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フランス前衛ロックの巨星MAGMAが1970年に発表したデビュー作『Kobaïa』が再発。ドラマー/作曲家Christian Vanderが創造した惑星コバイアを舞台にした壮大なSF神話の第一章であり、後にZeuhlと呼ばれる唯一無二の音楽スタイルの原点となる歴史的作品。ジャズロックの熱量、現代音楽的な構築美、スピリチュアルな高揚感、そして人工言語コバイアン語による呪術的なヴォーカルが渾然一体となり、ロックの枠を軽々と超えるスケールの音世界を生み出している。アコースティック楽器の比重が高い初期MAGMAならではの生々しいアンサンブルが、宇宙的な物語性と結びつき、音楽そのものがSF叙事詩を語るような熱量の塊と言うべき一枚。最新リマスターによってオリジナルのダイナミズムを保ちながらもクリアな音像で再構築され、70年録音とは思えない鮮烈さでMAGMAの創造力を体感できる仕上がりとなっている。ロック史に残る孤高の独立峰。

電子音響・ダブ・実験音楽の領域で常に革新的な作品を生み出してきたVladislav Delayが、アコースティック編成のクインテットという新たなフォーマットで提示する最新作。トロンボーンやクラリネットのロングトーン、ベースのうねり、パーカッションの粒立ちが混ざり合い、アコースティックでありながら、Delayの電子音楽的美学がそのまま転写されたような音響空間が広がる。リズムは明確な拍を刻むのではなく、ゆっくりと膨らんだり収縮したりしながら、音の流れそのものを形づくる。旋律は断片的に現れては消え、和声は背景として漂うだけで、曲の構造は常に変化し続ける。ジャズの即興性と、現代音楽のテクスチャー感覚、そしてDelayの持つ時間操作のセンスが、アコースティックの身体性と結びついた、電子音楽の革新者が、アコースティックのクインテットという制約の中で、逆に自由度の高い音楽を生み出してしまった、驚きに満ちた作品。

本書は、フラメンコの最深部カンテ・ホンドの起源が、パキスタン・シンド地方の音楽にあるという、著者であるAziz Balouch独自の理論を提示した1955年の著作。 Balouchはシンド地方のイスラム神秘主義と奉納歌の文化の中で育ち、1930年代にジブラルタルへ渡り、スペイン南部でカンテ・ホンドに魅了された。その自身の人生の軌跡をもとに、両地域の音楽的・精神的共鳴を探る内容で、研究書というより、個人的体験と直感的な観察に基づく音楽的回想録としての性格が強い。フラメンコの深い歌に宿る嘆きや祈りと、シンド地方の奉納歌に流れるスーフィー的精神性が、国境を越えてつながるというBalouchの洞察は、現代のワールドミュージックを見る目にも通じる先駆的なもの。今回の復刻版には、音・感覚・イスラム研究を専門とする人類学者Stefan Williamson Faによる新序文を収録し、作品の歴史的背景と意義を現代的に読み解く手がかりが加えられている。

1970年代初頭から1990年代半ばにかけて、UK各地で行われたサウンドシステム・ダンス、クラッシュ、ブルースパーティのフライヤーを300ページにわたり収録した、UKサウンドシステム文化の決定的アーカイブ。Sir Coxsone、Jah Shaka、King Jammys、Saxon、Unityなど伝説的サウンドから、ローカルの無名セットまで幅広く網羅し、これまで散逸していた資料を体系的にまとめた初の大規模コレクション。手書き文字、にじんだインク、粗いコピーの粒子といった当時の質感がそのまま残され、UKブラックコミュニティの社交文化、DIY精神が保存されている。会場はハウスパーティから教会ホール、倉庫まで多岐にわたり、音楽と生活が密接に結びついていた時代の空気を生々しく伝えてくれる。序文はLee “Scratch” Perry研究で知られるDavid Katz、終文はブラックブリティッシュミュージック研究者Kevin Le Gendreが担当。歴史的背景と文化的意義を補完するテキストも充実しており、資料価値と読み物としての魅力を兼ね備えた一冊。UKブラックカルチャーの忘れられない一夜の記録集。
人気作!ヴァーモントのマルチ奏者 Henry Birdsey を中心とする Old Saw による、牧歌的でありながら、どこか荒涼としたニューイングランドの風景や記憶を音に染み込ませたような、静謐で深い余韻を持つ2枚組アルバム『The Wringing Cloth』。〈Mississippi records〉の現オーナーが運営する〈Lobby Art〉からのリリースで、1stプレス即完売となった傑作の2ndプレスが入荷。ナイロン弦ギター、バンジョー、フィドル、ペダルスティール、リードオルガンなどのアコースティック楽器が、アンビエントやドローンの持続音と溶け合い、カントリーのような素朴さと実験音響の抽象性が同時に立ち上がる。アコースティック楽器の温度感と、テープ録音による温かい質感や微細なノイズが、静かで感傷的、そしてどこか神秘的な没入世界を作り上げている。
2026年リプレス!ジャマイカを代表するシンガーHorace Andyが、NYブロンクスの〈Wackie’s〉に滞在して録音した1982年作『Dance Hall Style』。プロデュースはもちろんLloyd “Bullwackie” Barnesで、ジャマイカ本国のダンスホールとは異なる、NYの地下的な深い残響と霧のようなダブ処理が全編を包む、レーベルのカタログの中でも屈指の名盤。「Money Money」「Lonely Woman」「Cuss Cuss」など名曲揃いで、特に「Spying Glass」は後にMassive Attackが再構築した重要曲としても知られる。各曲は ヴォーカルからそのままダブへ流れ込む ショーケース形式で、Horace Andyの浮遊感ある声が深いエコーに溶けていく。Horace Andyと〈Wackie’s〉の組み合わせが生んだ、孤独と温かさが同居する、暗く、深く、そして美しい唯一無二の名盤。
2026年リプレス!Horace Andy『Dance Hall Style』と並び、〈Wackie’s〉の最高峰と名高いWayne Jarrettの名作『Showcase Vol.1』。1982年、NYブロンクスのWackie’s Studioで録音され、プロデュースはもちろんLloyd “Bullwackie” Barnes。収録曲は「Brimstone & Fire」「Every Tongue Shall Tell」「Magic In The Air」「Bubble Up」など全6曲。すべてショーケース形式で構成され、Jarrettの軽やかで浮遊感のある声が、Bullwackieの重いベースラインと深いエコーに溶けていく。バックはThe Chosen Brothers、Jerry Harris、Clive Huntら〈Wackie’s〉周辺の名手たちで、NYのアンダーグラウンド感とジャマイカのルーツ精神が交差し、煙に包まれたようなスピリチュアルで幻想的なルーツ、ダブが展開される。Wayne Jarrettの声と〈Wackie’s〉の美学が鮮明に刻まれたショウケース名盤。

2026年リプレス!Massive Attackのカヴァーも収録!アヴァンギャルドな作品も含む、知られざる南アフリカのアフロ・ジャズの傑作の数々を掘り起こしてきた名所〈Matsuli Music〉からは、近年、ロンドンやフランスに続いて盛んになっている同国産の現代ジャズ作品が到着!映画やテレビの劇伴制作などでも活動、数々の賞を手中に収めてきた南アフリカの次世代を代表するジャズ・ピアニスト/作曲家Kyle Shepherd。「アフリカン・ピアノの継承者」と呼ばれ、巨匠Abdullah IbrahimやKeith Jarrettからも影響を受けているという彼が率いるトリオの最新アルバム!その表題は、ヨハネスブルグ出身の現代美術家William Kentridgeに捧げられたもの(シェパードはケントリッジと共同で室内楽オペラ作品『Waiting for Sybil』という作品を制作し、世界ツアーを敢行しています。)自身のオリジナル曲10 曲に加え、Massive Attackの大名曲"Teardrop"や、ジャーニーのロックアンセム"Don’t Stop Believing"などの独自解釈された演奏も収録。〈The Carvery〉での高品質マスタリング&カッティング仕様。

リオのシンガーCarol Maiaと、NYブルックリンのドラマーJeremy Gustinによる遠距離コラボから生まれた、静謐でドリーミーな音響ポップ作品。オンラインでのやり取りを軸に制作され、リオとNYの重要ミュージシャンが参加することで、MPB、アンビエント、アートポップが自然に溶け合う独自のサウンドが形作られた。柔らかくささやくような歌声、低温で洗練されたビート、繊細な鍵盤やギターが重なり、まるで水面に光が揺れるような音の質感。ボサノヴァの軽やかさとポルトガル語、ブルックリンの実験ポップ文化が違和感なく同居し、国籍を超えたどこにも属さないポップが生まれている。遠距離政策でファイル交換を繰り返す中で生まれた、リオの海風とブルックリンの夜気が同時に流れ込むような、現実の場所には存在しない架空の都市のような音響空間も魅力的。既存のブラジル音楽という枠組みから逸脱したミニマルで冷ややかなエディットはSmerzやTara Clerkin Trioにも通じる、現代MPBの新しい形。

人気作が2026年リプレスです!消えた町の記憶を奏でる、東京ノスタルジア!2024年に再開発で失われた街、三田小山町への個人の追憶を音にした、マルチ奏者・Murakamiによる、パーソナルなアンビエント作品。ジャズギター、アコースティックギター、サックス、フレットレスベース、アナログ/モダンシンセ、メロトロン、アコースティックピアノといった多彩な楽器を用いて、ジャズ、ニューエイジ、フォーク、ブラジリアン、70年代プログレの要素が融合された音響を構築している。音楽的には、温かいカセットの音質やビンテージアンプの倍音、複雑に編まれたサックスと弦のアレンジが重なり合い、個人的な記憶と風景を音符として呼び覚ますような、深く心に触れるサウンドスケープに仕上がっている。家族の住んでいた街へのノスタルジックなオマージュ。
カセットが弊店でもベストセラーだった人気作が、待望のヴァイナル化です!日本のインディ・ロック・シーンの中心的存在never young beachのベーシストとしても知られる巽啓伍(たつみけいご)による、初となるソロ作品『AT US』がカセットで登場。写真家のタケシタトモヒロによる写真展『Across the United States』の場内音楽を担当した事をきっかけに制作されたオリジナル・サウンドトラック作品。「森は生きている」の元メンバーとしても知られるドラマー/パーカッショニスト増村和彦がパーカッショニストとして参加。同じく「森は生きている」の岡田拓郎がミックス/マスタリングを担当とバックアップも万全の一作!

インドネシア・スラバヤ発のソウル、R&Bバンド Thee Marloes による7インチ・シングル『I'd Be Lost / What's On Your Mind』。60〜70年代のスウィート・ソウルやアーリーR&Bの質感を現代的でありインドネシア的でもある感性によって再構築した、温かくも切ない魅力に満ちた一枚。柔らかいエレピ、軽やかなギター、タイトなリズムに乗せて、Natasha の甘く切ない歌声がまっすぐ響く「I'd Be Lost」、しっとりした鍵盤、控えめで丁寧なリズムに、 Natasha の声のささやきのようなニュアンスが際立つ「What's On Your Mind」を収録。

フランス南部、オクシタニア地方を拠点に活動する女性デュオCocanha による、声とタンバリンを中心にしたミニマルな編成で、オクシタン語のフォークロアを、懐古ではなく、今を生きる表現として再構築したアルバム『Flame Folclòre』。複数声部のポリフォニーが渦を巻き、弦付きタンバリンの深いパルスが身体を揺らす。反復の中で徐々に熱を帯びていく構造は、伝統音楽でありながらミニマルで身体的なトランス感のあるサウンド。プロデュースにはRosalíaやLee Ranaldoを手がけるRaül Refreeが参加し、声の近さや打楽器の生々しさを際立たせた緊張感のある音像を作り上げている。古い旋律と新しいテキストを組み合わせ、フォークロアを組み直す、現行フォークの最前線。
ブラジル・トロピカリアを象徴する奇才バンドOs Mutantesの魅力を世界に再発見させた、Talking HeadsのDavid Byrne監修の決定的コンピレーション。1968〜72年の黄金期から名曲を厳選し、〈Luaka Bop〉が1999年にリリースした『World Psychedelic Classics』シリーズの第1弾。「A Minha Menina」「Bat Macumba」「Ando Meio Desligado」など、サイケデリック・ロック、サンバ、ボサノヴァ、電子音、そしてRogério Dupratのオーケストレーションが万華鏡のように混ざり合うMutantesの真骨頂ばかりを収録。Rita Leeのキュートでアシッドな歌声、Sérgio Diasのファズギター、そしてトロピカリア特有のカラフルで混沌とした実験精神が一枚に凝縮されている。ポップ、前衛、土着性の絶妙なバランスは、初めてMutantesを聴く人にも、トロピカリア入門にもおすすめできる一枚。

NídiaとValentina Magalettiによる名作『Estradas』を、世界各地のプロデューサーが再構築した公式リミックス盤。原作が持つポリリズムと打楽器の強度を軸に、ラテン、UKベース、バイレファンク、アンビエント、ジャングルなど、多国籍のクラブ・サウンドへと変異していくグルーブの実験場。DJ Anderson do Paraíso、Rosa Pistola、DJ Plead、Sherelle、Yu Su、Kelman Duranら10組が参加し、それぞれが原曲の強度を保ちながら、自身のスタイルへと大胆に翻訳。スロウで幻覚的なバイレファンクから、160bpmのジャングル、空間に溶け込むような アンビエント・ダンスまで、1曲ごとに異なるダンスフロアが立ち上がる多様性が魅力となっている。リスボンから、ロンドン、メキシコシティ、ベルリンへと巡る終わりのない音の旅へと誘われる一枚。
シカゴの名門〈Cadet〉レーベルが残した最高峰の一枚として語り継がれる、Marlena Shawの代表作『The Spice Of Life』。1969年にリリースされた本作は、プロデューサーRichard EvansとCharles Stepneyによる緻密なアレンジワークを背景に、Shawの豊かな表現力が存分に発揮されたソウル・ジャズの金字塔。公民権運動期の社会問題を真正面から扱った深いドラマを孕んだ名曲「Woman of the Ghetto」や、Shawの軽やかでスウィングする歌声が楽曲の持つポップな魅力を一段と引き上げているAshford & Simpsonの名曲「California Soul」などを収録。アルバム全体を通して、ストリングスの柔らかな響き、ジャズ的なハーモニー、ファンクのグルーヴが自然に溶け合い、シカゴ・ソウルの洗練を象徴するサウンドが広がる。ブルース、ポップス、スピリチュアル・ジャズまで幅広い選曲をShawの声がすべてをひとつに束ね、1969年という時代の空気と社会性を鮮やかに刻んだ作品。今なおクラブ、サンプリング・カルチャーからも支持され続ける、時代を超えた名盤。
ジャズ・ファンクの巨匠Roy Ayersが、Ubiquity名義の絶頂期に残した名盤『Vibrations』。前作『Everybody Loves The Sunshine』と同年に制作された、メロウネスとファンクネスのバランスが最も美しく結晶した一枚。ヴィブラフォンの柔らかい響き、エレピの温度感、ディスコ以降の跳ねるビートが滑らかに溶け合い、都会の夜の湿度をそのまま閉じ込めたようなメロウ・グルーヴが全編を貫く。「Domelo」「Come Out And Play」などのダンサブルなトラックから、「Baby I Need Your Love」「Vibrations」のソウルフルな楽曲まで、リスニングとダンスフロアの両方に寄り添う懐の深さが魅力。特に「Searching」は後年ヒップホップで数多くサンプリングされ、ブラック・ミュージックの歴史にも深く刻まれた重要曲。ホーンや女性コーラスの光沢感も相まって、70年代後半のソウル/ジャズ・ファンクの華やかさと洗練が凝縮されたUbiquity名義の代表作。
ソウルフルな選曲と温かいグルーヴが溶け合う、Ubiquity名義の中でも屈指の完成度を誇る作品。Bill Withers「Ain’t No Sunshine」、Aretha Franklin「Day Dreaming」、Temptations「Papa Was A Rolling Stone」といった名曲カバーを、Ayersならではのメロウで黒いグルーヴへと再構築。妖艶なヴィブラフォンの響きと、タイトなリズム隊が織りなす70年代ブラックネスが全編に満ちている。タイトル曲「Red, Black & Green」はレアグルーヴ・クラシックとして知られ、グルーヴィーなベースラインと浮遊感のあるヴィブラフォンが絡み合う名演。オリジナル曲とカバーが自然に溶け合う、Ayersの音楽性が最もバランスよく結晶した名盤。

レーベル最終在庫です、今後リプレス予定無しとのことです。お見逃しなく。1976年、Roy Ayersが最盛期に放った代表作『Everybody Loves The Sunshine』。70年代だけで20枚以上のアルバムを残した多作家でありながら、その質の高さを決して落とさなかったエアーズの中でも、金字塔として位置づけられる名盤。とりわけタイトル曲「Everybody Loves The Sunshine」は、ブラック・ミュージック史に残るサマー・クラシックであり、D’AngeloやRobert Glasper Experimentらによるカバー、2PacやDr. Dreらによるサンプリングなど、50年近くにわたり愛され続ける名曲。黄金色に揺らめくキーボードとヴィブラフォン、耳に残るヴォーカルのリフレインが生むメロウ・グルーヴは、まさにエアーズの代名詞。メロウネスとスピリチュアルな高揚感の両面が最良の形で結実したの決定的名盤。180g重量盤
スペインの発掘系レーベル〈Akenaton Records〉が手がける、70年代フィリピン・ロックのコンピレーション『Hard Philippines』。1971〜1978年に録音されたPinoy Rock黄金期の音源をまとめた本作は、ハードロック、グラム、アシッド、ヘヴィブルースの濃い部分だけ を抽出した強烈な一枚。フィリピン・ロックの象徴Juan De La Cruz Bandをはじめ、Maria Cafra、Sampaguita、Anak Bayan、Joey Smithなど、当時のシーンを牽引したレジェンドたちを収録。英米ロックの影響を受けつつも、メロディやリズムにはフィリピン特有の土着性があり、似ているのにどこか違う独特のグルーヴが魅力。70年代Pinoy Rockの熱量をそのまま封じ込めた、アジア・ハードロック発掘盤の中でも特に熱量高めの一枚。

Lau Nau、Linda Fredriksson、Matti ByeによるKiri Ra!のデビュー作。北欧ジャズの静謐さと実験音楽の自由さが溶け合った、きわめて音響的な作品で、電子処理されたサウンドとアコースティック楽器が境界なく混ざり合い、音の粒子が漂いながら形を変えていくような独特の世界が広がる。サックスは旋律を奏でるというより、息づかいやキーのノイズまで含めて空気そのものを震わせるように響き、ピアノやシンセは淡い光のように立ち上がっては消えていく。Lau Nauの声や電子音は、音楽というより気配として配置され、曲という枠を超えて、音の微細な動きそのものを聴かせるアプローチが際立つ。揺らぎ・残響・余白が音楽の中心となった、北欧らしい透明感と、レーベルの実験性が見事に重なりあう一枚。

1970年代後半、Sun Ra and His Arkestraはアメリカ中西部を中心に精力的なツアーを行い、そのステージは、ジャズの歴史、宇宙的な意思、儀式性が渾然一体となった、他に類を見ないライブ体験として語り継がれている。本作『Somewhere Over The Rainbow』は、1977年インディアナ州ブルーミントンでの公演を収めたライブ盤で、その当時の達成と多層的な音楽性をそのまま封じ込めている。「Take The “A” Train」「Gone With The Wind」などのスタンダード曲が収録されているが、それらは原曲の枠を軽々と飛び越え、スウィング、フリージャズ、アフロフューチャリズム、コズミック・ブルースがひとつの流れの中で連続する変容の音楽へと姿を変える。とりわけタイトル曲「Over The Rainbow」は、穏やかなメロディを保ちながらも、電子オルガンやミニムーグの宇宙的響きも相まって、別の次元に接続されたスタンダードとでも言うべき独特の世界。Marshall Allen、Danny Ray Thompson、Michael Rayら主要メンバーが参加した編成は、多層的な渦を形成し、ステージ全体が儀式のような熱気に包まれていく。スタンダード曲の再解釈とコズミック・ジャズが同じステージで呼吸する、歴史と未来が同時に鳴っている瞬間を鮮明に感じられる一枚。

1970年代後半、Sun Ra and His Arkestraはアメリカ中西部を中心に精力的なツアーを行い、そのステージは、ジャズの歴史、宇宙的な意思、儀式性が渾然一体となった、他に類を見ないライブ体験として語り継がれている。本作『Somewhere Over The Rainbow』は、1977年インディアナ州ブルーミントンでの公演を収めたライブ盤で、その当時の達成と多層的な音楽性をそのまま封じ込めている。「Take The “A” Train」「Gone With The Wind」などのスタンダード曲が収録されているが、それらは原曲の枠を軽々と飛び越え、スウィング、フリージャズ、アフロフューチャリズム、コズミック・ブルースがひとつの流れの中で連続する変容の音楽へと姿を変える。とりわけタイトル曲「Over The Rainbow」は、穏やかなメロディを保ちながらも、電子オルガンやミニムーグの宇宙的響きも相まって、別の次元に接続されたスタンダードとでも言うべき独特の世界。Marshall Allen、Danny Ray Thompson、Michael Rayら主要メンバーが参加した編成は、多層的な渦を形成し、ステージ全体が儀式のような熱気に包まれていく。スタンダード曲の再解釈とコズミック・ジャズが同じステージで呼吸する、歴史と未来が同時に鳴っている瞬間を鮮明に感じられる一枚。

シカゴ・ハウスの創始者のひとりにして、ディープ・ハウスの精神そのものと言えるLarry Heard=Mr. Fingers。その最新アルバム『Leev Ur Mynd』が、自身のレーベル〈Alleviated Records〉からリリース。低く沈むキックと柔らかなパッドが重なり、深海のような静けさを持つグルーヴ、夜の都会を思わせる洗練されたムードを形成するジャズ/R&Bのニュアンスを含むコードワーク、宇宙的でアンビエントなサウンドデザインが溶け合う、成熟したMr. Fingersの現在地を示す2LPで、収録曲には、浮遊感のあるシンセが広がる「Enceladus 5」、タイトル曲「Leev Ur Mynd」のミスティックなグルーヴ、シンガーBriannaを迎えた温度感のあるボーカル曲など、深い没入感とソウルフルな質感が共存。ディープ・ハウスの歴史を更新し続けるレジェンドだからこそ提示できる、普遍的かつ新しい到達点。深淵なる平穏に満ちた、自室と宇宙を繋ぐマスターピース。
