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Chicago Underground Duoの実に11年ぶりとなる新作『Hyperglyph』が〈International Anthem〉より登場。ロブ・マズレク(トランペット、電子音)とチャド・テイラー(ドラム、親指ピアノ)の長年の友情と創造的な対話から生まれており、アヴァン・ジャズと電子音響、アフリカン・リズム、実験的ポストロックが交差。今作は、マイルス・デイヴィス&テオ・マセロのカット&エディット手法、AACMの精神、さらに電子音楽やダブ、IDMなどからの影響も織り込み、徹底したスタジオ編集と即興演奏のダイナミズムを融合。重層的なホーンと対話する打楽器、繰り返しが陶酔的な鍵盤、荒ぶるトランペットの叫び、静寂と轟音の対比。すべてが複雑に絡み合い、独自の音響宇宙を形成している。録音・編集はInternational Anthemのデイヴ・ヴェトレイノで、長年の信頼関係が生んだ、自由で直感的な制作環境も作品の強度に貢献している。一見複雑でとっつきにくい構造も、繰り返し耳を傾けることで新たな視点が開かれる——そんな知的でスピリチュアルな音楽体験を提示する、二人の現在地点。シカゴ実験音楽の深層から生まれた、緊張感と遊び心に満ちた現代ジャズの最新形。

Jeremiah ChiuとMarta Sofia Honerによるセカンド・アルバム『Different Rooms』が〈INTERNATIONAL ANTHEM〉から登場!本作は、前作の風景的な音像から一転して、日常の都市的なテクスチャーに焦点を当てた作品。舞台はロサンゼルスで、モジュラーシンセと生/加工された室内楽ストリングス、そして街中や家の中、駅の雨音といったフィールド録音が溶け合い、構築と偶然が共存するサウンドコラージュが展開される。制作は隣接する2つのスタジオで行われ、ある部屋でビオラを録音している横で、もう一方ではテーマがアレンジされるなど、プロセス自体がアルバムタイトル「異なる部屋たち」を体現している。この制作過程には、偶然性を積極的に取り込む姿勢が貫かれており、テープ操作やグラニュラーシンセによって、素材は予想外のかたちで変質し、感情の陰影を帯びて立ち上がってくる。その結果生まれた音楽は、きっちりと設計されつつも、どこか夢の中で聞こえてくるような、曖昧で親密な揺らぎを持っている。曲順にも対称的な構成が仕込まれており、あるモチーフが別のかたちで再登場するなど、時間と空間を行き来するような感覚を誘う。聴き手が今まさにいる場所と、作品世界との境界線を曖昧にするような仕掛けが随所に施されているのも印象的。都市の空気感と親密な質感、そして音響的なミステリーが同居した、深くて静かな一枚。

(数量限定/日本語帯付き/解説書封入)異名義AFXで紡がれる、アシッドとIDMの進化形!2015年に突如リリースされたEPであり、タイトルが示す通り2006〜2008年に制作された楽曲群を収録。AFX名義ならではの攻撃的なアシッド・ラインと硬質なリズムが前面に押し出され、リスナーをダンスフロアから実験音楽の深淵へと誘う。生々しい音圧とアナログ感に溢れ、同時にエイフェックス・ツインとしての緻密な構築美も堪能できる。90年代から続くIDMの系譜を継承しながら、未来へと更新した重要作。リチャードの異名義ワークスを語る上で欠かせない一枚。

(数量限定/日本語帯付き/解説書封入)鬼才スクエアプッシャーが幻のアルバム『Stereotype』の再発盤を〈Warp Records〉よりリリース。
1994年にステレオタイプ名義でひっそりとセルフリリースされた知る人ぞ知る『Stereotype』は、当時若干19歳のスクエアプッシャーによる約1時間にわたる原初のダンスフロア・トラック群。海賊ラジオとレイヴ文化を燃料に生み出された、荒削りながらも爆発的なエネルギーを放つ初期音源が、ついにオリジナル・テープからリマスターされて蘇る。オリジナルでは無理やり1枚の12インチに収められていた音源を、2枚組LPとして新たにカット。〈Rephlex Records〉からのデビュー作『Feed Me Weird Things』(1996)と同時期に制作され、いわば“もうひとつのデビュー・アルバム”とも呼べる伝説的音源。スクエアプッシャーの原点を体現する本作はキャリアを語る上で重要な一枚である。
ウガンダの気鋭DJ/プロデューサー、Authentically Plasticが放つセカンドアルバム『Rococo Ruine』は、前作『Raw Space』で確立した「音の平面性」という概念をさらに深化させた意欲作。西洋美術がこだわる奥行きに対するアンチテーゼとして、音の強度に焦点を当てた激しいリズムはそのままに、本作ではメロディックな要素が大胆に導入されており、シンセサイザーによる幻覚的なメロディが、安定した反復的な硬質なリズムと対比的に絡み合い、万華鏡のようにサイケデリックで粘度の高いサウンドを生み出している。特に、「Mercury Lake」では歪んだビートとハーモニックなシンセが、「End of the World Sale」ではメロディを打楽器のように扱った点描的なサウンドが聴きどころ。また、「Polycollision」や「Schizz」は、前作のポリメトリックな実験をさらに推し進めた楽曲となっている。音の平面性を保ちながら、サウンドの幅を大きく広げた本作は、既存のクラブミュージックの枠を軽やかに飛び越える、革新的で刺激的な一枚!

サイバーオカルト音楽の神髄、ヘンリー川原アーカイブ・リリース後編・総力特集。今回は音楽家以上にメディアアーティストといえる彼の真骨頂、マルチメディアのための音楽、そしてアノニマス的な録音や共同制作音源もコンパイルし、川原の異形さを多面的に検証し終結に突入する。前作コンピの秘密を暴露するオカルティックなボーナスディスク付きCD3枚組。「サイバーオカルト音楽」とは何なのか・何だったのかという論考と川原作品の分析を掲載。テキスト面にも力を入れている。
※数量限定製造。
90年代の本邦サイバーオカルトとメディアアートの地下水脈で暗躍したエンジニア的サウンド・アーティスト、ヘンリー川原は何をなし何を残し音楽界から去ったのか――その謎を探るべくお届けするアーカイブ第二集かつ集結編。
本作では川原が栽培したサイバーオカルト・サウンドの真骨頂であるニューメディアのための音源、また、野心を垣間見る変名・共同制作もあわせてコンパイル。当時の市場では怪しいキワモノとして扱うよりほかなかった、メディアアートと“ニューエッジ”と日本的霊性がデジタル信号化した川原の音楽の公正な評価を試みる。また、解説には精神世界とテクノロジーが怪しく交錯したサイバーオカルトおよびその音楽についての総論と作品解説を掲載し、80年代後半から90年代初頭の四次元エアポケット的ミッシングリンクを解明する。
=作品仕様=
+ CD 3枚組(マルチケース/ブックレット封入)
+ 日本語・英語掲載
+ 解説・論考:江村幸紀
TRACKS:
DISC-1
01. みょうな気持ちになる
02. ハルマゲドンを越えて(1999年7月15日)
03. 69 with B-Dog
04. 愛のムーンライト
05. ゴア・ガジャの森の老人
06. バレンタイン(250年2月14日)
07. 愛のダンス
08. 水星の力
DISC-2
01. enDOLPHIN (Water Sonic Version)
02. 獣の傍らで眠る
03. 南風 #4
04. スタート・オン・ア・ジャーニー
05. Sim Sex
06. モーニング
07. ニューロ・ダンサー
08. 甜美的夢
09. 静止した時間
10. シネスセシア
11. Dolphin Dreams (Deep Relax Mix)
12. Dolphinic Meditation

UKの伝説的DJ Toruによるテクノ、ダンスホール、アンビエント、ハードコアなどを横断するロングトラックを中心にした2025年のカセット作品『Rescue At SW4』が〈The Trilogy Tapes〉からリリース。90年代にロンドンへ渡り、Plastic PeopleやVinyl Junkiesなどの伝説的クラブ/レコードショップで活動してきたToruの音楽的軌跡が、1時間半にわたる濃密な音響体験として結晶しており、緊張感と人間味が交錯するドラマチックな展開が魅力。 UK地下シーンの空気感と、ストイックなデトロイト・テクノの精神が融合し、クラブ以降の音楽の文脈に位置づけられる作品となっている。

イギリス・ロンドンを拠点に活動する、Blackwaterのメンバーの一人によるソロ活動であり、フィールドレコーディングや環境音を素材に、コーンウォールの海辺や鉄道沿線など、場所や記憶にまつわる感覚的な音響世界を構築する作風で知られるThe Dengie Hundredの、過去のフィールドレコーディングや未使用の音素材を再構築し、記憶の断片を音で辿るようなアンビエント/実験音楽作品『Remnants』。環境音やテープの歪み、微細なノイズが織り込まれた音響は、明確な旋律やリズムを持たず、聴く者の感覚に委ねる流動的な構成をとり、アンビエント、エレクトロ・アコースティック、実験音楽の要素が混ざり合い、静かに深く響く。録音素材の経年変化や偶然性をそのまま取り込みながら、時間の層や空間の揺らぎを感じさせるサウンドスケープが展開され、タイトル通り「残されたもの」から新たな意味を紡ぎ出す詩的で内省的な音楽的探求の痕跡。
Visible Cloaksのスペンサー・ドーランによる「不確定性室内楽」プロジェクト、コンポニウム・アンサンブルの初リリース。紀元前に始まる自動生成音楽の概念をバーチャルスタジオ上で発展させ、未来の音楽構想と美的基準を先取りするかのような驚くべきサイバーヒューマンミュージック作品集です。
本プロジェクトは、古代ギリシャのアルキメデスに始まり、9世紀バグダッドのバヌー・ムーサー兄弟によって発展した自動演奏楽器の長い歴史から着想を得ています。後者は水圧を利用し機械的に制御されたフルートと先見性のあるプロト MIDI 構造を持つパンチカード機構という、プログラム可能な自動演奏のコンセプトを初めて完成させていますが、この機械的な音楽制作は、千年後、筐体それ自体で自動作曲できる「コンポニウム」という機械音楽システムを発明したディートリッヒ・ニコラス・ウィンケルによって偶然性の原理を用いて拡張されました。ドーランは《コンポニウム・アンサンブル》でこの系譜をさらに発展させ、デジタル技術で膨大な数の仮想楽器を自動化し不確定性の要素を導入する機能を活用することで、人間の衝動や恣意の限界を超えた仮想演奏者という「新たな形態の出現」に扉を開いています。このサイバーヒューマン・ミュージックともいえる形態の先駆者であるノア・クレシェフスキーに捧げられた『八つの自動作曲作品集』は、プリペアドピアノ、ハープシコード、チェレスタ、バスクラリネット、フルート、チェロ、バリ島のティンクリックなど、多岐にわたる楽器を複数の仮想アンサンブルで演奏しています。一見難解にみえる理論的基盤にもかかわらず、その音楽は聴きやすくかつ魅力的で、想像を超える広がりと新鮮さを持っています。軽やかなタッチと洗練された旋律感覚は、ポップスファンとクラシック/コンテンポラリー音楽のリスナーの双方に響くことでしょう。音源はドーランの長年のコラボレーターであるジョー・ウィリアムズ(Motion Graphics、Lifted)がミキシングを行い、音楽を視覚面から解説するハイパーリアリスティック・アートは日本のビジュアルアーティスト/グラフィックデザイナ ー、吉澤風生(Kai Yoshizawa)が担当。10インチ・レコード/CD/デジタルのリリースで、CDエディションにはカール・ストーンによるリミックスがボーナストラックとして収録されます。
=作品仕様=
+ DLコード付き
+ シュリンク封入、ステッカー
+ 解説:スペンサー・ドーラン、英語・日本語併記
TRACKS:
A1. ブロック(三台のプリペアド・ピアノと室内アンサンブルのための)
A2. エフロレッセンス(三台のボウ・チェンバロ、二本のバス・クラリネット、フルートとチェロのための)
A3. オートマタ(チェレスタ、グロッケンシュピールとスプリングタンク・ギターのための)
A4. ロージン(四本のギター、五本のチェロ、クラリネット、オーボエとボウ・ピアノのための)
B1. ダイニーマ(フルート・アンサンブル、ピアノとティンクリックのための)
B2. インスタニテイション (三台のプリペアド・ピアノ、弦楽四重奏と金管アンサンブルのための)
B3. エア(三本のバスクラリネット、一本のトランペットとスティールドラムのための)
B4. カイト(弦楽四重奏とティンクリックのための)

Visible Cloaksのスペンサー・ドーランによる「不確定性室内楽」プロジェクト、コンポニウム・アンサンブルの初リリース。紀元前に始まる自動生成音楽の概念をバーチャルスタジオ上で発展させ、未来の音楽構想と美的基準を先取りするかのような驚くべきサイバーヒューマンミュージック作品集です。
本プロジェクトは、古代ギリシャのアルキメデスに始まり、9世紀バグダッドのバヌー・ムーサー兄弟によって発展した自動演奏楽器の長い歴史から着想を得ています。後者は水圧を利用し機械的に制御されたフルートと先見性のあるプロト MIDI 構造を持つパンチカード機構という、プログラム可能な自動演奏のコンセプトを初めて完成させていますが、この機械的な音楽制作は、千年後、筐体それ自体で自動作曲できる「コンポニウム」という機械音楽システムを発明したディートリッヒ・ニコラス・ウィンケルによって偶然性の原理を用いて拡張されました。ドーランは《コンポニウム・アンサンブル》でこの系譜をさらに発展させ、デジタル技術で膨大な数の仮想楽器を自動化し不確定性の要素を導入する機能を活用することで、人間の衝動や恣意の限界を超えた仮想演奏者という「新たな形態の出現」に扉を開いています。このサイバーヒューマン・ミュージックともいえる形態の先駆者であるノア・クレシェフスキーに捧げられた『八つの自動作曲作品集』は、プリペアドピアノ、ハープシコード、チェレスタ、バスクラリネット、フルート、チェロ、バリ島のティンクリックなど、多岐にわたる楽器を複数の仮想アンサンブルで演奏しています。一見難解にみえる理論的基盤にもかかわらず、その音楽は聴きやすくかつ魅力的で、想像を超える広がりと新鮮さを持っています。軽やかなタッチと洗練された旋律感覚は、ポップスファンとクラシック/コンテンポラリー音楽のリスナーの双方に響くことでしょう。音源はドーランの長年のコラボレーターであるジョー・ウィリアムズ(Motion Graphics、Lifted)がミキシングを行い、音楽を視覚面から解説するハイパーリアリスティック・アートは日本のビジュアルアーティスト/グラフィックデザイナ ー、吉澤風生(Kai Yoshizawa)が担当。10インチ・レコード/CD/デジタルのリリースで、CDエディションにはカール・ストーンによるリミックスがボーナストラックとして収録されます。
=作品仕様=
+ 通常ジュエルケース、帯
+ 8頁ブックレット
+ 解説:スペンサー・ドーラン、英語・日本語併記
TRACKS:
01. ブロック(三台のプリペアド・ピアノと室内アンサンブルのための)
02. エフロレッセンス(三台のボウ・チェンバロ、二本のバス・クラリネット、フルートとチェロのための)
03. オートマタ(チェレスタ、グロッケンシュピールとスプリングタンク・ギターのための)
04. ロージン(四本のギター、五本のチェロ、クラリネット、オーボエとボウ・ピアノのための)
05. ダイニーマ(フルート・アンサンブル、ピアノとティンクリックのための)
06. インスタニテイション (三台のプリペアド・ピアノ、弦楽四重奏と金管アンサンブルのための)
07. エア(三本のバスクラリネット、一本のトランペットとスティールドラムのための)
08. カイト(弦楽四重奏とティンクリックのための)
=CDボーナストラック=
09. ブロック(カール・ストーン Remix)
![Sheriff Lindo And The Hammer - Ten Dubs That Shook The World [2025 Edition] (CD)](http://meditations.jp/cdn/shop/files/a2800642370_10-1_{width}x.jpg?v=1754728985)
キング・タビーにエクスペリメンタル/インダストリアル成分を注入し発展させたDUBのためのDUBミュージック元祖、リンド保安官1988年名盤『世界を震撼させた十のダブ』2025年エディション。今回は新たに発掘されたPCM録音βカム・オリジナルマスターを用いた最新リマスター、CD版には 2005年初日本盤リリース時に好評だったボーナストラックを再び収録(※2013年版ボーナスとは異なります)。
オーストラリアの実験音楽アンサンブル、ループ・オーケストラの一員、アンソニー・メイハーがシェリフ・リンド(リンド保安官)の名で、セヴァードヘッズらの助けを借りて250枚制作した伝説的1stアルバム。レゲエ・マニアの度が過ぎたそのポストパンク実験精神はキング・タビーを飛び越え、デヴィッド・カニングガム、デヴィッド・トゥープらの英実験アヴァン勢、果てはインダストリアル・ミュージックの域をも侵蝕。1981年から1988年にかけ宅録された機材とテープの実験をまとめた『テン・ダブス...』は非ジャマイカン・ルーツ・ダブの金字塔であり、ジャマイカ由来の手法「DUB」が音楽ジャンルとして自律した以降のDUB作品の原型となる歴史的重要作です。『テン・ダブス...』を制作指揮したループ・オーケストラ主宰でオーストラリア・インディー要人ジョン・ ブレイズ(2011年逝去)、セヴァードヘッズ創設メンバーでループ・オーケストラ一員、リチャード・フィールディングス、そしてリンド保安官によるクロス解説は資料としても重要!
=作品仕様=
+ 最新リマスター
+ CDボーナストラック
+ 16頁ブックレット、帯付き
+ 英語・日本語解説掲載(2005年版・2013年度版と同内容)
+ シュリンク封入+ステッカー
TRACKS:
1. Dub House Of Horrors
2. ! (Dub)
3. Grossly Overweight Dub>
4. Fatal Dub
5. Dub Express
6. Dread-ging The River
7. And On The Seventh Day...Dub
8. Eastern Bloc
CD BONUS TRACKS
9. Sky Dubbing
10. New Roots
11. Delicate Dub
12. Rolla
13. Bush Chant

タカオが長い月日をかけた待望のニューアルバムを携えて帰ってきた。『The End of the Brim』は、普遍的な聴きやすさを理想に掲げ、前作『Stealth』の抽象的エレメントから一転、具象的強度をもった曲、しなやかなリズム、メロディーの展開、洗練されたハーモニーに焦点を合わせている。タカオの未来を見据えたビジョンは、本作を他に類を見ないタイムレスな作品へと昇華させ、ポップミュージックの可能世界を示す。この不思議な「非絶対音楽」的アルバムを解読した柴崎祐二の解説も必読!
『Stealth』(2018年)、同作をセルフ・リメイクした『Stealth (Gold Edition)』(2021年)に次ぐ通算3作目、完全新曲では2ndアルバムとなる『The End of the Brim』は、『Stealth』発表直後に着手されました。小品を組み立てたトータルピースである『Stealth』と風景の違う、一曲一曲が強度をもち自立してもいる世界を構想したタカオは、自分にとってこれまでにない試みのため協力者を必要とし、DJのeminemsaikoをスーパーバイザーに起用。このチームでトライ&エラーを繰り返していく過程で、堀池ゆめぁ(「Music Room」)、クリステル・ベレ(「Fall」)、カラード・ミュージックの藤本敦夫(「Main Theme」)をヴォーカリストに迎え、ミツメの川辺素、細野晴臣やムーンライダーズ等の仕事でも知られるエンジニア、原口宏も加わってアルバムは精妙に彫刻されていきました。『The End of the Brim』は、形式上は音楽家の個人的なものを表明するはずの「ソロ」アルバムですが、その表明の様式は直接的なものではなく、そこには委嘱作を請け負うコマーシャルな職業音楽家へのオマージュというタカオのユニークな意志が埋め込まれています。ゆえに本作は、音楽理念を職業音楽家=客観的な遂行者という一種の概念を介して記述しようと試みた「自身が発注者でありその発注者であるところの自身を表明する標題音楽」といえるような二重・三重の手順を踏んだ重層的な作品です。皆さんの未来の密やかな愛聴作になることを願ってやみません。本作の装丁画は大谷透、デザインを坂脇慶が担当。
=作品仕様=
+ 12インチVINYL、高音質プレス
+ DLコード、インサート付き
+ 解説:柴崎祐二、英語・日本語併記
+ シュリンク封入+ステッカー
TRACKS:
Side A
1. Long
2. Mar
3. Music Room (歌詞と歌:堀池ゆめぁ)
4. ARP
5. SPE
Side B
1. Images
2. Fall (歌詞と歌:クリステル・ベレ)
3. CF
4. Main Theme (歌詞:川辺素、歌:藤本敦夫)
5. The End of the Brim

実験的エレクトロニック・ミュージックの先駆者として知られる伝説的バンドのSeefeel。1990年代初頭にロンドンで結成され、シューゲイズとエレクトロニックを横断する最も革新的なグループのひとつとして頭角を現した彼らは、重層的なサウンドスケープ、ミニマルなリズム、そしてアンビエントな感性で、本作『Pure, Impure』の後には、エレクトロニックやテクノを軸に多彩な作品を輩出してきた名門〈WARP〉からもリリースを残している。
今回初めてアナログ盤としてリリースされる本作には、1993年に〈Too Pure〉より発表された「More Like Space」「Plainsong」「Time to Find Me」の3作のEPを収録。Aphex Twinによるリミックスや、未発表デモ音源「Moodswing」も含まれた全11曲入り。リマスタリングは名門Abbey Road StudiosにてGeoff Pescheが担当し、アートワークも新たに再構築されている。

最初期ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのドラマー、ラ・モンテ・ヤングのシアター・オブ・エターナル・ミュージックの一員でもあったアンガス・マクリーズ。オリジナルは2015年にニューヨークの出版社Pleasure Editionsより限定100セットでリリースされた3本組カセット[Tapes]を3CDボックスで初復刻。現在はコロンビア大学の図書館に所蔵されている100時間に及ぶオープンリール・アーカイヴから抜粋した音源であり、60年代末から70年代後期までの様々なスタイルのソロ及びセッションをラフに紡いだ異様な編集を特徴とする作品。盟友トニー・コンラッドや、後にコイル、カレント93のメンバーとなるウィリアム・ブリーズと行なった数種のセッション、アイラ・コーエンのフィルム“The Invasion of Thunderbolt Pagoda” の撮影中に録音された秘蔵テイク、アンガス本人がレコーディングを行なったチベット僧侶のパフォーマンスまで、彼とコラボレーター達による過激でミステリアスな記録をノンストップで纏め上げた全3時間に及ぶ集成。ジム・オルークによる2023年リマスタリング版を収録(カセット版とは異なる正確なトラック分割を行いました)。
オリジナルアートワークを使用したディスクスリーヴ、貼箱仕様、ポスター、トラックリスト付き。
LA拠点の実力派ベーシスト/作曲家、Sam Wilkesが、自主レーベル〈Wilkes Records〉から届ける3作目は、2022年夏、初のニューヨーク公演を記録したライヴ・アルバム。タイトルはNYアンダーグラウンドのハブ「Public Records」のことで、この録音はその名にふさわしく、観客との間に交わされた空気感を濃密に閉じ込めたドキュメントでもある。Wilkes自身が「これまででいちばんグルーヴィーな作品」と語るように、本作では、彼の持ち味である温かく流動的なエレクトリック・ベースを軸に、柔らかくスウィングするアンサンブルが展開される。演奏はジャズ、アンビエント、R&B、ビート・ミュージックの境界を軽やかに横断しつつ、身体感覚に訴えかけるダイナミズムと包容力に満ちている。時系列的には、Sam Gendelとのコラボ作『The Doober』とLouis Coleとの共演作『Nothing』の間、そしてソロ作『iiyo iiyo iiyo』の直前という時期にあたり、Wilkesの音楽的成熟がグルーヴという形で結晶化している。オリジナル楽曲に加え、カントリー界の巨人Marty Robbinsによるバラード「Just Married」のカバーも収録。

ダブリンのポストパンク先駆者Stanoとマルチ奏者David KittによるコラボプロジェクトSDKの2025年作『Going Back To The Unknown』が〈All City Records〉から登場。ギター、テープディレイ、アナログシンセ、フィールドレコーディングなどを駆使した、深く没入的なサウンドスケープは、Stanoのポストパンク的な感性とKittの多彩な演奏技術が融合し、ジャンルを超えた音響実験といった趣き。Stanoの詩的かつ即興的な語りが音楽と対話するように配置されているように、制作は偶然性と直感を重視しており、録音の瞬間に生まれる空気感がそのまま作品に反映されている。アルバム全体を通して、言葉と音が互いに呼応しながら、明確な構造を持たずに流動的に展開していく様は、まるで夢の断片を辿るよう。音と詩が共鳴しながら自然発生的に生まれていく音響の旅のような一枚。

チリ出身でニューヨークを拠点とするサウンド・アーティストRafael Anton Irisarriによる、壮大さと繊細さが同居する現代のアンビエント/エクスペリメンタル音楽における金字塔的作品がリリースから10周年を記念してリマスター再発!今回の再発では、自然に囲まれた孤独な環境で制作され、内省的で深い没入感を持つ音響世界が展開される本作品が、2015年のオリジナル盤が持っていた静謐な美しさはそのままに、リマスタリングによって音の奥行きと繊細さがさらに際立ち、まるで空気の振動まで感じられるような仕上がりになっている。深く沈み込む低音と、微細に揺れるテクスチャが織りなす、圧倒的な没入感。静寂の中に響くメランコリックなメロディが美しく、聴く者の内面に静かに語りかけるような深みを持つ。新装されたアートワークも作品の世界観と呼応し、視覚的にもその静謐な美学を補完する充実の再発。
Alexis Le-TanとJoakimによるプロジェクトFull Circleによるゴアトランス、ニューエイジ、初期レイヴの要素を融合した儀式的かつサイケデリックな最新作『Beyond Knowhere』が〈Good Morning Tapes〉から登場。Chris & CoseyやNu Grooveなどの影響を受けた音作りで、浮遊感あるステッパーやアシッド・ベース、ダブ処理が施された909ビートが特徴的。シタールやオーバートーン・シンギングが催眠的で身体的な高揚感を誘う「Odd Perceptions」、トリップ感のあるヴォーカル・サンプルとアシッド・ステップが融合し、クラブと精神世界をつなぐような音像を展開する「Painting Noise」、 Nu Groove風のデジ・ダブが展開され、サイケデリックな揺らぎが心地よい「Sharp Water」など多彩な内容を収録。『From Knowhere』の世界観を継承しつつ、より深い第3の場所=Beyond Knowhereへと誘う一枚。
実験音楽史における重要な一作であるリチャード・マックスフィールドの1969年作『Electronic Music』が〈PAROLE〉よりリイシュー!フルクサスに参加し、ラ・モンテ・ヤングやデヴィッド・チューダーらと深く関わっていた1960年代初頭に制作された電子音楽/ミュージック・コンクレート作品を収録しており、「Pastoral Symphony」は連続的な電子音によるサウンドスケープで、当時としては革新的な試み。「Bacchanale」では、ジャズや韓国民謡、スポークン・ワード、テリー・ジェニングスのサックスといった異種素材をコラージュ的にミックス。「Piano Concert for David Tudor」は、ピアノの内部奏法に加えてアンプリファイした金属音などが交錯し、アンダーグラウンドな緊張感を持っている。そして「Amazing Grace」では、異なるスピードのテープループを重ねることで、のちのスティーヴ・ライヒやテリー・ライリーを先取りしたようなミニマル的手法を見せている。60年代の電子音楽の可能性を大きく広げ、ミニマリズムや現代音楽の源流にも連なるこの作品は、今なお刺激的な響きを持っている。アナログ盤でこそ際立つヴィンテージ機材や手作業的コラージュの質感がたまりませんね!
1974年、名門〈Canopo〉レーベルからひっそりとリリースされたPaolo Ferraraの『Sound』が、〈Sounds From The Screen〉より初の正規リマスター再発。全編にわたってグルーヴあふれるパーカッションとキレのいいブラス、ファズの効いたギター、浮遊感あるエレピといった映画的で緊張感のあるサウンドスケープを展開。Ferraraらしい実験性とセンスの良さが、ライブラリー音源の枠を超えてアルバム作品としての完成度を保っている。今なお現役で通用するような生々しいファンク感覚と、ジャンルを横断するアレンジ力は驚異的で、レアグルーヴ、ジャズファンク、サイケデリック、イージーリスニング、電子音楽の間を縫う、まさに70年代イタリア音楽の粋が詰まった一枚。ライブラリー、サントラ好きはもちろん、現行のレアグルーヴやレフトフィールド・クラブ・ミュージックに惹かれるアピールする、真にエヴァーグリーンな一枚。


オブスキュアな電子音楽を発信し続ける名レーベルUnseen Worldより渾身の発掘音源。Morton Subotnickに学び、中京大学にて教授を務めるアメリカ人作曲家、サンプリング~カットアップ・コラージュの名手Carl Stoneの初期音源集が登場。本作は、70-80年代からの6つの未発表曲と、92年にNew Albionより発表された作品「Mom’s」より抜粋の”Shing Kee" の7曲による構成。矢野顕子が歌うシューベルトの”菩提樹”をサンプリングした"Shing Kee”(1986)は持続音に対する大いなるアンビエンスの美意識が感じられ、Seth GrahamやKara-Lis Coverdaleもビックリ仰天の時代性を超越した立体電子音響、“Shibucho”(1984)や“Dong Il Jang”(1982)もサンプリングの手法にカットアップが試みられた意欲作。マスタリングは我らがRashad Beckerが担当。溶解する現代建築の如く異形のサウンドスケープを遺憾なく発揮したアヴァンギャルド・エレクトロニクス大作。今聴いても全く古びる感触がありません。DJのネタからニューエイジ~アンビエント・ドローン好きの方まで幅広くお薦めです。ゲートフォールド仕様&ブックレット&DLコード限定のトラックも付属。
