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今のアート文脈から無きものとして抹消されるなら我々で存在証明してやるという意気込みだけで展開した企画ながら、世界的にも話が通じることが確認できたヘンリー川原再訪運動 (複数の記事になって取材も受けました)。そんな中、鋭意準備中の続編 『電脳的反抗と絶頂2: その他のヘンリー川原』 (仮題)の景気づけに投与するのが今回のシングルです。※コンピには未収の限定ワンオフ・リリースです。
この「Minami-kaze α Wave(南風 α ウェイヴ)」 は、川原が手がけた希少な日本語ヴォーカル曲であり、1993年にHMD (H Music De-Perception) という名で発表された「南風#3」の未発表ヴァージョンだ (マニアですいません)。 同曲は『電脳的反抗と絶頂』 にも収録したサイバーエキゾ・トラック「南風」をヴォーカル曲用に改編したもので、記録によれば宝達奈巳が歌い、既出版とMIXが微細に異なる未発表ヴァージョン。90年代末のTKファミリーを彷彿とさせるユニット名で、80年代に細野晴臣がプロデュースしたアイドル曲群に真っ向から挑んだような<ポップスもできた川原>を確認できる希少例だ。
=作品仕様=
+ 半透明GREEN VINYL
+ 片面1曲のみ収録
+ 特殊アルミ蒸着紙を使ったペラジャケ付き。見本図版の色目は実物と異なります。ギラギラになります。
話題の民謡レゲエ遂にアナログ・リリース!
デビュー50周年を迎える民謡界を代表するシンガー金沢明子の民謡とレゲエを融合したキラーチューンが遂に正規リリース。
現在海外から再評価を受けている国産ダンスミュージックの草分けFAR EAST RECORDINGSの設立者である寺田創一が手掛け大ヒットしたアルバム「HOUSE MIX1」(1991年リリース)に収録のナンバー(「秋田音頭~秋田大黒舞」メドレー)。
リリース当時、アルバムをアレンジした寺田創一の発案により、プロモーション用に非売品7inchレコードが作成されていたが、このほど当時同様にオリジナル・アレンジャー寺田創一のエディットによる7インチ・シングルの正規発売が決定。配信もスタート。
トラックリスト:
Side A
1. 秋田大黒舞
Side B
1. 秋田音頭

東京拠点のサウンド・アート系俊英レーベル〈ato.archives〉より、台湾のモジュラー・シンセ・シーンを横断的に捉えた注目のコンピレーション・カセットが登場。台湾のモジュラー作家であるRyan J Raffaによるキュレーションのもと、台湾各地の実験電子音楽家たちによる音響の地層がここに結晶。パルス、断片、残響、倍音。風景の縁をなぞるように鳴らされる音たちは、都市と自然、身体と記憶の境界を静かに揺さぶるかのよう。過剰な演出を避けた構成からは、東アジア的な時間感覚と詩的ミニマリズムが滲み出しています。まさに電子音とともに編まれる地誌的なサウンド・ドキュメント。世界と交信する回路の中で生まれた、静謐で現地的なエレクトロニクスの記録集であり、必聴です。

後年、職業音楽家として名を成すある若者が1984年に自費出版した幻の異端シンセLP、ここに遂に公式復刻!! 80年代初期ニューヨークのアヴァンギャルド・ムーブメントの熱気にくらったいち日本人のアウトサイダーDIY精神爆発の刻印。シンセ一台とヴォイスのみで表現されたこのウルトラローファイな初期衝動的探求は、シニシズムが蔓延する時代、内なる「人間」DNAを揺り起こす。これは現代の神話である。
『Music in DNA』は、1980年代初頭のニューヨークに滞在し、故郷のしがらみから解放された日本人青年、Yasuhito Ohnoが自主制作したLPで、音楽、絵画、パフォーマンスといった当時の様々な前衛的ムーブメントと80年代ニューヨークの地産地消エネルギーにインスパイアされた、「外部」としてのDIY精神が溢れ出る情熱の結晶体。Ohnoはポリフォニック・シンセサイザーの傑作、Roland Juno-60と4トラックマルチレコーダーのたった2台の機材と自身のヴォイスを用いて、若々しい「エッジ」を開放的なローファイ音楽の探求へと注ぎ込みました。全体が奔放な魅力に満ちており、それは、新しい世界に飛び込んで戯れる生々しくフレッシュな人間の精神の開放。Ohnoは、DNA研究、パーソナルコンピューティング、初期のコンピュータグラフィックスといった当時の技術開発全般がもたらす人間的な可能性にも触発されており、収録曲の一部は初期CGのデモ映像のバックグラウンド音楽に使われ、また、本作のジャケットは初期のCGアートです。その後、彼は日本で職業音楽家となりますが、『Music in DNA』は、表現技術を磨く以前の、ひとりのアーティストの作家性の始原を記録したドキュメントであり、極限状態にある剥き出しの無垢が、啓蒙以前の先史神話のように我々に迫ります。シニシズムが蔓延する時代、『Music in DNA』は、寛大な無邪気さとありのままの自分を蘇らせる唯一無比の作品です。ライナーに掲載したYasuhito Ohnoの寄稿は、我々が失っているものを肩の力を抜いて鋭く問いかける名文!

後年、職業音楽家として名を成すある若者が1984年に自費出版した幻の異端シンセLP、ここに遂に公式復刻!! 80年代初期ニューヨークのアヴァンギャルド・ムーブメントの熱気にくらったいち日本人のアウトサイダーDIY精神爆発の刻印。シンセ一台とヴォイスのみで表現されたこのウルトラローファイな初期衝動的探求は、シニシズムが蔓延する時代、内なる「人間」DNAを揺り起こす。これは現代の神話である。
『Music in DNA』は、1980年代初頭のニューヨークに滞在し、故郷のしがらみから解放された日本人青年、Yasuhito Ohnoが自主制作したLPで、音楽、絵画、パフォーマンスといった当時の様々な前衛的ムーブメントと80年代ニューヨークの地産地消エネルギーにインスパイアされた、「外部」としてのDIY精神が溢れ出る情熱の結晶体。Ohnoはポリフォニック・シンセサイザーの傑作、Roland Juno-60と4トラックマルチレコーダーのたった2台の機材と自身のヴォイスを用いて、若々しい「エッジ」を開放的なローファイ音楽の探求へと注ぎ込みました。全体が奔放な魅力に満ちており、それは、新しい世界に飛び込んで戯れる生々しくフレッシュな人間の精神の開放。Ohnoは、DNA研究、パーソナルコンピューティング、初期のコンピュータグラフィックスといった当時の技術開発全般がもたらす人間的な可能性にも触発されており、収録曲の一部は初期CGのデモ映像のバックグラウンド音楽に使われ、また、本作のジャケットは初期のCGアートです。その後、彼は日本で職業音楽家となりますが、『Music in DNA』は、表現技術を磨く以前の、ひとりのアーティストの作家性の始原を記録したドキュメントであり、極限状態にある剥き出しの無垢が、啓蒙以前の先史神話のように我々に迫ります。シニシズムが蔓延する時代、『Music in DNA』は、寛大な無邪気さとありのままの自分を蘇らせる唯一無比の作品です。ライナーに掲載したYasuhito Ohnoの寄稿は、我々が失っているものを肩の力を抜いて鋭く問いかける名文!
限定100部カラーヴァイナル仕様。イタリアのアンビエント作家Fabio Orsiの最新作は、静かで柔らかく、薄明かりのようなアンビエンスから始まり、曲が進むにつれて天上へ昇るように広がっていく構成が印象的。穏やかさと上昇感が同居するサウンドは、Orsi の近年の電子音楽的アプローチをさらに洗練させたもので、静謐な冷たい空気の中で、隠されたものが少しずつ声を持ち始めるような、詩的でエモーショナルなアンビエント作品。

エストニア・アンダーグラウンドの象徴Ajukajaと、変幻自在のボーカリスト、パフォーマーMart Aviによる、13年にわたる制作期間を経て完成した異形のダブル・アルバム『Death of Music』。収録された楽曲は、ポップ、クラブ、アンビエント、ポストR&B、実験音楽が縫い合わされた万華鏡的構成で、Ajukajaのオーガニックで奇妙に歪んだ電子音と、Mart Aviの変幻する声が絡み合い、曲ごとに世界が激しく変容する。ノイズ、歪み、静寂、甘いメロディが交互に現れ、メロディは美しいのに、どこか歪んでいて、常に不安定な揺らぎがある。美しさと奇妙さが同居する、ポップの死骸を縫い合わせたような奇妙なポップネスは、音楽が壊れながら進化していく瞬間をそのまま封じ込めたよう。
〈R=A〉や〈BREW〉からのリリース、Montel Palmerのメンバーとしても知られるケルン拠点のプロデューサーTBZが、最新12インチ『NEW』を自主リリース。ローファイ・ダブとデジタル・ビートの境界を押し広げるような、TapesやJahtariの系譜を思わせるチップチューン的ダブの軽さと、TBZらしい湿ったローエンドが同居する、完全自主制作ならではの自由度の高い作品。丸く歪んだキック、湿り気を帯びたベース、ヨレたループ。どの曲も古いサンプラーが息をしているような温度感があり、デジタルの非現実感と宅録の親密さが絶妙に混ざり合う。ダブ、ゲットー・エレクトロ、ローファイ・ビーツが自然に交差し、夜の部屋で一人遊びしているような、じわじわとクセになる宅録ダブの魅力が詰まった一枚。
John T. Gast主宰レーベル〈5 Gate Temple〉から届いた、Sister Marionのミステリアスな7インチ。A面にはBabyfatherのメンバーとしても知られるJames Massiahをフィーチャーし、乾いたスポークンワードとミニマルなビートが絡む、ロンドン深夜の空気をそのまま封じ込めたような1曲を収録。B面には John T. Gast自身によるダブ・ヴァージョンを収録。電脳空間の奥で反響するような、独特の空気感を持つ独特のミックス。UKアンダーグラウンドの現在形を凝縮した1
枚。
アートとクラブの境界を自在に往復するフランスのプロデューサーLow Jackが、Bambounou主宰レーベル〈Bambe〉から最新7インチをリリース。鋭く跳ねるビートとざらついた低音が牽引する、バイレファンキやゴム、インダストリアル、エレクトロが混ざり合うハイブリッドな質感。都市の雑踏が歪んで聞こえるような幻覚的スピード感があり、アート作品由来の抽象性とクラブ・トラックとしての強度が同居している。A面には原曲のラジオ・エディット、B面にはBambounouによるリミックスを収録。

フランスのレフトフィールド名門〈Antinote〉から届いた、Klein Volk の7年ぶりとなるセカンド・アルバム。Marie Baeke、Timo Bonneure、Wesley Buysseの3名によるユニットで、前作『Gulden Onversneden』から続く素朴さと遊び心を軸にしながら、今作ではより深く日常の余白に耳を澄ませている。柔らかいシンセと軽やかなアンサンブルが織りなす牧歌的な電子音楽は、ミニマルでありながら感情豊かで、小さなフレーズが反復し、ふとした瞬間にメロディが光を差し込ませる。アンビエント、ニューエイジ、レフトフィールド、ジャズ、シンセ・ポップが自然に混ざり合い、春先の光や夕暮れのような移ろいを感じさせる。深刻さに覆われた時代の中で見落とされがちな、ささやかな瞬間の美しさをそっとすくい上げるような静かで温かいエレクトロニック作品。

限定'VIDEO GAME'カラーヴァイナル・エディション。『サルゲッチュ』のドラムンベースが満載の超オイシイ一枚が登場!1990年代から2000年代初頭にかけて自身のレーベル〈Far East Recording〉からリリースされた作品をHuneeのキュレーションでまとめた『Sounds From The Far East』を〈Rush Hour〉よりリリースし、再び脚光を浴びることになった、ジャパニーズ・ディープ・ハウス・レジェンド、寺田創一。そのスタイリッシュで風雅なハウス・ミュージック・プロダクションで世界的によく知られているだけでなく、ビデオゲーム・サウンドトラック制作も数多く手掛ける同氏による、プレイステーション用ゲーム『Ape Escape』(サルゲッチュ)のサウンドトラックからの6曲を集めたコンピレーションEP作品『Apes In The Net』が、自身の〈Far East Recording〉より堂々アナウンス!自身の制作してきたハウス・トラックとは一線を画すドラムンベースやジャングルに傾倒した内容であり、アトモスフェリック・ドラムンベースやブレイクコアがアンダーグラウンド・シーンを飛び越えて興隆する20年代の今の空気にもフィットした一枚。

MFMの名作、Gigi Masinを一躍有名にしたリリースがリプレスです!! 立ち上る桃源郷...生命本来の瑞々しさが蘇る儚いひと時...ニューエイジ/バレアリック新時代に歴史的遺産を提示する名レーベル"Music From Memory"より、新たに出版されるのはイタリアの古くからのアンビエント作家、Gigi Masin。
イタリア産アンビエントの名盤Windや、あのCharles Haywardとの共作なんかも発表している人物。その"Wind"収録曲始め、今作はこれまでの作品から選出された編修盤という1枚で、どれも有機的な楽園の広がりがあり、穏やかに包んで心を離さず、すやすやと佇む電子の海辺が待っています。透明なアンビエンスとコーラスや、魅惑に響くストリングスもさながら、なにより音のプロダクション面が際立っていて、その場の空間への浸透度合いが感動もの。全音楽好きに推したい珠玉盤です!
モジュラーシンセを駆使して、自然の風景や天候、時の移り変わりを音で表現するEmily A. Spragueによる、2024年秋に行われた初の日本ツアーを記録したライヴ・アルバム。全国各地の会場で収録された8時間以上におよぶ演奏から編まれており、余計なミックスを施さず、最低限の編集だけでまとめられている。このツアーは旅として構想されていて、彼女はその場ごとの環境や空気とやりとりするように演奏を展開し、リアルタイムで反応できるようにライヴ機材を組み直し、偶発性と直感に身をゆだねながら音を紡いでいる。収録曲は実際の演奏順ではなく、ひとつの物語の流れを描くように配列されており、たとえば「Nagoya」「Tokyo 1」、10分を超える「Matsumoto」などは、重ねられたシンセの層が静かに脈打ち、日本の環境音楽やディープ・リスニングの系譜とも響き合う内容になっている。彼女が日本での出会いから引き出した、個人的で、かつ癒しの感覚に満ちた一回性の強いアンビエント・ドキュメント。

2023年9月、10月にMARK FELL/RIAN TREANOR/KAKUHANの3組によって実施した日本ツアーを記念したスプリットCDがリリース!300枚限定です。
90年代以降の電子音楽、或いは実験的なテクノ音楽の巨頭として知られ、Mille Plateaux、Line、Mego、Raster Noton等のレーベルから多数の作品をリリース。そして近年はその「テクノ」の枠さえも飛び越え本当の意味での「現代的」なサウンドを提供するMark Fell。
2023年にはNYEGE NYEGE TAPESからウガンダ / アチョリ族のフィドル奏者 Ocen Jamesとのコラボレーションを収めた音源「Saccades」をリリースするなど、クラブ・カルチャー、実験芸術、コンピューター・ミュージックの交差点から、新たな解体と連動を伴う音楽を創出するRIAN TREANOR。
様々なコラボレーションを経た上で2022年に活動をスタートし、そのユニットに備わる音楽性=「電子音楽/弦楽」、「現代音楽/クラブミュージック」、「作曲/即興」など、様々な音楽が持っている極/曲を、その名の通り「攪拌」するKAKUHAN(日野浩志郎×中川裕貴)。
この3者による完全新曲が収録された全9曲のスプリットCDは、単なる「スプリット(寄せ集め)」ではなく、テクノミュージック以降の音楽の周縁にある「フィジカル/メタフィジカル」の境界を超越、融解するようなアプローチがそれぞれの楽曲の中に現れています。三者の音楽に対する現在進行形の態度が如実に、かつカジュアルに現れた、ジャンルを越えて聴くべき作品になっています。お見逃しなく!

3月25日最終入荷です。版元完売。2022年発表の1stアルバムは、エクスペリメンタル・クラブシーンにおいて大ヒットを記録し各所で多大な評価を得た、日野浩志郎と中川裕貴によるユニットKAKUHANが、前作から約3年ぶりに届ける、乾いたエレクトロイドのビートと、ノーウェイヴ的に荒れたチェロの質感がぶつかり合う、緊張感に満ちたエレクトロアコースティック作品。チェロの生々しい弓圧やノイズ的な響きが電子音のミニマルな反復と絡み合い、構造が崩れそうで崩れないギリギリの均衡を生み出しており、音の角(KAK)を際立たせるような鋭さと、空間に滲む抽象性が同居した未踏の音響空間となっている。マスタリングはRashad Becker、アートワークは平野靖子が担当し、国内外の実験音楽シーンと強く接続した制作体制も盤石。電子と生楽器の境界を曖昧にしながら、音の物質感そのものを突き詰めた、現行エクスペリメンタルを象徴する一枚。限定300部

UKのベース・プロデューサーNo Iconsによる、クラブ・ミュージックの黄金期の記憶を現代的に再構築した最新作『Nothing But Fixes』が〈Modern Love〉から登場。A面の「Nothing But Fixes」は、ざらついたテクスチャと細かく刻まれるビートが交錯し、深夜のフロアをゆっくりと沸騰させるような長尺トラック。B面には、リスボンのダンスフロアを思わせるルーズなスウィングを持つ「Carinho」、鋭いスネアが身体を揺らすハーフステップ「Dojo」、鋭いミニマル・グライム「Echochrome」を収録。ミニマルでありながら空間を切り裂くようなベース・トラック集。
Steve Lacy、Evan Parker、Lol Coxhill らとの共演で知られ、70年代から現在までヨーロッパ前衛音楽の最前線を走り続けるパーカッショニスト兼作曲家である Andrea Centazzo が 1976年にElektriktus名義で発表した、イタリア産コズミック・ミニマル電子音楽の秘宝『Electronic Mind Waves』のまさかの続編が実に49年越しにリリース!本作は『Electronic Mind Waves』のオリジナルセッションの未発表テープが近年になって屋根裏部屋から発掘されたことをきっかけに生まれたもので、前作から50年以上の音楽経験を経た Centazzo は、当時の自分と対話するようにデジタル・エレクトロニクスやパーカッションをオーバーダブしていく。「10分のループを作るには、10分間演奏し続けるしかない」と、コンピュータによる自動化を拒み、1975年と2025年を手で演奏するという連続性でつなぐことで生まれた Vol.2 は、回顧でも再構築でもない、時間横断的なコラボレーション。1975年の Elektriktus が生み出した、荒削りでありながら、クラウトロックのコズミック感覚とイタリア的な抒情性が混ざり合う独自の魅力を持つ抽象的な電子音の風景に、長年の即興演奏で培われた脈動する身体性が重ね合わされ、過去と現在が同じ強度で響き合う、唯一無二の音世界が立ち上がる。
Steve Lacy、Evan Parker、Lol Coxhill らとの共演で知られ、70年代から現在までヨーロッパ前衛音楽の最前線を走り続けるパーカッショニスト兼作曲家である Andrea Centazzo が 1976 年にElektriktus名義で発表した、イタリア産コズミック・ミニマル電子音楽の秘宝。Conrad Schnitzler、Cosmic Jokers、Tangerine Dream ら当時のドイツのクラウトロックに触発され、ツアーの合間に自宅スタジオへこもり、Minimoog や Davolisint、GEM Rodeo 49 といったシンセサイザーと 4トラックレコーダーを使って密かに進めていた電子音楽実験の集大成で、波打つアナログシンセのうねりに、柔らかなストリングス・シンセ、レイドバックしたドラム、そして盟友 Franco Feruglio のダブルベースが溶け合い、人間味のあるコズミックが立ち上がる。ミニマルな反復の中に宗教的な神秘性が漂い、抽象的な電子音の海にジャズ的なリズムがふっと浮かび上がる、そのバランス感覚はイタリアの電子音楽ならではの美学であり、独自のイタリアン・コスミッシェ・ムジークというべきもの。クラウトロック、ミニマル電子音楽、アンビエント、そして地中海的サイケデリアが交差する、唯一無二の音楽性。

1969年の電子音実験と1972年のベーゼンドルファー・ピアノ録音を組み合わせた、Charlemagne Palestine の初期思想を鮮烈に示す未発表音源アーカイブ作品『Battling the Invisible』。アメリカ・ミニマリズムが定型化しつつあった時期、Palestine はニューヨークのロフトや廃工場で、サイン波・オシレーター・低周波を使った孤独な実験を続けていた。A面の「Low Sounds 3」は、建物の基礎から響き出すような低周波が15分間持続するドローンで、伝統的な展開はなく、音が空間を侵食していく存在の音楽。Eliane Radigue の瞑想的ドローンを、より荒削りで物理的な感覚に振り切ったような印象すら漂う。続く「Sine Tone Study」は、サイン波が重なり合い、うなり・干渉・ビーティングを生む、音の微細な変化を科学者のような精度で観察する、純粋な音響実験。1972年のベーゼンドルファー録音は、後のストラミングスタイルへつながる重要な橋渡しで、鍵盤を身体的に叩き続け、倍音を飽和させる儀式的アプローチがすでに芽生えている。電子音の純粋な探求から、鍵盤による恍惚の倍音世界への移行点を捉えた、初期Palestine を理解するうえで不可欠な一枚。限定300部

ギリシャを拠点に活動する音楽家、ヴォーカリストで、クラブ・カルチャーと実験音楽の境界を横断する作品を発表してきたEvita Manjiが、個人的な喪失体験を背景に「存在の意味」を問い直す、哲学的なテーマを持つアルバム『Spandrel?』を〈PAN〉からリリース。ヴェイパーウェイブの空気感、バロック・ポップの構造美、実験的サウンドデザインを組み合わせた複雑な音響で、人間の身体性や感情の断片を再構築。クラブ的なリズムの強度と、室内楽的な緻密さを行き来しながら展開し、喪失と再生、孤独と相互接続性といった二項対立を音楽的に表現している。哲学的な問いを音響化した存在のドキュメントともいうべき深みのある一枚。

限定200部ナンバリング入り、クリアヴァイナル仕様。イタリア・アンビエントの巨匠 Gigi Masinによる静謐で内省的なアンビエント作品『Implodendo in una accecante oscurità Pt. 2』。Masin のロマンティックなメロディよりも静的・瞑想的な側面が強調された作品で、柔らかなドローン、かすかに残るピアノの残響、微細な音の揺らぎが重なる音響は、タイトルが示すように「眩い闇の中で内側へと崩れ落ちる」かのよう。Lumen(光)と名付けられた連作で構成された、光と闇の境に目を凝らし、聴く者を深い内省へと誘うアンビエント・スイート。Pt.2ではLumen 06〜10が収録され、Pt.1 の世界を引き継ぎつつ、ピアノや声、サックスのような有機的な要素が時折浮かび、闇と光が統合されるような印象も受ける。

限定200部ナンバリング入り、クリアヴァイナル仕様。イタリア・アンビエントの巨匠 Gigi Masinによる静謐で内省的なアンビエント作品『Implodendo in una accecante oscurità Pt. 1』。Masin のロマンティックなメロディよりも静的・瞑想的な側面が強調された作品で、柔らかなドローン、かすかに残るピアノの残響、微細な音の揺らぎが重なる音響は、タイトルが示すように「眩い闇の中で内側へと崩れ落ちる」かのよう。Lumen(光)と名付けられた連作で構成された、光と闇の境に目を凝らし、聴く者を深い内省へと誘うアンビエント・スイート。

ベルリンのアンビエント作家Florian TM Zeisigが、2022年から2025年にかけて、さまざまな状況で録られた複数のコラボレーターから寄せられた断片的な素材を集め、選び、並べ替え、長い時間をかけて再配置しながら、アンビエントジャズからドリームポップまでも横断させた作品『The Thinking of the World Began Pounding in Our Ears the Moment We Hit Shore』が、カルト的なキュレーションに舵を切った実験的レーベルである〈STROOM.tv〉から登場。作曲、録音、編集、アレンジ、ミックスといった工程が明確に分かれることなく、すべてが連続した作業として扱われたことで、個々の音が別々の場所から集まってきたにもかかわらず、最終的にはひとつの流れとして聴こえる構造になっている。参加メンバーにはMoreEaze名義でも知られるMariRubioをはじめ、RóisínBerkeley、DonLyons、CalFish、K、SeánBeing、JQなどが名を連ね、各曲の共同作曲クレジットも明記されている。声や電子音、環境音の断片が重なり合う静かな音像を中心にして、素材の組み替えを通して少しずつ形を変えていくような、スタジオ制作ならではの質感が作品全体を支えている。断片が集まり、時間をかけて磨かれ、別の文脈へ置き換えられながら、ひとつのまとまりへと収束していく、その過程そのものが刻まれた一枚。
