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ジョージアの新鋭 Anushka Chkheidze と、ドイツ実験音楽のベテラン Robert Lippok が共作した、思考が静かに流れ、形を変え、また沈んでいく、その内側の動きを電子音で描いた作品『Uncontrollable Thoughts』。Chkheidze の透明感あるシンセや淡いメロディの影が、感情の粒子のように浮かび上がり、Lippok のミニマルなパルスや緻密な音響処理が、構造を精密に刻む。音は決して大きく語らず、むしろ内側へ沈む方向へと導かれ、静けさの中に微かな緊張が走る独特の空気が全編を包む。アンビエントの柔らかさと、エレクトロニカの構造美が自然に溶け合い、音の粒子がゆっくりと漂いながら、聴く者の内面に静かに触れてくる。

2026年リプレス!シカゴのポストロックを象徴するバンドTortoiseが1996年に発表した2ndアルバムで、ポストロックというジャンルを世界的に定着させた決定的作品。冒頭を飾る20分超の大作「Djed」 は、ミニマル、ダブ、ジャズ、エレクトロニカ、クラウトロックの要素が有機的に連なり、ロックの枠を越えた構造的な音響作品として高く評価されている。新加入した元SlintのDavid Pajoを含む当時のメンバーによる緻密なアンサンブルと、John McEntireの透明感あるプロダクションが、画期的なサウンドを生み出した。静と動を往復する構築美に満ちた楽曲群は、ジャズ的な柔軟性とロックのダイナミズムを併せ持ち、今なお多くのアーティストに影響を与え続ける名盤。
音楽家・大野慎矢によるソロ・プロジェクト KiMiMi が、東京・三田に位置する建築家・岡啓輔による20年のセルフビルド建築「蟻鱒鳶ル」に宿る時間の層と人々の気配を音として掬い上げ、音楽として再構築した作品『ИМА(イマ)』。
ブルガリアで学んだガイダ(バグパイプの祖先楽器)を軸に、多彩な楽器を自在に操るマルチ奏者のKiMiMiは、これまで旅先で録りためた生活の痕跡や民俗的な旋律を宅録というスケールに持ち帰り、カセットテープ作品や舞台音楽などを通して幻想的なフォークロア音響を紡いできました。
その音楽活動の傍ら、「蟻鱒鳶ル」の建築作業にも参加し、現場で響くハンマーや鉄骨の音、昼休みの雑談、誰かが奏でた楽器の旋律、通りを走る車の音などを記録してきました。 2022年末からは、この建築を題材にしたZINE『月刊 蟻鱒鳶ル売り鱒』が始動。KiMiMiは毎号寄せる音楽作品にこれらの録音を取り入れ、ガイダをはじめ、アコーディオン、ギター、笛、ウクレレ、ピアノ、足踏みオルガン、鍵盤ハーモニカ、シロフォンなどの生楽器、そしてシンセサイザーの音を重ね合わせながら、現場の湿度や呼吸が刻まれたサウンドスケープを形にしています。
KiMiMiの創作は、計画的な構築よりも、偶然や直感、そして時間の流れに委ねる姿勢に貫かれています。断片的な録音を重ね、時間を置き、再び掘り起こす。その繰り返しの中で、音楽が自然と形を成していきます。それはまさに、あらかじめ図面を用意せず即興的に層を重ねあわせ、つくりあげられていった蟻鱒鳶ルのプロセスと共鳴します。
『ИМА(イマ)』は、KiMiMiの音の旅の現在地であり、建築と音楽、記録と創作、個と共同体の境界を軽やかに越えていく試みです。都市の喧騒、手作業の静けさ、笑い声、蟻鱒鳶ルの現場に響くあらゆる音たちが、KiMiMiの音楽と溶け合い、人が生きる時間そのものを映し出しています。

スイスの大名門〈WRWTFWW Records〉が手がける、アンビエント、ミニマル、実験音楽のコンピレーション・シリーズ第2弾『Art Form 2』。日本アンビエント、ニューエイジ、ミニマル、実験音楽、バレアリックなど、レーベルが大切にする静けさと質感を軸にした選曲で、80年代〜90年代の環境音楽の精神を現代的にアップデートしたような内容。シンセの柔らかなレイヤー、透明感のあるピアノ、風景の断片のようなフィールド録音、穏やかなドローンなど、参加アーティストそれぞれが独自のアプローチで音の空間を描き出している。曲ごとに異なる質感を持ちながら、アルバム全体としては深い静寂と統一感が漂っており、生活に寄り添いながらも静けさの中に豊かな色彩があり、耳を澄ませば深い音響世界が広がる。
アメリカ・ポートランドを拠点とするKevin Hayes、Kirk Marrison、Clark Rehberg IIIによるトリオKILNの〈A Strangely Isolated Place〉から通算8作目となるアルバム『Lemon Borealis』。彼らの30年以上にわたる長きにわたる活動の集大成であり、アンビエント、エレクトロニカ、IDM、ダウンテンポの境界に位置する独自の音世界を展開。ライヴ・パフォーマンスによる即興性の高い演奏、緻密なビートメイキング、音の波形そのものを細かく加工・変形して、独自の音色やテクスチャを創り出す複雑な音響効果を凝縮し、有機的なテクスチャ、微妙なメランコリー、鮮やかなリズムを織り交ぜた、色彩豊かで没入感のあるサウンドスケープを提示している。ハイ・ファイとローファイの境界を行き来しながら、キャッチーなメロディと実験的な音響レイヤーが見事に均衡した、ジャンルの枠を超えた独自の美学を確立した一枚!
ロンドンを拠点に活動するイラン出身のプロデューサー Leila Arab によるデビュー作で、当時の潮流の中でも異彩を放ち、今なおカルト的に愛され続けている名盤『Like Weather』。トリップホップの退廃的なムードと、IDM の緻密な構造、そしてアンビエントの柔らかな揺らぎが溶け合った、唯一無二の夜の音楽。ざらついたビート、夢の中のように儚いボーカル、深く沈むベースライン。それらが曖昧に混ざり合い、どこにも属さない幽玄なポップスを形づくっている。孤独、憂鬱、優しさ、夢見心地、聴くたびに違う表情を見せてくれる、暗く、美しく、儚く、深い、長く心に残り続ける孤高の一枚。
ジャズの影響を感じさせるハウス、ダブテクノ、バレアリックを展開する、カナダ・バンクーバーを拠点に活動する音楽家、空間音響エンジニアで、レーベル〈Mood Hut〉の創設メンバーであるLocal ArtistことIan WyattによるプロジェクトSlow Riffsの実質的なデビュー・アルバム『Simulacra』。Slow Riffs名義では、より内省的で抽象的なアンビエント、ニューエイジ、コズミック・サウンドを探求。空間と静寂を重視したビートレスで浮遊感のあるサウンドに、Jon HassellやBrian Enoの影響が色濃い宇宙的な広がりを感じさせるシンセや音響処理。リズムよりも音の揺らぎにフォーカスするような、ダブを通過した残響やエフェクトが印象的。哲学的テーマを内包した〈Mood Hut〉のフローティング・ハウス美学を体現する、静謐で深遠な作品。
osman.fcyとBelia Winnewisserが子供の頃からの長年の友情と共有してきた感覚を、アンビエントとエレクトロニカ、インディーポップの要素が混ざり合う柔らかな音像で編み上げたコラボレーションEP『Vertex』。2人それぞれのソロ曲と共作曲が交互に現れ、個性と共鳴が自然に溶け合う。透明感のあるシンセ、淡いビート、浮遊するメロディが重なり、余白の美しさを大切にしたサウンドが広がる。90年代後半〜00年代初頭のガール・コア文化を共有して育ったという2人の背景が、音の端々にさりげなく滲み、個人的な記憶と普遍的な情緒が同時に立ち上がるよう。静けさの中に温度があり、アンビエントとポップの境界を軽やかに行き来する繊細で美しい一枚。

ベルリンの作曲家 Mark Kanak を中心にしたプロジェクト Irrflug によるデビュー・アルバム。「腐食した空気感」と「リズムの研究」をキーワードに、金属的なノイズ、ざらついたテクスチャ、崩れかけたビートが交差し、インダストリアルとアヴァンギャルドの中間にある独自の音像を形成する。音はミニマルでありながら鋭く、リズムは一定の形を保ちながらも、常にどこか歪み、揺れ、崩れ、リズムなのにリズムとして機能しない、リズムそのものを素材として解体するようなアプローチが貫かれている。整った構造を拒むような荒々しさと、音の粒子を精密に配置する冷静さが同時に存在し、本作を単なるノイズやインダストリアルの枠に収めない異物感が生まれている。ベルリンの地下シーンの空気をそのまま吸い込んだような、生々しくも美しい一枚。
ノルウェーを代表するアンビエント作家Biosphereの『The Way of Time』が大名門〈AD93〉より登場!本作はElizabeth Madox Robertsの小説『The Time of Man』からゆるい着想を得て、Joan Lorringナレーションによる1951年のラジオドラマ版の抜粋が取り入れられている。南部訛りの哀愁ある語りが、ゆったりとしたループや静かなシンセサウンドと絡み合い、アメリカの田舎の空気とシンプルなアンビエントの対比を生み出している。Biosphereらしい深い静けさと広がりはそのままに、人間味のある、記憶を辿るような自己洞察的なトーンが印象的な作品になっている。
日本のインディ・ミュージックの中でも最高峰の予感!ダブやネオ・サイケデリア、都会的コンテンポラリーR&B等の多彩な要素を巧みにブレンドした東京拠点のインディ・ロック・バンド、TAMTAMによる、アンビエント・ダブにほのかなサイケデリックの香りが漂う幻想的なシングル『花を一輪 - Hana Wo Ichirin』。柔らかなヴォーカルと浮遊感のあるシンセ、空間的なミックスが印象的。〈PPU〉からリリースのTAMTAMの国際的な展開を象徴する一枚。静けさと揺らぎの中にある美しさ。耳に残る余白と、心に染み入る音の粒子が、聴く者を静かな深淵へと誘う。

90年代ポストロックの代名詞としてシカゴから世界を震撼させた世界最高峰のインストゥルメンタル・バンド、Tortoise。『Millions Now Living Will Never Die』や『TNT』といった歴史的名盤で築いた唯一無二の音響建築は、今も多くのジャンルを越えて影響を与え続けています。そんな彼らが9年ぶりに放つ最新作『Touch』は、地理的に散らばったメンバーがロサンゼルスやポートランド、シカゴを行き来しながら制作したアルバム。プロセスは変化しつつも、その音楽はむしろ過去以上に有機的で、深く結びついていると感じられます。緻密に重ねられたリズムとマレットの揺らぎ、ギターとシンセの多層的な響きが織りなすのは、都市の夜景や見えない物語を想起させるシネマティックな音像。混迷の時代にあっても「人は適応する」と語る彼らの姿勢が、そのまま音に刻まれたような傑作です。MUST!!!!

90年代ポストロックの代名詞としてシカゴから世界を震撼させた世界最高峰のインストゥルメンタル・バンド、Tortoise。『Millions Now Living Will Never Die』や『TNT』といった歴史的名盤で築いた唯一無二の音響建築は、今も多くのジャンルを越えて影響を与え続けています。そんな彼らが9年ぶりに放つ最新作『Touch』は、地理的に散らばったメンバーがロサンゼルスやポートランド、シカゴを行き来しながら制作したアルバム。プロセスは変化しつつも、その音楽はむしろ過去以上に有機的で、深く結びついていると感じられます。緻密に重ねられたリズムとマレットの揺らぎ、ギターとシンセの多層的な響きが織りなすのは、都市の夜景や見えない物語を想起させるシネマティックな音像。混迷の時代にあっても「人は適応する」と語る彼らの姿勢が、そのまま音に刻まれたような傑作です。MUST!!!!

大名門〈PAN〉からは、VENERAの2作目『EXINFINITE』が登場。本作は、KornのギタリストJames "Munky" Shafferと作曲家、映像作家のChris Huntによるプロジェクトの深化形で、前作で構築したシネマティックかつ多次元的な音世界をさらに進化させ、より重く、暗く、打楽器的な音像を追求している。また、ノイズやリズムの強度だけでなく、内面へと向かう神秘的・情緒的な要素も色濃く反映されているのが特徴。ノイズまみれのビート、破壊的なシンセ、ギターに、FKA twigs、Dis Fig、Chelsea Wolfeらの幽玄で情感豊かなボーカルが交錯し、ポスト・インダストリアル、ゴシック、テクノ、ノイズ、サイファイ・サウンドデザインなどが溶け合い、感情と物質の境界が曖昧になったような没入的世界を描く。ジャンルを越境しながら、闇と美しさが渦巻く、未来的で感情むき出しのサウンド!

ニューヨークを拠点に活動するシンガー、プロデューサー、マルチメディア・アーティストのJames K による最新作『Friend』が〈AD93〉より登場。本作は、詩的なサウンド・スケープと内省的な声のレイヤーが交差する、まるで夢の中を彷徨うような幽玄なアンビエント・ポップ作品で、ビートは滲み、旋律は記憶の断片のように浮かんでは消え、聴き手の感覚を揺さぶる。静けさと混沌、優しさと不可思議が同居する音像は、トリップホップやポスト・インダストリアル、ダブの要素を内包しながらも、どこにも着地しない浮遊感に満ちている。音だけでなく、言葉や感情そのものが霧のように立ち上り、聴く者の内面にじわりと染み入る。消えていくものへの眼差しと、つながりへの希求が交錯するようなこの作品は、ジャンルの枠を軽々と越え、リスナーの奥深くにやさしく爪を立てるような、繊細でラディカルな一枚となっている。感覚と記憶が重なり合い、音が色や味になるような、まるで別世界の入口のようなアルバム。

ロンドンの奇才 Powell による、親友の自死という深い喪失と依存症、回復という個人的テーマを軸に2018〜2025年の長い期間に録音された音源から構成された約4年ぶりのフル・アルバム『We Do Recover』。電子音のざらつきや不安定さをあえて残しながら、アンビエントやIDM、レフトフィールド・テクノの要素をゆるやかに行き来する作品で、感情の揺れや回復のプロセスをそのまま音の流れに落とし込んだような構造になっている。ビートが前面に出る瞬間は少なく、むしろ断片的なメロディやノイズの粒子が浮かんでは消えることで、内省的で少し壊れた質感の美しさが立ち上がる。曲ごとにムードが大きく変わりながらも、全体としては、崩れたものを拾い集めて再構築していくような、独特の世界観となっている。

〈12k〉〈LAAPS〉〈IIKKI〉〈The Trilogy Tapes〉 などからのリリースで知られ、東京を拠点に、サウンド/ドローイング/インスタレーション/映像を横断するアーティストAkhira Sanoによるグロッケンシュピールとフィールドレコーディングのみで生み出されたミニマル・アンビエント傑作『To Material Past』がUKの〈SWIMS〉より50本限定のカセットとして登場。グロッケンシュピールの透明な響きと、環境音の柔らかなテクスチャが溶け合い、時間の流れをゆっくりとほどくような音世界が広がっている。静けさの中に微細な変化が漂う、白昼夢のような作品。
ギターとコンピューターで無二のエレクトロニック・サウンドを創出するフェネス、約5年半ぶりのニュー・アルバム『モザイク』。おそろしいほど精緻に構築された音像が途方もなく美しい無比の傑作
これはフェネスのこれまででもっとも内省的なアルバムである。2023年末に作曲・録音され、2024年夏に完成した。フェネスはこの4年間で3つ目となる新しいスタジオ・スペースを開設した。さしあたっての構想はなく、今回は厳格な作業ルーティーンでゼロからスタートした。朝早く起きて正午まで作業をし、ひと休みしてまた夕方まで仕事をした。最初はアイデアを集め、実験し、即興で演奏するだけ。その後、作曲、ミキシング、修正。しかし、タイトルは早くから決まっていた。『モザイク』だ。それは、要素をひとつずつ配置して全体像を構築するという、ピクセルが一瞬でそれを行うようになる以前の、旧式の画像作成技術を反映したものだった。
『モザイク』は、その名前が示す通り、繊細かつ複雑なアルバムで、音の断片をつなぎ合わせて広大で没入感のあるものにしている。まるで忘れられた記憶を復元するかのように、あるいは、音のモニュメントを構築するかのように、フェネスは細心の注意を払い、ほとんど瞑想のようなプロセスでこの作品を一層一層、組み立てた。
『モザイク』は、多様な影響と、リスナーによって探求される複数の可能性を備えた、映画的で非常に魅力的で美しいスコアである。
『モザイク』でフェネスは、彼が単なるミュージシャンではなく、音の建築家であることをふたたび証明した。たとえ一瞬であっても、エーテルに溶け込む前に、われわれが生息するための世界を作り上げている。科学と夢が出会い、精密さと詩が出会い、音そのものがわれわれを再発見へと誘う古代の言語となるアルバムだ。まさに珠玉だ!


テクノ・シーンで知られるフランスのアーティスト Vel による初のアンビエント・アルバム『Cuddle Protocol』。デジタル社会における「親密さのパラドックス」をテーマに、ASMR的な微細音、低音のうねり、柔らかなシンセのレイヤーで構成された短い断片的な楽曲を重ねる。タイトル通り「抱擁のプロトコル」として、親密さや感情の揺らぎを繊細な音響で描いた作品。短い楽曲の連なりが瞑想的な流れを生み、現代的なアンビエントの新しい形を提示する意欲作。

日本の伝説的な電子音楽家、Susumu Yokotaが自身のレーベル「Skintone」を立ち上げて最初にリリースした、1998年発表の繊細かつ深遠なアルバム『Magic Thread』。ミニマル・テクノの構造を利用しながらも、ビートを推進力としてではなく、雰囲気のための足場として使用しているのが特徴的で、ゴーストリーなドラムループが漂う「Circular」は、深夜の都会の静寂に響く幽玄なハウス・ミュージックを思わせ、また「Reflux」の工場ベルトのようなビートは、音響的なテクスチャと混ざり合い、都市の広大さや静けさを感じさせる。音響設計は一見シンプルでありながら、フィールド・レコーディングやタムタムやプリペアードピアノなどアコースティックな音色が抽象的なリズムパターンに繊細に織り込まれており、本作は、彼がそれまで追求していたディープ・ハウスやテクノの躍動感と、後に確立する内省的なアンビエントの世界観とを繋ぐ「Magic Thread(魔法の糸)」というべき作品となっている。

横浜出身のマルチ奏者Tokio Onoによるアンビエント・ダブと第四世界的音響が交差する幻想的なダブトロニカ作品『Peel』が、Seekers Internationalによるリミックスも収録して〈Accidental Meetings〉から登場。重厚なサブベースと空間系エフェクトを軸にしたダブ処理に、日本語の語りや民謡的メロディ、打楽器、ギターなどが交錯する絶妙な塩梅。トロピカルなサウンドや幽玄なシンセ、エキゾチックな旋律が響き合う、民族音楽と電子音楽が融合した音響はTokio Onoが横浜から東京へ移り住む中で生まれた記憶と感情の断片を音で編み上げた夢幻的なダブの旅であり、Seekers Internationalによるリミックスなど現代ダブの最前線とも接続された、UKと日本の音楽文化が交差する現代的第四世界探求の一枚。

東京拠点のモジュラーシンセ・アーティスト Yassokiiba によるデビュー7インチ『Dub 5 / Dub 3』。Rhythm & SoundやBasic Channelに影響を受けたレフトフィールド・ダブ/テクノ的サウンドで、東京の自宅アパートで録音されたモジュラー・ジャムから選ばれた実験的かつメロウな2曲を収録。シャープでミニマルなリズムに、柔らかく広がるダブワイズ。アンビエント的な空間性も強い。東京発の新しいダブ・エレクトロニカの可能性を内外に示す一枚!

2016年以来となる新曲「Oganesson」でカムバックしたTortoise。その続編となるリミックス集『The Oganesson Remixes EP』は、彼らの多層的なサウンドをさらに拡張する作品で、ポストロック、エレクトロニカ、ジャズ、ダブ、実験音楽などを自在に横断してきたTortoiseらしく、このEPもジャンルの枠を超えた多彩なリミキサー陣が集結している。詩人・活動家サウル・ウィリアムズは社会的メッセージと共にリズムを再構築し、マスタリング・エンジニアとして知られるヘバ・カドリーは音響的な緻密さで原曲を再解釈。Broken Social Sceneによるドリーミーなオルタナティブ解釈、そしてInternational Anthem所属のドラマー/プロデューサー、マカヤ・マクレイヴンによる流動的なジャズ/ビート・サイエンス。それぞれがTortoiseの緻密なアンサンブルに新たな色彩を加えている。静謐で実験的なオリジナル曲「Oganesson」を軸に、多様な視点からその構造を解体、再構築した全6曲を収録。バンドの現在地と、彼らの音楽がいかに幅広い文脈で響き続けているかを示す一枚。
