Electronic / Experimental
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10月中旬再入荷。ロンドンの地下テクノ聖地、[The Trilogy Tapes]より発表したデビューMIXカセット以来、オーガニック~テクノ、コンクレート、電子音響、ダブの狭間にて、エレクトロニック・ミュージックの新境地開拓へと邁進してきた同地の女性アーティスト/DJ、BeatriceDillon。2020年にベルリンの聖地[PAN]から発表していた名作がリプレスです!
彼女のUKダンス・ミュージックへの愛と、アフロ・カリビアンからの影響を大いに物語るオーガニック・ミニマル・サウンド。さすがの出来です。これぞ、現代のIDM。今作は、UKバングラのパイオニアであるKuljit Bhamraを始め、Laurel Halo、Batu、セネガルのグリオ、Kadialy Kouyaté、Untold、Lucy Railtonといった豪華ゲストによるFM音源やサンプルを用いて制作。ミュータントな感性とヴィジョンが初っ端から冴えまくり、生音と電子音の境界さえもゆらぐ瞬間があちらこちらからのぞきます。ダブとUKテクノ、アフロ・ダンス・ミュージック、コンクレート・サウンドを土台に紡ぎ上げるミニマルなテクスチャー、現代のエレクトロニックにおける実験的なコンポジションの集大成といえる一枚。名技師、Rashad Beckerによって、Dubplates & Masteringでマスタリングと盤質も万全。

ニューヨークの作曲家Mikel Rouseを中心に活動したプロジェクトTirez Tirezの代表作のひとつとして語られる、ベルギーの名門〈Les Disques du Crépuscule〉から1983年にリリースされた『Story of the Year』。Tirez Tirezは、Steve ReichやPhilip GlassなどNYミニマリズムの流れと、ポストパンク以降のアートロックを独自に接続した稀有な存在で、本作でも、反復するギター、シンセのミニマルな構造、乾いたドラム、抑制されたボーカルに、〈Crépuscule〉らしいヨーロッパ的な冷たさと洗練が加わり、NYのアート感覚とベルギーのポストパンク美学が交差する独特の空気が漂う。メロディよりも 質感・構造・反復が前面に出るミニマル・ポップの魅力が際立っており、Talking Headsや80年代前半NYのアートロックと共振しつつ、よりストイックで知的なアプローチが貫かれているのが印象的。
〈Ghostly International〉の看板アーティストLusineが2017年に発表した代表作『Sensorimotor』を、10周年記念盤としてBlack & White Splatter Vinylの2LP仕様で再発。テクノ、エレクトロ・ポップ、実験的電子音楽を自然に横断する作風で、もっとも親しみやすい Lusineと評された名作。本作の魅力は、透明感のある電子音と身体性のあるビートの共存。粒状の細かいシンセが空間を照らし、軽やかに跳ねるリズムが曲に柔らかなグルーブを与える。構造はミニマルでも、細部が絶えず揺れたり変化したりすることで、曲が静かに呼吸しているような感覚が続く。都会的でクリーンな音像は〈Ghostly International〉の美学にも通じ、夜の街のネオンのような光を帯びている。電子音楽の精密さとポップな親密さを結びつけた、開かれた一枚。

アメリカのプロデューサー、ミュージシャン Larrison が1990年代に制作していた未発表音源や初期録音をまとめたアーカイブ作品『Connecters Vol. 1: Original Recordings, 1992–1999』。当時のホームスタジオ録音やカセット音源、初期デモなどが中心で、カセット録音特有のざらつき、部屋鳴りや環境音が混ざる生々しさも含めて Larrison の音楽的ルーツや制作スタイルの変遷をそのまま感じられる内容。シンセのドローン、ミニマルなビートにサンプルの断片的なコラージュ重なり、当時の電子音楽の影響が色濃く漂っている。完成された曲というよりアイデアの原石といった趣で、90年代インディの空気感に満ちた、実験精神と個人的な音の探求が詰まったアーカイブ。リマスタリング済。
10月上旬再入荷(9月下旬分は完売しました)。なんとあのジムオルーク氏もラジオで紹介していたスウェーデンの電子音楽家Ragnar Grippeが、Terry RileyやSun Ra、Steve Reichの作品をも擁する音楽遺産級のミニマル宝庫Shandarからリリースしたミュージック・コンクレート~ポスト・モダン・クラシカルの大名盤、「Sand」がなんとこの度40年ぶりのヴァイナル再発です!
数々のアンビエント作家やミニマル音楽の意匠を受け継いだ20世紀最後のミニマリスト、Ragnar Grippeの世紀の作品がようやく21世紀にも日の目を見ました。元々はクラシック畑のチェロ奏者で、70年代初期にパリにて、Pierre SchaefferやPierre Henryにて創設された、当時の電子音楽の最先端を走ったGroupe de Recherches Musicales(GRM)にて学び、同じ頃交友を持ったLuc Ferrariから知識と機材を譲り受け、実験音楽スタジオl’Atelier de la Libération Musicale(ALM)を創設。本作は、インド出身の抽象画家、Viswanadhan Veluの作品に多大にインスパイアを受けて制作された一枚で、テープデッキ2台とギターにオルガン、カスタネットなどで構成される豊かな音色は没入感たっぷり。流れをわたる重厚なドローンの波に、おもちゃの楽隊が船を浮かべ、夢幻の空へと誘う極上インナートリップ体験。澄んだテクスチャーと童心に返る創造的な音世界に心ときめくこと間違いなしです。

2021年作『Haram』から4年、billy woodsとELUCIDによるArmand Hammer とThe Alchemist が再び手を組んだ新作『Mercy』がbilly woods 主宰のレーベル〈Backwoodz Studioz/Rhymesayers Entertainment〉より登場!前作同様、The Alchemist が従来のソウルやジャズをサンプリングして太いビートを組み立てるビートスタイルから外れても、Armand Hammer の複雑で比喩的・断片的なラップの響き方に寄り添った音作りは今作も健在で、その延長上に、現実と寓話、日常と未来予測が入り混じったような抽象的で鋭いテーマ性がうかがえる作品となっている。今作もEarl Sweatshirt、Quelle Chris、Cleo Reed、Pink Siifu、Kapwani、Silkaなど、多彩な顔ぶれがゲスト参加しており、Armand Hammer の言語による実験と Alchemist のプロダクションと交わって、重層的で寓話的なヒップホップ宇宙が広がっている。
billy woodsとELUCIDによるArmand Hammer とThe Alchemist が手を組んだ2021年作『Haram』。本作は、発表当時は名プロデューサーとの初タッグという話題性に注目が集まったが、振り返るとむしろThe Alchemist が従来のソウルやジャズをサンプリングして太いビートを組み立てるビートスタイルから外れ、Armand Hammer の複雑で比喩的・断片的なラップの響き方に寄り添ったことが要点となっていて、ドローンや歪んだリズム、言葉が漂う余地を残したプロダクション、くぐもった音や断片的なフレーズのコラージュなど、Armand Hammerの不可解さをそのまま響かせる音作りとなっている。また、同時に、メロウで陽光を感じるビートやソウルフルなフックも散りばめられており、ある意味でポップで聴きやすい瞬間が共存しているのも興味深い。ゲスト陣も強力で、Curly Castro、Quelle Chris、Amaniらの参加、Earl Sweatshirt の「Falling Out the Sky」や、KAYANAの「Black Sunlight」、Fieldedの「Aubergine」など、実験的な声の使い方も印象的。ハードボイルドな言葉遊びと実験的なビートが奇跡的に融合した、唯一無二のアンダーグラウンド・ヒップホップの到達点。

10月中旬入荷予定。アンビエント、IDM、ダブテクノ、D’n’Bを横断してきたnthngが、自身の音響的ヴィジョンを長尺フォーマットに結晶させたアルバム『Last Light of the Sun』。全10曲を通して夢のようなメロディ、繊細な4/4の構造、叙情的な D’n’B、広がりのあるアンビエントが自然に連なり、ひとつの大きな音の風景を描き出す。柔らかいシンセのレイヤーがゆっくりと広がる場面では、nthng特有の淡い光の粒子のような質感が際立ち、メランコリックなD’n’Bではヴィンテージ・ハウスの声の断片が時間の層を重ねるように響く。さらに竹笛や、タイプライター音の細やかなアクセントが、電子的な空間に新しい質感をもたらし、アルバム全体の流れにさりげない深みを加えている。静かなトーンの中に多彩な表情が潜む、nthngの個性が豊かに表れた2LP。
2017〜2019年に制作された、Jean-Claude Eloyによる大規模な電子音響による連作『Réminiscences』は、代表作『Yo-In』の音響世界を再訪しながら、Eloyの過去40年の素材、録音、思想を変容、統合させて新しい音響儀礼を構築した4枚組。船舶サイレン、火山や風雨の自然音、工業ノイズ、鳥の声、金属・木・皮の打楽器など、多様な音が電子音の持続と重なり、自然音と人工音が同じ平面で共存する抽象的な音響空間を形成する。打楽器はリズムではなく、音の粒子や衝撃として扱われ、電子音の波に散りばめられることで、音の変容そのものが作品の中心に据えられている。物語性は排除され、音の現象に集中することで、聴き手の感受性が徐々に研ぎ澄まされていく構造が特徴的。Eloy が長年探求してきた、聴くことの力、音の変容、儀礼的音響が、抽象的かつ深い形で結晶した重要作。自身のスタジオで制作された、創作世界の集大成とも言える一枚。
1980年代のEloyが、日本の声明と雅楽、そして電子音響を融合し、「打たれざる音=心の振動」をテーマに構築した大作『Anahata』が世界初の正式出版。天台、真言の僧侶による声明、篳篥、龍笛、笙の雅楽器、Michael Rantaのパーカッション、そしてEloy自身の電子音響がひとつの儀礼空間を形成する、比類なき音響作品。僧侶の声は音の柱として空間に響き、倍音がゆっくりと広がりながら電子音の持続と重なって巨大な音響の呼吸を生む。雅楽器は古代の響きを保ちながらも抽象的な音の色彩として扱われ、電子音の地層に溶け込むことで、伝統と現代が同じ平面で共存する独特の質感が生まれる。宗教音楽でも民族音楽でもない、音そのものが儀礼の役割を担う抽象的な音響儀礼として、Eloyの美学が深く結晶した重要作。
日本文化の「余韻」という概念を軸に、Jean-Claude Eloyが1980年に日本で制作した大作『Yo-In』が、ついに世界初の正式出版として4CDで登場。武満徹に招かれた滞在をきっかけに、響き、反響、心理的残響といった余韻の思想を深く掘り下げ、架空の儀礼のための音響劇として構築された作品。電子音の持続と反響がゆっくりと空間を形づくり、Michael Rantaのパーカッションが点描のように配置されることで、音は儀礼的な広がりを帯びていく。リズムや旋律ではなく、音の出来事が重なり、絡み、ほどける巨大な流れが中心にあり、長い時間軸の中で微細な変化が次々と現れる。Eloy自身が語るように、これは催眠的な音ではなく、意識の領域を拡張するための音響構造で、聴き手の感受性が徐々に研ぎ澄まされていく。シュトックハウゼンとの親和性を感じさせる長期的な構築美と、東アジアの響きの思想が交差する、Eloyの代表的な大作。
エクアドルはイバラ出身のキチワ系コミュニティ出身のサウンドアーティスト、Mala Famaが、孤独や喪失を解放への道として捉えたコンセプト作『Jichushka』。キチワの儀礼音楽や北部エクアドルの先住民コミュニティの音文化を軸にしながら、電子音の実験性を大胆に取り込んだ独特の音世界が広がる。2016〜2022年のホームスタジオでの制作を通じて、アンデス地域の多様な音楽系譜、マリンバ、クンビア、バジェナート、アフロ・エクアドルの声が自然に混ざり合い、コミュニティの身体性と電子音の重層的な構造が共存する。リード曲「Mortaja II」に象徴されるように、儀礼的な循環構造や声の残響が、喪失の感情を静かに堪えながら新しい始まりを示す。穏やかなアンビエントと重いシーケンスが交互に現れ、過去の記憶と未来の可能性が同じ空間で響くような感覚を生む。キチワの文化的力と電子音の探求が交差する、現代エクアドル音楽の重要作。
Push For Nightによる、前作の重い暗さから一歩だけ外へ踏み出し、わずかな光を取り込んだ新作『That Porous Line』。その変化を決定づけたのが、長年の音の盟友David Daniellの参加。彼がもたらした有機的な美しさが、PFNの音をよりメロディックで自発的な方向へと再配置している。ギター、ベース、鍵盤、パーカッションを指で触れるリアルタイム演奏へ回帰したことで、加工の重さが少し軽くなり、音の中に柔らかい揺れや不完全な瞬間がそのまま息づく。とはいえ、PFNの核であるコラージュ的でちらつくエレクトロ・アコースティックの質感は健在で、薄暗い空間の中で幽霊のような音が動き、影が形を変えながら漂う独特の世界観が続いている。有機的な美しさとリアルタイム演奏の揺れを取り込みながら、独特の暗がりとコラージュ的質感を新たな角度で響かせた作品。

長年の交流を重ねてきたLoren ConnorsとDavid Grubbsが、2025年のブルックリンで行った2つのライブを収めた最新作『Somewhere in the Wind』。3作目の共作にして、初めて完全ギター・デュオとしてステージに立った記録であり、ふたりの演奏が自由に荒々しく響く。Connorsの影のようなポスト・ブルースと、Grubbsの微細に調律されたイントネーションが、ライブ空間や観客の気配と混ざり合い、音が膨らんだり歪んだり、軌道を外れたりする瞬間がそのまま音楽の中心になる。スタジオ録音の静謐さとは異なり、ここではその場でしか生まれない熱がギターの響きに刻まれている。祈りのような静けさから始まり、徐々に重さと荒さを増していく長尺の演奏は、ふたりが長い年月で育んできた信頼と対話をそのまま映し出す。ギターという楽器の領域を押し広げ、静かな熱量とともに深く耳に残る名演。
イタリア前衛音楽の中心人物Egisto Macchiが、1973年に テレビシリーズのために制作したライブラリー作品『E.S.P.』。クラシックの室内楽的アンサンブルと電子音を曖昧に溶け合わせ、ミニマルな反復や不協和なテクスチャを用いて心理的サスペンスを音だけで描き出す、彼の代表的アブストラクト作品のひとつ。ざらついたシンセ、金属的なパーカッション、緊張を孕んだストリングスが途切れたり影のように変形したりすることで、画面の外側にある見えない気配を想像させる。ライブラリー音楽特有の機能性と抽象性が高い次元で結びつき、場の空気を一瞬で変えるような独特の存在感を放つ。イタリア前衛、電子ライブラリーの系譜を辿るうえで欠かせない一枚。
フランス電子音楽の中心機関〈INA‑GRM〉が、創設30周年を機にまとめ上げた5枚組CDボックス『Archives GRM』。〈GRM〉から〈INA‑GRM〉へ改称した1974年から30年後の2004 年に編纂、ミュージック・コンクレートやエレクトロアコースティックの発展に決定的な役割を果たしてきた膨大なアーカイブから、GRM系重鎮作家の音源を収録。収録作家は、Luc Ferrari、Pierre Boulez、Bernard Parmegiani、Edgard Varèse、Iannis Xenakis、Philippe Arthuys、Ivo Malec、Dieter Kaufmann、Francis Dhomontなど、電子音響史を語る上で欠かせない巨匠がずらり。〈GRM〉が追求してきた音の研究の多様性と深さを一望できる構成に加え、80ページに及ぶブックレットに加え、各ディスクにも詳細な解説冊子が付属する、音響実験の歴史を体系的に辿れる決定版。

ベルギーのエクスペリメンタル・フォークの孤高の存在、Ignatzが、長いキャリアの中で初めてピアノを中心に据えて制作した最新作『The Water Is Getting High』。2024年に自宅で録音され、親密で静謐な空気感がそのまま封じ込められている。これまでのローファイ・ブルース、フォークの延長線上にありながら、ピアノという新しい媒介によって、より内省的でミニマルな世界が広がる。単音の余韻、ゆっくりとしたフレーズ、部屋鳴りや微かなノイズまでもが音楽の一部となり、深夜の記録のような生々しさと詩情が同居。彼は独学でピアノに向き合っており、その技術的な未完さが、かえって彼特有の壊れやすく繊細な旋律を際立たせている。静謐なミニマリズムと、彼本来の孤独なブルースが溶け合った、独自の詩情感じられる一枚。ローファイ・ブルースの求道者が、ピアノという静かで深い語り相手を得て辿り着いた、最も純粋な告白。

岡田拓郎にとって、国内外のメディアやリスナーから高い評価を受けた『Konoma』以降、初となるフィジカルリリースとなる。本作は、TOKYO DESIGN STUDIO New Balanceが手がけた新型フットウェア「MT2 」のキャンペーンのために制作された。キャンペーンムービーは、New Balance T-HOUSEのオウンドメディアで公開されている。
A面「Still Water」は、池田抄英(Flute)を迎え、フォーキーかつアフロミュージックの要素を取り入れながら、音数を極限まで削ぎ落としたミニマルなアンサンブルによって構成されている。即興演奏をもとに録音された演奏はアナログテープに収められ、静かな水面のように移ろう音の揺らぎと豊かな余白が感じられる。
B面「Dohman Sehman」は、ヴィンテージファンクのムードを出発点としながら、日本の民謡や歌謡曲にも通じる旋律感覚とフォークロアな響きを織り交ぜた楽曲。松丸契(Alto Sax)、カツマル・メイ(Tenor Sax)、香田悠真(Wurlitzer / Farfisa)、小西佑果(Bass)、海老原颯(Drums)ら気鋭のミュージシャンが参加。ダブの手法を想起させる空間的なミックスと重厚なリズムセクションが生み出す、力強いグルーヴが印象的な楽曲となっている。
静謐な余白を湛えた「Still Water」と、力強いグルーヴを内包した「Dohman Sehman」。対照的な二つの楽曲を通じて、『Konoma』以降の岡田拓郎の創作の広がりを感じさせる作品となっている。

10月下旬入荷予定。ドイツの実験音楽集団nstitut für Feinmotorikによる、8台のターンテーブルと4台のミキサーを使いながら、レコードを一切使わずに制作された異色の作品『Öd』。ゴムバンド、CD、アルミ箔、廃材などをターンテーブル上でこすり合わせ、摩擦、ループ、静電気といった物理的な現象をそのまま音素材として扱っている。6つのゆるいグリッド外のリズムで構成され、即興的なプレイとランダムなループが多層的に絡み合う。輪郭だけが浮かぶようなダブのグルーヴ、揺らぐアンビエント・テクノ、金属片が転がるような即興的ノイズのあいだを絶えず行き来し、音がいつ崩れたり変形したりするかわからない不安定さが魅力になっている。ターンテーブルという物理的な装置を使った音響実験でありながら、どこか奇妙にファンキーなグルーヴが立ち上がるのが印象的で、取るに足らない素材から予想外の可能性を見つけ出すというアルバムの精神が詰まった、音響実験の枠を超えて語り継がれるべき異色の傑作。

底知れず深い音の清流を織り上げ続ける、世界的な評価も非常に高い日本のサウンド・アーティスト、鈴木昭男。Lawrence English主宰の名音響レーベル、[ROOM40]より、その記念碑的デビュー作「Analopos」が40周年を記念し、リマスタリング仕様で待望の公式再発!オリジナルはコジマ録音の自主盤ブランド、吉沢元治や佐藤聰明、East Bionic Symphonia等々、数々の現代音楽/アヴァン・ジャズの遺産の数々が残された[ALM Records]から80年に200枚限定でリリース、某マーケットプレイスでは16万以上で取引されていたこともある鬼レア盤。1979年に名古屋アメリカ・センターで行われたパフォーマンスをレコーディングした作品で、ヴォイスからターンテーブル、ガラス・ハーモニカ、そして、自身でデザインした創作楽器「アナロポス」を用いた一連の即興作品を2曲収録。数多くの現代作家を招聘した南画廊の画廊主、志水楠男氏に捧げられた一作でもあります。コラボレーターでもある名サウンド・アーティスト、Aki Ondaを聞き手に迎えた鈴木氏の長編インタビューや同作のヒストリーを掲載したブック(28P)も付属。限定盤。音楽の深遠へとそのまま連なる表題曲”Analapos”で是非撃沈してください。
底知れず深い音の清流を織り上げ続ける、世界的な評価も非常に高い日本のサウンド・アーティスト、鈴木昭男。ベルリンの実験系レーベル〈Edition Giannozzo Berlin〉(Rolf Julius, Alvin Curran, 小杉武久, Christina Kubisch)から84年にリリースされていた幻のカセット作品「Zeitstudie」の初アナログ・リイシュー。2本の金属シリンダーの間に張られた螺旋状のコードの音響伝達によって反響を生み出す楽器であり、70年代に開発された「アナラポス」と75年に製作したグラス・ハーモニカなどを用い、〈Galerie Giannozzo〉オーナーのRolf Langebertelsが企画したベルリン工科大学でのパフォーマンスの様子を収録。贅肉の全てを削ぎ落とし磨き抜いた様な、鈴木氏の芸術言語がかつてない境地へと達していた恐るべき瞬間を捉えた奇跡のスケッチ。めっちゃくちゃ凄まじいです!

底知れないほどに深い音の清流を織り上げ続ける、世界的な評価も非常に高い日本のサウンド・アート先駆者、鈴木昭男。Lawrence English主宰の名音響レーベル、〈ROOM40〉より、1994年にベルリンで録音されたアルバム『Stone』が30周年を記念し、待望の公式再発。1941年に平壌で生まれた鈴木氏による最初の作品は1963年に名古屋駅でバケツいっぱいの無作為な物体を階段から投げ落とししたものであり、その後、「投げる」と「追う」というプロセスを探求してきた同氏。本作には、その「投げて追う」という実践を記録した"Hinabi"という楽曲も収録されています。オリジナル録音からのリマスタリング仕様。長年のコラボレーターとして知られるDavid Toopのエッセイも収録。
