MUSIC
6359 products

タカオが長い月日をかけた待望のニューアルバムを携えて帰ってきた。『The End of the Brim』は、普遍的な聴きやすさを理想に掲げ、前作『Stealth』の抽象的エレメントから一転、具象的強度をもった曲、しなやかなリズム、メロディーの展開、洗練されたハーモニーに焦点を合わせている。タカオの未来を見据えたビジョンは、本作を他に類を見ないタイムレスな作品へと昇華させ、ポップミュージックの可能世界を示す。この不思議な「非絶対音楽」的アルバムを解読した柴崎祐二の解説も必読!
『Stealth』(2018年)、同作をセルフ・リメイクした『Stealth (Gold Edition)』(2021年)に次ぐ通算3作目、完全新曲では2ndアルバムとなる『The End of the Brim』は、『Stealth』発表直後に着手されました。小品を組み立てたトータルピースである『Stealth』と風景の違う、一曲一曲が強度をもち自立してもいる世界を構想したタカオは、自分にとってこれまでにない試みのため協力者を必要とし、DJのeminemsaikoをスーパーバイザーに起用。このチームでトライ&エラーを繰り返していく過程で、堀池ゆめぁ(「Music Room」)、クリステル・ベレ(「Fall」)、カラード・ミュージックの藤本敦夫(「Main Theme」)をヴォーカリストに迎え、ミツメの川辺素、細野晴臣やムーンライダーズ等の仕事でも知られるエンジニア、原口宏も加わってアルバムは精妙に彫刻されていきました。『The End of the Brim』は、形式上は音楽家の個人的なものを表明するはずの「ソロ」アルバムですが、その表明の様式は直接的なものではなく、そこには委嘱作を請け負うコマーシャルな職業音楽家へのオマージュというタカオのユニークな意志が埋め込まれています。ゆえに本作は、音楽理念を職業音楽家=客観的な遂行者という一種の概念を介して記述しようと試みた「自身が発注者でありその発注者であるところの自身を表明する標題音楽」といえるような二重・三重の手順を踏んだ重層的な作品です。皆さんの未来の密やかな愛聴作になることを願ってやみません。本作の装丁画は大谷透、デザインを坂脇慶が担当。
=作品仕様=
+ 通常ジュエルケース、帯
+ 12頁ブックレット
+ 解説:柴崎祐二、英語・日本語併記
TRACKS:
01. Long
02. Mar
03. Music Room (歌詞と歌:堀池ゆめぁ)
04. ARP
05. SPE
06. Images
07. Fall (歌詞と歌:クリステル・ベレ)
08. CF
09. Main Theme (歌詞:川辺素、歌:藤本敦夫)
10. The End of the Brim
非常階段の結成メンバーであり、国産サイケデリック・ロック最高峰の伝説的アクト「渚にて」の一員。仄かで淡い、感情を揺さぶるサウンドと深い内省、そして、青々とした季節の情景をサイケデリックというプリズムを通じて屈折させる、ヒューマニティに溢れた音楽性が唯一無二であり孤高な関西地下シーンの重要人物=頭士奈生樹。
日本のサイケデリック・アンダーグラウンドを代表する名門〈P.S.F. Records〉を主宰したモダーン・ミュージック店主の故・生悦住英夫氏が最大級の賛辞を寄せた、柴山伸二らとの伝説的サイケデリック・バンド「ハレルヤズ」や「Idiot O'Clock」にも参加。地下音楽の聖地として高名な京都のロック喫茶「どらっぐすとうあ」の住人のひとりであり、あの非常階段の結成メンバーとしても名高い頭士奈生樹。柴山主宰の〈オルグ・レコード〉から発表された本作『III』は、キャリア中でもカルト人気の高い作品の一つであり、海外からブートレグLP再発が行われるなど、ファンやコレクターの間でも公式再発が熱望されていた作品である。
頭士が単独でのプロデュースを務め、ヴォーカル、ギター、その他の楽器の演奏を担当した『III』では、ベースで柴山が、ドラムで竹田雅子(渚にて)がゲスト参加し、98年から05年にかけてStudio Nemuにてレコーディングされた。13分にも渡り、最愛への儚い想いや追憶を静かに独白する、幻想的であり親密な美しさに満ちたドリーム・フォークの名曲「最後に」、この続編的な楽曲か、ゆったりとした暖かなアルペジオと頭士の囁き声による心洗われる旋律を聞かせながら、記憶や想い出の奥底へと独り還っていくような、微睡みを誘う耽美なナンバーである「花の憧れ」、ここまで紡いできたフォーキーで夢見心地な世界観とサウンドを、よりサイケデリックな方向へと発展させつつ、日本的な土着の要素、仄暗くノクターナルな空気、寂寞や憂いを含ませた哀愁のサイケデリック・ブルースへと昇華した「窓」、精神世界へと深く没入した内容であり、Dittoや越智義朗などによる内省的な空想民俗音楽/ミニマル・ニューエイジ作品を彷彿とさせる18分にも及ぶ大曲「もう一度会えたなら」(『現象化する発光素』での「プララヤ」の姉妹楽曲と言えるだろう)、シューゲイズ的に展開する美しく幻想的なサイケデリック・ギターと暖かなアルペジオに、折り重なる頭士の消え入るような歌声が天上世界を描く「Spirit In My Hair」でのクロージングにいたるまで、頭士によるアーティスティックな世界観や方向性の模索が結晶した実験的で素晴らしいマスターピースといえる作品。
今回のリイシュー盤では、先述したオリジナルの6曲と地続きであり、同氏の追求する精神世界へのアプローチが落とし込まれた13分にも及ぶボーナス・トラック「六月の月夜にて」が追加収録されている。
水辺での生き物達の声や営みの様子を余す所なく捉えた躍動感に溢れるフィールド・レコーディングを中心として紡がれる楽曲である。その様子は、彼岸や天上風景を想起させるようでもあり、ミニマル/サウンド・アート作品としても極めて高純度の内容である。終盤からは、風鈴やチャイムのような優美な音や、牧歌的な鳥の鳴き声が徐々に挿入され始め、これらと優しく調和するように、頭士氏による親密で白昼夢的なギター演奏が幕を開ける。聞き手を微睡みへと誘う暖かな安らぎに満ちた逸品でありつつ、意識の変容を描いたというこの楽曲もまた、同氏のヒューマニティに立脚した、オープン・マインドで静謐な響きに満ちた素晴らしい作品となっている。

Tsuki No WaやSakanaに惹かれる方も必聴。
まさに追憶の実験音響サイケ・フォーク名作!
『Ninth Elegy』(2000)や『Moon Beams』(2003)の再発盤がここ2年にかけて各所で話題を集めた、アルゼンチン音響派やアンビエント・ジャズ、さらにはフランク・シナトラまでも繋ぐ越境的音楽集団「Tsuki No Wa」。Calm にも「現在もっとも素晴らしい声の持ち主」と絶賛されたそのヴォーカリスト Fuminosuke と、同グループの一員で電子変調演奏家/エンジニアの庄司広光(attc、Maher Shalal Hash Baz、pagtas)が 1999 年にデュオとして始動した本邦音響フォークの至宝「棗」(なつめ)。「追憶音楽」とでも呼ぶべき、2003年に残したオブスキュアな傑作が、〈Sad Disco〉より奇跡の初アナログ化!
「音響フォーク桃源郷」とも称された本作『マラケシの花』は、〈Midi Creative〉傘下の名門レーベル〈noble〉よりCDオンリーでリリースされたまま長らく幻となっていた邦楽サイケデリック・フォークの金字塔的作品。インドや軽井沢でのフィールド録音を基調に、シタールやタンブーラ、様々な民族楽器、電子処理が溶け合い、夢幻的な浮遊感を醸し出している。
Tsuki No Wa や Sakana を想起させる静謐かつ神秘的なサイケデリアを纏いながらも、懐かしさと異郷性が共存する音響の美は絶品。日本や韓国の民謡、ジャズの要素が朧げに揺らめき、追憶の感覚と深い余韻を心に刻む。時代を超えて聴き継がれるべき、音の旅の真なる記録である。
耳を澄ませば、そこには遠い記憶の風が吹いている。輪郭を失いかけた風景が、音のなかでそっと息を吹き返すように。

圧倒的な霊性を帯びたドローン・ミニマルを展開、現行シーンを牽引する名手の凛とした到達点!Boredomsや鈴木昭男との共演でも知られる日本のサウンド・アーティスト、FUJI|||||||TAによる新作『Live at Epsilon Spires』が、〈Feeding Tube〉からアナログ・リリース!自作のパイプオルガンを軸に紡がれる音響。ただの実験音楽を超えた、祈りや大気の震えに等しい純度。静謐さと共鳴の中に、深遠な時間感覚と空間の広がりを内包し、佐藤聰明『マンダラ / シュメール』やEllen Fullman『In The Sea』といった歴史的傑作に匹敵する崇高さを湛えています。まさに、聴く者を音そのものの根源へと導く、清流のように透徹したサウンドスケープの記録。
2007年にCDのみでひっそりとリリースされていた、Kuniyuki Takahashi のサブプロジェクト、Kossと塚本サイコ二人の共作が、長い時を経て初めてぼヴァイナル・リイシュー。中心にあるのは塚本サイコのピアノで、クラシカルな素養をにじませながらも、技巧を誇示するのではなく、呼吸のように自然な間合いで鍵盤を触る。Kuniyukiの繊細な電子音が寄り添い、フレーズの隙間に光や影を差し込むように響き合うと、音の粒はときに淡い残像を残し、ときにリズムのような脈動を示しながら、ミニマルな旋律を大きなスケールへと広げていく。さらにギターやアコーディオンといった要素が控えめに顔を出し、儚いロマンティシズムを添えている。モダン・クラシカルとアンビエント、そしてKuniyukiが培ってきたダンス・ミュージック以降の感覚が、静かに交差した全8曲。小さな部屋から宇宙的な広がりまで、聴くたびに景色が変わっていくような作品で、静かな昂揚を伴いながら聴く者を深い物語へと導いていく。
1941〜42年頃、国際文化振興会が制作したSP盤シリーズの一部で、戦前の日本で録音された伝統音楽の記録。当時制作された78回転盤は60枚に及ぶ大規模なセットだったが、戦争やその後の散逸で現存するものはごくわずかとなっており、本シリーズは、その失われかけた記録を修復する試みであり、日本の伝統音楽の真髄を伝える重要な歴史資料でもある。本作には座敷芸としての三味線音楽や、関西を中心に発展した地歌、複数の歌を組み合わせた組歌などを収録している。間といい、流れといい、後世の演奏ではうかがい知れない、当時ならではの本物の空気がここに残されている。

2021年東京、ハリクヤマクの曲だけでDJをするという珍しい機会があった。普段だとエフェクターやミキサーなど、まぁまぁの量の機材を運んでライブ・ダブミックスをしているんだが、DJセットときた。
しかし、リリースの有無に関わらず、自分の中で一度完成した曲だけをプレイするのはDJをやってて、自分が面白くないなと思った。そこで、フライトまでの2日間、色々な曲のダブミックスを録音し、それをCD-Rに焼いて持っていったのである。沖縄に帰ってしばらくして、そのCD-Rを聴き返したら、色々と荒いなと感じながらも、それ含め良い!と思い、配信することにした。それが『島DUBPLATE for Tokyo 2021』である。
それからまた月日は経ち、2024年。なんとこれをレコードにしてくれるという話がきた。最高だ!最高だけど、レコードにするには、惜しい曲や物足りなさがある。配信とレコードとでは訳が違う。一発録りの2ミックスだから、重ねるしか無いと思った。CD-Rから曲を選び、
A2 "Ayahaberu"には盟友MAKI TAFARIによるフルートソロをオーバーダブ。
A4 "Turubaimun"にはAKANMIMANにトースティングしてもらった。彼にとっては初めての録音だった。
B1" Kuduchi Behshiはスプリングリバーブを叩いたノイズやシンセをオーバーダブ。
また、レコード化のために新しくダブミックスも録音した。
A3 "Pacific Dub"は個人的には沖縄レゲエ史上最高の曲、石垣吉道の"Key Stone"をリディムを作りかえダブミックス。
B4 "Dub Season"はこちらも盟友、稲嶺幸乃との共作である”四季口説"をダブミックスしている。
Text by HARIKUYAMAKU

日本のインディ・ロック・シーンの中心的存在never young beachのベーシストとしても知られる巽啓伍(たつみけいご)による、初となるソロ作品『AT US』がカセットで登場。写真家のタケシタトモヒロによる写真展『Across the United States』の場内音楽を担当した事をきっかけに制作されたオリジナル・サウンドトラック作品。「森は生きている」の元メンバーとしても知られるドラマー/パーカッショニスト増村和彦がパーカッショニストとして参加。同じく「森は生きている」の岡田拓郎がミックス/マスタリングを担当とバックアップも万全の一作!
水玉消防団の1985年作、セカンド・アルバム『A Skyfull of Red Petals』が〈SPITTLE MADE IN JAPAN〉から再発。本作も、前作に引き続き鋭く挑発的で、強烈で、唯一無二で、何ものにも媚びない。このバンドが「自然現象のような存在」であることを強く印象付ける一枚。実験音楽の巨匠フレッド・フリスが惚れ込み、ミックスを手がけている。ヴォーカルの神楽と天鼓、まったく異なる声とスタイルがせめぎ合いながらも調和していく様は、まるで即興演劇のような迫力で、演奏も歌も「うまさ」ではなく「勢い」と「意志」で押し切っている。そのぶん演奏の空気感や緊張感が濃く、混沌の中に一種のユーモアや祝祭性があって、それがミズタマ消防団の真骨頂でもある。ジャンルでいえば、ポストパンク/アヴァンギャルド/ノーウェイヴあたりを軸としつつ、単なるカテゴライズではすくいきれない、“表現としての音楽”がここにある。日本のアンダーグラウンドが世界のアヴァンシーンとリンクしていた稀有な瞬間の記録。
オリジナルは1981年にリリースされた、女性だけのバンドで、妥協のない異端の存在として知られ、当時の日本のアンダーグラウンド・シーンの中でも突出した個性を放っていた水玉消防団の伝説的デビュー作『A Maiden's Prayer DA-DA-DA! 』が〈SPITTLE MADE IN JAPAN〉より再発。アヴァンギャルドなポストパンク、演劇的要素、実験性が渾然一体となった、“もうひとつの日本”を体現する鮮烈なアルバムで、フレッド・フリスもライヴを観て神楽と天鼓という対照的な二人のボーカルの絡みが特に印象的だったと語っている。カオティックで尖った音楽性を持ちながら、メンバー同士の呼吸や空気感に独特の親密さがあり、単なるノイズや過激表現を超えた、共同体としての美学と緊張感が共存するサウンド。パフォーマンス的な要素も強く、音楽というより“事件”に近いインパクトを持っていたバンドの当時の熱量を閉じ込めた貴重な記録

日本、京都拠点に活動するG VERSION IIIによる、サウンドシステムカルチャーに対する深い敬愛から生まれた実験的ステッパー・デジタルダブがRiddim Chango Recordsの9番として登場!昨年Digital Stingレーベルからリリースされたカセットテープ・アルバムが話題を呼んだ関西が誇る才能、G VERSION III。80's、90's UKダブの影響とコズミックなシンセサウンドが絡み合う重厚かつスローな4つ打ちステッパーなトラック1、明らかにフロアバンガーな強烈ステッパーズのB1,B2とサウンドシステムにアジャストするヘヴィーウェイトな作品。
デジタルマスタリングはe-mura (Bim One Production)、ラッカー・カッティングエンジニアには近年メキメキと頭角を表ているSaidera MasteringのRei Taguchiが担当。サウンドシステムの鳴りは安定保証!

環境音楽の重要人物、広瀬豊のまさかの新作『Voices』が〈WRWTFWW〉より登場。80年代の名盤『Nova』で知られる彼が、ここにきて届けたのは往年の静謐なサウンドスケープとはまったく別の景色と言えるもので、フィールド録音、ざらついたサンプル、ガタついたリズムマシン、そしてサイケなシンセが入り乱れる、混沌としたコラージュ作品となっている。幕開けを飾る12分超の「Library」は、その象徴で、都市の雑踏、映画の断片、即興的な声、ラジオのノイズ、ジャズのフレーズ、ビートの残骸が次々と交錯し、音の奔流に呑み込まれる。単なる音楽というより、まるで意識の中をそのまま垂れ流したよう。また、アルバムの要所には「The Other Side」シリーズと題されたバレアリックな実験的なテクノが挿入され、奇妙な環境音との交差が軽妙なバランスを生んでいる。さらに「Uprising」では呪術的なIDM、「Mixture」では鳥の声や雑談を絡めながらブリットルなビートとアシッド・シンセを展開。過去の沈静的な作風を知るリスナーほど驚かされる本作は、『Nova』や『TRACE』で再評価された広瀬豊の現在地が刻まれた一枚。環境音楽の先駆者が、いま再びラディカルな実験精神を前面に打ち出した充実作。

未体験の方はこの機会にぜひ!「音楽の捉え方を完全に変えてしまう魅惑的な日本のアンビエントテクノの傑作」(Electronic Beats)〈Syzygy Records〉や〈Transonic〉〈Frogman〉などと並ぶ日本の最初期の伝説的なテクノ・ミュージック・レーベルこと〈Sublime Records〉から発表された"SUSUMU YOKOTA"名義としてのデビュー・アルバム『Acid Mt FUJI』が30周年エディションとして3LPアナログ・リイシュー!2016年に国内でCD再発された際に初めて収録された未発表曲もこの度LP音源化!今は亡き日本のエレクトロニック・ミュージックのパイオニアによるジャパニーズ・アシッド/アンビエント・テクノの古典的大名作。日本のテクノを紐解いた画期的コンピ『Japan Vibration』の編纂でも注目を浴びるAlex From Tokyoによる貴重なドキュメントを収めた豪華ライナーノーツが付属。最新のマスタリング&カッティング仕様。
浜松を拠点に1992年から活動する3人組サイケバンド、UP-TIGHTの1999年に日本で限定100枚だけCD-Rで発売された作品の初のヴァイナル再発盤が300部限定で登場!UP-TIGHTは1990年代の東京サイケデリックシーンとP.S.F. Recordsの狂気から生まれた世代で、アシッド・マザーズ・テンプルとも交流が深く、日本の現代サイケシーンを代表する重要なアンダーグラウンドバンドの一つ。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、Les Rallizes Dénudés、アモン・デュールといった伝説的サイケバンドの影響が強く感じられるサウンド。

スペイン屈指の優良発掘レーベル〈Glossy Mistakes〉が快挙!2024年度でも最重要と言っても過言ではない、特大物件がアナウンス!『レコード・コレクターズ2023年11月号 日本の新名盤1970-89』でも紹介しました。先日某オークションでも4万円越えの高値を付けた国産NW最高峰な幻の一枚が奇跡の史上初アナログ・リイシュー!オリジナル・プロデューサーを務めたClä-Sickの染吾郎が主宰するDIYレーベル〈Soft〉より1984年に発表された、1980年代の日本のアンダーグラウンド・ミュージック・シーンの深淵部と言うべき大傑作コンピレーション・アルバムであり、傑出したミニマル・シンセ/テクノ・ポップ/アンビエント/ミュータント・ファンクが満載された秘宝『Soft Selection 84』が待望のアナログ再発。日本の自主盤テクノ・ポップ/ミュータント・ファンクでも最強レベルの内容にして、Picky Picnic以外ほぼ知られて来なかった幻のバンドたちによるオブスキュアな録音が満載!細野晴臣の〈NON-STANDARD〉とヤプーズとの邂逅を思わせるミステリアスな女性バンドであるLa Sellrose Can Canが残したレフトフィールドかつ特異なテクノ・ポップ"Aerobics"と"Happy Morning"がとにかく凄いので是非。オリジナル・マスターテープからの完璧なリマスタリング仕様。

多田正美(East Bionic Symphonia, Marginal Consort)や菅谷昌弘らによる名作も手がけてきた東京の気鋭レーベル〈ato.archives〉を主宰するYama Yukiによる最新カセットが、名店〈Kankyo Records〉よりリリース。日本的な自然観や都市の余白へのまなざし、土着的な霊性までもを静かに織り込んだ、繊細かつ深遠な音風景。環境音楽/ミニマル/ニューエイジ以後の祈りとしてのアンビエント。柔らかくも精緻に編み上げられたこの音は、まさに「耳で触れる風景」。静かに息づく、現代の音による地霊の記録です。

消えた町の記憶を奏でる、東京ノスタルジア!2024年に再開発で失われた街、三田小山町への個人の追憶を音にした、マルチ奏者・Murakamiによる、パーソナルなアンビエント作品。ジャズギター、アコースティックギター、サックス、フレットレスベース、アナログ/モダンシンセ、メロトロン、アコースティックピアノといった多彩な楽器を用いて、ジャズ、ニューエイジ、フォーク、ブラジリアン、70年代プログレの要素が融合された音響を構築している。音楽的には、温かいカセットの音質やビンテージアンプの倍音、複雑に編まれたサックスと弦のアレンジが重なり合い、個人的な記憶と風景を音符として呼び覚ますような、深く心に触れるサウンドスケープに仕上がっている。家族の住んでいた街へのノスタルジックなオマージュ。

和ジャズ、Jazz Funkの名盤がクリアピンク・カラーヴァイナルで再リリース!
名匠、稲垣次郎によるジャズ・ロックの傑作! ジャズ・ロックのその先へ。稲垣次郎率いるソウル・メディアが辿り着いたのは、タイトでクールな究極のグルーヴだった。
稲垣自ら “ブラック・ファンクをやった”と語っているように、それまでに培ってきたジャズ・ロックの炸裂感にブラック・ミュージックの粘りや弾力を融合させることで、その音楽性は別次元へと飛躍した。名手・鈴木宏昌のアレンジの妙と相俟って、グルーヴは磨きあげられ、艶を増し、妖しく光る。躍動感と疾走感が溢れる”Painted Paradise”、ファンクネスとメロウネスが共存する”Breeze”、重心が低くてキレのあるクール&ザ・ギャング”Funky Stuff”のカヴァーなど、全曲が聴きどころ。いまや世界中からウォントの絶えない決定的名盤である。
text by 尾川雄介(UNIVERSOUND/DEEP JAZZ REALITY)
ジャズ・ロックもフュージョンも軽く一跨ぎ。メロウでストーミーでグルーヴィ。
1980年に生まれた<その先>のサウンドは、いま聴いてなお鮮烈で瑞々しい。
日本のジャズ・ロック発展の一翼を担った稲垣次郎率いるソウル・メディア。同名義での最終作となるのが1980年録音の本作『メモリー・レーン』だ。稲垣は本作について「我々はフュージョン・ミュージックの運命を予想しながらこの作品をつくってみた」と述べているが、なるほど凡百のフュージョンとは完全に一線を画するサウンドだ。メロウでエモーショナルな「メモリー・レーン」、ストーミーで爽やかな「アイ・ウィル・ギブ・ユー・サンバ」、グルーヴィでエッジの効いた「テイク・マイ・ハンド」。盟友・前田憲男とともに作り上げた<その先>を見据えたサウンドは、曲、編曲、演奏のどれをとっても尋常ではない完成度の高さだ。いま聴いてなお鮮烈で瑞々しい快作である。
text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS/DEEP JAZZ REALITY)
磨き込まれたジャズ。練り上げられたロック。研ぎ澄まされたファンク。全てを飲み込み、強靭なグルーヴが走り出す。
1969年の結成以来、ジャズとロックの融合を標榜していたソウル・メディア。その路線が次なるステップへと進んだのが1973年録音の本作『イン・ザ・グルーヴ』だ。ジャズのシャープさを前面に出し、ロックを溶かし込みエッジを立て、ファンクを注入し力感と弾力を滲ませる。ジャズ・ロック、ジャズ・ファンク、フュージョンといった既存のジャンルでは括りきれない、強靭でいて洗練されたひたすらに“カッコイイ音楽”を生み出したのである。稲垣次郎が当時注目していたというザ・クルセイダーズへの返答とも評される本作。狙いは的中。ソウル・メディアは本作で“洗練されたブラック・フィーリング”を獲得し、最終到達地点である『ファンキー・スタッフ』へと向かうのである。
Text by 尾川雄介(UNIVERSOUND/DEEP JAZZ REALITY)
沖縄現代音楽史において最も優れた作曲家の一人、そしてマルフクレコード代表としての顔も持つ普久原恒勇の代表作品と愛唱曲を金城恵子、伊波智恵子ら沖縄のトップシンガーたちがコンテンポラリーなアレンジでレコーディング、1999年に発表されたアルバム「オキナワン・ヒッツ&スタンダーズ」(ビクター/nafinレーベル)に収録された名曲「白浜ブルース/ボサノバ・ジントーヨー」を初7インチ化。
「白浜ブルース」は金城恵子会心の名唄。元々は沖縄芝居歌謡で、戦前大阪に多くの沖縄県人がいた中で生まれたうた。
カップリングの「ボサノバ・ジントーヨー」は沖縄の代表的なうたのひとつ。
DJや愛好家の間では屋良ファミリーズのバージョンが沖縄産レアグルーヴ最高峰として広く知られている。
監修にFLATT THE LAIDBACK(EXHUME EXHUME PRODUCTION)、リマスタングには8ronix(Bullpen lab. )を迎え、DJプレイ時における""音の鳴り""を意識した高音質リマスタリングが施されている。

TikTokまで経由して世界的な再評価の真っ只中にある日本のアンビエント/サントラ作家・日向敏文の弟であり、2度にも渡りグラミー賞にノミネートされた著名音楽プロデューサー、そして、88年のニューエイジ傑作『Tarzanland』でも知られる日向大介、細野さんと共にFriends Of Earthを結成した日本のミュージシャンにして、唯一作『A-Key』が〈Studio Mule〉から2022年度初LP化再発されたばかりの野中英紀、そして、サックス奏者の「ミッチ」こと沢村満らによる80年代国産アンビエント最高峰のグループ、Interiorのセルフ・タイトル・デビュー作が待望の公式アナログ・リイシュー。1982年に〈Yen Records〉から発売された作品であり、やはりプロデュースを手がけるのはその主催者である細野晴臣(!)インストゥルメンタルなシンセ・ポップから、日本の環境音楽の柔らかなミニマリズム、心地よいサウンド・デザインを最もハートウォーミングな形でブレンドした、非常に珍しいタイプのグッド・フィーリンなアンビエント・ミュージック。ノスタルジックなモダニズムが、今を最も楽しい思い出のように感じさせてくれる『Interior』は、あなたを別世界へと誘います(←DeepL訳)。1985年には、米国のニューエイジ・ミュージック聖地こと〈Windham Hill〉の目にも留まりトラックリストを若干変更し、再リリースもなされています。
バークレー音楽院の同窓生だった日向大介、野中英紀を中心に結成された”インテリア”。アルバム「インテリア」は1982年に細野晴臣主催のレーベル[Yen Records]からリリースされたファーストアルバム。
インストゥルメンタル・シンセポップに”アンビエント・ミュージック””環境音楽”的作法を元にエモーショナルな味付けを加えた音楽スタイルは、USニューエイジ・ミュージック界の代表格ウィンダム・ヒル・レコードも着目。
Guruguru Brain / Bayon Productionから昨年リリースされたデビューアルバム『Approach to Anima』から1年。新たなフェーズへ突入し進化を見せるmaya ongakuの新たなサウンドアプローチはリズムマシンを基盤にエレクトロな展開で構成されたコンセプチュアルな一枚。既にライブでも定着しつつある先行配信のM-1「Iyo no Hito」。ミニマルなビートに乗る効果的なサックスの響きに不穏な空気が漂う「Anoyo Drive」。童歌のようなストレンジなポップソングで脳内ループから逃れられなくなる「Love with Phantom」。ライブでも度々披露されてきた15分におよぶ壮大でスピリチュアルな「Meiso Ongaku」。世界が求める独創的な日本オルタナティブを象徴する傑作!
