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ダブの歴史の中でも最高のものの一つと言える、1979年リリースの、Keith Hudsonのダークで神秘的なプロダクションスタイルが光るアルバム『Nuh Skin Up Dub』が〈Week-End Records〉よりめでたくリイシュー!重いベースライン、エコーに包まれたドラム、幽玄なヴォーカルの断片が絡み合い、ヒプノティックな雰囲気を生み出している。未加工で実験的なサウンドで、『No Commitment』や『Ire Ire』といったトラックは、奇妙で不気味なエネルギーを放っており、リバーブとディレイの使い方が、広がりを持ちながらも圧迫感のある音空間を作り出している。聴けば聴くほど新しい音の層や隠れたテクスチャーが現れ、深く聴く価値がある一枚。また、本作はHudsonが長年共演してきた、数多くの有名なジャマイカン・アーティストのバックトラックを提供していたが、その功績は十分評価されているとは言えない伝説的なスタジオ・バンド、Soul Syndicateの重要性を初めて強調した作品でもある。
U-Roy、Big Youth、Ken Boothe、Horace Andyといった面々のプロデューサーとしてもよく知られるKeith Hudsonによるダブの傑作『Playing It Cool, Playing It Right』が〈Week-End Records〉よりアナログ・リイシュー。〈Wackies〉の創設者であり首謀者であるLloyd ‘Bullywackie’ Barnesの協力を得て制作した作品であり、2人のプロデューサーによる唯一のコラボレーション作品となった一枚。この作品では、存在の深淵へと向かうハドソンの心理音響の旅を継続しており、芸術的な自己啓発の美しさでリスナーを圧倒する力を持っています。Lloyd ‘Bullywackie’ Barnesへの貴重なインタビューが収録。

Wareikaのギタリストとして知られるHenrik Raabeが、〈Mule Musiq〉から届ける初のソロ・アルバム『LDS』。ジャズ、アフロ、ダブ、ニューエイジ、アンビエントが自然に溶け合う、ジャンル横断型のダウンテンポ作品で、生音の温度感と電子音の透明感が絶妙に混ざり合い、Studio Mule的な音響と質感を重視した佇まいを持っている。ギターは旋律を主張するのではなく、空気の揺れや残響をデザインする音響素材として扱われ、柔らかな陰影をアルバム全体に与えている。The Durutti Column、Dennis Bovell、Virginia Astleyらを思わせる、抒情的かつ夢幻的な淡いノスタルジーが漂いながら、ドイツ的なミニマリズムで引き締められたサウンドは、どこか旅の情景を思い起こさせる。地名を思わせるタイトルが象徴するように、曲ごとに風景が変わるシネマティックな構成も魅力的で、耳に優しく、心に深く染み込む一枚。

ピンク・フロイド、KLFへの至高のアンサー…
ジ・オーブのキャリア史上最もアンビエントな傑作!
キャリア通算16作目となる2016年の名作が、2025年リプレス。

2025年リプレス。アシッド・ハウス、テクノ、ダブ、レゲエ、アンビエント、プログレッシヴ・ロック、ヒップホップを飲み込んだ独自のサウンドを展開するジ・オーブ(=アレックス・パターソン)の通算8枚目のニュー・アルバム。
デンマークのプロデューサー Mikkel Metal によるダブ・テクノの深さと、よりメロディックで構造的なテクノの側面が交差する12インチ『Rebuild』。長年の〈Kompakt〉周辺での活動で培われた、沈み込むような低域と霧のような残響処理はそのままに、ビートやテクスチャを組み替えながら新しい方向性を提示している。トラックはどれも、重心の低いキック、深く揺れるダブ処理、ミニマルな反復を軸にしつつ、メロディやパッドが静かに浮かび上がる構造。硬質なテクノの推進力と、アンビエント的な空間の広がりが同居し、音数は少ないが、その分ひとつひとつの音が立体的で、時間の流れとともにじわじわと変化していく。深さと静かな緊張感”が凝縮された一枚。
日本のアヴァンギャルド音楽の巨匠・灰野敬二を中心とするプロジェクトNijiumu(滲有無)による、深遠で幽玄な音響世界を記録したアルバム『When I sing, I slip into the microphone...』が、〈Black Truffle〉より再発。今回の再発では、1990年代初頭にP.S.F.からリリースされたオリジナル音源に加え、灰野が1973年に自作電子機材で録音した未発表ノイズ作品や未発表音源も収録し、彼の音楽的探求の軌跡をより広く捉える内容となっている。鉄や弦楽器のアンプリファイ処理による金属的な響き、リバーブに包まれた幽玄な音像、そして灰野の声が祈りのように空間を漂う構成は、チベット音楽やミニマリズム、フリー・インプロヴィゼーション、サイケデリックの要素が混在する独自の世界観を形成。ジャンルの枠を超え、音そのものが感情や霊性と結びつくかのような瞬間を捉えた本作は、灰野敬二の「音を祈りとして扱う」哲学が色濃く反映された、Nijiumuの本質を捉える貴重な記録。
テリー・ライリーとのコラボで知られる、2024年に惜しくも亡くなったイタリア出身の名歌手アメリア・クーニの声を中心に据えた作品。インドの伝統的な声楽ドゥルパドの探求と現代実験音楽が見事に融合しており、A面の「Melopea」では、ベルリンでの録音をもとに、ヴァイオリニストのシルビア・タロッツィとチェリストのデボラ・ウォーカーが、クーニの歌声と重ね合わせながら、伝統のドローン音から解き放たれた不安定で複雑な響きを紡ぎ出す。まるで音の細かな倍音を追い求めるように、ゆったりとしたグリッサンドと繊細な音程操作が織り成す歌唱は瞑想的で、聴く者を静かな深みへと誘う。「Bhoop-Murchana」では、ソプラノサックス奏者のヴェルナー・デュランドとチェリストのアンセア・キャディが、クーニが歌うラーガの構成音を丁寧に選び、新たな旋法を探求しており、彼らの純度の高い音色と浮遊感のある長い響きは、クーニの声やタンプーラの繊細な音と溶け合い、まるで温泉につかるかのよう。パンデミックの時期に非同期で行われたコラボレーションから生まれたこの作品は、クーニの芸術への敬意を表すとともに、初めて彼女の世界に触れる人にとっても理想的な入門盤となっている。
オーストラリア出身の名パーカッショニストWill Guthrieによって2019年に結成。フランスのナントを拠点に活動する極めて実験的な打楽器グループであり、ヨーロッパ各地のツアーを通じて高い評価を得ているEnsemble Nist-Nahによるセカンドアルバム『Spilla』が〈Black Truffle〉から登場!欧州版ガムラン・アンサンブルを意図したものではなく、ジャワのガムランの楽器と様々な他の打楽器を組み合わせて、東南アジア各地の音楽からフリージャズ、現代のヒップホップまで、あらゆるものから影響を受けた独自の音楽を演奏するハイブリッドなパーカッション・アンサンブル。本作では、ガムラン、ドラムキット、木/金属製の打楽器、撥弦楽器に捧げられたエキサイティングな48分間の音楽を収録し、彼らが志向してきた独自の音楽性がさらに深化したものとなっています。

豪州を代表する稀代の実験音楽家、Oren Ambarchiが、2014年に名門〈Editions Mego〉から発表した傑作『Quixotism』の 10周年記念再発盤が、自身の〈Black Truffle〉より登場!ヨーロッパ、日本、オーストラリア、米国から参加した多数のコラボレーターとレコーディングされた長編作品であり、全体を通じて、ケルン拠点の名作家Thomas Brinkmannによる脈動するダブルタイムの電子パーカッションの基盤の上にその音世界が構築。AMMやThe Scratch Orchestraでの活動も知られる伝説的ピアニストJohn Tilbury、マルチ楽器奏者/作編曲家のEyvind Kang、カナダの女性サウンド・アーティスト、Crys Cole、そして、日本からのU-zhaanに、我らがJim O'Rourkeまで、豪華な面々が結集した、鎮静的でありつつも、確かな熱量とスリリングな魅力に溢れる即興ミニマル大作!Joe Taliaによる新規リマスタリング仕様。

2016年に〈Editions Mego〉から発表された、Oren Ambarchiの代表作として語り継がれる『Hubris』が、10周年を記念して〈Black Truffle〉より最新リマスターで再登場。Joe Taliaによる精密なリマスターにより、ギターの倍音、電子音の粒立ち、パーカッションの空気感まで、オリジナル以上に立体的でクリアな音像が生まれている。本作は、Ambarchiが『Sagittarian Domain』『Quixotism』で追求した独自のリズムの延長線上にあり、ディスコ/ニューウェイヴの影響を強く感じさせる異形のミニマリズム。20分程の長尺トラックのPart 1では、パームミュートのギターが脈動し続け、その上に電子パーカッションやギターシンセが層を成し、止まらない推進力がトランス感を生む。Jim O’Rourke、Ricardo Villalobos、Arto Lindsayら豪華ゲスト陣が参加し、音が渦を巻くように増殖していくダイナミックな構造も魅力。10年を経てなお新鮮さを失わない、現代エクスペリメンタルの名品。
壮大な宇宙観と繊細なディティールを兼ね備えた情熱的スペース・ロック/コスミッシェ・インプロヴィゼーション作!James RushfordやJudith Hamannといった豪華面々も参加。Ricardo Villalobosや灰野敬二、ジム・オルーク、AMM、Charlemagne Palestine、Alvin Curranなどを始めとして凄まじい面々による作品を手掛けてきた豪州拠点の実験/前衛音楽の世界的な聖地〈Black Truffle〉。その主将こと同国屈指の実験音楽家であるOren Ambarchiが2012年に今は亡き偉才Pitaが率いた大名門〈Editions Mego〉から発表し、現在レア化していた傑作『Sagittarian Domain』がCD/アナログ復刻。ギターとベースが延々と脈打つ中に、電子パーカッションや灰野さんとの仕事でもよく登場する轟音モーター系ドラムが織り交ぜられた破格のグルーヴを発揮。まるで、Faustが70年代の刑事番組のテーマをカバーしたかの如し、ブードゥーのグルーヴと催眠的な反復にロックされた一枚!
〈Unseen Worlds〉やKara-Lis Coverdale、Visible Cloaks、Joseph Shabasonから第四世界/ニューエイジ/アンビエント系リスナーにもレコメンドしたい一枚です!星野源、突然段ボール、Ogre You Asshole、坂本慎太郎、Jim O'Rourkeなどなど、もはやアンダーグラウンド/コンテンポラリーな音楽の枠を超え、名だたるアーティストをサポートしてきた日本が誇る名SSWこと石橋英子。アメリカの刑事/法廷ドラマ『ロー&オーダー』のキャラクターであるJack McCoy(演じたのは俳優Sam Waterston)へと捧げる最新アルバムが、オーレン・アンバーチ主将率いる豪州の実験/前衛音楽の聖地こと〈Black Truffle〉から登場!!!!!! ミュージック・コンクレートのテクニックから〈ECM〉を感じさせるコンテンポラリーかつ静謐なジャズの美学、滋養豊かなシンセサイザーのレイヤー、そして、ポップスから得たヒントまでもが彼女の自宅スタジオで混ぜ合わされた没入度MAXの天上なモダン・クラシカル・アンビエント/インプロヴィゼーション作!ジム・オルーク氏がミックスを担当。
コロンビアの名門〈Llorona Records〉から、伝統音楽とダブの最前線を示すコンピレーション『Cerrero Dubs』が登場。レーベルの中心人物Cerreroが、カリブ海沿岸、アフロ・パシフィック地域の名グループの音源を大胆に分解し、未来派ダブとして再構築。参加しているのはLos Gaiteros de San Jacinto、Son Palenque、Sexteto Tabalá、Bejuco、Semblanzas del Río Guapiなど、コロンビア伝統音楽の中核を担うアーティストたち。ガイタ、マリンバ、太鼓のフレーズが深いエコーと重低音の中で揺らぎ、民族音楽の影がダブ空間に漂うような独特の音像が生まれている。クラシック・ダブの手触りを残しつつ、クンビアやジュガ、バンブーコといったコロンビア固有のリズムの魂をしっかりと芯に残すダブ処理。音数はミニマルなのに、レイヤーがじわじわと変化していくことでサイケデリックでトリップ感が強く、伝統音楽の未来図を描くようなアルバム。
ハンガリー出身のギタリストGabor Szaboが1967年に〈Impulse〉から発表した異色作『Jazz Raga』。ジャズ・ギターとシタールを同時に操り、ジャズ、インド音楽、サイケデリアを融合した、60年代カウンターカルチャーを象徴する一枚。ドラムにはBernard “Pretty” Purdieが参加し、ラテン、R&Bのグルーヴまで注入。Rolling Stonesの「Paint It Black」や「Summertime」などの名曲を、ラーガ風のモード感と催眠的なギターで大胆に再構築している。オリジナル曲では、東洋思想への憧れが色濃く反映され、シタールのドローンとジャズの即興が交差する東洋的モンド・サイケ・ジャズの世界が広がる。ジャズの名門 〈Impulse〉が最も実験的だった時期の産物であり、Szaboの個性が自由に解き放たれた作品。
中国出身、現在はロンドンを拠点に活動するプロデューサーYu Suの2ndアルバム『Foundry』が〈Short Span〉から登場。dip in the poolの甲田益也子、Memotone、Seefeelといったジャンルを横断するアーティストが参加。「Sunless」の水中に沈むようなアンビエント、「Foundry」のアシッド気味の4/4、「A Jewel」のアートポップ的な透明感など、クラブとリスニングの境界を自在に行き来する柔らかな推進力が全編を貫く。金属的なパーカッションが冷たく響いたかと思えば、次の瞬間には甲田益也子の歌声やMemotoneの柔らかな旋律が、その冷たさを優しく包み込んでいく。コラボレーターの協力も得て、Yu Suならではの「間の音楽」が広がる、現代的で美しい一枚。

ブルックリンを拠点に、フォーク・ミュージックの最も静かな形を追求するシンガーソングライターIvy Knightによる、50〜60年代のオールド・フォークやカントリーが持つ郷愁を、現代のミニマリズムで再解釈するデビュー・アルバム『Iron Mountain』。アコースティックギター、淡いシンセ、ささやくような歌声だけで構成された極限まで削ぎ落とした音数が特徴で、「Headlamp」「Red Rock」「Canyon」など曲名からも感じられるように、乾いた空気、岩肌、夕暮れの影といった、彼女が旅したアメリカ南西部の風景が音の余白とともに立ち上がる。Ivyの歌は語りのように親密で、過去の記憶や旅の断片が淡いフィルム写真のように重なっていく。ミニマルで親密、そして風景的。たった一人で静かに耳を傾けたい、旅の途中で感じる静かな孤独を共有するかのような一枚。

デトロイト出身の作曲家でありドラマーのEric Hoegemeyerによるソロ名義Stardust Multiplierの最新作『Convergence』。ガラスマリンバ、フルート、アナログシンセを中心に構成された本作は、儀式的な静けさと、身体の奥に染み込むような深い共鳴を持つアンビエント。制作背景には、Hoegemeyerが経験した重い病気と長期入院があり、病室で聴こえる機械音や環境音、聴覚が再調整されていく感覚がそのまま音楽の構造に反映され、極めてミニマルで、微細な変化が大きな意味を持つサウンドへと結晶している。ガラスマリンバの硬質な響き、フルートの息遣い、アナログシンセの柔らかな音が重なり、自然音と電子音の境界が曖昧になるような音像が広がる。旋律は霧の中からゆっくりと立ち上がり、朝の儀式”のような静謐さと、回復のプロセスを思わせる解放が同居している。深い呼吸を取り戻すような、静かで力強い一枚。
UKアンダーグラウンドの重要人物Persianの名曲群を、若手プロデューサーMiles J Paralysisが再構築した〈Mysticisms〉の人気シリーズDubplate第12弾。90sデジタル・ダブ、ラガ、UKGのエッセンスを持つPersianの音源が、ダークでサイケデリックな現代ダブへとアップデート。A面は、重心の低いステッパーズとブレイクスの間を行き来する「Big Slide Remix」と「Breathwork Dub」。B面では、Persianのメランコリックな旋律を残しつつ、ダブテクノの深度へ沈み込む「Zatoichis Troubles」や、トリップホップの影を感じさせる「There Is No Love」など、Miles J Paralysisの黒い音響感覚がより強く表れる仕上がり。
UKデジタル・ルーツの名門Conscious Soundsを率いるDougie WardropとLove GrocerのChris PetterによるユニットDub Specialistsが90年代に残した名作『Dub To Dub Beat To Beat』の音源を、〈Mysticisms〉がDubplateシリーズ第11弾として再編集した12インチが登場。本作は、オリジナルのデジタル・ルーツ/ファンク混合の素材をLexx、Miles J Paralysis、Chuggy、Vanity Projectの4名がそれぞれの視点で再構築したクラブ・ダブ。ステッパー、ダウンテンポ、ブレイクス、ライブ・ダブと、同じ素材がまったく異なるダンスフロア仕様に変貌する。Atari 1040、Cubase、Soundcraftミキサーを使った90年代デジタル・ダブの質感はそのままに、現代的な編集でアップデートされた一枚。

ブリストルのマルチ奏者MemotoneことWill Yatesによる最新作『Warm Shadows』。Ugnė Uma、Typesun、Jabu’s guestらが参加し、声・生ドラム・電子音が影をまとって共鳴する、深い余韻の一枚。アルバム全体を包むのは、アンビエント的な静けさと、ジャズの呼吸、そして電子音の淡いざらつきの重なり合い。Ugnė Umaの歌声は東欧フォークのようなメランコリーを帯び、Typesunの生ドラムは漂う音像に微かな身体性を与えている。夜の部屋の薄明かり、湿った空気、森のざわめきを思わせるような、タイトル通りの暖かい影がゆっくりと広がるような音楽。孤独な夜にそっと寄り添い、暗闇の中に確かな体温を感じさせてくれる屈指の音響詩。
北欧ジャズの象徴Bugge Wesseltoftと、ドイツ電子音楽の革新者Henrik Schwarzによる名作『Duo』が、Kuniyukiによるリマスタリング、Joji Nakamuraによる新アートワークで15周年復刻。ピアノとエレクトロニクスが完全即興で交わる、ジャズと電子音楽の融合における金字塔的デュオ作品。Wesseltoftの透明感あるピアノと、Schwarzの緻密な電子処理がリアルタイムで反応し合う会話性があり、ECM的な静謐さを保ちながら、ミニマルテクノ的な脈動が自然に立ち上がる。ベルリンやルクセンブルクでのライブ録音も含まれ、即興ならではの緊張感と、音が生まれる瞬間のスリルがそのまま刻まれている。ピアノのダンパーが離れる瞬間の微細な音や、電子音のレイヤーの重なりまでが鮮明になった今回のリマスターは、この繊細なデュオの魅力を再発見させる決定版。

〈Kompakt〉が毎年送り出す名物シリーズ「Pop Ambient」の最新作。Wolfgang Voigt(GAS)によるキュレーションで、2026年版はMicå、Pass Into Silence、Morgen Wurde feat. Tetsuroh Konishiなど、日本勢の存在感も大きいラインナップ。ビートレスのシンセ・レイヤーがゆっくりと揺れ、ポストクラシカルな質感のストリングスや淡いメロディが霧のように立ち上がる、純度の高いアンビエントが中心。Micåの緻密な音響、Pass Into Silenceの静謐なドローン、そしてトランペットが溶け込むMorgen Wurdeの楽曲など、透明度の高い音響美がアルバム全体を貫く。瞑想的でありながら、曲ごとに微細なドラマが潜む構成は「Pop Ambient」シリーズならではの魅力。
