Electronic / Experimental
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1月中旬再入荷(12月下旬分は完売しました)。地獄ってどんな感じ?? 現行アンビエント・ジャズの重鎮ことカナダのJoseph Shabasonによる最新作『Welcome to Hell』が〈Western Vinyl〉よりアナログ・リリース。Toy Machineによる1996年のスケート・ビデオ・ドキュメンタリー『Welcome to Hell』にインスパイアされたコンセプト・アルバム!Sam Gendel作品にも顔を出している盟友Phil MelansonやThom Gillらがサポートした豪華編成で贈る2023年度ニュー・アルバム。Jon Hassellの第四世界のムードとファンキーなダンス・サウンドが溶け合う、プログレッシヴなアンビエント・フュージョン傑作に仕上がっています。

John CageやSteve Reich、Brian Enoといった前衛的なヒーローたちの命脈やテープ・ミュージックの伝統を継承し、イージーリスニング〜ファッショナブルになるずっと前のミューザックまであらゆるものをサンプリング、スロウでメランコリックな倍音を通じてスクリュー・ミュージックやヴェイパーウェイヴさえも予言してきたパイオニアにして、アンビエント史に名を残すであろうNYの伝説的ドローン作家、William Basinski。 1982年9月にニューヨーク・ブルックリンのダンボ地区にあった彼の最初のロフトで録音された初期の伝説的な作品『September 23rd』が〈Temporary Residence Ltd.〉からリリース。非常にインスピレーションを与える、影響力のあるカタログとなった作品の初期のエントリーとして最近発掘された音源であり、70年代半ばにバシンスキーが高校時代に作曲したピアノ曲をもとにしたまったく特異な作品となっています。

1月中旬再入荷。シーンの枠組みを越えて多大なリスペクトを浴びてきた我らがジム・オルークの2020年名作が待望のリプレス。石橋英子(ピアノ)、波多野敦子(ヴァイオリン、ヴィオラ)、Eivind Lonning(トランペット)を迎えたアンサンブル編成となっており、自身の若き頃と、名声を得たのちという30年もの時を超えた、2度に渡るGRMへの訪問からインスパイアを得た壮大な一作。散文的なインプロヴィゼーションと、徹底したミニマリズムを土台に、フィールド・レコーディング素材やエレクトロニックなテクスチャーの構築美の妙を見せつけながら、果てしなく予測不可能なゾーンへと突入した35分13秒。驚異的なバランスで抑えられ、整えられた音場ですが、このような静寂のなかに在っても決して内に秘めた熱を失うことがありません。
ダイナミック・レンジが広範であるため、リスナーは適宜ボリュームを調整する必要があるとのこと。これは絶対にお見逃し無く!!

Peter Rehbergの死去後、〈Editions Mego〉を引き継いだ 〈Shelter Press〉と〈INA-GRM〉による運営のもと、〈GRM〉関連の歴史的に重要な作品を現代へと紹介するフランスの要注意レーベル〈Recollection GRM〉から新物件!Pierre Schaefferと並ぶ、フランスの現代音楽の巨匠にして、ミュージック・コンクレートの先駆者としても知られるPierre Henry (1927-2017)が2003年に残したアルバム『Labyrinthe!』が初アナログ化!2003 年3月29日、パリの〈Radio France〉の〈Olivier Messiaen〉ホールで初演された、〈Radio France〉の委嘱作品。機械的ながらも有機的という、現在のポスト・インダストリアル・ミュージックのルーツとも呼べるような、圧倒的な音塊が収録されたトラック群。知性の冷徹を体現するように響く音響は、冷たく荒涼としていながら生物のように躍動し、無二の鋼鉄的な空間を描き出しています。
Cyprien Gaillardの新作ステレオスコープ映画のために制作されたサウンドトラック『Retinal Rivalry』が〈PAN〉より登場。舞台はドイツの都市風景で、その建築や遺構に積み重なった歴史や社会の痕跡を音で辿るような作品になっている。アンビエントやフィールドレコーディングを軸に、低周波のドローンや断片的なメロディが配置され、街の記憶や時代の残響を思わせる質感が強い。ときに無機質で冷たい響きが広がり、またある瞬間には人間の営みを感じさせる音が差し込むなど、都市の表層と深層を往復するような構成が特徴。単体のアルバムとして聴いても、単に都市の音を録音するだけでなく、その音を音楽的な素材として扱い、再構築することで、都市の持つ質感や空間、歴史といったものを彫刻作品のように形にしていくような没入感を味わえる一枚。




ヴァージニア州、メヘリン川沿いに残る18世紀の酪農農場。2023年9月、この場所にノースカロライナ周辺の音楽仲間9人が集まり、家の居間と食堂を即席スタジオに仕立てて録音したアルバム『Diamond Grove』。Weirsは固定したメンバーを持たず、オールドタイム音楽とDIYノイズを自由に横断する共同体的な集団で、ここではSluiceやMagic Tuber Stringbandの面々を含む編成で、夜が更けるまで古い歌や旋律に取り組んでいる。彼らは、忘れ去られそうな古い楽曲を収集し、Guided by VoicesのようなインディーロックからJean Ritchieのようなフォークまで、幅広い影響を融合させており、その音楽は伝統を保存するのではなく、伝統をどう生かすかを問い直すもので、古い賛美歌をMIDI化してiPhoneスピーカー越しに鳴らし直したり、ゴスペルを納屋の残響ごと封じ込めたりと、音の場そのものを演奏と同等の要素として扱っている。その結果、古い旋律は再現されると言うよりも、今この瞬間にふっと立ち上がって、リスナーの前に姿を現すのように響く。本作は、農場の古い建物、土地の記憶、夜の虫の声までが音楽の一部になっており、トラッド/フォークの純粋性を疑いながら、それでも歌の命脈をつなぎ、今日の耳にどう届きうるかを模索している。その本質はフォーク・リヴァイヴァルよりもむしろミュジーク・コンクレートやローファイ実験音楽の感覚に近いもので、アウトサイダー・フォークの系譜にありつつ、地域性と現代感覚を交差させたユニークな一枚。

ジョージ・フロイドの殺害事件を受けた世界的な反レイシスト抗議運動に刺激され、イギリスの人種差別に対する資金調達を目的として2020年に発表したミックステープ作品『hybtwibt?』が、PitchforkやBandcampでも「2020年のベスト・アンビエント・アルバム」の一つとしても取り上げられていた名ユニットの2021年人気作!!〈Where To Now?〉や〈Alter〉〈Sferic〉といった各地の尖鋭的なレーベルにも顔を出してきた英国・マンチェスター拠点の要注目エクスペリメンタル・デュオであり、Joshua Inyang & Joshua Tarelleからなる"Space Afrika"が名門〈Dais〉からニュー・アルバムをアナログ・リリース!ガラージ、ジャングル、グライム、ドリーム・ポップまでもパルスやパッドのきらびやかな軌跡の中へと液化させ、Dean Blunt、DJ Spooky、Cocteau Twins、Kleinの音楽までをも蝋燭のような物語へと煮詰めたような大作!!!

1月中旬再入荷。Psychic TVやThrobbing Gristleでの活動も知られるPeter 'Sleazy' ChristophersonとJohn Balanceが率いたカルト・インダストリアル/エレクトロニック・ユニット、Coil。そのメンバーDrew McDowallが単独で録音した粗いデモ・テープを、バンドメイトのJohn BalanceとPeter Christophersonが完成させた、最小限のポスト・プロダクションで録音された4編のドローンを収めた傑作『Time Machines』が〈Dais Records〉よりアナログ再発。チベットやその他の宗教の儀式音楽からインスピレーションされ、音楽に没入して瞑想したり、トランス状態になることを目的とした、まさに時間を溶かすような深遠で幻覚的な長編ドローンの史上に残る傑作アルバム。
1月中旬再入荷。ニューウェイヴ/ディスコ/世界音楽な80年代ドイツの伝説的な女性デュオ、Saada Bonaire。Dennis BovellプロデュースのYou Could Be More As You Areを始め、フュージョン、アフリカ的民族風味、ニューウェイヴの軽いシンセ、ダブなど当時の込み入ったポップ手法を駆使しつつも、影の重鎮DJ Ralf Behrendtによるプロデュース、アイコン的女性2人の気怠く妖艶なイメージが、見事に独自の空気を作り出してます。なにより随所に散りばめられた音響具合がいちいち格好良い。EMIからの2曲のシングル+10曲を加えた編集盤仕様。Captured Tracksの名仕事ですね。

レバノン出身のバンドSANAMによる2ndアルバム『Sametou Sawtan』。タイトルはアラビア語で「私は声を聞いた」という意味で、霊的でも不気味でもあるこの言葉が象徴するように、その音楽は音と言葉が心を揺さぶり、聴く者を今この瞬間へと引き戻す。ロックやジャズの自由な枠組みとアラブ音楽の深い伝統がぶつかり合い、情熱的なバラードと荒々しい即興演奏が交錯。詞作は前作同様、古今東西の詩や歌から引用し、現代的な意味を与え直すもの。エジプト民謡を再構築した「Hamam」、レバノンの現代詩人ポール・シャウルの詩をハードロックで爆発させる「Hadikat Al Ams」、12世紀の詩人オマル・ハイヤームの詩を用いた「Sayl Damei」やタイトル曲などが収録されている。過去の遺産を借りながら、燃えるようなライブ感と深い感情表現で、現代アラブ圏の新しいサウンドを切り拓く一枚!

1月中旬再入荷。world's end girlfriendの昨年作に惹かれた方にも!!!戦争犯罪、見て見ないふり、深い愛と嘆き。イスラエルとパレスチナの紛争を明確に示唆した、今年度最重要クラスの大傑作!ケベック・モントリオールで結成されたポスト・ロック・シーンを代表する屈指のバンド、Godspeed You Black Emperor!による8枚目となる”タイトル無し”の最新スタジオ・アルバムが〈Constellation〉から重量盤2枚組LPで登場!

同国産のジャズやブギー、アフロ・ハウス、クワイトなどが急速にリバイバルされる南アフリカで生まれた最新ムーブメント「アマピアーノ」の重要格として挙げたい21歳の若手ミュージシャン、Lutendo Raduvhaが率いる注目プロジェクトTeno Afrikaの1stアルバムがアフリカのマニアックな音源を紹介しているブログ&レーベル〈Awesome Tapes From Africa〉から登場!南アフリカのハウテン州のタウンシップ(アパルトヘイト時代に黒人居住区として指定された地域)で生まれ、この5年間で急速に勢いを増し、全国的なメインストリームへと進化を遂げた、クワイトの影響も受ける新ジャンル「アマピアーノ」の雄。人生の大半をヨハネスブルグとハウテン州プレトリア郊外の様々なタウンシップを行き来して過ごしてきた彼がこれらの地域から受けてきた影響を存分に取り込んだ、大変エキサイティングで新感覚なアフロ・ダンス・トラック集!

イタリアの音楽家で洞穴学者でもあるMariolina Zittaによる、洞窟内で録音された神秘的なリチュアル・サウンドスケープ作品『Concert For Bats, Voices And Natural Sounds』。コウモリの鳴き声を特殊センサーで収録し、自然音と融合。使用楽器は石、鍾乳石、丸太、骨笛、チベタンベル、マウスボウ、ディジュリドゥなど、原始的かつ儀式的なものばかり。洞窟内の水滴音、足音、川のせせらぎなども取り入れ、自然環境そのものを楽器化。声のオーバートーンや洞窟の儀式的な響きが加わり、神秘的で没入感のあるサウンドスケープを形作っている。洞窟と、夜の神秘を象徴するコウモリを讃える儀式的作品。

Merzbow、K.K. Null、Nordによる1984年横浜でのパフォーマンスをカセットテープから直接復刻、リマスターを初めて公式アナログ化した、日本ノイズ黎明期の貴重なライブ音源を収めた作品『B-Semi Live 24/5/1984』。原始的なノイズの力強さと実験精神が凝縮されており、後のジャパノイズ・シーンの基盤となる1980年代初頭の日本ノイズシーンを記録した歴史的ドキュメント。

ジャパノイズ巨匠Merzbowがセルビアの新興レーベル〈Jezgro〉より2017年に発表したEP『Torus』のデッドストック入荷。轟音の電子ノイズと歪んだリズムが交錯する、過激で妥協のないサウンドは、Merzbowのノイズ美学を凝縮した短編的作品集。都市の騒音と電子ノイズを融合させ、聴く者を圧倒しつつも奇妙な瞑想感をもたらす、ジャパノイズの真髄を体感できる一枚。
ジャパノイズ巨匠Merzbowとスペインの作曲家Pedro Vianによる2025年のコラボ作品『A Wheel on Mani』。 荘厳なアンビエントと伝統のノイズを融合させ、霊性とデジタル実験を探求する作品。 収録は2曲のみで、片面ごとに長尺の音響世界を展開し、混沌と美が交差する一枚となっている。

Tomoko SavegeやRos Bandtなどのファンにもお薦めな地質学と旧石器時代のポリフォニー!〈Black Sweat〉や〈Die Schachtel〉〈Soave〉〈Archeo Recordings〉といった自国レーベルを中心とした発掘作業により10年代中盤から後半にかけて再評価が進展したイタリアの地下/前衛音楽。その命脈の中心部に位置し、Aktuala、Art Of Primitive Sound、Futuro Antico、Gruppo Afro Mediterraneoといったイタリアの名だたる名グループで活躍した孤高のフルート奏者、Walter Maioliが1985年から2002年にかけて残した録音物を収めたアルバム『Caverne Sonore』が、〈Black Sweat〉と〈Holidays Records〉の共同でアナログ&CDリリース。巨大な地底湖での水の滴りや鍾乳石、石灰岩といった天然の音響空間と対話する、オルガン、グロッケンシュピール、木琴、石のマリンバなどの演奏による「地球の中心への旅」ともいうべき壮大な作品。
アートワークの格好良さ、この時点で一部がテクノ、妖しく煽るサントラ/ライブラリー味、黒いコンクレート観。どこをとってもヤバいです。イタリアは73年のエクスペリメンタル秘境盤、Problemi D'Oggi。手掛けるM. Zallaとは、映画音楽家~ジャズ奏者として、また後のモンド界隈でも熱烈に支持されたPiero Umiliani (1926-2001) の変名。多くの名義を使い分け、膨大な音源を量産する中でも今作は一際おかしくて、マフィアや暴動、テロなど、当時イタリア国中で高まった社会不安という世の流れも大きく反映されているようです。サイケデリック&電子の人力テクノで驚愕な1曲目"Produzione"に始まり、ホラーOST好みな黒い影、ダブ/コンクレート耳が盛り立つ奇怪な電子の響き、またマニアックなジャズ/ライブラリー宝庫級が眠っていたりと、Umilianiの豊かな音楽世界が変に暴れ回ってます。
