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フランス・リヨンのレフトフィールド作家Warzouと、ジャマイカのダンスホール・コレクティブDUPPY GUNによるコラボレーション作品で、90年代の名リディム「Corduroy Riddim」を再解釈した最先端ダンスホール2枚組7インチ『AM026』。Warzouがジャマイカ・ポートモアにてDUPPY GUNのMC陣と現地制作、アップテンポで腰を揺らすグルーヴ感と、オートチューンを駆使した甘美な旋律が融合しており、デジタル・ダンスホールとベース・ミュージックの融合による、近未来感あふれるクラブ仕様ダンスホールに仕上がっている。Buddy Don、G Sudden、I Jahbar、RDL Shellahらがそれぞれ1曲ずつ参加し、渋くユニークな声が楽しめる。DUPPY GUNのカルト的エネルギーとWarzouのレフトフィールドの最前線の音楽的交差点。

Giovanni Marco Citivengaによるプロジェクト、Detraex Corpによる、ダブ、ベース・ミュージック、トライバル・エレクトロニクスが交錯する幻覚的サウンドスケープ『Live at Pompeii』が〈Sagome〉より登場。本作は、ポンペイという歴史的・神秘的な場所を舞台にした音響による幻想で、土着的で呪術的なグルーヴを感じさせるベースライン、酩酊的で夢幻的に加工されたウードの音色、重く粘着質なビートが90年代Wordsoundの幻影を未来的に再構築したような印象を残す。クラブ的なグルーヴと古代的で幻覚的な儀式を思わせる音響が融合し、朽ちた祝祭のような雰囲気となっている。ダブと実験音楽の境界を押し広げながら、聴覚の深層へと誘う音響考古学とも言うべき一枚。
Bitchin Bajasとの共演でも知られるJoshua Abrams率いるシカゴの異能集団、Natural Information Societyによる、ジャズ、モード音楽、伝統音楽の要素が融合した35分間にわたるミニマルな音の瞑想空間。一つのテーマを35分間にわたり反復・変奏し続けることで、音の持続と変化の微細さを探求。北アフリカの弦楽器ギンブリによる反復リフがが一定のグルーヴを保ちつつ、微細に変化する中、ハルモニウムやバスクラリネットが浮遊するように絡み合い、空間的な広がりが生まれてゆく。リズムは明確な拍子を持たず、緩やかでありながらも内的な緊張感が持続しており、今ここにいるようで、どこか遠くへ漂っているような、揺らぎのある音楽空間となっている。さらに深く、音と時間の哲学的探求を進めた作品。
スペイン出身の音楽家DídacことDiego Ocejo Muñozによる、民族音楽学アーカイブを再構築した儀式的アンビエント作品『DÍDAC』がスウェーデンの〈Fasaan Recordings〉から登場。本作は、ジュネーブ民族学博物館の音楽アーカイブに基づいて制作されており、蝋管、テープ、儀式歌、民謡などの録音資料を再構築し、ポストモダンなアンビエント・ナラティブへと昇華。民族楽器のサンプルと電子音響が交錯し、過去と現在、記録と創造が共鳴、儀式的なリズムとニューエイジ的な浮遊感が、精神的な浄化と再生のプロセスを描く。カトリック的な背景とカタルーニャ/カスティーリャのルーツを持つ彼の個人的な信仰が反映されており、古い民族音楽のアーカイブが生きた対話相手として現れてくるよう。フォークロアと現代音響芸術が交錯する深遠な作品。

南アフリカのズールー・ギターの伝説的存在Madala Kuneneと、Kuneneを師とするギタリストであり、歌うというよりも夢の語りや祖先との交信のような詠唱に近いヴォーカルスタイルを持ちながら、現代的な作曲家でもあSibusile Xabaによる、師弟関係から生まれた二世代の精神的対話『kwaNTU』。全編ライブ録音で一発録りによる緊張感と親密さがあり、アコースティック・ギターの対話、霊的なヴォーカル、フルート、打楽器、フィールドレコーディングが交錯。Maskandiと呼ばれるズールー・フォークとブルース、ジャズの要素が自然に溶け合う内容で、祖先との対話、土地とのつながり、そして人間性の探求が音楽を通じて表現されている。南アフリカ音楽の深層と現代的な即興性が融合した稀有な事例であり、魂と魂が交差する瞬間を捉えた静かで力強い祈りのような作品。
デトロイトの新世代ハードコア・ジッターことHi Techが、地元直系のジット/ゲットーテックを現代に問う自主リリース第2弾『Honeypaqq Vol.1』が登場。全14曲を30分未満で駆け抜ける本作は、160BPMのスカッド・ビートにサンプラーでのカットアップを炸裂させる、ラフでファンキーな一撃!Omar-Sの〈FXHE〉からのLPや、ライブパフォーマンスで評価を得た後、デトロイト新世代ゲットーテックの顔役として台頭。シカゴのフットワークとも共振しながら、よりジャジーでデトロイトらしい「ミュータント・バウンス」を体現するゲットー育ちのHi Techの未来派ビート、そしてジャズとエレクトロの幽霊がさまよう摩訶不思議な音響世界。ジットやデトロイト・テクノの文脈に惹かれる人はもちろん、シカゴ派フットワークやUKのベースミュージック、あるいは最近のR&B実験派までアピールするであろう重要作。これは踊るだけではなく、生活圏と幻想のあいだをスキップで渡るためのサウンドトラックと言うべき一枚!
Low Jackことフランスの電子音楽家 Philippe Hallaisによる、喪失と救済をめぐる精神的・音響的なレクイエムとも言うべき作品『Lacrimosa』。本作はAlice Coltraneの1976年作『Eternity』の霊性と死者のためのミサの構造に触発された、8つの楽章からなる深遠なアンビエント作品で、作曲者自身の人生と深く結びついた喪失の物語。特に「Dies Irae(怒りの日)」と「Lacrimosa(涙の満ちる者)」の章を再解釈し、魂の救済を求める音楽的祈りとして展開。機械が悲しみの味を学ぶという詩的なモチーフが、金属的なフィルター、グリッチ、詩的なノイズが交錯する爆撃された後の静寂のような音響として表現されている。ヴォーカル・アンサンブルやゲスト参加による宗教的・儀式的な深みも加わって、「沈黙が血を流す」ような音の余白と緊張感が、聴く者の内面に静かに語りかける内容となっている。
![Noah Creshevsky - Hyperrealist Music, 2011-2015 [10th Anniversary Edition] (LP+DL)](http://meditations.jp/cdn/shop/products/EM1140CD_{width}x.jpg?v=1619853727)
発売10周年記念そして故人となった作家に捧ぐ初のLPエディション。「ハイパーリアル・ミュージック」提唱者で創始者、ノア・クレシェフスキー後期傑作作品集。
クレシェフスキーはブーランジェとベリオに学んだクラシック作曲家で、活動初期70年代から80年代は電子音楽/テープ音楽をやっていましたが、ファインアートで勃興した「ハイパーリアリズム(*注)」に感化され、その概念を音楽に取り込んだ「ハイパーリアル・ミュージック」を提唱。その第一人者となりました。彼のハイパーリアル・ミュージックは、一聴した限りでは器楽の生演奏に聞こえますが、実際は人工的な操作と配置で創作されたものです。彼のサウンドパレット上では人間によるアコースティック楽器の実演奏やヴォイスが素材となる一方、シンセサイザー等の電気的な合成音は用いられません。録音年もジャンルも異にする演奏・楽音がいち作品内で任意に結合され、ある音は過剰に強弱・長短のアクセントがつけられ、意匠をこらしたドラマ性とユーモアが加味されています。特筆すべきは、AIが登場する前の時期において、彼が「スーパーパフォーマー」と命名した、人間の限界を超えたサイバーヒューマン・ミュージックという新たな形態を生み出したことにあります。本アルバム『ハイパーリアリスト・ミュージック、2011-2015』は発売時2015年の最新作と自らのフェイバリット「ハイパーリアル・ミュージック」作品を作家が自選したコレクションです。ここでは聴き進めるにつれて姿を現す、狐につままれたような「ハイパーリアルな」世界に惑わされることでしょう。また、クレシェフスキーは、Visible Cloaksのスペンサー・ドーランによる不確定性サイバー室内楽プロジェクト、コンポニウム・アンサンブルの大きな影響源であり、その初リリース『八つの自動作曲作品集』は彼に捧げられています。
*注:写真等を用いて対象を克明に描写する美術の潮流。「超現実主義」と和訳されるシュルレアリスムとは区別される。スーパーリアリズムともいう。
+ 解説:George Grella, Jr.(和訳付)
+ シュリンク封入、DLカード付き。

英国シアトリカル儀式アンビエントフォーク突然変異体。夢のような田園世界へのタイムトリップでありながら、明確な現実感を持つ、驚くべきフォーク・ファンタジア、ザ・ワーム『パンティルデ』。
コーンウォール出身のアヴァンフォーク・パフォーマンス・アーティスト、ザ・ワームによるこの魔法のようなアルバム『パンティルデ』は、幽玄な新世界、この世のものとは思えないような、それでいてどこか現実にも根ざしている、ケルトの異郷の村の日常を描いた想像上の口承と音楽の物語です。このトータルアルバムの音楽は、奇妙でありながら親しみやすく、幻想的で魅惑的でありながら、同時に大地に繋がっています。ザ・ワームを名乗る音楽家エイミー・ローレンスは、チェロ、ハープ、リコーダー、パーカッションといったアコースティック楽器を儀式的な雰囲気で演奏して歌い、その豊かな歌声は時にオーバーダビングされ、美しく素朴なヴォーカルアンサンブルへと昇華されます。ローレンスはそのヴォイスを用いて、神話的で神秘的な村の生活と風景、そして人間と自然界の関係を描いた歌物語を紡ぎます。
ザ・ワームは、ドロシー・カーター、インクレディブル・ストリング・バンド、ヴァシュティ・バニヤン、ショベル・ダンス・コレクティブ、ブリジット・セント・ジョン、ジェシカ・プラット、キャスリン・ハウ、メアリー・ラティモア、トリストフ・イ・フェニウッドらを含む音楽の系譜に出現した突然変異体のような才能です。『パンティルデ』は、夢のような田園世界へのタイムトリップでありながら、明確な現実感を持つ、驚くべきアヴァンギャルド・フォーク・ファンタジアです。地底に住むというケルト伝説の小人をイメージさせる装丁アートワークはローレンスの手によるもので、「パンティルデ」とは写真のロバの名前のこと。ザ・ワーム自身による英語と日本語の古文書のようなライナーノーツと歌詞を掲載します。CD 版のみ Yama Warashi によるリミックスをボーナス収録。
=作品仕様=
+ 12インチLP、4Pインサート
+ 解説・歌詞:エイミー・ローレンス
+ 日本語・英語訳掲載

アンビエント、インダストリアル、実験音楽といったジャンルで活動するイタリアのギタリストEraldo Bernocchi、ブラジルのヘヴィメタルバンドSepulturaの元ドラマーとして世界的に知られるIggor Cavalera、そしてご存じMerzbowという、一見すると異質な3者のコラボレーションから、熱帯雨林の夜をテーマに予測不可能なサウンドを生み出した作品が〈PAN〉より登場。Bernocchi が手がける重層的なギターと電子処理が土台を形作り、Iggor Cavalera が肉体的で原始的なリズムを叩き込む。さらに Merzbow がノイズの嵐を注ぎ、全体を圧倒的な音響体験へと押し上げている。激しいインダストリアル・ドローンや環境音的テクスチャーの中に、時折ジャングルを思わせるプリミティヴな打楽器の呼吸が浮かび上がるそのサウンドは、単なる轟音ではなく、森の闇に包まれるような没入感と儀式的な高揚を兼ね備えている。深夜に聴くと、音の密林に迷い込むようなトリップ感のある一枚。


ベルギーの実験系レーベル〈Meakusma〉やLowtec主宰の〈Workshop〉などからリリースを重ねてきたドイツ・ケルン拠点のエレクトロニック・ミュージック/ハウス・プロデューサー、Viola Klein。2024年の12インチ『Confidence』や、セネガルのSabar Ensemble Diopとのコラボによる伝統的なサバール・パーカッションと電子音楽が融合した作品「We」を素材に、世界各地のプロデューサーたちがリミックスを手がけた作品『New Chapter』が〈Meakusma〉から登場。デトロイトのディープでソウルフルなハウス的解釈のWhodat、抽象的でレフトフィールドな再構築をしてみせるKassem Mosse、クドゥロやアフロ・ポルトガルの影響を感じさせるリスボンのNídiaなど、多彩な顔ぶれで、多様な音楽的背景が交差し、地理的・文化的な境界を越えた音の対話が展開。アフリカ的なベースライン、生々しいパーカッションに加えて、フィールド録音、ピアノの断片、波や鳥の音なども織り交ぜられ、クラブの文脈にありながら、ユニークで実験的な音響空間を構築した、Viola Kleinの文字通り新章を告げる意欲作。


和物シーン屈指のパーティー〈和ラダイスガラージ〉や〈スナックねこ〉〈BAR KITTY〉といったイベントのオーガナイズから、〈Zero Gravity〉や〈ExT Recordings〉といった先鋭的なレーベルの運営に至るまで、日本のアンダーグラウンド・シーンを代表する電子音楽家/DJ、永田一直が94年に設立、23年に正式復活を果たした名門レーベルであり、〈Syzygy Records〉や〈Sublime Records〉と並び、日本の黎明期のダンス・シーンを支えた〈Transonic Records〉。その作品群でもニューエイジ・リバイバル以降の視点から大いに再発見されたアンビエント・テクノ名作であり、元・電気グルーヴの高橋コウジがPalomaticとして95年にCDオンリーで発表した唯一作、世界中から人気高まる『Trill』がベルリンの『Feedback Waves』より奇跡のアナログ再発!
永田氏の〈ExT Recordings〉から21年に発売された、初期〈Transonic〉を国産ドリーム/アンビエント・テクノ全盛期の走馬灯の如く熱く振り返ったショーケース・アルバム『Transonic Records From 1994 To 1995』にも、本作より"Foaming Waves"と"Under The Ground"の2曲が収録。それに続く形で〈ExT〉からデラックス・エディションでCD再発もなされた名作がこの度初めてアナログ化!
Palomaticは、90 年代前半から中期にかけて日本のエレクトロニック・ミュージック・シーンで活躍した高橋コウジの別名であり、電気グルーヴのシンセ・プログラマーとしても活動していたほか、ニックヨシザワとのTakahashi Tektronix (と) や InterferonことKiyoshi HazemotoとのMutronでも活動。1993 年に福岡から日本のクラブ・シーンを牽引した〈Syzygy Records〉 よりデビュー曲「Halo」をリリースした後、Takahashiは、シーンを定義する〈Transonic〉のコンピ盤へ一連の作品を提供。ブリストルのトリップホップやシェフィールドのブリープ・テクノのムーディーなベースの重み、ベルリンのテクノとベルギーのトランスのケミカル・ラッシュまでが、明らかに日本的な感性でエレガントな音楽のタペストリーにまとめられたような、時代を超越した日本のエレクトロニック・ミュージックの金字塔。アルバムの目玉であり、今日のテンポの速いダンスフロアにピッタリとハマる"Foaming Waves"や、ジャパニーズ・ドリーム/アンビエント・テクノの極点といえる"Halo"など、名曲がずらりと並ぶ大傑作!
フランスの音楽家ピエール・バスティアンによる、彼独自の自動演奏楽器Mecaniumを用いた実験音楽の世界を深く掘り下げた作品『Tools』。本作はバスティアンが長年愛用している自動演奏装置の元となるメカーノのドライバーに捧げられており、サウンドの素材の生々しさと、機械的な自律性が作り出す予期せぬ音の組み合わせやテクスチャによって成り立っている。複数の独立した音の要素を同時に発生させ、重ね合わせるもので、ウッドベース、カズー、トランペット、打楽器といった多様な音源が、機械仕掛けによってコラージュされている。コンロン・ナンカロウから連なる自動演奏音楽の歴史を継承しつつ、キュートでアヴァンギャルド、かつミニマルでプリミティヴな独自の美学を展開した一枚となっている。
WireのBruce GilbertとGraham Lewisによるプロデュース!前述の2名によって運営されていた80年代初期のUKエクスペリメンタル・シーンの最重要レーベル、Dome Recordsからリリースされていた、北アイルランド生まれの異端音楽家、Michael O'Shea(1947-1991)の82年セルフ・タイトル作品が、アイルランドのソウル/ディスコなどを集めたコンピレーションも発表している同国のレーベル、ALL CITY傘下のAllchivalより初となるヴァイナル・リイシュー!オリジナルは高値を付ける一枚。O'Sheaは自身が考案して制作した17弦楽器「Mo Cara」の名人であり、ケルトとアジアの音楽の要素を組み合わせたメロディックな作品を世に送り出しました。さらには、Alice Coltrane, Don Cherryとの共演やRavi Shankarのロンドン公演のオープニング・アクトを務めたことでも知られています。中東やバングラデシュと世界各地を旅し、大道芸人としての技能と共に豊穣な民族音楽のエッセンスを下敷きにしたその音楽は、エスニックやオーガニックという言葉で形容することも間に合わない、果てしなく自由な端境の響きを奏でており、まさに唯一無二の美しく超越的な音。豪華ライナーノーツが付属。未だ見ぬ音楽を求める全ての人から、一生モノお探しの方にも是非。

結成からわずか1年ほどで幕を閉じたKommuneによる唯一無二の記録。本作は2014年の秋、南イングランドの納屋を改装した空間で2日間にわたって行われたセッションをそのまま封じ込めたダブルLPで、George Thompson(Black Merlin)、Kyle Martin、Jonathan Nashという、当時ロンドン北部で活動を共にしていた3人の友人たちが、TR-808や各種アナログ機材を車に詰め込み、完全即興・ノーオーバーダブで紡いだ4つのロングフォーム・トラックから成っている。音の質感は深く催眠的で、アンビエントとテクノの境界を漂うミニマル・グルーヴ。TR-808の精緻なプログラミングを軸に、アシッド的な感性や金属的な擦過音、漂う電子音が有機的に交錯し、ダブ的なミキシングで奥行きと浮遊感が加えられている。無駄を削ぎ落とした進行の中で、音はじわじわと形を変え、時間感覚をゆるやかに溶かしていく。アンビエントの静謐さとダンスフロアの恍惚感をつなぐような、そして一回限りの場の魔力が生んだ偶発的な奇跡もそのままパッケージした一枚。
待望のアナログ再発!シカゴ~ディープなハウス界隈の名仕事の数々で知られる大重鎮ことLarry Heard (1960-)によるMr. Fingers。数々のブートが存在、UKのシカゴハウス・ライセンス・レーベルだった〈Jack Trax〉から1989年にリリースしていた世紀の傑作『Ammnesia』が奇跡の公式復刻!自身の〈Alleviated Records〉から約30年の時を超えて待望の再来。アシッド・ハウスからディープ・ハウスまで、卓越したダンス観から繰り出されるシカゴのヴァイブスはまさに金字塔レベルともいうべき。歴史的なハウス・クラシックが満載。リマスタリング仕様。これはMUSTです!!
まるで70年代からタイムスリップしてきたような風貌の5人組、幾何学模様。
これまで10年に渡って海外を中心に活動し、クルアンビンやキング・ギザード&ザ・リザード・ウィザードといった現在のインディーシーンの先頭を走るアーティストたちとも親交が深く、世界各国でソールドアウト公演を連発、先日にはフジロック2022への出演も発表され話題となっている。
そんな彼らが前作『Masana Temples』からおよそ4年ぶりの新作『クモヨ島 (Kumoyo Island)』を自身のレーベル〈Guruguru Brain〉からリリース。
レコーディングは、彼らが活動初期に使っていた浅草橋のツバメスタジオにて行こなわれた。ロックダウンやパンデミックによるツアー活動停止の間の拠点としてアムステルダムを選んでいた彼らは、下町もしくは故郷の町の古い繁華街に帰ってきたことで、自由な感覚が再燃したのを感じたという。東京に滞在していたおよそ1ヶ月半の間、これまでストックしていたアイデアの断片を洗い出し、それらをスタジオで構築することにより本作を完成させたのだ。
まるで60年代のプログレッシヴロックのような壮大なオープニングから一転、「モ、ナ~カ、ナカナカノ」と語感の心地よさにフォーカスしたようなユニークな歌詞を耳元でささやく冒頭曲「Monaka」や、クルアンビンを彷彿とさせるワウギターが、コロコロ転がるリズムの上で軽やかに舞う「Dancing Blue」。
ジェットコースターに乗って時空を駆け抜けていくような前半と、ビートルズの「Tomorrow Never Knows」を思わせるサイケデリックな後半、その落差が圧巻の「Cardboard Pile」や、擦り切れたテープを再生しているようなローファイチューン「Gomugomu」、ボーズ・オブ・カナダへ愛が炸裂したかのような「Daydream Soda」、変拍子とギターリフの絡みが麻薬的にループする「Field of Tiger Lilies」など、曲ごとに全く異なるアプローチをしていながらどの曲も幾何学模様としか言いようのない、強烈なオリジナリティを放っている。
美しいアンビエントソング「Maison Silk Road」の余韻とともに、アルバムは幕を閉じる。
『クモヨ島』と名付けられた本作『Kumoyo Island』は、帰国の途に着く彼らが上空から垣間見た、雲越しの島国、日本の姿にインスパイアされて付けたのだろうか。真意のほどは直接本人たちに確かめる他ないが、世界中どこにいても「オルタナティブ」であることを貫いてきた彼らにしか到達し得ない地平が、ここには広がっている。

サウンド・アートのみならず、ニューエイジ/アンビエント・リスナーにもレコメンドしたい素晴らしい一枚!40分間にも渡り水滴が静かに滴る音が反響し続ける、国産フィルレコ・アンビエント金字塔!先駆的音響技術者であり、実用系フィルレコ・ニューエイジ傑作『爽 ~目覚めと眠りの音風景~』でも知られる高野雅昭氏が、霊峰で「天啓」を受けた際における純朴な音との出会いの感動を再現すべく作り上げた伝説的スタジオ作品『しずくたち』が栃木の名店〈Art into Life〉より待望の再発。
50年代前半よりフリーの音響プランナーとして主に舞台音響を担当、80年代中頃からは自作音具と収集した民族楽器による"音あそび”と題したパフォーマンスを開始、主宰の「音あそびの会」では参加者と共に活動に取り組んだ高野昌昭氏(1927-2007)。音響効果の専門家としての傍ら70年代以降は自然音の録音に熱中、その再現の一つとして自作音具"水琴竹”のシステムをスタジオに組み、上質な水滴の音のみを捉えた78年の録音《しずくたち》。オリジナルLPの仕様である、特殊紙をあしらった美しい装丁のジャケット、透明度の高いクリアヴァイナルを再現、新たに金子智太郎氏(日本美術サウンドアーカイヴ主宰)による詳細な解説ブックレットを付属させた復刻版。

ベルギーのギタリストRuben Machtelinckxを中心に、Toma Gouband(パーカッション)、Frederik Leroux(ギター)、Fredrik Rasten(ギター)が参加したアコースティック即興作品『porous structures II』。本作では、3本のスティール弦ギターと繊細なパーカッションが織りなす静謐で詩的な音響の中で、音の間(ま)や残響が丁寧に扱われており、ジャンルを超えた音の対話が、瞑想的な空間を生み出している。ギターはメロディよりも質感や空間性を重視し、打楽器は自然音のようなニュアンスを加える。フォーク、室内楽、アンビエント、即興音楽の要素が溶け合い、抽象的でありながら温かみのある響きが印象的。録音はベルギーの静かな空間で行われ、音の質感にもその空気が反映されているかのよう。静かに語りかけるような音楽が、聴く者の内面に深く響く一枚。限定200部。

