MUSIC
7470 products
Culvert Dub Sessions待望のヴァイナル第二弾!Napalm Deathの一員として知られ、のちにScornやLullでインダストリアル/ダブの深層を切り拓いてきた鬼才、Mick Harris。その最新アルバムが、米国インダストリアル/ロウ・テクノの一大拠点〈L.I.E.S.〉よりアナログ・リリース。ベースの重低域とざらついたテクスチャーが、深海へ潜航するような音響世界を描き出す全8曲を収録。ディレイとリヴァーブが彫刻のように反復され、ダブの減衰とノイズの質感が折り重なりながら、陰影に満ちた空間を構築。光なき領域を探るような本作は、まさにインダストリアル・ダブの極北を体現する重厚な一枚です。
PC Musicの中心人物にしてハイパーポップの父、A. G. Cook による、Charli XCX主演のモキュメンタリー作品映画のオリジナル・スコア『The Moment』。全10曲は、Cookが得意とする 硬質なエレクトロニックと、緊張感のあるシンセのうねりを軸に、クラブ・トラックの推進力と映画音楽としての陰影が同居する仕上がりになっている。Cookの作品らしく、メロディの断片や質感の変化がシーンの切り替わりのように立ち上がり、ポップと実験性を知的に融合させる独自の美学が研ぎ澄まされている。

豪州を代表する稀代の実験音楽家、Oren Ambarchiが、2014年に名門〈Editions Mego〉から発表した傑作『Quixotism』の 10周年記念再発盤が、自身の〈Black Truffle〉より登場!ヨーロッパ、日本、オーストラリア、米国から参加した多数のコラボレーターとレコーディングされた長編作品であり、全体を通じて、ケルン拠点の名作家Thomas Brinkmannによる脈動するダブルタイムの電子パーカッションの基盤の上にその音世界が構築。AMMやThe Scratch Orchestraでの活動も知られる伝説的ピアニストJohn Tilbury、マルチ楽器奏者/作編曲家のEyvind Kang、カナダの女性サウンド・アーティスト、Crys Cole、そして、日本からのU-zhaanに、我らがJim O'Rourkeまで、豪華な面々が結集した、鎮静的でありつつも、確かな熱量とスリリングな魅力に溢れる即興ミニマル大作!Joe Taliaによる新規リマスタリング仕様。

エレクトロニック・ミュージック史における最重要コンピ『Artificial Intelligence』が30年ぶりにヴァイナル・リイシュー!!エイフェックス・ツイン、オウテカ、リッチー・ホウティン、アレックス・ピーターソンらの貴重な初期音源を収録!!
エイフェックス・ツイン、オウテカ、スクエアプッシャー、ボーズ・オブ・カナダ、フライング・ロータス、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーら、先鋭的アーティストを数多く輩出し、衝撃的なMVやアートワークといったクリエイティブの分野においても音楽史に計り知れない功績を刻み続けているレーベル、〈Warp Records〉が30年前にリリースした伝説的コンピレーション『Artificial Intelligence』をリイシュー!
1992年にリリースされたこのコンピレーションは、エイフェックス・ツインのザ・ダイス・マン(The Dice Man)名義、オウテカ、リッチー・ホウティンのアップ!(UP!)名義、B12のミュージコロジー(Musicology)名義、アレックス・ピーターソン(ジ・オーブ)とジミー・コーティ(The KLF)などの初期の貴重なトラックを収録している。
本作は〈Warp Records〉の1992年から1994年にかけてリリースされた"Artificial Intelligence"シリーズの最初の作品で、シリーズからは続いてエイフェックス・ツインのポリゴンウィンドウ名義の『Surfing On Sine Waves』、 ブラック・ドッグ・プロダクションズの『Bytes』、B12の『Electro-Soma』、リッチー・ホウティンのF.U.S.E名義の『Dimension Intrusion』、スピーディJの『Ginger』、オウテカの『Incunabula』、そして『Artificial Intelligence II』がリリースされた。
ゲートフォールドスリーブはデザイナーズ・リパブリックによって再構築され、Ten Eight Seven MasteringのBeau Thomasによって、クラシックなブラック・ワックスでカットされている。
<Tracklist>
01.The Dice Man - Polygon Window
02.Musicology - Telefone 529
03.Autechre - Crystal
04.I.A.O - The Clan
05.Speedy J - De-Orbit
06.Musicology - Premonition
07.UP! - Spiritual High
08.Autechre - The Egg
09.Dr Alex Paterson - Loving You Live

Russell Haswellが〈Mego〉に登場してから25年の節目に放つ最新作『LET IT GO』。ノルウェーのBergen Centre for Electronic Artsでのレジデンスを経て制作された本作は、GRM Toolsを駆使した鋭利な電子処理と、モジュラー・シンセの生々しい物質感が交錯する、ハスウェルのキャリアを総括するような一枚。急速に変動するピッチ、崩壊寸前のリズム、情報過多の現代社会を反射するような緊張感。デトロイト・テクノの反復性から電子音響の精密さ、金属的インダストリアルまで、彼がこれまで探求してきた要素が一つの流れとして結晶している。「Science Fiction is now!」と語るハスウェルの世界観をそのまま音にした、2020年代以降の電子音楽を象徴する作品。


西海岸ロスアンジェルス東部にて活動を開始した最新鋭チルアウト/バレアリック・ミュージック・スーパーグループ”PULI”による要注目のデビュー・アルバムが、マイアミの〈Open Space〉レーベルから登場。〈Music From Memory〉からの22年のアルバムが大人気を博したAlex Ho作品にも参加するDJ/プロデューサーのPhil Cho、AV MovesやNerftoss名義で〈Leaving Records〉などのカセットレーベルから実験的な作品を送り出し、ヘヴィ・サイケ・バンドのDope BodyやMotion Ward主宰者Jesse Sappellとのカルト人気なアンビエントユニットJJ+JSにも参加するギタリストJohn Jones 、US地下ハウスの才人Magic TouchことDamon Eliza Palermoという豪華面々が結集!ハーフタイム/ダブルタイムのダブ風のリズム、ぼんやりと明るいシンセのモチーフ、ジョーンズによる雰囲気のあるギターが織りなすバレアリック/アンビエント・ハウスの結晶"Ramona"、チョーの優美なボーカルをフィーチャーした、一種の解体されたほろ苦いバレアリック・ポップ"Cloudy"、Benedekや〈Mood Hut〉クルーの作品を想起させるステッパーズ・ハウス"Bongo Springs"など、10年代バンクーバー周辺の地下ドリーム・ハウスにも通じる愛らしく良好なヴァイブスが詰め込まれた珠玉のアンビエント・ダンス・ミュージックが全8曲に渡って展開されていくメロウで甘美な逸品!
テクノとダブ・レゲエの奇跡的合一。独Mark Ernestus & Moritz von OswaldのBasic Channelにより、1993年にリリースされていた音響ダブ/ミニマル・テクノの傑出した普遍的名曲が、2025年リプレス。
テクノとダブ・レゲエの奇跡的合一。独Mark Ernestus & Moritz von OswaldのBasic Channelにより、1993年にリリースされていた音響ダブ/ミニマル・テクノの傑出した普遍的名曲が、2025年リプレス。
テクノとダブ・レゲエの奇跡的合一。独Mark Ernestus & Moritz von OswaldのBasic Channelにより、1994年にリリースされていた音響ダブ/ミニマル・テクノの傑出した普遍的名曲が、2025年リプレス。
『Acid Mt. Fuji』『Zen』など、90年代に独自の美学を確立した横田進。その黄金期に録音されながら未発表のまま眠っていたDAT音源を復元したアーカイブ作品が、〈Transmigration〉から2LPで登場。Ray Castleに贈られたテープが偶然の再会によって発掘され、没後10年という節目にようやく世に出た奇跡のリリース。収録された8曲は、湿度を帯びたアシッドライン、幽玄なアンビエンス、スピリチュアルな浮遊感が交差し、当時の彼が持っていた柔らかいサイケデリアが鮮やかに蘇る。A面のダウンテンポ寄りアシッドから、B面の浮遊感、C面の儀式的なグルーヴ、D面の宇宙的な余韻まで、名義を横断していた時期ならではの多層的な世界観が広がる。90年代の横田進の核心を捉えた、電子音楽史的にも重要な発掘盤。

限定'VIDEO GAME'カラーヴァイナル・エディション。『サルゲッチュ』のドラムンベースが満載の超オイシイ一枚が登場!1990年代から2000年代初頭にかけて自身のレーベル〈Far East Recording〉からリリースされた作品をHuneeのキュレーションでまとめた『Sounds From The Far East』を〈Rush Hour〉よりリリースし、再び脚光を浴びることになった、ジャパニーズ・ディープ・ハウス・レジェンド、寺田創一。そのスタイリッシュで風雅なハウス・ミュージック・プロダクションで世界的によく知られているだけでなく、ビデオゲーム・サウンドトラック制作も数多く手掛ける同氏による、プレイステーション用ゲーム『Ape Escape』(サルゲッチュ)のサウンドトラックからの6曲を集めたコンピレーションEP作品『Apes In The Net』が、自身の〈Far East Recording〉より堂々アナウンス!自身の制作してきたハウス・トラックとは一線を画すドラムンベースやジャングルに傾倒した内容であり、アトモスフェリック・ドラムンベースやブレイクコアがアンダーグラウンド・シーンを飛び越えて興隆する20年代の今の空気にもフィットした一枚。

2023年9月、10月にMARK FELL/RIAN TREANOR/KAKUHANの3組によって実施した日本ツアーを記念したスプリットCDがリリース!300枚限定です。
90年代以降の電子音楽、或いは実験的なテクノ音楽の巨頭として知られ、Mille Plateaux、Line、Mego、Raster Noton等のレーベルから多数の作品をリリース。そして近年はその「テクノ」の枠さえも飛び越え本当の意味での「現代的」なサウンドを提供するMark Fell。
2023年にはNYEGE NYEGE TAPESからウガンダ / アチョリ族のフィドル奏者 Ocen Jamesとのコラボレーションを収めた音源「Saccades」をリリースするなど、クラブ・カルチャー、実験芸術、コンピューター・ミュージックの交差点から、新たな解体と連動を伴う音楽を創出するRIAN TREANOR。
様々なコラボレーションを経た上で2022年に活動をスタートし、そのユニットに備わる音楽性=「電子音楽/弦楽」、「現代音楽/クラブミュージック」、「作曲/即興」など、様々な音楽が持っている極/曲を、その名の通り「攪拌」するKAKUHAN(日野浩志郎×中川裕貴)。
この3者による完全新曲が収録された全9曲のスプリットCDは、単なる「スプリット(寄せ集め)」ではなく、テクノミュージック以降の音楽の周縁にある「フィジカル/メタフィジカル」の境界を超越、融解するようなアプローチがそれぞれの楽曲の中に現れています。三者の音楽に対する現在進行形の態度が如実に、かつカジュアルに現れた、ジャンルを越えて聴くべき作品になっています。お見逃しなく!
2026年リプレス!名カセット・レーベル〈birdFrind〉主宰、人力エクスペリメンタル・テクノ・バンドgoatやYPY、Kakuhanなどでの活動も知られる日野浩志郎が創設、コンテンポラリー、電子音楽にフォーカスした好リリースを展開する新レーベル〈NAKID〉より最新物件!グリッチ・ミニマル~ガレージ・レイヴ・テクノにプリミティヴな実験像まで、エクスペリメンタルの地平を拡大してきた稀代の音楽家Mark Fellと、Oren Ambarchiや非常階段のJunkoとも共作している仏在住のパーカッショニストWill Guthrieのコラボ・アルバム2枚がセットになってCD化!インドネシアのガムランや南インドのカルナータカ音楽、ポリリズムなどからのインスピレーションを存分に湛えた異生物的エクスペリメンタル・サウンドを収録した『Infoldings』。前作で追求したガムランや南インド音楽からの影響をさらに深化させ、鋭く複雑なリズムと非常に奇妙なテクスチャーで織りなすミュータントなパーカッション・サウンドを展開した『Diffractions』サイド共に秀逸です。Mark Fellによるフォトグラフィーをフィーチャー。Vladislav DelayことSasu Ripattiがミックス、Rashad Beckerによるマスタリングという夢の布陣!

BLAWANことジェイミー・ロバーツは、長年にわたってエレクトロニック・ミュージック界で高い評価を受けてきた。独自のサウンドづくりに対して非常に几帳面な姿勢を貫いており、南ヨークシャーのポスト工業都市・バーンズリーで育つ中で、10代の頃に出会った音楽的影響を絶えず作品に取り入れている。14歳の頃からウジ虫農場で働き始め、そのとき耳にしていた業務用ミートグラインダーの金属音から、音楽的なインスピレーションを得たと言う。メタル・バンドでの演奏経験を経て、リーズの伝説的な会場・West Indian Centreを訪れる中で、エレクトロニック・ミュージックの多様なスペクトラムに触れ、音楽的な視野を広げていった。
2010年代初頭に〈Hinge Finger〉や〈Hessle Audio〉といったカルト的レーベルからのEPリリースをきっかけにBLAWANとしてのキャリアをスタートすると、批評家たちから高い評価を受け、その後もソロ活動では、常に実験を重ねながら音楽の境界線を押し広げてきた。一方で、イギリスのプロデューサー・Pariahとの共同作業も継続。ライヴ・テクノ・アクトのKarennや、メタルに影響を受けたバンド・Persher、さらにはレーベル〈Voam〉まで、数々のプロジェクトを共に展開。本作『SickElixir』は、そんな彼の唯一無二で革新的なアーティストとしての立ち位置を、さらに確固たるものにする。
ベルリン、リーズ、パリ、リスボンで制作された全14曲入りの本作は、彼にとって最も個人的な作品であり、音楽や自己に対するスタンスを示すマニフェストでもある。喪失に対する深い悲しみや、家族の問題、人生の激動を原動力に、近作EPのサウンドをさらに発展させ、混沌としつつも緻密に構築された音の世界へとリスナーを引き込んでいく。過去を見つめながらも、未来への大胆なビジョンを描き出す本作は、アルバム全体に通底する激しさと内省的な要素が感じ取れる。BLAWANは、他の誰とも交わらないスタイルで独自の道を突き進んでいる。
〈Warp〉や〈Hyperdub〉と並ぶ先鋭的エレクトロニック・ミュージックの一大聖地〈Planet Mu〉運営でも知られるµ-Ziqによる、23年度人気作『1977』に続く2枚目のアルバム『1979』。アンビエントを軸にしながら、穏やかな浮遊感のあるトラックから、微細な揺らぎを伴うテクスチャ、さらには軽やかなビートが顔を出す瞬間まで、さまざまな表情が静かに連なっていく。記憶の断片や風景の残像を辿るように、ひとつひとつの曲が小さな宇宙として立ち上がる。前作と地続きの世界観を保ちながら、より成熟した充実作。
待望のアナログ再発!シカゴ~ディープなハウス界隈の名仕事の数々で知られる大重鎮ことLarry Heard (1960-)によるMr. Fingers。数々のブートが存在、UKのシカゴハウス・ライセンス・レーベルだった〈Jack Trax〉から1989年にリリースしていた世紀の傑作『Ammnesia』が奇跡の公式復刻!自身の〈Alleviated Records〉から約30年の時を超えて待望の再来。アシッド・ハウスからディープ・ハウスまで、卓越したダンス観から繰り出されるシカゴのヴァイブスはまさに金字塔レベルともいうべき。歴史的なハウス・クラシックが満載。リマスタリング仕様。これはMUSTです!!
関西を拠点に活動し、日本のテクノ黎明期を支えた山本アキヲと佐脇興英による日本のテクノ/アンビエント/IDMユニット Tanzmuzik の1994年の名盤『Sinsekai』。YMO的なリリカルさと欧米テクノのミックスによる独自の音楽性を持ち、柔らかく幻想的なサウンドスケープがアルバム全体を包み込んでいる。1994年のリリース当時から「日本テクノの嚆矢」とされ、幻の名盤として語り継がれてきた作品が、リマスターによって音質を現代的にアップデートし、さらにシングルやコンピ収録曲を追加して待望の再発!

ルーマニアのミニマル・テクノ、アンビエントの重要人物で、ダンスミュージックと現代音楽の境界を曖昧にする独自のスタイルで知られるPetre Inspirescuによる、ソロ名義としては5作目となるアルバム『Traces of the wind』。本作は、彼がこれまで追求してきたミニマリズムと現代クラシック音楽の融合を極めて洗練された形で提示しており、一般的なダンスミュージックとは一線を画し、音列技法など高度な作曲方式を取り入れた長編の4曲で構成されている。ダンスフロアから距離を置き、リスナーの内面とじっくり向き合うような、瞑想的かつ構造的な美しさが宿るのが印象的。調律されたオルガンや木管楽器の響き、繊細なエレクトロニクスを駆使し、優美で催眠的な音響世界を描き出している。音像が静かに広がっていくような浮遊感を与える、極上のエレクトロニカ作品。

2008年以来、18年ぶりのヴァイナル・リイシュー。2025年にはEU&USツアーを予定。
(前略)
「頭のなかで完璧なトラックが鳴っているんだ。だけど、それを具体化するのはとても困難なんだ。なぜなら……」
かつてオウテカは言った。「それはつねに変化しているから」
たしかにその通り、彼らのアルバムやシングルはその軌跡なのだろう。オウテカは、いまだ変化するその自らの頭で鳴っている断片をアルバムというカタチで表現しているのだろう。僕は2001年に、『Confield』のライナーノートで、「オウテカは“慣らされてしまったことへの服従”に抵抗する」と記したけれど、もはや“抵抗”どころではない。オウテカはこの15年、あたかも自らの音楽性で自らを隔離=『Quaristice』するかのような栄誉ある孤独を選び、彼らの芸術性を完璧なまでに世間に認めさせたのだ。リスナーに評価されるのではなく、リスナーの耳をテストすると喩えられるところまでいったわけだ。(中略) ショーンは『Quaristice』というタイトルに意味はないと言うけれど、しかし多くの人は考えてしまうだろう。この音世界はダンスフロアからもサイケデリックからも、あるいは現代音楽からも“隔離”されていると。
「“現在”にいることが重要だと気付いたんだ」ショーンは言う。「聴き直したり、昔の音源を聴いてそれについて
考えたりはいっさいしない。だって20年前の自分がどんな人間だったかも覚えてないんだから!」
オウテカらしい、素晴らしい言葉じゃないか。
野田努 (Quaristice国内盤ライナーノーツより一部抜粋)

2005年以来、20年ぶりのヴァイナル・リイシュー。2025年にはEU&USツアーを予定。
進化し続けるエレクトロニック・ミュージックの先達であり、孤高の存在としてその動向が常に注目され続けるオウテカ。
枯渇することのない無限の才能と、変わることなき探究心。
いまだかつて誰も到達しえなかった美しき超絶音。
アンタイトルド(untitled)ではなくて、アンティルテッド(untilted)である。 いかにもオウテカらしいタイトルだ。「いつものよう に、タイトルに意味はない」 と彼らは言うけれど、ちょっとした心理の虚を突いたり、条件反射的な連想を逆手に とって文脈をすげ替えてしまったりする術 に、彼らは実に長けている。オウテカは 独創的で挑戦的な革新主義者ではあるけれど、同時に遊び心も備えた観察者でもあっ て、字面だけで安易に判断して 「あ、次のアルバムのタイトルは“アンタイトルド” なのね」と素直に思い込んでしまっていた筆者のような勘違い野郎のことを、影できっ とにやにやしなが ら見ていることだろう。二枚前のアルバム『コンフィールド』で、 オウテカのサウンドはずいぶん変わったといわれているけれど、そういう意味では根 本的な 部分は、まったく変わっていない。むしろこの8枚目のフル・アルバムは、彼 らに拭い去れない影響を刻みつけてきた音楽を、『コンフィールド』以降の地平の中 で、再びはっきりと浮かび上がらせるような作品である。つまり、エレクトロやアシッ ド・ハウスなんかの、ファンキーなエレクトロニック・ミュージックのことだ。
(中略)
中でもとりわけ、オウテカとヒップホップを巡る議論は未だ絶えることのない話題 のひとつだ。この『アンティルテッド』にも、アルバム冒頭の「LCC」や15分以上に 渡る大作「Sublimit」などに、その有効な答えがちらちら覗いている。時にはヒップ ホップと自分たちとの距離感覚を、はぐらかすこともあったりした彼らだが、『アン ティルテッド』に関してはルーツに対する愛情を包み隠そうとはしない。言葉に力を 込めてショーンはこう答えている。「“Tour De France”に“Hip Hop Bee Bop”や “The Message”“Step Off”。今でも本当に大好きだよ。タイムレスなのか、ノス タルジアなのか分からないけど、とにかく好きなんだ。僕らがビートを作る時は、そ の要素が必 ず無意識に入ってるんじゃないかな。僕らの音楽からそれが聞こえてこ ない時なんてないくらい」
(中略)
さて、とはいえ『アンティルテッド』は、もちろん懐古的なものでない。決して 『キアスティック・スライド』に戻ってしまったわけでもないし、あの『lp5』や 「ep7」のパート2でもない。『コンフィールド』はオウテカの新たな出口だった。 『lp5』と「ep7」で確立した評価の高みに甘んじることなく、そこから踏み出すこと が試みられていたもので、このアルバムもまた、過去のオウテカを振り切ろうとしている。
(中略)
『アンティルテッド』は、『ドラフト7.30』と『コンフィールド』を踏まえた上で、 アレンジの面でより自由度を増して制作されたものだ。(中略)なにしろこのアルバム には、MPCで走らせたシーケンスさえもが埋め込まれていて、「実は、ライヴでラッ プトップを使うのは好きじゃないんだ。もっと言うと、ラップトップを音楽で使うの もあまり好きじゃない(笑)」などと冗談めかしたセリフがショーンの口から出るく らいで、もともと使えるものは何でも試してきた彼らであるということを差し引いて も、大幅な変化が環境面に導入されている。しかし(中略)彼らは機材のダウングレー ドを計っているのではない。それを使ってサウンドを、次に進めることが重要なのだ、 とうぜん。アルバムでの、『コンフィールド』以降彼らが推し進めてきたシフトチェ ンジである先の、“複雑さへと向かうベクトルの変化”によって導かれたディティー ルへの執拗なこだわりはもはや圧巻で、成果はこそかしこに溢れている。だが、エレ クトロやMPCなんかのキーワードが再浮上してきたからなのかどうか、しかしそれ以 上に『アンティルテッド』には、非常にうっすらとだがどこか楽しげで何故だか軽や かな感覚さえあるのだ。
(後略)
text by 西山伸基(Headz/Fader)
日本盤アルバム封入のライナー・ノーツより一部抜粋、加筆。
2026年リプレス!ハウス・ミュージック界のマイルス・デイヴィス。シカゴ~ディープなハウス界隈の名仕事の数々で知られる大重鎮ことLarry Heard (1960-)によるMr. Fingers名義で24年振りのフルアルバムとなる2018年発表の名作。シカゴ・ディープ・ハウスのクラシックとしてあまりにも先駆的なダンス・サウンドのいつの時代でも普遍的な美しさを放っています。
デジタル・ダンスホールとUKアンダーグラウンド実験音楽の隙間に生まれた、オルタナティヴな音楽。英国を拠点に1980年代半ば~後半に活動。〈On-U Sound〉と契約を逃し、音源を残すことが出来なかったものの、〈Downwards〉主宰のRegisを80年代当時熱狂させていたという、伝説のポスト・パンク/インダストリアル・レゲエ・バンドReducer。ジャマイカ音楽史を変えた名リディム「Sleng Teng」を再構築した’86年ディスコ・ミックス・ヴァージョンなど全3曲のアーカイブ音源を収録した強力シングルがブリストル・レフトフィールドを代表する名門〈Bokeh Versions〉より到着。デジタル・ダンスホール黎明期を象徴するCasio MT-40のプリセット音を軸に、当時のサウンドシステム文化の空気を濃厚に呼び戻すかのような鮮烈な楽曲群!反復するリズムとローエンドの揺らぎが現代的な解釈と結びつき、オリジナルの革新性をそのまま保持しつつも、より長尺で恍惚感を増したサイケデリックな仕上がりに。デジタル革命の記念碑をアップデートした、全てのレゲエ~ダブ~ダンスホール愛好家必携の一枚です!
