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6月19日発売。カリフォルニアを拠点に、神秘主義・超心理学・チベット哲学に傾倒し、オカルト誌の広告を通じて自作の「Psychic Meditation Course」と共にレコードを通信販売していたMaster Wilburn Burchetteの1971年作『Occult Concert』。エフェクトを重ねたギターの持続音や倍音がゆっくりと揺らぎ、儀式めいた空気をまとったサウンドが展開。メロディよりも振動や意識の変容を重視した構造を持つ、アンビエント・ギターによる魔術ともいうべき精神世界と音楽が密接に結びついた世界観。ローファイで私的な質感で、個人的な儀式空間を覗き見るような魅力を持った、1970年代アメリカのオカルト文化とアンビエントの交差点に位置する作品。

クラシックR&Bのタイムカプセルと称されるテネシーのソウルシンガーOliver Jamesの2022年以来となる新曲『1-2-3 b/w Nothing Is Forever』が名門〈Colemine Records〉より7インチで登場。A面「1-2-3」は、メンフィス、スタックス系のアップテンポ・ソウルを現代的なプロダクションで磨き上げたキラーチューン。ヴィンテージ感あふれるインストに、Oliver Jamesの太く温かい歌声が重なる。ギターのカッティング、跳ねるドラム、ホーンのアクセント、どれも60〜70年代の黄金期を思わせながら、今のソウルとしての強度をしっかり持っている。B面「Nothing Is Forever」は、ナッシュビルのファンクバンド The Gripsweats を迎えたスロウで哀愁漂うソウルバラード。南部ソウルの土臭さと、上品なアレンジが絶妙に同居した名曲。
クラシックR&Bのタイムカプセルと称されるテネシーのソウルシンガーOliver Jamesの2022年以来となる新曲『1-2-3 b/w Nothing Is Forever』が名門〈Colemine Records〉より7インチで登場。A面「1-2-3」は、メンフィス、スタックス系のアップテンポ・ソウルを現代的なプロダクションで磨き上げたキラーチューン。ヴィンテージ感あふれるインストに、Oliver Jamesの太く温かい歌声が重なる。ギターのカッティング、跳ねるドラム、ホーンのアクセント、どれも60〜70年代の黄金期を思わせながら、今のソウルとしての強度をしっかり持っている。B面「Nothing Is Forever」は、ナッシュビルのファンクバンド The Gripsweats を迎えたスロウで哀愁漂うソウルバラード。南部ソウルの土臭さと、上品なアレンジが絶妙に同居した名曲。
ノルウェーのマルチ奏者Les Imprimésによる、曇り空のネオソウル名盤『Fading Forward』からのシングルカット。A面「You & I」は、70年代スウィートソウルの柔らかい質感を現代的にアップデートしたメロウ・チューン。ストリングスのふんわりとした広がり、温かい鍵盤、控えめに跳ねるリズム、そのすべてがLes Imprimésの持つ淡い光のようなメロディセンスを引き立てている。B面「Miss The Days」は、シンガーAma Liを迎えたノスタルジックなスロウ・ソウルで、深いベースと柔らかいドラムが夜の空気を思わせ、二人の声が重なる瞬間には、過ぎ去った日々をそっと愛でるような情緒が漂う。アルバムの中でも特に人気の高い楽曲を7インチで!

8月下旬再入荷。スティーヴ・ライヒやグレン・ブランカ、シャルルマーニュ・パレスタイン、ローリー・シュピーゲルといった巨匠たちの名作を大胆にアップデートした『SOLO THREE』で一躍注目を集めた、現代ミニマル界の最重要アーティストErik Hall。Erik HallがMetropolis Ensemble、Sandbox Percussionと手を組み、オランダの作曲家Simeon ten Holtが生んだ、ミニマル音楽の中でも特に温かく、感情に寄り添う名曲「Canto Ostinato」を再解釈。反復するパターンが少しずつ形を変えながら進む原曲の魅力はそのままに、マレットの柔らかい粒立ち、ピアノの透明な推進力、アンサンブルの厚みが重なり、波紋が永遠に広がっていくようなミニマルの美しさがより立体的に浮かび上がる。静かに始まりながら、気づけば巨大な景色が広がっているような、ミニマル音楽ならではの時間の魔法が丁寧に描かれている。原曲の温かみ、現代的な音響とセンス、最高の演奏技術による精緻な演奏により実現した、Canto Ostinatoの新たな決定版とも言える1枚。

デトロイトの知られざるソングライティングの天才Ted Lucasのキャリア全体を俯瞰する初の本格的レトロスペクティブ。1965〜1979年の未発表、レア音源を体系的にまとめた構成になっており、Spike DriversやMisty Wizardsなどのサイケ期、唯一正式にリリースされたソロ・アルバム1975年作『OM』へとつながるアコースティック期、そして長らく失われたセカンド・アルバムと語られてきた1979年録音「Impossible Love」を収録。60年代のバンド音源は、デトロイト・サイケ特有の霞がかった色彩とアシッド感がそのまま封じ込められ、70年代初頭のソロ音源では、Lucasの代名詞ともいえる内省的フォーク、スピリチュアルな静けさが際立つ。一方、79年音源は驚くほどスムースで、シティポップにも通じる洗練を見せるなど、Lucasの多面性が鮮やかに浮かび上がる。

Chris RosenauとNick Sanbornが長年の友情と即興の瞬間をそのまま結晶させたエレクトロ・アコースティック作品『Two』。Sylvan Essoの森の中のスタジオBetty’sで録音された本作には、森の空気や環境音までもが自然に入り込みながらギターの倍音と電子音の揺らぎが柔らかく溶け合う独特の開放感が漂う。ふたりが同じ空間で呼吸を合わせながら音を紡いでいくことで、構築よりも生まれる瞬間の楽しさ、美しさが前面に出ており、フォークの温度とエレクトロニカの透明感が静かに交差する。前作『Bluebird』の延長線にありながら、より深く、より自由で、ふたりだけの対話がそのまま音になったような、穏やかで親密な一枚。

Karateが2004年に発表したジャズ、ポストハードコア、インディロックを独自に融合したキャリア後期の到達点とされるアルバム『Pockets』。タイトでしなやかなリズム隊、Geoff Farinaの語りかけるようなボーカル、そして細部までニュアンスの行き届いたギターが織りなすサウンドは、ジャズの呼吸感とポストハードコアの緊張感が同居する独特のもの。静けさの中にじわりと熱が宿る楽曲が並び、夜の都市の空気をそのまま閉じ込めたような深い味わいがある。派手さはないが、聴くほどに染み込む渋い美しさが魅力的な、Karateの円熟を刻んだ、静かで力強いラスト・アルバム。派手な装飾を削ぎ落とし、ただ三人の呼吸と響きだけに集中した誠実な対話の記録。

9月下旬再入荷。フィラデルフィアのインディ・ポップ・トリオ Market East による、日常の風景にそっと寄り添うような、温かく穏やかなアコースティック・ポップアルバム『French Street』。柔らかなギターとピアノ、控えめなリズム、そして彼らの代名詞である美しい多声コーラスが重なり、60〜70年代のソフトロックやバロック・ポップを思わせるノスタルジックな空気をまとっている。派手さはないけれど、聴くほどにじんわりと心に染み込むメロディと現代的な透明感が、街角の素朴な暮らしのような親密さを感じさせる。あくまでも自然体で、日常の風景やささやかな感情を丁寧にすくい上げた、聴き終えたあとにふっと心が軽くなるような一枚。

デビュー作『In Green We Dream』で注目を集めたアメリカのオルガントリオ Parlor Greensによる2ndアルバム『Emeralds』。Adam Scone、Jimmy James、Tim Carmanらいずれもファンク/ソウル/ジャズの現場で活躍する熟練者3人が作る、感染力のあるファンキーなインスト作品で、グルーヴ、ソウル、ジャズの要素が自然に溶け合い、〈Colemine Records 〉らしい温かみと職人技が光る作品になっている。Jimmy Smith や Shirley Scott などのヴィンテージ・オルガンジャズの精神を現代のファンク感覚でアップデートした成熟した作品。

学生時代に参加した"グループ音楽”での先鋭的な音楽活動、また1964年からはフルクサスへ参加した事でも知られる塩見允枝子氏。1990年に招聘されたヴェネチアのフルクサス・フェスティバルは、その後の氏の活動に大きな変化を与える出来事となり、同年に創始者であるジョージ・マチューナスへの追悼を込め鎮魂曲をカセットフォーマットにて自主出版。
シンセサイザーのチェンバロとオルガンの音色で演奏した自作曲、逆再生した自身の声をテープに記録、その音源を業者に持ち込みヴェネチアの会場で録音した環境音と合成/編集を行ったテープ音楽作品。ラ・モンテ・ヤング、マリアン・ザジーラ、エリック・アンダーセン、ウィレム・ドゥ・リダー、ケン・フリードマンらフルクサスの重要作家らの声も使用、テープの特性を利用しユニークなアイデアと構造を盛り込んだ、氏の音源の中でも特殊な位置付けとなる作品。
塩見氏が本再発版の為に書き下ろした新たな解説文、会場で撮影された当時の写真資料やスコアを掲載した、A4サイズの全8ページブックレット付き(日本語/英語)。
マスタリングはGiuseppe Ielasiが担当。
※CDフォーマットは作家の意向により、オリジナルカセットのA、Bサイドを繋げ1つの楽曲としている。
6月10日発売予定。前作『DUBMAID』で耳目を集めた東京拠点のプロデューサーMERMAIDが、新作LP『DUB FOREVER』をリリース!
レゲエを軸に電子音のテクスチャーを重ね、自身のロウ・ボイスを織り交ぜながら、さらにクラシックの引用と現代技術を大胆に導入。タイムレスなレゲエ/ダブを志向した全10曲を収録。バッハ「G線上のアリア」(A1)、ゴセック「ガヴォット」(B2)、唱歌「一月一日」(B4)といった時代や地域を越えるモチーフが、ダブの手法によって溶解・再構築され、まるで悠久の時間を漂うかのような音像を生み出しています。
ミニマルでありながら奥行きを感じさせるサウンドデザインと、どこかユーモラスで歪な感覚が同居する本作は、前作をさらに推し進めた実験性と没入感を兼ね備えた一枚。アートワークは鈴木聖、マスタリングは大城真。限定500枚プレス。
抜群のソングライティングと透明感溢れる歌声、アコギ+αの洗練されたアレンジ、そして2人がたたずむ空気感。全てがパーフェクトな傑作アルバム!
MONO NO AWAREの玉置周啓(Vo.)と加藤成順(Gt.)によるアコースティック・ユニットMIZが2020年にリリースした1stアルバム『Ninh Binh Brother's Homestay』。本作は過去に玉置が旅をして昔の日本の情景を感じた地、ベトナムにてレコーディングを敢行。自然がおりなす絶景や、そこに漂う時間の中から立ち昇る現地の空気や匂いをパッケージした、プリミティブで美しいアコースティック・サウンドの全10曲を収録。数多くのリクエストを受け、ついに再販決定!
ベルリンの電子音楽シーンで異彩を放ち続けるErrorsmithが、2005年10月に制作し、自身のウェブサイトでひっそり公開していた伝説的ミックス『Le Trilliardaire Mix』が〈Never Sleep〉より公式再発。ジャンルの境界を飛び越える編集感覚で、Ron Hardyのディスコ・リエディットから、Soundstreamのミニマル・ハウス、South Rakkas CrewやSizzlaのダンスホール、Skeptaのグライム、DJ Deeonのゲットーテックまで、選曲は縦横無尽。しかもそれらが高速で切り替わりながらも、Errorsmithならではの音響的なこだわりによって、ひとつの流れとして成立している。2000年代ベルリンのクラブが持っていた混沌としていてエネルギッシュな空気がそのまま刻まれており、粗さと精密さが同居し、ラフな勢いの中に緻密な構造が潜む。電子音の硬質な反復と、カリブ音楽のリズムが奇妙に接続される瞬間など、Errorsmithのセンスが輝く。売上は国境なき医師団に寄付されるチャリティ作品。
伊勢の中山美術館にて日系兄弟ALCIとの驚きの邂逅を経て、即座に意気投合。共演や競演を重ねるなかで一緒に作品を創ろうという流れから誕生した作品。
曲自体は2023年末にリリースしたアルバム「PASSING TONE」の中から「AKEBONO」をALCI自らがチョイス。5拍子という変化球に関わらずジャストミート。
互いの共通の仲間であるBASED ON KYOTOのDAICHIと、朋友J.A.K.A.M.にリミックスを依頼し、それぞれのカラーが存分に織り込まれた世界観を表現してくれました。
「AKEBONO feat. ALCI」オリジナルバージョン、および2曲のリミックス、そしてKNDのリミックスによる「Floating Life - KND DUB」を収録。
TRACKLIST
A1. SOFT feat. ALCI Akebono - DUB 06:32
A2. SOFT Floating Life - KND DUB 05:58
B1. SOFT feat. ALCI Akebono - J.A.K.A.M. RMX 04:00
B2. SOFT feat. ALCI Akebono - DAICHI RMX 08:29

昨秋の『bloweyelashwish』の再発でもお馴染みのデュオ、lovesliescrushingが1996年に発表した2ndアルバム。ギターと声という最小限の素材を徹底的にエフェクト処理し、音の輪郭を完全に溶かしてしまうアンビエント・シューゲイズの美学が決定的に結晶。Scott Cortezのギターはもはや楽器の形を留めず、霞のようなテクスチャーとして空間を満たし、Melissa Arpinの声は言葉を失った光の粒子のように漂う。18曲の短いスケッチが連なる構成は、夢の断片を次々と覗き込むようで、シューゲイズの轟音を極限まで抽象化し、音の雲として提示するアプローチは、現在のドリームアンビエント/ノイズ・シューゲイズの源流ともいうべきもの。音の存在そのものに身を委ねる、唯一無二の作品。

郷愁と陽炎が溶け合う、幻想的サウンドスケープ。到達点ともいえる歴史的名作!
2005年発表の3rdアルバム『The Campfire Headphase』は、Boards Of Canadaが持つノスタルジックな世界観を、より有機的かつ叙情的に押し広げた名作。アコースティック・ギターや柔らかなメロディを大胆に取り入れ、これまで以上に温かく、幻想的な音像を描き出した。代表曲「Dayvan Cowboy」をはじめ、夕暮れの景色を思わせるような美しいサウンドは、アンビエント、フォーク、エレクトロニカを横断しながら独自の存在感を放つ。

ジャズ、エレクトロニカ、ベース・ミュージック、アンビエントなど、さまざまな音楽的影響を現代の感性で表現した作品で高い評価を得てきたロンドンのプロデューサー、Loraine James。内なる葛藤と変化への渇望を原動力に制作された最新作『Detached From The Rest Of You』は2025年にシンガーAnysia Kymと手がけたEP『Clandestine』での制作経験を経て、よりポップなアプローチと、インストゥルメンタルを洗練された楽曲構造へ落とし込む手法を獲得し、その経験を制作に落とし込むことで完成した。
クラブ志向のサウンドや曲折的な展開から一歩進み、より明確で凝縮されたソング・フォームへとシフトしている。
プロダクションは極限まで削ぎ落とされ、Aoki takamasaやRyoji Ikeda、2000年代初頭のClicks & Cutsに着想を得たクリックやグリッチの音響空間が広がる。ミニマルな鍵盤の和音と余白を巧みに活かし、音とヴォーカルのあいだに生まれる空間が、これまでで最も自信に満ちたダイレクトな作品へと結実した。
客演には、Sydney Spann(“In a Rut”)、Alan Sparhawk(Low/“Peak Again”)、Miho Hatori(Cibo Matto/“Flatline”)、Anysia Kym(“Score”)、Tirzah(“Habits and Patterns”)が参加。さらに旧知のラッパーLe3 bLACKが、Fyn Dobsonのジャズ色豊かなドラムを従えた“Ending Us All”で再び鋭いリリックを響かせている。

ブレインダンス、ジャズ・フュージョン、アンビエント、グラインド、ヴェイパーウェイヴ、エクストリーム・メタルに至るまでジャンルを横断し、静謐さと過激さを対比させた作風で注目を集めるシカゴ拠点の実験音楽家Fire-ToolzことAngel Marcloidが〈Warp〉と契約、最新作『Lavender Networks』を発売!
『Lavender Networks』は、Nu Ageの先駆者Fire-Toolzにとって〈Warp Records〉からのデビュー作となる。メリーランド生まれ、シカゴを拠点とする彼女は、他アーティストのプロデュースやエンジニアリングも手がけており、Pitchfork Best New Musicにも選出されて話題となったNo Joyの最新作『Bug Land』にも関わっている。
本作には、Zola Jesus、Brothertiger、Nailah Hunter、Lipsticism、Jennifer Holm、Sling Beamが参加。夢の論理、涙の中の笑い、そして不条理を通じた感情の真実をテーマに、光ファイバーの速度で駆け抜けるサイバネティックな旅が描かれている。
サウンドアートの先駆者として60年以上にわたり活動を続ける、鈴木昭男のトートバッグです。肉厚の生地に、シルバーでプリントされています。
ベネズエラ出身でニューヨークを拠点に活動し、ノイズ、電子音響シーンで長年存在感を放ってきたCarlos Giffoniによる、Greg Kelley、Mabe Fratti、Zola Jesus、Ben Chasny、Lea Bertucci、Iggor Cavaleraら豪華アーティストをコラボレーターに迎えた最新作『Pendulum』。Giffoniはこれまでノイズ寄りの作風で知られてきたが、本作では 柔らかな音色や女性ボーカルを積極的に導入し、アコースティック楽器のの響きも活かしながらより開かれた音響表現へと踏み出している。オープニングの「Pendulum」では、Greg Kelleyの管楽器が豊かな倍音を描き、電子音の揺らぎと重なり合う。「Dermis」ではMabe Frattiのチェロが深い陰影を与え、「Beam」ではZola Jesusの声に幽玄な光が差し込む。「Dos」ではLea Bertucciのサックス、クラリネットの響きが点描のように配置される。それぞれのゲストの個性がGiffoni の電子処理と自然に溶け合い、ノイズ、アンビエント、ポストクラシカルにまたがる多層的な音像をつくり上げている。

サウンドアートの先駆者として60年以上にわたり活動を続ける鈴木昭男。その初期代表作であり、1990年にオランダ・アイントホーフェンの〈Het Apollohuis〉から出版された1stCD『Soundsphere』が、〈Room40〉によってついに復刻。鈴木が1970年代に考案した独自楽器 アナラポスとDe Koolmeesを中心に構成された、彼の音の哲学を象徴する作品。ガラス管を擦り、叩き、触れることで生まれるDe Koolmeesの透明な倍音は、光が空間に広がるように微細な変化を続ける。一方、アナラポスはバネの巻き線を伝って音が上下に反響し、揺れ続けるドローンを生み出す。音数は決して多くないが、響きの余白が空間の奥行きをつくり、水平だけでなく垂直方向にも音が存在するような立体的な音場が広がる。鈴木の作品の特徴は、音を探すという行為そのものが作品になっていることで、楽器に触れ、空間と対話し、予期せぬ響きを受け取る。そのプロセスがそのまま録音に刻まれており、音が生まれる瞬間の対峙と柔らかさが共存している。唯一無二の自作楽器を通して、鈴木昭男が音の存在そのものを探求した記録であり、サウンドアート史における重要な作品。ポスター付属。
ミュジーク・コンクレートの歴史を60年以上にわたり更新し続けてきた作曲家Beatriz Ferreyra。GRMでピエール・シェフェールと共に活動した60年代から、アナログ・テープと電子処理を自在に横断する独自の音響世界を築いてきた彼女の重要作『A Distracted God』。本作に収録されているのは、異なる時期に制作された3つの電子音響作品。冒頭の「Souffle d'un Petit Dieu Distrait」は、声や物音の断片がテープ操作によって変質し、折り重なるように展開する代表的な一作。続く「Tierra Quebrada」は 2020年制作のチェロと電子音響のための作品で、チェロの深い共鳴がデジタル処理によって揺らぎ、アコースティックと電子的な質感がせめぎ合う。終曲Sourires d’Automneでは、微細なノイズや呼吸のような揺らぎが空間を満たし、音が自律的に動き続けるような立体的な音像が広がる。日常音、声、楽器が電子音響の深淵へと融解していく、非常に完成度の高い作品。
アメリカ実験音楽の重鎮Carl Stoneと、100台以上のオモチャ楽器を操る日本の音響作家ASUNAによる初のコラボレーション作『Imu Plastos』。2024年、ASUNAの地元・金沢での国際実験音楽フェスティバルでの共演をきっかけに生まれた作品で、ライブで展開された循環型サンプリングの手法をさらに発展させた内容となっている。ASUNAが鳴らすオモチャ楽器や小型シンセ、サンプラーの音をStoneがリアルタイムで取り込み加工し、さらにその加工音をASUNAが再びサンプラーに取り込んで送り返す、という、音が往復しながら変質していく独特のプロセス。オモチャ楽器の素朴な響きが電子処理によって奇妙な質感へと変換され、まるで異国の祭りの断片が電子音の霧の中で漂うような、文化的なレイヤーが折り重なる音像。ランダム性と構築性が同時に存在し、音が自律的に動き続けるようなテクスチャーがアルバム全体を貫く、実験精神に満ちた一枚。
