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ベイルートを拠点に活動し、戦争や社会的緊張の中で「日常の音」を音楽に昇華してきたYara Asmarによるフィールドレコーディングと即興演奏を融合させた幻想的な作品『everyone I love is sleeping and I love them so so much』。アコーディオン、トイピアノ、シンセサイザー、即興的な打楽器に、鳥の声やベイルートの日常の環境音を取り込み、自然と音楽が溶け合った夢のように儚く、親密で内省的な音楽。John Murchison、Gideon Forbesもゲスト参加し、音に厚みを加えている。聴く者を眠りと覚醒の間に誘うような現代的な音像。

南アフリカのギタリスト、ヴォーカリストPhilip Tabane率いる、南アフリカの伝統音楽とジャズを融合させたMalomboの代表作である『Sangoma』。が1978年以来となる初のヴァイナル・リイシュー!Malomboは1960年代にプレトリア近郊のマメロディで結成され、アパルトヘイト下の南アフリカで文化的抵抗とアイデンティティの表明でもあった点で、The Malombo Jazz Makersと音楽的、文化的、人的にルーツを共通とするが、Bahula & RankuによるMalombo Jazz Makersがパーカッションやリズムに重点を置き、よりアフロ・ジャズ的な方向を志向したのに対して、Tabaneは母親が「sangoma(トラディショナル・ヒーラー)」であったことを背景に、スピリチュアルな要素を強く反映させた。ギターは単なる伴奏ではなく、呪術的な旋律を紡ぐ中心的存在で、フルートやパーカッションが絡み合う。声も祈りや呪文のような響きを持っており、ギターを媒介に音楽をスピリチュアルな次元へと昇華させた、アフリカ音楽史において特異で重要な位置を占める一枚。


この録音は、京都と大阪間を結ぶ京阪、JR、阪急線の発車メロディーからインスピレーションを得ています。これらの音のモチーフは、まず探求され、次に私たちの集合的記憶のプリズムを通して変容され、1時間のライブパフォーマンスに結実しました。これは記憶の機能に関する私の研究を延長するものです。私たちの記憶は現実に忠実なのか、それとも個人的な物語に適応した再構築なのか?

1973年にバンクーバー美術館で開催された音響彫刻の展覧会"Sound/Sculpture”。この展示のオーディオカタログとして1975年に出版された、音響彫刻に関する重要書籍"Sound Sculpture”の編集者であるJohn Graysonと米コンポーザーDavid Rosenboom監修によるブックレット付きLP作品[The Sounds Of Sound Sculpture]。この分野のパイオニア的存在であるBaschet兄弟、Sonambientシリーズで知られるHarry Bertoiaの有名彫刻をDavid Rosenboom、John Graysonらが演奏した稀有なテイクや、60年代からキネティック彫刻の創作に着手したStephan Von Hueneの希少な録音、ニューヨークのサウンドアーティストDavid Jacobsの重厚な空気圧システムなど、視覚的にも惹きつける歴史的音具の記録を写真や資料と共に網羅。
David Rosenboomによる2024年リマスタリング音源を収録。12ページブックレットが付属。

民族音楽学や人類学、宗教、歴史を専門に研究、人間の文化的な多様性、またその重要性を記録し独自の発信を行なってきたオランダの出版社Sound Reporters。ここより1988年にカセットフォーマットにてリリースされた、エーゲ海キクラデス諸島の一つであるギリシャ領”アモルゴス島"のフィールドレコーディング。数年間現地に居住していた画家Harry Van Essenがサウンドスケープを収集、Sound Reportersの創設者であり民族音楽学者のFred Galesがミックスを担当した共同作品。島の北東部に位置する港”エギアリ”近辺のサウンドをスケッチ的に結合、前半部では海の音と大衆音楽が交互に流れ、詩の朗読、漁船の音、ボードゲームを楽しむ人々、祝宴の会場と、人々の生活に根差した音風景が展開。村を通り抜け山へ登る後半部では人々の日常風景に加え、コオロギの鳴き声、ミツバチの羽音、放牧された大量のヤギが奏でるカウベルなど、島本来の素朴な環境が現れる。
リマスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。
Creel Poneからの再発でも知られるTodd RundgrenのUtopiaにも参加していたシンセ奏者、Jean-Yves Labatによる1976年の奇想天外なカルト電子音楽作品『Underwater Electronic Orchestra』。アナログ・シンセを駆使したサイケデリックなサウンドと、ファンク/プログレ的なリズム感が融合しており、水中の電子オーケストラというコンセプトにふさわしく、液体的で夢幻的な音響処理が施されている。水中に沈んだ未来のオーケストラを聴くような、トリップ感とユーモアに満ちた70年代電子音楽の秘宝。
1973年にリリースされたブラジル音楽に革命をもたらした名盤『Os Tincoãs』がリイシュー!シンプルながら奥深いリズムに、アフロ宗教、ヨルバ、サンバやカポエイラなどのチャントを重ね合わせ、天上のようなコーラスで構成されたこの作品は、50年以上経った今でもMPB (Música Popular Brasileira)の礎として高く評価されている。バイーア出身のトリオ、Mateus Aleluia, Heraldo do Monte, and Dadinhoによる本作は、カンドンブレのリズムや民話的な語りを取り入れた素朴でありながら霊的な音楽。特に「Deixa a Gira Girá」や「Ojuobá」といった楽曲はその象徴で、「Cordeiro de Nanã」は彼らの透き通るような声の重なりを際立たせている。カエターノ・ヴェローゾをはじめ多くのアーティストに影響を与えてきた、バイーアの魂を宿す祈りのような音楽!!
ボサノヴァの巨匠として歴史にその名を残した偉才アントニオ・カルロス・ジョビンと、ブラジルの伝説的シンガー、エリス・レジーナが共演を果たした1974年のマスターピース『Elis & Tom』の2024年、50周年記念リイシュー盤!ボサノヴァ/ラテン・ジャズの不朽の名作として今も人気の高い一枚であり、ブラジリアン・ポピュラー・ミュージックの入門にも最適です。
Cecil McBee、Roy Haynes、Lonnie Liston Smithらも参加!ジョン・コルトレーンやサン・ラーの命脈へと連なるスピリチュアル・ジャズの生ける伝説であるPharaoh Sandersが1971年に〈Impulse!〉から発表した珠玉の傑作『Thembi』の〈Audio Clarity〉からの23年度リイシュー盤。スピリチュアル影響下なアンビエント・フィーリングも携えたグレートな実験的なジャズ・アルバム!
『ジャップ・ロック・サンプラー』でも紹介された名盤!オリジナルは9万円越えでの取引歴も。作曲家であり劇場プロデューサー、演劇実験室〈天井桟敷〉や〈万有引力〉での活動、『少女革命ウテナ』の一連のサントラシリーズでも知られるJ.A.シーザーが手掛けた、リゼルギックな狂気に満ちた70年代の日本の秘宝と言えるレコード!1972 年に寺山修司の同名の幻想的な映画のために制作されたサウンドトラック作品。まさに快楽中枢に達するために必要なすべての要素が詰め込まれた逸品。土着的な呪詛と混沌に満ちてただただ不穏。絶望が充満し、極めて陰惨でありつつも、真に革新的な作品であり、FaustやCosmic Jokers、初期のAmon Duulといったクラウトロックの古典的な流れにも通じる、冥界への入口のような国産サイケ史に刻まれる怪盤!
数々の名峰が並び立つイタリアン・ライブラリーの中にあって最高峰とされる一枚!イタリアの名ライブラリー・レーベルの一つ〈Edipan〉よりリリースされていた巨匠作曲家Remigio DucrosとArawak、Jason Blackとしても知られるLuciano Simonciniによる1977年作『America Amore Amaro』が再発!1970年代中期のアメリカの若者文化への音楽的オマージュを、ファンクやブレイクビーツにイタリア独自のサウンドを融合して表現した一枚で、タイトなドラム、トリップ感あるフルート、ファンキーなフェンダーローズやワウギター、重いベースラインなどが満載。Daniela Casaがワウギターやコズミックなファズを弾いているとも言われている。スペイシーで極上のイタリアン・ライブラリー・サウンドを楽しめる逸品!
60s-70sのトルコに眠っていたジャズ~サイケ~ファンク音源のしかもレアものばかりを収録。ターキッシュ・サイケ神Erkin Koray始め、ジャズ重鎮Okay TemizにベテランFerdi Ozbegenら入ったジャズ面の2部構成。西洋からきたジャズ/ファンクに自国の中東な風が吹き抜け、この痺れるように熱い様はレアグルーヴでも世界音楽的に見ても幅広い旨味が出てます。
70年代後半にKing Tubbyからダブのテクニックを学んだレジェンド、Scientisが、Henry 'Junjo' Lawesのプロデュースのもとで生み出した1981年の〈Greensleeves Records〉からのアルバム『Scientist Rids the World of the Evil Curse of the Vampires』が〈DUB MIR〉からアナログ・リイシュー!Roots Radicsをバックに〈Channel One〉で録音された一枚。ミキシングはKing TubbyのスタジオでScientis自身によって行われています。
John Coltraneの妻であり、Flying Lotusの叔母、そして、インド音楽からヒンドゥー哲学まで実践し、真理の探求者であった、スピリチュアル・ジャズ史に刻む偉人= Alice Coltrane(1937–2007)。1970年に録音/発表された3枚目のソロ・アルバムであり、〈Impulse!〉からのオリジナルは実に4万円越えの高値を付けたこともある『Ptah, the El Daoud』が〈Audio Clarity〉よりアナログ復刻。Ron Carter、Pharoah Sanders、Joe Hendersonなどを始めとした豪華面々を率い、ニューヨーク州ロングアイランドのディックスヒルズにある自宅の地下スタジオで1970年1月26日にレコーディング。コルトレーンにとってホーンを使った最初のアルバムに当たる一枚で、作曲も全て自身が担当。タイトル曲はエジプトの神プタハにちなんだもので、「愛する者」を意味する"the El Daoud"。孤高のブラックネスが炸裂した東洋思想なスピリチュアル・ジャズ作!
ソ連時代からの電子音楽、映画音楽の巨匠、Edward Artemievが手がけたタルコフスキー監督映画『惑星ソラリス』のオリジナル・サントラ盤。1990年に再リリースされた際にモスクワにて1989年と1989年に再レコーディングした『Зеркало(Mirror)』(1975年)と『Сталкер(Stalker)』(1979年)の音源を収録。リマスタリング、新規ジャケットを採用し、アルテミエフ自身による公式ライセンスを得て発表されたLP再発盤。
ミルトン・ナシメントとロー・ボルジェスがトニーニョ・オルタ、ベト・ゲチスらクルビ・ダ・エスキーナの仲間たちと共に生み出したブラジル音楽史上最も重要な作品の一つ、1972年作『Clube da Esquina』の続編で、オリジナルは1978年リリースの『Clube da Esquina 2』が〈Klimt Records〉より待望のリイシュー。音楽的には前作のサイケデリックで実験的な響きを引き継ぎつつも、今作ではアコースティックで素朴な質感がより前面に出ており、土着性と普遍性が自然に溶け合っている印象。ミルトンの温かくも切実な歌声、詩的な歌詞、複雑で美しいコード進行が絡まりながら、ブラジルの風景や人々の営みが音楽を通して立ち上がるよう。サンバやMPB、ジャズ、フォーク、ロックなどを織り交ぜながら、ブラジル独自の精神性と普遍的な叙情を同時に感じさせる作品に仕上がっている。1970年代ブラジル音楽のひとつの頂点といえる作品。
ブラジル音楽の巨匠ミルトン・ナシメントが1976年に発表した、MPB、ボサノヴァ、ラテン・ジャズが融合した深みのある名盤『Milton』。ミルトンの深く柔らかな歌声と、Toninho Hortaのギターによる繊細なアレンジが絶妙で、都会的でありながら土着的な響きがある。英語詞とポルトガル語詞が混在し、MPBの成熟と国際化を象徴する作品としても評価される一枚。
オリジナルは8万円を超える高値も付けた事のある鬼レアな作品!ジャマイカ・キングストン出身のルーツレゲエ名手David SinclairがTapper Zukie名義で1976年に自身のレーベルである〈Stars〉から発表したレゲエ/ダブの名作『In Dub』がアナログ再発。ファーストアルバムの『Man Ah Warrior』などと並んで彼のカタログの中でも最も人気の高い作品。Zukieの深く響くベースとKing Tubbyの驚異的なエンジニアリングにより孤高の次元へ達した傑作です。
ナンとArthur Verocaiがアレンジを担当(!!)ブラジルのトロピカリア・ムーブメントの代表格であり、サンバ・ロックとして知られるユニークなサウンドを開拓したボサノヴァの巨匠シンガーソングライター、Jorge Benの1971年のアルバムのリイシュー盤。
今は亡き〈30 Hertz〉レーベルから1997年にリリースされたJah Wobbleの『The Light Programme』が初レコード化。クラウトロック伝説CanのドラマーJaki Liebezeitに、〈The Wire〉にも寄稿する批評家/マルチ奏者のClive Bell、コンガ奏者のNeville Murrayら豪華面々が参加したダウンテンポとワールド・ビート・サイエンスの異色作!
ジャップロック・サンプラーにも掲載!日本版AktualaもしくはThird Ear Band。”Nurse With Wound List”掲載でもお馴染みの国産カルト・サイケ大名盤『Debon』を残しているBrast Burnと同一のバンドである、日本版クラウトロックの秘宝=Karuna Khyalによる74年のカルト的な傑作がアナログ再発。トライバルなリズム、電子サンプル、反復、ヘヴィな民族的サウンドに重点を置いた本作は、あらゆる種類の楽器を折衷的にプレイした、催眠的かつ野生的でワイヤードな仕上がりの憑依音楽に仕上がっています。
〈Only Roots〉が発掘した、オーガスタス・パブロの未発表音源満載の、まさに宝箱のようなダブ・コンピレーション。オーガスタス・パブロが運営していた Rockers International の倉庫から掘り出された未発表音源を中心に構成され、ブラック・アークで録音、キング・タビーのスタジオでミックス、演奏は鉄壁の Rockers All Stars という黄金の布陣でまとめ上げられている。The Immortals「Why Keep A Good Man Down」や「A House Is Not A Home」、パブロ自身の「New Lots Express」、Roman Stewart & Barrington Spence の「No Peace In The City」、Ricky Grant の「Far Far Away」、そしてヒュー・マンデルの名唱「Run Revolution A Come」といった名曲群のダブ・ヴァージョンがずらり。この時代のパブロとタビーの名が並ぶ期待を裏切らない、70年代ルーツ/ダブの熱気をそのまま閉じ込めた決定的な一枚。限定プレスにつきお見逃しなく。
ブラジルのスーパースター、Milton Nascimentoと同年に制作したアルバム『Clube da Esquina』を彷彿とさせるLô Borgesの1972年のセルフ・タイトル・ソロ・デビュー作が〈Audio Clarity〉より2023年度アナログ・リイシュー。ナシメントに与えたその影響の強さを物語る、質感豊かで夢の様な一枚!時に切迫感があり、そして、奇妙であり、ナシメントとの作品を聴いた後にボルヘスに期待するような幻想的で複雑なギター演奏に満ちたサイケデリック・ブラジリアンな珠玉の傑作に仕上げられています。
