、現在を軸に新しい光景としてのアンビエントを展開する澄んだ時間が収められている。
例えば、テクノの本質から見たアンビエンスを展開する「SEKITOVA」、クラブ・ミュージック以降の洗練されたサウンド・テクスチャーを探求するHiroshi Watanabeの別名義「Kaito」、ニューエイジ以降の領域横断的でありつつ本質的なチルアウトを示す「Inner Science」、幻想的なビート/チルアウト・ミュージックのアンビエントという側面を表す「YAMAAN」など、収録されている作品は全て、アンビエントは今もなお音楽というアートの突端に位置している事を表す結晶である。
「アンビエント」という音楽が持つ、向こう側の風景を体験する様な美しい時間を収めた今作を是非手にとって欲しい。
日本のアンビエントの「今」を知る上で最良の入門盤と言える労作にして現行シーンのロードマップを規定する一つの到達点的内容だ。
(門脇 綱生/Meditations)
ボーナストラック1曲を含む参加アーティスト全24組24曲、前作に続く2CDボックス(ホログラムレインボー仕様) + ブックレット + ステッカー入り。
'73年東京・吉祥寺のライブハウス「OZ」で録音されたオムニバスアルバム『OZ DAYS LIVE』に、当時収録されていなかった未発表音源をプラスした2枚組アナログLPのリリースが決定。ラリーズの音源に関する法的権利を有する<The Last One Musique>が正式に認めた公式、久保田麻琴によるオリジナル・アナログテープからのリマスター盤。手塚実(OZ店長/のちにラリーズのマネージャー)によるライナーノーツと当時の貴重な写真を含むブックレット付属。クラフトボード・スリーヴ、帯付き。
1972年、吉祥寺駅からほど近い建物の2階にオープンしたライブハウス「OZ」は、雑然とした手作り感満載のロック喫茶で、1年3ヶ月とわずかしか存在しなかったものの、その短い存在の間に、東京で急成長するアンダーグランド、カウンターカルチャーの中枢として、ミュージシャンのみならず個性的な人々が集う特別な場所となった。
そのOZの目玉グループのひとつが、京都出身のサイケデリック・ノイズバンド、裸のラリーズだった。
謎に包まれたリーダー水谷孝による今や伝説と化したこのバンドは、OZがその最初期にブッキングしたバンドのひとつであり、また最終的には、その閉店を受けて企画された"OZ LAST DAYS"と銘打たれたシリーズ・ライブ、OZの短命ながらもその素晴らしい世界を称える5日間にわたる騒々しいイベントにも出演することになる。
そしてその機会にOZ店内で録音された音源が、『OZ DAYS LIVE』という自主製作の2枚組LPとして発売された。収録アーティストは、都落ち、アシッド・セブン、南正人、タージ・マハル旅行団、そして裸のラリーズによる4曲。これらはその時に録音された音源のほんの一部であったが、この4曲が、アナログ盤としては現在に至るまで唯一のラリーズの公式音源であった––
しかしこの『The OZ Tapes』によって、ついに私たちはすべてを聴くことができるようになる。
Scotchのオープンリールに残されたこれらの録音はほぼ半世紀にわたり眠ったままだった。
これまで一度も聴かれることのなかった音源は、ラリーズの最も抑制不能で実験的な姿と、繊細で美しい姿を明らかにする。水谷孝の持つこの二面性こそが、バンドのレガシーを決定づけるものとなるのだ––
『The OZ Tapes』のすべてを聴くことは、ラリーズの靄に包まれた歴史の一部を紐解く手だてとなるだろう。
もちろん、この後に水谷がバンドを引きずり込んでゆく一触即発の未踏の世界をまだ暗示する段階の、活気に満ちた、一見イノセントな時代の音源だとしても。
Text by Yosuke Kitazawa
沖縄コザを拠点に、沖縄の古い民謡とドープでサイケデリックなDUBを組み合わせた斬新な音楽を発信しているプロデューサー/ダブ・エンジニアのHARIKUYAMAKU(ハリクヤマク)。海外からも高い評価を受けている彼が、1965年に発売された16枚組のLP-BOX 「沖縄音楽総攬」から厳選した沖縄古謡の音源をDUBミックスしたアルバムを制作。 約60年前に録音されたマジカルな歌声と銀天団による生演奏のヴァイブレーション、そしてHARIKUYAMAKUの神秘的なエレクトロ・ サウンドを融合した唯一無二の音楽。 ライナーノーツは、日本民謡と世界各地のトライバル・ダンス・ミュージックに造詣の深い大石始が執筆。
本作は「沖縄民謡とダブの融合」という一言で片付けることのできない広がりを持つ。近年HARIKUYAMAKUが取り組んでいるアンビ エント的な発想も数曲で試みられており、曲によっては南米フォルクローレを再解釈するニコラ・クルースやバリオ・リンドらの作風とも 共鳴する響きを聞き取れる。自身の足元にあるものを現代の耳と感覚でどのように捉え直し、新たな創造に結びつけることできるの か。本作もまた、そうした問題意識の先に作り上げられた作品といえる。(大石始)
発売直後に完売だった人気作が待望の再プレス!Gigi MasinやSuzanne Kraft、G.S.Schrayファンも完全にノックアウト。水彩で風雅な極上バレアリック/アンビエント・アルバム!!!UAやBoom Boom Satellites、藤原ヒロシ、テイ・トウワ、オノ・セイゲンを始めとして、数々の名アーティストたちと仕事を共にしてきたNatural Calamityの森俊二による最新アルバムがアナログ・リリース。
「4トラックのカセットレコーダーを使って、多重録音を楽しんでいた頃のように、ひとりでギターを弾きながら自分の世界を創っていけたら、、、そんな思いを持って制作したのが、この『SONG FOR JONI』というアルバムです。エレクトリックギターと少しのテープコラージュだけで構成されています。」
〈森俊二 プロフィール〉
1991年、中西俊夫プロデュースによる「ナチュラル・カラミティ」としての1stアルバム『Dawn In The Valley』でデビュー。以降6枚のアルバム、1枚のリミックスアルバムをリリース。1998年にはビースティーボーイズ、ベック、ローリングストーンズのプロデュースで知られるダストブラザースのIDEAL RECORDSより全米デビュー。静かでメランコリックな彼の音楽性はアメリカのメディアでは"ドリーミー・サウンド"と称され、ジャック ジョンソンが自身のムービーのサウンド・トラックに使用するなど世界各地でその評価は非常に高い。2001年には「UMA UMA」名義でのギターインストアルバム『UMA UMA』をリリース。2003年9月には瑞々しい4年ぶりのナチュラル・カラミティ7thアルバム『Night Is Indigo』をリリース。2003年には森俊二と石井マサユキ--TICA--によるギター・インスト・ユニット「Gabby&Lopez」を結成。2004年9月 1stアルバム『STRAW HAT, 30 SEEDS』を発表。2006年11月に2ndアルバム『Nicky'sDream』を2011年3月には3rdアルバム『Twilight for 9th street』リリース。2017年ミニアルバム『Sweet Thing』をリリース。現在はGabby&Lopezの活動に加え、曽我大穂(CINEMA dub MONKS)との即興ライヴバンド「DAMO」や再びナチュラル・カラミティの新作とソロ・プロジェクト 「222 」でのアルバムを製作中。そして2021年11月「222」のアルバム『SONG FOR JONI』を完成。
今や日本の音楽史に燦然と輝く名盤として語り継がれるジャックスのファースト・スタジオ・アルバム『ジャックスの世界』が〈Life Goes On Records〉より再発!早川義夫を中心に水野春夫、谷野ひとし、木田高介により1968年9月10日に発売された本作は、早川義夫が心の内面を歌った今までに無かった日本のロックバンドの革新的なスタイルを打ち出し、後の音楽シーンに大きな影響を与えている。レコード発売前にメンバーの脱退もありオリジナルメンバーによるジャックスの唯一のスタジオ・アルバム。どこまでもサイケデリックな「マリアンヌ」、ロマンチックな「時計をとめて」、非常に暗く内省的で緊張に満ちた「からっぽの世界」、世代を超えて語られる傑作「ラヴ・ジェネレーション」など数々の名曲を聴くことができる。バンドのサウンドもファズギター、トレモロ、リバーブなどのエフェクトが独自の世界観を見事に作り出し、さらには後に西岡たかしを中心としたアシッドフォークバンド『溶け出したガラス箱』にも参加している異才・木田高介によるフルートとビブラフォンがさらに異次元に導いてくれる。
CD期以降の日本のレフトフィールドな音楽の数々を一挙紹介した〈Music From Memory〉発の画期的コンピレーション・アルバム『Heisei no Oto: Japanese Left‐Field Pop From the CD Age (1989–1996)』でも紹介された事で近年ディガーやコレクターの間でも注目が集まり、『Heise No Oto』を編纂したNORIO & AZ氏の運営するレコード店〈Rare Groove Osaka〉や〈Revelation Time〉などで当時盤のデッドストックも出回っていた石黒浩己の幻の傑作『KOH MAITON』が初ヴァイナル・リイシュー!
今回、とても嬉しいことに「Koh Maiton」がアナログ化される機会に恵まれました。
30年も前の事ですが、タイ・プーケットのマイトン島滞在中に書き溜めた曲を収めたアルバムで、私自身とても思い出深いアルバムです。
これを機会により多くの皆さんに楽しんで頂けることを願っています。
ぜひ聴いてください。
石黒浩己
数々のスタジオワークやサポート・ミュージシャン、ビデオやイベント音楽の作曲&制作を担当、神奈川県茅ヶ崎市出身、東京を拠点に活動しているピアニスト、シンセサイザー奏者、作曲家であり、1992年に初のアルバム『Daydream』を発表、ソロ・アーティストとしてのキャリアを始動させた石黒浩己。93年に発表した本作『KOH MAITON』からは、前述の『Heisei No Oto』にも収録曲「Unity」がピックアップされ、ニューエイジ・リバイバル以降の文脈からも高い注目が集まっていた中での史上初のアナログ化となります。
タイはプーケットの近くに位置する小島、マイトン島に滞在中している際に作られた本作には、2000年代初頭のノスタルジックなゲーム音楽を彷彿とさせる「ETERNAL」、洗練された都会的な夜景を映し出す珠玉のシティ・ジャズ「Unity」、村松健の『+BLUE』の世界観にも通じる幽遠で透明感に溢れるニューエイジ・フュージョン・ナンバー「EPILOGUE」を始めとしたメロディアスで詩情に満ちた全10曲を収録。シティ・ポップからフュージョン、ニューエイジ・リスナーまで幅広く推薦したい必聴盤です!
門脇綱生 (Sad Disco)
これはいったい何なんだ!?! ヘンリー川原、スリン・パークシリ、サイケアウツと並ぶエム重要アーカイブ・リリース。90年代から00年代初頭にかけ、竹村延和のChildisc等から作品を発表した大阪出身のクリエイター、Hyuの迷宮に秘められた驚異の作品群を解読するコンピレーション。
ヒウは「エレクトロニカ」という曖昧な言葉で括られてきた世紀末世代の音楽家の一員で、その実体はほとんど謎のままだった。しかし、彼の作品は多くの点で際立っており、微分音や倍音列のユニークな探求、音楽テクノロジーを人間化する能力、軽快さと遊び心とコンセプチュアルな厳密さを併せもつ独特の創作物は、時間の風雪をものともしない。
本コレクション 『Inaudible Works 1994-2008』 は未発表曲と過去にリリースされた諸作の再編集版で構成され、新作とアーカイブの中間のような存在となっている。楽曲は多岐にわたり、多調+微分音ドラムンベースもどき、人声合成技術の疑似ロボ・ポップ、ヴォイスと発電機のドローン重奏、破砕し分裂した倍音列ファンク、感覚過多のスイングするサンプルの集合体、サイン波を単子とする構想、文学にインスパイアされた無調ピアノ曲、自己言及性の極に生まれたJポップ……と目も眩むユニークな作品がひしめく。すべてが特徴的で知的、その多くに先見の明があり、ジャンルの拘束から超越している。こうしたHyuの音楽は魅力的で楽しいが、それは音楽を創造するだけでなく、音楽を創造する方法も創造したいという欲求に突き動かされている。この願望と探求心は本作のすべてに、そして彼の音楽全体の素晴らしさの中にはっきりと聴き取ることができる。
2LP版にははっぴいえんど「風をあつめて」のカヴァーをボーナス収録。本人による楽しく啓発的な解説も必読。装丁は虚木へずが担当。
=作品仕様=
+ 12インチLP2枚組、見開きジャケット、DLクーポン封入
+ 2LP版のみボーナストラック収録
+ Hyu本人による楽曲解説を日本語・英語で掲載