Electronic / Experimental
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クラシックの世界的大名門〈Deutsche Grammophon〉にも在籍するポーランド出身のピアニストHania Raniによる2020年のアルバム『Home』を、英国の現代ジャズの大聖地的レーベル〈Gondwana Records〉からストック。ピアノ中心の作品だったデビュー・アルバム『Esja』から楽器やサウンドの方法論をより拡張した内容となっており、エレクトロニクスやヴォーカル、ベース、ドラムなどを加えながらワイドスクリーンなサウンドを追求したモダン・クラシカル/ピアノ・アンビエントの傑作盤!
Peter Brötzmann、Sonny Sharrock、Bill Laswell、Ronald Shannon Jacksonによる、欧米のフリージャズ、インダストリアル、ノイズ・ロックシーンが文字通り衝突して生まれた伝説のドリーム・カルテットLast Exitが1988年に残した唯一のスタジオ録音作『Iron Path』。ライブでの爆発的な即興をそのまま密閉空間に封じ込めたような歴史的アルバム。Sharrockのギターは火花を散らし、Brötzmannのサックスは金属の悲鳴のように荒れ狂う。Laswellの重低音が混沌に重力を与え、Shannon Jacksonのポリリズムが全体を推進する。NY・BC StudioでMartin Bisiが録音したサウンドは、4人の暴力的なエネルギーを制御されたカオスとして結晶化させ、ライブとは異なる構築性と密度を生み出している。

ドイツのデュオPhantom Horseが6年ぶりに放つ最新作『Primal Forms』。ハンブルク、ナイメーヘン、スペイン南部オヘンの3都市で録音された本作は、ミニマル、クラウトロック、エレクトロニックの境界を漂う独自のもの。シーケンスは極限まで削ぎ落とされながらも、スロウバーニングと形容されるように、じわじわと変化し続けるポリリズムが聴き手を深いトランスへ導く。硬質な電子音の中に微かなダブ処理が差し込み、奇妙にダンサブルな質感が生まれている。静謐でストイックな音像でありながら、閉じた世界ではなく、現代的な電子音楽の潮流とも接続した開かれた音楽性が息づいている。冷徹なまでの知性と、そこから立ち上がる予期せぬ熱量による、静寂の中の極彩色の幾何学模様。


エレクトロアコースティック/音響作品の最前線を切り開くJim O’RourkeとJos Smoldersによる最新コラボレーション『Albumin』。前作『Additive Inverse』に続き、3年にわたる遠隔セッションで構築された本作は、O’RourkeがKymaシステムから抽出した音素材をSmoldersが粒状化処理し、互いに往復しながら音を彫刻していくという、極めて実験的なプロセスで制作された。柔らかいドローンがゆっくりと立ち上がり、やがて粒子状のノイズや倍音の揺らぎが浮かび上がる。音は定住せず、常に変化し続ける流体のようで、スペクトルの内部を覗き込むような精密な音響が全編を貫く。静謐な空間と緊張感のある音塊が交互に訪れる構造は、まるで音による抽象的な映像のような、密度の高い音響探求の結晶。

A.R. KaneのRudy Tambalaと、CranesのAlison Shawという90年代UKアンダーグラウンドを象徴する2人が、1991年に残したコラボ録音『Rise』を、〈Music From Memory〉が新装、復活。当時のセッションは、初期サンプラー、ドラムマシン、アコギ、囁くようなボーカルを最小限に使い、空間そのものを音楽にするというコンセプトで進行。ドリームポップの儚さ、アンビエントの静けさ、そしてA.R. Kane由来のダブ的低音処理が溶け合い、霧の中で音が浮かんでは消えるような、親密で幽玄な世界が広がる。オリジナルEPの音源に加え、2012年録音の未発表曲「Biology」を追加収録。DATからの丁寧なリマスターにより、当時の未完成の美しさをそのまま保ちながら、音の奥行きがより鮮明に立ち上がる。ドリームポップ、アンビエント、ダブ、実験音楽が静かに交差し、90年代UKインディの空気をそのまま閉じ込めた、静かに広がる作品世界。

映画監督のBenjamin Coolsと俳優のFerre Marnefによるブリュッセル拠点の前衛的ポップ・バンドSergeantによる、自分たちの演奏や録音素材を切り刻んで再構築するセルフ・サンプリング的手法を軸にした、アヴァンポップ/シンセ・エクスペリメンタル作品『Symbols』。クラウトロック的な直進ビート、ダブ処理の空間感、プランダーフォニクス的な断片のコラージュがひとつの流れの中で混ざり合い、混沌とキャッチーさが同居する不思議な魅力を放っている。曲名からして示唆的で、ユーモアと哲学的な視点が入り混じる世界観。音が崩れ、再構築され、また崩れる、その繰り返しの中から、ふと耳に残るメロディやリズムが立ち上がる瞬間が心地よい。レーベルらしい実験とポップの境界を楽しめる1枚。

ドイツ・ベルリンを拠点とするプロデューサー N Kramer と The Zenmenn のペダル・スティール奏者 Magnus Bang Olsen によるコラボレーション・アルバム『Pastoral Blend』。本作では、Olsen のペダル・スティールによる柔らかなフレーズがKramer の手でループ、反転され、幾重にもレイヤーを重ねられることで、アンビエント・アメリカーナ的な温もりと抽象的なエレクトロニクスが溶け合った独自の風景が立ち上がる。心地いい柔らかさとFennesz、Alva Noto を思わせる粒立ちのある質感が同居した、アナログ楽器の奥深い親密さとデジタルのきらめくような音の質感やテクスチャーの繊細なバランス感が印象的で、アルバムは風景や記憶を想起させる牧歌的なイメージを喚起しつつ、それを現代的なアンビエントのレンズを通して描き出しているかのよう。現実に根ざしながらも、時間を超えて漂うような静謐で深い音世界は、馴染みがあるようで新しく、アコースティックと電子音の狭間に広がる新たな表現を提示する一枚。

イングランドはケントを拠点に活動するDJ/プロデューサー Al Wootton の新作『Crux』が、フィンランドの名門〈Sähkö Recordings〉から登場。ダブ的な音響処理、変則的なリズムやポリリズム、複雑なレイヤーやテクスチャの重ね合わせ、サイケデリックな電子音を交錯させ、より探究的な領域へ踏み込んだ意欲作。本作ではリズムの肉体的な強度と、深く没入的なテクスチャーの緻密なバランスが絶妙で、複雑に編み込まれたパーカッションはフィジカルを揺らしながら、空間全体を包み込むような残響や音響処理が聴き手を内面的な旅へと誘う。反復の中に潜む微細な変化や揺らぎは、サイケデリックな陶酔感とストイックな探求を同時に呼び起こし、聴きこむほどに細部の豊かさが立ち現れてくる。ダンス・ミュージックでありながら、音響芸術としての奥行きを感じさせる作品であり、Al Wootton が築いてきた独自のリズム探究を新たな段階へと導く一枚となっている。
7月7日再入荷。岡田拓郎の最新作、山本英監督による映画『熱のあとに』オリジナル・サウンドトラックがアナログ盤でリリース!
柴田聡子、優河、never young beachなど、今や、日本のオルタナティブ・シーンに置いて名前を聞かないことがないプロデューサー/アレンジャー/ギタリストである音楽家・岡田拓郎。
「森は生きている」解散後、2022年に彼の才能を決定づけたアルバムとなった前作『Betsu No Jikan』に続く本作がアナログ盤でリリース。
空気のように、映画の世界に溶け込みながらも必要不可避な音が、映画全体の支えるテーマ曲が緩やかに形を変え、ミニマル・アンビエント作品のように存在している。
ピアノ、アコースティックギターなど多くの楽器を岡田自身が演奏し、彼のバンド編成ライブにも参加するサックス・松丸契、ダブルベース・千葉広樹が呼吸のあった音色を重ねる。岡田が敬愛するジム・オルークのマスタリング、加瀬透によるアートワークを含め、また1枚サウンドトラックの名盤が誕生した。

8月上旬入荷予定。東京を拠点に活動する声の即興家Ayami SuzukiとギタリストRob Noyesが初めて出会い、わずか1時間ほどの即興セッションで録音されたという奇跡のデュオ作品『Classic Fevers and Chills』。事前に作曲も打ち合わせもせず、Rob Noyes自身が「ギターのチューニングだけ変えて、そのまま録った」と語っているにもかかわらず、7曲それぞれに明確な表情があり、まるで長年のデュオのような呼吸の一致が感じられる。声とアコースティック・ギターだけという最小限の編成ながら、静けさの中に濃密な緊張と温度が宿る。Ayami Suzukiの声は、言葉と息のあいだで、祈りのような響きから、風景の一部のような微細な音まで自在に変化。Rob Noyesのギターはラガ風のフレーズやタコマ系フィンガーピッキングが流れるように展開し、倍音が空間に広がる。録音は極めて生々しく、目の前で演奏しているような距離感の近さと、夢の中の民謡のような不思議な時間の流れが生まれている。

8月下旬入荷予定。ニューヨークを拠点に活動するシンガー、作曲家のFrances Changのジャンルレスなアートポップ作品『been thinking bout confession』が〈RVNG Intl.〉より登場。100年前のベビーグランドピアノを中心に作曲され、ストリングス、電子音響、フィールド録音、ドラムマシンが複雑に絡み合う、室内楽とエクスペリメンタル・ポップの中間にある独自の音世界が広がる。楽曲はポップなメロディを持ちながら、構成は予測不能。静かなピアノ曲が突然電子ノイズに切り替わったり、ストリングスが不穏な影を落としたり、美しさと違和感が同時に立ち上がる。Changは作詞作曲から演奏、プロデュース、ミキシングまでほぼ全工程を担当。アルバム全体に、ひとりの内面を覗き込むような親密さがあり、実験性とともに、自己探求やアイデンティティ繊細なテーマも自然と響いてくる、内容のある一枚となっている。

Concepción Huertaによる、サブハーモニクス構造とテープ操作を駆使して制作された、彼女にとって最も鋭く、激しく、そして息を呑むような作品『El Sol de los Muertos』が〈Umor Rex〉より登場!全体がドローンやミュジーク・コンクレートを基盤に、聴覚から強烈な映像を喚起するような音のテクスチャが貫かれている。リズムやメロディの快楽とは無縁で、むしろ「痛み」や「記憶」「暴力」の物語を音に変える、ポスト・コロニアル的サウンド・ナラティブとも言うべき一枚で、音のかたちをした歴史的・政治的マニフェストとして聴くことができる。ラテンアメリカ左派思想の象徴的存在エドゥアルド・ガレアーノや、メキシコのサパティスタ、パラグアイやアルゼンチンのグアラニー族など、先住民の抵抗運動に共鳴する音による黙示録的作品。

滅多にコンサート録音を残さなかった同国ルーマニア出身の指揮者セルジュ・チェリビダッケに師事、氏から学んだ現象学と指揮法を自身の作風に取り入れ、スペクトル音楽の潮流を牽引する一人と称されながらも、一般のスペクトル楽派とは明らかに一線を画す爆音および摩擦が木霊する強靭な楽曲を残してきた作曲家・指揮者・音楽学者イアンク・ドゥミトレスク。1976年に創設したハイペリオン・アンサンブルを率い国内外で多くのコンサートを展開、90年にはアナ=マリア・アヴラムと共に自主レーベルEdition Modernを立ち上げ、長年に渡り30タイトル以上もの録音を発表してきたが、昨今の音源出版はほぼ停止状態にあった。
本作は、2016年にロンドンで披露された3部構成からなる”Libelocus”のコンサートを音源化した久々の出版物であり、異彩のスペクトラリストによる爆音アンサンブルから電子音楽まで、一連の作風をライブの流れありのままに纏めたものである。また個人名義による新録を収録したLP音源としては実に37年振りの作品となる。
マスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。

民族音楽学や人類学、宗教、歴史を専門に研究、人間の文化的な多様性、またその重要性を記録し独自の発信を行なってきたオランダの出版社Sound Reporters。ここより1988年にカセットフォーマットにてリリースされた、エーゲ海キクラデス諸島の一つであるギリシャ領”アモルゴス島"のフィールドレコーディング。数年間現地に居住していた画家Harry Van Essenがサウンドスケープを収集、Sound Reportersの創設者であり民族音楽学者のFred Galesがミックスを担当した共同作品。島の北東部に位置する港”エギアリ”近辺のサウンドをスケッチ的に結合、前半部では海の音と大衆音楽が交互に流れ、詩の朗読、漁船の音、ボードゲームを楽しむ人々、祝宴の会場と、人々の生活に根差した音風景が展開。村を通り抜け山へ登る後半部では人々の日常風景に加え、コオロギの鳴き声、ミツバチの羽音、放牧された大量のヤギが奏でるカウベルなど、島本来の素朴な環境が現れる。
リマスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。

(高音質UHQCD仕様)音楽史に残るアンビエントの大名盤『Selected Ambient Works Volume II』30周年記念新装盤がスタンダード・パッケージ・エディション3CDで登場!
エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスが、1994年に若干22歳で発表した音楽史に残るアンビエントの大名盤『Selected Ambient Works Volume II』。エイフェックス・ツインにとっては〈WARP〉移籍後第一弾アルバムでもあるこの記念碑的作品は、2025年リリースから30周年を迎え、新装エクスパンデッド・エディションでリリースされた。
初回生産限定の3枚組CDボックスセットが間もなく完売することを受け、今回はより手に取りやすいスタンダード・パッケージ・エディションCDがリリース。このスタンダード・パッケージ・エディションでも、「#19」「th1 [evnslower]」「Rhubarb Orc. 19.53 Rev」が追加音源として収録される。
※UHQCD(Ultimate High Quality CD) = CD規格に準拠しており、既存のプレーヤーで再生可能です。
CD01 - 2. #2
CD01 - 3. #3
CD01 - 4. #4
CD01 - 5. #5
CD01 - 6. #6
CD01 - 7. #7
CD01 - 8. #8
CD01 - 9. #9
CD02 - 1. #10
CD02 - 2. #11
CD02 - 3. #12
CD02 - 4. Blue Calx
CD02 - 5. #14
CD02 - 6. #15
CD02 - 7. #16
CD02 - 8. #17
CD02 - 9. #18
CD02 - 10. #19
CD03 - 1. #20
CD03 - 2. #21
CD03 - 3. #22
CD03 - 4. #23
CD03 - 5. #24
CD03 - 6. #25
CD03 - 7. th1 [evnslower]
CD03 - 8. Rhubarb Orc. 19.53 Rev

石橋英子&ジム・オルーク参加、記憶と環境音を再構築する実験音響/フィールドレコーディング作品。
ピエール・シェフェールとともに音と映像の関係性を探求してきたブルンヒルド・フェラーリによる作品。本作は、日常の中で無意識に捉えられた音の断片や記憶を再構成したミックステープ的アプローチによって制作され、磁気テープに記録された“耳の記憶”を呼び起こすようなサウンドが展開される。そこに石橋英子とジム・オルークが演奏で参加し、繊細かつ即興的な響きが作品に新たな層を与えている。実験音楽、ラジオアート、フィールドレコーディングの要素が交錯する本作は、個人的な記憶と音響芸術が静かに交差するユニークな試み。長年ルック・フェラーリと活動を共にし、その遺産を継承してきた彼女ならではの視点が反映された、時間と記憶をめぐる音のコラージュ作品である。

8月下旬入荷予定。ロンドン拠点のダブルベーシスト、作曲家のTom Wheatleyが手がけた、Giulio Bertelli監督の映画『AGON』のオリジナル・サウンドトラックが〈PAN〉より登場。映画『AGON』は、架空のオリンピック「LUDOJ 2024」を舞台に、柔道・フェンシング・射撃の3競技に挑む女性アスリートを描く作品で、観客のいないスタジオで競技が行われ、音と映像のすべての層を記録するという設定のもと、スポーツの政治性、身体性、テクノロジーとの関係が浮かび上がる。Wheatleyの付けた音楽は、スコアは、身体の動きそのものを音に変換するというコンセプトで制作された、極めて実験的なもので、各競技と楽器の身体性を対応させるという独自の手法で構築されている。柔道=パーカッション、フェンシング=チェロ、射撃=サックス。それぞれの楽器が競技の動きや緊張を表現し、音が動作の痕跡として立ち上がるような構造になっている。生演奏の信号をスタジオで極端に加工し、金属音、呼吸、擦過音、衝突音が抽象化されて、音楽と効果音の中間にある音響空間が広がる。静寂もまた重要な要素で、観客のいないスタジオの空気そのものが音楽の一部として機能するかのよう。映画音楽でありながら、実験音響・ミニマル・現代音楽の領域に踏み込んだ一枚。

9月2日発売予定。緊急地震速報音やIDの決済音などを生み出したことで知られる、日本を代表する環境音楽家・サウンドデザイナーの小久保隆。
90年代にイオンシリーズとしてリリースされた作品群の中から、特に人気のタイトルである「風のオアシスII~森と水の物語~」が待望の再発!
小久保隆氏は、グラミー賞にもノミネートされた日本のアンビエント・ニューエイジにフォーカスしたコンピレーションに参加していることでも近年話題となりました。
また本作はデジタル時代に再評価が進み、オンライン上で数百万回再生を記録するなど、全世界のアンビエント・リスナーから強い支持を集めています。
森のざわめき、水のせせらぎ、柔らかく広がる電子音──。
まるで深い森林の中へ迷い込んだかのような音世界は、聴く人の心と空間を静かに潤していきます。森林浴のような音楽体験を是非この時代に。
9月2日発売予定。緊急地震速報音やIDの決済音などを生み出したことで知られる、日本を代表する環境音楽家・サウンドデザイナーの小久保隆。
90年代にイオンシリーズとしてリリースされた作品群の中から、特に人気のタイトルである「風のオアシスII~森と水の物語~」が待望の再発!
小久保隆氏は、グラミー賞にもノミネートされた日本のアンビエント・ニューエイジにフォーカスしたコンピレーションに参加していることでも近年話題となりました。
また本作はデジタル時代に再評価が進み、オンライン上で数百万回再生を記録するなど、全世界のアンビエント・リスナーから強い支持を集めています。
森のざわめき、水のせせらぎ、柔らかく広がる電子音──。
まるで深い森林の中へ迷い込んだかのような音世界は、聴く人の心と空間を静かに潤していきます。森林浴のような音楽体験を是非この時代に。



Chris RosenauとNick Sanbornが長年の友情と即興の瞬間をそのまま結晶させたエレクトロ・アコースティック作品『Two』。Sylvan Essoの森の中のスタジオBetty’sで録音された本作には、森の空気や環境音までもが自然に入り込みながらギターの倍音と電子音の揺らぎが柔らかく溶け合う独特の開放感が漂う。ふたりが同じ空間で呼吸を合わせながら音を紡いでいくことで、構築よりも生まれる瞬間の楽しさ、美しさが前面に出ており、フォークの温度とエレクトロニカの透明感が静かに交差する。前作『Bluebird』の延長線にありながら、より深く、より自由で、ふたりだけの対話がそのまま音になったような、穏やかで親密な一枚。
