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(数量限定/日本語帯付き/解説書付き)エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムス。若くして「テクノモーツァルト」の称号を得たエレクトロニック・ミュージック界の最高峰であり、誰もが認める〈WARP RECORDS〉の看板アーティストである彼が、ポリゴン・ウィンドウ名義で発表され、エレクトロニック・ミュージックの歴史を変えた伝説のアルバムが帯付き盤LPで待望のリイシュー決定!
1992年、〈WARP〉がリリースした革新的コンピレーション『Artificial Intelligence』の冒頭を飾ったのは、エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスによる「Polygon Window」という楽曲だった(ただし同作ではThe Dice Man名義)。そして翌1993年、若くして“テクノ・モーツァルト”と称された彼が〈WARP〉から初めてリリースしたアルバムこそ、エイフェックス・ツインではなくポリゴン・ウィンドウ名義で発表された伝説的作品『Surfing On Sine Waves』である。当時22歳のリチャードによって生み出された本作は、エレクトロニック・ミュージックのその後の方向性を大きく変える画期的なアルバムとなった。アルバム・タイトルはリチャード自身の発言をもとにRob Mitchellが選定したもので、UKダンス・チャートでは初登場2位を記録。同年には続編としてEP『Quoth』もリリースされ、表題曲のほか、このEPで初登場となる楽曲も収録された。
そして2025年、32年の時を経て登場する『Surfing On Sine Waves (Expanded Edition)』は、オリジナル・バージョンのアルバムとEPをひとつにまとめたエクスパンデッド・エディションとしてリリースされる。

(数量限定/日本語帯付き/解説書封入)ナラ・シネフロの来日公演を記念して、アンビエント・ジャズの傑作として名高いデビュー作
『Space 1.8』が日本語帯付きLPにてリリース!
米Pitchfork【Best New Music】 獲得!!〈WARP〉が惚れ込んだ新鋭 ナラ・シネフロ。ジャズの感性、ハープとモジュラー・シンセが奏でる、瞑想的なサウンドで称賛を集めるデビュー・アルバム!!
ロンドンを拠点に活動する、カリブ系ベルギー人の作曲家で、プロテューサー兼ミュージシャンのナラ・シネフロが、待望のデビュー・アルバム『Space 1.8』のCDを名門〈Warp〉からリリース。
本作は2021年9月にデジタル/ストリーミング配信、そして超限定数のみアナログ盤でリリースされ、Pitchforkが【Best New Music】に選出したのを筆頭に、主要音楽メディアがこぞって絶賛、あっという間に入手困難となっていた。
アルバムの作曲、プロデュース、演奏、エンジニア、レコーディング、ミキシングのすべてを、若干22歳のシネフロ自らが手がけ、モジュラー・シンセサイザーの他、ペダル・ハープも演奏している。
このアルバムで、彼女がコラボレートした友人たちには、サックス奏者のヌバイア・ガルシア、同じくサックス奏者でエズラ・コレクティヴで活躍するジェームス・ モリソン、ヌバイア・ガルシアも所属するマイシャからはギタリストのシャーリー・テテとドラムのジェイク・ロング、サンズ・オブ・ケメットのドラム、エディ・ヒック等、現代UKジャズ・シーンを牽引するリーダー的存在が顔を揃えている。
楽曲名の通り、それぞれの曲に吹き込まれた “スペース” は、暖かい光に満たされた部屋でレコーディングされた。アルバム制作中、彼女は、色のそれぞれ異なる周波数を引き出すために、溌剌とした色彩を思い浮かべた。それは共感覚 (ある音である色を感じるというようなこと)の世界で、それをリスナーが逃避して没入できる空間として提供している。どの楽曲も、最初のテイクで、何か食べたり、談笑したり、瞑想した後でレコーディングされている。
「Space 1」は、黄色やオレンジに光り輝くゼロ地点で、彼女が家と呼ぶ様々な場所について描かれている。それは、彼女が子供の頃によく遊んだベルギーのソワーニュの森を思い起こさせるサウンドだ。やがて曲調はもっと湿り気のある音風景に取って代わる。それは彼女の家族が住んでいたマルティニーク島のサン=ジョセフにある緑豊かな山の尾根を表現している。
黄暗青色の霞に包まれた「Space 2」は、蛹のような変化の空間で、柔らかなキーボード、キラキラと揺らめくギター、低音域と高音域の間を滑らかに歌うサックスを経て、曲の後半で鳴り響くシンセサイザーに導かれ、自由落下する至上の喜びが広がっていく。
アルバムは「Space 3」で遊びの領域に着地する。ここではドラマーのエディー・ヒックとプロデューサー兼マルチ・インストゥルメンタリストのドゥェイン・キルヴィングトンとの3時間におよぶ即興演奏が短く切り取られている。
焦げたオレンジ色を想起させる「Space 4」は、ジャン=ミシェル・バスキアの作品にインスパイアされており、純真無垢なサウンドに溢れている。
「Space 5」のパルス音は、ジェイク・ロングのドラムを加工しており、鼓動をイメージしている。
「Space 6」もまた長時間の即興セッションから生まれた。ここでは故意に調子外れにした音の効果が素晴らしく現れ、濃い青と紫が頭上で渦を巻き、下から上昇するように展開するサックスと推進力のあるパーカッション、そして後半では左右にパンするシンセサイザーが溶け合うように一つになっていく。
「Space 7」は献身と祈りのための聖域であり、夏の間の瞑想の直後、真夜中に作られた楽曲だ。金色とピンクの色調を持つこの曲は、彼女が奏でるハープと様々なシンセサイザーの組み合わせによるソロ曲となっている。
アルバムは、黄色のベルベットと新しい夜明けの幻想を包 み込むような「Space 8」でクライマックスに達する。
モジュラー・シンセを通してレコーディングしたハープ音をさらに10層と、モジュラー・シンセのサウンドを8層と、そして自ら演奏したギターを7層を重ねて完成させている。この曲は、音響心理学に対するシネフロのユニークなアプローチを基に、音の持つカタルシスを表現している。深い広がりとシンプルさの絶妙なバランスが未来的な新しい創作を示唆するサウンドは、アルバム全体にも共通している。

(数量限定/ブラック・ヴァイナル/日本語帯付き/解説書封入)現代音楽シーンにおいて、静かに、しかし圧倒的な影響力を持つワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(以下OPN)が、アルバム『Tranquilizer』を〈Warp〉よりリリース。OPNならではの幻想的で超現実的なサウンド世界が姿を現す。
精神安定剤を意味する『Tranquilizer』の出発点は偶然の光景だった。歯医者の椅子に横たわり、歯に響く振動を受けながら、ふと見上げた蛍光灯のカバー。灰色のタイル天井に貼られた、青空とヤシの木のプリント−−安っぽい人工の楽園。その瞬間、OPNは問いかける。この世界の音とは何か。日常と非日常がかろうじて均衡を保ちながら共存する、この薄っぺらな現実の音とは。
さらに、数年前、インターネット・アーカイブから、巨大なサンプル・ライブラリがインターネットから忽然と消えた事件も創作の引き金となった。90年代から2000年代にかけての何百枚ものクラシックなサンプルCD−−シーケンス、ビート、パッド、バーチャル楽器。『サイレントヒル』から『X-ファイル』まで、数え切れない作品に陰影を与えてきた音源たちが、一瞬にして闇に呑み込まれたという出来事。それは文化の断絶、時代の記憶を繋ぐ回線が無慈悲に断ち切られるような体験だった。幸いにも、失われかけた音の断片は再び救出され、文化的アーカイブとして息を吹き返す。本作は、過去への逃避とは何を意味するのか、そしてその先に何が待っているのかを問いかけ、超現実的でディープなテクスチャーで聴く者を包み込む。
失われた音の断片をもとに、『Tranquilizer』は音の幻覚を描き出す。静謐なアンビエンスがデジタルの混沌へとねじれ、日常の質感は感情の奔流へと変容する。忘却と廃退に形づくられたレコード。現実と非現実の境界はぼやけ、サンプルはノイズへと溶け込み、夢の中で扉がきしむ音を立てる。今作のOPNは、これまで以上に没入的だ。ノスタルジーではなく、失われた音を新しい感情の器として再構築している。
アートワークは、インディアナ州を拠点とするアーティスト、アブナー・ハーシュバーガーによって描かれた絵画で、アブナーが育ったノースダコタの平原を抽象的かつ有機的に再構築している。忘れ去られた素材や農村風景に根ざしたそのビジュアルは、『Tranquilizer』のテーマである崩壊、記憶、クラフト感と呼応する。
過去20年にわたり、OPNは世界有数の実験的エレクトロニック・ミュージックのプロデューサー/作曲家としてその名を確立し、21世紀の音楽表現を刷新し続けている。初期の『Eccojams』はヴェイパーウェイヴを生み出し、『R Plus Seven』や『Garden of Delete』といった作品はデジタル時代のアンビエント/実験音楽を再定義した。さらに、サフディ兄弟の『グッド・タイム (原題:Good Time)』と『アンカット・ダイヤモンド (原題:Uncut Gems)』やソフィア・コッポラの『ブリングリング (原題:The Bling Ring)』の映画音楽を手がけ、今年最も注目を集める映画のひとつであるジョシュ・サフディ監督作『Marty Supreme』の音楽も担当。またザ・ウィークエンド、チャーリーXCX、イギー・ポップ、デヴィッド・バーン、アノーニとのコラボレーションでも知られている。
未だにその正体や素性が不明ながらも、多くの音楽ファンを魅了し、また多くのアーティストに影響を与えてきたブリアル。「今世紀の最重要エレクトロニック・ミュージック作品」として最大級の賞賛を獲得した、2007年発表のセカンド・アルバム『Untrue』が2LP(140gブラックヴァイナル)でリイシュー。

(数量限定/日本語帯付き/オリジナル・ステッカー封入)名古屋出身の電子音楽家、食品まつり a.k.a foodmanがUKの名門レーベル〈Hyperdub〉からは『Yasuragi land』に続く2作目となる最新アルバム『HIKARIGASASHIKOMU』をリリース!
作品のタイトルとなっている"光が差し込む"とは、困難な状況の中における希望の感覚を伝えるフレーズである。foodmanに新たな創造的可能性を開くこの本作は、内省的でありながら極めて多動的な作品であり、自己探求の期間を経た後に見出された明晰さと光を表現している。これは非常に個人的な作品である一方で、500個のタブを同時に開きながら思考が拡散し続けるような、現代においてほぼ普遍化した精神状態の音でもある。それは単なる個人的な心理的問題ではなく、注意力の欠如が社会全体のメディア環境そのものになっている世界を反映している。
本作では声の使用がこれまで以上に重視されており、foodman自身のループ化されたボーカルが取り入れられている。そこには日本の童謡や遊び歌の一部、そして日常の中で浮かび上がってきた思考が歌われている。
その可愛らしさや純粋さにもかかわらず、この音世界は激しく飛び跳ね、断片化し、溶解していく。foodmanの声は繰り返され、解体され、スピードを上げたり下げたりしながら、狂騒的に跳ね回る。そして音の要素が彼を取り囲み、呼びかけ、応答し合っている。
構造やボーカルの取り入れ方は、フットワーク、ゲットー・ハウス、バイレファンキといったジャンルから影響を受けており、それらはすべて極限まで抽象化され、渦巻くようなサイケデリックなエフェクトの断片へと変換されている。
食品まつり a.k.a foodmanの最新作『HIKARIGASASHIKOMU』は7月24日にデジタル配信が開始され、8月21日には通常の輸入盤LPに加えて、日本語帯付き仕様LP(解説書封入)で発売される。
〈食品まつり a.k.a foodman〉
名古屋出身の電子音楽家。2012年にNYの〈Orange Milk〉よりリリースしたデビュー作『Shokuhin』を皮切りに、〈Mad decent〉や〈Palto Flats〉など国内外の様々なレーベルからリリースを重ね、その後のワールドツアーではUnsound、Boiler Room、Low End Theoryに出演。
2021年7月にUKのレーベル〈Hyperdub〉から最新アルバム『Yasuragi land』をリリース。アルバムは Pitchforkの「The Best Electronic Music of 2021」やMusic Magazine、ele-kingなど国内外のメディアの年間ベストに選ばれた。2023年11月にUKのレーベル〈Hyperdub〉から『Uchigawa Tankentai』をリリース。2025年10月にはNikki nairとのコラボレーションEP「NAGOYA EP」を同じく〈Hyperdub〉からリリースした。
自身のルーツの一つでもある沖縄を背景に、シカゴ・フットワークからのインスパイアから浮かび上がる特異のサウンドはニューエイジやアンビエントとひも付きながら、様々なスタイルの音楽を生み出している。ロンドンのラジオ局〈NTS Radio〉のレジテントも担当。他にBo NingenのTaigen Kawabeとのユニット「KISEKI」、中原昌也とのユニット「食中毒センター」、ナカコー (ex.supercar LAMA)、沼澤尚とのセッションユニットとしても活動。

60〜70年代のミニマル音楽、バロック音楽、スタジオ環境における実験から影響を受け、アナログ・シンセサイザー、ピアノ、電子オルガン、パイプ/リード・オルガン、ヴォーカル、テープ・サンプラー、管弦楽といった多彩な音色を用いた楽曲制作を行うカナダ出身のアーティスト、Sarah Davachiが最新アルバム『Two Sisters』 を自身のレーベル〈Late Music〉からリリース!
本作には室内アンサンブルとパイプオルガンのソロが収録されている。カリヨン(非常に大きな鋳鉄製のベルで構成された鍵盤楽器)、合唱、弦楽四重奏、低音木管楽器、トロンボーン四重奏、そしてサイントーンや電子ドローンを含む多様な楽器が使用されている。
パイプオルガンは、1742年製のイタリア製トラッカーオルガンで、現在はアメリカ南西部の砂漠地帯に設置されている、非常に珍しいパイプオルガンのサウンドが収録されている。

(数量限定/パープル・ヴァイナル/Indie Exclusive)ソウル、ダンス、ジャズ、R&Bをシームレスに融合させ、クラブ・カルチャーとアンダーグラウンドを行き来しながら、独自の近未来的世界観を築き上げてきたヴィジョナリー・アーティスト、ケレラが3枚目のアルバム『new avatar』を〈Warp Records〉よりリリース。
アルバム発表にあわせて、ピンクパンサレスやリリー・アレンの作品を手がける気鋭プロデューサー、オスカー・シェラー (Oscar Scheller) プロデュースによるシングル「linknb」は、ケレラの新章突入を告げる必然の一手だ。
スランプに陥っていた時期に生まれたというこの曲は、自分自身を制作へと引き戻すためのマントラとして書かれた。複雑に絡み合うギターリフと重厚なドラムサウンドを軸に、逆境を経て得た自信と、自分を小さく見せることへの拒絶を歌った一曲である。
ミュージックビデオはミシャ・ノットカット (Mischa Notcutt) が監督を務めた。親友であり、過去作品でもクリエイティブ・ディレクターを担ったミシャを招いたことは今回も自然な選択だった。リアリズムと抽象表現を融合させた映像は、孤独な旅路を自己発見と再生の瞑想へと昇華させる。都市の夢景の中心にケレラを据え、確かな意志と目的を持って動く姿を映し出している。
『new avatar』は、ケレラがこれまで積み上げてきたすべての結晶とも言える作品だ。
ワシントンD.C.のインディー・シーンで最初の曲を書き始め、やがてクラブ・ミュージックと電子音楽がキャリアの核心を担うようになった彼女は、本作でその原点と現在をひとつに結びつける。歪んだギターと絡み合うR&Bが、ダンス・ミュージックの新たな交差点と並存し、自身がこれまで音楽的に生きてきたあらゆる場所から引き出した音を結晶化させた。ピンクパンサレス、A・K・ポール、フーシェー (Foushee) とのコラボレーションも収録。
シンガーソングライター/アーティストとしての私の原点が、『new avatar』を制作する過程で経験したカタルシスの背景にある。私が最初に曲を書いたのはパンクハウスだった。当時いたインディー・シーンは、頭の中で聴こえていたジャンルの交差点を探求する実験の場を与えてくれた。そこにいた若者たちは完璧にやり遂げることなんて気にしていなかったから、曲に時間をかけすぎることもなかった。正直なところ、失敗することや、どうでもいいという態度を持つこと、そもそも完璧でなければという強迫観念を解体することが大切にされていた。そのおかげでプレッシャーから解放され、アーティストとしての最初のビジョンが開花した。今回の作品でも同じアプローチを取った。強い意図を持って進みながらも、アーティストとしての出発点に火をつけてくれた自由さと自然な衝動を捉えること。このアルバムであなたが受け取るのは、新たなレベルの確信をもって表現された、私の世界の別の一面。愛と献身というかたちをとることもあれば、怒りというかたちをとることもある
- ケレラ

(数量限定/日本語帯付/解説書付き)ガラージ、ハウス、テクノ、ベース・ミュージックを自在に横断しながら独自のサウンドを築き上げてきた、UKダンスミュージックの重要人物、ジョイ・オービソン。7月に初開催される注目フェス「フューチャー・フリークエンシーズ・フェスティバル」への出演を記念して、2021年にリリースされたキャリア初のフルレングス作品『Still Slipping Vol.1』が待望の日本限定帯付LPでリリース!
2009年のアンセム「Hyph Mngo」でシーンを震撼させて以来、ジョイ・オービソンはUKダンス・ミュージックの進化を牽引してきた。〈XL Recordings〉より発表された本作は、ロンドン郊外クロイドンでの記憶や仲間たちとのつながりを映し出したキャリアの集大成ともいえる作品。ガラージ、ハウス、グライム、ヒップホップなど多彩な要素を溶け合わせながら、UKダンスミュージックの現在地を鮮やかに刻み込んだ名盤として高い評価を獲得している。近年はオーヴァーモノやフレッド・アゲインらとの共演でも注目を集め、さらなる飛躍を遂げるジョイ・オービソン。その原点と進化が凝縮された必携の一枚をお見逃しなく!

2024年11月末、冥丁は、別府市制100周年記念事業の一環として、温泉文化をテーマにした滞在制作に招かれ、別府を訪れた。
「失日本」シリーズで知られる冥丁は、忘れ去られた日本の時代や風景を音として再構築する表現で注目を集める音楽家。今回の制作では、海辺に佇む築100年の旅館「山田別荘」の蔵に約1週間半滞在し、雨水が火山岩に染み込み、癒しの湯となって地上に戻る循環に耳を澄ませた。その結果生まれた作品『泉涌』は、温泉文化の内なる精神をたどるものである。
冥丁は竹瓦温泉、坊主地獄、へびん湯、そして山田別荘の内湯や貸切湯など別府の象徴的な温泉地を訪れ、泉源の音、泥の泡立ち、噴気孔の響き、竹林を渡る風、湯を楽しむ人々の会話などの環境音を丁寧に録音した。これらのフィールドレコーディングとその深い聴取体験を楽曲の音の土台とし、立ちのぼる湯気や体感した湯加減の塩梅までも音として描き出そうと試みている。
この作品は、一連の楽曲として展開し、硫黄と火山岩の風景の中を湯気のように漂っていく。坊主地獄に潜む狂気、山田別荘の内湯に響く幽玄な残響、苔むした竹瓦温泉の風情の中で交わされる日常の語らい。そうした断片が静かに織り込まれている。そこには水の静けさや土地に宿る記憶、そして代々ここで湯に親しんできた人々への深い敬意が込められている。
『泉涌』は、失われた日本の記憶を主題とする冥丁の探求を継承しつつ、新たな領域に踏み込んでいる。別府の風土や記憶を音 で巡礼するかのように、リスナーを深い没入体験へと誘う。マスタリングはStephan Mathieuが担当。また、本作は「失日本」 プロジェクトの新章『失日本百景』の幕開けを飾る作品。このシリーズでは、現代の生活の中でひっそりと息づく「憧憬の残る場」を探求していく。
Basic Channel傘下のChain Reactionから2001年にデビュー以来、10年以上の沈黙を経て、2014年以降、UK・マンチェスターのレーベルDDSよりコンスタントにリリースを重ね、ダブテクノ/ミニマル等のクラブオーディエンスのみならず、全世界の熱心な音楽ファンを魅了する電子音楽家【Shinichi Atobe】。
Atobeが自身のプライベート・レーベル【Plastic & Sounds】を設立。第一弾となるリリース「 A.Whispers into the Void | AA.Fleeting_637」が12INCH(45RPM/Limited Press)レコードで7月25日にリリースされる。
ミニマルなシンセとリズムから、流麗なピアノのリフレインの導入と共に徐々に禁欲的に展開する「Whispers into the Void」。BPM125前後のフロアライクな没入ミニマル・ダブテクノ「Fleeting_637」の2曲。
マスタリング/レコード・カッティングには、Shinichi Atobeの作品を多数手がけてきたベルリンのRashad Beckerが担当。

南米の先住民族のひとつマプチェ族にルーツを持つ音楽家Eli Wewentxuと、リトアニアの伝統弦楽器カンクレス奏者Indrė Jurgelevičiūtėによる、「雨上がりに」を意味するタイトルの通り、湿った空気と静かな生命の気配をそのまま音にしたような、アコースティック・アンビエント作『Después de llover』。2025年夏、Indrėの自宅で行われた即興セッションを軸に、文化も言語も異なる二人が、音だけを頼りに共有できる世界を探る対話として生まれた作品で、カンクレスの澄んだ響き、ヴァイオリンの湿った倍音、そして口琴の素朴な振動が重なり、水滴、霧、草木の光といった雨上がりの細やかな情景が立ち上がる。相手の音に耳を澄ませながらそっと返すような、呼吸のようなやり取りが続く。音楽は完成された構造ではなく、自然の中で音が生まれては消えていくような、静かで有機的な流れ。伝統楽器は新しい表情を見せ、音数は少ないが、ひとつひとつの音が空気を震わせるように響き、静けさの中に確かな生命感が宿る。雨上がりの世界をよりしろとして、世界への祈りをそっと音へと結晶させたような、美しいアコースティック・アンビエント作品。

J.TRIPPがキュレーションを手掛け、ネットレーベル〈666ridims〉からopoの先鋭的なソロワークを集めた注目の12インチ『666ridims (2020-2026)』。美術家Billy Bigwoodとの長距離のやり取りから生まれた即興スケッチや、バルセロナ拠点のDJ Hanakitoによる輸入ヴァイナルのサンプルをフィーチャーした楽曲まで、2020年から2026年にかけての多面的な思考と実験を凝縮したもので、SF的ビジョン、アフロ伝統音楽、ジャズ、パフォーマンス・アートが複雑に交錯する。従来のクラブ・グリッドを解体・再構築する奇妙な変拍子やポリリズム、荒々しくスケッチのようなプロダクションが印象的で、トランス的な詩情を帯びた浮遊感と、緩急自在に変化するアフロ・エレクトロニックなグルーヴが強烈。ミニマルな音像の中にダイナミックなリズム実験とディアスポラ的な叙述が息づく、奥深い一枚。

ドイツ・ライプツィヒから異色のレゲエ、ダブを発信し続ける名門〈Jahtari〉が、設立20周年を記念して放つ看板コンピレーション第5弾『Jahtarian Dubbers Vol. 5』。約10年ぶりのシリーズ新作となる本作は、2024年に惜しくも去ったDave Wattsへのオマージュから始まり、Kiki Hitomi、Taka Noda、DJ Scotch Egg、Legoweltといった国境やジャンルを越えたアウトサイダーたちが一堂に集結。8bitゲーム音源のようなキッチュなシンセ・サウンドと、大地を揺らす超重量級のコズミックな低音が炸裂。ローファイなチル・レゲエや狂熱のデジタル・ダンスホール、テープ・レコーダーの磁気を感じさせるディープなダブ・ジャム、さらにはフリー・ジャズとシンセ・ルーツが交錯する実験トラックから幻想的なアンビエント・ダブまで、レーベル主宰disruptによる愛に満ちたミックスのもと極上のビート群が脈動する、奇妙な美学に彩られた一枚。

Alexander Holmによる、反復、移動、視点のわずかな変化を軸にしたミニマルなサウンドワーク『Dial / Head Stroll』。ゆっくりと焦点が合ったり外れたりするようなループの中で、音の断片が半ば記憶のように現れては消え、構成とコラージュの境界を曖昧に行き来する。都市を歩き観察するときの身体のリズム、視線の移ろい、環境音の出入りを、そのまま音の構造として作品化し、環境音、電子処理、静かな持続音を重ねながら、日常の中に潜む微細な出来事を浮かび上がらせる。ミニマルでありながら、反復の中で細部が変化し、聴き返すたびに別の意味を帯びる。フィールド録音の生々しさと、Holmの繊細な編集感覚が重なり、都市の風景が抽象的な音の層として立ち上がるアーティスティックな一枚。
オランダのSuze IjóとブラジルのZopelarによるコラボ12インチ『Ritual Of Dance』。暖かみと深さを併せ持つ持つディープ・ハウスを軸にしながら、反復の気持ちよさと身体的なグルーヴを丁寧に組み上げた作品で、クラブユースの強度と落ち着いた集中が自然に共存している。音の中心には、柔らかく沈むベースと丸みのあるシンセがあり、ゆっくりと変化するループが流れをつくる。キックは強すぎず、リズムの配置が巧妙で、フロアに寄り添いながらも余白を感じさせるバランス。Suze Ijóのスピリチュアルなハウス感覚と、Zopelarのブラジリアン・エレクトロニック由来の温かい音色が自然に溶け合い、都市的な洗練と素朴さが同じ空間に立ち上がる。暖かくディープで瞑想的な良質のハウス・ミュージック。

リディム職人Prince Riserによる、Sammy Gold、Madi Simmonsといったルーツ・シンガーを迎え、各曲にはダブ・バージョンも収録した、サウンドシステム仕様の本格派デビュー・フルアルバム『Through The Storm』がドイツのデジ・ダブ名門〈Jahtari〉より登場。Prince Riserは、Dread & Fred、Exterminator、King Jammyといった80s〜90sデジタル・ダンスホールの系譜を意識しつつ、〈Jahtari〉らしいチップチューン的な質感を織り交ぜるたハイブリッドなダブ・サウンドを構築。さらにレーベル主宰のdisruptも関わり、宇宙的な独自の音像に仕上げている。深く沈むベースと渦を巻くエコーが印象的な重厚ダブのタイトル曲「Through The Storm」、Sammy Goldを迎えた、Sly & Robbieを思わせる「Poverty Ina Russia」、Wackie’s系のスピリチュアルなソウル感が漂う「Keep On Trodding」など収録した、〈Jahtari〉の奇妙で宇宙的な質感を堪能できる一枚。

A.R. KaneのRudy Tambalaと、CranesのAlison Shawという90年代UKアンダーグラウンドを象徴する2人が、1991年に残したコラボ録音『Rise』を、〈Music From Memory〉が新装、復活。当時のセッションは、初期サンプラー、ドラムマシン、アコギ、囁くようなボーカルを最小限に使い、空間そのものを音楽にするというコンセプトで進行。ドリームポップの儚さ、アンビエントの静けさ、そしてA.R. Kane由来のダブ的低音処理が溶け合い、霧の中で音が浮かんでは消えるような、親密で幽玄な世界が広がる。オリジナルEPの音源に加え、2012年録音の未発表曲「Biology」を追加収録。DATからの丁寧なリマスターにより、当時の未完成の美しさをそのまま保ちながら、音の奥行きがより鮮明に立ち上がる。ドリームポップ、アンビエント、ダブ、実験音楽が静かに交差し、90年代UKインディの空気をそのまま閉じ込めた、静かに広がる作品世界。

フランスのビートメイカー、プロデューサーとして、アジアの古い歌謡曲をサンプリングした『Chinoiseries』シリーズから、80sシンセ・ファンクへのオマージュ『Long Distance』まで、世界中のディガーを唸らせてきた Onra。彼が、自身の代名詞であるモダン・ブギー路線をさらに洗練させた最新作『After Dark』。80sブギー、ファンク、R&Bのエッセンスを、現代的なビート感覚と都会的なメロウネスで再構築した、アーバン・ナイト・ミュージックの決定版。跳ねるシンセベース、煌めくコード、軽やかなドラムマシン。Onraが長年磨き上げてきた夜のブギーの美学が、散りばめられたメロウ・トラックでより柔らかく、よりシルキーに表現されている。一方で、ビートメイカーとしてのルーツも健在で、サンプル感覚やタイトなリズム構築が、インスト・ヒップホップとしての強度も保っている。都会的で静かな高揚感に浸る、完成度の高いモダン・ブギー作品。
ジャマイカの巨匠Joe Gibbsと、天才エンジニアErrol Thompsonの黄金コンビが放ったダブ金字塔シリーズの最高峰第2弾『African Dub All-Mighty: Chapter 2』。Soul SyndicateやWe the Peopleの精鋭が参加し、第3弾と並びシリーズ屈指の完成度を誇る金字塔的作品。The TechniquesやThe Melodiansといった1960年代ロックステディの甘美なメロディから、後の「Uptown Top Ranking」へ繋がるヘヴィウェイトなワン・ドロップまで名リディムが目白押し。Errol Thompsonの鋭利なミキシングにより、スウィートな旋律がダーク&ミニマルな空間へと削ぎ落とされ、ドラスティックなダブ・エフェクトが突き刺さる音響世界へと変貌を遂げている。甘美な旋律と深い重低音が交錯する、ダブの醍醐味が詰まった傑作!

L.A.を拠点に活動する中国系アメリカ人3名によるユニットSY3のデビュー作が〈Music From Memory〉より登場。香港ニューウェーブ映画、広東ポップス、2000年代初頭のダウンテンポを背景に、柔らかい電子音と語り、淡いメロディが溶け合うノクターナル・ポップ。広東語のスポークンワード、霞のように漂うシンセ、淡いギター、ゆるやかなビートが、夜の都市を夢遊するようなムードをつくり出す。フェイ・ウォンや周迅の00年代中華ポップ、砂原良徳『Lovebeat』の影響を感じさせつつ、アンビエント・ポップの透明感も共存。湿度とネオンの光、深夜の静かな孤独と甘いノスタルジー満ちた一枚。

9月下旬再入荷。幾何学模様の中心人物として知られるTomo KatsuradaとJonny Nashが、長年の交流を経てついに完成させたデュオ作品『At The Emerald Pool』。ふたりが1年間にわたり教会・寺院・劇場など多様な空間で育ててきたギターデュオとしての言語を純度の高い形で記録したアルバムで、録音はわずか3日間のセッション、事前に用意したスケッチをもとに、即興性と親密さをそのまま残した構造になっている。フィンガーピッキングのレイヤーが重なり、水面に光が反射するような細やかなテクスチャーが広がる、ふたりのギターがひとつの生き物のように絡み合う感覚。アンビエントの透明感、アシッドフォークの素朴さ、室内楽の静けさが自然に溶け合い、ゆっくりと移り変わってゆく音の流れをつくり出している。淡く儚い歌も差し込まれ、さりげない物語性も感じられる、アンビエント、アシッドフォーク、ミニマル、室内楽、そのどれにも属しながら、どれにも完全には収まらない、ふたりだけの静かな世界。

〈Jahtari〉主宰者であるdisruptと、バルセロナを拠点とするアウトサイダー・トランペッターPablo Voltによるユニット、Alien Trackersのヘビー級ダブ・アルバム『Dubs from Vortex Beach』。本作は、架空のビーチを舞台にした12のダブ・トラックで構成され、レゲエ、ダブ、ダンスホールを核としつつ、リー・ペリーのスタジオ、ブラック・アークのようなソウルフルな温かさと、デジタルダンスホールの強力なインパクト、そして〈Jahtari〉特有のサイケデリックな未来派ダブが絶妙なバランスで融合されたユニークなテクスチャが魅力的。Voltのサイケデリックなトランペットが浮遊感を添え、ほっこりとしたビートと奇妙な音響が心地よく混ざり合う、異世界のビーチで聞いているような、幻想的で酩酊感のあるインストゥルメンタル・ダブ作品。

1986年から現代まで実に長きにわたって活動している日本の双子ユニットであり、Gigi Masin、Jonny Nashと共にGaussian Curveでも活躍してきたYoung Marcoによって再発見された大人気アクトSatoshi & Makoto。彼らが6年ぶりに届ける待望の新作『Cafe Mirage』。本作は、架空のカフェをテーマにした静かでシネマティックな電子音楽作品で、ハードウェア・シンセを手弾きする親密な音楽性はそのままに、より広がりのある音像へと進化。柔らかなシンセの質感、控えめなジャズのニュアンスと穏やかなグルーブ、淡い光のようなアンビエントのレイヤーが重なり、まるで店内を歩き回るように場面が移り変わる。トラック集というよりいつでも訪れることのできる心安らぐ場所のような作品。

Total Blueのメンバーとしても知られるAnthony Calonicoが、〈Music From Memory〉から届ける初のソロ・アルバム『Spacious Heart』。2020〜2024年の長い時間をかけて丁寧に育て上げた作品で、アンビエント、フュージョン、ソングライティングが柔らかく溶け合うレーベルらしい有機的アンビエント・ジャズ。温かいエレピやシンセ、淡いパーカッションが霞がかった朝の光のような空気をつくり、その上をCalonico自身の繊細な歌声が静かに漂う。Total Blueでは控えめだったヴォーカルが前面に出ており、Mark HollisやArthur Russellを思わせる内省的な存在感がアルバムの核を成している。音と音のあいだの余白を大切にしたサウンドデザインは、Harold Buddやスピリチュアル・ジャズの浮遊感とも響き合い、アンビエントの静けさとポップの親密さが自然に共存。全編を包む幽玄でプライベートなムードは、個人的な日記のような親密さを持っている。
