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貴重で上質なレゲエ/ダブ音源のアーカイヴァルなリイシューで知られる名門<Pressure Sounds>が遂にカタログ100作目に到達!
記念すべきカタログ100番は、歴史的名盤Burning Spearの『Marcus Garvey』にて、Burning Spearとの楽曲共作も務めたPhillip FullwoodがWinston McKenzieと共にジャマイカでスタートし、ニューヨークで女性コーラスの新メンバーを加え完成させた I Mo Jah 名義の『Rockers from the land of reggae』(1982作)。
内容の素晴らしさと極端な希少性が相まってアルバムに対する評価も恐ろしいほど膨れ上がり、オリジナル盤は常に超高額で取引されるファンが切望し続けた作品。オリジナル・スリーヴを忠実に再現し世界初リイシュー。

(数量限定/日本語帯付き)共同プロデューサーにトータスのジョン・マッケンタイアとジム・オルークが起用されたことで話題を集めその後のポスト・ロック、エレクトロニカ、“音響派”に大きな影響を与えた屈指の名盤。
本作『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』は、1999年にリリースされたステレオラブの6作目のスタジオ・アルバムになる。共同プロデューサーにトータスのジョン・マッケンタイアとジム・オルークが起用されたことで話題を集め、当時ピークを迎えていたポスト・ロック、あるいはエレクトロニカや“音響派”といった文脈においてクローズアップされた作品でもある。本作は、前作『Dots and Loops』で行われたハードディスク・レコーディングから転換し、代わりにすべての演奏をライヴでレコーディングした後、それをコンピューターを使ってリワークするという方法がとられている。また本作のテーマ/モチーフである “反復”“ミニマリズム”が 意味するリズム構成やテクスチャーに対するアプローチは、リズムへのフォーカスを通じてそのアプローチに新たな変化がもたらされ、マッケンタイアとオルークが半数ずつ手がけた収録曲に共通して聴き取ることができる。ブラジル音楽などに影響を受けたリズムワークとジャズを取り入れたサウンド、時折顔を覗かせる電子音楽とミニマルなボーカルが混ざり合うスタイルは、本作のレコーディング・プロセスを通じて生演奏とポスト・プロダクションをより有機的に組み合わされ、より一層深いレベルに推し進められている。

11月中旬再入荷(10月下旬分は完売しました)。USスロウコアの象徴DusterのClay PartonとCanaan Dove Amber、そしてノースカロライナのサンプリング作家Dirty Art ClubによるユニットSoojのデビュー作が〈Numero Group〉から登場。Dusterらしい沈み込むようなスロウコアの質感に、Dirty Art Clubのテープヒスやコラージュ処理が重なり、音は輪郭を失いながらもどこか温かい。ギターのフレーズは霧の中でゆっくりと漂い、サンプルは記憶の断片のように浮かんでは消える。深夜の部屋で灯りを落として聴くと、空気そのものが変質していくような没入感がある。Dusterのリイシューを全面的に手がけ、彼らの再評価を決定づけた 〈Numero Group〉からのリリースであることも相まって、90年代のスロウコアという遺産が、現代のサンプリング・アートと出会うことで、いかに新しいサイケデリアへと変容したかを示す一枚。Dusterの静かな憂鬱が、サンプルの波に溶けて消えていく様は、時間が経って、一番底に静かに溜まった、純度の高い残り香のよう。
2011年に発表されたHTRKの代表作『Work (Work, Work) 』が、〈Ghostly International〉による15周年記念盤として再登場。彼らの暗く、ミニマルで、官能的な電子音楽を現在の耳で聴き直すための重要なリイシュー。本作は、メンバーSean Stewartの急逝を経て制作された作品で、その喪失感がアルバム全体のムードを深く支配している。808系の遅いビートがゆっくりと脈打ち、霧のように薄いシンセ、ギターの残響が静かに重なり合う。音数は極端に少ないのに、空気の重さが曲の隅々まで染み込むような質感が印象に残る。Jonnine Standishのボーカルは冷たく乾いていて、感情を直接表現するのではなく、感情の影を置くような歌い方。その距離感が、作品の官能性と孤独感を強く際立たせる。インダストリアルの硬さと、ドリームポップの幽玄さが同時に存在するバランスは、HTRKにしか作れない独特の世界。

11月中旬再入荷。カナダシンガーソングライターGrant DavidsonのプロジェクトSlow Leavesによるアルバム『The Ruins of Things Unfinished』。Kris Ulrich、Roman Clarkeらカナダの実力派ミュージシャンが参加し、アコースティック・ギターを中心に、柔らかい歌声と丁寧に重ねられたアレンジが溶け合う、温かく内省的なフォーキーシンガーソングライター作品。カナダの良質なフォークの伝統を受け継ぎつつ、穏やかなメランコリーが息づく、静かに長く愛聴できそうな一枚。
流通元完売。地獄ってどんな感じ?? 現行アンビエント・ジャズの重鎮ことカナダのJoseph Shabasonによる最新作『Welcome to Hell』が〈Western Vinyl〉よりアナログ・リリース。Toy Machineによる1996年のスケート・ビデオ・ドキュメンタリー『Welcome to Hell』にインスパイアされたコンセプト・アルバム!Sam Gendel作品にも顔を出している盟友Phil MelansonやThom Gillらがサポートした豪華編成で贈る2023年度ニュー・アルバム。Jon Hassellの第四世界のムードとファンキーなダンス・サウンドが溶け合う、プログレッシヴなアンビエント・フュージョン傑作に仕上がっています。

ドラマーDamon Cheの爆発的かつ変則的なドラミングでも知られる、アメリカ・ピッツバーグ出身のインストゥルメンタル・マスロックの代表的バンド Don Caballero の4作目にして、マスロック史に残る金字塔とされる名盤『American Don』。ギター2本+ドラムによる複雑なポリリズム、変拍子を多用した緻密な構造、それでいてメロディアスで開放感のあるサウンドは轟音よりも繊細な構築美が印象的で、前作までの荒々しいエネルギーから一転、より洗練されたポストロック的アプローチが際立つ作品となっている。オリジナルアルバムのリマスター音源2LPに加えセッション音源、未発表テイク、デモなどを追加収録した3LPで、ジャケットやインナーのアートワークもアップデートした作品の裏側まで丸ごと体験できる決定版。

11月中旬再入荷。イタリア・ヴェネツィアのアンビエント巨匠Gigi Masinが、2020年『Calypso』以来となる6年ぶりのソロ・フルアルバムを〈Sacred Bones Records〉からリリース。2023年のGreg Foat & Moses Boydとの共作『Dolphin』で見せたジャジーなライブラリー路線を経て、本作では再びアンビエントへと回帰しつつ、動きをテーマにした新たなアプローチを提示。メランコリックな電子音、テクノ的なロボティックな質感、深海のようなアンビエントがシームレスに行き交い、Masinの音楽的探求がさらに広がったことを感じさせる。静けさの中に微細なリズムが脈打ち、風景がゆっくりと変わっていくような、Masinならではの動くアンビエントが全編を貫く。アンビエントを、身体に響く音楽として再定義する意欲作。

「植物のための、そしてそれらを愛する人々のための暖かな地球の音楽」これまで幾度となく非公式再発が為されてきた歴史的名盤が遂に公式再発!70s視点で空想未来を飛行する絶品のSci-Fi電子盤!ファンク/ディスコ脈でも大いに作品を生み出し活躍したカナダの作曲家、Mort Garson(1924-2008)の76年大傑作!
当時ロサンゼルス近郊でSimmons社のマットレスを購入した際に、ノベルティ用として制作されたレコードで、内容はそのタイトル通りの光合成ヒーリング・ムーグ・ポップ・サウンドスケープ集。まさかのSacred Bonesからの再発と言うのもある意味驚きですが、同レーベルの根差してきたサイケ感のルーツといったところでしょうか。1曲目から凄まじい埃の臭いと哀愁に満ちていて、空想する楽しみが豊かに息づいてます。ライブラリー音楽からコスミッシェムジークを通ってアンビエントまで直結のBGM具合です。ただただ暖かく、ある意味ニューエイジで未知の光景へ想いを馳せたくなります。モンド~エレクトロニック系のファンにも是非。

ニューヨークの作曲家Mikel Rouseを中心に活動したプロジェクトTirez Tirezの代表作のひとつとして語られる、ベルギーの名門〈Les Disques du Crépuscule〉から1983年にリリースされた『Story of the Year』。Tirez Tirezは、Steve ReichやPhilip GlassなどNYミニマリズムの流れと、ポストパンク以降のアートロックを独自に接続した稀有な存在で、本作でも、反復するギター、シンセのミニマルな構造、乾いたドラム、抑制されたボーカルに、〈Crépuscule〉らしいヨーロッパ的な冷たさと洗練が加わり、NYのアート感覚とベルギーのポストパンク美学が交差する独特の空気が漂う。メロディよりも 質感・構造・反復が前面に出るミニマル・ポップの魅力が際立っており、Talking Headsや80年代前半NYのアートロックと共振しつつ、よりストイックで知的なアプローチが貫かれているのが印象的。

オリジナル盤は10万円越えの高値を付ける骨董的鬼レア盤!〈Notes On A Journey〉からの再発盤が高騰していた中嬉しい再リイシュー。この機会をお見逃しなく!伝説的リズムボックスである「ドンカマ」を駆使した知られざるAORシンガー、Chuck Senrickが1977年に自主リリースした幻のアルバム『Dreamin'』。〈P-Vine〉から国内盤CDも出ていた本作が〈Numero Group〉より2023年度久々のヴァイナル再発!70年代後半のミネアポリスのラウンジとTravis Scott x Diorのファッションショーの両方へと捧げられたような、珠玉のメロウAOR/アンビエント・フォーク・アルバム!

1947年、Alan Lomaxがニューヨークのデッカ・スタジオにBig Bill Broonzy、Memphis Slim、Sonny Boy Williamsonらを招き、ブルースの起源と黒人の現実を語り、歌わせた歴史的録音『Blues in the Mississippi Night』。当時、彼らが語った内容、ミシシッピ・デルタの生活、ジム・クロウ法下の暴力、労働キャンプや刑務所農場の実態はあまりに率直で危険だったため、3人は偽名でクレジットされたほど。音楽的には、Broonzyの乾いたギター、Memphis Slimの都会的でありながら土の匂いを残すピアノ、Williamsonの鋭くも祈りのようなハープが交互に現れ、語りと歌がひとつの流れとして続いていく。ブルースの曲というより、土地の温度、身体の記憶、沈黙の重さがそのまま音になったような質感で、語りの後に続く歌は言葉の余韻を抱えたまま響き、音楽が慰めではなく証言として機能しているのがわかる。ブルースの源流と黒人の現実を記録した、音楽史、社会史の両面で価値ある復刻。
〈Ghostly International〉の看板アーティストLusineが2017年に発表した代表作『Sensorimotor』を、10周年記念盤としてBlack & White Splatter Vinylの2LP仕様で再発。テクノ、エレクトロ・ポップ、実験的電子音楽を自然に横断する作風で、もっとも親しみやすい Lusineと評された名作。本作の魅力は、透明感のある電子音と身体性のあるビートの共存。粒状の細かいシンセが空間を照らし、軽やかに跳ねるリズムが曲に柔らかなグルーブを与える。構造はミニマルでも、細部が絶えず揺れたり変化したりすることで、曲が静かに呼吸しているような感覚が続く。都会的でクリーンな音像は〈Ghostly International〉の美学にも通じ、夜の街のネオンのような光を帯びている。電子音楽の精密さとポップな親密さを結びつけた、開かれた一枚。

アメリカのプロデューサー、ミュージシャン Larrison が1990年代に制作していた未発表音源や初期録音をまとめたアーカイブ作品『Connecters Vol. 1: Original Recordings, 1992–1999』。当時のホームスタジオ録音やカセット音源、初期デモなどが中心で、カセット録音特有のざらつき、部屋鳴りや環境音が混ざる生々しさも含めて Larrison の音楽的ルーツや制作スタイルの変遷をそのまま感じられる内容。シンセのドローン、ミニマルなビートにサンプルの断片的なコラージュ重なり、当時の電子音楽の影響が色濃く漂っている。完成された曲というよりアイデアの原石といった趣で、90年代インディの空気感に満ちた、実験精神と個人的な音の探求が詰まったアーカイブ。リマスタリング済。

ブルックリン出身の詩人aja monetが、ジャズ・アンサンブル とスポークンワードの表現をさらに広げた新作『the color of rain』。音楽監督を務めるMeshell Ndegeocelloを中心に、Ambrose Akinmusire、Josh Johnson、Justin Brown、Georgia Anne Muldrowら多彩なミュージシャンが参加し、語りと演奏がひとつの呼吸でつながる。monetの声は朗読の芯を保ちながら、ブルースやソウルのニュアンスに寄り添う瞬間があり、言葉の重さと音の流れが自然に同調している。バンドの演奏はタイトすぎず、柔らかい揺れを保ちながら進み、エレピやシンセの湿度のある響き、深い余韻を残すベース、繊細なドラムが重なって、雨の夜の空気のような質感をつくり出す。現代的な精神テーマを扱いながら、音は常に個人の感情の近くにある、詩人としての声をジャズ・アンサンブルと結びつけて描く現代のブルース詩。
11月中旬再入荷。ロサンゼルスを拠点に活動する現行ファンク・バンドOrgone。60〜70年代のソウル、ファンクを現代的にアップデートしてきた彼らの中でも、ファンの間でカルト的名作と語れてきた作品『New You』が、〈Colemine Records〉から2LP仕様で再発。重心の低いファンク・グルーヴが全編を貫き、タイトなドラム、太いベース、切れ味のあるホーン、そして曲ごとに異なる表情を見せる女性ヴォーカル陣が加わり、70年代黄金期のソウルを思わせる熱量がしっかり息づいている。アフロビート的なグルーヴィーな曲から、シネマティックなファンク、サイケ寄りのソウルまで、ヴィンテージ感と現代的なキレのバランスが絶妙。LAの多文化的な音楽背景を反映したカラフルで濃密なファンク・アルバムでありながら、家でも自然に聴ける、現行ファンクのクラシック。

2021年作『Haram』から4年、billy woodsとELUCIDによるArmand Hammer とThe Alchemist が再び手を組んだ新作『Mercy』がbilly woods 主宰のレーベル〈Backwoodz Studioz/Rhymesayers Entertainment〉より登場!前作同様、The Alchemist が従来のソウルやジャズをサンプリングして太いビートを組み立てるビートスタイルから外れても、Armand Hammer の複雑で比喩的・断片的なラップの響き方に寄り添った音作りは今作も健在で、その延長上に、現実と寓話、日常と未来予測が入り混じったような抽象的で鋭いテーマ性がうかがえる作品となっている。今作もEarl Sweatshirt、Quelle Chris、Cleo Reed、Pink Siifu、Kapwani、Silkaなど、多彩な顔ぶれがゲスト参加しており、Armand Hammer の言語による実験と Alchemist のプロダクションと交わって、重層的で寓話的なヒップホップ宇宙が広がっている。
待望の2026年リプレスです!伝説のレゲエシンガー達を現代に召喚するMark ErnestusとMoritz von Oswaldによるドリーム・プロジェクトRhythm & Soundの2005年名盤。底なしに深く響く無機質なトラックにWilli WilliamsやSugar Minott等、歴代の名シンガー達の枯れたボーカルが木霊するベルリン最深瞑想的ダブ傑作。前作より更に深度を増したあまりにディープな内容で、今尚全くもって色褪せる事を知らないクラシック・アルバム。
イタリアのサウンドアーティストAndrea Borghiによる、VHSテープと再生装置そのものを素材にした最新作『Palsecam』。磁気テープの揺れ、機構の摩耗、劣化といった旧メディアの物質的な痕跡を直接扱い、機械が記録を読み取る瞬間の振動や歪みをエレクトロアコースティックな音響として提示する。ここで響くのは懐古的なフィルムノイズではなく、機械の内部が自律的に動いているような触覚的な音。ざらついた低域のノイズ、金属的なクリック、磁気の揺れが層を成し、光と影のようなコントラストを生む耳で感じるキアロスクーロが特徴的。遠くでかすかに揺れる映像の残骸や声の断片が、機械ノイズと混ざり合い、記憶の残響と物質の現在性が同じ空間に存在するような独特の質感をつくり出す。VHSというしばしば軽視されるフォーマットに新たな価値を与え、音と物質の関係を探るBorghiの美学が鮮やかに表れた一枚。
エクアドルはイバラ出身のキチワ系コミュニティ出身のサウンドアーティスト、Mala Famaが、孤独や喪失を解放への道として捉えたコンセプト作『Jichushka』。キチワの儀礼音楽や北部エクアドルの先住民コミュニティの音文化を軸にしながら、電子音の実験性を大胆に取り込んだ独特の音世界が広がる。2016〜2022年のホームスタジオでの制作を通じて、アンデス地域の多様な音楽系譜、マリンバ、クンビア、バジェナート、アフロ・エクアドルの声が自然に混ざり合い、コミュニティの身体性と電子音の重層的な構造が共存する。リード曲「Mortaja II」に象徴されるように、儀礼的な循環構造や声の残響が、喪失の感情を静かに堪えながら新しい始まりを示す。穏やかなアンビエントと重いシーケンスが交互に現れ、過去の記憶と未来の可能性が同じ空間で響くような感覚を生む。キチワの文化的力と電子音の探求が交差する、現代エクアドル音楽の重要作。
2025年のノルウェー民族音楽全国大会、Landskappleikenで、国内最高のハーディングフェーレ奏者と評されたHelga Myhrが、自身の原点であるノルウェー南部ハリングダールの伝統曲だけを演奏した初のアルバム『Slåttespel』。幼少期から弾き続けてきた音楽を、3挺のハーディングフェーレで記録した作品で、伝統の核をそのまま提示するような強い存在感を放っている。共鳴弦が生む複層的な響き、弓の圧や指板の摩擦まで感じられる生々しい音像、そして舞曲特有の身体性のあるリズムが、山岳地帯の風景や踊りの記憶を立ち上げる。Myhrの演奏は、伝統を忠実に再現するだけでなく、どこか現代的で、ノルウェー伝統音楽の深い歴史と、現代的な感性が自然に交差する、現行の北欧フォークロアを代表する一枚。
カイロの実験音楽シーンを牽引するウード奏者、作曲家のAly Eissaによる最新ソロ作『Eggshells』。師であるAbdo DagherとHazem Shahinから受け継いだエジプト古典音楽の深い知識と、民俗音楽、宗教的唱和、モウリド文化の記憶が、彼自身の感性の中で再構築されており、アルバムの大半を占める長尺のタイトル曲では、ウードの微細な音程と即興が連続し、音が壊れそうで壊れない脆さの中で形を変え続ける。続く「Sukr At‑taganni」では、13世紀の詩人Baha’ al‑din Zuhayrの詩を朗読し、声とウードが同じ呼吸を共有するように響く。音楽は、固定された拍や構造から離れ、モチーフと即興が交互に現れながら、通常の時間感覚をゆっくりと外れていく。微分音、鋭い打弦、空気に溶けるような繊細なフレーズが重なり、本質的な伝統音楽の領域へ招き入れられていく。エジプト古典の厳密さと、個人的な探求の自由さが交差する、現代ウード音楽の重要作。
