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長年のコラボレーターであるFrancis HarrisとGabe HedrickによるユニットAris Kindtによる、KafkaやSebaldの世界観を音で描くような文学的影響と音響実験が融合した、静謐で深遠な作品『Now Claims My Timid Heart』。Kafkaの『フェリーツェへの手紙』にインスパイアされており、「距離を通じた親密さ、孤立を通じた繋がり」というコミュニケーションのパラドックスをテーマに、ポスト構造主義的ポップとも評される、張りつめているが深く人間的なサウンドスケープを展開。古い録音やフィールドレコーディングを断片的に取り出し、廃墟のような残響、地下室のような密閉感といった架空の空間の響きを与えるコンボリューション・リバーブを駆使し、アクセス不可能な世界からのフィールドレコーディングのような、密度の高い雰囲気と夢のようなアンビエント・ダブを構築している。聴くことで思索し、沈黙の中に感情を見出すような一枚。

カナダ・モントリオール出身の作曲家/シンガー、Ambre Cielによるデビュー・アルバム『still, there is the sea』が〈Gondwana Records〉より登場!本作は、彼女の内面に広がる「もうひとつの世界」を具現化したかのような作風で、印象派やミニマル・ミュージック、現代クラシックからの影響を感じさせる、夢のように広がりのある音楽を展開している。幼少期にバイオリンを学び、後にエフェクトやループを使った実験を始めた彼女は、大学で作曲と録音を専門的に学び、そこで声とバイオリンを重ねる多層的な楽曲スタイルを確立。ピアノを学んだことによる奥深いハーモニーも魅力的。フランス語と英語の両方で歌い、弦楽器やアコースティックな響きをたっぷりと活かしたアレンジが瑞々しく、未完成さも含めてピュアな輝きに満ちた本作は、繊細で豊かな世界観を静かに描き出している。夢幻的で自分の内面に分け入っていくような、静けさの中に広がる、夢と記憶のための室内楽!
札幌の音楽家Kuniyuki Takahashiによる、モダン・クラシカルとエスニック・ジャズが融合した静謐な音響作品『Open Window』。本作は、札幌のスタジオに差し込む光と風からインスピレーションを得て制作された作品で、Kuniyukiが長年追求してきたジャンルを越えた音楽的表現の集大成とも言える内容。A面「Open Window」は、ECM的な静けさと透明感を湛えたモダン・クラシカル。ピアノやストリングスが繊細に重なり、空間と時間が溶け合うような音響。B面「Tobira」は、エスニックな打楽器とニューエイジ的なジャズの要素が融合し、異世界への扉を開くような幻想的なサウンドスケープ。Kuniyukiらしい有機的かつ瞑想的なアプローチが全編にわたり貫かれており、クラブ・ミュージックと深いリスニング体験の境界を自在に行き来する充実作。


聖なるミニマリズム の先駆者、エストニアの作曲家アルヴォ・ペルトのアルバムが〈Mississippi Records〉よりリリース!このアルバムには、ペルトの最も有名な協奏曲『タブラ・ラサ』の第2楽章である「サレンティウム」の未発表演奏を中心に4つの作品が収録されており、ボストンを拠点とする室内オーケストラ、ア・ファー・クライが演奏している。「サレンティウム」は1984年にECMからリリースされた最もよく知られたバージョンのほぼ半分の速度で、死にゆく人を癒す効果があることで知られ、緩和ケア施設でもよく使われるこの曲は(ある患者はこの曲を「天使の音楽」と呼んだことで有名)、半分の速度では息をのむほど美しく、まるで時間そのものが静止しているかのよう。他の収録作である「Vater Unser (Arr. for trombone & string ensemble)」、「アリヌシュカのための変奏曲」、「弦楽と打楽器のためのフラトレス」も美しく、充実した内容!
Low Jackことフランスの電子音楽家 Philippe Hallaisによる、喪失と救済をめぐる精神的・音響的なレクイエムとも言うべき作品『Lacrimosa』。本作はAlice Coltraneの1976年作『Eternity』の霊性と死者のためのミサの構造に触発された、8つの楽章からなる深遠なアンビエント作品で、作曲者自身の人生と深く結びついた喪失の物語。特に「Dies Irae(怒りの日)」と「Lacrimosa(涙の満ちる者)」の章を再解釈し、魂の救済を求める音楽的祈りとして展開。機械が悲しみの味を学ぶという詩的なモチーフが、金属的なフィルター、グリッチ、詩的なノイズが交錯する爆撃された後の静寂のような音響として表現されている。ヴォーカル・アンサンブルやゲスト参加による宗教的・儀式的な深みも加わって、「沈黙が血を流す」ような音の余白と緊張感が、聴く者の内面に静かに語りかける内容となっている。

デンマークとノルウェー出身の音楽家Ida UrdとIngri Høylandのコラボレーションによる、冬の静寂と内面の温もりをテーマにした、繊細で詩的なアンビエント/ドローン作品『Duvet』がスペインの名門〈Balmat〉からリリース。2023年冬、2人はデンマークの雪に閉ざされた静寂の中でアルバムを制作。言葉なき声とフィールド録音が織りなす、神秘的で包み込むようなサウンドスケープは、ベース、ペダル、テープ処理によるアナログ感と、デジタルの透明感が融合している。雪が降る音、木々が揺れる音、空間の広がりと孤独を感じるドローンと、柔らかい声やハーモニー、懐かしさや手触り感のあるメロディや間。こうした音響要素を交互に配置したり、重ね合わせることで、まるで寒い夜に毛布に包まれるような、夜に寄り添うような作品となっている。
LAを拠点に活動する電子音響音楽の作曲家・演奏家Sarah Davachiが、モントリオールを拠点とする実験音楽の弦楽四重奏団Quatuor Bozziniとコラボレーションした長編作品をリリース!!
ニューヨーク近代美術館MoMAでもレジデンシーを務めた電子音響音楽家Sarah Davachiが、モントリオールを拠点とする実験音楽の弦楽四重奏団Quatuor Bozziniとコラボレーションした長編作品『Long Gradus』を11月3日、自身が立ち上げ、<WARP>の傘下レーベルでもある<Late Music>よりリリース。今回のリリースでは、CD/2LPに収録されたバンクーバーのWarehouse Studioで録音された弦楽合奏バージョンに加えて、4CDにのみベルリンとロサンゼルスで録音された3つのアレンジメント(木管楽器、金管楽器とオルガン、合唱とエレクトロニクス)の計4編を収録。「Gradus」は、ラテン語で「過程」や「歩み」を意味しており、『Long Gradus』では、聴き手と演奏者の認知的な動作を大幅にスローダウンすることにより、瞬間と瞬間の関係性にフォーカスするよう設計されている。絶え間なく移り変わり、その都度変化する豊かなハーモニーの風景を体験し、音響心理学的な空間と時間の静けさに浸ることを目的とした実験的作品。
*電子音響音楽:音楽の三要素(メロディー、ハーモニー、リズム)がほとんど存在しなく、音楽を構成する音の素材が多様な音楽。
フランスの作曲家レオ・デュプレクスがアンサンブルAsteralesと共に制作した、静謐で瞑想的なエレクトロアコースティック作品『Round Sky』。 アナログ・シンセサイザー、ハープシコード、スピネット、フルート、ギターなどが繊細に融合し、静謐で瞑想的な音響空間を描く。ミニマルでありながら豊かな響きを持ち、空間と静寂を音で描くような感覚を味わえるデュプレクスの作曲は、初期音楽や実験音楽の伝統を継承しつつ、現代的な感性で再構築されている。 微細な音程の揺らぎや音響の交差に対する鋭い感受性を示すアンサンブルの演奏も印象的な、調律された静けさの中に潜む美を探る、深遠な音の旅。

Petit SingeやZuli、S S S S、Kinlawといった面々による傑出したエクスペリメンタル/ポスト・インダストリアル傑作の数々を発表しているイタリア屈指の尖鋭レーベル〈Haunter Records〉を主宰。同国・ミラノを拠点に活動する実験的アーティスト/ミュージシャン、Daniele Guerriniによるソロ・プロジェクト=Heith。以前デジタル・リリースしていた2枚の作品を2LP化したアルバム『X, wheel + The Liars Tell...』が、ベルリンのクラブ・シーンを代表する名門〈PAN〉より登場。リチュアルで魅惑的な地下世界的サウンドスケープから、独特の音響要素を折衷させた共鳴的なサウンドスケープ&アンビエンスまで。極めて未来的な音響に満ちた、声のアヴァンギャルドで美しい加工とそれにフィットする電子音響で満ちた、アンビエント・エレクトロニカの先鋭を征く『The Liars Tell』サイドも、近い意匠を持ちつつもよりドゥーミーで闇黒な『X, wheel』サイドも素晴らしい、近年のPANの中でも秀逸な一枚。痛みと孤独を越えながら、高く響かせる天上的ポスト・クワイア”medicine boy”も素晴らしいです。
数々の著名作家と共演したり楽曲を演奏したり、ノイズ~現代音マニアを奮い立たせるドイツの実験音楽グループZeitkratzerと、ハウス・ミュージックを切り口にアーティスティックな音楽展開を続けるカリスマDJ、Terre Thaemlitz(=DJ Sprinkles)がベルリンで2018年に催されたフェスティバルの〈MaerzMusik〉で行なったライブ音源を収録したCD作品が登場!実験音楽の分野で高い評価を誇る2組によるコラボレーション!『Deproduction』からの楽曲をアコースティックの室内楽器でアレンジして演奏したもので、2019年発表の2枚組CD作品となります。4x4パネルの新聞紙ポスターが付属。
視聴-Admit It's Killing You (And Leave) (Sound/Reading for Gay Porn) (Live Version)
視聴-Names Have Been Changed (Sound/Reading for Incest Porn) (Live Version)

エチオピアの伝説的な作曲家エマホイ・ツェゲ・マリアム・ゲブルの作品を、初めてピアノと弦楽アンサンブルで演奏した『Emahoy Tsege Mariam Gebru
played by Maya Dunietz & String Ensemble, Live in Paris』が〈LATENCY〉より登場!本作は、彼女の「ピアノだけでなく、もっと広い解釈で自分の音楽が演奏されてほしい」という願いを叶えるかたちで実現したもので、企画を主導したのは、エマホイと親交のあったイスラエルの音楽家マヤ・ドゥニエッツ。2005年にロンドンのレコード店で『Éthiopiques』シリーズの一枚を偶然手に取り、興味を持ったことがきっかけで、彼女と指揮者イラン・ヴォルコフはエマホイを探し出し、エルサレムの修道院で対面。その後エマホイ本人から、何百もの楽譜を託され、世界に広めてほしいと頼まれるようになる。このプロジェクトは、楽譜集の出版(2013年)や国際的な演奏活動として広がり、エマホイが生前に語った「自分の曲をオーケストラで聴いてみたい」という夢も受け継がれる。今回のアルバムはその夢の延長線上にあり、2024年4月、パリのブルス・ド・コメルスで行われた2公演の追悼コンサートで録音された。元々エマホイの音楽は、静かでミニマル、それでいて感情の深みを湛えた独特の響きを持っているが、今回のアレンジではより広がりのある音の空間として再構築されている。あくまでエマホイの音楽の核心──孤独、信仰、そして遠い記憶のような郷愁──を崩さないように細心の注意が払われており、沈黙や余白を大切にした祈りや瞑想に似た時間感覚をそのままに保った静かな再解釈。彼女の音楽に新たな光を当てながらも、決して眩しすぎず、ただそこにそっと在るような響きが素晴らしい。限定300部

クラシックの世界的大名門〈Deutsche Grammophon〉にも在籍するポーランド出身のピアニストHania Raniが2023年にリリースした3枚目のソロ・アルバム『Ghosts』のツアーより、ポーランド・ワルシャワ/イギリス・ロンドンでのライブ・パフォーマンスを収録した音源『Nostalgia』をマンチェスターの現代ジャズ大名門〈Gondwana Records〉より発表!ショパン音楽大学の学生として訪れて以来、長年に渡り、私生活でも仕事でもRaniの人生の重要な部分となった、自身にとって親密な場所であるワルシャワの〈Polish Radio〉という第二の故郷であり愛すべきレコーディング・スタジオにて、奥深く啓発的な楽曲を生み出しています。タイトル曲の”Nostalgia”のみロンドンのコンサート会場〈Roundhouse〉で収録。

未体験の方はこの機会にぜひ。ニューエイジ/アンビエント・リスナーにも必聴の一枚!ドイツのミュージシャン/作曲家のDaniel Rosenfeldが変名C418で残した『マインクラフト』の画期的サントラ盤『Minecraft - Volume Alpha』がアナログ・リプレス。壮大なサウンドトラックと鮮やかなサウンドデザインを作り上げ、マインクラフトのボクセルベースの世界へと新たな命を吹き込んだ、ビートレスで繊細なエレクトロニック・ミュージック大傑作!エリック・サティやブライアン・イーノとも比較される繊細なピアノとまばらなアンビエントモチーフによる穏やかで幻想的なサウンドスケープは恍惚ものです。

2007年にCDのみでひっそりとリリースされていた、Kuniyuki Takahashi のサブプロジェクト、Kossと塚本サイコ二人の共作が、長い時を経て初めてぼヴァイナル・リイシュー。中心にあるのは塚本サイコのピアノで、クラシカルな素養をにじませながらも、技巧を誇示するのではなく、呼吸のように自然な間合いで鍵盤を触る。Kuniyukiの繊細な電子音が寄り添い、フレーズの隙間に光や影を差し込むように響き合うと、音の粒はときに淡い残像を残し、ときにリズムのような脈動を示しながら、ミニマルな旋律を大きなスケールへと広げていく。さらにギターやアコーディオンといった要素が控えめに顔を出し、儚いロマンティシズムを添えている。モダン・クラシカルとアンビエント、そしてKuniyukiが培ってきたダンス・ミュージック以降の感覚が、静かに交差した全8曲。小さな部屋から宇宙的な広がりまで、聴くたびに景色が変わっていくような作品で、静かな昂揚を伴いながら聴く者を深い物語へと導いていく。
ストックホルムを拠点に欧州各地で楽曲制作に取り組んでいる実験的インディ・ロック・ユニット Horse Visionによる最新アルバムが〈Scenic Route〉よりアナログ・リリース。ポップ/インディー的な感性とドリーミーな電子アンビエントの交差点に位置しながら、「日常の揺らぎ、記憶と感情のすり替わり」をテーマに静かに染み入る作品。夜明け前の静けさや、都市の灯りがまだ揺れている時間に寄り添うような、ポスト・ロック~エモ影響下の親密かつ内省的なサウンドが大変優美。余韻と曖昧さの中に豊かな情景が立ち上がる、聴く者の心の隙間を埋めるような一枚です。

以前にも〈Good Morning Tapes〉から秀逸なミックステープを放っていた、オーストラリア・メルボルン拠点のDJ、Misha Hollenbach。妻でありクリエイティブ・パートナーでもある Shauna Tooheyと共同設立したファッション、アート、デザインのレーベル/出版社である 〈P.A.M〉の一員でもある彼の最新ミックステープ作品。アンビエント・パッドと蒸気が漂うベッドの上で、ASMRのささやき、R&Bの断片、リバプールの詩、エンジェリックな合唱、フィールド ・レコーディングの間を行き交う、白昼夢のようで、珠玉なセレクションとなっています。

〈Shelter Press〉を主宰する、フランスの現行地下シーン最大のアイコンと言っても過言ではない重要人物にして、昨年の〈Portraits GRM〉からのRichard ChartierとのスプリットLPも秀逸だった鬼才Félicia Atkinsonによる24年度最新アルバム『Space As An Instrument(楽器としての宇宙)』。自身の囁き声を交えた、哀愁と追憶のモダン・クラシカル秀逸作品!ピアノを主軸に置いた本作では、抑制された反復的な旋律を通じて語られる直線的な物語が、音楽の端々にある電子音や、発音される子音のかすかな響きと絡み合い、孤高の響きを生んでいます。


これは凄い!〈Another Timbre〉や〈Elsewhere〉系のモダン・クラシカル・ファンにも推薦!〈Pitchfork〉では8.0点の好スコアを獲得、今までもChristian MarclayやSteve Beresford、Phil Mintonを始め、数々の大物とコラボレーションしてきた韓国人チェロ奏者/即興演奏家のOkkyung Leeの今年度ベスト級の新作が〈Shelter Press〉から登場!ちょっと意外なレーベルから出ましたね。まさに極上のバラード。Okkyung Lee(Cello)、Eivind Opsvik(Bass)、Maeve Gilchrist(Harp)、Jacob Sacks(Piano)という編成で贈る夢見ごこちの室内楽アンサンブル。雪崩れ込む感傷的なメロディと穏やかでメランコリックなタッチ、チェンバーからスピリチュアル・ジャズ、民俗音楽を始めとした無数の側面を包みながら、芦川聡や吉村弘といった日本の環境音楽/アンビエントにも通じる引きの美や「間」の美学をも感じさせる一枚。Rashad Beckerによって〈Dubplates & Mastering〉にてマスタリング&カッティング。これは是非ヴァイナルで浴びましょう。


2018年に発表されたDavachiの5作目のアルバムで、その年のWire誌"Top 50リリース"で第6位に選ばれた。メロトロン、エレクトリック・オルガン、ピアノ、シンセサイザーによる、夕刻のための楽曲を集めた作品集。
カナダ出身のシンセシスト、Sarah DavachiがSean McCannの主宰のRecitalから2018年にリリースした超人気作にしてキャリア最重要作が待望の再プレス。デビュー以来、軸のあるミニマル・ミュージックへと取り組み続けてきた彼女の音楽も随分と深いところまで来たように感じます。ロマンティシズムを讃える祝福的和音と、持続する永遠の引用のような多幸感。音楽の中へと入り込む、あるいは万華鏡の中へと侵入して、音の波に没頭する、ミニマル・ミュージックの至高体験的一枚。あるいは街の灯りのような優しげに寄り添う環境音楽の、影当たるところで眠っている子供達。イーノの子供達は皆健やかに・・・
