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南アフリカ・ケープジャズの重要人物Tete Mbambisaが1979年に残した名作『Did You Tell Your Mother』。テナーサックスのBasil Coetzeeを迎えたカルテット編成で、アフリカ的なスピリチュアル性とアメリカのモーダル・ジャズが自然に溶け合う、深みのある演奏。11分超えの「Trane Ride」はタイトル通り Coltraneへの敬意が滲む長尺モーダルで、反復するピアノと熱量のあるサックスがじわじわと高揚していくスピリチュアルな名演。「Past Time」「Winter Time」では、南アフリカ特有の哀愁と柔らかいグルーヴが漂い、ラストの「Irene」では温かく語りかけるようなピアノが印象的。アパルトヘイト時代にも国内に留まり、アコースティック・ジャズを貫いた彼の姿勢がそのまま音に刻まれており、生々しいアンサンブルが当時の空気をそのまま閉じ込めている。

エレクトロアコースティック/音響作品の最前線を切り開くJim O’RourkeとJos Smoldersによる最新コラボレーション『Albumin』。前作『Additive Inverse』に続き、3年にわたる遠隔セッションで構築された本作は、O’RourkeがKymaシステムから抽出した音素材をSmoldersが粒状化処理し、互いに往復しながら音を彫刻していくという、極めて実験的なプロセスで制作された。柔らかいドローンがゆっくりと立ち上がり、やがて粒子状のノイズや倍音の揺らぎが浮かび上がる。音は定住せず、常に変化し続ける流体のようで、スペクトルの内部を覗き込むような精密な音響が全編を貫く。静謐な空間と緊張感のある音塊が交互に訪れる構造は、まるで音による抽象的な映像のような、密度の高い音響探求の結晶。

A.R. KaneのRudy Tambalaと、CranesのAlison Shawという90年代UKアンダーグラウンドを象徴する2人が、1991年に残したコラボ録音『Rise』を、〈Music From Memory〉が新装、復活。当時のセッションは、初期サンプラー、ドラムマシン、アコギ、囁くようなボーカルを最小限に使い、空間そのものを音楽にするというコンセプトで進行。ドリームポップの儚さ、アンビエントの静けさ、そしてA.R. Kane由来のダブ的低音処理が溶け合い、霧の中で音が浮かんでは消えるような、親密で幽玄な世界が広がる。オリジナルEPの音源に加え、2012年録音の未発表曲「Biology」を追加収録。DATからの丁寧なリマスターにより、当時の未完成の美しさをそのまま保ちながら、音の奥行きがより鮮明に立ち上がる。ドリームポップ、アンビエント、ダブ、実験音楽が静かに交差し、90年代UKインディの空気をそのまま閉じ込めた、静かに広がる作品世界。
8月下旬再入荷。1990年代初頭、ドイツ・ケルンのDIYシーンとウクライナのアンダーグラウンドが思いがけず交差した、その貴重な痕跡をまとめたコンピレーション『Aftermath and Transitions』。舞台となるのは、巨大な廃穀物サイロRhenaniaを拠点に活動したコレクティブSHM1で、ヴィジュアルアーティストのGuido ErfenとエンジニMichael Springerを中心に、主流とは無縁の独立した録音・流通ネットワークを築いていた。1990年、パンク、アヴァンギャルド、民謡的モチーフ、荒々しいグルーヴが混ざり合う、西側ではほとんど知られていなかったウクライナの地下文化の収められた1本のカセットがErfenの元に届いたことをきっかけに、音源の交換や人的交流が始まる。やがてウクライナの音楽家もケルンを訪れ、1994年以降、SpringerのPhantom StudioやRhenaniaのSHMスペースで非公式セッションが重ねられていった。本作は、その1994〜1996年の録音をまとめたもので、ウクライナとケルンのアンダーグラウンドが互いに触発し合い、新しい音の形を模索した4つの異なるセッションを収録している。ポストソ連期の混沌と創造性、ケルンのDIY精神、そして国境を越えた音の交換が生々しく刻まれた、歴史的にも音楽的にも稀有な記録。

映画監督のBenjamin Coolsと俳優のFerre Marnefによるブリュッセル拠点の前衛的ポップ・バンドSergeantによる、自分たちの演奏や録音素材を切り刻んで再構築するセルフ・サンプリング的手法を軸にした、アヴァンポップ/シンセ・エクスペリメンタル作品『Symbols』。クラウトロック的な直進ビート、ダブ処理の空間感、プランダーフォニクス的な断片のコラージュがひとつの流れの中で混ざり合い、混沌とキャッチーさが同居する不思議な魅力を放っている。曲名からして示唆的で、ユーモアと哲学的な視点が入り混じる世界観。音が崩れ、再構築され、また崩れる、その繰り返しの中から、ふと耳に残るメロディやリズムが立ち上がる瞬間が心地よい。レーベルらしい実験とポップの境界を楽しめる1枚。

8月下旬再入荷。フリー・ジャズの先駆者であり、1970年代以降は世界各地の民族音楽を取り入れたコスモポリタン・ジャズを展開したDon Cherryが、タブラの名手であり、複雑なポリリズムとシンコペーションを駆使する演奏スタイルで知られるLatif Ahmed Khanによるジャズとインド古典音楽が融合した1978年録音の幻のセッション『Music / Sangam』が、最新リマスターで再発。即興的でありながら緻密なリズムと旋律が交錯するタブラとトランペットの対話、Don Cherryの多楽器奏者としての側面も反映したアーシーなキーボードやフルート、1970年代パリのスピリチュアルな雰囲気が漂う、プリミティヴかつ瞑想的な録音の空気感が際立つ、Don Cherryのワールド・ジャズ探求の中でも最も過小評価されていた作品のひとつであり、ジャズとインド音楽の融合の歴史的記録としても貴重な一枚。
アルゼンチンのギタリストであり作曲家のAgustín Pereyra Lucena が1975年に残した代表作『Ese Día Va A Llegar』。ブラジル音楽に深く傾倒した彼が、Baden PowellやJoão Donatoらの影響を自らの感性と融合させ、アルゼンチンとブラジルの美しい交差点を形にした一枚。「Chica De Ipanema」「Amazonas」「Maritima」などブラジル名曲のカバーに加え、オリジナル曲も高い完成度を誇る。Lucenaのギターは柔らかく深いタッチで、ボッサの軽やかさとアルゼンチンらしい叙情性が同居。ローズピアノやフルートが絡む「Guayabas」は、世界中のDJに愛されるメローブラジリアンの名演。後にCandeiasを結成するGuillermo ReuterやCarlos Carliらも参加し、南米音楽の洗練と自由さが絶妙なバランスで表現されている。

8月中旬再入荷。ドイツ・ベルリンを拠点とするプロデューサー N Kramer と The Zenmenn のペダル・スティール奏者 Magnus Bang Olsen によるコラボレーション・アルバム『Pastoral Blend』。本作では、Olsen のペダル・スティールによる柔らかなフレーズがKramer の手でループ、反転され、幾重にもレイヤーを重ねられることで、アンビエント・アメリカーナ的な温もりと抽象的なエレクトロニクスが溶け合った独自の風景が立ち上がる。心地いい柔らかさとFennesz、Alva Noto を思わせる粒立ちのある質感が同居した、アナログ楽器の奥深い親密さとデジタルのきらめくような音の質感やテクスチャーの繊細なバランス感が印象的で、アルバムは風景や記憶を想起させる牧歌的なイメージを喚起しつつ、それを現代的なアンビエントのレンズを通して描き出しているかのよう。現実に根ざしながらも、時間を超えて漂うような静謐で深い音世界は、馴染みがあるようで新しく、アコースティックと電子音の狭間に広がる新たな表現を提示する一枚。

イングランドはケントを拠点に活動するDJ/プロデューサー Al Wootton の新作『Crux』が、フィンランドの名門〈Sähkö Recordings〉から登場。ダブ的な音響処理、変則的なリズムやポリリズム、複雑なレイヤーやテクスチャの重ね合わせ、サイケデリックな電子音を交錯させ、より探究的な領域へ踏み込んだ意欲作。本作ではリズムの肉体的な強度と、深く没入的なテクスチャーの緻密なバランスが絶妙で、複雑に編み込まれたパーカッションはフィジカルを揺らしながら、空間全体を包み込むような残響や音響処理が聴き手を内面的な旅へと誘う。反復の中に潜む微細な変化や揺らぎは、サイケデリックな陶酔感とストイックな探求を同時に呼び起こし、聴きこむほどに細部の豊かさが立ち現れてくる。ダンス・ミュージックでありながら、音響芸術としての奥行きを感じさせる作品であり、Al Wootton が築いてきた独自のリズム探究を新たな段階へと導く一枚となっている。
7月7日再入荷。岡田拓郎の最新作、山本英監督による映画『熱のあとに』オリジナル・サウンドトラックがアナログ盤でリリース!
柴田聡子、優河、never young beachなど、今や、日本のオルタナティブ・シーンに置いて名前を聞かないことがないプロデューサー/アレンジャー/ギタリストである音楽家・岡田拓郎。
「森は生きている」解散後、2022年に彼の才能を決定づけたアルバムとなった前作『Betsu No Jikan』に続く本作がアナログ盤でリリース。
空気のように、映画の世界に溶け込みながらも必要不可避な音が、映画全体の支えるテーマ曲が緩やかに形を変え、ミニマル・アンビエント作品のように存在している。
ピアノ、アコースティックギターなど多くの楽器を岡田自身が演奏し、彼のバンド編成ライブにも参加するサックス・松丸契、ダブルベース・千葉広樹が呼吸のあった音色を重ねる。岡田が敬愛するジム・オルークのマスタリング、加瀬透によるアートワークを含め、また1枚サウンドトラックの名盤が誕生した。
世界的に名高いこのアシッドフォークの大名作、演奏は松任谷の他、大野克夫(PYG)、駒沢裕城(はちみつぱい)、藤田洋麻(夕焼け楽団)、後藤次利など、コーラスに瀬川洋、又、現在その再評価著しい音羽信も参加。1973年発表。
久保田麻琴、裸のラリーズ在籍時のファースト・ソロ・アルバムがアナログ盤として再復刻。自身による最新リマスタリング(2025年Ver.)を施し、さらに音質が向上している。
世界的に名高いアシッド•フォークの大名作、演奏は松任谷正隆の他、大野克夫(PYG)、駒沢裕城(はちみつぱい)、藤田洋麻(夕焼け楽団)、後藤次利(サディスティック・ミカ・バンド)など、コーラスに瀬川洋、又、近年その再評価が著しい音羽信も参加。
松任谷正隆との共同プロデュース。1973年発表。
オリジナル・ジャケット仕様、帯、新規ライナーノーツ付き。
トラックリスト:
A1.あさの光
A2.かわいいお前
A3.汽車
A4.ひとごみ
A5.山田氏の場合
A6.丸山神社
B1.まちぼうけ
B2.休みの風
B3.Make Love Co.
B4.時は近ずいて
B5.Poor Boy
B6.挽歌
エジプト人DJのDisco Arabesquoが手がける、エジプト産ディスコ/ブギーのコンピ最新作が、好評を博した『Sharayet El Disco』に続いて登場!
Disco Arabesquoによる最新アーカイヴ・リリース『Ayam El Disco』は、数年前に高い評価を得た『Sharayet El Disco』に続く新作です。Disco Arabesquoはカセットコレクターとして知られ、アムステルダムを拠点にDJとして活動しています。8年にわたる収集の成果を結集した音源はColorsound StudioにてDavid Hachourがアナログ用にリマスタリング。エジプト人グラフィックデザイナーのHeba Tarekによるアートワークを採用し、オリジナルのカセット・アートワークを掲載したインサート、Moataz Ragebによるライナーノーツが付属。

ラテン・グラミー賞を受賞し現代MPBの宝石と称されるTulipa Ruizのアルバムが待望のアナログリリース。
サンパウロ出身のシンガーTulipa Ruizのアルバム『Habilidades Extraordinarias』は、創造性が光る即興とグルーヴを自在に行き来する傑作です。Tulipa Ruizはこれまでに5枚のアルバムを発表し、Elza SoaresやMilton Nascimentoとのコラボレーションを実現、モントルーやロラパルーザなど世界的フェスティバルにも出演し、国際的な舞台でも活躍を続けています。João Donatoとのデュエット"O recado da flor"では世代を超えた共演を実現し、"Pluma Black"や"Novelos"ではアヴァンギャルド・ジャズやソウル・ジャズの魅力を探求。ブラジルの批評家からも高く評価され、現代MPBの重要人物としての地位を確立した作品です。

ポートランドの「偉大なブラックミュージック」の最高の実践者、The Cosmic Tones Research Trioの一員Roman Norfleetと、Andre Raiahによるデュオ、MerKaBa Brotherhoodによる、秘教的テキスト、神聖なイメージ、神秘思想を音へと翻訳したかのような、スピリチュアルかつ実験的なアルバムが〈Mississippi Records〉より登場。サックス、キーボード、パーカッションという最小限の編成で、ドローンの揺らぎ、反復するパターン、静かに呼吸するような間合いが重なり、まるで幾何学模様がゆっくりと立ち上がるような音響世界が広がる。ローファイで温かい質感のアンビエント、ニューエイジ、スピリチュアル・ジャズの境界を漂うような音像の奥に霊性を感じさせる手触りが残る。静かに意識を変容させるような、霊性音響探求。

Concepción Huertaによる、サブハーモニクス構造とテープ操作を駆使して制作された、彼女にとって最も鋭く、激しく、そして息を呑むような作品『El Sol de los Muertos』が〈Umor Rex〉より登場!全体がドローンやミュジーク・コンクレートを基盤に、聴覚から強烈な映像を喚起するような音のテクスチャが貫かれている。リズムやメロディの快楽とは無縁で、むしろ「痛み」や「記憶」「暴力」の物語を音に変える、ポスト・コロニアル的サウンド・ナラティブとも言うべき一枚で、音のかたちをした歴史的・政治的マニフェストとして聴くことができる。ラテンアメリカ左派思想の象徴的存在エドゥアルド・ガレアーノや、メキシコのサパティスタ、パラグアイやアルゼンチンのグアラニー族など、先住民の抵抗運動に共鳴する音による黙示録的作品。
〈Cairo Records〉より、1920〜30年代アパラチア地方のバンジョー弾き語りだけを集めたコンピレーション『As Time Draws Near』が登場。収録されているのは、Clarence Ashley、Dock Walsh、BF Shelton、Samantha Bumgarner、Bascom Lamar Lunsfordなど、アパラチア音楽の初期録音を代表する重要人物ばかり。1924〜1930年の78回転盤から復刻された音源は、ノイズを含んだ質感のまま丁寧にリマスタリングされ、当時の空気や生活の匂いまで伝わるようなリアリティを持っている。ダンス・チューンや軽快なストリング・バンド曲をあえて排し、失恋、孤独、神秘的な出来事、殺人といったアメリカ的バラッドの暗い物語性に焦点を当てている点が特徴的で、語りと歌の境界にある素朴な声、硬質で乾いたバンジョーの響きが、山間の暮らしの厳しさや、語り継がれる物語の重みを静かに浮かび上がらせる。音楽的には極めてミニマルだが、そのシンプルさが逆に、歌い手の息遣い、弦を弾く指の強さなど、現代の録音では得られない特別なものを感じさせる、〈Cairo Records〉ならではの一枚。
70年代ジャズ・ファンクの象徴とも言える、Donald ByrdとMizell Brothersの黄金タッグが到達した、洗練とメロウネスの極致とも言える名盤『Places and Spaces』。フェンダーローズ による丸みのあるコード、Chuck Raineyの跳ねるベース、Harvey Mason の軽やかなドラミング、そしてByrdの柔らかいフリューゲルホルン。すべてが滑らかに噛み合い、都会的で風通しの良いグルーヴを生み出している。冒頭のディスコとジャズ・ファンクを両立させた名曲「Change (Makes You Want to Hustle)」、柔らかいメロディと浮遊感のあるアレンジが印象的で、70年代メロウ・ジャズの理想形として語り継がれている「Wind Parade」、Temptationsの名曲を原曲の甘さを残しつつ、より洗練されたアレンジでByrd流の都会的ソウルへと再構築した「Just My Imagination」など、聴きごたえある充実の一枚。
70年代にDonald ByrdがMizell Brothersと組み、ジャズ・ファンクへ大きく舵を切った時期を象徴する名盤『Stepping Into Tomorrow』。全編に漂うのは、ジャズの自由さとソウル、R&Bのメロディアスさが自然に交差する感覚で、Byrdのフリューゲルホルンは柔らかく、Mizell Brothersのアレンジは軽やかで、夜の都市を滑走するような洗練されたグルーヴが続いていく。オープニングの「Stepping Into Tomorrow」は、柔らかいフリューゲルホルンと、丸みのあるローズが溶け合う都会的なジャズ・ファンク。「Think Twice」は後年ヒップホップ、R&Bで数多くサンプリングされ、そのミニマルなベースラインとコーラスの反復は、時代を超えてクラブ・ミュージックの基盤になった名曲。Gary Bartz、Chuck Rainey、Harvey Mason、David T. Walkerら当時の最強セッション陣が参加していることもあり、演奏はしなやかで、どこを切っても高品質。ジャズ・ファンクでありながら、ソウル、ディスコ、AORの要素も自然に取り込んだ、70年代ならではのクロスオーバー感が魅力的な一枚。

Celerの初期代表作として長く愛されてきた2009年作『Engaged Touches』が、未発表素材を大幅に追加したExpanded & Remastered仕様で〈Two Acorns〉から再登場。今回のExpanded版では当時の録音素材を細分化・再編集し、全20曲、約2時間40分に及ぶ完全版として再構築。淡い光に包まれたドローンがゆっくりと重なり合い、時間が止まるようで、静かに流れ続ける、Celer特有の感覚を生み出す。フィールド録音のざらつきや、テープの質感がほのかに滲むことで、記憶の奥に沈む風景を覗き込むようなアンビエンスが広がる。名匠Stephan Mathieuによるリマスターが施された今回のエディションでは各パートの表情がより鮮明になり、静寂の中に潜む変化が立体的に浮かび上がる。Celerの初期美学を最も純度高く体験できる決定版。

2009年に〈Students Of Decay〉から発表され、長らく入手困難となっていたCelerの名作『Capri』が、未発表音源を追加した全34曲の完全版として〈Two Acorns〉から再登場。オリジナル・テープからStephan Mathieuが丁寧にリマスターし、当時の淡い質感を保ちながらも奥行きと透明度が増した決定版。2007〜2008年に録音された素材をもとに、「理想化された情景の断片」をテーマに構築されたコンセプト作品で、1〜3分ほどの短いヴィネットが連なり、光が差し込む瞬間や、海辺の風景、遠い夏の記憶がふっと立ち上がっては消えていくような、Celer特有の記憶を呼び起こすようなアンビエントが続いていく。Celer の中でも特に瞬間性と儚さが際立つ作品で、聴くほどに時間の層が静かに積み重なっていくような繊細な一枚。

現代のソウル・ジャズとベッドルーム・ビート、シンセ・セレナーデ、黄昏のソナタが織り成す、繊細な輝きを放つシンフォニー。デビュー・シングル「Escalator」では、〈BBC〉の Gilles Petersonにも「勝者」と大絶賛されたシカゴの現代ジャズ集団、Resavoirが2019年に同地の現代ジャズ名門International Anthemから送り出した初のセルフタイトル・フルレングス・アルバム。エレガントなオーケストレーションのローファイ・ジャズ・インストゥルメンタルな組曲、ジョン・ハッセルやジャスティン・ウォルターのようなミニマリズムとテクスチュラリズムへの叙情的な親和性を備えてた全9曲収録しています。

石橋英子&ジム・オルーク参加、記憶と環境音を再構築する実験音響/フィールドレコーディング作品。
ピエール・シェフェールとともに音と映像の関係性を探求してきたブルンヒルド・フェラーリによる作品。本作は、日常の中で無意識に捉えられた音の断片や記憶を再構成したミックステープ的アプローチによって制作され、磁気テープに記録された“耳の記憶”を呼び起こすようなサウンドが展開される。そこに石橋英子とジム・オルークが演奏で参加し、繊細かつ即興的な響きが作品に新たな層を与えている。実験音楽、ラジオアート、フィールドレコーディングの要素が交錯する本作は、個人的な記憶と音響芸術が静かに交差するユニークな試み。長年ルック・フェラーリと活動を共にし、その遺産を継承してきた彼女ならではの視点が反映された、時間と記憶をめぐる音のコラージュ作品である。
6月19日発売。カリフォルニアを拠点に、神秘主義・超心理学・チベット哲学に傾倒し、オカルト誌の広告を通じて自作の「Psychic Meditation Course」と共にレコードを通信販売していたMaster Wilburn Burchetteの1971年作『Occult Concert』。エフェクトを重ねたギターの持続音や倍音がゆっくりと揺らぎ、儀式めいた空気をまとったサウンドが展開。メロディよりも振動や意識の変容を重視した構造を持つ、アンビエント・ギターによる魔術ともいうべき精神世界と音楽が密接に結びついた世界観。ローファイで私的な質感で、個人的な儀式空間を覗き見るような魅力を持った、1970年代アメリカのオカルト文化とアンビエントの交差点に位置する作品。

