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Andrew Peklerによる幻想的な音響世界を深く探求する作品『New Environments & Rhythm Studies』が〈Faitiche〉より登場。長尺で没入的なコンポジションと、短く断片的なスケッチ風トラックに分かれ、人工的なフィールドレコーディング風の音響や滑らかな電子音テクスチャ、ゆらぐパーカッション、そして穏やかな旋律を自在に交差させている。この作品の核心にあるのは、自然と人工の音の関係性で、たとえば「Globestructures」や「Cymbals In The Mist」などでは、生態音のように聴こえるが、実際は完全にシンセサイザーで構築された音響環境。一方で、「Cumbia Para Los Grillos」や「Fabulation For K」では、コオロギや昆虫の音を録音・ループしてリズムのトリガーとして使い、そこにメロディーを重ねることで、有機的でありながらどこかズレたビートを生み出している。収録された6つの「Rhythm Studies」もまた、自然音と電子音の境界を遊ぶようなアプローチで、音楽とフィールドレコーディングの区別を曖昧にしている。全体としてこのアルバムは、エキゾチカや民族音楽学といった、西洋的な視点から他文化を“再現”しようとした過去の音楽スタイルを、あくまで想像の産物として再描写しようとする試みだとも言えて、実在しない場所の音、存在しない環境のリズム。それらを丁寧に、しかし大胆に構築し直したサウンドは、想像力と耳を刺激する作品になっている。

激激高内容です。未体験の実験音楽マニアの方は是非!スウェーデンのカルトレーベル〈Discreet Music〉傘下の〈I Dischi Del Barone〉や〈Students Of Decay〉といった実験系のレーベルからも作品を発表してきた、豪州の作家Mark BarrageによるプロジェクトBlue Chemise。2017年に限定105部のプライベートリリース作品として発表されていたデビューLPであり、現在大変入手困難となっている非常に人気の高いアルバム『Influence On Dusk』が、ベルギーの〈B.A.A.D.M.〉よりアナログ再発。荘厳で神秘的なアトモスフェリック・ドローン/アンビエント・サウンドから、時には不気味なサウンドコラージュ/エレクトロアコースティックでのシュールな世界観まで、独特の音楽的サイクルを形成した、極めてミステリアスで魅惑的な逸品。Christophe Albertijn によるリマスター サウンドと最新のアートワークを起用。限定300部。

Sa Paがキャリア初期にあたる2015〜2019年にかけて練り上げた未発表音源集が、Matthew Kentの新レーベル〈Short Span〉から『Ambeesh』として登場。彼の代表作『Fuubutsushi』やデビュー作に通じる、ダブ・テクノとフィールド録音を溶け合わせた音響の詩法は健在で、大気圧の変化に身を委ねるような没入感が全編に漂っている。クラブ的実験性と親密なヘッドフォン向けリスニングとの境界を溶かし続けるSa Paならではの語法で、時間と身体にじんわり染みてくる音の手触りが魅力的。常にゆるやかに変化し続ける構造、聴覚の焦点がぼやけてくるようなガーゼ状のテクスチャ、薄明かりの中で微細に動く音粒子、音の奥行きや余白に意識が引き込まれる感覚。それらはまるで真夜中に一人歩いているときに、自分の足音だけが確かに聞こえてくるような、感覚の内側をなぞるような体験。Topdown Dialectic、Vainqueur、Chain Reaction周辺のミニマル/ダブテクノに共鳴する、極限まで削ぎ落とされた音の彫刻作品。ダンスミュージックの輪郭が溶け落ちる寸前をとらえた、静かで強烈な一作。


日本と世界の音楽を土着的な視点からクロスオーバーしてきた日本屈指のインディペンデント・レーベル<Crosspoint>主宰。独自のワールドビーツ・サウンドを確立する東京出身のプロデューサー/DJのJ.A.K.A.M.が2023年にCDリリースした名作アルバムが豪華仕様でアナログ化!
コロナが始まった2020年、インド、ケララ州で録音された密林の環境音と、
2023年に今も自爆テロが起こる混沌とした荒地パキスタンのカラチ、ラホール、ペシャワールで録音された伝統楽器を、エレクトロニクスとコラージュし、作り上げた近未来アジア音楽は、アラブ、アフリカまでもが不思議と溶け合い、アスファルトの上に生きながらも、元来の土の匂いを感じさせる唯一無二の作品に!
しっかりとモダンなダンス/クラブミュージックの様相を取りながらも、
そのビートの上で鳴り響く、現代では失われつつある伝統楽器の音色が、
リスナーをイマ、ココでは無い、失われていた記憶のどこかへと誘うことでしょう。
Modern Traditionalというテーマで制作された新たなワールド、サイケデリックミュージックの指針となるであろうこの金字塔的作品は音質にこだわり、2枚組という仕様にすることで、ディープリスナーからDJまで、そのダイナミックかつ繊細な音の渦を楽しめることでしょう!
Texts for Album Release
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1980年代の初めから終わりにかけて姿を現した新しい美を纏ったダンス・ミュージックは、世界を覆っていく運命の下にあった。それは冷戦の果てのときの裡にテクノロジーと遭遇し、うねりと共にそれまでの世界の聴き方と奏で方から離れていった。1990年代の半ばに東京のシーンに彗星の如く相剋するリズムをもって顕れたJUZU a.k.a. MOOCHYことJ.A.K.A.M.は、そのことをこの国で最も顕著に体現してきたアーティストではないだろうか。まだ多くがその音色を知らぬテクノロジー、インストゥルメント、リズム、テクスチャー、すなわち、彼の軌跡とこの作品にあるよう、新しい美の構造は必ず見慣れる風景を見出し、新しい現実を構築する。2024年にこのアルバムがリリースされたことを見逃してはならないと思う。
荏開津広(ライター)

人気作家claire rousayとGretchen Korsmoの共作による『quilted lament』がスロバキアのレーベル〈mappa〉より登場。まどろむような夢と、現実の曖昧な感覚が溶け合うような、繊細で私的な音楽。ポラロイド写真のように色褪せたメロディと、生活の断片を拾ったフィールド録音が交錯し、まるで誰かの家の窓越しに世界を覗き見しているような、静かで親密な時間が流れる。制作はふたりが別々の場所で重ねた音源のやりとりによって行われたが、そのサウンドは驚くほど自然で、互いの感情や音楽的感性が直感的に溶け合っている。どちらの手による音なのか判別がつかないほどに、ふたりのサウンドは縫い合わされ、静かな連続性を持った小さな交響曲のように響く。かすかに揺れるピアノ、囁くようなボーカル、洗濯機の音、通りすがりの会話、誰かが桃を食べる音など、多国籍の都市や家庭で収録された環境音。日常のかけらが繊細にレイヤーされ、どこにもない風景を形作っている。感情の深さを根底に持ちながらも、不思議と穏やかで、安らいでおり、内省と親密さに包まれた、現代の実験的DIY音楽におけるささやかな宝石のような一作。

8月中旬再入荷。Pitaの死後、〈Editions Mego〉から運営を引き継いだ〈Shelter Press〉がキュレーションする、〈INA-GRM〉の遺産とその後に焦点を当てた〈Portraits GRM〉シリーズからの最新タイトル!それぞれカナダの実験的作家であるMichelle Helene Mackenzieと、Olivia Blockによる作品を収録したスプリット・アルバム。Stefan Maierらによる共作は、建設中に事故が相次ぎ廃墟となった台湾の有名なスポット・三芝ポッド シティからインスピレーションを得た神秘的な作品。Olivia Blockサイドのエレクトロアコースティック作品は、メキシコの都市、サン・イグナシオ・ラグーン(バハカリフォルニア)でのフィールド・レコーディングと合成音を駆使し、太平洋のコククジラやその他の種の生存に対する人類の脅威について考えさせる内容となっています。

イタリアはローマを拠点とするLuca Quartaroneのデビュー作『mathematical model 0010』が〈Objects & Sounds〉より登場。本作は、日本を旅した際に録音した環境音をもとに作られた、静謐なアンビエント作品。日常の音の断片を素材にしつつ、そこから抽象的で広がりのある音響世界を描き出している。アルバムタイトルは、神奈川・小田原の江之浦測候所で見た杉本博司のランドアート作品に由来しており、この作品にある「無限に収束し続けるけれど決して交わらない超曲率の金属面」のイメージと同様に、音楽もまた、日常のささやかな瞬間から無限の広がりを感じさせる。アンビエント、エレクトロアコースティックとサウンドアート的なフィールドレコーディングが交わり、静けさや余白を重視しつつ、内面の感情や記憶の風景にそっと触れるような音響構築になっている。

アルバム『horizons』は、COMPUMAが2023年7月に自身のBandcampよりデジタル限定でリリースしたEP「horizons EP」をさらに発展させて制作したアルバムとなっており、自身のルーツとなる、熊本・江津湖のほとりや、各地の様々な場所を散策時に、その景色や環境にインスピレーションを得て作られた楽曲で、ミニマルな日常の心地よさをその音へと昇華させたかのような、ゆったりとしたエレクトロニック・ダウンテンポ、 アンビエント、イマジナリーなエレクトロ環境音楽作品となっている。
電子音のうねりが澄み切った空の広がりと湖の景色を横目にゆったりと歩いていく様を表したような「horizons 1」、ヴォコーダー・ヴォイスがどこか人々の営みを彷彿とさせてくれており、歩みのなかの内省にフォーカスしたような、よりミニマルなリズムと電子音の戯れへと絶妙な塩梅で変化させていく「horizons 2」、歩きながらの思索の緩急のような、そして、アーリー電子音楽へのオマージュともとれる「horizons 3」、歩くことに没頭しているかのような、よりストイック・ミニマルなエレクトロ・ダブワイズ「horizons 4」、そして、そしてアルバム・ラストには、広大な空を眺めているかのような、まるで前半部の歩みが淡い記憶として拡張されていく様を描いているかのような、フィールドレコーディングによってそぞろ歩く水辺の気配をまとったノンビート・アンビエント・テイストの、「horizons 5」と、ときに景色と歩くことに没入し、ときに思索にふけり歩き続ける「散歩」の日々のヴァージョンを彷彿とさせる「horizons」5ヴァージョンを収録しており、幕間には「horizons Interlude」を挟んで、たゆたう湖面を彷彿とさせる、前作『A View』収録曲「View 2」のセルフ・リミックス、エレクトロ・ヴァージョン「view 2 electro」を収録した全7曲となっている。
個人的な感想を言えば、どこかクラフトワークの『アウトバーン』を思わせる作品で、かの作品はアウトバーンが走る西ドイツの田園風景をミニマルな電子音による書き割りで描いたわけだが、本作もどこか「散歩」の情景を電子音にて描いているようにも思える作品でもある。とはいえ『アウトバーン』と違うのは、歩みのなかでの内省へも踏み込んでいくような中盤の要素もあり、アルバムを通してさまざまな(心情も含めた)景色を見せる、そんな作品となっている。シーンの潮流たるマクロな視点で言えば、昨今の環境音楽リヴァイヴァルやアンビエント・ミュージックの一般化のなかでの、DJやレコード・バイヤーとして、そうした音楽を長らく紹介してきた彼の新たな回答とも言える作品でもある。
アルバムは、Deavid SoulやUrban Volcano Sound、レコーディング / マスタリング・エンジニアとしても活動する hacchiが共同で制作に関わり、マスタリングは坂本慎太郎ソロ作他、多くの名盤を生み出してきたスタジオPeace Musicの中村宗一郎が手がけている。パッケージ・アートワークは、デザイナー鈴木聖によるもの。(河村祐介)

米国の大人気実験作家Ullaとの昨年のコラボレーション・アルバムが大変素晴らしかった、〈Radio.syg.ma〉の共同創設者としても知られるベルリン拠点のDJ/プロデューサー、Perilaによる最新アルバムが〈Smalltown Supersound〉からアナログ・リリース。極地的環境を彷彿とさせる、荒涼として凍てつく広大なサウンドスケープが、深い内省と愁いを込めつつシュルレアリスティックに展開されていく、破格のエレクトロアコースティック/ドローン・アンビエント作品!名匠Rashad Beckerによるマスタリング仕様。
ギリシャ・アテネを拠点に活動するサウンド・アーティスト、Panos Alexiadisによる新作『Cestrum Nocturnum』が〈B.A.A.D.M.〉より登場。喪失と再生をテーマにした静かな瞑想のようなエレクトロ・アコースティック作品で、ピアノのセルフサンプリング、断片的な声、フィールドレコーディング、儚いデジタルの痕跡などを重ねて構成されており、音のテクスチャは記憶のように層を成しながら、ぼやけた輪郭の中に余韻を残していく。全6曲、暖かくもかすかな光を湛えた音の織物のように展開し、存在の循環性や、暗闇の中にひっそりと息づく美しさを描き出す。

これぞ、まさに憑依音楽。原初の人力テクノ。インドネシアは、西ジャワ州スメダン県にて2024年1月に記録された、あまりにも素晴らしいフィールド・レコーディングを収めたアルバムが〈Hive Mind Records〉からカセット・リリース!ミニマルで反復的なメロディーが徐々に爆発し、その場に居合わせる全ての参加者や聴衆を憑依の世界へ。50 分に渡って、スンダの音楽と信仰文化という2 つの側面が紹介されており、深い精神性と催眠的な魅力に溢れるトランス・ミュージックが展開されていきます。限定100部。
民族音楽老舗Ocora発、68年の出版から今なお愛され続ける大名盤!67年録音、中央アフリカはブルンジ共和国のフィールドレコーディングもの。グナワにも似た弦楽器のブンブン来る怪しげな響き、イヌイットのような独特の唱法など、日本にいてはお目にかかれない素晴らしい録音ばかり。
フランスの民族音楽名門レーベルOCORAからピグミーの決定版として名高い名録音が国内版で待望の再プレス!!
さまざまなピグミー族のなかでも特に高い音楽性を持つアカ・ピグミーは、集団の社会的・宗教的な生活と音楽が密接に繋がっており、音楽のない日はありません。この録音にも、狩りをする前の儀式の歌や、森ではちみつを見つけたことを知らせる歌、狩りの後の祝宴で歌われる歌、歴史や知識など集合的な知を口承で伝えるための神話や物語を、語りを交えながら歌われる歌、死者への嘆きの歌、などなど、CD2枚にわたってまさにタイトルの通りにアカ・ピグミーのアンソロジーといえる内容です。また、録音時期も、1972-1977年と伝統音楽のフィールドレコーディングのまさに黄金時代であり、声とリズムを主体とした非常に密度の濃いディープな演奏が充実の音質で記録されています。アカ・ピグミーのリズムと声が渾然一体となったような複雑で美しいポリフォニーは、なにものにも代え難い魅力が満ちています。日本語解説付
Disc 1
ソボコ(狩猟の出発に先立つ儀式)【キンゴ・ヤモ・エ/ワンゴ/ココラ・エフェセ/ボラ・ボソンボ】 モンゴンビ(狩の呼び声)
ンゾンビ(狩からの帰還の歌)
モンゾリ(象を殺した後の踊り)
モバンディ(蜂蜜の採集に先立つ儀式)【エパンダ/アンゴンガ ‐ エクドゥ・モセケ/エヴェテ・ケレ‐モナ・スンブ‐マ・ ナマ・ディザンバ/ンガンゲレ(嘲りの歌)/エポンガ・モ・ベヴァ・ナ・モクピナ/ロンゴコディ/エクパンドロ ‐ モンビン ヒ/モ・ボマ/ンドシ】
歌を伴う3 つの子どもの遊び【ンゼ・ンゼ・ンゼ/クル・クル/コンゴ・ベレ】 舞踊「ムベンゼレ」のための音楽【ディヴォト/アンドゥワ】
Disc 2
モコンディ
舞踊「ングボル」のための音楽 舞踊「イオンベ」のための音楽【ンドゥダ/ボバンギ】
2 つの歌物語【ニョディ(鳥)/ナンガ・ニンギ(細い体つき)】 ボイワ(死体への嘆きの歌) ボンド(占いの音楽)【ディコボ/ディエ/アポロ】 ココ・ヤ・ンドンゴ
ヤヤ
ムボラ(ヴァージョン1)
ムボラ(ヴァージョン2)

〈Spazio Disponibile〉〈 Editions Mego〉〈light-years〉等からのリリースでも知られる作曲家Grand RiverことAimée Portioliによるマルチチャンネルのインスタレーションやライブ・パフォーマンスとして発表されたこともある作品『Tuning the wind』が〈Umor-Rex〉より36分のステレオ版LPとして登場!Portioliは、ピッチを調整した風の録音を重ね、その録音された風の音にチューニングされたシンセサイザーと融合させることで、荘厳で包み込むようなサウンドスケープを作り上げた。文字通り「風を調律する」本作では、自然と音楽がシームレスに融合しており、一陣の風と楽器から生み出された音との境界は消え去る。風を題材にして、風とともに、人間の芸術性と自然のシンフォニーがひとつになる瞬間を探求するような作品。マスタリングはRafael Anton Irisarriが担当。

日本の前衛を代表する音楽家、多田正美氏(East Bionic Symphonia, Gap, Marginal Consort)や日本の環境音楽の先駆け的存在、菅谷昌弘氏などによる注目作も手掛けた、Yama Yuki氏主宰の東京のサウンド・アート系新鋭カセット・レーベル〈ato.archives〉から最新タイトル。Tetsuya Maruyama氏監修のもと南米拠点の知られざる実験映像作家たちによる音響作品を集めた画期的コンピレーション・アルバム!フィールド録音、テープ操作、電子音響、ドローン、そして土着的リズムやフォークロアの残響が錯綜し、映像的想像力と音の彫刻が交錯する音世界。儀式的でありつつ詩的、そしてラディカル。サウンド・アート、民族誌的実験音楽、ポスト・コロニアルな批評性が交わる唯一無二の記録です!

西洋から遠く離れ、アフリカ、インド、中近東と各大陸を渡り歩き、リズムを手にし、伝統と土着の音楽を学んで渡った音楽仙人。イタリアの国営放送〈RAI〉やラジオ局〈Radio Popolare〉などにも携わったレジェンド=Roberto Musci。〈Music From Memory〉などからの編集盤や再発盤で2010年代に世界的な再評価を浴びたこの偉人による、「旅、民族、神秘主義」というテーマのもと作り上げられたトライバル・アンビエント/サウンド・コラージュの破格の傑作盤が〈Soave〉から登場。ヒンズー教の僧院 (アシュラム) でマントラを聞き、仏教哲学を学びながら過ごす時間の深い意味の探求から、宇宙探査、月や火星への人類の居住まで、イスラムの神秘主義宗教であるスーフィズムが新世界の発見に同行することを想像しながら、人類がどのように生き、新世界に何をもたらすのかを想像する、ムスチ氏の崇高なヴィジョンが秘められた作品です。
1970年以降激しさを増すカンボジアの混乱前に録音された、クメール王朝の伝統を残すカンボジア宮廷音楽の貴重な記録。複数の木琴にゴング、笛や二胡などに女性たちの歌も加わり、ガムランや中国南部の音楽にも通じる、のどかでありながら美しい響き。
録音: 1966-68年…1、2、4、5(mono)
1970年…3、6、7、8(stereo) カンボジア宮廷
Ocora名盤再発!仏教伝来以前からといわれるチベットの古来の宗教、ボン教に伝わる儀礼のための音楽の実況録音盤。1983年初出アルバムの再発売。
01 Chant dedicated to the protective divinity Midü 守護神ミドゥのための聖詠
02 - 13 Nag-zhig’s propitiatory ceremony (nag-zhig bskang-ba) ナグ=ジグ鎮魂(贖罪)祭
14 Tea Offerings (ja-mchod)
供茶
15 Drum-beating in Praise of Shenrab (gshen-rab mchod-rgna) シェンラブを讃える太鼓
録音:1981年3月、1983年4月 チベットでの儀礼の実況録音
アフリカに限らず、あらゆる伝統音楽の記録の中でも最高のものの一つである、中央アフリカ、グバヤ族によるサンザ(親指ピアノ)のOCORA録音が25年ぶりに再プレスされました!
サンザとシェーカーと呟くような歌のみで演奏される音楽は、その構成のシンプルさからは到底信じられない奥深い音世界。虫の声や森の響きがひきたてる静寂の中で、リズムにおいても、音色においても異なるものがお互いを支えあって調和しており、さまざまな要素が渾然一体となり、一粒一粒の音がまるで生まれるのを待っていたかのように姿を現わしてくるさまはとてもリアルでダイレクトな感触があります。キーにくっついた金属片の鳴らすチリチリ音、大きなひょうたんのなかの空間に共鳴して消える響き、浮遊したようなキーそのものの音もすばらしく、音楽の一要素としての音色という概念ではとらえきれない瞬間の強度があります。なにもないアフリカの田舎の村で、自然とともに生きていた人たちの音楽なんだろうな、と思わずにはおれません。普段は民族音楽を聴かない方にも手にとってもらいたい名盤。なくなる前にぜひ!

〈Silent Season〉〈Pole Group〉といった名門からのリリースでも知られ、単なる娯楽やダンスミュージックを超えた独自のビジョンを持ち、無機質でありながら根源的に人間的な響きを持つサウンドスケープを特徴とするベルリンのプロデューサーAlex MoyaによるRefractedの新作『In Veil』がロンドンのミステリアスなレーベルTitrateから180G盤にてリリース。本作には、静かに展開する6つのアンビエント・テクノトラックが収録されておりドローン的な響きの中に、印象的で催眠的なリズムや電子音、異世界的なフィールドレコーディングが溶け込み、幻想的な音世界を作り上げている。時間が伸縮するかのように、シンセのテクスチャーと現実の音が溶け合い、静かに意識へ浸透する音世界。深遠なるアンビエント・テクノ!

2025年リプレス!限定200部クリアヴァイナル仕様。大名門〈Modern Love〉に残した『Liumin』は今や同レーベルを代表する名盤としておなじみ。Stephen Hitchellとの名アンビエント・ダブ・プロジェクト、cv313やWaveform Transmissionなどでの活動も大変名高いデトロイトのダブテクノ/アンビエント巨匠Rod Model。Legoweltとコラボレーションしていた日本人ダブ・プロデューサー、Mystica TribeことTaka Nodaとのコラボ作品『GLOW WORLD』を、イタリアの地下レーベル〈13〉よりリリース。アンビエントとジャズの現代的な邂逅として、ビートレスなダンスミュージック、アンビエント・テクノとして完成度が極めて高く、美しいアンビエンスが幻の景色のように響き渡る優れた一枚。

