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ブラジル・トロピカリアを象徴する奇才バンドOs Mutantesの魅力を世界に再発見させた、Talking HeadsのDavid Byrne監修の決定的コンピレーション。1968〜72年の黄金期から名曲を厳選し、〈Luaka Bop〉が1999年にリリースした『World Psychedelic Classics』シリーズの第1弾。「A Minha Menina」「Bat Macumba」「Ando Meio Desligado」など、サイケデリック・ロック、サンバ、ボサノヴァ、電子音、そしてRogério Dupratのオーケストレーションが万華鏡のように混ざり合うMutantesの真骨頂ばかりを収録。Rita Leeのキュートでアシッドな歌声、Sérgio Diasのファズギター、そしてトロピカリア特有のカラフルで混沌とした実験精神が一枚に凝縮されている。ポップ、前衛、土着性の絶妙なバランスは、初めてMutantesを聴く人にも、トロピカリア入門にもおすすめできる一枚。
スペインの発掘系レーベル〈Akenaton Records〉が手がける、70年代フィリピン・ロックのコンピレーション『Hard Philippines』。1971〜1978年に録音されたPinoy Rock黄金期の音源をまとめた本作は、ハードロック、グラム、アシッド、ヘヴィブルースの濃い部分だけ を抽出した強烈な一枚。フィリピン・ロックの象徴Juan De La Cruz Bandをはじめ、Maria Cafra、Sampaguita、Anak Bayan、Joey Smithなど、当時のシーンを牽引したレジェンドたちを収録。英米ロックの影響を受けつつも、メロディやリズムにはフィリピン特有の土着性があり、似ているのにどこか違う独特のグルーヴが魅力。70年代Pinoy Rockの熱量をそのまま封じ込めた、アジア・ハードロック発掘盤の中でも特に熱量高めの一枚。

フィンランドのアンダーグラウンド電子音楽シーンで注目を集めるJuuso Paasoによるソロ名義Tulevat Käsitteetのカセット作品。全楽器をJuuso Paasoが担当し、ローファイなテープの質感とアナログシンセの揺らぎが溶け合う、手触りのある電子音楽といった趣で、ざらついたノイズの中からメロディがふっと立ち上がったり、サックスが室内楽のような静けさをもたらしたりと、抽象性と親密さが交互に現れる独特のバランスが魅力。ムーミン語彙をもじった曲名など、フィンランドらしいユーモアが漂い、遊び心と実験精神が同居した奇妙なポップ感も感じられる。どこかエチオピアの音楽のような正体不明な感覚もあり、フィンランドの地下深く、サイケデリックでドリーミーなD.I.Y.音楽をひっそりと育むコミュニティに想いを馳せたくなるような一本。

ベースと北アフリカの弦楽器ギンブリを自在に操る、イスラエル出身の音楽家 Shay Hazan がテルアビブのジャズシーンの精鋭たちとともに作り上げたアルバム『When It Rains It Pours』。ギンブリの低くうねる響きと、アラブから北アフリカ圏の旋法を思わせるメロディが、砂漠の風景を想起させるミニマルなグルーヴを生み出し、そこにジャズの自由なインタープレイが重なることで、都市的でありながら古代的なスピリチュアリティを帯びたサウンドが広がる。アフロビートの躍動感、スピリチュアル・ジャズの瞑想性、そして中東音楽の深いルーツが自然に溶け合い、ジャンルを超えて旅するように聴ける作品になっている。

イングランドはケントを拠点に活動するDJ/プロデューサー Al Wootton の新作『Crux』が、フィンランドの名門〈Sähkö Recordings〉から登場。ダブ的な音響処理、変則的なリズムやポリリズム、複雑なレイヤーやテクスチャの重ね合わせ、サイケデリックな電子音を交錯させ、より探究的な領域へ踏み込んだ意欲作。本作ではリズムの肉体的な強度と、深く没入的なテクスチャーの緻密なバランスが絶妙で、複雑に編み込まれたパーカッションはフィジカルを揺らしながら、空間全体を包み込むような残響や音響処理が聴き手を内面的な旅へと誘う。反復の中に潜む微細な変化や揺らぎは、サイケデリックな陶酔感とストイックな探求を同時に呼び起こし、聴きこむほどに細部の豊かさが立ち現れてくる。ダンス・ミュージックでありながら、音響芸術としての奥行きを感じさせる作品であり、Al Wootton が築いてきた独自のリズム探究を新たな段階へと導く一枚となっている。
裸のラリーズは1976年当時、水谷孝(Vo/G)と、結成時のメンバーでもあった中村武志(G)に加え、頭脳警察やだててんりゅうに参加してきたヒロシこと楢崎裕史(Ba)、吉祥寺のライブハウス「OZ」の元スタッフでOZバンドのメンバーでもあったサミーこと三巻敏朗(Dr)という編成になった。
「この時期のラリーズは最高潮だった」という見解を示すラリーズ研究家は少なくない。
事実、76年には間章氏の主導により、英ヴァージン・レコードとの契約を見据えたレコーディングを行なう一方、75年にオープンしたばかりの渋谷の屋根裏にて、月1回に近いペースで精力的なライヴ活動を展開。
前年に続き、石川県で開催された野外フェスティバル「第3回夕焼け祭り」(8/3~4)にも参加している。その際、北陸への遠征に合わせてブッキングされたのが、7月29・30日に京都「拾得」で実現した二夜連続公演だった。
1973年に開業した「拾得」は、酒蔵を改装した独特の作りで知られ、京都を代表するライヴハウスの老舗。
以前からラリーズは京都公演を行なっていたが、彼らにとって地元とも言える古都でのライヴには、常に多くの熱狂的なファンが駆けつけたという。
このたび発見されたテープは、7月30日の拾得での音源で、マランツのラジカセの内蔵マイクによって録音されたもの。
残念ながら最後に演奏された「The Last One」の途中で切れてしまっているが、この音源に秘められたポテンシャルに気付いたプロデューサーの久保田麻琴は、再びその手腕をふるい、生々しいダイナミズムを甦らせ、アルバムへとまとめ上げた。
「京都でのラリーズは何かが違う、音が違う」と関係者が証言する通り、このテープからは、拾得の空間で鳴り響いたとは信じがたい、巨大なスケールのサウンドが聴こえてくる。
中村の堅実なサポート・プレイとともに、荒々しいグルーヴを生むヒロシのベース、激しく叩きまくるサミーのドラムが瑞々しいエネルギーを迸らせ、それらに呼応するかのように水谷のギターも、いつも以上にエモーショナルな表情を見せる。
『’77 LIVE』にも収録された「氷の炎」および「Enter the Mirror」を比較すれば、その差異に多くの者が驚くだろう。
拾得から8ヶ月後、水谷/中村/ヒロシ/サミーという同じラインナップの演奏である『’77 LIVE』では、奇跡的な"OVER LEVEL"現象によって孤高の音像が捉えられたが、それとは大きく異なるものの、『拾得 ’76』にもまた、この瞬間のラリーズでしか現出しえなかった唯一無二の音像が記録されている。
セットリストが『'77 LIVE』とは大幅に変わっていることも、新鮮な印象を呼び起こす。「夢は今日も」「カーニバル」「お前の眼に夜を見た」の3曲が初めての作品化。
「造花の原野」はアップテンポでアグレッシヴなヴァージョンで、さらに「イビスキュスの花」も『The Last One〈Poésies : Les Rallizes Dénudés〉裸のラリーズ詩集』に付属したものとは全く違うハード&ヘヴィな曲になっており、これらも実質的に初公開と言っていい。
バンドの核にあったプリミティヴなエネルギーがダイレクトに記録された本作『拾得’76』は、<『’77 LIVE』と対に置かれるべきアルバム>なのかもしれない。
●アナログ・レコードにはボーナス・トラック(ギターソロ)を収録。
●76年当時、ラリーズのスタッフを務め、拾得公演にも同行していた"脇"氏がライナーノーツを寄稿。
●この公演でサイド・ギターを担当した中村武志(現在はフォトグラファー中村趫として活動)が、2025年の拾得を再訪して撮影した写真をアートワークに使用。
■収録楽曲:
Side A
1. 夢は今日も / Dream Again Today
2. 造花の原野_1976 / Wilderness of False Flowers_1976
3. 白い目覚め / White Awakening
4. Guitar Solo 1(ボーナス・トラック *Vinyl Only)
Side B
1. カーニバル / Carnival
2. 氷の炎 / Flame of Ice
Side C
1. Guitar Solo 2(ボーナス・トラック *Vinyl Only)
2, 夜、暗殺者の夜 / The Night, Assassin’s Night
3. お前の眼に夜を見た / Saw the Night in Your Eyes
Side D
1. イビスキュスの花 或いは満ち足りた死 / Hibiscus Flower otherwise Dying Satisfied
2. Enter the Mirror

1991年にリリースされたオリジナル・アルバム3タイトル(『’67-’69 STUDIO et LIVE』『MIZUTANI / Les Rallizes Dénudés』『’77 LIVE』)の制作時、水谷孝は並行してもう1つのアルバムのための作業を進めていた。
ユーマチック、オープンリール、DATなど、様々な媒体で準備された素材には、いずれも『Disque 4』や『Record No.4』といった表記を含め「4」という数字が書き込まれ、それらが「4番目のアルバム」のためのものであることを示している。さらには、そういった素材をアナログ盤の形(A・B面に分けて20数分程度ずつの長さ)にまとめようとしていた痕跡も確認できた。
複数のソースからスタジオでの演奏をメインに集められた各曲は、1976年の録音で統一されているらしいことも判明。これは、かつて水谷自身が「リリースされた3枚のアルバムの他にもう1枚、『’77 LIVE』と同じメンバーで録音したスタジオ音源から成るアルバムが存在する」事実を仄めかしていた、という証言と一致する。
しかし、90年代初頭、アナログ・レコードからコンパクト・ディスクへと体制が切り換わったばかりの状況下では、アナログ盤による発売が極めて実現困難であったことは想像に難くない。そのまま「第4のアルバム」は、幻の作品となってしまった。
本作は、水谷が4番目のアルバムのために選りすぐった素材から、「イビスキュスの花 或いは 満ち足りた死」(※『拾得 Jittoku ’76』に収録)を除いた楽曲を再構成。水谷の残したマスターを基に、オリジナルに近いテープも発掘して使用し、再び久保田麻琴のプロダクション作業とマスタリングによって作り上げられた。
ライヴでは音量・演奏時間ともに膨大なヴォリュームで知られる裸のラリーズの音楽だが、この作品はスタジオ・レコーディング音源を中心に1枚のアナログ・レコードというサイズにまとめられたことで、アグレッシヴなノイズの洪水というイメージを超え、その芯にある「抒情性」が鮮明に浮かび上がっている。そして、それもまた現在、世界中のファンを惹きつけているラリーズの魅力であることは、あらためて言うまでもないだろう。
[参加メンバー]
水谷孝:ヴォーカル/ギター
中村武志:サイド・ギター
楢崎裕史:ベース
三巻敏朗:ドラムス
⚫︎湯浅学によるライナーノーツ付き
1991年にリリースされたオリジナル・アルバム3タイトル(『’67-’69 STUDIO et LIVE』『MIZUTANI / Les Rallizes Dénudés』『’77 LIVE』)の制作時、水谷孝は並行してもう1つのアルバムのための作業を進めていた。
ユーマチック、オープンリール、DATなど、様々な媒体で準備された素材には、いずれも『Disque 4』や『Record No.4』といった表記を含め「4」という数字が書き込まれ、それらが「4番目のアルバム」のためのものであることを示している。さらには、そういった素材をアナログ盤の形(A・B面に分けて20数分程度ずつの長さ)にまとめようとしていた痕跡も確認できた。
複数のソースからスタジオでの演奏をメインに集められた各曲は、1976年の録音で統一されているらしいことも判明。これは、かつて水谷自身が「リリースされた3枚のアルバムの他にもう1枚、『’77 LIVE』と同じメンバーで録音したスタジオ音源から成るアルバムが存在する」事実を仄めかしていた、という証言と一致する。
しかし、90年代初頭、アナログ・レコードからコンパクト・ディスクへと体制が切り換わったばかりの状況下では、アナログ盤による発売が極めて実現困難であったことは想像に難くない。そのまま「第4のアルバム」は、幻の作品となってしまった。
本作は、水谷が4番目のアルバムのために選りすぐった素材から、「イビスキュスの花 或いは 満ち足りた死」(※『拾得 Jittoku ’76』に収録)を除いた楽曲を再構成。水谷の残したマスターを基に、オリジナルに近いテープも発掘して使用し、再び久保田麻琴のプロダクション作業とマスタリングによって作り上げられた。
ライヴでは音量・演奏時間ともに膨大なヴォリュームで知られる裸のラリーズの音楽だが、この作品はスタジオ・レコーディング音源を中心に1枚のアナログ・レコードというサイズにまとめられたことで、アグレッシヴなノイズの洪水というイメージを超え、その芯にある「抒情性」が鮮明に浮かび上がっている。そして、それもまた現在、世界中のファンを惹きつけているラリーズの魅力であることは、あらためて言うまでもないだろう。
[参加メンバー]
水谷孝:ヴォーカル/ギター
中村武志:サイド・ギター
楢崎裕史:ベース
三巻敏朗:ドラムス
⚫︎湯浅学によるライナーノーツ付き

デトロイトの知られざるソングライティングの天才Ted Lucasのキャリア全体を俯瞰する初の本格的レトロスペクティブ。1965〜1979年の未発表、レア音源を体系的にまとめた構成になっており、Spike DriversやMisty Wizardsなどのサイケ期、唯一正式にリリースされたソロ・アルバム1975年作『OM』へとつながるアコースティック期、そして長らく失われたセカンド・アルバムと語られてきた1979年録音「Impossible Love」を収録。60年代のバンド音源は、デトロイト・サイケ特有の霞がかった色彩とアシッド感がそのまま封じ込められ、70年代初頭のソロ音源では、Lucasの代名詞ともいえる内省的フォーク、スピリチュアルな静けさが際立つ。一方、79年音源は驚くほどスムースで、シティポップにも通じる洗練を見せるなど、Lucasの多面性が鮮やかに浮かび上がる。

2017年にデビューを果たしたドイツ発のアナトリアン・サイケ・ポップ歌謡集団、Derya Yıldırım & Grup Şimşekの最新アルバムが〈Big Crown〉からアナウンス!トルコの民謡をベースにした音楽「ハルク」(Halk)の弦楽器バーラマの女性奏者Derya Yıldırımと、それぞれドイツ、フランス、イタリア、イギリス出身の男女4人のクインテットGrup Şimşekによる新機軸となる一作!日本語では「明日がなければ」と訳される本作は、「喪失や憧憬、変化への希望」という主題を軸に、深く個人的な苦悩と集団的な抵抗を掘り下げた作品。持ち前の中東サイケな味わいとここのレーベルカラーのモダン・ソウル/ファンク・サウンドが絶妙にマッチした、"アウターインターナショナル"な魅力を放つサイケデリック・ソウル・ミュージック傑作です!
伊勢の中山美術館にて日系兄弟ALCIとの驚きの邂逅を経て、即座に意気投合。共演や競演を重ねるなかで一緒に作品を創ろうという流れから誕生した作品。
曲自体は2023年末にリリースしたアルバム「PASSING TONE」の中から「AKEBONO」をALCI自らがチョイス。5拍子という変化球に関わらずジャストミート。
互いの共通の仲間であるBASED ON KYOTOのDAICHIと、朋友J.A.K.A.M.にリミックスを依頼し、それぞれのカラーが存分に織り込まれた世界観を表現してくれました。
「AKEBONO feat. ALCI」オリジナルバージョン、および2曲のリミックス、そしてKNDのリミックスによる「Floating Life - KND DUB」を収録。
TRACKLIST
A1. SOFT feat. ALCI Akebono - DUB 06:32
A2. SOFT Floating Life - KND DUB 05:58
B1. SOFT feat. ALCI Akebono - J.A.K.A.M. RMX 04:00
B2. SOFT feat. ALCI Akebono - DAICHI RMX 08:29

2021年にCHEE CHIMIZU主宰の17853 RecordsとTUFF VINYL、そしてリリース元のJ.A.K.A.M.主宰のCrosspointの3者共同でリリースした、2010年のアルバム Soft Meets Pan「Tam (Message To The Sun)」のヴァイナル・リイシューを挟み、2018年の「Tokinami」以来となる結成30周年を迎えたメモリアルなタイミングでの11枚目の最新アルバム、アナログでのリリース。
これまで様々なミュージシャンとコラヴォレーションをしてきた彼らですが、今作はゲストミュージシャンは旧メンバーのPRITTIの1曲参加のみ。ギタリストSIMIZ、ドラムPON2、ダブルベースUCONの結成時からのメンバー3人と、京都の音楽シーンに欠かせないエンジニア/エレクトロニクスのKNDとの4人での制作。ライブの形態に近いスタイルで躍動する音、サイケデリックな音響、ダブ・ワークが潜んでいます。大盛況だった大阪、京都での30周年記念ライブ、アジアツアーも敢行、ライヴバンドとして定評があり、各地に繋がるアンダーグラウンドな音楽シーンと共に歩み続ける彼らの現在の魅力がそのまま封入されています。
南条麻人、Acid Mothers Templeの河端一、Ruinsの吉田達也という日本アンダーグラウンドを象徴する3名が1997年に残した幻のセッションが、ついに初の正式LPとして復活。Mainlinerの轟音ヘヴィ・サイケと、Musica Transonicの即興性/破壊的エネルギーが真正面からぶつかり合う記録で、さらなるサイケデリックの深淵へと突き進む姿を捉えている。河端のギターは暴れ、南条のベースは地鳴りのように唸り、吉田のドラムが空間を切り裂く。10分超の重量級トリップ「Solid Static」を筆頭に、ノイズ、サイケ、フリージャズが溶け合う、90年代ジャパニーズ・サイケ特有の濃さに満ちた内容でありながら、今の音としても聴ける鮮度を持つ、日本サイケ、ノイズ史の重要断片。

国産サイケ/アシッド・ロックの金字塔White Heavenの創設者であり、ゆらゆら帝国のプロデューサーとして知られる石原洋氏の97年作『Passivité』 が<Black Editions>より初LP化。栗原ミチオ(White Heaven)、亀川千代(ゆらゆら帝国)、志村浩二(Acid Mothers Temple)ら盟友達に支えられた傑作。ロックやサイケデリック・ミュージック、60年代アメリカのサウンド、さらにはジャズ、ボサノヴァ、ソウル、そしてエレクトロニック・ミュージックの要素を取り入れた、日本のアンダーグラウンド・ミュージックにおける重要人物の50年近いキャリアを象徴するコンセプト、フィーリング、そして輝きが凝縮されている、深く個人的で親密な一枚が、メタリックシルバーの新装チップオン・ジャケット、グロス・フィルムラミネート仕上げ。音楽評論家・編集者の松村正人氏による書き下ろしの日本語と英語のライナーノーツ、柴山真治氏によるオリジナル・ノーツ併記で、オリジナル録音のエンジニアを担当した中村宗一郎によるリマスタリング済みのデラックス・エディションにて登場!
'70年代初頭のNYアンダーグラウンド・パンク~ニュー・ウェーヴ・シーンを代表するSuicideのサウンドを担ったシンセ/ドラム担当Martin Revの2000年にリリースされた5枚目のソロ・アルバム『Strangeworld』のジャーマン・ロック/ニューウェイヴ再興の地〈Bureau B〉による再発盤。チープでミニマルなリズムボックスにいかにもメロディックなシンセサウンド、鼻歌のような歌声、そこに突然現前する深すぎるリヴァーブ、エコー、ダブ処理。摩訶不思議なエレクトロ・サイケ・ポップ感が最高です!

Tomo Katsurada(Kikagaku Moyo)が1920年代の日本の児童書「夢の卵」から着想をえた初のソロ作品『Dream of the Egg』が、待望の10インチ・レコード仕様で4月8日にリリース!1920年代の日本の児童書『夢の卵(Yume No Tamago)』から着想を得て制作された本作は、2024年という大きな転換期の中で幾度もの“再生”を経験したTomo自身の内面世界を映し出す音楽とヴィジュアルアートを融合させたミニ・アルバム。夢の風景を映し出す、たゆたうようなサウンドは確かな温もりを宿す、極めてパーソナルな作品。制作は「手元にあるものだけで表現する」という衝動から始まった。リズムクリックや標準的なチューニングをあえて用いず、その瞬間にしか生まれない空気をそのまま封じ込めることで、不確かさと即興性を内包した有機的で温もりのあるサウンドが立ち上がった。完璧さよりも“生”の感覚を優先した録音は、まるで手仕事のような質感をまとい、楽曲ごとに異なる呼吸を感じさせる。アルバムの冒頭と終曲には、盟友であるイギリス人音楽家Jonny Nashが参加。漂うギターサウンドが作品全体に夢幻的な奥行きをもたらし、物語のはじまりと終わりを静かに結びます。本作はもともと、日本人アーティスト大竹笙子とのコラボレーションによる20ページの絵本とレコードが一体となった特別仕様として、2024年11月に500部限定でリリース。即完売となり大きな話題を呼びました。今回は10インチ・レコード単体仕様として待望の再発。終わりと始まりが交差する地点で生まれた再生の記録であり、Tomo Katsuradaの新たな章の幕開けを告げる作品である。同時にそれは、聴く者それぞれの“はじまり”にも静かに寄り添う一枚となっている。
かなり凄い内容です。デンマークの作曲家、ML Buchが自身のレーベルと思われる〈15 love〉より2023年にデジタル・リリースしていた2枚目のアルバムにして、昨年各所で話題を呼んだ大変素晴らしい作品が、今年度遂にアナログ化されました!明らかに逸していると言えるほどに鮮やかなギター。エレキギターとレイヤーされたヴォーカルの領域にさらに踏み込む事で、新しい楽器表現を模索した、これぞ、20年代標準と言いたい破格のネオ・サイケデリア/ドリーム・ポップ名作!

60年代からハモンドオルガンの名手としてUKのジャズ・ロックシーンを牽引し、70年代には自身のバンドOblivion Expressでファンクやフュージョンの領域を完全に切り開いた巨匠、Brian Auger。そのOblivion Expressによるの2作目『A Better Land』は、前作のハードなジャズ・ロック路線から一転、アコースティックで牧歌的、温かい空気感に満ちた作品。本作の鍵を握るのは、ギタリストJim Mullenで、英国的フォーク、カントリーの香りを持つメロディを導入。そこにAugerのオルガン、エレピが色彩を添え、ソウル・ジャズのグルーヴとメロディアスな歌心が共存する独自のサウンドが生まれている。「Dawn Of Another Day」「Women Of The Seasons」など、穏やかな曲調の中にサイケデリックな陰影が差し込むのも魅力。彼のディスコグラフィー全体を見渡しても極めて異質で、同時に時間が経っても色褪せない美しい輝きを放ち続ける名盤。
非常階段の結成メンバーであり、国産サイケデリック・ロックの伝説的存在 「渚にて」の一員としても活動する傍ら、長きに渡りソロ活動も展開。コンテンポラリー・フォークや神秘主義を経由し、内省的かつ親密でありつつ、暖かく青々とした独自のサイケデリック・サウンドでリスナーを魅了し続ける孤高のギタリスト、頭士奈生樹。88年発表の幻のファースト・アルバム『パラダイス』が最新マスタリングで再発!
日本のサイケデリック・アンダーグラウンドを代表する名門〈P.S.F.Records〉を主宰したモダーン・ミュージック店主の故・生悦住英夫氏が最大級の賛辞を寄せた、柴山伸二らとの伝説的サイケデリック・バンド「ハレルヤズ」や「Idiot O'Clock」にも参加。地下音楽の聖地として高名な京都のロック喫茶「どらっぐすとうあ」の住人のひとりであり、あの非常階段の結成メンバーとしても名高い頭士奈生樹。『パラダイス』は、柴山主宰の〈オルグ・レコード〉から発表した頭士のキャリア初のソロ・アルバムであり、アナログ・フォーマットでの再発は今回が初となる。
1987年の8月から9月にかけて、京都のタウンハウススタジオで録音。オリジナルのLP盤は500部のみがプレスされ、長い間幻の一枚として世界中のマニアやコレクターに探されていた。頭士と柴山、高山謙一(Idiot O'Clock、螺旋階段)の共同でのプロデュース編曲。
頭士は、本作にて、リード・ボーカルとエレクトリック・ギターのみならず、アコースティック・ギター、ベース、ドラム、マンドリン、グロッケンシュピールと多彩な楽器の演奏を披露するなど、マルチ・プレイヤーとしての手腕を見せつけている。
瞑想的イントロから幕を開けつつ、高鳴る青々としたサイケ・ギターの疾走がカタルシスを呼び起こす、自身の人気の高いナンバーである「こびと」、後の頭士の作品でも見られる、精神世界への傾倒の予兆を感じさせる内省的サイケ・フォークの逸品「ハレルヤ:左側」、ギター・サウンドを土台に、深くドロドロと心の奥底から込み上げる熱情を絡ませていく珠玉のハード/ガレージ・サイケデリック・キラー「パラダイス:真昼」、冬の日の暖かな幻影とノスタルジアを想起させる、頭士流クリスマス・ソングといえるスピリチュアルで耽美な「目の前の天使達」、"ハレルヤズ"のその後の展開を思わせてくれる、牧歌的でメロディックなサイケ・ポップとして珠玉な「童話」、愁いを帯びる寂寞のファズ・ギターの咆哮と淡いアルペジオという対称的なイメージのインストゥルメントに包まれながら、深く内面世界へと潜水していく様が優美なサイケデリック・シューゲイズ「Spirit In My Hair」など、同氏の初ソロ作として申し分無い破格の仕上がりとなった傑作1stアルバム!
非常階段の結成メンバーであり、国産サイケデリック・ロック最高峰の伝説的アクト「渚にて」の一員。仄かで淡い、感情を揺さぶるサウンドと深い内省、そして、青々とした季節の情景をサイケデリックというプリズムを通じて屈折させる、ヒューマニティに溢れた音楽性が唯一無二であり孤高な関西地下シーンの重要人物=頭士奈生樹。
日本のサイケデリック・アンダーグラウンドを代表する名門〈P.S.F. Records〉を主宰したモダーン・ミュージック店主の故・生悦住英夫氏が最大級の賛辞を寄せた、柴山伸二らとの伝説的サイケデリック・バンド「ハレルヤズ」や「Idiot O'Clock」にも参加。地下音楽の聖地として高名な京都のロック喫茶「どらっぐすとうあ」の住人のひとりであり、あの非常階段の結成メンバーとしても名高い頭士奈生樹。柴山主宰の〈オルグ・レコード〉から発表された本作『III』は、キャリア中でもカルト人気の高い作品の一つであり、海外からブートレグLP再発が行われるなど、ファンやコレクターの間でも公式再発が熱望されていた作品である。
頭士が単独でのプロデュースを務め、ヴォーカル、ギター、その他の楽器の演奏を担当した『III』では、ベースで柴山が、ドラムで竹田雅子(渚にて)がゲスト参加し、98年から05年にかけてStudio Nemuにてレコーディングされた。13分にも渡り、最愛への儚い想いや追憶を静かに独白する、幻想的であり親密な美しさに満ちたドリーム・フォークの名曲「最後に」、この続編的な楽曲か、ゆったりとした暖かなアルペジオと頭士の囁き声による心洗われる旋律を聞かせながら、記憶や想い出の奥底へと独り還っていくような、微睡みを誘う耽美なナンバーである「花の憧れ」、ここまで紡いできたフォーキーで夢見心地な世界観とサウンドを、よりサイケデリックな方向へと発展させつつ、日本的な土着の要素、仄暗くノクターナルな空気、寂寞や憂いを含ませた哀愁のサイケデリック・ブルースへと昇華した「窓」、精神世界へと深く没入した内容であり、Dittoや越智義朗などによる内省的な空想民俗音楽/ミニマル・ニューエイジ作品を彷彿とさせる18分にも及ぶ大曲「もう一度会えたなら」(『現象化する発光素』での「プララヤ」の姉妹楽曲と言えるだろう)、シューゲイズ的に展開する美しく幻想的なサイケデリック・ギターと暖かなアルペジオに、折り重なる頭士の消え入るような歌声が天上世界を描く「Spirit In My Hair」でのクロージングにいたるまで、頭士によるアーティスティックな世界観や方向性の模索が結晶した実験的で素晴らしいマスターピースといえる作品。
今回のリイシュー盤では、先述したオリジナルの6曲と地続きであり、同氏の追求する精神世界へのアプローチが落とし込まれた13分にも及ぶボーナス・トラック「六月の月夜にて」が追加収録されている。
水辺での生き物達の声や営みの様子を余す所なく捉えた躍動感に溢れるフィールド・レコーディングを中心として紡がれる楽曲である。その様子は、彼岸や天上風景を想起させるようでもあり、ミニマル/サウンド・アート作品としても極めて高純度の内容である。終盤からは、風鈴やチャイムのような優美な音や、牧歌的な鳥の鳴き声が徐々に挿入され始め、これらと優しく調和するように、頭士氏による親密で白昼夢的なギター演奏が幕を開ける。聞き手を微睡みへと誘う暖かな安らぎに満ちた逸品でありつつ、意識の変容を描いたというこの楽曲もまた、同氏のヒューマニティに立脚した、オープン・マインドで静謐な響きに満ちた素晴らしい作品となっている。
ポルトガルのエレクトロニック・バンドSensible Soccersと、UKダブの巨匠Mad Professorが初タッグを組んだコラボEP『EP#1 Dub Versions』。サイケデリックな電子音と深いダブ処理が溶け合う、ポスト・ダブ・サイケデリアとも言える内容で、前半2曲はゆったりしたテンポながら、クラウトロック的な反復と、Mad Professorの立体的なダブ処理が重なり、トランシーなダブ・グルーブ。重心の低いベース、深いエコー、空間を縦横に動く残響がサウンドシステム映えしそうな強度を持っている。ラスト曲「Dub Discreto」は、ClusterやKlaus Schulzeを思わせるコズミックなシンセが主役となり、ビートを排したアンビエント・ダブ、コズミック電子音楽へと飛翔。サイケデリックな電子音とクラシックなUKダブが現代的な感覚で融合した一枚。

Suzanne Kraftらが関わる新レーベル〈Soft Rock For Hard Times〉より、軽やかでメロウ、そして少しサイケなバレアリック・ロックをおさめたBrochureの7インチ『Joking』が登場。A面「Joking」は、柔らかいギターと淡いシンセが揺れる、心地よく軽いバレアリック・グルーヴ。ケベックのポップ、ディスコ・シンガーであるCeline Lomezが1970年代に発表した哀愁あるミディアム・ナンバーのカバーで、70〜80年代の甘さを、現代的なローファイ質感で包んだような、ゆるくトランスするソフトロックといったムード。B面にはUniversal CaveのコアメンバーOsprey2によるリミックスを収録。ディレイやエフェクトを深く効かせながらも、ファンキーで推進力のあるクラウトロック的な魅力も感じさせる、奇妙でサイケデリックな仕上がり。
