大名盤!ボサノヴァの巨匠Jorge Benが自身をブラジルのトロピカリア・ムーブメントの代表格として確立し、のちにサンバ・ロックとして知られるユニークなサウンドを開拓した一枚。ブラジルの軍事独裁政権の政治的緊張が高まっていた1970年9月に〈Philips〉から発表した、Trio Mocotóのバンドと共に録音した7枚目のスタジオ・アルバムであり、タイトルは「力技」を意味するポルトガル語に由来する『Fôrça Bruta』。アコースティックなサンバを基調に、それまでの自身の作品よりもメロウかつムーディー、そして、装飾の少ないサウンドを披露した傑作であり、その歌詞は、ロマンチックな情熱や憂鬱、官能性、そして、過去の作品に見られた自由な感覚とは異なる、アイデンティティ政治屋ポスト・モダニズムの要素をテーマとして、女性を主役に見立てたものとなっています。