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日本の幽霊話のジャンルの1つである怪談。その怪談の持つ闇の中の美しさや「Lost Japanese Mood」(失われた日本のムード)と称する雰囲気を、精巧な作曲構成に落とし込んだ冥丁の1stアルバム『怪談』(2018年)は、Pitchforkの「Best Experimental Albums of 2018」への選出をはじめ、Bandcamp、The Wireなど様々な海外メディアから賞賛され、世界のアンビエント〜エクスペリメンタルシーンに冥丁の名を確立し、その後リリースされる『小町』『古風Ⅰ』&『古風Ⅱ』などの「Lost Japanese Mood」を主題にしたシリーズの最初のアルバムであり、冥丁独自の音世界と卓越した音楽性を示した重要作。
日本各地に伝わる伝説や幽霊話に独自の解釈を加えて文学作品に昇華させた小泉八雲の名作『怪談』は、本作の方向性に大きなインスピレーションを与えており、「漣(さざなみ)」「骨董」「障子」「筵 (むしろ)」などの楽曲は、小泉八雲作品へのオマージュと言える。また、漫画家・水木しげるからも影響を受けており、「塔婆 」や「地蔵」は水木氏の漫画『ゲゲゲの鬼太郎』へのオマージュとして制作された。
このように、日本の重要な芸術から影響を受けた本作には、明らかな不気味な要素だけではなく、ユーモア、情緒、そして哀愁も、まるで霧で濡れた苔のように視覚的に表現されている。さらに、ローファイ・ヒップホップの新しい波に興味を持った冥丁はその要素を再編して絶妙に織り混ぜ、繊細なバランスで怪談の持つ和の雰囲気を構築した。
本5周年記念盤は、オリジナルリリース元のEvening Chantsと、『古風』シリーズをリリースしているKITCHEN. LABELという2つのシンガポールのレーベルによる共同リリースとして、ボーナストラック2曲を追加、カラーヴァイナル(スモークヘイズ)。マスタリングはテイラー・デュプリーが担当。

〈Transrecords〉創設者であり、『フールズメイト』の創刊者、そして、Canis LupusやYBO²等といった名グループでの活動も知られる、故・北村昌士と、元・新月のギター、津田治彦らが結成した”PHONOGENIX”が1984年に残した、最初にして最後のコラボ・アルバム『ポスト モダン ミュージックへの序章』が〈Ship To Shore〉から史上初のアナログ再発。DX7やMc-4、カシオトーン、TR-808等を用いて演奏された作品!高田みどりらのMkwaju Ensembleを思わせるような、繊細なミニマリズムが息をする極上のエスノ・フュージョン”Variation II”や、精神世界の内部へと迫っていくコスミッシェな大曲”The Final Autumn In Asia…Psychic Document For 1982”等の展開も大変秀逸なジャパニーズ・ニューエイジ/アンビエント傑作!

大きな優しさと、メロディ、不協和音が共存する、アノーニ・アンド・ザ・ジョンソンズによる最新アルバム!!
イギリス生まれ、ニューヨーク在住のアーティストであるアノーニが、アノーニ・アンド・ザ・ジョンソンズ名義の最新アルバム『My Back Was A Bridge For You To Cross』を〈Rough Trade〉よりリリース。2016年の傑作『HOPELESSNESS』以来となる本作は、創作過程は痛みを伴うものでありながら、インスピレーションにあふれ、喜びと親しみを感じさせるものであり、彼女が見るままの世界に対する、新たな反応と解釈だったと説明している。
「マーヴィン・ゲイの『What's Going On』のことをよく考えていた。あれは私の中でとても重要な指標だった。アルバムの中には、50年以上前にポピュラー音楽で初めて提起された地球や環境への懸念に対して、今現在の感覚で答えている曲もある。」とアノーニは本作について話す。
2022年、アノーニは、ソウル・ミュージックに対する彼の感受性に注目して、ジミー・ホガース(エイミー・ワインハウス、ダフィー、ティナ・ターナー)と仕事を開始した。これまでのジョンソンズ名義のアルバムにおいて、作曲とプロデュースを自身で手掛けてきたアノーニにとって、このようなコラボレーションは初めてのことだった。ノートいっぱいに書き留めた歌詞のアイデアを持ち込んだアノーニは、ホガースのギターと自身のピアノに合わせて一連のデモ音源を作成した。その後、ホガースは、レオ・アブラハムズ、クリス・ヴァタラロ、サム・ディクソン、そしてストリングスアレンジャーのロブ・ムースを含むスタジオ・バンドを結成し、アルバムのレコーディングが行われた。ホガースの直感的なギターが、アメリカン・ソウル、ブリティッシュ・フォーク、実験音楽の要素に触れながら、10曲にわたってリスナーを先導していく。そこには大きな優しさと、メロディ、不協和音が共存している。
幅広いテーマを形にすることにより、今の世界の状態を表現している。アノーニは、パーソナルなレンズを通して、愛する人を失うこと、不平等、疎外感、受け入れること、残酷さ、環境破壊、アブラハムの宗教(*聖書の預言者アブラハムの神を受け継ぐと称するユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三宗教)がもたらす壊滅的な状況、未来的フェミニズム、そして、私たちの考え方、精神性、社会構造、自然との関係を、まだ変えられるかもしれないという意図といった様々なテーマを取り上げている。

アナトリアン・サイケデリア、ブラジリアン・トロピカリア、60年代ヨーロピアン・ポップ、アメリカン・ジャズなどを融合させた見事な現代音楽で聴衆を魅了してきた、ロンドンを拠点に活動する男女デュオ、Kit Sebastian(Kit MartinとMerve Erdem)。彼らのユニークなサウンドは、世界各地の影響が織り込まれたタペストリーであり、ヴィンテージのシンセから流れる熱情を帯びた哀愁は、バイーアのビーチからイスタンブール、そしてパリの街角まで、サイケデリックに広がっていく。そんな彼らの最新アルバム『New Internationale』が、Flying Lotusのレーベル〈Brainfeeder〉からリリースされる!『New Internationale』の10曲は、彼らが旅先で見つけては集めて行った様々な楽器の音を元に書き上げられたもの。サンプルは一切使わず、トルコのクラリネットを始め、サントゥール、ウード、ガンサ、バラライカ、チターなどなど、多彩な楽器を活用し、過去と現在の交わりを想起させるボーダーレスな世界を遊び心たっぷりに表現している。Khruangbin、Altin Gun、Broadcast、Goat、Os Mutantes、Cortex、Serge Gainsbourgなどが好きな方にお勧めしたい一枚!

アゼルバイジャンやマルティニークの知られざる音楽世界からスイスの地下シーン、フランスで変異した電化ライまで、古今東西の音楽秘境を紹介する名門レーベル〈Bongo Joe〉からは、2017年にデビューを果たしたドイツ発のアナトリアン・サイケ・ポップ歌謡集団、Derya Yıldırım & Grup Şimşekが、2021年と22年にそれぞれ発表した2部作の傑作アルバムがセットになって待望の再登場!〈Catapulte Records〉との共同リリース。トルコの民謡をベースにした音楽「ハルク」(Halk)の弦楽器バーラマの女性奏者Derya Yıldırımと、それぞれドイツ、フランス、イタリア、イギリス出身の男女4人のクインテットGrup Şimşekによる人気作が再結集!「Dost」はトルコ語で「友」を意味し、同志、兄弟、姉妹、そしてそれ以上の存在を指します。このまさにアルバムは友情を信じる人々、つまり「Dost」を信じる人々への呼びかけといえるもの。歌詞や写真が掲載されたインサート付きのゴールド箔押しの特別仕様!特に『Dost 1』は長い間完売していたので、この機会をお見逃しなく!

Josh Johnson、Ben Lumsdaine、Jeff Parkerといった盟友たちがゲスト参加。豪州・アデレード出身のベーシスト/作曲家であり、ロサンゼルスのジャズ・クインテットSMLの中心メンバーとしても知られるAnna Butterssによる〈International Anthem〉からのリーダー・デビュー作『Mighty Vertebrate』がアナログ・リリース。Makaya McCravenやPhoebe Bridgers、Daniel Villarrealなど、インディ、ジャズ、ポップ界の著名人からクレジットを獲得し、急成長中の西海岸のクリエイティヴなシーンへと貢献してきた注目アクトによる24年作!Robbie Shakespeare風のイントロを聴かせるアルバムのオープニング曲”Bishop”、広々とした映画的なドゥーム”Seeing You”など、素晴らしい楽曲が目白押しの内容です!

Kali MaloneやKlara Lewisと並び、近年その頭角を現した女性電子音楽家の中でも最重要ほアクトとして注目される人物。ミニマリズムとモジュラー・エレクトロニクスを溶け合わせ、新たな次元を切り拓いてきたイタリア出身ベルリン在住の鬼才ことCaterina Barbieri。自身のレーベル〈Light-Years〉より最新アルバムとなる『Myuthafoo』をアナウンス!今作発表と同時にリイシューが決定した自身のキャリアの代表作的アルバムにして、〈Pitchfork〉にも「耳のためのドリームマシン」と評された『Ecstatic Computation』と同時期に書かれた未発表音源を収録した作品。過剰なほどのツアーに邁進していた頃、遊牧民的かつインタラクティブなエネルギーに呼応するように、その制作のプロセスも変化し始めた彼女がその代表作とごく近い時期に残していた、OPN以降のコスミッシェ・エレクトロニクスのマスターピースとも言うべき傑作盤!


ドラマーのTom Sunneyとキーボード奏者のFilip Sowaからなる西ロンドンのデュオ、Kessoncodaによる最新アルバム『Outerstate』が英国の現代ジャズの聖地〈Gondwana Records〉からアナログ・リリース。ロックやエレクトロニカ、アンビエント、ブレイクビーツ、映画のサウンドトラック、Squarepusher、Radiohead、Clarkといった様々なインスピレーションを軸としつつ、アコースティックの伝統とエレクトロニカの間に佇む彼らのサウンドは、メロディアスなオスティナートが織り込まれたピアノと揺るぎないドラムのブレンドに基づいた、心地よく、新しいヴィジョンを示すものとなっています。

英国屈指の現代ジャズ名門レーベル〈Gondwana Records〉からは、北アイルランドとヨークシャーにルーツを持つマンチェスター出身のSSW/プロデューサーのCaoilfhionn Roseの3枚目のアルバム『Constellation』がアナログ・リリース。自然の美しさへの感動、あらゆる多様性における音楽への愛情、そして修復的なものへの信念を表現する実験的な新しい方法を見つける事をテーマとして丹念に作り込まれた神秘的な作品。自身のサウンドの核となるピアノとシンセをブレンドし、自身の想像力による空想の彼岸のような別世界的な美しさと卓越した音響を生み出したモダン・クラシカル/アンビエント・アルバム。
サハラ砂漠以南の知られざる現行シーンからオブスキュアな音楽までを紹介してきた名門〈Sahel Sounds〉からは、トゥアレグ・ギターの聖地アガデスで長く活動してきたウェディング・バンド、Etran de L’Aïrによる、太陽に照らされた砂漠のサウンドがめいいっぱい詰め込まれた最新アルバム『100% Sahara Guitar』がアナログ・リリース。今作はナンと彼らにとって初めてのスタジオ・アルバム!西海岸のスタジオで録音された、バンドの新境地的な作品であり、さらに多くのギターをミックスに加え、リバーブの効いたメロディーときらめくハーモニーのレイヤーを織り交ぜて音のタペストリーを作り上げています。
自国のソウル、ゴスペル、ファンクにとどまらず、ニューエイジ・ミュージック始祖ヤソスや日本からは原マスミまで、世界各地のオブスキュアなサウンドを掘り起こしてきた米国の大名門であり、コンピに定評のある〈Numero〉から新物件!ここではハロウィーンをテーマに、不気味なガレージ・ロックや、度肝を抜かれるようなホラー・ソウル、ミュータント・プロト・メタル、そして、60年代のキッチュを存分にミックス。〈Numero〉印の遊び心とディグ魂が凝縮された、それも耳が腐りそうな激ヤバなコンピ盤!


(数量限定/帯付/解説/歌詞対訳封入/グリーン・ヴァイナル仕様 )来日記念盤としてホレス・アンディの傑作『Midnight Rocker』が、数量限定の帯付グリーン・ヴァイナル仕様でリイシュー。
70年代、80年代に〈Studio One〉や〈Wackies〉などのレーベルで制作した「Skylarking」、「Money Money」他、数々の名作によって、世界中のレゲエファンから愛される伝説的シンガー、ホレス・アンディ。90年代以降はマッシヴ・アタックの全てのスタジオ・アルバムに参加、更に常に彼らのツアーを支える主要メンバーとしても活躍し、レゲエ以外のシーンに衝撃を与え幅広い音楽ファンを虜にし続けている。そのホレス・アンディの最新作『Midnight Rocker』がエイドリアン・シャーウッド率いる〈On-U Sound〉よりリリース決定。
『Midnight Roker』の制作に際し、プロデューサーを務めたエイドリアン・シャーウッドは、自身がリー・スクラッチ・ペリーのアルバム『Rainford』や『Heavy Rain』に携わって学んだ、円熟期を迎えたミュージシャンの作品にとってふさわしい取り組み方を踏襲した。一流のミュージシャンを集めたチームを編成し、何ヶ月もかけてパフォーマンスやアレンジやミキシングを仕上げていった。その結果完成した楽曲は、優れたテクニックに裏打ちされ、丹念に作り上げられた楽曲となり、ホレス・アンディの唯一無二の歌声の魅力をより一層際立たせる結果となった。
収録曲の中には、「Mr. Bassie」のように、ホレス・アンディの既存の名曲をセルフ・カバーしたものもあるが、「Watch Over Them」や「Materialist」のように、多くの楽曲は現代ならではのメッセージを込めて新たに作曲したものである。さらに、ホレス・アンディにとって最も深い交流のあるグループ、マッシヴ・アタックの作品の中から、初期の大人気曲「Safe From Harm 」の新バージョンまでを収録している。原曲の「Safe From Harm」ではシャラ・ネルソンがボーカルを務めていたが、ここではホレスがマイクを握っている。
興味深いことに、シャラ・ネルソンは、マッシヴ・アタックが始動する数年前にエイドリアン・シャーウッドともにレコーディングを行っており、1983年の知られざるストリートソウルの名曲「Aiming At Your Heart」は、後のマッシヴ・アタックのサウンドに通じる青写真とも言える。
今回のアルバムでバックを支えるバンドには、〈On-U Sound〉を代表する精鋭ミュージシャンが揃っており、参加メンバーには、ガウディ、スキップ・マクドナルド、クルーシャル・トニー、アイタル・ホーンズ、そして亡きスタイル・スコットやジョージ・オーバンが名を連ねている。

(数量限定/ライラック・スモーク・マーブルド・ヴァイナル/日本語帯付き/解説・歌詞付き)フライング・ロータス率いる〈Brainfeeder〉と契約した長谷川白紙による待望のニューアルバム『魔法学校』がリリース。
〈Brainfeeder〉移籍後初となり長谷川にとっては約4年8ヶ月ぶりのフルアルバムとなる本作には、レーベル契約発表時にリリースされ、ルイス・コールやサム・ゲンデルらとのコラボレーションでもお馴染みの実力派ジャズ・ベーシスト、サム・ウィルクス (Sam Wilkes)が参加したシングル「口の花火」のほか、KID FRESINOとの共演曲「行つてしまつた」や、花譜への提供曲「蕾に雷」のセルフカバー、挾間美帆がホーンアレンジで参加した「恐怖の星」など全12曲が収録される。
アルバムアナウンス時に解禁された先行シングル「ボーイズ・テクスチャー」は長谷川が2023年、パリ・ファッションウィークでのnoir kei ninomiyaのSpring/Summer 2024のショーのために書き下ろした曲が元になっており、ギターで西田修大が参加。ミックスは浦本雅史、マスタリングはビョーク (Bjork) なども手がけるヘバ・カドリー (Heba Kadry) が担当している。
これまで自身の容姿に対し嫌悪感を持ち、鏡や写真に自身が映る事にも常に恐怖を抱いてきた長谷川が、先日公開されたアーティスト写真のように、それに向き合った曲となっている。
コロナ禍を挟み制作された本アルバムは、前作『エアにに』で切り拓かれた新時代のポップサウンドをさらに撹乱させ、音楽史に新たな1ページを記すかような意欲作となっている。
モータウンからジミ・ヘンドリックス、ベルベット・アンダーグラウンドを繋ぐ、「韓国ロックの父」による重要な軌跡を収めた一枚!1970年から1975年の韓国ロックにとって、極めて重要な人物であるShin Joong Hyunのキャリアを網羅したアンソロジーであり、ギタリスト、ソングライター、プロデューサー、アレンジャーとして、心を揺さぶる実験的なポップ、アシッド・フォーク、サイケ・ファンク・ジャムが満載された内容となっています。

超人ルイス・コールが3年連続となる〈Brainfeeder〉から
最新アルバムをリリース!!今作は世界有数のポップ&ジャズオーケストラである、メトロポール・オーケストラとの共演作!!グラミー賞にノミネートした「Let It Happen」のオーケストラ・バージョンも収録!
ルイス・コールの勢いが止まらない!ロサンゼルスの超人ルイス・コールが3年連続で〈Brainfeeder〉からリリースするアルバムの最新作『nothing』は、世界有数のポップ&ジャズオーケストラである、メトロポール・オーケストラとの共演作。
レッチリ、サンダーキャット、クインシー・ジョーンズ、フライング・ロータスなどから絶賛されていたルイス・コールは、2018年に〈Brainfeeder〉から『Time』をリリースしたことで、一気に注目を集める。超絶タイトなスーパードラマーというだけでなく、複数の楽器を操り自宅でレコーディング&撮影を行い、ミックスやビデオ編集も自分ひとりで完結させるDIY精神は世界的にも高く評価された。2022年の『Quality Over Opinion』からは「Let It Happen」が第65グラミー賞にノミネート、翌年にはアルバムも第66回グラミー賞でノミネートを果たしている。さらにここ数年は自身のビッグバンドやノウワーで来日しただけでなく、サンダーキャットのバンドでの来日、フジロック’23のホワイトステージで2日目のトリ、NHK Eテレ「天才てれびくん」へのまさかの出演など、話題を振りまき続ける最注目のアーティストという立ち位置で今作のリリースとなっている。
今作で奏でられる音楽は、彼がこれまでに手掛けたどの作品よりも大きく、大胆で、広がりがある。これはジャズである。クラシック音楽でもある。ファンクでもある。シンセやループも聴ける。バンド演奏や、もちろん生ドラムも聴ける。フルオーケストラの演奏もある。非常に簡潔な曲もある。10分をはるかに超える曲もある。ルイスにとって、ジャズとは常にあらゆる期待から解き放たれる場所であり、メトロポール・オーケストラとジュールズ・バックリーと共演した『nothing』において、彼はそれを音楽で体現している。
メトロポール・オーケストラは、ジャズのビッグバンドとクラシックの交響楽団が融合した、オランダの超有名オーケストラだ。参加作がグラミー賞に24回ノミネート、そのうち見事4回受賞している。1945年創設、エラ・フィッツジェラルド、ディジー・ガレスピー、パット・メセニー、ハービー・ハンコック、エルヴィス・コステロ、イヴァン・リンスなどのレジェンド達と共演。近年は首席指揮者ジュールズ・バックリーの指揮で、スナーキー・パピー、ジェイコブ・コリアーとの共演作がグラミー賞を受賞。さらにロバート・グラスパー、グレゴリー・ポーター、コーリー・ウォンなどの新世代のスターとも積極的に共演してきた。
ルイス・コールとは2021年から、ジュールズ・バックリーの指揮で何度となく共演。ライブではルイスに倣って皆がガイコツ・スーツを着るのが定番となっており、今作のジャケットでもその写真が使われている。
今作のリリースは驚くべきことだ。なぜならほぼ最後の最後まで、『nothing』は実のところアルバムではなかったからである。それはコラボレーションであり、一連のコンサートであり、ふたつの世界のクロスオーバーだった。ルイスはこうした機会を長年にわたって待ち望んでいた。父親がクラシック音楽の大ファンだったため、彼は子どもの頃、そうした音楽をたくさん吸収していた。
オーケストラとのプロジェクトに取り組むとすぐに、彼は作曲に“熱中”した。完成した録音は17トラック、1時間以上に及んだ。ルイスが探し求めていたものは非常に明確だった。その課題とは、深く感情を揺さぶる音楽を作ることであり、同時にシンプルでまっすぐなものにすることだった。
完成した17トラックは、ほとんどが新曲。すべての作曲・アレンジ・ミックス・マスタリングはルイス本人が行っている。オーケストレーションもすべてに携わり、内8曲は自分ひとりでオーケストレーションを完結させた。
外部のアレンジャーと仕事をするという選択肢は決してなかった。「結果に満足するためにはそれしかなかった。これは僕の純粋なヴィジョンなんだ。それは他の誰のものとも混ざることがない」
ジュールズ・バックリー指揮のメトロポール・オーケストラは、このプロジェクトの理想的なパートナーであった。このアンサンブルは、50人編成のオーケストラ、ルイスのバンド、そして彼の長年のクリエイティブ・パートナーであるジェネヴィーヴ・アルターディなどのゲスト・スターが参加するツアーを行い、ヨーロッパ各地で全日程が満員となった。いくつかのヴォーカルの再録音と楽器の重ね録りを除き、『nothing』で聴けるのはこの恍惚的なライブからの抜粋である。
今作に収録されるテイクには、2021年のスタジオセッション、2022年のノースシージャズフェスティバル、2023年のドイツとアムステルダムでのライブ録音などが使われている。ルイスによれば、これらの録音から一番良いテイクを自分で選んでミックスするために、60人以上いるオーケストラとバンドの音を全て聴いて確認したとのことだ。
ルイスにとってはミキシングの段階が仕事のハイライトだった。彼はまるまる9か月かけて最良のテイクを選び、オーケストラのパートが本当に輝くまで音響のバランスとフリーケンシーを調整した。「ミキシングが終わったときは悲しかったよ」と彼は笑う。「自分のソロ曲をミキシングしていると、曲に魔法の粉が必要だと感じることがある。 でも、オーケストラ全体と自分のリズムセクションをミキシングしていると、人間的なエネルギーが溢れてくる! 魔法を加える必要はない。魔法はずっとそこにあるんだ」。
そのリズムセクションとヴォーカルで、いつもの仲間が参加している。ノウワーなどでも一緒に演奏しているジェネヴィーヴ・アルターディ、サム・ウィルクス、ジェイコブ・マン、ライ・シスルスウェイティー、ペドロ・マーティン、フェンサンタなどだ。
彼らが参加する「Life」「High Five」などはノウワーの曲のようでもあり、さらにルイスの既存曲「Let It Happen」「Shallow Laughter」「Bitches」もオーケストラ・バージョンとして新しく生まれ変わっている。またライブで演奏していた「Who Cares」も初めてアルバムに収録された。
アルバム全体としてはこれまでのルイスの音楽世界をメトロポール・オーケストラがさらに拡張させた内容であり、いつも以上に美しく、いつも以上にカオスになっていると言えるだろう。アルバムの開幕を告げる「Ludovici Cole Est Frigus」では、ルイスはドイツのヴッパータール・シュタットハレで、大ホールにある巨大なオルガンを自ら弾いて荘厳な世界を創り出し——すぐに「Things Will Fall Apart」でタイト・ポップ・ファンクへ漕ぎ出していく。ルイスの過去作でシンセなどで表現されていたカオスなハーモニーが、メトロポール・オーケストラによって表現される瞬間は圧巻の一言。まさに、これぞルイスが語る「魔法」そのものだろう!
12月上旬再入荷。チカーノ文化やオールディーズ、ソウル・ミュージックから大きな影響を受けてきたというカリフォルニア州ホーソーン出身のモダン・ソウル・バンド、Thee Heart Tonesによる期待のデビュー・アルバムが〈Big Crown Records〉からアナログ・リリース。ヘビーデューティーなB面バラード"Cry My Tears Away"や"It's Time"、ノーザン・ソウル風のトラックで淡々と記録を打ち立てる"Need Something More"など、リードシンガーのJazmine Alvaradoによる紛れもない歌声に彩られた珠玉の傑作!

ニューヨークを拠点に活動する音楽家、作曲家、映像作家のElori Saxlによる2024年アルバム『Drifts and Surfaces』が〈Western Vinyl〉よりアナログ・リリース。アナログ・シンセやデジタルでの実験と並行して室内楽アンサンブルを活用し続け、質感のある感情や小さなアクションの鮮やかなティティールを描き出す事を得意とするSaxl。本作は、「一時的な動きと日常の停滞の間の流動、非日常と世俗の美しさのパラドックス、そして世界で生きることを定義する野心と怠惰」という共通のテーマに沿って制作された作品を収録した一枚であり、優美なアンビエント・ジャズ/モダン・クラシカル”Surfaces”など素晴らしい楽曲を全3曲収録しています。

大アンティル諸島から70年代後半の知られざるグルーヴを掘り起こした〈Numero Group〉の最新タイトルとして、トリニダード・トバゴ出身の3人組Hamilton Brotherの78年の人気曲”Music Makes The World Go 'Round”を収めた7インチ・シングル・カット盤が登場!〈Numero〉が誇る〈Eccentric Soul 45s〉シリーズ最新作!ソウルフル&ファンキーな魅力がたっぷりと詰まったカリプソ・ディスコ傑作。Edward Seagaがオーナーを務めたカリブ音楽制作・配給大手の〈WIRL〉にインスパイアされた特注スリーヴ仕様。
