限定カラーヴァイナル仕様。ヤン・ヴェルナーとアンディ・トーマによるドイツを拠点とするインテリ電子音楽デュオ、Mouse On Mars。IDM、ダブ、クラウトロック、ブレイクビーツ、アンビエントなどの要素を併せ持ち、オーガニックなアナログシンセサイザーとクロス・フリクエンシー・モデュレーション(周波数変調)、生楽器を効果的に用いながら、Mouse On Marsの音楽としか言えない独自の進化を続ける彼らのオリジナルは2004年リリースの傑作Radical Connectorのヴァイナル再発。本作の特徴はなんと言っても、Mouse On Marsが歌っているということでしょう。驚きましたよね。明確なメロディーもあるし、歌詞もあって、ダブやヒップホップのような感覚もはっきりとある。しかし、そこまでポップ・ミュージックに寄っていっても、音楽的な感性は依然としてMouse On Marsのものでしかないというところがさすがとしか言えません。カテゴライズ不能な、彼らのインテリさ面目躍如な、マニエリスムな音楽を2022年の今、改めて聞き直してみるのも楽しいと思われる名作です。