Electronic / Experimental
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実験音楽家Aki Ondaが、アメリカ前衛映画の巨匠Ken Jacobsの代表的映像作品「Nervous Magic Lantern」のために制作したサウンドトラックが〈Room40〉よりアナログ化。Onda自身が長年にわたり自身のライフワークである『Cassette Memories』プロジェクトなどのために世界各地で録音・収集してきた音源を即興的にレイヤーし、構築。テープの歪みやノイズ、日常音の断片がレイヤー状に積み重なり、抽象映像と響き合う独特の感覚のずれを作り出している。長尺曲「Brooklyn Bridge」では、ゆっくりと音のレイヤーが積み重なり、聴くほどに深く入り込み、まるで音の中を漂うような体験へと誘う。日常音と抽象音響が交錯する、サウンドアートとしての完成度が非常に高い作品。

2021年にCHEE CHIMIZU主宰の17853 RecordsとTUFF VINYL、そしてリリース元のJ.A.K.A.M.主宰のCrosspointの3者共同でリリースした、2010年のアルバム Soft Meets Pan「Tam (Message To The Sun)」のヴァイナル・リイシューを挟み、2018年の「Tokinami」以来となる結成30周年を迎えたメモリアルなタイミングでの11枚目の最新アルバム、アナログでのリリース。
これまで様々なミュージシャンとコラヴォレーションをしてきた彼らですが、今作はゲストミュージシャンは旧メンバーのPRITTIの1曲参加のみ。ギタリストSIMIZ、ドラムPON2、ダブルベースUCONの結成時からのメンバー3人と、京都の音楽シーンに欠かせないエンジニア/エレクトロニクスのKNDとの4人での制作。ライブの形態に近いスタイルで躍動する音、サイケデリックな音響、ダブ・ワークが潜んでいます。大盛況だった大阪、京都での30周年記念ライブ、アジアツアーも敢行、ライヴバンドとして定評があり、各地に繋がるアンダーグラウンドな音楽シーンと共に歩み続ける彼らの現在の魅力がそのまま封入されています。

底知れないほどに深い音の清流を織り上げ続ける、世界的な評価も非常に高い日本のサウンド・アート先駆者、鈴木昭男。Lawrence English主宰の名音響レーベル、〈ROOM40〉より、1994年にベルリンで録音されたアルバム『Stone』が30周年を記念し、待望の公式再発。1941年に平壌で生まれた鈴木氏による最初の作品は1963年に名古屋駅でバケツいっぱいの無作為な物体を階段から投げ落とししたものであり、その後、「投げる」と「追う」というプロセスを探求してきた同氏。本作には、その「投げて追う」という実践を記録した"Hinabi"という楽曲も収録されています。オリジナル録音からのリマスタリング仕様。長年のコラボレーターとして知られるDavid Toopのエッセイも収録。
イタリア・ボローニャを拠点に、ミニマル・ダブやレフトフィールド・ベースの領域でストイックな低音を追求し続けるIvan Dubiousによる最新7インチが自身の主宰する〈Nun.kI.rec〉から登場。A面「Flamboyant」は、深く沈むサブベースとタイトなキックが牽引するミニマル・ステッパーズ。装飾を排した硬質なリズム構造が際立ち、タイトルとは裏腹に、ストイックで研ぎ澄まされたサウンド。一方、B面「Impassive」は、乾いたスネア、無機質な反復、抑制されたエフェクトによる、よりダークで冷徹な音像。アレンジからミックス、マスタリングまで本人が手がけたセルフ・プロダクションで、重量級の低音設計と精密な音作りが光る。

〈Raster-Noton〉や〈Semantica〉などからのリリースで知られるドイツの電子音楽家Grischa Lichtenbergerが、2013年にイタリア南部ポリニャーノ・ア・マーレのPino Pascali Museumで行ったライブ録音『Live At Fondazione Museo Pino Pascali』。活動の核心である、空間そのものを楽器化するというアプローチが最も純度高く刻まれたドキュメント。美術館の広い展示空間に響く金属的な衝突音、細かく断片化されたビート、機械的なパルス、そして突然訪れる静寂。Lichtenbergerの音は、単なる電子音ではなく、建築物の内部で反射し、歪む、物質としての音として立ち上がってくるかのよう。空間の中で音が変形していくような立体感と、制御された混沌の中に精密な構築美が浮かび上がる。
底知れず深い音の清流を織り上げ続ける、世界的な評価も非常に高い日本のサウンド・アーティスト、鈴木昭男。ベルリンの実験系レーベル〈Edition Giannozzo Berlin〉(Rolf Julius, Alvin Curran, 小杉武久, Christina Kubisch)から84年にリリースされていた幻のカセット作品「Zeitstudie」の初アナログ・リイシュー。2本の金属シリンダーの間に張られた螺旋状のコードの音響伝達によって反響を生み出す楽器であり、70年代に開発された「アナラポス」と75年に製作したグラス・ハーモニカなどを用い、〈Galerie Giannozzo〉オーナーのRolf Langebertelsが企画したベルリン工科大学でのパフォーマンスの様子を収録。贅肉の全てを削ぎ落とし磨き抜いた様な、鈴木氏の芸術言語がかつてない境地へと達していた恐るべき瞬間を捉えた奇跡のスケッチ。めっちゃくちゃ凄まじいです!

底知れず深い音の清流を織り上げ続ける、世界的な評価も非常に高い日本のサウンド・アーティスト、鈴木昭男。Lawrence English主宰の名音響レーベル、[ROOM40]より、その記念碑的デビュー作「Analopos」が40周年を記念し、リマスタリング仕様で待望の公式再発!オリジナルはコジマ録音の自主盤ブランド、吉沢元治や佐藤聰明、East Bionic Symphonia等々、数々の現代音楽/アヴァン・ジャズの遺産の数々が残された[ALM Records]から80年に200枚限定でリリース、某マーケットプレイスでは16万以上で取引されていたこともある鬼レア盤。1979年に名古屋アメリカ・センターで行われたパフォーマンスをレコーディングした作品で、ヴォイスからターンテーブル、ガラス・ハーモニカ、そして、自身でデザインした創作楽器「アナロポス」を用いた一連の即興作品を2曲収録。数多くの現代作家を招聘した南画廊の画廊主、志水楠男氏に捧げられた一作でもあります。コラボレーターでもある名サウンド・アーティスト、Aki Ondaを聞き手に迎えた鈴木氏の長編インタビューや同作のヒストリーを掲載したブック(28P)も付属。限定盤。音楽の深遠へとそのまま連なる表題曲”Analapos”で是非撃沈してください。
UKアンダーグラウンドの深層で育まれ、後にグライムやダブステップの基礎を形づくることになるサブロー・サウンド。その中心人物であり、Black Opsクルーの創設者として知られるJon E Cashの2000〜2004年音源をまとめた決定盤コンピレーションが、〈Sneaker Social Club〉から2LPで登場。UK garage、2‑step、Miami bass、UK hip‑hopの要素を独自に融合し、沈み込むようなサブベースと硬質なビートで構築されたトラック群は、20年以上経った今も圧倒的な存在感を放つ。イースト・ロンドン・グライムと並走しながらも、より黒く、よりファンクの残り香を宿したもうひとつのUKベース史を体感できる重要作。Sublowの名を冠した唯一無二の低音美学が、ついにアーカイブとして結実した2枚組。グライム前夜の最もドープな熱源。
これぞ、超えられぬ壁。アンビエント・ミュージックの創始者Brian Enoと、独電子音楽の伝説的ユニットClusterという巨星たちが初めてコラボレーションし〈Sky Records〉から発表した77年の歴史的名作の〈Bureau B〉盤。ドイツで制作された最初のアンビエント・レコードにして、このジャンルの決定的な作品!“Ho Renomo” (A1)にHolger Czukay、”One” (B4)にAsmus Tietchens、Okko Bekkerがゲスト参加。Conny Plankがエンジニアを担当。大傑作!

横田進のカタログの中で最も愛され、高く評価されているアンビエントの金字塔『Sakura (Skintone Edition)』。オリジナルは1999年に自身のレーベル〈Skintone〉から発表されたものが〈Lo Recordings〉よりめでたくリイシュー。本作は、日本の「喜怒哀楽」という四つの感情を音楽で表現することを意図しており、そのサウンドは深遠な静けさからためらい、憂鬱、そして純粋な喜びへと、人間の心の移ろいを桜の花びらが舞うさまに重ねて辿る。穏やかなギターのループがかすかなドローンへと溶け込み、断片的なヴォイス・サンプルが揺らめいては消え、静かな水面に波紋のように突如リズムの脈動が現れるなど、アンビエント、テクノ、そしてドリーム・ポップの要素を彼独自の方法で融合。特に、Steve ReichのミニマリズムやHarold Buddのテクスチャからインスピレーションを得たサンプルワークは、懐かしさと斬新さが同居する独特の世界観を作り上げている。ブライアン・イーノやフィリップ・グラスといった巨匠たちからも絶賛され、ヨコタを国際的な音楽家へと押し上げたこの作品は、その儚くも力強い美しさによって、20年以上経った今もなお、聴く者に静けさと不思議な感覚を与え続ける、時代を超越した傑作。

日本の伝説的アーティスト、Susumu Yokotaの音楽的探求の軌跡を年代を超えて記録した、極めて個人的な作品集『Image 1983-1998』。本作は、彼の音楽キャリアにおける二つの異なる時期に制作された短い楽曲で構成されており、前半のトラックは1983年から84年にかけての、ギターやオルガンを用いたローファイなテープ実験の時代のものが収録、ポストパンクやゴーストリー・ポップの断片が垣間見える。続く後半のトラックは、これらの初期作品に触発され1997年から98年に作曲されたもので、後のアンビエントの傑作『Sakura』へと繋がる、より洗練された電子音響とメロディと抽象性が両立する作品が収録されている。音楽的自伝ともいうべき内容で、初期の脆いギターの音色と、後年の穏やかなシンセサイザーのモチーフが、アルバム全体を通して「記憶と予感」という共通のムードで結びついており、両時代が並行して存在するような不思議な感覚を覚える。彼がテクノの制作で多忙を極める中で、初期の実験への回帰と感情的なミニマリズムを追求した、音のスクラップブックあるいはデザインボードとも呼べる、アーティストの核心に迫る貴重なドキュメント。

2003年に自身のレーベル〈Skintone〉からひっそりとリリースされ、過去に海外に向けライセンスリリースされることもなかったことから、長らく幻のアルバムとして語られてきた横田進の『Laputa』が、ついにSkintone Editionとして登場。『The Boy And The Tree』と『Symbol』の間に位置する本作は、キャリアの中でも最も実験性が強く、神秘的で、不穏さと美しさが同居する特異点のような作品。ドローン、断片的なサンプル、ストリングス、ノイズ、囁き声、ブルースギターなど、多様な素材がコラージュのように重なり合い、ガリバー旅行記の幻想的な浮島の名にふさわしい異世界的なサウンド。複数の映画が同時に流れているような多層的な音像は、横田のサンプラー/セレクターとしての才能を鮮烈に示しており、メロディアスな瞬間と抽象的な音響が交互に現れ揺れ動く独特の世界観は、今聴いても圧倒的な個性を放っている。
'70年代初頭のNYアンダーグラウンド・パンク~ニュー・ウェーヴ・シーンを代表するSuicideのサウンドを担ったシンセ/ドラム担当Martin Revの2000年にリリースされた5枚目のソロ・アルバム『Strangeworld』のジャーマン・ロック/ニューウェイヴ再興の地〈Bureau B〉による再発盤。チープでミニマルなリズムボックスにいかにもメロディックなシンセサウンド、鼻歌のような歌声、そこに突然現前する深すぎるリヴァーブ、エコー、ダブ処理。摩訶不思議なエレクトロ・サイケ・ポップ感が最高です!

2026年リプレスです!昨今の実験音楽界隈を大いに賑わせる、全盛期真っ最中のイタリア人パーカッション奏者であり、Holy TongueやTomagaでの活動も大人気のValentina Magalettiと、リスボンの名門〈Príncipe〉クルーとしても知られるアフリカ系ポルトガル人アーティストNídia による共作が、パリ拠点の先鋭レーベル〈Latency〉より到着。それぞれの特異なビートメイキング・センスを融合させ、現代のダンス・ミュージックに新たな風を吹き込むエキサイティングな一枚!シンコペーションされたドラム・パターン、脈打つマリンバのライン、メロディックなインタールードを通して、多様でありながら普遍的な音楽言語を探求し、ポスト・クラブ/アフロ・エクスペリメンタルの地平を鮮やかに更新するような、近年でも稀有な傑作。名匠Kassian Troyerの手により〈Dubplates & Mastering〉にてマスタリング。
Culvert Dub Sessions待望のヴァイナル第二弾!Napalm Deathの一員として知られ、のちにScornやLullでインダストリアル/ダブの深層を切り拓いてきた鬼才、Mick Harris。その最新アルバムが、米国インダストリアル/ロウ・テクノの一大拠点〈L.I.E.S.〉よりアナログ・リリース。ベースの重低域とざらついたテクスチャーが、深海へ潜航するような音響世界を描き出す全8曲を収録。ディレイとリヴァーブが彫刻のように反復され、ダブの減衰とノイズの質感が折り重なりながら、陰影に満ちた空間を構築。光なき領域を探るような本作は、まさにインダストリアル・ダブの極北を体現する重厚な一枚です。

René PawlowitzことShedによる、ピークタイムの熱気と、クラブを出た後の狭間にある、時間が歪むようなアフターアワーズの感覚をテーマにした作品『Rave Echoes』。20年以上にわたり多数の名義で独自のマシン・ミュージックを追求してきた彼が、「懐古ではなく、レイヴの後に1日、1週間、あるいは何年も残るあの感覚を描いた」と語るように、夢幻的なアンビエンスと荒々しい推進力が同居する独特の世界観を持つ。ヴェイパラスなパッド、鋭くカットされたブレイクス、ステッピーなリズムなど、UKサウンドシステムの低域圧とベルリン・テクノの精密さが高次元で融合。のエモーショナルなストリングスや、トリップホップ的なスローダウンは、夜明け前のぼんやりした高揚をそのまま音にしたかのよう。残響を抱えたまま現実へ戻る、独特の余韻を描いた、知性・感情・肉体性の交差点!
かなり凄い内容です。デンマークの作曲家、ML Buchが自身のレーベルと思われる〈15 love〉より2023年にデジタル・リリースしていた2枚目のアルバムにして、昨年各所で話題を呼んだ大変素晴らしい作品が、今年度遂にアナログ化されました!明らかに逸していると言えるほどに鮮やかなギター。エレキギターとレイヤーされたヴォーカルの領域にさらに踏み込む事で、新しい楽器表現を模索した、これぞ、20年代標準と言いたい破格のネオ・サイケデリア/ドリーム・ポップ名作!

イタリアの電子音楽家Caterina Barbieriと、ノルウェーのサックス奏者Bendik Giskeによる初の共同名義作『At Source』。Barbieriのモジュラー・シンセと、Giskeの身体そのものを楽器化するかのような拡張サックス奏法が純粋な対話として記録されたミニマルなアンビエント作品。ふたりの関係は2019年の共演から始まり、ICA Milanoでのレジデンシーやライブを経て深化。Barbieriの幾何学的なアルペジオと、Giskeの息づかい、キー音、摩擦音まで含む生々しいサックスが音が生まれる瞬間を探るように交差する。宇宙的スケールと親密な身体性が同居するサウンドスケープは、Barbieriの近年の作品群とも、Giskeのソロ作とも異なる第三の領域を切り開く充実作。

アメリカン・ミニマリストの正統を継ぐ作曲家、ジェフ・ブルーナーのキャリア初となる作品集。アンプリファイド・カリンバを多重録音した大作、リー・ペリーもヴァン・ダイク・パークスも驚く脱構築主義Sci-Fiポストパンク・カリプソレゲエ、メランコリックな美しさで彩られた器楽曲あわせて4作品を収録し、この知られざる作曲家の美しく風変わりな音楽を紹介します。
『Four Corners』は、米西海岸のミニマリスト作曲家ジェフ・ブルーナーの半世紀にわたる興味と様々な側面を紹介する初の単独作品集です。ここに選ばれた1970年代から2020年代までの楽曲は一貫した美的関心のもとに作曲され、伝統を礎に、独自の視点で変化を加えた奇妙で魅力的な音楽集になっています。ブルーナーは同郷の作曲家ハロルド・バッドやダニエル・レンツと親交があり、テリー・ライリーやジョン・アダムスといったミニマル/ポストミニマル作曲家の音楽との関連性も彼の諸作にはっきり伺えます。
そんな本コレクションの重要曲である「Magic Mbira(魔法のムビラ)」(1979年)は、ライリー風の要素を、レンツのカスケード・エコー・システムを彷彿とさせるテープディレイの音響処理で巧みに構築した傑作。このアンプリファイドされたムビラ(カリンバ)のための曲は、クラシックの伝統的なリサイタルホールを抜け出し、より開かれた場で演奏したいという願望においてローランド・P・ヤングの名作『Isophonic Boogie Woogie』とも親和性を持ちます。
ブルーナーの特異な側面は、SF映画『Foes』のプロモーション用に制作された脱構築主義カリプソレゲエ曲「Reggae Foes」(1978年)に現れており、このD.カニンガム/D.トゥープを濾過して歪ませたブラックアーク・サウンドのような世界感を、クラシック流儀の作編曲で達成していた驚くべき作品です。また、ガット弦のフレットレス・バンジョーでアメリカン・フォークソングを再構築した「Cold Rain and Snow」(2020年)、レンツに捧げられたピアノ曲「Remembrance in a Pale Room」(1995年)という、メランコリックな美しさで彩られた2つのソロ楽器のための曲も収録。ブルーナーによる曲解説と貴重写真、「Magic Mbira」の楽譜付き。

アメリカン・ミニマリストの正統を継ぐ作曲家、ジェフ・ブルーナーのキャリア初となる作品集。アンプリファイド・カリンバを多重録音した大作、リー・ペリーもヴァン・ダイク・パークスも驚く脱構築主義Sci-Fiポストパンク・カリプソレゲエ、メランコリックな美しさで彩られた器楽曲あわせて4作品を収録し、この知られざる作曲家の美しく風変わりな音楽を紹介します。
『Four Corners』は、米西海岸のミニマリスト作曲家ジェフ・ブルーナーの半世紀にわたる興味と様々な側面を紹介する初の単独作品集です。ここに選ばれた1970年代から2020年代までの楽曲は一貫した美的関心のもとに作曲され、伝統を礎に、独自の視点で変化を加えた奇妙で魅力的な音楽集になっています。ブルーナーは同郷の作曲家ハロルド・バッドやダニエル・レンツと親交があり、テリー・ライリーやジョン・アダムスといったミニマル/ポストミニマル作曲家の音楽との関連性も彼の諸作にはっきり伺えます。
そんな本コレクションの重要曲である「Magic Mbira(魔法のムビラ)」(1979年)は、ライリー風の要素を、レンツのカスケード・エコー・システムを彷彿とさせるテープディレイの音響処理で巧みに構築した傑作。このアンプリファイドされたムビラ(カリンバ)のための曲は、クラシックの伝統的なリサイタルホールを抜け出し、より開かれた場で演奏したいという願望においてローランド・P・ヤングの名作『Isophonic Boogie Woogie』とも親和性を持ちます。
ブルーナーの特異な側面は、SF映画『Foes』のプロモーション用に制作された脱構築主義カリプソレゲエ曲「Reggae Foes」(1978年)に現れており、このD.カニンガム/D.トゥープを濾過して歪ませたブラックアーク・サウンドのような世界感を、クラシック流儀の作編曲で達成していた驚くべき作品です。また、ガット弦のフレットレス・バンジョーでアメリカン・フォークソングを再構築した「Cold Rain and Snow」(2020年)、レンツに捧げられたピアノ曲「Remembrance in a Pale Room」(1995年)という、メランコリックな美しさで彩られた2つのソロ楽器のための曲も収録。ブルーナーによる曲解説と貴重写真、「Magic Mbira」の楽譜付き。

ベルギーのベーシスト、作曲家のSimon Beeckaertが、4年の制作期間を経て完成させた初のソロ・アルバム『Schönen Abend』。〈Souvenirs From Imaginary Cities〉の、架空の都市からの土産というテーマを、エレクトロニック、クラウトロック、ライブラリー音楽、ジャズを自由に横断するサウンドで体現した一枚。ミニマルなビートと曖昧に揺れるシンセの上を、Adia Vanheerentalsのサックスが柔らかく漂い、Nina-Joy Thielemansのヴォーカルが幽玄な陰影を添える。Patrick Cowley『School Daze』や細野晴臣の初期電子音楽、Crammed Discs周辺のストレンジ・エレクトロニック・ジャズを思わせる質感が随所に現れる。港町アントワープの空気を閉じ込めた、夜の散歩のように静かで、どこか夢の外側にいるような音楽。
ポルトガルのエレクトロニック・バンドSensible Soccersと、UKダブの巨匠Mad Professorが初タッグを組んだコラボEP『EP#1 Dub Versions』。サイケデリックな電子音と深いダブ処理が溶け合う、ポスト・ダブ・サイケデリアとも言える内容で、前半2曲はゆったりしたテンポながら、クラウトロック的な反復と、Mad Professorの立体的なダブ処理が重なり、トランシーなダブ・グルーブ。重心の低いベース、深いエコー、空間を縦横に動く残響がサウンドシステム映えしそうな強度を持っている。ラスト曲「Dub Discreto」は、ClusterやKlaus Schulzeを思わせるコズミックなシンセが主役となり、ビートを排したアンビエント・ダブ、コズミック電子音楽へと飛翔。サイケデリックな電子音とクラシックなUKダブが現代的な感覚で融合した一枚。

弊店でもベストセラー作家であるイタリアの音楽家Roberto Musciを、アンビエント/ニューエイジ/バレアリック新時代に歴史的遺産を提示する名レーベル〈Music From Memory〉が編集し、多数の未発表曲も収録した名盤が2026年リプレスです!
音楽を学習する為に1974年から1985年の間にインド~アフリカ~アジア諸国を放浪。その間多くの現地録音を行い、帰国後にシンセサイザーや当時の電子機器を用い、フィールドレコーディング素材から生まれる霊魂を瑞々しく昇華させた異国新世界アンビエンスを展開。どことも言えない透き通った異国の風景は匂いも色も無く、ただ頭の中で霧のように広がって異人が生活を築くような..."アンビエント"や"ワールド"を超えて移り変わる景色にただただ虜にさせられます。未発表も多数含み、これは絶対に見逃せません。
8月下旬入荷予定。Meditationsでも静かで熱い支持を集める、ノルウェーのデュオ、Smerzの『Big city life』を14組のアーティストによるEDIT集として再構築した企画盤『BIG CITY LIFE EDITS』。参加アーティストは北欧エレクトロニックの重要人物Astrid Sonne、ML Buch、Clarissa Connellyをはじめ、USアンダーグラウンドのMIKE + Zack Sekoff、クラブ、実験音楽のToxe、シューゲイズ、ノイズ寄りのThey Are Gutting a Body of Waterなど、ジャンルも地域も横断した豪華ラインナップ。曲ごとにまったく異なる方向へ変形されており、原曲の持つひんやりとしたR&B/ポップ・マナーと、客演陣によるカオスでアヴァンギャルドな解釈の対比は、Smerzの世界観を外側から照らし直すよう。〈Escho〉というホームに戻ってのリリースという点も象徴的で、初期EPから続くSmerzの美学と、2020年代以降の北欧エレクトロニック・シーンの広がりがひとつの作品に結晶した一枚。
