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アルジェリア出身の名歌手Lili Bonicheが1958〜60年に残した録音をまとめた、ユダヤ・アラブ音楽の黄金期を凝縮したコンピレーション。収録曲は「Ana El Owerka」「Ma Bine Eih」「Guitarra」「Inchallah Terbah」「Bambino」「Alger Alger」など、アルジェの街角の空気をそのまま閉じ込めたような名唱揃い。アラブ旋法のメロディに、ベルベルのリズム、フレンチ・シャンソンの叙情性が自然に溶け合い、Bonicheの柔らかく艶のある声が地中海世界の多文化性を鮮やかに描き出す。後のchaâbiやraïの発展にもつながるタンゴやジャズの要素をアラブ音楽と融合させた独自のスタイルも垣間見え、北アフリカの伝統音楽に都会的な洗練を加えた、アルジェの夜を思わせる洒脱なムードに満ちている。豪奢なストリングスと素朴な民謡的グルーヴが同居し、時代と文化を越えて響くユダヤ・アラブ歌謡の宝物。

3月25日最終入荷です。版元完売。2022年発表の1stアルバムは、エクスペリメンタル・クラブシーンにおいて大ヒットを記録し各所で多大な評価を得た、日野浩志郎と中川裕貴によるユニットKAKUHANが、前作から約3年ぶりに届ける、乾いたエレクトロイドのビートと、ノーウェイヴ的に荒れたチェロの質感がぶつかり合う、緊張感に満ちたエレクトロアコースティック作品。チェロの生々しい弓圧やノイズ的な響きが電子音のミニマルな反復と絡み合い、構造が崩れそうで崩れないギリギリの均衡を生み出しており、音の角(KAK)を際立たせるような鋭さと、空間に滲む抽象性が同居した未踏の音響空間となっている。マスタリングはRashad Becker、アートワークは平野靖子が担当し、国内外の実験音楽シーンと強く接続した制作体制も盤石。電子と生楽器の境界を曖昧にしながら、音の物質感そのものを突き詰めた、現行エクスペリメンタルを象徴する一枚。限定300部
ナイジェリア系アーティストIyunoluwanimi Yemi‑ShodimuのプロジェクトLINTDによる、「土星で誰かが死んだとき、そこに住む奇妙な人々はどう弔うのか?」という独自のコンセプトを音響化したダーク・エレクトロニック作品。タイトル曲は、低く唸るビートと深い残響がゆっくりと立ち上がり、遠くから祈りの声が届くような荘厳なムードを描き出す。続く楽曲では、鋭い質感のリズムや語りのような声が交錯し、喪失や別れの感情がより生々しく浮かび上がる。全体を通して、R&Bの温度感とアンビエントの霧のような質感が自然に溶け合い、宇宙的な広がりと人間的な悲しみが同時に響く。
ニューオーリンズのアーティストMJ Guiderによる、ドリームポップの甘さとザラついた質感を曖昧に溶かし合わせた、ニューゲイズの小品『Another Weird Dream』が〈Modern Love〉よりリリース。クラシックなシューゲイズを厚いすりガラス越しに聴くような質感の、My Bloody ValentineやCurve、Cocteau Twinsからの影響を感じさせつつ、MJ Guiderならではの夜想的ムードがしっかり息づいたA面「Another」、ゆっくりと揺れるハーモニック・ノイズの波が聖歌のように漂い、リミナルでドリーミーなアンビエンスが広がるB面「Weird Dream」を収録。短いフォーマットながら、夢の入口から深部までを描き切る濃密な7インチ。

UKのベース・プロデューサーNo Iconsによる、クラブ・ミュージックの黄金期の記憶を現代的に再構築した最新作『Nothing But Fixes』が〈Modern Love〉から登場。A面の「Nothing But Fixes」は、ざらついたテクスチャと細かく刻まれるビートが交錯し、深夜のフロアをゆっくりと沸騰させるような長尺トラック。B面には、リスボンのダンスフロアを思わせるルーズなスウィングを持つ「Carinho」、鋭いスネアが身体を揺らすハーフステップ「Dojo」、鋭いミニマル・グライム「Echochrome」を収録。ミニマルでありながら空間を切り裂くようなベース・トラック集。
メキシコ出身のアーティスト Debit こと Delia Beatriz によるモンテレイ発祥のクンビア・レバハーダ(Cumbia Rebajada)をアンビエント的に再解釈した作品『Desaceleradas』が〈Modern Love〉から登場。モンテレイのDJ Gabriel Dueñez が90年代に偶然生み出した(?)、テープデッキの過熱でテンポが半分に落ちたクンビア、「クンビア・レバハーダ」。クリック&カット的なアンビエント処理と、スローモーション化されたクンビアのリズムを融合。ノイズやテープ感を活かした質感も相まって没入的で幽玄な一枚となっている。
科学者であり芸術家でもある Patrick Lysaght が、リオ・グランデ動物園の熱帯雨林バードハウスで42種150羽の鳥たちと共に演奏したという、前代未聞のセッションを収めた作品『For the Birds』。フルートや弦楽器、打楽器の響きに、鳥たちの声や羽ばたきが自然に溶け込み、人間と動物が対等な存在として関わり合う、奇跡のような音世界が広がる。偶然性と野性味が交差しながらも、どこか調和のある独特の世界は、フィールドレコーディングともアンビエントとも異なる、唯一無二の魅力を放っている。オリジナルテープはGiuseppe Ielasiによって丁寧にマスタリングされ、当時の空気感や鳥たちの細やかな反応まで鮮明に蘇る。自然と人間の境界が溶ける瞬間を捉えた、奇跡的なドキュメント。アイデアの面白さもさることながら、そこにはっきりと聴くことのできる鳥たちとの交感は、静かな祝祭性すら宿り、深く心に残る一枚となっている。
Steve Lacy、Evan Parker、Lol Coxhill らとの共演で知られ、70年代から現在までヨーロッパ前衛音楽の最前線を走り続けるパーカッショニスト兼作曲家である Andrea Centazzo が 1976年にElektriktus名義で発表した、イタリア産コズミック・ミニマル電子音楽の秘宝『Electronic Mind Waves』のまさかの続編が実に49年越しにリリース!本作は『Electronic Mind Waves』のオリジナルセッションの未発表テープが近年になって屋根裏部屋から発掘されたことをきっかけに生まれたもので、前作から50年以上の音楽経験を経た Centazzo は、当時の自分と対話するようにデジタル・エレクトロニクスやパーカッションをオーバーダブしていく。「10分のループを作るには、10分間演奏し続けるしかない」と、コンピュータによる自動化を拒み、1975年と2025年を手で演奏するという連続性でつなぐことで生まれた Vol.2 は、回顧でも再構築でもない、時間横断的なコラボレーション。1975年の Elektriktus が生み出した、荒削りでありながら、クラウトロックのコズミック感覚とイタリア的な抒情性が混ざり合う独自の魅力を持つ抽象的な電子音の風景に、長年の即興演奏で培われた脈動する身体性が重ね合わされ、過去と現在が同じ強度で響き合う、唯一無二の音世界が立ち上がる。
Steve Lacy、Evan Parker、Lol Coxhill らとの共演で知られ、70年代から現在までヨーロッパ前衛音楽の最前線を走り続けるパーカッショニスト兼作曲家である Andrea Centazzo が 1976 年にElektriktus名義で発表した、イタリア産コズミック・ミニマル電子音楽の秘宝。Conrad Schnitzler、Cosmic Jokers、Tangerine Dream ら当時のドイツのクラウトロックに触発され、ツアーの合間に自宅スタジオへこもり、Minimoog や Davolisint、GEM Rodeo 49 といったシンセサイザーと 4トラックレコーダーを使って密かに進めていた電子音楽実験の集大成で、波打つアナログシンセのうねりに、柔らかなストリングス・シンセ、レイドバックしたドラム、そして盟友 Franco Feruglio のダブルベースが溶け合い、人間味のあるコズミックが立ち上がる。ミニマルな反復の中に宗教的な神秘性が漂い、抽象的な電子音の海にジャズ的なリズムがふっと浮かび上がる、そのバランス感覚はイタリアの電子音楽ならではの美学であり、独自のイタリアン・コスミッシェ・ムジークというべきもの。クラウトロック、ミニマル電子音楽、アンビエント、そして地中海的サイケデリアが交差する、唯一無二の音楽性。

1969年の電子音実験と1972年のベーゼンドルファー・ピアノ録音を組み合わせた、Charlemagne Palestine の初期思想を鮮烈に示す未発表音源アーカイブ作品『Battling the Invisible』。アメリカ・ミニマリズムが定型化しつつあった時期、Palestine はニューヨークのロフトや廃工場で、サイン波・オシレーター・低周波を使った孤独な実験を続けていた。A面の「Low Sounds 3」は、建物の基礎から響き出すような低周波が15分間持続するドローンで、伝統的な展開はなく、音が空間を侵食していく存在の音楽。Eliane Radigue の瞑想的ドローンを、より荒削りで物理的な感覚に振り切ったような印象すら漂う。続く「Sine Tone Study」は、サイン波が重なり合い、うなり・干渉・ビーティングを生む、音の微細な変化を科学者のような精度で観察する、純粋な音響実験。1972年のベーゼンドルファー録音は、後のストラミングスタイルへつながる重要な橋渡しで、鍵盤を身体的に叩き続け、倍音を飽和させる儀式的アプローチがすでに芽生えている。電子音の純粋な探求から、鍵盤による恍惚の倍音世界への移行点を捉えた、初期Palestine を理解するうえで不可欠な一枚。限定300部

Antonio Infantino e i Tarantolati di Tricarico による、南イタリア・バジリカータ地方に根づく伝統儀礼や民間信仰を、現代へと蘇らせたアルバム『Follie Del Divino Spirito Santo』。Infantino は詩人・音楽家・文化研究者として知られ、本作では古い農村文化に残るトランス的な儀礼音楽を掘り起こし、ロックや実験音楽の感覚と結びつけて独自の民俗アヴァンギャルドを築いた。タランテラの反復するビート、素朴で力強いパーカッション、呪術的な集団の掛け声、祈りにも似た詠唱が渦を巻き、祝祭と陶酔のあいだを行き来するような音世界が広がる。電気的な加工や派手なアレンジはほとんどなく、むしろ土の匂いがするような生々しい音の質感が前面に出ているのが印象的。伝統音楽の再現ではなく、土地の精神性そのものを汲み取り、再構成するようなアプローチで、宗教的な熱気、共同体のエネルギー、そして「神聖な狂気」というタイトルが示すテーマが一貫して流れている。民俗音楽・実験音楽・スピリチュアルなリズム文化の交点に立つ作品。
デンマークのトランペッター Hugh Steinmetz と Franz Beckerlee らによる Contemporary Jazz Quintet が1967年に録音しながら未発表のまま眠っていた音源を初めて公式にまとめた『Action A B C E』。1965リリースの名盤『Action』の続編にあたる内容で、ヨーロッパ最初期のフリー・ジャズ、フリー・インプロヴィゼーションの生々しいエネルギーがそのまま刻まれている。鋭い集団即興、緊張感のあるアンサンブル、そして Steinmetz の爆発的なトランペットがぶつかり合う、1960年代北欧アヴァンギャルドの失われたピースとも言える歴史的発掘。

視覚や聴覚から風景を知覚する方法を探り、フィールドレコーディングによる環境音を、ドローイング、テキスト、光など視覚的な要素と組み合わせ、サウンド・インスタレーションや絵画作品、映像作品、パフォーマンスなどを制作し国内外で発表してきた上村洋一。京都岡崎のギャラリー〈hakari contemporary〉が出版する本作では、上村がレジデンスや旅を通じて世界各地で録音したフィールドレコーディングを中心に構成されたサウンドスケープに焦点を当てている。主な作品には、知床の流氷、アイスランドの氷河、アマゾンの熱帯雨林、世界最大の滝イグアス、スイス・アルプスの湧水、京都の地下を流れる琵琶湖疏水、そして満月と新月の夜に世界各地で録音された海の音に基づいたサウンド・インスタレーションが含まれている。空間全体に共鳴する流水の低周波サウンドスケープとともに、上村の旅の過程で捉えられた水にまつわるイメージが、森のようなインスタレーションとして提示されている。イングランドの音楽家・キュレーター、デヴィッド・トゥープによるエッセイと、展覧会キュレーターでもある黒沢聖覇によるエッセイが収められたブックレットも付属。限定200部。

ギリシャを拠点に活動する音楽家、ヴォーカリストで、クラブ・カルチャーと実験音楽の境界を横断する作品を発表してきたEvita Manjiが、個人的な喪失体験を背景に「存在の意味」を問い直す、哲学的なテーマを持つアルバム『Spandrel?』を〈PAN〉からリリース。ヴェイパーウェイブの空気感、バロック・ポップの構造美、実験的サウンドデザインを組み合わせた複雑な音響で、人間の身体性や感情の断片を再構築。クラブ的なリズムの強度と、室内楽的な緻密さを行き来しながら展開し、喪失と再生、孤独と相互接続性といった二項対立を音楽的に表現している。哲学的な問いを音響化した存在のドキュメントともいうべき深みのある一枚。

ノイズ・ロックバンドLANDEDの創設メンバーとして知られるJoel KyackのDREAM_MEGA名義による2ndアルバム『Control / You Are Not The Center』。2020年、タイ滞在中に体験した臨死体験を契機に始動したプロジェクトの続編であり、恐怖・悲しみ・生存への渇望といった極限の感情を、電子音と肉声の衝突として刻み込んだ作品。地の底で唸るようなサブベース、金属的な残響、ざらついたノイズの粒子が重なり、クラブの残響だけが残ったような抑制されたビートが意識の奥に鳴り響く。古代の木管楽器とデジタル・シンセが対置され、変異した行進曲や呪術的なダンスホールの影のようなリズムが儀式的な緊張を生む。叫びとも祈りともつかない声の断片が電子音の荒野に影を落とし、恐怖と陶酔が同時に立ち上がる。インダストリアル、ノイズ、エクスペリメンタルが混ざり合う漆黒の音響儀式。

アメリカ出身の作曲家 John McGuire が晩年に取り組んだ二つのストリング・トリオのための作品をまとめたアルバム『Double String Trios』。二組の弦楽三重奏が精密に重なり合い、ミニマル・ミュージックの反復性とヨーロッパ前衛の構築性が滑らかに融合していく。電子音楽の研究で培われた精密な時間感覚がアコースティック楽器に応用され、透明で結晶のような響きが持続しながら、絶えず微細な変化が生まれている。緻密でありながら温度を感じる独特の音世界は、時間・響き・構造が多層的に折り重なる、現代音楽の中でも特に静謐で美しい結晶のような音楽!

限定200部ナンバリング入り、クリアヴァイナル仕様。イタリア・アンビエントの巨匠 Gigi Masinによる静謐で内省的なアンビエント作品『Implodendo in una accecante oscurità Pt. 2』。Masin のロマンティックなメロディよりも静的・瞑想的な側面が強調された作品で、柔らかなドローン、かすかに残るピアノの残響、微細な音の揺らぎが重なる音響は、タイトルが示すように「眩い闇の中で内側へと崩れ落ちる」かのよう。Lumen(光)と名付けられた連作で構成された、光と闇の境に目を凝らし、聴く者を深い内省へと誘うアンビエント・スイート。Pt.2ではLumen 06〜10が収録され、Pt.1 の世界を引き継ぎつつ、ピアノや声、サックスのような有機的な要素が時折浮かび、闇と光が統合されるような印象も受ける。

限定200部ナンバリング入り、クリアヴァイナル仕様。イタリア・アンビエントの巨匠 Gigi Masinによる静謐で内省的なアンビエント作品『Implodendo in una accecante oscurità Pt. 1』。Masin のロマンティックなメロディよりも静的・瞑想的な側面が強調された作品で、柔らかなドローン、かすかに残るピアノの残響、微細な音の揺らぎが重なる音響は、タイトルが示すように「眩い闇の中で内側へと崩れ落ちる」かのよう。Lumen(光)と名付けられた連作で構成された、光と闇の境に目を凝らし、聴く者を深い内省へと誘うアンビエント・スイート。
2025年に韓国の女性SSW・HERHUMS(ハーハムズ)の3作目のアルバムがデジタルのみでリリース。デジタル配信半年後に京都のGG RECORDSからレコードとしてリリースする運びになりました。最初に聞いた時KIMBANOURKが思い浮かんだサウンドにドキドキしました。ジャケットのような淡い彼女の世界に連れて行ってくれるアルバムに、25年のベストの1枚に入れる方もチラホラ見られました。日本語訳をつけたいという彼女の希望から歌詞と翻訳された歌詞カードをつけてます。また、今回はエンジニアの甲田徹氏によりレコード用にマスタリングもし直してます。

〈Melody As Truth〉主宰として、そしてGaussian Curveのメンバーとしてアンビエント、バレアリックの現在を形作ってきたJonny Nashが、より内省的な領域へと踏み込んだアルバム『Point of Entry』。柔らかなギターのアルペジオと淡いシンセのレイヤーが静かに呼吸し、音が空気そのもののように空間へ溶けていく。バレアリックの開放感と、室内楽のような親密さが同時に漂う。Joseph Shabason のサックスが差し込む瞬間も美しく、アンビエントの透明感に人肌の温度が重なる。Nashの音楽が持つ静けさの深さを純度高く感じられる、静かに内側へ向かうアンビエント・フォーク。

ベルリンのアンビエント作家Florian TM Zeisigが、2022年から2025年にかけて、さまざまな状況で録られた複数のコラボレーターから寄せられた断片的な素材を集め、選び、並べ替え、長い時間をかけて再配置しながら、アンビエントジャズからドリームポップまでも横断させた作品『The Thinking of the World Began Pounding in Our Ears the Moment We Hit Shore』が、カルト的なキュレーションに舵を切った実験的レーベルである〈STROOM.tv〉から登場。作曲、録音、編集、アレンジ、ミックスといった工程が明確に分かれることなく、すべてが連続した作業として扱われたことで、個々の音が別々の場所から集まってきたにもかかわらず、最終的にはひとつの流れとして聴こえる構造になっている。参加メンバーにはMoreEaze名義でも知られるMariRubioをはじめ、RóisínBerkeley、DonLyons、CalFish、K、SeánBeing、JQなどが名を連ね、各曲の共同作曲クレジットも明記されている。声や電子音、環境音の断片が重なり合う静かな音像を中心にして、素材の組み替えを通して少しずつ形を変えていくような、スタジオ制作ならではの質感が作品全体を支えている。断片が集まり、時間をかけて磨かれ、別の文脈へ置き換えられながら、ひとつのまとまりへと収束していく、その過程そのものが刻まれた一枚。

LAの音楽家で、Build An Arkや多くのコラボレーションで知られるCarlos Niñoが鈴、ボウル、チャイム、各種ドラム、ゴング、金属・木製キーボード、植物の葉束、シェイカー、声など膨大な種類の楽器・音具を自ら演奏し、サウンドデザインまで手がけた作品『Bubble Bath for Giants』。自然物の響きと宇宙的なアンビエンスが溶け合う、瞑想的で有機的なサウンドで、水面の揺らぎのような柔らかい音、倍音豊かな金属音、木の温度を感じるパーカッションが重なり、ゆっくりと呼吸するように音が広がっていく。儀式的な打楽器のリズムと、風のようなシンセやささやく声が混ざり合い、スピリチュアル・ジャズとアンビエントの境界を漂うような質感を生み出している。多彩な打楽器と倍音のレイヤーが深いリラクゼーションと覚醒感を同時にもたらす、Carlos Niño & Friendsの世界観をじっくり味わえる一枚。

日本のポストロック/エクスペリメンタルを代表するMONOのデビュー作『Under The Pipal Tree』が、リリース25周年を記念して〈Temporary Residence Ltd.〉から限定再発。オリジナルはジョン・ゾーン主宰の〈Tzadik〉からリリースされ、ソニック・ユース、モグワイ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ニール・ヤングなど多彩な影響を受けた若き4人組が、野心的で激しいパフォーマンスを刻んでいる。MONO初期の代名詞ともいえる 静寂から轟音へと一気に駆け上がるダイナミクス、深い残響とドローンが織りなす瞑想的でサイケデリックな音像、そして後年のシンフォニック路線とは異なる 生々しいギターの熱量が魅力的。長尺の反復がじわじわと熱を帯び、ギター・フリークアウトが静寂へと溶けていく構成は、デビュー作にしてすでにMONOの核が形成されていたことを物語っている。バンドのサイケデリックな初期衝動がそのまま刻まれた、原石感あふれる作品。

フィンランドの名門〈Timmion Records〉が誇るハウスバンド、Cold Diamond & Minkが、同レーベルの看板シンガーEmilia Siscoの人気シングルをインストゥルメンタルとして再構築した7インチ作。しなやかに揺れるリズムと、深みのあるベースが主役の ヴィンテージ・ソウル・グルーヴ。Emiliaの歌が抜けたことで、ホーン、ギター、オルガンの細かなニュアンスが前面に浮かび上がる。B面「It Will Get Better (Instrumental)」など、コードの移り変わりが美しく、歌がなくても物語が進む、バンドの職人技を純粋に味わえる。70年代ソウルの空気をそのまま閉じ込めたような、レーベルの美学を堪能できる一枚。
