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前2作のいずれとも似て事なる表情を持った作品となっており、音の表面的な美しさだけでなく深い精神性を感じられる素晴らしい内容となっています。Keith JarrettやRoger Enoのアルバムを喚起させるような演奏から前2作同様のサティ調の演奏まで、アーティスティックな情感に溢れた紛う事無き傑作。本作はシンプル&ビューティフルという音楽の一つの理想型でもあります。あらゆる方にお薦めできる普遍的な一枚。ECMファンにも間違い無く訴えかける内容です。
オリジナルは現在入手困難!DJ Lostboi名義でもPost-Trance Ambientと言うべきデコンスラクテッド・クラブ/ポスト・クラブ以降の特異で孤独なサウンドスケープと音響を織り上げてきたフランスの実験的な女性アンビエント作家、DJであり、Dark0やMerely、Kamixloの弟のUli Kらとの仕事も知られるBarbara Bracciniの変名Malibu。ArcaやMykki Blanco、Chino Amobi、Fatima Al Qadiri、Gobbyといった10年代以降の数々の先鋭的アクトを世に送り出したNYの名門〈UNO NYC〉こと〈UNO〉から22年に当初CDとカセットで発表されていた傑作『Palaces of Pity』が、ボーナストラックを追加したスペシャル・エディション仕様で待望のアナログ化!透徹された天上的な音響を軸に、そこに溶け込んでいくヴォーカルやストリングス、ギターのアンビエンスが甘美で珠玉な、近年のアンビエント作品でも実に稀有な名作。RadioheadやArca、Mica Leviなどの作品にも携わるチェロ奏者Oliver Coatesも参加。力強く推薦できる内容です!
Andy StottやDemdike Stare、DeepChordといった数々の実験的なアクトを揃える現行エクスペリメンタル・シーンに君臨する名門中の名門こと〈Modern Love〉からは、昨今人気な限定プレスの7インチ作品シリーズのニュー・タイトルがまたしてもドロップ!〈12th Isle〉からも作品を送り出していたグラスゴーの実験的作家/シンガーのLucy Duncombeによる最新シングル作品『Sunset, She Exclaims』がリリース。ボブ・ディランの恋人であったボニー・ビーチャーが残した唯一無二のカルト・バラード"Come Wander With Me"の素晴らしいカバーに、自身の特徴的な音声合成による声の実験を織り込んだ、モダン・クラシカルのデコンストラクションとして極めて秀逸かつ優美な内容を収めた逸品!
LAを拠点に活動する電子音響音楽の作曲家・演奏家のSarah Davachiと、さまざまな美術館やギャラリーなどで写真やインスタレーション、パフォーマンスなどの作品を展示する視覚芸術家 Dicky Bahtoによるコラボレーションのライヴレコーディング作品が3CD+ブルーレイ・ディスクにて世界限定500枚にてリリース。音源は2023年9月17日にニューヨーク近代美術館(MOMA)にてOmer Leibovitzによってレコーディングされている。
アウトサイダー・ディスコからアンビエント〜即興フォークまでレフトフィールドを縦横無尽に駆け回った巨人Arthur Russellによる1970年代に数回しか演奏されなかったライヴ演目『Instrumentals』が〈Rough Trade〉盤としては初となるアナログ盤リイシュー!!
Pitchforkでは8.4点、「BEST NEW REISSUE」のスコアを獲得!12Pに渡る豪華ブックレット付属のリマスター仕様!実験音楽とディスコを繋ぐ歴史的作家、Arthur Russellの84年作「INSTRUMENTALS VOL.2」と83年作「TOWER OF MEANING」へ70年代の未発表音源が追加された2LP編集盤「First Thought Best Thought」が新たなタイトルとなりリマスター新装再発。
こちらの音源はほんの一握りの公演でしか演奏されていない楽曲で構成。ディスコ以前の彼のフォーク・サウンドもまた黄泉の情緒香るクラシカルな味わいで大変素晴らしい。前衛的なビートや表現は控えめながら、繊細に抑揚を付け、しなやかに波打つ柔らかな旋律と豊かな情緒が結びついた、モダン・クラシカルやエレクトロニカをも時代を超えて表現したサウンドスケープはあまりにも先駆的。Arthur Russell入門にもバッチリの一枚です!
極上アンビエント美盤が登場、お見逃しなく!ジム・オルークや坂田明、山本達久、石橋英子といった強力な面々ともコラボレーションを行ってきたイタリアの実験作家Giovanni Di Domenicoに、その盟友として幾度もコラボレーションを重ねてきたベルギーのアーティスト、Pak Yan Lau、〈RVNG〉や〈Freedom To Spend〉といったレーベルの運営にも携わる作曲家、サウンド・デザイナー、JABことJohn Also Bennettによるトリオ作品が、Bennett主宰の〈Editions Basilic〉よりアナウンス。ベルギーの首都ブリュッセルで録音された4部構成の作品となっており、加工されたローズピアノ、陶器の焼けるような音色、液化したバスフルートが織りなす、波打つ錬金術の如しモダン・クラシカル・アンビエント作品に仕上がっています。限定300部。
Yu SuやRegularfantasyとのコラボレーションや、サウンドスケープの提唱者マリー・シェーファーの著書にインスパイアされたエキゾ・ニューエイジ傑作『Polysensuality』でも知られるバンクーバーのScott Gaileyによる変名Hotspringの2024年作『Apodelia』が、カナダのロウハウス界隈屈指の名門〈Mood Hut〉からアナログで登場。ゆったりとした時間に溶けていく淡く幻想的なアンビエント・ポップからチルウェイヴの感傷、暖かなサウンドスケープが美しく調和した傑作バレアリック・アンビエント!
拡張された演奏時間と、熟孝された和声構造を駆使して、音色と時間との密接な複雑性に焦点を当てた作品を作り続けているSarah Davachi。そんな彼女が自身のレーベル〈Late Music〉より2枚組の最新作『The Head as Form’d in the Crier’s Choir 』をリリースする!2022年から2024年の間に書かれた本作に収録されている7つの楽曲は、ギリシア神話に登場するオルフェウスに関する資料2つを用いて制作された。1922年に発表されたリルケの詩集『オルフェウスへのソネット』と、1607年に発表されたモンテヴェルディの初期バロックオペラ『オルフェオ』である。本作は、『Two Sisters』(2022年)と『Antiphonals』(2021年)を補完するような作品となっており、彼女のホームスタジオから生み出される、定形式な電子音響音楽作品と、ゆっくりとしたテンポの、ややオープン形式の室内楽作品とのギャップを埋める試みであったという。だが、この作品では、演奏ごとに新たな構造が提示され、その繰り返しによって、新たな構成とより深い意味への道筋が提示されていったのだった。
2017年発売の『async』以来となる、坂本龍一 約6年ぶりのオリジナルアルバム『12』。
日記を書くように制作した音楽のスケッチから12曲を選び、1枚のアルバムにまとめた作品集。
ジャケットは「もの派」を代表する国際的な美術家、李禹煥(リ・ウファン)氏の描き下ろし。
トラックリスト:
01. 20210310
02. 20211130
03. 20211201
04. 20220123
05. 20220202
06. 20220207
07. 20220214
08. 20220302 - sarabande
09. 20220302
10. 20220307
11. 20220404
12. 20220304
2017年にリリースされたソロ・アルバム。
1年以上の病気療養を経て新境地を開いた意欲作で、このアルバムからの音源を主体にしたコンサートも海外で複数回行われている。
前作『out of noise』がオーガニックな音響作品だったのに対し、ここではヴィンテージを含むアナログ・シンセサイザーが多用されている。
制作当初のアイデアのひとつが架空のタルコフスキー映画のサントラということもあり、どの曲もリスナーにそれぞれの映像イメージを強く喚起させる。
実際、アルバム発表後には高谷史郎、アピチャッポン・ウィーラセタクン、Zakkubalanらによって本作とその収録曲が映像化されインスタレーションとしても発表された。
近年のコンサートでは必ず演奏されていた新たな代表曲ともいえる「andata」を収録。
また「fullmoon」では映画『シェルタリング・スカイ』からポール・ボウルズの、「Life, Life」ではデヴィッド・シルヴィアンの朗読がそれぞれ使用されたことも話題となった。
その3部作の延長をふまえたピアノの響きはとにかく素晴らしいの一言。竹林の水墨画のようでもあり、水辺に並んだ城下町のようでもあり、個人の頭に深く刻まれた思い出の断片のようでもあり、翼を広げて飛び立つ大鷲のようでもあり...創造性豊かなメロディを1つ1つ紡いで辿る新たな旅。
前作より深く研ぎすまされた空気感も手に取るように随所に散らばり、またインダストリアル時代の名義Semaの作風を思わす不穏な曲もあったり、89年の傑作"A Waltz In Plain C"収録曲の再解釈もあったりと、Robert Haighのこれまでの道と、今の全てがこの安らかな空気に浮かびます...マスターはお馴染みDenis Blackham。Andrew Chalk提供のアートワークで限定700枚。
ソ連時代からの電子音楽、映画音楽の巨匠、Edward Artemievが、タルコフスキーの名作映画『Зеркало(Mirror)』(1975年)と『Сталкер(Stalker)』(1979年)の音楽を再録音したアルバム!タルコフスキー映画2作品の音楽の再録+新曲"Dedication to Andrey Tarkovsky"を収録した珠玉のネオ・クラシカル・アンビエント作品。リマスタリング、新規アートワークを採用したアルテミエフ自身による公式ライセンスのLP。
2017年に若くしてこの世を去ったスウェーデンの実験的作曲家/マルチメディア・アーティストであり、純粋なオーケストラ作品から電子音楽、オーディオ・ヴィジュアル作品に至るまで多岐に渡る制作を行いつつ、様々なアンサンブルやソリストと共演してきたMarcus Fjellström。その逝去から7年越しとなる最後の作品であり、ダブルアルバムとなった『The Last Sunset of the Year』が満を辞して登場。Marcusの友人であり同僚でもあるErik K. SkodvinとDave Kajganichが収集した本作には、〈AMC〉のアンソロジー・シリーズ『The Terror』の第1シーズンの作曲家として在任中に作曲および制作した音楽を収録。流麗なポスト・クラシカル・アンビエントとしても、弦楽器への解釈としても秀逸な一枚。漂白されたサウンドスケープが確かに、緩やかに感情を揺さぶり、鎮静された穏やかな情景が魂の中に広がっていくかのようです。限定300部。
名手Andrew Peklerとの共同プロデュース作品!Giuseppe Ielasi主宰の〈Senufo Editions〉や〈enmossed〉〈13〉といった各地の実験的レーベルから作品を送り出してきたカナダのメディア/サウンド・アーティストであり、自身はオーディオビジュアルレーベル〈Graphical〉を運営しているMark Templetonによる最新アルバム『Two Verses』が、Jan Jelinekの〈Faitiche〉よりアナログ・リリース。物音系以降、という呼び方が相応しいと感じられる、テープ・ミュージックとしてのコラージュの質感や甘やかに加工された物音、それらを貫くように一貫して流れるアンビエントが美しい、近年でも稀有な質感を持つコンクレート作品。Giuseppe Ielasiによるマスタリング仕様。〈Muscut/Shukai〉主宰のDmytro Nikolaienkoによるデザイン。限定300部。
Brian EnoのObscureレーベルからリリースされる予定だったベルギー産宅録ミニマル・アンビエントの傑作を残したDominique Lawalréeの編集盤でも知られるCatch Wave Ltd.から2016年にアルバムを発表しているアメリカ出身現在オランダ・ハーグ在住の作曲家/パフォーマーのLeo Svirskyによる3年ぶりの新アルバムがUnseen Worldsから堂々リリース!今年聞いた作品の中でもトップクラスの素晴らしさです!2台のピアノによる演奏を土台に、ストリングスやトランペット、エレクトロニクスが嫋やかに交差していく至福のアンビエント・クラシカル大傑作。ちょっとこれはあまりにも美し過ぎて彼岸へと飛んでしまいそうですね。
未体験の方はこの機会にぜひ。ニューエイジ/アンビエント・リスナーにも必聴の一枚!ドイツのミュージシャン/作曲家のDaniel Rosenfeldが変名C418で残した『マインクラフト』の画期的サントラ盤『Minecraft - Volume Alpha』がアナログ・リプレス。壮大なサウンドトラックと鮮やかなサウンドデザインを作り上げ、マインクラフトのボクセルベースの世界へと新たな命を吹き込んだ、ビートレスで繊細なエレクトロニック・ミュージック大傑作!エリック・サティやブライアン・イーノとも比較される繊細なピアノとまばらなアンビエントモチーフによる穏やかで幻想的なサウンドスケープは恍惚ものです。
アンビエント殿堂入りとも呼べる、William Basinskiの2003年発表の傑作が待望のリマスター再発。元は80年代に録音していたものを集め、自身のレーベルから発表していたCD-R作品。ピアノやサックス、テープのループから生み出される空間はどれも憂鬱ともなう小さな響きでいて、それらが何曲も集まることで退廃的で静謐な美しさが広がります。マスターピース!
12月中旬再入荷。今年度最高峰のアート・ポップ/モダン・クラシカル作品!デンマークの作曲家Astrid Sonneの3枚目のフル・アルバム『Great Doubt』が、IceageやLissなどのリリースも知られる同国のインディペンデント・シーンを代表する名門〈Escho〉から登場。高く評価されているそのディスコグラフィーを通して、電子楽器とアコースティック楽器の試みを通して、様々なムードを注意深く作り上げてきた人物。本作では、これらのスキルがより洗練された事で、今度は作曲者自身のボーカルが前面にはっきりと現れたものとなっています。
作曲家の幅広い影響と、サイトスペシフィックな作曲に対する独自のアプローチを野心的に凝縮したBilly Bultheelによるデビュー・ソロ・アルバム『Two Cycles』がベルリンのアンダーグラウンドシーンの牙城こと〈PAN〉よりアナログ・リリース。インダストリアル・ミュージックやメタル、中世やバロックのポリフォニーなどからのインスピレーションが詰め込まれたモダン・クラシカルの逸品!2016年から2023年の間に制作された作品を集めた本作は、Bultheelの幅広いパフォーマンス実践と、Anne ImhofやJames Richardsといった最先端のヴィジュアル・アーティストとのコラボレーションの力強い証となっています。