MUSIC
7474 products

10月23日発売。メキシコの神話、民間伝承、女性的象徴性を軸に、内省的な世界観を拡張し、濃密な物語としての電子音楽へと踏み込んだKaren y Los Remediosの新作『Bestiaria』。収録曲はそれぞれ、女神、怪物、精霊、魔術的存在をモチーフにしており、伝統的ラテン音楽の影と現代的エレクトロニカが、神話的なイメージの中でゆっくりと形を変えながら流れていく。Ana Karenの声は、歌と語りの境界を行き来しながら、象徴的なキャラクターたちの気配を身体的な質感として立ち上げる。低域は深く沈み、シンセやギターは水面に反射する光のように揺れ、湿度の高い音像がアルバム全体を包み込む。神話的な存在を現代の電子音響で再解釈することで、幻想性と親密さが同時に立ち上がる、Karen y Los Remediosの世界観が鮮明に結晶したアルバム。

エクアドル系アメリカ人アーティストHelado Negroが2019年に〈RVNG Intl.〉から発表した、自身のルーツ、家族、移民としての経験を静かに見つめたパーソナルで温かなアルバム『This Is How You Smile』。柔らかなシンセとアコースティック・ギター、控えめなビート、囁くような歌声が溶け合い、ルーツであるラテンの香り漂うフォークとエレクトロニカが溶け合う音像を形成。静けさの中に深い感情が宿る楽曲が並び、まるで日記をそっと読み聞かせるような親密さがある。ポップなムードが絶妙に同居し、聴くほどに心の奥へ染み込んでいく。ジャケットもなんとも愛らしく、さりげなく柔らかい声で、重要なアイデンティティを歌い上げた名盤。

ジム・オルークの〈Moikai〉レーベルからその第1弾としてCD再発が敢行されていた名盤が待望のリプレス!1988年に〈Ama Romanta〉から発売されたオリジナル盤は6万円以上の高値を付けている、ポルトガルの作曲家、Nuno Canavarroによる不朽の名作『Plux Quba 』がアナログ再発!Carlos Maria Trindade とのニューエイジ傑作『Mr. Wollogallu』でも知られる人物!実に30年前の作品ながら、アブストラクト~アンビエント~カットアップのコラージュというシンプルな手法により、IDMが浸透した現代にも違和感なく溶け込む逸品。Christoph Heemannを始めとして、多くの実験作家を魅了したニカ・ニューエイジの先駆的作品にして、現代のリスニングの楽しみを彩る、完全に異質なサウンドスケープ盤。

13年の沈黙を破り、ボーズ・オブ・カナダが最新アルバム『Inferno』を発表。〈Warp Records〉より5月29日にリリースされることが明らかとなった。本作は、マイケル・サンディソンとマーカス・イオンによる音楽プロジェクト、ボーズ・オブ・カナダにとって2013年の『Tomorrow's Harvest』以来となる待望の5thアルバムとなり、18の新曲が収録される。

NYのアンダーグラウンド・クラブシーンから現れた新鋭、Eden Aureliusのデビュー・アルバム『Entre Nous』。霧状のテクスチャ、波の花のように立ち上がるコード、胸の奥を震わせる低域が、曖昧なリズムの上でゆっくりと重なり、アンビエントとダブ・テクノの境界線を曖昧にしてゆく。音の発生源が判別できないほど複雑に反射するフィルター処理、輪郭を持たないキック、湿った高域のレイヤーが、NYの夜の空気をそのまま音像化したような質感を生む。Pontiac Streatorが参加したトラックでは、〈Short Span〉〈3XL〉〈False Aralia〉周辺の流れが自然に接続され、Eden Aureliusの音楽が単なる静けさではなく、都市の電子音響として成立していることがよくわかる。6曲というコンパクトな構成ながら、季節の移り変わりや光の濃淡を感じさせる密度の高いアルバム。
自身は〈Ampoule〉を主宰、14歳の頃から音楽を作り続けてきたグラスゴー出身のアンビエント/エレクトロニカ界の鬼才”Pub”。2000年にリリースのダブ・テクノ傑作曲「Summer」が待望の2026年リプレスです!
ライヴ・インプロヴィゼーションによるセッションから生まれた16分に及ぶ長尺作品で、静かにうねりながら変容を続ける音響空間は、IDM、アンビエント、ダブを有機的に結びつけた唯一無二の世界。名門〈Dubplates&Mastering〉でのマスタリング。20年の時を経ても色褪せることのない、IDM〜ダブ〜アンビエント愛好家必聴の一枚。

不穏な記憶と幻想が交錯する、深淵なるサイケデリック・エレクトロニカの大傑作!万華鏡の如き珠玉のセカンド・アルバム。
アナログ・ノイズ、歪んだサンプル、サブリミナルのように忍び込む旋律──。ボーズ・オブ・カナダが2002年に発表した2ndアルバム『Geogaddi』は、IDM~エレクトロニカ史に刻まれた異形の傑作。前作『Music Has The Right To Children』のノスタルジックな空気感を引き継ぎながらも、よりダークでサイケデリックな世界観へと深化。聴く者の記憶や潜在意識を揺さぶる唯一無二のサウンドは、現在も多くのアーティストに影響を与え続けている。

アンビエント、エレクトロニカ界の重鎮、Arovaneと名門〈12k〉の主宰者Taylor Deupreeによるコラボレーション第2弾『Enth』。2022年の名作『Skal_Ghost』に続き、長年の親交と音楽テクノロジーへの飽くなき探求心によって結実した、現代電子音響作品で、ギターの柔らかな残響や電子音、フィールド・レコーディングの素材が、エフェクトやDSP処理を通じて幾重にも加工・再加工され、有機的なループと精緻なレイヤーとして静かに重ね合わせられていく。Deupreeの真骨頂である温かみあふれるアコースティックのテクスチャーと、Arovaneの細密なミクロ・グリッチ、電子音響手法が見事に溶け合い、刻一刻と表情を変える静謐で美しい音像を描き出している。年輪を感じるディープで細やかな音響美学が凝縮された一枚。

アンビエント、エレクトロニカ界の重鎮、Arovaneと名門〈12k〉の主宰者Taylor Deupreeによるコラボレーション第2弾『Enth』。2022年の名作『Skal_Ghost』に続き、長年の親交と音楽テクノロジーへの飽くなき探求心によって結実した、現代電子音響作品で、ギターの柔らかな残響や電子音、フィールド・レコーディングの素材が、エフェクトやDSP処理を通じて幾重にも加工・再加工され、有機的なループと精緻なレイヤーとして静かに重ね合わせられていく。Deupreeの真骨頂である温かみあふれるアコースティックのテクスチャーと、Arovaneの細密なミクロ・グリッチ、電子音響手法が見事に溶け合い、刻一刻と表情を変える静謐で美しい音像を描き出している。年輪を感じるディープで細やかな音響美学が凝縮された一枚。
今日のポップ・ミュージックを作るアーティストにとって、消費しやすい定型の自己像に落ち着くか、気まぐれなアルゴリズムに大きく迎合するかが求められる。しかし、〈Young〉が契約した最新アーティストのひとりである Murex は、優れたソングライターとして、その制約に自らの流儀で挑み、道を切り開いてきた。
大胆なハーモニクスの転調、グリッチ・エレクトロニカ、狂騒的なオーケストラ・シーケンスを通じて、Murex は、自身の潜在意識の境界を塗り替えていく。ストーリーテリングと北欧フォークロアの精神に深く根ざした本作は、崩れゆく自己感覚へと向き合う旅路が描かれている。Murex が自らをほどきながら、創造的・感情的な解放へと手を伸ばしていく軌跡が、幽玄で不規則なアヴァン・ポップを背景に展開していく。
アルバムタイトル『Inventio』はバッハのインベンションに由来している。そのバロック的な精神は全編を貫いており、その歌声やサウンドはビョークやエリザベス・フレイザーを彷彿とさせる内容に仕上がっている。

10月下旬再入荷。フィラデルフィアを拠点に活動する音響作家Jason Calhounによる、中世神秘家Julian of Norwichの同名著作へのオマージュをタイトルに掲げ、日常の中に潜む神聖さをテーマにした全14曲のアンビエント作品『Revelations of Divine Love』。これまでの長尺ドローン中心の作風から一転し、本作は1〜2分台の短い断片が連なる構成。Calhounがペンシルベニア州の自宅周辺で録音した素材や、微細な電子音、柔らかなノイズを重ね合わせ、小さな情景がふっと立ち上がっては消えていくような質感が続く。音の余白の扱いが非常に巧みで、静けさの中に淡いメロディやパルスが浮かび上がる瞬間が印象的。短い曲の連なりが、まるで小さな祈りのように響く。

(数量限定/ブラック・ヴァイナル/日本語帯付き/解説書封入)現代音楽シーンにおいて、静かに、しかし圧倒的な影響力を持つワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(以下OPN)が、アルバム『Tranquilizer』を〈Warp〉よりリリース。OPNならではの幻想的で超現実的なサウンド世界が姿を現す。
精神安定剤を意味する『Tranquilizer』の出発点は偶然の光景だった。歯医者の椅子に横たわり、歯に響く振動を受けながら、ふと見上げた蛍光灯のカバー。灰色のタイル天井に貼られた、青空とヤシの木のプリント−−安っぽい人工の楽園。その瞬間、OPNは問いかける。この世界の音とは何か。日常と非日常がかろうじて均衡を保ちながら共存する、この薄っぺらな現実の音とは。
さらに、数年前、インターネット・アーカイブから、巨大なサンプル・ライブラリがインターネットから忽然と消えた事件も創作の引き金となった。90年代から2000年代にかけての何百枚ものクラシックなサンプルCD−−シーケンス、ビート、パッド、バーチャル楽器。『サイレントヒル』から『X-ファイル』まで、数え切れない作品に陰影を与えてきた音源たちが、一瞬にして闇に呑み込まれたという出来事。それは文化の断絶、時代の記憶を繋ぐ回線が無慈悲に断ち切られるような体験だった。幸いにも、失われかけた音の断片は再び救出され、文化的アーカイブとして息を吹き返す。本作は、過去への逃避とは何を意味するのか、そしてその先に何が待っているのかを問いかけ、超現実的でディープなテクスチャーで聴く者を包み込む。
失われた音の断片をもとに、『Tranquilizer』は音の幻覚を描き出す。静謐なアンビエンスがデジタルの混沌へとねじれ、日常の質感は感情の奔流へと変容する。忘却と廃退に形づくられたレコード。現実と非現実の境界はぼやけ、サンプルはノイズへと溶け込み、夢の中で扉がきしむ音を立てる。今作のOPNは、これまで以上に没入的だ。ノスタルジーではなく、失われた音を新しい感情の器として再構築している。
アートワークは、インディアナ州を拠点とするアーティスト、アブナー・ハーシュバーガーによって描かれた絵画で、アブナーが育ったノースダコタの平原を抽象的かつ有機的に再構築している。忘れ去られた素材や農村風景に根ざしたそのビジュアルは、『Tranquilizer』のテーマである崩壊、記憶、クラフト感と呼応する。
過去20年にわたり、OPNは世界有数の実験的エレクトロニック・ミュージックのプロデューサー/作曲家としてその名を確立し、21世紀の音楽表現を刷新し続けている。初期の『Eccojams』はヴェイパーウェイヴを生み出し、『R Plus Seven』や『Garden of Delete』といった作品はデジタル時代のアンビエント/実験音楽を再定義した。さらに、サフディ兄弟の『グッド・タイム (原題:Good Time)』と『アンカット・ダイヤモンド (原題:Uncut Gems)』やソフィア・コッポラの『ブリングリング (原題:The Bling Ring)』の映画音楽を手がけ、今年最も注目を集める映画のひとつであるジョシュ・サフディ監督作『Marty Supreme』の音楽も担当。またザ・ウィークエンド、チャーリーXCX、イギー・ポップ、デヴィッド・バーン、アノーニとのコラボレーションでも知られている。
オランダ・テクノのオリジネイターSteve Rachmadが、キャリア45周年の節目に提示する、クラブ・トラックから大きく離れ、シンフォニックな広がりとアンビエントの静けさを中心に据えた新しい電子音楽作品『Light And Time』。パンデミック期に映画音楽の研究へのめり込み、オーケストラ編成のレイヤー構築を独学で習得したことが、本作の音響的な基盤となっている。録音された演奏者の揺らぎや、人間的な誤差をそのまま取り込むことで、これまでの機械的な精度とは異なる質感が生まれている。ストリングスのレイヤーとシンセの柔らかな揺らぎが自然に交差し、調和的なパッセージがゆっくりと展開。低域のパルスやざらついたリズムが影として存在し、Rachmad のテクノ的ルーツを抽象的に示す。長年のキャリアを再定義するような、静かで深い到達点を感じさせる音楽性で、空間の広がりや質感の変化をじっくり味わうためのシンフォニック電子音楽。

Carl Stoneが2010年代に展開した、世界のポップ断片をデジタル的に破砕し、再構成するという美学を多彩に示した2枚組『Himalaya』。2013〜2019年に制作された楽曲をまとめた作品で、東南アジアのストリート録音、アジア圏のポップ、ロックのブレイク、ディスコ的ギター、ヒップホップ的ループ、そしてアフリカ圏のポップスやストリート音楽の断片まで、文化圏を横断する素材が高速で変形し続ける境界なき電子音響。Stoneのタイムスライス技法はここでさらに進化し、サンプルは原型をわずかに残しながらも細かく破砕され、常に揺らぎ続ける。反復はあるがミニマルではなく、常に変化し続ける反復として機能し、クラブ・ミュージック的な推進力と電子音響の精密さが同時に走る。素材の文化的出自は意図的に曖昧化されているが、アフロポップ的なギターの切り返しやコール&レスポンス的な声の断片など、アフリカ圏のストリート音楽の明るいグルーブが印象的で、世界のポップを素材にした実験音楽という方向性がより広いスケールで展開されている。
Carl Stoneが40年以上にわたり探求してきた音を時間的に破砕し、再構成するという独自の技法が最も鮮明に表れた作品『Baroo』。Max/MSPを使ったライブ・ラップトップ演奏を軸に、サンプル素材を細かく切断し、断片を高速で組み替えることで、リズム、メロディ、ノイズの境界が絶えず揺らぎ続ける電子音響モザイクが立ち上がる。素材は原型をわずかに残しながらも、常に別の姿へ変形し続け、聴き手の認知を刺激する。南米のパーティのざわめき、アジアのポップ、環境音、電子ノイズなど、多文化的なイメージが一瞬だけ浮かび上がり、すぐに別の形へ変わるプランダーフォニクス的多層性。反復はあるがミニマルではなく、常に変化し続ける反復として機能し、クラブ・ミュージック的な推進力と電子音響の精密さが同時に走る洗練された一枚。

10月下旬再入荷(10月中旬分は完売しました)。〈Pitchfork〉や〈Rolling Stone〉〈DJ MAG〉といった主要メディアも絶賛。〈Hyperdub〉や〈AD 93〉といった人気レーベルからも作品を繰り出してきたロンドンの女性プロデューサーであり、これまでもJessy LanzaやLow End Activist、object blue & TSVI、Cuusheなどのリミックスを担当してきたLoraine Jamesのアンビエント・プロジェクト”Whatever The Weather”。TychoやKhotin、Mary Lattimoreといった数々の名アクトを送り出してきたブルックリンの名門エクスペリメンタル・レーベル〈Ghostly International〉よりセカンドアルバムが到着!より印象主義的で内面的なまなざしをもち、重層的なテクスチャーが催眠術のようなアンビエンスから、斑模様のリズム、日記的なフィールド・レコーディングの切り刻まれたコラージュまで、シームレスに流れていく作風がすばらしい!Dark Green Color Vinyl仕様で、マスタリングは引き続きTelefon Tel Avivが担当!

10月中旬再入荷。〈Pitchfork〉や〈Rolling Stone〉〈DJ MAG〉といった主要メディアも絶賛。〈Hyperdub〉や〈AD 93〉といった人気レーベルからも作品を繰り出してきたロンドンの女性プロデューサーであり、これまでもJessy LanzaやLow End Activist、object blue & TSVI、Cuusheなどのリミックスを担当してきたLoraine Jamesのアンビエント・プロジェクト”Whatever The Weather”。TychoやKhotin、Mary Lattimoreといった数々の名アクトを送り出してきたブルックリンの名門エクスペリメンタル・レーベル〈Ghostly International〉よりそのデビュー・アルバムが到着。ポスト・コロナの激動の2年間を自身のアートを通じて消化しつつ〈NTS Radio〉でも自身の番組を展開してきた彼女がキーボードによる即興演奏と実験的なヴォーカルを織り込みながら制作した傑作アルバム。R&Bやドリル、ポップといった自身が名刺代わりとしてきたパーカッシヴなストラクチャーやサウンドとはやや距離を置き、雰囲気と音色を重視したイーサリアルかつノスタルジックなアンビエント/IDM作品に仕上げています。マスタリングはなんとTelefon Tel Avivが担当(!!)

ポストロックの象徴的存在Tortoiseが2001年に発表した4作目『Standards』。複雑なリズム構造と緻密なアンサンブルが、よりシャープでモダンな音像へと進化。冒頭「Seneca」では、二人のドラマーが織りなすポリリズム的な推進力が一気に空気を変え、ギター、ヴィブラフォン、シンセが立体的に絡み合う。「Eros」「Benway」ではミニマル・ミュージックのような反復がジャズ的な柔軟さと結びつき、音が形として浮かび上がるような構築美が際立つ。後半の「Monica」「Speakeasy」では、電子音のテクスチャと生演奏の温度が自然に交差し、都市的でクールなムードが漂う。Tortoise が2000年代初頭に到達した精密さと大胆さのバランスを示す、ポストロックの枠を超えた、今聴いても新鮮なモダン・アンサンブルが詰まった一枚。

スコットランドの電子音楽デュオBoards of Canadaが2006年にWarpから発表したEP『Trans Canada Highway』。Boards of Canadaらしい郷愁と記憶の感覚を背景に、アナログ機材の温もりを感じさせるシンセサイザー、朧げに加工されたサンプル、ゆるやかに揺れるビートが重なり、現実と記憶の境界が曖昧になるようなサウンドスケープを描き出します。2000年代のWarpを象徴する作品のひとつであり、彼らのディスコグラフィーの中でも特に美しい余韻を残すEP。
不朽の名盤。スコットランドの電子音楽デュオ、Boards of Canadaの1998年発表の廃盤高騰状態だった傑作ファースト・アルバムが待望のヴァイナル・リプレス。エレクトロニック・ミュージックのジャンルに大きな影響を与えた歴史的名作。

アコースティック楽器の温もりとDIYエレクトロニクスの実験性を自在に溶かしあわせるKeith Freundによる最新LP『Window Left Open』。2024年の前作『Trash Can Lamb』の探求を受け継ぎ、優美でジャジーな演奏を8ビットのビートやビットクラッシュ、変形エフェクトで分解・再構築したアヴァン・エレクトロニカの良作。サックスのしなやかな旋律や細かく刻まれたピアノの断片が、回路のノイズや壊れたループと見事に融和。攻撃的なノイズではなく、夏の草むらで虫たちが蠢くような生命力あふれる音響テクスチャーを展開する。生楽器の豊かな質感とユーモラスな音響エディットが心地よく交錯する、フォークトロニカ〜レフトフィールド・ジャズの良さをたっぷりと含んだ、温かくもユニークな一枚!

Space Afrikaの傑作『Honest Labour』への参加やKlein、Lol Kとの協働でも知られるLA Timpaの『Equal Amounts Afraid』が待望のアナログ化。Solangeを手掛けるKwesやDean BluntのエンジニアAmir Shoatが制作陣に名を連ね、2020年の初回限定CDリリース以来カルト的人気を誇ってきたもので、Kleinのサイケデリックなカットアップ手法、Blood Orangeの官能性、さらにはYves TumorやA.R. Kaneを想起させるソウルフルなメロディラインが結実。儚いファルセット・ボイスや変形されたポップスの断片が、煙たい重低音や幻想的なアンビエント音響と美しく溶け合う。弱さを美へと昇華させた繊細かつ独創的なサウンドが心に深く染みるレフトフィールド・ソウル名盤!

Jan JelinekがGramm名義でクリック〜マイクロハウスを制作していた90年代末に、リスニングにフォーカスした作品として制作された『Personal Rock』が、本人主宰レーベルFaiticheよりオリジナル・アートワーク仕様で20年の時を経て、ついにヴァイナル復刻。クリック音や微細なノイズ、細かく刻まれたサンプルが緻密にレイヤーされ、静けさの中で絶えず揺れ動く粒子の音楽が展開される。メロディを前面に押し出すのではなく、音の質感そのものが表情をつくり、反復の中で少しずつ変化していく構造は、Jelinekが、より抽象的で内省的な方向へ踏み込んだ作品であり、後の代表作「Loop-Finding Jazz Records」に通じる美学の原点ともいえる。深夜の静けさや都市の空気を思わせる繊細な緊張感が全編に漂い、20年以上経った今でも色褪せない魅力を放つ大名盤。
