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Echospace/cv313のStephen HitchellがVariant名義で残した2009年の名作『The Setting Sun』が最新リマスターで2LPとして再発。ベルリンの嵐のフィールド録音、成田空港の列車音、アナログシンセやアウトボード機材を用い、コンピュータを使わずに制作されたという背景を持つ本作は、ダブテクノの文脈にありながら、より深いところへと沈み込む。冒頭「As Time Stood Still」から広がるのは、分厚い倍音がゆっくりと揺れ続ける巨大なドローンの雲。音はほとんど動かないのに、内部では微細な変化が絶えず生まれ、アナログ制作ならではの温度感やざらつきがそのまま音楽の一部となり、冷たさよりも手触りを感じるドローン/アンビエントに仕上がっている。「A Silent Storm」「Someplace Else」では、メタリックなディレイや微細なキックの残響が静かに浮かび上がり、Echospace〜Deepchord系の美学が深層で息づく。長尺構成による風景がゆっくり変わる感覚も本作の魅力で、特に終盤「Adrift」は深海へ沈んでいくような静謐さと孤独感が際立つ。
Ocora名盤再発!仏教伝来以前からといわれるチベットの古来の宗教、ボン教に伝わる儀礼のための音楽の実況録音盤。1983年初出アルバムの再発売。
01 Chant dedicated to the protective divinity Midü 守護神ミドゥのための聖詠
02 - 13 Nag-zhig’s propitiatory ceremony (nag-zhig bskang-ba) ナグ=ジグ鎮魂(贖罪)祭
14 Tea Offerings (ja-mchod)
供茶
15 Drum-beating in Praise of Shenrab (gshen-rab mchod-rgna) シェンラブを讃える太鼓
録音:1981年3月、1983年4月 チベットでの儀礼の実況録音
フランスの民族音楽名門レーベルOCORAからタントラ(悟りを実現させるための実践)の場であったギュト寺院の聲明の録音が待望の再プレス!!
何十万というチベット人が亡命を余儀なくされた出来事が起こる前の1970年代初頭、ギュト寺院の僧侶約100名がインドに亡命しました。本来、外の世界に出すものではないと思われる聲明ですが、その伝統が消されるのではないかという危機感からか、彼らはその後、外国での客演、録音を数多く行うようになりました。この録音はその最初期である1975年のパリで行われたライブ録音です。
鐘の音や禁欲的なチベットホルンの音、打鳴らされる太鼓、人間とは思えない野太い低音と宇宙的なものを感じさせる倍音が重層的に響くさまは、一聴するとあまりにも厳しい音世界ですが、深く瞑想するように聴き入っていくと、次第にあらゆる余分なものが消失してゆき、やがてそれは一つの調和として立ち現われ、一種のトランス状態に至るとんでもない内容!没入の強度と深度が違います!!
各地の伝統録音をきく方や、音楽を探求するかたにはもちろん聴いていただきたいですが、ダーク・アンビント/ドローン、インダストリアルなどがお好きなかたにも、ぜひ一度きいてみていただきたいと思います。日本語解説付
Disc 1
「秘密集会」ないし「秘密の単一」タントラ/ 文殊菩薩の忿怒の現れたるヤマーンタカの儀式における灌頂の抜粋/ 奉献の儀式、ラプネーの抜粋
Disc 2
大黒天/黄金の献酒/吉祥の祈り

アメリカのミニマリスト詩人ロバート・ラックスによる詩の朗読を中心に構成されたサウンド・ポエトリー作品『Living in the Present』。1990年代にギリシャ・パトモス島で録音された音源をもとに、電子音響とフィールド録音、トランペットが繊細に絡み合いなだら、彼の静かな語りが展開され、静けさと言葉の余白を重視した詩の世界が音と共に穏やかに広がってゆく瞑想的な空間を生み出す。言葉と音が互いに干渉せず、静けさの中で共存する構成が印象的で、今この瞬間、というテーマが、音と語りを通じて穏やかに伝わってくる。音楽というよりも詩と環境音の対話ともいうべきもので、詩の余白と音の静けさが溶け合い、聴くという行為そのものに深い気づきをもたらす、稀有な音のドキュメント。
音楽家・大野慎矢によるソロ・プロジェクト KiMiMi が、東京・三田に位置する建築家・岡啓輔による20年のセルフビルド建築「蟻鱒鳶ル」に宿る時間の層と人々の気配を音として掬い上げ、音楽として再構築した作品『ИМА(イマ)』。
ブルガリアで学んだガイダ(バグパイプの祖先楽器)を軸に、多彩な楽器を自在に操るマルチ奏者のKiMiMiは、これまで旅先で録りためた生活の痕跡や民俗的な旋律を宅録というスケールに持ち帰り、カセットテープ作品や舞台音楽などを通して幻想的なフォークロア音響を紡いできました。
その音楽活動の傍ら、「蟻鱒鳶ル」の建築作業にも参加し、現場で響くハンマーや鉄骨の音、昼休みの雑談、誰かが奏でた楽器の旋律、通りを走る車の音などを記録してきました。 2022年末からは、この建築を題材にしたZINE『月刊 蟻鱒鳶ル売り鱒』が始動。KiMiMiは毎号寄せる音楽作品にこれらの録音を取り入れ、ガイダをはじめ、アコーディオン、ギター、笛、ウクレレ、ピアノ、足踏みオルガン、鍵盤ハーモニカ、シロフォンなどの生楽器、そしてシンセサイザーの音を重ね合わせながら、現場の湿度や呼吸が刻まれたサウンドスケープを形にしています。
KiMiMiの創作は、計画的な構築よりも、偶然や直感、そして時間の流れに委ねる姿勢に貫かれています。断片的な録音を重ね、時間を置き、再び掘り起こす。その繰り返しの中で、音楽が自然と形を成していきます。それはまさに、あらかじめ図面を用意せず即興的に層を重ねあわせ、つくりあげられていった蟻鱒鳶ルのプロセスと共鳴します。
『ИМА(イマ)』は、KiMiMiの音の旅の現在地であり、建築と音楽、記録と創作、個と共同体の境界を軽やかに越えていく試みです。都市の喧騒、手作業の静けさ、笑い声、蟻鱒鳶ルの現場に響くあらゆる音たちが、KiMiMiの音楽と溶け合い、人が生きる時間そのものを映し出しています。
科学者であり芸術家でもある Patrick Lysaght が、リオ・グランデ動物園の熱帯雨林バードハウスで42種150羽の鳥たちと共に演奏したという、前代未聞のセッションを収めた作品『For the Birds』。フルートや弦楽器、打楽器の響きに、鳥たちの声や羽ばたきが自然に溶け込み、人間と動物が対等な存在として関わり合う、奇跡のような音世界が広がる。偶然性と野性味が交差しながらも、どこか調和のある独特の世界は、フィールドレコーディングともアンビエントとも異なる、唯一無二の魅力を放っている。オリジナルテープはGiuseppe Ielasiによって丁寧にマスタリングされ、当時の空気感や鳥たちの細やかな反応まで鮮明に蘇る。自然と人間の境界が溶ける瞬間を捉えた、奇跡的なドキュメント。アイデアの面白さもさることながら、そこにはっきりと聴くことのできる鳥たちとの交感は、静かな祝祭性すら宿り、深く心に残る一枚となっている。

Tomoko SavegeやRos Bandtなどのファンにもお薦めな地質学と旧石器時代のポリフォニー!〈Black Sweat〉や〈Die Schachtel〉〈Soave〉〈Archeo Recordings〉といった自国レーベルを中心とした発掘作業により10年代中盤から後半にかけて再評価が進展したイタリアの地下/前衛音楽。その命脈の中心部に位置し、Aktuala、Art Of Primitive Sound、Futuro Antico、Gruppo Afro Mediterraneoといったイタリアの名だたる名グループで活躍した孤高のフルート奏者、Walter Maioliが1985年から2002年にかけて残した録音物を収めたアルバム『Caverne Sonore』が、〈Black Sweat〉と〈Holidays Records〉の共同でアナログ&CDリリース。巨大な地底湖での水の滴りや鍾乳石、石灰岩といった天然の音響空間と対話する、オルガン、グロッケンシュピール、木琴、石のマリンバなどの演奏による「地球の中心への旅」ともいうべき壮大な作品。

視覚や聴覚から風景を知覚する方法を探り、フィールドレコーディングによる環境音を、ドローイング、テキスト、光など視覚的な要素と組み合わせ、サウンド・インスタレーションや絵画作品、映像作品、パフォーマンスなどを制作し国内外で発表してきた上村洋一。京都岡崎のギャラリー〈hakari contemporary〉が出版する本作では、上村がレジデンスや旅を通じて世界各地で録音したフィールドレコーディングを中心に構成されたサウンドスケープに焦点を当てている。主な作品には、知床の流氷、アイスランドの氷河、アマゾンの熱帯雨林、世界最大の滝イグアス、スイス・アルプスの湧水、京都の地下を流れる琵琶湖疏水、そして満月と新月の夜に世界各地で録音された海の音に基づいたサウンド・インスタレーションが含まれている。空間全体に共鳴する流水の低周波サウンドスケープとともに、上村の旅の過程で捉えられた水にまつわるイメージが、森のようなインスタレーションとして提示されている。イングランドの音楽家・キュレーター、デヴィッド・トゥープによるエッセイと、展覧会キュレーターでもある黒沢聖覇によるエッセイが収められたブックレットも付属。限定200部。
ナンと2000万ストリーミング再生されたというしー辰屈指の人気作がリプレス&LP化!Meditationsでも大大大ベストセラーだった、Will Long名義での良好アンビエント x ハウス作品も知られる東京在住のCelerとシカゴのForest Managementという2人のアンビエント作家が、2018年にオークランドのニューエイジ/アンビエントの聖地〈Constellation Tatsu〉から発表した作品『Landmarks』が待望のカセット/アナログ再発!Paul Therouxの小説『The Mosquito Coast』と、Peter Weirによる 1986 年の同作品の映画化にインスピレーションを得た珠玉のアンビエント/ドローンを全14曲収録。
オリジナルは2枚のレコードにわかれ、David ToopのレーベルQuartz Publicationsから77年と79年に発表。パプアニューギニアに伝わるフルートの演奏を、その土地の空気もきりとってフィールドレコーディングした大名作が、セットになって再発です!!異人の儀式をおもわす打楽器の不思議さや、昆虫や草木の生活風景が漂ってくるありのままな感触につつまれ、このフルートの響きがとにかくすばらしい。抜けていく音は通常の『演奏してます』という概念からは別の次元にあり、奏者の口の形がそのまま竹をとおってでてきたような、目の前の人や自然との意思疎通のような、普段生活していて考えもつかないような、おもしろいものばかり!

佐渡島の住環境に暮らす作家10組によって紡がれていくオブスキュアなサウンド・ドキュメンタリー。
現在も数多くの能舞台が各集落に残り、海山に囲まれた豊かな自然とともに能楽や鬼太鼓が今も生活に息付く佐渡島。今作は島の文化や風土を暮らしの背景に持ちながらも新たな創造の息吹を感じさせる、2025年に現存する佐渡島の音楽と人々を記録するために制作されたコンピレーション・アルバム。伝統を超え新たな地平を切り拓く太鼓芸能集団・鼓童の重要人物である「住吉佑太」と「前田順康」によるそれぞれのソロ、佐渡に自生する孟宗竹から竹太鼓を自作し独自のグルーヴを創出するグループ「サドラム」、ポップスから前衛まで多才な作曲センスを魅せる音楽家・佐藤望による「プランタール」、佐渡でレストラン<ラ・パゴッド>を営み食とアートの融合を試みるシェフ/美術家「ジル・スタッサール」、世界中の試し書きをアート作品へと昇華させる美術家であり能を題材としたアンビエント・ミックスを制作する「シャルル・ムンカ」、さどの島銀河芸術祭を先導しつつ自らも先鋭的な現代美術家として活動する「吉田盛之」、独創的な視点と美学を持った絵画や実験音楽の制作を行う「青木孝太」、90年代より音楽活動を開始し近年はラップトップを用いた新たな作曲の可能性を拡げる「福西みゆき」、ウクレレ奏者のユカとジョン・ゾーン主宰のTzadikからのリリースでも知られるベース奏者シャニール・エズラ・ブルーメンクランツによるユニット「ザ・フグ・プラン?」と総勢10組がここに大集結。更にジャケット写真には佐渡在住の写真家/僧侶である「梶井照陰」が撮影した踊る佐渡の海波を捉えた「NAMI」を起用し、ライナーノーツには美術批評家でありさどの島銀河芸術祭アドバイザーを務めている「椹木野衣」が執筆するなど、作品を構成するもの全てが佐渡ならではの人々によって制作された、佐渡の<現在>をも示す渾身の1枚。
+ 初版限定300部
+ ライナーノーツ:椹木野衣
+ カバー写真:梶井照陰
【トラックリスト】
A1 Sadrum - Kagero
A2 Yuta Sumiyoshi - Singing
A3 plantar - Subtle Whisper
A4 Gilles Stassart & La Pagode - Golden Galette
A5 Charles Munka - Holloways
B1 Morito Yoshida - Denpa
B2 Kota Aoki - Kyou
B3 Miyuki Fukunishi - From The Northwest
B4 the fugu plan? - YOSHITAYA
B5 Masayasu Maeda - 37.813, 138.270
〈Resident Adviser〉の「15 East African Artists You Need To Hear」にも選出!東アフリカは、ケニア・ナイロビ出身の要注意なサウンド・アーティスト/プロデューサー、Joseph KamaruことKMRUが、現代実験電子音楽の大名所〈Editions Mego〉から2020年に発表していた名作がリプレス。まさにフィールド・レコーディング・テクニックと電子アンビエンスの奇跡的なミックス!ついうっとりとさせられる耽美に抑制されたサウンドスケープ、限りなく素晴らしいです。今年の3月にカナダ・ケベック州モントリオールへと旅し、コロナ禍で国境が閉鎖されたことでナイロビへと帰国していた最中に制作された一枚。環境音楽的なミニマリズムや静けさを愛でる風趣さえも抽象的なドローン/サウンド・アートのストラクチャーへと落とし込んだ傑作アルバム!Stephan Mathieuの手により〈Schwebung Mastering〉にてマスタリング。

1973年にバンクーバー美術館で開催された音響彫刻の展覧会"Sound/Sculpture”。この展示のオーディオカタログとして1975年に出版された、音響彫刻に関する重要書籍"Sound Sculpture”の編集者であるJohn Graysonと米コンポーザーDavid Rosenboom監修によるブックレット付きLP作品[The Sounds Of Sound Sculpture]。この分野のパイオニア的存在であるBaschet兄弟、Sonambientシリーズで知られるHarry Bertoiaの有名彫刻をDavid Rosenboom、John Graysonらが演奏した稀有なテイクや、60年代からキネティック彫刻の創作に着手したStephan Von Hueneの希少な録音、ニューヨークのサウンドアーティストDavid Jacobsの重厚な空気圧システムなど、視覚的にも惹きつける歴史的音具の記録を写真や資料と共に網羅。
David Rosenboomによる2024年リマスタリング音源を収録。LP版には音具の詳細を記した210 x 210サイズの12ページブックレット、DLコードが付属。

1973年にバンクーバー美術館で開催された音響彫刻の展覧会"Sound/Sculpture”。この展示のオーディオカタログとして1975年に出版された、音響彫刻に関する重要書籍"Sound Sculpture”の編集者であるJohn Graysonと米コンポーザーDavid Rosenboom監修によるブックレット付きLP作品[The Sounds Of Sound Sculpture]。この分野のパイオニア的存在であるBaschet兄弟、Sonambientシリーズで知られるHarry Bertoiaの有名彫刻をDavid Rosenboom、John Graysonらが演奏した稀有なテイクや、60年代からキネティック彫刻の創作に着手したStephan Von Hueneの希少な録音、ニューヨークのサウンドアーティストDavid Jacobsの重厚な空気圧システムなど、視覚的にも惹きつける歴史的音具の記録を写真や資料と共に網羅。
David Rosenboomによる2024年リマスタリング音源を収録。12ページブックレットが付属。
音による彫刻の先駆者として知られる1970年代から活動するアメリカのサウンドアーティスト Bill Fontana で、の初期作品をまとめたアーカイブ集『Early Works』。環境音、都市のノイズ、自然の響き、機械音といった世界そのものの音を素材に、音の配置・距離・時間の流れを使って空間を再構築する彼の初期思想がよく表れている。フィールドレコーディングによって音が持つ場所性や出来事性をそのまま作品として提示しようとしており、音楽的なメロディやリズムはほとんどなく、代わりに、風景の中で起きている音の関係性や、聴く位置によって変わる感覚がそのまま作品の構造になっている。日常の中に潜む音のレイヤーがそのまま作品として立ち上がり、世界を聴き直す機会となる一枚。限定232部

イタリアの音楽家で洞穴学者でもあるMariolina Zittaによる、洞窟内で録音された神秘的なリチュアル・サウンドスケープ作品『Concert For Bats, Voices And Natural Sounds』。コウモリの鳴き声を特殊センサーで収録し、自然音と融合。使用楽器は石、鍾乳石、丸太、骨笛、チベタンベル、マウスボウ、ディジュリドゥなど、原始的かつ儀式的なものばかり。洞窟内の水滴音、足音、川のせせらぎなども取り入れ、自然環境そのものを楽器化。声のオーバートーンや洞窟の儀式的な響きが加わり、神秘的で没入感のあるサウンドスケープを形作っている。洞窟と、夜の神秘を象徴するコウモリを讃える儀式的作品。

アムステルダムを拠点に、1990年代初頭から音楽、演劇、映画、サウンドデザインといった多岐にわたる分野で活躍するBJ Nilsenは、フィールドレコーディングや環境音響、そして音の持つ心理的な側面に長年関心を寄せ、北極圏の鉱山や都市のサウンドスケープなど、自然環境と工業地帯の両方を行き来しながらさまざまな場所で音の探求を続けている。本作『True than Nature』は、日常や環境の音を繊細な電子操作によって昇華させた作品で、工場や電線などから発せられるハミング、エコー、労働の音、物質のテクスチャを感じさせる音といった、普段見過ごされがちな音そのものが持つ本質的な特性に焦点を当て、それらを抽象的で絶えず変化するサウンドスケープへと変貌させている。Nilsenは、意図的に音源の場所や録音技術の詳細を明かしておらず、リスナーが先入観にとらわれず、深く音と向き合うことを促している。知っている世界と想像上の音の可能性との境界を曖昧にし、「今、自分が聴いているのはどんな世界なのだろうか?と内省することを促されるような作品。

民族音楽学や人類学、宗教、歴史を専門に研究、人間の文化的な多様性、またその重要性を記録し独自の発信を行なってきたオランダの出版社Sound Reporters。ここより1988年にカセットフォーマットにてリリースされた、エーゲ海キクラデス諸島の一つであるギリシャ領”アモルゴス島"のフィールドレコーディング。数年間現地に居住していた画家Harry Van Essenがサウンドスケープを収集、Sound Reportersの創設者であり民族音楽学者のFred Galesがミックスを担当した共同作品。島の北東部に位置する港”エギアリ”近辺のサウンドをスケッチ的に結合、前半部では海の音と大衆音楽が交互に流れ、詩の朗読、漁船の音、ボードゲームを楽しむ人々、祝宴の会場と、人々の生活に根差した音風景が展開。村を通り抜け山へ登る後半部では人々の日常風景に加え、コオロギの鳴き声、ミツバチの羽音、放牧された大量のヤギが奏でるカウベルなど、島本来の素朴な環境が現れる。
リマスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。LP版にはオリジナルのテキスト(各録音のロケーションを細かく掲載)をプリントしたA4サイズのインサート、DLコードが付属。
2010年夏、東京・高円寺阿波おどりを久保田麻琴による録音で発売した『ぞめき 壱』。根強い阿波おどりファンだけでなく、ワールド・ミュージック・ファンからクラブ系音楽ファンまで多くの反響を受け大ヒット。「ぞめき」シリーズはこれまで8作のCDをリリースした。
本作は、この「ぞめき」シリーズの番外編。12インチ・シングルとして初のアナログ化。
A面は、1968年に爆誕して以来、半世紀以上に渡って一拍子系の雄として阿波踊り新世代に影響を与え続けた苔作。
鉦の谷幸治連長時代の高円寺での演奏。華やかだがそのストイックな演奏は追随を許さない王者の貫禄だ。街の反響と熱狂する客たちの反応も爆音とともにしっかり録音された。
続いてB面は、去年他界した柳町春雨率いる新町橋よいよい囃子と独特のグルーブで知られる眉月連とが合同セッションしたレアなライブ音源。半世紀の間、桟敷席ではなく広場で、まるでジャマイカのダンスホールのような状態で客たちを踊りの渦に巻き込んできたよいよい囃子。一方最もディープなノリを誇る眉月連のグルーブは、ロックドラムの創始者、Earl Palmerのような躍動感と驚異の正確さだ。
ROLAND R4という録音機、それとハンドマイク、SONY ECM 999 で久保田麻琴により2010年代に録音された。行進する連と動く録音なので、時間と共にバランスが変わっていく面白さが堪能できる。
レトロなカバー写真は、今年3月、新宿オリンパスギャラリーで写真展「ぞめき」を開く気鋭のカメラマン、平良博義の2024年の作品。
■収録楽曲:
Side A
1.苔作(桃園 高円寺)
Side B
1.新町橋よいよい囃子 with 眉月連(新町橋 徳島)

ヴァージニア州、メヘリン川沿いに残る18世紀の酪農農場。2023年9月、この場所にノースカロライナ周辺の音楽仲間9人が集まり、家の居間と食堂を即席スタジオに仕立てて録音したアルバム『Diamond Grove』。Weirsは固定したメンバーを持たず、オールドタイム音楽とDIYノイズを自由に横断する共同体的な集団で、ここではSluiceやMagic Tuber Stringbandの面々を含む編成で、夜が更けるまで古い歌や旋律に取り組んでいる。彼らは、忘れ去られそうな古い楽曲を収集し、Guided by VoicesのようなインディーロックからJean Ritchieのようなフォークまで、幅広い影響を融合させており、その音楽は伝統を保存するのではなく、伝統をどう生かすかを問い直すもので、古い賛美歌をMIDI化してiPhoneスピーカー越しに鳴らし直したり、ゴスペルを納屋の残響ごと封じ込めたりと、音の場そのものを演奏と同等の要素として扱っている。その結果、古い旋律は再現されると言うよりも、今この瞬間にふっと立ち上がって、リスナーの前に姿を現すのように響く。本作は、農場の古い建物、土地の記憶、夜の虫の声までが音楽の一部になっており、トラッド/フォークの純粋性を疑いながら、それでも歌の命脈をつなぎ、今日の耳にどう届きうるかを模索している。その本質はフォーク・リヴァイヴァルよりもむしろミュジーク・コンクレートやローファイ実験音楽の感覚に近いもので、アウトサイダー・フォークの系譜にありつつ、地域性と現代感覚を交差させたユニークな一枚。

〈12k〉〈LAAPS〉〈IIKKI〉〈The Trilogy Tapes〉 などからのリリースで知られ、東京を拠点に、サウンド/ドローイング/インスタレーション/映像を横断するアーティストAkhira Sanoによるグロッケンシュピールとフィールドレコーディングのみで生み出されたミニマル・アンビエント傑作『To Material Past』がUKの〈SWIMS〉より50本限定のカセットとして登場。グロッケンシュピールの透明な響きと、環境音の柔らかなテクスチャが溶け合い、時間の流れをゆっくりとほどくような音世界が広がっている。静けさの中に微細な変化が漂う、白昼夢のような作品。

〈eilean rec.〉や〈IIKKI〉といった人気アンビエント・レーベルから作品を送り出してきた新潟生まれ、ニューヨーク/アイスランド在住の作曲家Masaya Ozakiによる最新アルバム『Mizukara』がフランスのアンビエント/ドローン聖地〈laaps〉よりアナログ・リリース。フィールド・レコーディング、エレクトロ・アコースティック、テクスチャーを駆使し、アンビエント・レンジに卓越したそのサウンドの多様性に浸る事のできる珠玉のアンビエント/エクスペリメンタル作品。手製ナンバリング仕様。限定250部。

AktualaやFuturo Anticoで知られるイタリアの音楽家Walter Maioliとオランダの電子音楽家John Zandijkが1980年代にロッテルダムで深夜セッションとして録音した民族音楽的要素と電子音響を融合させた、コズミックで儀式的な音源を〈Black Sweat Records〉が発掘、初めてヴァイナルでリリース!霊的エネルギーがピークに達する午前3時以降にのみ録音、即興的アプローチで制作。民族楽器と電子音響、フィールドレコーディングによる環境音も取り入れ、古代のピラミッド、熱帯雨林、宇宙からのインスピレーションを音像化。サイケデリックな要素や、民族音楽的世界の探求も感じられる異空間に漂うような音響世界。
