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精巧にカットされた、重厚な特殊スリーブ仕様。永久音楽劇場直系、La Monte Youngファンにも!なんとLaurie Spiegel、Rhys Chathamが参加した歴史的一枚(Jim O'Rourkeもエディットで参加)。前衛音楽再興の地、Superior Viaductからは、Genesis P-OrridgeやJohn Cale、Faustなど数々のアヴァンギャルドの象徴的人物と共闘してきた、アメリカン・ミニマル史に燦然と煌めく前衛作家にして映像作家のTony Conrad未発表作品が堂々の公開です!
1971年にアーティスト・コレクティヴとして発足し、Vito AcconciやLaurie Anderson、Robert Mapplethorpeなど数々の実験アーティストや作家が革新的なアイデアを発表してきたニューヨークのライブ/展示スペース、The Kitchenでの72年のパフォーマンスを収録した17年発表2枚組。Anthony BraxtonやSunny Murray Trioなど無類のジャズ・アーティストを輩出したMoers MusicやAlga Marghenなどに籍を有し、Arthur RussellやJon GibsonらとともにThe Flying Heartsで活動した前衛作家にしてギタリストのRhys Chatham、 アップルコンピュータのソフトウェア開発にも関わったとされる電子音楽のパイオニア、Laurie Spiegelがベースとストリングスで参加しており、 Tony Conrad自身はバイオリンを担当しています。ミニマリズムを奔放に解釈したサイケデリック室内楽は、ストリングスによる絶え間ないドローンの気流へと寄り添うように不規則なベースのパルスで織りなされる弦楽重奏で具現化され、シンプルながら非常に磨き上げられた奥の境地にあり、まさに無類。音響的マテリアルは決して多くないですが脂乗りまくっています。ライナノーツにはChathamによる回顧録が収録。ゲイトフォールド仕様。
Soi48とエムのタイ音楽アーカイブ・シリーズ立ち上げ時から目標(野望)に掲げてきたスリン・パークシリのモーラム作品集で、シリーズ中、最大ボリュームでお届けするタイ・イサーン音楽のある意味、究極的なアルバムです。
パークシリはアンカナーン・クンチャイ「イサーン・ラム・プルーン」で、タイの伝統芸能と西洋ポップスを折衷し、タイ歌謡の方向を変えてしまったゲームチェンジャー的な革命児ですが、彼の生まれ育ったタイ東北地方イサーンの伝統的語り芸、モーラムの発展には人一倍の熱意と創意でとりくみました。 本作はレコードからカセットテープへと媒体が移っていく1970年代から80年代、パークシリが手がけた現代モーラム作品をコンパイルした、タイでいまだ編纂されていない音源集です。この曲群が長らく手付かずだった理由は、彼が独立プロデューサーだったことと、作品のほとんどが7インチ・シングル盤で流通していたことにあります。
1曲単位の制作だったシングル盤時代からカセットテープ時代に入り、フォーマット上の要請で音源をより多く供給する必要がうまれ、多くのプロデューサー達は格式ある難しいモーラムの型を崩し、芸能技術の敷居を下げて対応しました。これが80年代のモーラム・ブームを駆動させましたが、パークシリの流儀は、芸能の型は崩さないかわりにサウンド(オケ、バンド演奏)で革新を追求することにあり、新旧・有名無名のモーラム達を相手に音楽的バリエーションを生み出すことに成功。これはモノ・コードで演奏も楽器も固定され、ワンウェイになりがちな同ジャンルでは驚異的です。
今回、優雅でオーセンティックなものからラディカルな実験作まで、モーラムという伝統音楽をアヌラック・レ・パッタナー(タイ語で「保存と改革」の意)して継承した彼の手腕を聞く22曲をセレクト(デジタル版は18曲のみ)。ほとんどの曲が初再発・初CD化で一部は初レコード化となります。これまでコレクターしか耳にできなかったタイ・イサーン音楽の秘宝がここに開放されます。みなさま長らくお待たせしました。
*注釈
モーラム:東南アジア/ラーオ系の伝統的な語り芸。モーは達人、ラムは声調に抑揚をつけながら語る芸能。つまり「語りの達人」で、その歌手と芸能の両方をさす名称。モーラムは「歌」ではない。
即興演奏を出自とする森山だが、本作に即興的なものは皆無で、むしろ構築された作品性の高さが際立つ。実は、彼が『ゆうたいりだつ』で目指したのは<オーケストラ>を取り入れた音楽で、しかもこれはブリッジ人脈の音楽に結びつきそうにないユニークな死角、そこからの跳躍であった。ひとり彼はパソコンのソフトウェア音源を使って、約一年かけて本作をものにした。
「にこエレクトロ」「 タイムリミット」は国内外で評価される森山的宅録オーケストラの典型で、アルバムの中心には表題作「ゆうたいりだつ」や「やっかいな記憶」という長尺の2曲が据えてある。また、新たに差し替え追加した4曲が妙なオーケストラ感を補充する。挑発的な混淆にイメージされてきた関西ゼロ世代の暴力的な個性の中あって終始控えめな森山だったが、その内には<関西ゼロ世代に生まれたもっとも微妙な〔変〕>と言えるような作家性を秘めており、それが本作の摩耗しない作品強度につながっている。
=作品仕様=
+ 通常ジュエルケース、帯付き
+ 装丁デザイン:木村銀次
TRACKS:
1. イントロ B * [1:00]
2. にこエレクトロ [4:49]
3. クエスチョン [2:10]
4. きっかけ * [2:16]
5. ゆうたいりだつ [7:44]
6. タイムリミット [1:43]
7. やっかいな記憶 [10:00]
8. タコパーセントOK( ゆうたいりだつMIX)* [3:47]
9. くろ * [2:48]
* 未発表・新曲