MUSIC
6097 products
スウェーデンの異端トリオ、Vanligt Folkが〈iDEAL Recordings〉から放つ最高に奇妙な一作。2ステップ、ノイズ、ダブ、クラブ・ミュージック、ポップの境界をねじまげ、気味の悪いフックや呻き声のようなボーカルを交えて、不穏なグルーヴを次々に展開する。テーマは友情、セックス、暴力、ドラッグといった生々しいものだが、表現はあくまで印象派的で抽象的で、フロアでも部屋でも異様な存在感を放つ。サウンド的にはローファイなエレクトロ・ノイズとも共鳴するが、Vanligt Folkのユーモアと奇妙さはやはり唯一無二。よれた2ステップにノイズをまぶした「DISKDASKO」、アシッドと呻きが絡む「ÜNG GÜD」、奇妙にキャッチーな「TJUF」など、全編通して不安定で落ち着かないが、どこかクセになって、妙に馴染む音楽。何かが起こりそうで起こらない、その境界をずっとさまようような一枚。
トロントのカントリーミュージックの名手Chris Cummingsとアンビエント・ジャズ・シーンを牽引するマルチ楽器奏者のJoseph Shabason、そして、Sam Wilkesとも共演しているThom Gillの3名が結成した要注目トリオ"Cici Arthur"によるデビューアルバム『Way Through』が〈Western Vinyl〉からアナウンス。端正にアレンジされたAORの美学を、Antonio Carlos Jobimのミッドセンチュリー的な雰囲気やFrank Sinatraの華麗なロマンティシズムとを交配させた素晴らしい作品!(Sam GendelやAndy Shauffともコラボレーションしている名ドラマー、Phil MelansonやShabasonの盟友・Nicholas Krgovich、そして、Owen Palletといった豪華なメンバーが結集。Shabasonの音楽に特徴的な「人間らしさと脆さ」を核とした、内省的で静謐なポップ・ミュージックの傑作。※スリーブ左上に入荷時より若干角打ちがございます、予めご了承くださませ。

それぞれマルチ奏者であるDana & Alden McWayne兄弟が結成したインディ・ジャズ・ポップ・デュオ、Dana & Alden。デビュー・アルバム『Quiet Music For Young People』が当店でもスマッシュヒットを記録している中、最新セカンド・アルバムとなる24年度最新作『Coyote, You're My Star』が〈Winspear〉からアナログ・リリース。デビュー・アルバムとそのリード・トラック”Dragonfly”(TikTokで30万回再生され、1000万回以上ストリーミングされた)の成功に続き、Jared Solomon (Sza, Remi Wolf, Teezo Touchdown)を起用した2枚目のアルバムであり、Z世代とデジタル時代の美学と体験を融合させた要注目のジャズ・ポップ作品となっています。
ニューヨークのディガー/ブロガーBodega Popキュレーションによる、1960〜1974年のアラブ世界のレフトフィールド音楽、風変わりなポップ、そして抗議歌を集めたミックステープ『Love Raid: Arabic Leftfield, Novelty, and Protest 45s 1960–1974』が〈Death Is Not The End〉より登場。エジプト、レバノン、イラク、シリアなど多様な地域から発掘された7インチ・シングルを中心に構成され、政治的メッセージ、風刺、実験性、そして地域性の強いポップ感覚が混在するユニークな一本で、これらは、国家主導の音楽政策が見過ごしてきたシャアビやフォーク、ヴィンテージ・アラビック・ポップの豊かさを浮き彫りにしており、Oum KalthoumやAbdel Halim Hafezといった正統派だけでは語りきれないアラブ音楽の広がりを示している。トラックリストが非公開であることも、まるで秘密のラジオ放送を聴いているような感覚を生み出し、聴く者を時代と地域を超えた音の旅へと誘う。

イギリスのシンセポップデュオSpeedboatの一員としても知られるJohnny Sais Quoi によるデビュー・アルバム『Love On Ice』が〈Music From Memory 〉から登場。イタロ・ポップや80年代ニューウェイヴの影響を軸にしながらも、現代的なポップ感覚とDIY的な親密さを兼ね備えた本作は、FMシンセやドラムマシンを主体としたタイトなリズムに、アルペジオやヴォコーダー処理を施したヴォーカルが重なり、イタロ的な高揚感と淡いメランコリーを同時に醸し出している。出会いや別れなど人生の転機をテーマにしており、軽やかなポップの享楽性と、メランコリックな陰影とを行き来するような二面性が印象的で、シンセ・ベースの推進力と透明感のあるメロディラインは、ダンスフロアに直結する強度を持ちながらも、楽曲構造そのものはどこか内省的で、リスニングにも耐えうる静かな余白も残している。80年代的な懐かしさと同時に現代的な新鮮さを感じさせる一枚。

星野源、突然段ボール、Ogre You Asshole、坂本慎太郎、Jim O'Rourkeなど、アンダーグラウンドやコンテンポラリーといった枠を超えて、名だたるアクトたちを支えてきた現代の日本が誇る名SSW=石橋英子。昨今の絶賛されたサウンドトラック作品での大成功に続いて、早くも2025年度最新作が〈Drag City〉から堂々アナウンス!ポップやファンク、ジャズ、アンビエント、電子音楽、ミュージック・コンクレートといった多種多様なスタイルや雰囲気をシームレスに横断しつつ、インティメイトで壮大な表現を大いに詰め込んだ、今年度要注目の逸品!
2025年リプレス!世界各所でも大絶賛された代表作!シーンの枠組みを越えて巨大なリスペクトを浴びる我らがジム・オルークがインディ系大名門〈Drag City〉から1999年に発表した大人気作。
初のヴォーカル・アルバムということでも大きな話題を呼んだ、鬼才ジム・オルークの代表作であり、ヴァン・ダイク・パークスやジャック・ニッチェを敬愛するオルークのポップ・サイドを集大成したかのような作品。本作リリース後、オルークは活動の場をますますポップ・フィールドへと拡げていくことになる。マスターピース!

ミシガン州アナーバー出身、ニューヨークのブルックリンをベースに活動し、バークリー音楽大学でジャズを中心にギター演奏を学んだというSSW、Mei Semonesは日本人の母を持ち、これまでもリリックや曲名に日本語を取り入れた作品をリリースしており、日本でも大人気だが、ジョン・ローズボロとの名曲「三月の水」カバーや、昨年リリースのEP『KABUTOMUSHI』でも話題となった彼女の待望のフル・アルバム『Animaru』がついにリリース!インディー・ロック、ボサノヴァ、ジャズ、チェンバー・ポップを融合させた音楽性はそのままに、彼女の音楽が本来持っているロマンスや柔らかな感情を呼び起こすだけに留まらず、アコースティック・ギターの素朴な響きにメイのヴォーカル心地よく乗っているかと思えばふとした瞬間に、ストリングスと複雑なギターのリズムが織り成すオーケストラのうねりへと変化するような、より奥深い表現へと積極的に音楽的な挑戦を試みた一枚!

ソウルフルで華やか、そして自己肯定感に満ちたLady Wrayのサード・アルバム『Cover Girl』が〈Big Crown Records〉より登場。プロデューサーのLeon Michelsとの長年の信頼関係のもとで制作され、60〜70年代のソウルやディスコ、90年代のR&Bやヒップホップ、さらに彼女のルーツであるゴスペルがブレンドされた、祝祭感あふれる一枚になっている。リード曲「You’re Gonna Win」は、ゴスペル・ディスコの熱気と自信に満ちたメッセージが炸裂するフロア向けの一曲。その他にも、プリンスに通じるようなファンキーなミッドテンポ「Be a Witness」、自己回復と再生をテーマにしたタイトル曲「Cover Girl」など、パーソナルな物語と豊かな音楽性が交錯する。Lady WrayことNicole Wrayは、90年代後半から活動を続けるシンガーで、長いキャリアと幾多の試練を経て今なお進化を続けている。『Cover Girl』はその歩みの集大成とも言える内容で、音楽的にも精神的にも「いまが一番いい」と本人が語る通り、力強くて美しい自己表現が詰まったアルバムになっている。
2024年度最高峰のアート・ポップ/モダン・クラシカル作品!デンマークの作曲家Astrid Sonneの3枚目のフル・アルバム『Great Doubt』が、IceageやLissなどのリリースも知られる同国のインディペンデント・シーンを代表する名門〈Escho〉から登場。高く評価されているそのディスコグラフィーを通して、電子楽器とアコースティック楽器の試みを通して、様々なムードを注意深く作り上げてきた人物。本作では、これらのスキルがより洗練された事で、今度は作曲者自身のボーカルが前面にはっきりと現れたものとなっています。
ストックホルムを拠点に欧州各地で楽曲制作に取り組んでいる実験的インディ・ロック・ユニット Horse Visionによる最新アルバムが〈Scenic Route〉よりアナログ・リリース。ポップ/インディー的な感性とドリーミーな電子アンビエントの交差点に位置しながら、「日常の揺らぎ、記憶と感情のすり替わり」をテーマに静かに染み入る作品。夜明け前の静けさや、都市の灯りがまだ揺れている時間に寄り添うような、ポスト・ロック~エモ影響下の親密かつ内省的なサウンドが大変優美。余韻と曖昧さの中に豊かな情景が立ち上がる、聴く者の心の隙間を埋めるような一枚です。
2012年のブレイクスルー作『Tramp』が注目を集めたLAのシンガーソングライターSharon Van Ettenが2014年に発表した傑作アルバムにしてセルフプロデュース作となった『Are We There』が〈Jagjaguwar〉より10周年記念アナログ・リプレス!並外れた親密さと崇高で寛大な精神性、そして計り知れない幅広い音楽性とアプローチを実践した、テン年代中盤のインディ・ロックを代表する名作!

約2年振りとなるKendra Morris待望の最新作『Next』。Colemine Records の Leroi Conroy との共同プロデュースのもと、オハイオ州ラブランドのスタジオでヴィンテージ機材を駆使して録音。Tascam 388 を通した音像は、ツヤや洗練よりもざらつきや手触りを優先し、温かみのあるアナログ質感を全編にまとわせている。ゲストには Delvon Lamarr Organ Trio の Jimmy James、The Black Keys 周辺で知られる Ray Jacildo が参加。作品全体はどこかローファイなコンセプト・アルバムのような趣きがあり、ジャケットにある古いボードゲームやレトロなテレビ番組に通じるDIY感覚を下敷きにしているよう。音楽的には、ドゥーワップやブームバップ、ロックステディといった異なる要素を縫い合わせるように展開し、まるでニューヨークの古き良き記憶をコラージュしたような世界を描き出す。洗練よりも遊び心や想像力を優先するように、完璧さとは無縁で、むしろその不完全さの中にこそ息づくハートとイマジネーションが詰まったアルバム。カラフルでいてどこか懐かしいサウンドに、心に響くソウルフルな歌声が溶け合う一枚。
'70年代初頭のNYアンダーグラウンド・パンク~ニュー・ウェーヴ・シーンを代表するSuicideのサウンドを担ったシンセ/ドラム担当Martin Revの2000年にリリースされた5枚目のソロ・アルバム『Strangeworld』のジャーマン・ロック/ニューウェイヴ再興の地〈Bureau B〉による再発盤。チープでミニマルなリズムボックスにいかにもメロディックなシンセサウンド、鼻歌のような歌声、そこに突然現前する深すぎるリヴァーブ、エコー、ダブ処理。摩訶不思議なエレクトロ・サイケ・ポップ感が最高です!
〈Pitchfork〉でも「8.6」「Best New Music」と高スコアを記録、世界各所でも大絶賛された代表作!シーンの枠組みを越えて巨大なリスペクトを浴びる我らがジム・オルークがインディ系大名門〈Drag City〉から15年に発表した大人気作『Simple Songs』入ってきましたーーー!石橋英子、波多野敦子、山本達久、高岡大祐、高田漣などを始めとした豪華面々が参加し、自身のスタジオ〈Steamroom〉と〈星と虹〉にてレコーディングされた作品。ポジティヴなエネルギーに満ちたオルーク氏の歌唱とチェンバー風味なバック演奏を軸に、ランディ・ニューマンやヴァン・ダイク・パークスといった先人たちにも通じるアヴァンギャルドでポップな世界観へと仕上げた傑作アルバム!
Guruguru Brain / Bayon Productionから昨年リリースされたデビューアルバム『Approach to Anima』から1年。新たなフェーズへ突入し進化を見せるmaya ongakuの新たなサウンドアプローチはリズムマシンを基盤にエレクトロな展開で構成されたコンセプチュアルな一枚。既にライブでも定着しつつある先行配信のM-1「Iyo no Hito」。ミニマルなビートに乗る効果的なサックスの響きに不穏な空気が漂う「Anoyo Drive」。童歌のようなストレンジなポップソングで脳内ループから逃れられなくなる「Love with Phantom」。ライブでも度々披露されてきた15分におよぶ壮大でスピリチュアルな「Meiso Ongaku」。世界が求める独創的な日本オルタナティブを象徴する傑作!

Thinking Fellers Union Local 282のアブストラクトで荒々しく、実験性の強い一面が浮かび上がる『The Funeral Pudding』が〈BULBOUS MONOCLE〉よりリイシュー。本作ではベースのAnne EickelbergとギターのHugh Swartsが多くの曲でヴォーカルを担当している点がユニークで、Davies/Hagemanのツインフロントがメインだった他の作品とは一線を画す構成で、「Waited Too Long」や「Heavy Head」ではEickelbergの高らかな歌声がバンドの新たな魅力を引き出している。スリリングな展開と構成が光る「23 Kings Crossing」では、彼らならではの音響世界が表現されており、ノイズ、サイケ、ポストパンク、ポップ、アヴァンギャルドが混然一体となった独特の音楽性となっている。緻密な音作りとソングライティングの完成度が際立つ、バンドの捉えどころのなさと筋の通った狂気が詰まった一枚。


元The Mint Chicksのシンガーソングライター、マルチインストゥルメンタリスト、プロデューサーの Ruban Nielsonを中心に2010年に結成されたオレゴン州ポートランド発のネオサイケデリック/インディ・ポップ・バンドUnknown Mortal OrchestraのICシリーズの最新作『IC-02 Bogotá』が<Jagjaguwar>よりリリース!ICシリーズはバンドのヴォーカル・アルバムとは違い、ある特定の都市での即興演奏やインストゥルメンタル・ミュージックの演奏の記録で、2018年発表の第一弾のベトナムのハノイに続く今作は、コロンビアに滞在し、新しいキーボード奏者クリスチャン・リーを迎えて音楽を制作した際に生まれたセッションであり、首都ボゴタのエキサイティングな街で過ごした時間の音楽的ドキュメントと呼べる作品!
初の海外レーベルからのリリースとの事!〈Stones Throw〉ファンにも間違い無しなネオ・シティポップ/ドリーム・ポップの金字塔的な大傑作。今年度の日本のインディ・ミュージックの中でも最高峰の地位を獲得するであろう作品としてレコメンドします!
ダブやネオ・サイケデリア、アーバンなコンテンポラリーR&B等の多彩な要素を巧みにブレンドした東京拠点のインディ・ロック・バンド、その名も"TAMTAM"による最新EP『Ramble In The Rainbow』が〈PPU〉こと〈Peoples Potential Unlimited〉より堂々アナログで登場!
2024年、TAMTAMは新作EP『Ramble In The Rainbow』を米レーベルPeoples Potential Unlimitedよりリリースする。初の海外リリースとなった本作は、かつてないほど幻想的な浮遊感に包まれ、またもジャンルのボーダーを超える存在感を放っている。
歌詞は極めてプライベートな出来事をきっかけに魂や死、自然といった大きく抽象的な概念を介した寓話のように綴られる。サウンド面ではSun Ra、Lee “Scratch” Perry、清水靖晃や鈴木良雄などが影響元に挙げられており、バンドの要となるグルーヴはそのままに更にドープになった演奏が印象的。以前からの持ち味であるレゲエやソウル、ジャズ的な要素に加えニューエイジ音楽的な発想が巧みに掛け合わされた、バンドの成熟を感じさせる怪作となっている。

グレアム・ジョンソンによるベッドルーム・サイケ・ポップ・プロジェクト、quickly, quicklyのニューアルバムが、オレゴン州ポートランドにある地下スタジオ、ケントン・サウンドから到着!Phil Elverumの予測不可能なヴォーカル・メロディとサウンド・デザイン、Dijonの生の感情、Nick Drakeの時を超えたリズム感にインスピレイションを受けて生み出されたという本作だが、心地よいノイズで彩られたフォークアルバムはハイファイでありながら家庭的で、温かみとウィットと不協和音を伴って日常生活の輪郭を描くようなリアリティある内容。現代のベッドルームミュージックと1960年代の音楽が融合したような雰囲気がクセになりそう。

〈Not Not Fun〉からのリリースでも知られるBaptiste MartinことLes Hallesの新作『Original Spirit』がベルギーの〈STROOM.tv〉から登場。彼が友人たちへ送った「僕は2024年10月1日、マヨルカのSon Llàtzer病院に精神的ショックで入院した」という小説の冒頭のようなPDF形式の手紙という個人的な出来事。この出来事を経て完成した本作は、彼の内面世界を直接語る記録ではなく、むしろその混沌のなかでかすかに見えた“原初の魂=Original Spirit”の存在を信じる音のスケッチ。ヒプナゴジックなポップやアンビエント、繊細なグリッチ電子音を交えながら、“存在しなかった過去”を懐かしむような、不思議な透明感と安堵感に包まれている。まるで色彩の風景の中を彷徨う抽象的な無の気配、物質世界を超えて揺らめく“希望のさらに向こう側”の音。Les Hallesなりの再生の祈りというべき一作。

ジャズとポップスの革命の目撃者であり、ソングライターの殿堂にその地位を築きながらも何十年もの間知られてこなかった米国のシンガーソングライター、ミュージシャン、作詞家のMargo Guryan (1937-2021)の60年~70年代のデモ集 ! 2001年にリリースされたデモ音源集『25 DEMOS』の増強版としてリリースされた『27 DEMOS』に、2023年に突如7インチ・リリースされた「I Ought To Stay Away From You」を加えた新しいバージョンの『28 DEMOS』です。
