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ALFA RECORDS創立55周年企画の一環として、今年2月26日に唯一のアルバム『Apres-Midi』を約40数年ぶりにサブスク・CD・LP(完全生産限定盤)を再発したTESTPATTERN。中でもLPが発売告知と共に予約完売!既に各所にて高額で取引されている中、待望の2nd PRESSが決定!!今回の2nd PRESSは新たに仕様を変え、透明・クリア盤でリリース!
1980年代初頭のYENレーベル(細野晴臣と坂本龍一が設立)から生まれた実験的かつ洗練された電子音楽の代表例のひとつで、都会的でクールなサウンドと、ミニマルな構成美。細野晴臣がプロデュースを手がけており、YMOファンやシティポップ愛好家にも人気。
トラックリスト:
Side-A
01:Crescent Moon
02:Souvenir Glace
03:Beach Girl
04:Sea Breeze
05:Modern Living
Side-B
01:Ring Dance
02:Catchball
03:Techno Age
04:Ocean Liner
05:Aeroplane
次世代に伝えるべき'70s~'80sジャパニーズ・フュージョンの世界!
著書『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』(星海社新書)が重版を重ね、TVやラジオなどのメディアにも出演する音楽ライターの栗本斉が選ぶ、日本のクロスオーヴァー/フュージョン・コンピレーション・シリーズ「CROSSOVER CITY」ビクター編のアナログ盤。
70年代後半から80年代にかけて発表された楽曲に特化し、日野皓正、渡辺貞夫といった音楽ファンならだれもが知っているメジャーなアーティストから、隠れた傑作まで、シティポップ・ファンや和モノDJにも好まれそうな曲を、有名曲や代表曲に縛られず「今聴いて新鮮な楽曲」に絞ってセレクト。
ジャケット・デザインは80sテイストのグラフィックで人気のステレオテニスが描き下ろしで担当。
選曲・監修・解説:栗本斉
トラックリスト:
Side A
1. Send Me Your Feelings/日野皓正(1979)
2. Virginity/響野夏子(1986)
3. Transparency/野呂一生(1985)
4. Aqua Blue/KANGAROO(1983)
5. 赤い道が走る国/八木のぶお(1979)
Side B
1. Misty Morning/奥 慶一(1981)
2. Hunt Up Wind/福村 博(1978)
3. Shining Guitar/秋山一将(1978)
4. Southern Dream/You & Explosion Band(1983)
沖縄音階、沖縄伝統音楽に洋楽のアレンジを施した、その独特なグルーヴにハマる人が続出し話題となったコンピレーション『琉球レアグルーヴ』。2003年の『琉球レアグルーヴ』と2006年の『琉球レアグルーヴ2』からのベストセレクションに加え、新たな曲も収録した
リニューアル版『琉球レアグルーヴ Revisited』がアナログで発売決定。 このシリーズの象徴ともいえる屋良ファミリーズはもちろん、島唄ロックのオリジネーター喜納昌吉、2022年に86歳でデビューアルバムをリリースし話題となったジャズ・シンガー齋藤悌子(平良悌子)の歌など、貴重な南国グルーヴ14曲を収録。
さらに、沖縄の旋律や民謡をジャズ・アレンジした楽曲をセレクトした『琉球レアグルーヴ Crossover』も同時発売。
■琉球レアグルーヴ Revisited - Okinawa Pops 1957-1978 -(COJA-9544)
沖縄固有の音階で歌われたポップスに、ロックやソウルのグルーヴを施したレアで個性的な楽曲を集めたコンピレーション。これの基になっているのは、2003年に発売され、話題を呼んだ『琉球レアグルーヴ』とその続編となる2006年の『琉球レアグルーヴ2』。そこからさらに厳選し、新たな曲も収録したリニューアル版がこの作品。このシリーズの象徴ともいえる屋良ファミリーズはもちろん、沖縄民謡ロックのオリジネーター喜納昌吉、沖縄からアメリカのミュージカル映画に進出した沢村みつ子、2022年に86歳でデビューアルバムをリリースし話題となったジャズ・シンガー齋藤悌子(平良悌子)の歌など、貴重な南国グルーヴ・ソング14曲を収録。
Produced & Organized by DJ SASA
トラックリスト:
(Side A)
1. 白浜ブルース/屋良ファミリーズ
2. 軽便鉄道節/フォーシスターズ
3. ボサノバ・ジントーヨー/屋良ファミリーズ
4. ひやみかせ/沢村みつ子
5. むる判からん/高安六郎
6. うるま島/ホップトーンズ
7. ニイマの主/平良悌子
(Side B)
1. ゴーゴー・チンボーラー/屋良ファミリーズ
2. 海やからー/屋良ファミリーズ
3. ハイサイおじさん/喜納昌吉と喜納チャンプルーズ
4. かてーむん/高安勝男
5. 沙汰ン成ラン呉屋主/照屋林助
6. 村はじし/高安勝男
7. 琉球讃歌/海勢頭豊
沖縄音階、沖縄伝統音楽に洋楽のアレンジを施した、その独特なグルーヴにハマる人が続出し話題となったコンピレーション『琉球レアグルーヴ』。沖縄の旋律や民謡をジャズ・アレンジした楽曲をセレクトした『琉球レアグルーヴ Crossover』がアナログで発売決定。 MUROセレクトの『Diggers Dozen』や、トロピックナイトレコードからの『琉球』7インチでも取り上げられた山屋清の沖縄民謡Jazz Funkを中心に、
見砂直照と東京キューバン・ボーイズによるラテン・ビッグ・バンド・ジャズなどのインストを収録。
■琉球レアグルーヴ Crossover - Okinawa Jazz Funk 1964-1984 -(COJA-9545)
King of Diggin 'の異名を持つDJ、MUROによる『Diggers Dozen』(BBE)や、
『Wamono Groove: Shakuhachi & Koto Jazz Funk 1976』(180g)でも取り上げられた山屋清の作品をはじめ、
沖縄民謡をJazz Funk、クロスオーヴァー、Big Band Jazzにアレンジした楽曲を集めたコンピレーション。
2003年に発売され、話題を呼んだ『琉球レアグルーヴ』のシリーズ最新作として登場。
トラックリスト:
(Side A)
1. 安里屋ユンタ/三橋貴風、山屋 清
2. 谷茶前/米川敏子、山屋 清
3. 琉球みやび(二)/山屋 清
4. 琉球みやび(三)/山屋 清
5. 琉球みやび(四)/山屋 清
6. 西武門節・安里屋ユンタ・谷茶前/山屋 清
(Side B)
1. 谷茶前節/見砂直照と東京キューバン・ボーイズ
2. 鳩間節/見砂直照と東京キューバン・ボーイズ
3. 安里屋ユンタ/村岡 実
4. 琉球の空/山屋 清
5. 琉球の祭(一)/山屋 清
6. 谷茶前/三橋貴風、山屋 清
「テクノの原点。ビッグネームとして時代を創造したアーティスト達の原結晶であり、名盤を超えた不滅のモニュメント。」
アナログ盤が重量盤・完全限定で復刻。
坂本龍一監修による重量盤・オリジナルジャケット仕様で完全限定発売。
トラックリスト:
A-1.サウザンド・ナイブス
A-2.アイランド・オブ・ウッズ
A-3.グラスホッパーズ
B-1.ダス・ノイエ・ヤパニッシェ・エレクトロニッシェ・フォルクスリート
B-2.プラスティック・バンブー
B-3.ジ・エンド・オブ・エイジア
ゲルニカ活動休止を受け、自己プロデュースで1984年リリースしたソロデビューアルバム。女性の生理をテーマにしたタイトル曲や、バロック曲(パッヘルベルのカノン)に自作詞を付けた「蛹化(むし)の女」を含み、唯一無二の世界観が存分に表現された本作は、彼女を一躍80年代サブカル女王の地位に押し上げた。現在も日本の女性ロック史に刻まれる名盤としての存在感を放っている。
山本精一との悶絶ユニット、想い出波止場を筆頭に様々なバンドで活躍してきた日本アンダーグラウンドを代表するギタリスト、津山篤。Acid Mothers Temple & The Melting Paraiso UFOにも当初から在籍し、名だたるロック・フェスに名を連ね、英WIRE誌の表紙まで飾り世界を制したところでまさかの脱退、近年では武士ロックを標榜するサイケ奉行や、京都の長野友美とのトラッド・デュオで活躍。
「津山篤による北緯30度以北のギターソロ」は、そんな津山篤のギタリストとしてのむき出しの姿が聞けるアコースティック・ギター・ソロ・アルバムです。アナログ・オンリー、200枚プレス。ジャケットは銀色に輝くシートに刷られた津山氏の山での姿。津山氏はもう50年間も長野県の山の守人としての顔もあり、山小屋を経営し、遭難者を救助し、伊那谷の山を文字通り守り続けています。

今のアート文脈から無きものとして抹消されるなら我々で存在証明してやるという意気込みだけで展開した企画ながら、世界的にも話が通じることが確認できたヘンリー川原再訪運動 (複数の記事になって取材も受けました)。そんな中、鋭意準備中の続編 『電脳的反抗と絶頂2: その他のヘンリー川原』 (仮題)の景気づけに投与するのが今回のシングルです。※コンピには未収の限定ワンオフ・リリースです。
この「Minami-kaze α Wave(南風 α ウェイヴ)」 は、川原が手がけた希少な日本語ヴォーカル曲であり、1993年にHMD (H Music De-Perception) という名で発表された「南風#3」の未発表ヴァージョンだ (マニアですいません)。 同曲は『電脳的反抗と絶頂』 にも収録したサイバーエキゾ・トラック「南風」をヴォーカル曲用に改編したもので、記録によれば宝達奈巳が歌い、既出版とMIXが微細に異なる未発表ヴァージョン。90年代末のTKファミリーを彷彿とさせるユニット名で、80年代に細野晴臣がプロデュースしたアイドル曲群に真っ向から挑んだような<ポップスもできた川原>を確認できる希少例だ。
=作品仕様=
+ 半透明GREEN VINYL
+ 片面1曲のみ収録
+ 特殊アルミ蒸着紙を使ったペラジャケ付き。見本図版の色目は実物と異なります。ギラギラになります。

サイバーオカルト音楽の神髄、ヘンリー川原アーカイブ・リリース後編・総力特集。今回は音楽家以上にメディアアーティストといえる彼の真骨頂、マルチメディアのための音楽、そしてアノニマス的な録音や共同制作音源もコンパイルし、川原の異形さを多面的に検証し終結に突入する。前作コンピの秘密を暴露するオカルティックなボーナスディスク付きCD3枚組。「サイバーオカルト音楽」とは何なのか・何だったのかという論考と川原作品の分析を掲載。テキスト面にも力を入れている。
※数量限定製造。
90年代の本邦サイバーオカルトとメディアアートの地下水脈で暗躍したエンジニア的サウンド・アーティスト、ヘンリー川原は何をなし何を残し音楽界から去ったのか――その謎を探るべくお届けするアーカイブ第二集かつ集結編。
本作では川原が栽培したサイバーオカルト・サウンドの真骨頂であるニューメディアのための音源、また、野心を垣間見る変名・共同制作もあわせてコンパイル。当時の市場では怪しいキワモノとして扱うよりほかなかった、メディアアートと“ニューエッジ”と日本的霊性がデジタル信号化した川原の音楽の公正な評価を試みる。また、解説には精神世界とテクノロジーが怪しく交錯したサイバーオカルトおよびその音楽についての総論と作品解説を掲載し、80年代後半から90年代初頭の四次元エアポケット的ミッシングリンクを解明する。
=作品仕様=
+ CD 3枚組(マルチケース/ブックレット封入)
+ 日本語・英語掲載
+ 解説・論考:江村幸紀
TRACKS:
DISC-1
01. みょうな気持ちになる
02. ハルマゲドンを越えて(1999年7月15日)
03. 69 with B-Dog
04. 愛のムーンライト
05. ゴア・ガジャの森の老人
06. バレンタイン(250年2月14日)
07. 愛のダンス
08. 水星の力
DISC-2
01. enDOLPHIN (Water Sonic Version)
02. 獣の傍らで眠る
03. 南風 #4
04. スタート・オン・ア・ジャーニー
05. Sim Sex
06. モーニング
07. ニューロ・ダンサー
08. 甜美的夢
09. 静止した時間
10. シネスセシア
11. Dolphin Dreams (Deep Relax Mix)
12. Dolphinic Meditation

UKの伝説的DJ Toruによるテクノ、ダンスホール、アンビエント、ハードコアなどを横断するロングトラックを中心にした2025年のカセット作品『Rescue At SW4』が〈The Trilogy Tapes〉からリリース。90年代にロンドンへ渡り、Plastic PeopleやVinyl Junkiesなどの伝説的クラブ/レコードショップで活動してきたToruの音楽的軌跡が、1時間半にわたる濃密な音響体験として結晶しており、緊張感と人間味が交錯するドラマチックな展開が魅力。 UK地下シーンの空気感と、ストイックなデトロイト・テクノの精神が融合し、クラブ以降の音楽の文脈に位置づけられる作品となっている。
90年代前半におびただしい数の作品を発表した後、表舞台から姿を消したこのアウトサイダー作家を、メディアアートで活動を共にした沖啓介の寄稿と、その作品を果敢に送り出した八幡書店の社主かつ本邦オカルト界のフィクサー、武田崇元のインタビューを交えて検証する(作品解説は江村幸紀)。今のアート文脈から無きものとして存在を抹消されるのなら、われわれがその記録を残すのみだ。
生前、ヘンリー川原が選んでいた収録曲は、挑発的で実験色強いものから、東南アジア音楽を用いたもの、サイバー感が充満したアンビエント、スピリチュアルなピアノ曲など多岐にわたるが、そこには精神世界とテクノロジーが怪しく交錯したカウンターとしてのオカルト精神が見え隠れする。本コンピレーション収録ほぼ全曲が既発版とヴァージョンが仔細に異なる作家のフェイバリット版および未発表曲で、VINYL版はLP2枚組、CD版はCDのみボーナスディスク2枚を付けた3枚組となる。これまで知る由もなかった、本邦サイバー・オカルトと初期デジタル・メディアアートをミクストしたヘンリー川原の真相(深層)に迫る!
=作品仕様=
+ CD 3枚組(マルチケース/36P ブック封入/特殊アルミ紙使用)
+ 解説:沖啓介(寄稿)、武田崇元(インタビュー)、江村幸紀
+ 日本語・英語掲載
+ 装丁デザイン: 2yang
「まるで2021年のコロナ禍の世に放たれるべく秘蔵されていたかのような、ポストパンデミックな”音泉"が世紀を跨ぎ遂に御開帳!!!!!!! いま、人類にとって必要不可欠なのは、変異株にも効くワクチンの接種と、故・ヘンリー川原の源泉を両耳から魂に直接かけ流す行為だ!!!!!!!」 — 宇川直宏(DOMMUNE)

タカオが長い月日をかけた待望のニューアルバムを携えて帰ってきた。『The End of the Brim』は、普遍的な聴きやすさを理想に掲げ、前作『Stealth』の抽象的エレメントから一転、具象的強度をもった曲、しなやかなリズム、メロディーの展開、洗練されたハーモニーに焦点を合わせている。タカオの未来を見据えたビジョンは、本作を他に類を見ないタイムレスな作品へと昇華させ、ポップミュージックの可能世界を示す。この不思議な「非絶対音楽」的アルバムを解読した柴崎祐二の解説も必読!
『Stealth』(2018年)、同作をセルフ・リメイクした『Stealth (Gold Edition)』(2021年)に次ぐ通算3作目、完全新曲では2ndアルバムとなる『The End of the Brim』は、『Stealth』発表直後に着手されました。小品を組み立てたトータルピースである『Stealth』と風景の違う、一曲一曲が強度をもち自立してもいる世界を構想したタカオは、自分にとってこれまでにない試みのため協力者を必要とし、DJのeminemsaikoをスーパーバイザーに起用。このチームでトライ&エラーを繰り返していく過程で、堀池ゆめぁ(「Music Room」)、クリステル・ベレ(「Fall」)、カラード・ミュージックの藤本敦夫(「Main Theme」)をヴォーカリストに迎え、ミツメの川辺素、細野晴臣やムーンライダーズ等の仕事でも知られるエンジニア、原口宏も加わってアルバムは精妙に彫刻されていきました。『The End of the Brim』は、形式上は音楽家の個人的なものを表明するはずの「ソロ」アルバムですが、その表明の様式は直接的なものではなく、そこには委嘱作を請け負うコマーシャルな職業音楽家へのオマージュというタカオのユニークな意志が埋め込まれています。ゆえに本作は、音楽理念を職業音楽家=客観的な遂行者という一種の概念を介して記述しようと試みた「自身が発注者でありその発注者であるところの自身を表明する標題音楽」といえるような二重・三重の手順を踏んだ重層的な作品です。皆さんの未来の密やかな愛聴作になることを願ってやみません。本作の装丁画は大谷透、デザインを坂脇慶が担当。
=作品仕様=
+ 12インチVINYL、高音質プレス
+ DLコード、インサート付き
+ 解説:柴崎祐二、英語・日本語併記
+ シュリンク封入+ステッカー
TRACKS:
Side A
1. Long
2. Mar
3. Music Room (歌詞と歌:堀池ゆめぁ)
4. ARP
5. SPE
Side B
1. Images
2. Fall (歌詞と歌:クリステル・ベレ)
3. CF
4. Main Theme (歌詞:川辺素、歌:藤本敦夫)
5. The End of the Brim
12月中旬発売予定。
2024年3月に公開されたマヒトゥ・ザ・ピーポーの初監督作品『i ai』は、赤い色彩に彩られた異形の青春映画であった。
舞台は兵庫の明石と神戸。主人公となる新米バンドマンのコウ(富田健太郎)と、コウが憧れるヒー兄(森山未來)を中心に、生を死をめぐるストーリー
が展開される。それはマヒトの実体験を土台にしたものでもあり、現実とフィクションが二重写しになりながら、やがてその境界線はじわりじわりと融解し
ていく。共演はさとうほなみ、堀家一希、吹越満、永山瑛太、小泉今日子、K-BOMB、大宮イチなど個性的な面々。写真家の佐内正史による透明感あふれる
映像がこの作品に特別な情感を与えていたことも特筆すべきだろう。
映画のセオリーに囚われることのないその作品には、「壊れゆく社会のなかで他者と関わりながらどのように生きていくことができるのか」という、近年
のGEZANの作品やマヒトの文筆活動にも共通するテーマが投げかけられていた。私たちは決してひとりで生きていくことはできない。だが、他者と生きるこ
ともまた決して楽なことではない。世界の分断が極限まで進んだこの時代を私たちはどのように乗り越えることができるのだろうか?
監督のみならず、脚本や劇中音楽までマヒトが手がけたこの作品のなかで極めて強い印象を残していたのが、「i ai」と題されたメインテーマ曲だった。
GEZANの新曲でもあるこの曲は、ここ数年のGEZANの取り組みの延長上にあるもの。この12インチシングルはその「i ai」を収録しており、初のアナログ
リリースとなる。
柔らかなギターのアルペジオに導かれ、少しずつ熱を帯びていくその楽曲には、静けさと激しさを内包した映画のムードが凝縮されている。言葉にならな
い複数の声を束ねた合唱は、社会からこぼれ落ちた嘆きのようにも、歓喜の叫びのようにも聞こえる。GEZANは総勢15名のコーラス隊Milion Wish
Colectiveとの活動も展開してきたが、ここにはその活動で培われた感覚が活かされている。
また、この曲は9分8秒にわたるゆったりとしたダンストラックと捉えることもできるだろう。南米など各地で生み出されているオーガニックなダンスト
ラックと共通するものがあり、世界各地のグローカルミュージックを扱ってきたGLOCAL RECORDSから、それも12インチシングルというDJフレンドリー
な形でリリースされることにも意義がある。
B面にはGEZANとの縁も深いCOMPUMAによるリミックスを収録。アフリカ的なパーカッションで始まり、途中では親指ピアノなどを挟みつつ、ふたた
び印象的なあの合唱へと戻る。めまぐるしく起承転結が入れ替わる、18分18秒のショート・ムーヴィー。そんなドラマチックなリミックスである。
カッティング&マスタリングを手がけたのはDJとしても活動するTOREI。アートワークを手がけたのは東京在住のヴィジュアルアーティスト/グラフィッ
ク・デザイナー、jvnpey。彼らの愛情あふれる仕事ぶりもこの12インチを特別なものにしている。
「分断」という言葉の対義語をAIに問うてみると、「統合」「連結」「統一」「団結」「融和」という言葉が次々に表示された。どの言葉もどこか白々しく、
こそばゆいが、「i ai」という楽曲に鳴り響く蜃気楼のような合唱は、「分断」の対義語となる新しい言葉を探り当てようとしているようにも思える。映画
『i ai』では「エンドロールが終わった後も共に生きよう」というメッセージが投げかけられていたが、この12インチからは「音が止まったあとも共に生き
よう」というメッセージが浮かび上がってくるのである。
文・大石始(文筆家)

稲垣次郎と彼のバンドによる1975年録音のジャズ・ファンク/ディスコ・カバー集『Funky Best』。Stevie Wonder、Kool & The Gang、Ohio Playersなど、当時のソウル/ファンクの名曲を大胆かつ洗練されたアレンジで再構築した作品で、ホーンセクションの力強さとリズム隊のグルーヴが際立ち、原曲の魅力を活かしながらも、ジャズ的な即興性と日本人ならではの繊細な音作りが融合している。演奏陣には、日本のジャズ・ファンク・シーンを牽引した実力派ミュージシャンが揃い、スタジオ・セッションの熱量をそのままパッケージしたような臨場感溢れる一枚。ジャズとファンク、ディスコの境界を越えたジャンル横断的な魅力を持ち、時代を超えて響く稲垣次郎のセンスと演奏力が詰まった作品として、今なお新鮮な輝きを放っている。

シアトルの名門〈Light in the Attic〉によるニューエイジ・リバイバルに多大な影響を及ぼした国産アンビエント集成『Kankyo Ongaku 』でも紹介された日本のアンビエント・ミュージックの先駆者、菅谷昌弘による87年の超入手困難なカセット作品『熱の風景(The Pocket Of Fever)』が、新興レーベル〈Ambient Sans〉より初のアナログ再発!小池博史設立の舞台芸術カンパニー/パフォーミング・アーツ・グループ〈パパ・タラフマラ〉の音楽監督としての舞台音楽の制作やNHKテレビ番組『中学生日記』の劇伴制作、編曲家としてのゴンチチのスタジオ・アルバムへの積極的関与、 〈GRM〉から委託された長編音響インスタレーションの制作まで、実に多岐に渡る活動を繰り広げてきた同氏。劇団のパフォーマンスのサウンドトラックとして制作され、公演で配布されていた大変希少な作品。本作収録楽曲のうち3曲は、先述の〈Light in the Attic〉から発売された菅谷作品のコンピレーション作品『Horizon, Vol. 1.』にもピックアップされています。伝統的な日本の音楽の要素と現代音楽の作曲技法、ポスト・ミニマリズムやフォーク、ラテンのフィーリングなどを独自のブレンドで折衷した、深く刺激的で親密な音の風景が広がる国産ニューエイジ大傑作!リマスタリング仕様。全国産アンビエント~環境音楽ファンマストアイテムです!
フリクションのドラマー、チコ・ヒゲによる、オリジナルは1985年リリースのソロ名義セカンド作『Trap』。サウンドはまさにノーウェイヴ直系で、鋭角的なギター、捻じれたサックス、暴走するリズムが絡み合い、混沌の中に奇妙な統一感を生んでいる。ニューヨークのDNAやマーズあたりを思わせつつも、どこか湿った空気感や独特の転がらないビート感覚はやはり日本的。フリクションでのドラミングを土台にしつつ、より過激で自由度の高いアプローチが試みられており、全体を通して強烈な推進力とヒプノティックなグルーヴが支配していて、実験性と身体性が同時に走っている。ジャズ的な即興のニュアンスも垣間見える一方で、パンクの粗暴さとノイズの美学が前面に出ており、制御されたカオスとでも呼ぶべきサウンドを形成している。80年代日本のノーウェイヴを象徴する重要作にして、チコ・ヒゲの革新性を刻み込んだ孤高の一枚。
80年代初頭、日本アンダーグラウンドの唯一無二の残像のような一枚、Daisuck & Prostituteによる『Dance Till You Die』。「踊り尽くせ」という命令と警告が同時に響く、妥協のないポストパンクのエネルギーが詰まったサウンドは、ニューヨークのNo Waveを思わせる尖ったギター、ノイジーで異物感のあるテクスチャー、ざらついたヴォーカルに支えられつつ、どこか儀式めいたグルーヴを持っているのが特徴的で、無秩序なようでいて、身体を突き動かす強烈なリズムがあり、ダンスフロアでも異様に機能してしまう。その一方で、聴き心地は決して容易ではなく、鋭利な音の断片が次々と突き刺さってくる。当時は商業的な動きとはまったく無縁で、伝説の地下音源というべきその異様な存在感や妥協のなさは、時代を超えてなお鮮烈に響く。日本のポストパンクが世界的な爆発の只中でどう独自の形をとったのかを物語る重要なドキュメント。
オリジナルは世界中のコレクターを魅了している国産エキゾチカ・ジャズの大大大名作がなんとリイシュー!細野晴臣、石川鷹彦、松任谷正隆の三巨頭による79年傑作インストゥルメンタル・アルバム、エーゲ海(the AEGEAN SEA)がLP復刻です!アートワークからしてもう間違いなし。世界へと轟いた和ジャズ・フュージョンの威光とギリシアの伝統音楽が混じり合い、南欧の白塗りの街の風景へと想いを馳せる、潤沢なバレアリック・グルーヴが輝かしく響き渡る国産スムース・ジャズ・フュージョン一大傑作。これは音楽好きなら一度は聞いておきたい一枚。もちろん一推しです!限定につきお見逃しなく!
1941〜42年頃、国際文化振興会が制作したSP盤シリーズの一部で、戦前の日本で録音された伝統音楽の記録。当時制作された78回転盤は60枚に及ぶ大規模なセットだったが、戦争やその後の散逸で現存するものはごくわずかとなっており、本シリーズは、その失われかけた記録を修復する試みの第一歩であり、日本の伝統音楽の真髄を伝える重要な歴史資料でもある。本作では雅楽と仏教声明に焦点を当てている。World Arbiterのアラン・エヴァンスは「今聴ける雅楽は繊細で壊れやすい印象だが、1941年の演奏には不滅の帝国を背負ったような確かな重みがあった」と語っているが、いまや失われてしまった日本古来の生きた音楽が記録されている。
1941〜42年頃、国際文化振興会が制作したSP盤シリーズの一部で、戦前の日本で録音された伝統音楽の記録。当時制作された78回転盤は60枚に及ぶ大規模なセットだったが、戦争やその後の散逸で現存するものはごくわずかとなっており、本シリーズは、その失われかけた記録を修復する試みであり、日本の伝統音楽の真髄を伝える重要な歴史資料でもある。本作では江戸時代から伝わる琴曲や三味線の大曲、歌舞伎舞踊や人形浄瑠璃に由来する楽曲などが収録されていて、当時生きていた名人たちの演奏を直に聴ける。間といい、流れといい、後世の演奏ではうかがい知れない、当時ならではの本物の空気がここに残されている。
