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打楽器の旋律的な可能性にフォーカスした、Sarathy Korwarのパーソナルで内面的な作品『There Is Beauty, There Already』が、新たに立ち上げた自身のレーベル〈Otherland〉から登場。本作は、Peter GabrielのReal World Studiosでわずか4日間で録音され、ドラムを中心とした40分の組曲として構成されている。繰り返しに繰り返しを重ねるミニマルな構造は、インド民俗音楽の円環的なリズム、Max Roachのようなジャズ・パーカッション・アンサンブル、そしてTerry RileyやSteve Reichの現代音楽的ミニマリズムを思わせる音楽性で、タブラ、ガタム、バラフォン、マリンバなど様々な打楽器に加え、電子音が微かに重なり、常に流動し続ける川のようなリズムの旅が展開される。Floating PointsやShabaka Hutchings、Anoushka Shankarらとのコラボを経たKorwarが、キャリア10年の節目に放つ極めて純度の高い打楽器表現であり、ジャンルを越えて鳴り響く、反復と変化を讃える音による曼荼羅。

エチオピアの伝説的な作曲家エマホイ・ツェゲ・マリアム・ゲブルの作品を、初めてピアノと弦楽アンサンブルで演奏した『Emahoy Tsege Mariam Gebru
played by Maya Dunietz & String Ensemble, Live in Paris』が〈LATENCY〉より登場!本作は、彼女の「ピアノだけでなく、もっと広い解釈で自分の音楽が演奏されてほしい」という願いを叶えるかたちで実現したもので、企画を主導したのは、エマホイと親交のあったイスラエルの音楽家マヤ・ドゥニエッツ。2005年にロンドンのレコード店で『Éthiopiques』シリーズの一枚を偶然手に取り、興味を持ったことがきっかけで、彼女と指揮者イラン・ヴォルコフはエマホイを探し出し、エルサレムの修道院で対面。その後エマホイ本人から、何百もの楽譜を託され、世界に広めてほしいと頼まれるようになる。このプロジェクトは、楽譜集の出版(2013年)や国際的な演奏活動として広がり、エマホイが生前に語った「自分の曲をオーケストラで聴いてみたい」という夢も受け継がれる。今回のアルバムはその夢の延長線上にあり、2024年4月、パリのブルス・ド・コメルスで行われた2公演の追悼コンサートで録音された。元々エマホイの音楽は、静かでミニマル、それでいて感情の深みを湛えた独特の響きを持っているが、今回のアレンジではより広がりのある音の空間として再構築されている。あくまでエマホイの音楽の核心──孤独、信仰、そして遠い記憶のような郷愁──を崩さないように細心の注意が払われており、沈黙や余白を大切にした祈りや瞑想に似た時間感覚をそのままに保った静かな再解釈。彼女の音楽に新たな光を当てながらも、決して眩しすぎず、ただそこにそっと在るような響きが素晴らしい。限定300部

数あるSun Ra作品の中でも特に人気のある、ファンク、宇宙的ジャズ、そして前衛的な実験音楽が見事に融合した1979年作の傑作『On Jupiter』が〈Strut〉より再発。ニューヨークのVariety Arts Studiosでのセッションで録音され、Sun Ra率いるアーケストラが持つ豊かな創造力が存分に発揮されている。メンバーにはJohn Gilmore(テナーサックス)、Marshall Allen(アルトサックス、フルート)、Michael Ray(トランペット)といった重要な人物が参加していて、それぞれの個性が絶妙に絡み合うことで独特の宇宙的サウンドが生まれている。アルバムは、ファンキーで中毒性の高い「UFO」、浮遊感あふれるタイトル曲「On Jupiter」、そしてスケールの大きい「Seductive Fantasy」など、多彩な楽曲が並び、聴く者を引き込む。時代の流行に流されず、常に自分のスタイルを進化させてきたSun Raの革新性が強く感じられる作品。

2021年にCHEE CHIMIZU主宰の17853 RecordsとTUFF VINYL、そしてリリース元のJ.A.K.A.M.主宰のCrosspointの3者共同でリリースした、2010年のアルバム Soft Meets Pan「Tam (Message To The Sun)」のヴァイナル・リイシューを挟み、2018年の「Tokinami」以来となる結成30周年を迎えたメモリアルなタイミングでの11枚目の最新アルバム、アナログでのリリース。
これまで様々なミュージシャンとコラヴォレーションをしてきた彼らですが、今作はゲストミュージシャンは旧メンバーのPRITTIの1曲参加のみ。ギタリストSIMIZ、ドラムPON2、ダブルベースUCONの結成時からのメンバー3人と、京都の音楽シーンに欠かせないエンジニア/エレクトロニクスのKNDとの4人での制作。ライブの形態に近いスタイルで躍動する音、サイケデリックな音響、ダブ・ワークが潜んでいます。大盛況だった大阪、京都での30周年記念ライブ、アジアツアーも敢行、ライヴバンドとして定評があり、各地に繋がるアンダーグラウンドな音楽シーンと共に歩み続ける彼らの現在の魅力がそのまま封入されています。

「Pharoah Sandersのようなレコードを作りたかったんだ。」数々の画期的なコンピ編纂でも知られる名門発掘レーベル〈Strut〉より、1976年に発表されたOneness Of Jujuの傑作『Space Jungle Luv』の限定復刻盤が〈Black Fire Records〉の復刻シリーズの一環として登場!以前はニューヨークの前衛ジャズシーンの重要な存在であったバンドJujuで活動していたJames “Plunky” Branchが、74年までにリッチモンドに移住し、新たなメンバーと共にアフリカの打楽器とファンク、R&Bを融合させた新バンドOneness Of Jujuを1975年に結成。そんな彼らが1976年に残した彼らの代表的なアルバムのリイシュー盤!より穏やかでスピリチュアルな方向に移行し、シンガーのLady Eka-Eteの魅惑的で魂のこもった甘い歌声にぴったりな、スムーズで進歩的なサウンドを披露しています。本作には、ギタリストのMelvin Gloverと、Pharoah Sandersのバンドに所属していたピアニスト、Joe Bonnerもレコーディングに参加。オリジナル・アートワークの完全再現&〈The Carveryによるリマスタリング仕様。バンドリーダーのJames “Plunky” Branchへの新曲インタビューと貴重写真の数々に加えて、プランキー自身による新しいライナーノーツも収録。

Oneness Of Jujuが約30年ぶりにリリースする新作『Made Through Ritual』が〈Strut〉から登場!アフロ・ジャズの伝説的グループが〈Black Fire Records〉創設50周年を祝う形で送り出すこのアルバムは、創設者プランキー・ブランチの息子ジャミアと、レーベル共同設立者ジミー・グレイの息子ジャマル・グレイの共同制作という世代を超えたプロジェクト。もとになるのは、ジャマルが制作したジャズ・サンプル主体のビートで、そこにプランキーが生演奏でアレンジを再構築し、サンプリングと即興、多重録音が融合した“儀式的”な制作手法が採られている。冒頭のソウル・チャント「Share This Love」から、タイトル曲「Made Through Ritual」や「In Due Time」、「Free Spirit」といったジャズの小品群、そして詩人ロスコー・バーナムの朗読をフィーチャーした黒人文化讃歌「Children Of The Drum」まで、多彩な楽曲が並ぶ。現代の象徴的アフリカン・アートを担うマキシム・マンガによるカバーアートとともに、Oneness Of Jujuの新章を刻む1枚となっている。
全ニューエイジ~アンビエント~バレアリック・ファン必聴のマスターピース。〈Athens Of The North〉や〈Jazzman〉〈Strut〉といった世界各地の名門レーベルからの作品も知られるイギリスの人気ジャズ・キーボーディストGreg Foatと、近年のニューエイジ・リバイバルでの世界的な再評価を一身に受けたベネチア出身のバレアリック/アンビエントの貴公子Gigi Masinの2人による、23年の〈Strut〉からの傑作コラボ・アルバム『Dolphin』を漸くストック。2021年から22年にかけて遠隔で録音され、互いに作曲した楽曲をオンラインで徐々に発展させながら、装飾を施す様に形作られた一枚。最終的な録音セッションは、ワイト島の壮大なChale Abbey Studios で敢行。Moses Boyd(ドラム)、Tom Herbert(ベース)、Siobhan Cosgrove(フルート、クラリネット)といったゲストが幾つかの楽曲に参加。内省的で哀愁漂うバレアリック・ジャズ『Viento Calido』や、22年に悲しくもこの世を去ったGigi Masinの妻へと捧げられた美しいアンビエント曲『Sabena』など、珠玉のナンバーがずらりと並びます。〈Cosmic Audio〉のMark Ashfieldによってマスタリング仕様。


1966年にハイライフ、R&B、カリプソ、ジャズを融合させた『Super Afro Soul』の10インチでナイジェリア・ラゴスの音楽界を一変させたアフロビートの創始者の一人であるOrlando Juliusが、ロンドンのスーパーグループ、The Heliocentricsと初めてコラボレーションを果たしたスタジオ・アルバム『Jaiyede Afro』が〈Strut〉からリプレス。自身のルーツに戻り、これまで録音されたことのなかった若い頃の楽曲を幾つか再演した作品。ジュリアスの学校で歌われていた伝統的な歌で、1965年に彼がModern Aces bandのためにアレンジした伝染力のあるチャント”Omo Oba Blues”や、彼がアメリカに住んでいた頃に生まれた壮大なアフロビート・ジャム”Be Counted”、1973年のレアなアルバム『Orlando Julius and The Afro Sounders』から再アレンジした”Buje Buje”と”Aseni”などを収録。初期の作品の荒々しい荒々しさを保ちながら、サイケデリックなタッチと冒険的な新しいアレンジを加えたものとなっています。

ロサンゼルスの伝説的ライブハウスETAでジャズ・ギタリストのジェフ・パーカーが2016年から7年間続けてきた月曜の定例セッションの集大成『The Way Out of Easy』が〈INTERNATIONAL ANTHEM〉よりリリース!パーカーはシカゴのポストロックやジャズシーンで長年活躍しつつ、LAに拠点を移してからも独自の即興スタイルを追求し続けてきた。本作は2023年1月にライブ録音され、ETA閉店直前の熱気がそのまま伝わる。パーカー、ジョシュ・ジョンソン、アンナ・バターズらETA IVtetは、ポストロック、ヒップホップ、ダブなどの要素を取り入れたゆったりとしたグルーヴを展開。特に2012年の曲「Freakadelic」は25分近い大作に再構築され、瞑想的でマントラのような雰囲気を持つ。ほかにも、静かなポストロック風の「Late Autumn」や、サックスの即興から発展したダブ調の「Chrome Dome」など、多彩な表情を見せる。バンドメンバー全員のレベルの高さを背景に、リズムセクションのグルーヴとパーカーのギターがサックスと絶妙に絡み合う、深みのある即興演奏を楽しめる作品。

人気作リプレスです!昨今の実験音楽界隈を大いに賑わせる、全盛期真っ最中のイタリア人パーカッション奏者であり、Holy TongueやTomagaでの活動も大人気のValentina Magalettiと、リスボンの名門〈Príncipe〉クルーとしても知られるアフリカ系ポルトガル人アーティストNídia による共作が、パリ拠点の先鋭レーベル〈Latency〉より到着。それぞれの特異なビートメイキング・センスを融合させ、現代のダンス・ミュージックに新たな風を吹き込むエキサイティングな一枚!シンコペーションされたドラム・パターン、脈打つマリンバのライン、メロディックなインタールードを通して、多様でありながら普遍的な音楽言語を探求し、ポスト・クラブ/アフロ・エクスペリメンタルの地平を鮮やかに更新するような、近年でも稀有な傑作。名匠Kassian Troyerの手により〈Dubplates & Mastering〉にてマスタリング。

ギタリストのグレゴリー・ウルマン、サックス奏者のジョシュ・ジョンソン、ベーシストのサム・ウィルクスの豪華メンバーによるトリオのデビューアルバムがリリース!即興演奏家/作編曲家/プロデューサーであるこの3人の幅広い音楽的キャリアとスタイルが感じられるプログレッシブなエレクトロ・アコースティック・チェンバー・ミュージックにジャズを取り入れたとも言えるような広々として叙情的な好内容。ウールマンの指弾きエレクトリック・ギターの哀愁を帯びた美しさ、ウィルクスによるハイブリッドなリズム・リード、ジョンソンのアルト・サックスのテクスチャー豊かなハーモニーなどトリオの楽器による演奏に高度なエフェクトを駆使することで不思議な心地よさがある。また音楽的な要素だけではなく、共に学生時代からの友人であるトリオの友情や信頼も感じられる幸福なムードも素晴らしい!

Chicago Underground Duoの実に11年ぶりとなる新作『Hyperglyph』が〈International Anthem〉より登場。ロブ・マズレク(トランペット、電子音)とチャド・テイラー(ドラム、親指ピアノ)の長年の友情と創造的な対話から生まれており、アヴァン・ジャズと電子音響、アフリカン・リズム、実験的ポストロックが交差。今作は、マイルス・デイヴィス&テオ・マセロのカット&エディット手法、AACMの精神、さらに電子音楽やダブ、IDMなどからの影響も織り込み、徹底したスタジオ編集と即興演奏のダイナミズムを融合。重層的なホーンと対話する打楽器、繰り返しが陶酔的な鍵盤、荒ぶるトランペットの叫び、静寂と轟音の対比。すべてが複雑に絡み合い、独自の音響宇宙を形成している。録音・編集はInternational Anthemのデイヴ・ヴェトレイノで、長年の信頼関係が生んだ、自由で直感的な制作環境も作品の強度に貢献している。一見複雑でとっつきにくい構造も、繰り返し耳を傾けることで新たな視点が開かれる——そんな知的でスピリチュアルな音楽体験を提示する、二人の現在地点。シカゴ実験音楽の深層から生まれた、緊張感と遊び心に満ちた現代ジャズの最新形。

2024年12月18日、ロサンゼルス・コールドウォーターキャニオンパークの樫とブラックウォルナットの木々の下で行われた、詩人/ヴォーカリストのサウル・ウィリアムズ、打楽器奏者/プロデューサーのカルロス・ニーニョ & フレンズによる特別なセレモニーの記録『Saul Williams meets Carlos Niño & Friends at TreePeople』が〈International Anthem〉より登場。長年にわたり環境保全活動を行ってきたTreePeopleの敷地内で、Living Earth主宰のノア・クラインが企画したこのパフォーマンスのために、ニーニョは気心知れた仲間たちを招集。シンセギターとサンプリング、ネイト・マーセロー、フルートや複数のサックスを駆使するアーロン・ショウ、各種打楽器を担当するアンドレス・レンテリア、フルート、ビブラフォン、声を担うMaia、コンピュータとホラ貝を用いた音響設計のフランチェスカ・ハート、詩人アジャ・モネ、そしてテナーサックスでカマシ・ワシントンが参加している。多層的なエレクトロ・アコースティックの生態系に溶け込むウィリアムズの言葉、即興的かつ多層的な音楽のセッション、そのすべてが、この場にしかありえなかった特別な響きを紡ぐ。全編が、政治性と集合的な祈りに貫かれた〈International Anthem〉からのリリースであることも納得の、美しく、深く、真摯な記録。


北イングランドを拠点に活動する15人編成のスピリチュアル・ジャズ大所帯Ancient Infinity Orchestraによる、愛とつながりが音にあふれたメロディックなスピリチュアル・ジャズ。リーダーのOzzy Moyseyによる美しい作曲を軸に、メンバーそれぞれが即興で寄り添い、心温まる広がりのあるメロディが花開いていく。編成は非常にユニークで、ダブルベース2本、ハープ、サックス、クラリネット、弦楽器群、オーボエ、フルート、マンドリン、コンガ、ピアノ、ドラム、そして様々な小物パーカッションまで揃い、ライブや録音では床に楽器を散らし、思いついた瞬間に手に取って音を重ねる自由な雰囲気。友人同士でもあるメンバー間の信頼感が、広大でありながら親密、土の匂いがするのに宇宙的でもある独特のサウンドを生み出している。愛をアルバム全体を包み込むテーマとして据え、フォーク、ジャズ、クラシックなど多様な伝統音楽の素養を持った奏者たちが、作曲という器の中でそれぞれの表現を解き放つ。焚き火を囲んだ即興的な賛美歌のよう。

クラシックの世界的大名門〈Deutsche Grammophon〉にも在籍するポーランド出身のピアニストHania Raniが2023年にリリースした3枚目のソロ・アルバム『Ghosts』のツアーより、ポーランド・ワルシャワ/イギリス・ロンドンでのライブ・パフォーマンスを収録した音源『Nostalgia』をマンチェスターの現代ジャズ大名門〈Gondwana Records〉より発表!ショパン音楽大学の学生として訪れて以来、長年に渡り、私生活でも仕事でもRaniの人生の重要な部分となった、自身にとって親密な場所であるワルシャワの〈Polish Radio〉という第二の故郷であり愛すべきレコーディング・スタジオにて、奥深く啓発的な楽曲を生み出しています。タイトル曲の”Nostalgia”のみロンドンのコンサート会場〈Roundhouse〉で収録。

Şatellitesの中心人物であるテルアビブを拠点に活動するマルチ奏者イタマール・クルーガーがEje Eje名義でリリースする2作目のアルバム。前作『Five Seasons』に続き、彼自身が大半の楽器を演奏・録音し、地中海〜中東の伝統音楽を軸にサイケ、ファンク、ダブ、ビート・プロダクションを自在に織り交ぜた作品になっている。タイトル「Primordial Soup(原始のスープ)」は生命の起源をめぐる科学理論に由来し、多様な要素が混ざり合い新しい形を生む比喩として、クルーガーはこの考えをサウンドに投影し、トルコの打楽器やサイケデリックなギター、ダブの質感、シンセやドラムマシン、中東の旋法をひとつの鍋で煮込むように融合させている。録音は細部まで作り込まれつつも、演奏には生々しい熱があり、DJ Shadowや初期Four Tetを思わせるプロダクション感覚と、伝統楽器の直接的な響きが共存している。中東伝統と現代的なビート感覚を横断する現在進行形のサウンドを提示する一枚。

アフロビートへの共通の愛で結ばれたミュージシャンと作曲家の集団であり、サイケデリック・ロック、ハード・ファンク、ソウル、ジャズ、東アフリカ音楽などを取り入れた作品をリリースしている、2012年にテルアビブで結成された12人のメンバーからなるHoodna Orchestraと、ジャズ、ラテン、ファンク、ソウルを伝統的なエチオピアの音階とリズムに融合させたエチオ・ジャズの生みの親Mulatu Astatkeのコラボアルバムが<Batov Records>よりリリース!Hoodna Orchestraによるムラトゥへのラブコールによって実現し、2023年3月にレコーディングされた本作は、ムラトゥのヴィブラフォンによる特徴的なサウンドを、現代的な新しいリズムの激しい方向へと導く、いわばターボチャージャー付きのエチオ・ジャズとでも言うべき音楽性!硬質でありながら荘厳、ソウルフルで高揚感のある作品に仕上がっている。

(数量限定/日本語帯付き/解説書封入)異名義AFXで紡がれる、アシッドとIDMの進化形!2015年に突如リリースされたEPであり、タイトルが示す通り2006〜2008年に制作された楽曲群を収録。AFX名義ならではの攻撃的なアシッド・ラインと硬質なリズムが前面に押し出され、リスナーをダンスフロアから実験音楽の深淵へと誘う。生々しい音圧とアナログ感に溢れ、同時にエイフェックス・ツインとしての緻密な構築美も堪能できる。90年代から続くIDMの系譜を継承しながら、未来へと更新した重要作。リチャードの異名義ワークスを語る上で欠かせない一枚。

(数量限定/日本語帯付き/解説書封入)鬼才スクエアプッシャーが幻のアルバム『Stereotype』の再発盤を〈Warp Records〉よりリリース。
1994年にステレオタイプ名義でひっそりとセルフリリースされた知る人ぞ知る『Stereotype』は、当時若干19歳のスクエアプッシャーによる約1時間にわたる原初のダンスフロア・トラック群。海賊ラジオとレイヴ文化を燃料に生み出された、荒削りながらも爆発的なエネルギーを放つ初期音源が、ついにオリジナル・テープからリマスターされて蘇る。オリジナルでは無理やり1枚の12インチに収められていた音源を、2枚組LPとして新たにカット。〈Rephlex Records〉からのデビュー作『Feed Me Weird Things』(1996)と同時期に制作され、いわば“もうひとつのデビュー・アルバム”とも呼べる伝説的音源。スクエアプッシャーの原点を体現する本作はキャリアを語る上で重要な一枚である。
ウガンダの気鋭DJ/プロデューサー、Authentically Plasticが放つセカンドアルバム『Rococo Ruine』は、前作『Raw Space』で確立した「音の平面性」という概念をさらに深化させた意欲作。西洋美術がこだわる奥行きに対するアンチテーゼとして、音の強度に焦点を当てた激しいリズムはそのままに、本作ではメロディックな要素が大胆に導入されており、シンセサイザーによる幻覚的なメロディが、安定した反復的な硬質なリズムと対比的に絡み合い、万華鏡のようにサイケデリックで粘度の高いサウンドを生み出している。特に、「Mercury Lake」では歪んだビートとハーモニックなシンセが、「End of the World Sale」ではメロディを打楽器のように扱った点描的なサウンドが聴きどころ。また、「Polycollision」や「Schizz」は、前作のポリメトリックな実験をさらに推し進めた楽曲となっている。音の平面性を保ちながら、サウンドの幅を大きく広げた本作は、既存のクラブミュージックの枠を軽やかに飛び越える、革新的で刺激的な一枚!
英国サウス・ロンドンの知られざるデュオ、JemimaによるデビューLPがAll Night Flightレーベルよりリリース。リスナーの内面に深く静かに染み入る、ローファイ・フォークの新たな地平線を切り拓く傑作の登場です。
同レーベルからリリースされたMegabasseをはじめ、Brannten SchnüreやGrouperなどのアーティストの実験性とも響き合いながら、本作においてJemimaは、楽曲の「構築」よりも「気配」の生成に重きを置いているようです。繰り返しの中でわずかに揺らぐギターのアルペジオは、ほとんど溶けて聞き取れない語り声や環境音、ノイズと絡まりながら、とても親密で個人的な音の箱庭風景を織り上げていきます。囁くようなボーカルは言語としての意味を超え、まるで空間そのものが語りかけてくるような錯覚を引き起こします。
この音の中に身を置いていると、まるで、窓を少しだけ開け放ち、静かに流れ込んでくる外気や遠くの生活音を感じるような、日常でふとした時に立ち上る特別な時間がふと蘇るようです。
