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メルボルンのソウル〜ファンク・シーンを裏側から支えてきたエンジニア/プロデューサーHenry Jenkinsが、初めて自分のための音楽を形にしたアルバム。Surprise ChefやKarate Boogalooの作品で知られる彼が、友人たちとのアンサンブルを軸に作り上げた12曲のインスト集。乾いたドラム、太いベース、タイトなギター、淡い鍵盤というメルボルンのシネマティック・ソウルの美学をそのまま内側に向けたようなサウンドで、ファンクの骨格を持ちながら、メロディや和声はどこか映画音楽的で、短編映画のワンシーンのように静かに情景が立ち上がる。深夜に合う、静かで内省的なインストゥルメンタル・ファンク。

異形の語り口で知られるFatboi Sharifと、掴みどころのない、漂うようなサウンドメイキングのChild Actorが初タッグを組んだ、ラップという形式を越えて心理の迷宮を描くようなアルバムが〈Backwoodz Studioz/Rhymesayers Entertainment〉から登場。Sharifのラップはリズムよりも声の質感や比喩の連鎖に重心があり、寓話・悪夢・断片的な記憶が混ざり合う独特の語り。Child Actorのプロダクションは硬質なビートではなく、アンビエント、インダストリアル、シネマティックな要素が溶け合う水面のように揺れ続ける音像で、Sharifの声を包み込みながら、曲ごとに異なる心理空間を描き出す。2026年アンダーグラウンド・ヒップホップの最前線。

billy woods とのデュオArmand Hammerで知られるNYCアンダーグラウンドのラッパー ELUCID と、スイスのプロデューサー Sebb Bash がタッグを組んだコラボアルバム『I Guess U Had To Be There』が〈Backwoodz Studioz/Rhymesayers Entertainment〉よりリリース!ざらついた質感のビートは、1980年代末のブームバップの影を残しながらも、ジャズやサイケデリア、スピリチュアルなムードが混ざり合い、過去の音にも未来の音にも聴こえる時間軸がねじれたような独特の空気をまとっている。その上を ELUCID の声は呪術的な低音で響き、精神世界、歴史、個人神話を行き来する抽象的なリリックが、音の隙間に深く沈み込んでいく。ELUCID の精神世界と Sebb Bash の異形ビートが完全に融合した、二人の職人が頂点で交わった時にだけ生まれる作品。billy woods、Shabaka Hutchings、Estee Nack、Breeze Brewin などアンダーグラウンドからジャズの重要人物も参加。

9月下旬再入荷(9月上旬分は完売しました)。インドネシア・スラバヤ発のトリオThee Marloesが、Meditationsでもお馴染みの前作『Perak』から2年ぶりの待望の2ndアルバムをリリース。アルバムは全14曲で構成され、英語曲とインドネシア語曲が自然に混ざり合う。バンド自身が「過去2年間の旅路を描いた作品」と語るように、よりパーソナルで成熟した表現が際立つ内容で、60〜70年代ソウルの温かい質感をベースにしながら、乾いたギター、タイトなドラム、柔らかな鍵盤が重なり、都会の夜と南国の風が同居するようなメロウなムードを生み出している。Natassyaの甘く柔らかな歌声はさらに深みを増し、ホーンやコーラスを加えたアレンジが楽曲に豊かな奥行きを与える。世界的に注目を集めるThee Marloesによる、より広がりのあるサウンドと深くインドネシア的な感性をまとった、甘く、メロウで、どこか異国の風が吹くソウル・アルバム。

長年レゲエを愛し、ラジオやサウンドシステム、Dub Camp Festivalなどを通じてシーンと深く関わってきたレーベル〈Groove Exploration Records〉が、その歩みの延長線上で実現させたプロジェクト。ジャマイカのシンガー、プロデューサーLinval Thompson、Dub Shepherdsらが築いた重厚なリディムに、レーベル主宰Nesta Egorが書き下ろした歌詞を携えて完成。
プラトンの「洞窟の比喩」をモチーフとし、物質主義や消費社会に囚われた現代人の姿を重ね合わせながら、精神的な目覚めと解放を呼びかけるメッセージが込められており、タイトルの「Rebel Up」は、権力への反抗というよりも、内なる意識を目覚めさせるためのレベルとのこと。Linval Thompsonの円熟した歌声とDub Shepherdsによる深く有機的なダブワイズが結びつき、ルーツ・レゲエが本来持っていた精神性を現代へと引き継ぐ一枚。

エストニア出身、ロンドンを拠点に活動するピアニスト、作曲家Hanakivの最新作『Interlude』が〈Gondwana Records〉から登場。前作の深く美しい瞑想的なピアノ・アルバム『Goodbyes』などの作風から一歩踏み込み、本作ではソングライティングと声の表現を取り入れている。自身のヴォーカルをフィーチャーした楽曲が収録され、ピアノの余白に溶け込むような囁き声が、作品全体に暖かみを与えている。静謐でありながらどこか生命力を帯びた、柔らかく光を放つピアノ、繊細なストリングス、控えめな電子処理が重なり、時間が止まったような瞬間を丁寧にすくい取る。エストニアの自然や聖歌の記憶と、ロンドンの先鋭的な音楽環境が交差した、懐かしくもあり、新しくもある一枚。
チェロのJudith HamannとオルガンのJames Rushfordによる、古楽の旋律の断片と現代音楽的アプローチが交差する室内音響作品『Midmeste』。スイス・サン=ヴァレール大聖堂の15世紀オルガンをはじめ、複数のオルガンとチェロを素材に、倍音の揺らぎや微細な音の重なりを丁寧に編み上げていく40分の長尺作品で、チェロは線のように細く伸び、木質の響きを残しながら、オルガンの息づかいと寄り添うように進行する。旋律というより、空間の圧や響きの変化が音楽の中心にあり、ときに古楽的な和声がふっと姿を見せる瞬間がアクセントになっている。静けさと緊張が同居する音の配置は、室内楽とサウンドアートの境界を自然に往復するかのよう。
「2023〜2025年にかけて、Die Stadtより全8作の “Organum Electronics Subscription Series” を発表したDavid Jackman。その展開をさらに推し進める形で制作された最新作が『Mausoleum』です。
本作は “Organum Electronics Subscription Series” の延長線上にありつつ、長年のリスナーであれば再生直後から『HORII』や『RASA』を想起するような感覚を覚えるはずです。音の配置、重低音の扱い、そして作品全体を推進する独特の時間感覚には、初期作品から一貫して受け継がれてきたDavid Jackmanの本質が息づいています。
タンプーラ、幾重にも重ねられた重低音のドローン、教会の鐘やゴング、そして雲間から差し込む光のように現れる高音域のオルガン。これらの音は、鳴るべき瞬間と置かれるべき位置を厳密に見極めたうえで構築されています。近年の作品群に通じる緻密なサウンドデザインを備えながらも、本作は決して過去の再現ではありません。
ロスコの絵画やモートン・フェルドマンの作品にも通じるようなコンセプチュアルな性格を持ちながらも、本作は反復や変奏としてではなく、一つの独立した作品として強い存在感を放っています。そこには、変わらぬ作家性と、作品ごとに新たな形を模索し続ける姿勢とが共存しています。
本作を特別なものにしているのは、その完成度の高さです。David Jackmanの作品は本来エンターテインメントを目的としたものではありませんが、ここでは精密に制御された速度感と構築性が高い次元で結実し、結果として純粋な音楽作品としての魅力を獲得しています。
その意味で『Mausoleum』は、近年のDavid Jackman作品における一つの到達点と呼ぶことのできる作品です。同時に、随所にはこれまでとはわずかに異なる方向へ向かおうとする兆しも見え、今後の展開を予感させます。過去から続く作家性の集大成でありながら、新たな変化の起点でもある、本作はその両面を内包した作品です。
ジャケットおよびCDディスクのデザインは、これまでと同じくJonathan Colecloughが担当しています。本作はOrganum Electronics名義でもDavid Jackman名義でもなく、単に“Jackman”名義で発表されています。さらにジャケットには、背(スパイン)部分を除き名前すら記されていません。反復されるのは『Mausoleum』という語の表記のみであり、作品そのものを前面に置くという姿勢がより明確に示されています。
政治的主張や個人的メッセージを前景化することなく、ただ音そのものを提示し、その構築と運動を徹底して追求すること。その簡潔さと厳格さの中にこそ、David Jackmanという作家の揺るぎない姿勢が表れています。」
琉球民謡ファンもビーチボーイズ・ファンもアヴァンポップ/アンビエント好きも腰を抜かした衝撃の70sウチナーポップ秘宝。 誰が呼んだか《琉球ペットサウンズ》 。内外のリクエストにお応えし新装リプレス。
2026年版仕様:
装丁はマルフクレコードの旧譜復刻シリーズ(FMシリーズ)へのオマージュ/折り込みフラップ形状で背面柄はマルフクのカスタムスリーブをイメージ/沖縄の紺碧の海をイメージした半透明カラーVINYL仕様。
「かじゃでぃ風節」は琉球古典音楽・琉球舞踊を代表する曲で、めでたい祝いの席で演奏される大定番。通常、少人数で三線を伴奏に歌われるものだが、新崎純(あらさきじゅん)というミュージシャンの好奇心から、ビッグバンドで演奏したらどうなるか?と70 年代に実験されたのが本ヴァージョンだ。人間国宝の照喜名朝一をはじめとする演奏家がスタジオに集められ、5 人の三線奏者、4 人の管楽器奏者、ピアノ、エレキギター、エレキベース、パーカッションとドラムの総勢13 人で、なんとリハ無しぶっつけ本番、一度きりの演奏で吹き込まれたまさにミラクル録音。新崎によると和声が無い琉球古典ゆえに編成と編曲には苦心したというが、出てきた音は重厚な荘厳さを漂わせ、更に音楽マニアには琉球音階の『Pet Sounds』に聞こえてしまうというオマケ付き。リリースにあたり当時記録用に録音したカセットテープを発掘できたのはこれもまた奇跡である。このテイクにノックアウトされたヴィジブル・クロークスによるリミックスは、あの世でもこの世でもない<第四世界>の傑作ヴァージョン。
なお、シープス(sheeps)は綴り間違いだが、原題のままにしている(英題では修正)。
Tracks:
Side-A: 新崎純とナイン・シープス「かじゃでぃ風節」(1977)
Side-AA: Visible Cloaks「かじゃでぃ風節 (Visible Cloaks Remix)」(2018)
90年代後半、アーカンソー州リトルロックのDIYシーンで活動し、エモ、インディポップの隠れた名バンドとして語り継がれてきたEveryone Asked About Youによる、25年ぶりの新録音源『Never Leave』。制作は 2024年4月の皆既日食のタイミングで行われ、中年になった自分たちの人生を13分で総括するような作品と語られており、彼らの代名詞である、男女ツインボーカル、透明感のあるギター、軽やかなエモにほんのり甘いシンセポップのニュアンスはそのままに、大人になった今の生活がそのまま刻まれている。全4曲はどれもテンション高く、「中年にはもう時間がない」というテーマを象徴するように無駄のないアレンジで一気に駆け抜ける。青春の記憶を抱えたまま大人になったバンドが、もう一度あの頃の自分たちと向き合う、懐かしさと痛み、そして優しさが同居する、エモ・リバイバルの中でも特に印象に残る一枚。

1980年代末のマンチェスターで活動し、正式な作品を残せずに消えていった幻のバンドJoannaが1989年に録音していた未発表デモが、35年の時を経て屋根裏から発見され、『Hello Flower』としてリリース。The Stone Roses、Happy Mondays、Charlatansが躍動していた真っ只中で生まれた音源だけあって、跳ねるビート、軽やかなベース、煌めくギターが絡み合うダンス・グルーヴとサイケ感の絶妙なバランスが魅力的。淡いサイケデリックなギターとポップなメロディが自然に溶け合い、ブリットポップ前夜の空気がしっかりと漂っている。デモ録音ならではのラフさも本作の味で、スタジオの空気がそのまま残ったような生々しい質感が心地よい、もし当時リリースされていたらマッドチェスターの歴史を変えていたかもしれない失われたデビュー作。

Monolakeが1999年に発表していた『Interstate』が、オリジナルリリースから27年を経て初2LPヴァイナルとして登場!
初期のダブ・テクノ的アプローチから一歩進み、Max/MSPを駆使した音響設計はさらに深化。ミクロなリズムと精緻に変化するテクスチャーが有機的に絡み合い、実験電子音楽の多くの系譜に影響を与え続ける独自のサウンド・エコシステムを構築。全8曲はそれぞれ異なる音の生態系を形成しつつ、緻密なグルーヴが根のように張り巡らされる。Robert HenkeとGerhard Behlesが完全共同で制作した最後のアルバムにして、IDM/エレクトロニカ史に刻まれるマイルストーン的名盤。

2026年リプレス!永遠の金字塔『Gobi』の〈Astral Industries〉からのアナログ化に続き、超弩級のリリースが到来!オリジナルは、1997年に〈Basic Channel〉の伝説的サブレーベル〈Chain Reaction〉より発表されていた、ドイツのダブ・テクノの偉才Robert Henke a.k.a. Monolakeによる歴史的ファースト・アルバム『Hongkong』が〈Field Records〉より待望のアナログ・リイシュー!!!! MonokakeのRobert HenkeとGerhard Behlesがコンピューター・サイエンスを学び、ベルリンのテクノ・シーンに没頭していた頃に作られたアルバムにして、初期のシングル・コレクション的作品。Porter RicksやVladislav Delayといったレジェンドが残した画期的な作品と並んで、このジャンルのクラシックとしての重要なリスニング体験を担う作品です。リマスタリング仕様。初めて完全なダブル12インチ・パッケージとしての発売。ヘンケ自身が「25年経った今でも、このレコードは私にとって様々な意味で計り知れない価値を持っている」と説明しているように。実験的なテクノの進化を語る上で欠かせない作品の決定版です!

バリの革新的作曲家Dewa Alitが率いるGamelan Salukatによる最新作。Dewa Alit自身が設計した11音階の独自調律のガムラン楽器群と、インドネシア出身のピアニストSri Hanuragaを迎え、ガムランとピアノが衝突しながらも一体化していくダイナミックな構造。金属的な倍音が渦を巻くガムランの層に、ピアノの打鍵が切り込むことで生まれるポリリズムは、アコースティックでありながら電子音楽のような鋭さを持つ。高速反復やミュート奏法が生む異常に精密で推進力のあるリズムの塊、そしてガムラン特有の揺らぎが共存し、聴くほどに迷宮へ引き込まれる。安易なクロスオーバーではなく、異なる調律とリズム体系がぶつかり合うことで生まれる新しい音響による先鋭的なリズム・サイケデリア!

限定シルクリクリーン・スリーブ仕様。 1962年、ニューヨークChoreographers Workshopで録音されたSun Raの名演「The Nile』が初の7インチ化。「The Nile」は、Sun Raがアフロ・フューチャリズムを音楽的に深めていった時期の象徴的な楽曲で、複数のドラマーとパーカッショニストが重層的に絡み合い、大河のうねりのようなリズムが延々と続く。その上を、Marshall Allenのフルートが鋭く舞い、John Gilmoreのテナーが時折影のように差し込む。音の密度は高いのに、どこか空間が広がっていく感覚があるのが印象的。Sun Raのピアノは、一定のパターンを保ちながら突然の鋭い音で、水面に光が反射するような瞬間的なきらめきを生む。エレクトリック・セレスタの金属的な響きが加わると、古代の儀式と未来の宇宙航行が同時に起きているような独特の時間感覚が立ち上がる。Sun Raの「神話科学」がもっとも生々しく響く録音のひとつを、ぜひ7インチの音質で!

アンビエント・映画音楽界の知られざる巨匠
マイケル・ブルックの2作品が2枚組で〈4AD〉より奇跡のリイシュー
名作『Cobalt Blue』の35年ぶり初ヴァイナル再発に加え
同年録音された『Live at the Aquarium』も初ヴァイナル化
アンビエントの先駆者ブライアン・イーノをはじめ
ロジャー・イーノ、ダニエル・ラノワら豪華メンツが参加
U2の楽曲などに使用された改造ギターとして有名なinfinite guitarの発明者としても知られるカナダ人ミュージシャンのマイケル・ブルック。1992年に〈4AD〉から発表した『Cobalt Blue』は、静かに、息をのむようなサウンドスケープで構成された、時代を超える名作として、年月を経て再評価されている。同作には、アンビエントの先駆者ブライアン・イーノ、作曲家/マルチ奏者としてロジャー・イーノ、そしてグラミー受賞プロデューサーのダニエル・ラノワが参加。同年後半に録音された『Live at the Aquarium』は、ロンドンで行われた貴重なソロ・パフォーマンスを収録したもので、マイケル・ブルック特有の催眠的なサスティン、広がりのあるテクスチャー、そして大気のような深い音の世界を捉えている。
85年のデビュー・アルバム『Hybrid』から92年のセカンド・アルバム『Cobalt Blue』リリースまでの7年間。マイケル・ブルックはブライアン・イーノのレーベルでありマネジメントでもある〈Opal〉と契約し、故郷のトロントからイギリスへ移住。イーノやラノワとのコラボレーション、ジョン・ハッセルとのツアー、ロジャー・イーノやハロルド・バッド、ララージらと共に伝説的なライブ・プロジェクト Opal Evenings に参加しながら、ステージでのループ処理、シーケンサーや音響処理における実験的な新境地を切り開いた。しかし、『Cobalt Blue』が完成した直後、〈Opal〉は配給契約を失い、リリースは中止。マイケル・ブルックは当時について「〈4AD〉のアイヴォ・ワッツ=ラッセルと友人だったので、彼がアルバムを出してくれると申し出てくれた。しかし、リリース後も長い間、十分な反応は得られなかった。音楽プレスがジャンル分けしにくいものを避けていたから...。だから当初は世間の評価がわからなかったんだ。まるで荒野で泣くギターのようだった。」と語っている。同期間、ピーテル・ノーテンと共作の〈4AD〉アンビエントの名作『Sleeps with Fishes』(87年) をはじめ、精力的な活動の中でヌスラト・ファテー・アリー・ハーンやユッスー・ンドゥールらワールド・ミュージックの巨人たちともコラボレーションを行った。それらの膨大な刺激と経験を吸収していた結果生まれたのが『Cobalt Blue』であり、リリース当時は十分に評価されなかったものの、年月を経てその名声と影響力は高まり続け、卓越したキャリアにおける重要な転換点であることが証明されている。
その後、1996年にはヌスラトとのアルバム『Night Song』でグラミー賞にノミネート。2008年には名作映画『Into the Wild』のサウンドトラックでゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。『El Infierno』では2011年ハバナ映画祭の最優秀音楽賞を受賞。映画音楽作曲家としても卓越している彼は、50本以上の映画に携わっている。2024年にプロデュースしたヌスラトのアルバム『Chain of Light』は、Guardian紙のワールド・ミュージック・アルバム・オブ・ザ・イヤーに選出。もちろん、これらの輝かしい功績は、『Cobalt Blue』の制作を始めた頃には、まだ未来の話だった。『Cobalt Blue』で生まれたサウンドは「厳密にはアンビエントではない」とマイケル・ブルックは語る。よりリズミカルでメロディアス、彼はそのマテリアルを Wordless Songs (言葉を持たない曲) と表現している。この推進力と変化への志向は、優先順位の転換 ーある種の反逆心ー を表していた。

オーストラリアの名バンドThe Triffidsのペダル・スチール奏者であり、さらに、The KLF名作『Chill Out』の中で、特にハイライトである「Baltimore to Fair Play」において、その情感豊かなペダル・スチールの音色がソウルフルな中心的役割を果たしたことで知られるEvil Graham Leeが、72歳にして初のソロ作を完成。長年のキャリアを静かに凝縮したような、ゆっくりと滲むトーン、空間に溶ける倍音、そして音がほとんど動かないのに情景が変わっていくような没入感。タイトル曲「I Think I’m Alone Now」は15分に及ぶ深いドローンで、孤独・祈り・静けさがひとつの風景として立ち上がる。一方で「Seeking Beauty In Sadness」など、メロディの残り香を感じさせる曲では、カントリーの哀愁が柔らかく顔を出す。ジャケットはBradley Pinkerton、ライナーノーツはThe KLFの盟友Bill Drummondが担当。永い時間をかけて熟成された、ペダルスティールで描く孤独な宇宙。※入荷時よりスリーブに若干ダメージございます。予めご了承くださいませ。

emerことMarija RasaとシンガーUgnė Umaによる、夢の中で出会ったような感覚から始まったと語られる、眠りと記憶のあいだに漂うようなコラボアルバム『you and me』。emerが紡ぐのは、柔らかい残響と淡いシンセが揺れる白昼夢的ダブ・アンビエンス。ビートは控えめで、音の輪郭は曖昧。時間が少しだけ伸びるよう。そこに重なるのが、Ugnė Umaのスモーキーな歌声。囁くような発声が多く、耳元でそっと語りかけられているような近さが印象的。言葉の隙間に感情が滲み、曲に温度と人間味を与えている。サウンドはアンビエント、フォーク、エレクトロニックの境界線を自然に行き来しながら、歌ものアンビエントと呼びたくなる独自のバランスを保っており、魔術的リアリズムのような世界観で、現実と夢の境界がゆっくり溶けていくような感覚が続く。全12曲、どれも短い物語のようにまとまっていて、日常の中にある小さな魔法を音で掬い取ったような一枚。

オランダの名門ジャズ・レーベル〈Timeless Records〉の膨大なアーカイブから、Rush Hourの創設者であり世界的ディガーAntalが、個人的フェイヴァリットだけを選び抜いた珠玉のコンピレーションが登場。1974〜1991年の録音を中心に、スピリチュアル・ジャズ、モーダル、コンテンポラリーの名演が2LPに凝縮。Pharoah Sanders、Art Blakey、Woody Shaw、George Adamsなど、ジャズ史に深い爪痕を残した巨匠たちの音源が収録、祈りのように伸びるサックス、空間を震わせる低音のうねり、鋭いインタープレイが交差し、70〜80年代ジャズの精神性がそのまま刻まれている。Antalらしい視点で選ばれた楽曲は、ジャズ・コレクターだけでなく、時代や場所を越えて響くもので、スピリチュアル、モーダル・ジャズの核心を現代の耳で再発見できる一枚。
ジャパニーズ・ディープ・ハウス・レジェンド、寺田創一による6年ぶりのリリースにして、フル・アルバムとしては実に25年以上ぶりに当たる超超注目なハウス・ミュージック・アルバムがオランダの大聖地〈Rush Hour〉から登場。1990年代から2000年代初頭にかけて自身のレーベル〈Far East Recording〉からリリースされた作品をHuneeのキュレーションでまとめた『Sounds From The Far East』をRush Hourよりリリースし、再び脚光を浴びることになった寺田氏。この反響と新たな関心へと後押しされ、スタジオに戻った彼が1年半を費やしてレコーディングした待望の最新作『Asakusa Light』。1990年代の作品と同じシンセサイザーとドラムマシンを使って制作されたこのアルバムは、寺田自身の完璧なバック・カタログだけでなく、Burrell BrothersやBen Cenac(Dream 2 Science、Sha-Lor)など、彼と同世代のアーティストたちの作品をも思い起こさせる、楽しくてカラフル、そして、何よりも人生を肯定するハウス・ミュージックのコレクションとして仕上がっています。「30年前の自分の気持ちを思い出そうとしたんだけど、やってみたら超難しくてね。」 「5年前の自分がどう思っていたかもわからないし、心の新陳代謝は思ったより早いようです。昔のMIDIデータを掘り起こしたり、昔の経験を思い出して作曲したりと、いろいろな方法を試しました。ラッシュアワーの力を借りて、30年前の自分が持っていた心の光のようなものを見つけました。見つけた心の光を『浅草ライト』というニックネームにしました。」
NYを拠点に活動する音楽家Urnerによるデビュー作『Afterimages』。サヌカイト・リトフォン(石琴)の澄んだ音、VGMサウンドフォント、PCMループやモジュラーシンセの揺らぎ、自身の声という多様な素材がレイヤーされ、鉱物の世界と霧の世界が重なり合っているかのような独特な音世界が広がる。楽曲は質感の変化で進行し、風景がゆっくりと移り変わるような物語性を帯び、硬質な響きと柔らかな電子音が溶け合い、ポスト・ニューエイジの空気感をまとう。DIY的な実験精神と高解像度のサウンドデザインが共存し、アンビエント・エレクトロ・アコースティックの新しい可能性を感じさせる一枚。

ドローン最重要アーティストの一人Abul Mogardと、現代音響の名手Rafael Anton Irisarriによるコラボレーション作『Where Light Pauses in the Silence of the Sun』。2025年、ベルリンのMorphine Raumにて3日間にわたり行われたレジデンシーでのライブ演奏をマルチトラック録音し、その後ローマとニューヨークで両者が素材を往復しながら再構築。深いローエンドが地層のように積み重なり、モジュラーの揺らぎやギターの残響がゆっくりと浮かび上がる。ライブ録音特有の空気の動きがそのまま残されており、電子音でありながら有機的な呼吸を感じさせる。さらにチェロのMartina Bertoniやヴァイオリン/声のAndrea Burelliが参加し、幽玄な光が差し込むような瞬間と深い陰影が生まれている。両者の美学が交差する、スケール大きなアンビエント・ドローン作品。

カリフォルニアのアンダーグラウンド・サイケデリアを象徴するエクスペリメンタル・ジャム・バンド、The Beat Of The Earthが1970年に残した2ndアルバム『The Electronic Hole』。前作のフリーフォームな長尺ジャムから一転、より曲としての構造を持ったプリミティヴ・サイケへとシフト。メロディックなモチーフを持ちながらも、ファズにオルガン、さらにはシタールまでが舞い込み、方向性が読めない不思議な浮遊感が生まれている。Phil Pearlmanの淡々としたボーカルは影を帯び、ヴェルヴェッツ的な静けさとジャム・バンドの熱量が同居する曇ったサイケの魅力が強い。フランク・ザッパの「Trouble Every Day」のワイルドなカヴァーまで収録した、当時の西海岸アンダーグラウンドの熱気がそのまま封じ込められた異形の一枚。。
メロディカ奏者としてRockersサウンドを確立したAugustus Pabloと、ダブの魔術師King Tubbyが残した名演をまとめたコンピレーション『Augustus Pablo At King Tubby’s』。Bunny Leeが制作した秘蔵トラックを中心に、King Tubby’s Studioで録音された音源を収録。パブロのメロディカは、単なる旋律ではなく歌う楽器のように感情を帯びて響く。柔らかく影のある音色が、Tubbyの精密なダブ処理と重なり、深い余韻を生む。リズム隊はBunny Lee流のシンプルで強靭なルーツ・グルーヴ。余白の多い演奏だからこそ、Tubbyのフェーダー操作や残響のコントロールが際立ち、音が消えたり戻ったりする瞬間の緊張感が心地よい。メロディカの柔らかな響きと、Tubbyの静かな強度を持つダブ処理が絶妙に溶け合った一枚。
