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コロンビア太平洋岸の伝統音楽を担うNidia GóngoraとCanalón de Timbiquí、そしてフランス拠点のトリオReco Recoが手を組んだ新プロジェクトNuevos Ríosによる、アフロ・コロンビアのルーツと現代的な電子音、アンプリファイド・サウンドを融合させたアルバム。アフロ・コロンビアの古層に息づくマリンバやパーカッション、コール&レスポンスの歌唱を核に、キーボード、ギター、ベース、ドラムが溶け合い、伝統と現代性が自然なかたちで交差。西アフリカからカリブ海、そしてヨーロッパのクラブ・カルチャーへと連なるリズムの系譜を感じさせながらも、祖先から受け継がれた儀式性と共同体の記憶を携えながら、新たな生命を宿した”川”のように流れ続ける、力強く催眠的なサウンドが広がります。
新生TRANSONIC RECORDS初の単独作となる、コンピレーションアルバム『TRANSONIC COMPACT DISC 01、02』の中でも異彩を放っていたTMZ。
そのテクノ史におけるオーパーツとも言える存在が、知られざる過去と現在のミッシングリングを繋げる、ファーストアルバム。
あの頃の「教授」を思わせる、煌めく80年代テイスト溢れるシティ/テクノポップを基調に、90年代初頭、TRANSONICの前身レーベルTRIGGERからリリースしたTAPE、コンピレーションに収録されていたテクノポップの隠れ名曲Yokohama Machine、永田一直のユニットORGANIZATIONで共作したスペーストランスSpace Ballのリメイクの他、アシッドハウス、ピアノアンビエントで構成された、テクノ史のオーパーツとも言える知られざる過去と現在のミッシングリングを繋げる、重要なエレクトロニック・アルバムである。
TMZ PROFILE (ティーエムジー)
80年代中頃より活動を始める。その時期、YMOなどのマニピュレーターで知られる藤井丈司氏等が設立した音楽制作会社TOPや、ヨロシタミュージックのローディーをしていた事で、様々なプロのレコーディング現場を経験する。
その後、当時では珍しかったシンセサイザー、打ち込み機材専門の中古楽器店ジャンクションミュージックのバイヤーを務める。
80年代末期、現在では謎大き幻のテクノユニットと称される、NINA-NOHOを結成。TRANSONIC RECORDSの前身に当たるTRIGGER LABELに加わり、ライブアクト、TAPEのリリース、コンピレーションCDへの参加などの活動を行った。
1993年、バンコクへ移住。一旦、音楽活動を休止する。
その間の1996年に、レーベルオーナーの永田一直によりコンパイルされたAMBIENT CLASSICS 1990-1992をTRANSONIC RECORDSよりリリース。
このアルバムは近年の再評価により中古価格が高騰し、90年代ジャパニーズテクノの名盤とされる。
2010年代、20年以上のブランクがあったが、持ち前のセンスとスキルで、PCのDAW、ソフトシンセを習得し活動を再開。
2017年、オランダのEDMレーベルSPINNIN'RECORDS主催のコンテストで8位に入賞。
2024~2025年、世界的再評価により復活したTRANSONIC RECORDSのコンピレーションアルバム2枚に参加。
2026年には初のソロアルバムFUTURE PROOFを発表。
テクノ史のオーパーツとも言える知られざる過去と現在のミッシングリングを繋げる存在として、更なる世界的活躍が期待される。
Basic Channel傘下のChain Reactionから2001年にデビュー以来、10年以上の沈黙を経て、2014年以降、UK・マンチェスターのレーベルDDSよりコンスタントにリリースを重ね、ダブテクノ/ミニマル等のクラブオーディエンスのみならず、全世界の熱心な音楽ファンを魅了する電子音楽家【Shinichi Atobe】。
Atobeが自身のプライベート・レーベル【Plastic & Sounds】を設立。第一弾となるリリース「 A.Whispers into the Void | AA.Fleeting_637」が12INCH(45RPM/Limited Press)レコードで7月25日にリリースされる。
ミニマルなシンセとリズムから、流麗なピアノのリフレインの導入と共に徐々に禁欲的に展開する「Whispers into the Void」。BPM125前後のフロアライクな没入ミニマル・ダブテクノ「Fleeting_637」の2曲。
マスタリング/レコード・カッティングには、Shinichi Atobeの作品を多数手がけてきたベルリンのRashad Beckerが担当。

(日本語帯付き/解説書封入)即興と瞑想を融合させた新時代のアンビエント・ジャズ・アーティスト、ナラ・シネフロがベニー・サフディ監督によるA24の新作映画、『The Smashing Machine』の音楽を担当!自身初となるサウンドトラック・アルバムのリリース!!
ジャズの感性、ハープとモジュラー・シンセが奏でる瞑想的なサウンド、そしてフォーク音楽やフィールドレコーディングを融合させた独特の世界観で、広く賞賛を集める作曲家ナラ・シネフロが、自身の初となるサウンドトラック作品『The Smashing Machine OST』を〈Warp〉よりリリース。
映画『The Smashing Machine』は、ベニー・サフディが監督を務め、“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンが主演。伝説的な総合格闘技 & UFCファイター、マーク・ケアーの生涯を描いたA24の最新作だ。
『The Smashing Machine OST』は、作曲・プロデュース・編曲・ミックス・マスタリングに至るまで、すべてをナラ・シネフロ自身が担当。ロンドンで行われたレコーディングには監督のベニー・サフディも立ち会い、ジェイムス・モリソン (sax)、ヌバイア・ガルシア (sax/fl)、モーガン・シンプソン (ds)、シーラ・モーリス・グレイ (hr)、ライル・バートン (syn)、マーク・モリソン (g)、ドウェイン・キルヴィントン (syn-bs)、そして『Endlessness』でも弦楽を提供したロンドンの若手音楽家からなるオーケストレイトなど、彼女の常連コラボレーターたちが参加。
瞑想的で空間的、そして広大なナラの音楽は、一見レスラーの物語には矛盾して映るかもしれない。だが彼女はその物語に深く共鳴し、内に潜む柔らかさや感情を掬い取っている。ペダル・ハルモニウムはレスラーたちの重量感を映し出し、上昇するシンセ・スライドは恐怖や痛み、依存の緊張感を描き出す。中でも「KO」では、シンセが超自然的な悲鳴を呼び起こし、不安を極限まで高めている。サウンドトラック全体はナラらしい広がりと温もり、美しいストリングス、抑制されたテーマ、悠然としたハープを湛えつつも、敗北の恐怖、依存、脆さ、痛み、火山のような人間関係、プレッシャー、そして恍惚といった映画のテーマに合わせて一層研ぎ澄まされている。
ナラ・シネフロの瞑想的で空気のように漂う音楽は、一見レスラーの物語には矛盾して映るかもしれない。だが彼女はマーク・ケアーの物語に深く共鳴し、彼女はその中に隠された柔らかさや感情を敏感に掬い取っていった。作品全体はナラ・シネフロらしい広がりと温もり、美しいストリングス、抑制されたテーマ、悠然としたハープを湛えつつも、敗北の恐怖、依存、脆さ、痛み、火山のような人間関係、プレッシャー、そして恍惚といった映画のテーマに合わせて一層研ぎ澄まされている。その一例として、タイトル曲では、モーガン・シンプソンとナトシェット・ワキリという二人の凄腕ドラマーが、実際の格闘シーンに合わせて演奏し、まるで自らが戦っているかのように鋭く俊敏で攻撃的なプレイを披露。スネアは打撃、地鳴りのようなキックは高鳴る心臓を思わせる演奏を繰り広げている。
A24製作による映画『The Smashing Machine』は、格闘家マーク・ケアーの実話を描いた作品で、主演はドウェイン・ジョンソンとアカデミー賞ノミネート俳優のエミリー・ブラント。第82回ヴェネツィア国際映画祭でワールドプレミア上映され、15分間に及ぶスタンディングオベーションを受け、ベニー・サフディ監督が銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した。
…エクスペリメンタル・ジャズの作曲家ナラ・シネフロによるサウンドトラックは、渦を巻くようなハープと息づかいを感じさせるサックスで構成されており、殴打の衝撃から最もかけ離れた響きを持つ音楽と言えるだろう。だが、リングの内外でのカーの闘いに寄り添う音楽として、不思議なほど完璧で、この荒々しい物語に意外にも甘美で、さらにはスピリチュアルな側面を与えている。『Smashing Machine』は、これまでになく“smashing”な仕上がりだ。
- The Daily Telegraph

(数量限定/日本語帯付き/解説書封入)即興と瞑想を融合させた新時代のアンビエント・ジャズ・アーティスト、ナラ・シネフロがベニー・サフディ監督によるA24の新作映画、『The Smashing Machine』の音楽を担当!自身初となるサウンドトラック・アルバムのリリース!!
ジャズの感性、ハープとモジュラー・シンセが奏でる瞑想的なサウンド、そしてフォーク音楽やフィールドレコーディングを融合させた独特の世界観で、広く賞賛を集める作曲家ナラ・シネフロが、自身の初となるサウンドトラック作品『The Smashing Machine OST』を〈Warp〉よりリリース。
映画『The Smashing Machine』は、ベニー・サフディが監督を務め、“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンが主演。伝説的な総合格闘技 & UFCファイター、マーク・ケアーの生涯を描いたA24の最新作だ。
『The Smashing Machine OST』は、作曲・プロデュース・編曲・ミックス・マスタリングに至るまで、すべてをナラ・シネフロ自身が担当。ロンドンで行われたレコーディングには監督のベニー・サフディも立ち会い、ジェイムス・モリソン (sax)、ヌバイア・ガルシア (sax/fl)、モーガン・シンプソン (ds)、シーラ・モーリス・グレイ (hr)、ライル・バートン (syn)、マーク・モリソン (g)、ドウェイン・キルヴィントン (syn-bs)、そして『Endlessness』でも弦楽を提供したロンドンの若手音楽家からなるオーケストレイトなど、彼女の常連コラボレーターたちが参加。
瞑想的で空間的、そして広大なナラの音楽は、一見レスラーの物語には矛盾して映るかもしれない。だが彼女はその物語に深く共鳴し、内に潜む柔らかさや感情を掬い取っている。ペダル・ハルモニウムはレスラーたちの重量感を映し出し、上昇するシンセ・スライドは恐怖や痛み、依存の緊張感を描き出す。中でも「KO」では、シンセが超自然的な悲鳴を呼び起こし、不安を極限まで高めている。サウンドトラック全体はナラらしい広がりと温もり、美しいストリングス、抑制されたテーマ、悠然としたハープを湛えつつも、敗北の恐怖、依存、脆さ、痛み、火山のような人間関係、プレッシャー、そして恍惚といった映画のテーマに合わせて一層研ぎ澄まされている。
ナラ・シネフロの瞑想的で空気のように漂う音楽は、一見レスラーの物語には矛盾して映るかもしれない。だが彼女はマーク・ケアーの物語に深く共鳴し、彼女はその中に隠された柔らかさや感情を敏感に掬い取っていった。作品全体はナラ・シネフロらしい広がりと温もり、美しいストリングス、抑制されたテーマ、悠然としたハープを湛えつつも、敗北の恐怖、依存、脆さ、痛み、火山のような人間関係、プレッシャー、そして恍惚といった映画のテーマに合わせて一層研ぎ澄まされている。その一例として、タイトル曲では、モーガン・シンプソンとナトシェット・ワキリという二人の凄腕ドラマーが、実際の格闘シーンに合わせて演奏し、まるで自らが戦っているかのように鋭く俊敏で攻撃的なプレイを披露。スネアは打撃、地鳴りのようなキックは高鳴る心臓を思わせる演奏を繰り広げている。
A24製作による映画『The Smashing Machine』は、格闘家マーク・ケアーの実話を描いた作品で、主演はドウェイン・ジョンソンとアカデミー賞ノミネート俳優のエミリー・ブラント。第82回ヴェネツィア国際映画祭でワールドプレミア上映され、15分間に及ぶスタンディングオベーションを受け、ベニー・サフディ監督が銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した。
…エクスペリメンタル・ジャズの作曲家ナラ・シネフロによるサウンドトラックは、渦を巻くようなハープと息づかいを感じさせるサックスで構成されており、殴打の衝撃から最もかけ離れた響きを持つ音楽と言えるだろう。だが、リングの内外でのカーの闘いに寄り添う音楽として、不思議なほど完璧で、この荒々しい物語に意外にも甘美で、さらにはスピリチュアルな側面を与えている。『Smashing Machine』は、これまでになく“smashing”な仕上がりだ。
- The Daily Telegraph

日本のロック史のみならず、世界のロックの歴史に刻まれたアルバム!クラフトワークやノイ!、DAF、イーノらの傑作群を生み出した伝説のコニーズ・スタジオに、元アーント・サリーのPhewを迎えて制作されたアルバム。
●なぜあの時、世界の先鋭的なミュージシャンはコニー・プランクのもとで“音”を創りたがっていたのか? クラフトワークやノイ!、DAF、イーノらの傑作群を生み出した伝説のコニーズ・スタジオに、元アーント・サリーのPhewを迎えて制作されたアルバム『Phew』(1981年発表)。
●テクノやポスト・ロックにも多大な影響を与えるジャーマン・ロック・バンド、カンの元メンバー、ホルガー・シューカイとヤキ・リーベツァイトが参加。
●コニー・プランクの卓越したエンジニアリングと、ホルガー・シューカイがエディティングの妙を駆使したその斬新な音世界は、現在においても未だ色褪せることのない孤高の響き。

13年の沈黙を破り、ボーズ・オブ・カナダが最新アルバム『Inferno』を発表。〈Warp Records〉より5月29日にリリースされることが明らかとなった。本作は、マイケル・サンディソンとマーカス・イオンによる音楽プロジェクト、ボーズ・オブ・カナダにとって2013年の『Tomorrow's Harvest』以来となる待望の5thアルバムとなり、18の新曲が収録される。

モンゴル出身の音楽家Ts Bayandalaiが、遊牧民として育った原風景と現代のポストロック、実験音楽を結びつけたフルアルバム『Wind of Oirat』。馬頭琴、ホーミー、オックスホーンといった伝統的な音色に、ギターの長い残響や控えめなドラム、環境音のレイヤーが重なり、自然の気配と構築的なサウンドデザインが重なり合っていく。草原の風、川の流れ、動物の気配といったモチーフが、電子音やミニマルなリズムと結びつくことで、独特の音像を形成。サックスや馬頭琴の倍音が空間を震わせ、どこまでも開けた自然の中に音が広がっていくような開放感と、儀式的な厳粛さ、ポストロック的なクールな構築感が自然に共存している。風景としての音楽を鮮明に体現した、アジアの伝統と現代を繋ぐ、注目すべき一枚。

シカゴのポスト・ロック、スロウコアの伝統を現代に繋ぐ新鋭、Cancer Houseのデビュー作『The Moth』。静かな緊張感と構築美を土台に、Carolineやdeathcrashと共有する冷たさと切なさが重なり、ローファイ録音のざらつきとともに独自の陰影を描き出す。乾いたギターのアルペジオと鈍いドラムがゆっくり重なり、ストリングの影が淡く揺れることで、スロウコア特有の静かな重力が立ち上がる。声の輪郭がぼんやりと滲むヴォーカルは90年代のポスト・ロックを思わせる哀愁が漂う。セッションを重ねながら練り上げられたという楽曲群は、どれも隙がなく、細部のアレンジに確かなリスペクトが宿る。シカゴの伝統を継ぎながら、2020年代の感性で更新したポスト・ロック、スロウコアの新たな指標となる一枚。
Quiet Time期のダウンテンポ作品で注目を集めたテキサス出身のプロデューサーGi Giによる、自身の手法「downtempo sampledelia」をよりダンスフロア寄りに進化させたフルアルバム『In Lieu』。サンプリングの断片をループし、曲の中で意味が変質していくプロセスを軸に、ハウス、ダブ、ジャングル、バレアリックの要素が柔らかく混ざり合う。テキサスとオーストラリアを移動しながら書かれた楽曲群は、音は柔らかく漂いながらも、ビートは以前より締まり、ドリフトと身体性のあいだにしっかりと着地している。忘れかけたレコード棚の記憶と、現代のリスニングバーの空気をつないだような、成熟した感のある一枚。

Warm Winters、Mappa、Oscilla Soundなどで活動してきたデトロイト拠点のプロデューサーInfantによる、より深く、より抽象的なアンビエント・ダブ・テクノ作が、シカゴの新鋭レーベル〈Kino Disk〉より登場。音は常に溶け、輪郭が曖昧なまま霧状のレイヤーとして重なっていく。リズムは前へ進むというより、深夜の鼓動のようにゆっくり脈打ち、空間の奥行きが静かに変化するたびに、ダブの残響が液体のようにたゆたう。Vainqueurやechospace[detroit]の深い残響美学と、emerやTopdown Dialecticの抽象ダブの質感が自然に交差し、古典と現行のダブ・テクノが同じ温度で並ぶような音像が生まれている。音の密度は薄いのに、空間の深さは広く、深夜の静けさの中で意識がゆっくり変化していくような、静かで鋭い重要作。

パリのオルタナティブ電子音楽ユニットRue des Garderiesが、2025年夏のPe:rsona Festivalで行った長尺ライブを収めた3LP。〈Femacosmé〉の美学を強く反映した作品で、アンビエント、IDM、ポストポップ、サイケデリック電子音が半即興的にゆっくりと溶け合う。音は常に揺れ、焦点が合ったりぼやけたりしながら、有機音とシンセの残響が霧の層として重なっていく。リズムは明確なビートではなく、遠くで脈打つ鼓動のようなIDM的な揺れが時折立ち上がり、空間の奥行きが変化するたびに、音の距離感が静かに移動する。声の断片はメロディではなく人の気配として扱われ、電子音の層の中に幽霊的な気配を生む。2時間以上の演奏をそのまま作品化したことで、どこかへ向かう旅ではなく、その場で意識がゆっくり変化していくような状態がそのまま立ち上がってくる。現行パリ・アンダーグラウンドのサイケデリック電子音楽を象徴する一作。

ブリストルのマルチ奏者MemotoneことWill Yatesによる最新作『Warm Shadows』。Ugnė Uma、Typesun、Jabu’s guestらが参加し、声・生ドラム・電子音が影をまとって共鳴する、深い余韻の一枚。アルバム全体を包むのは、アンビエント的な静けさと、ジャズの呼吸、そして電子音の淡いざらつきの重なり合い。Ugnė Umaの歌声は東欧フォークのようなメランコリーを帯び、Typesunの生ドラムは漂う音像に微かな身体性を与えている。夜の部屋の薄明かり、湿った空気、森のざわめきを思わせるような、タイトル通りの暖かい影がゆっくりと広がるような音楽。孤独な夜にそっと寄り添い、暗闇の中に確かな体温を感じさせてくれる屈指の音響詩。
オリジナルは1999年にドイツの音響ミニマル名門〈~scape〉からリリースの、Kit Claytonのデビュー・アルバムにして、ミニマル・ダブ/クリック&カッツの金字塔的作品『Nek Sanalet』。カリフォルニアの電子音楽家Joshua Kit Claytonが、当時のベルリン音響シーンとUS西海岸のエクスペリメンタル感覚を接続した重要作で、深く沈み込むような低音、湿度を帯びたダブ処理、微細なクリックノイズが立体的に配置された音響空間。ビートは控えめで、音の粒がゆっくりと漂いながら沈んでいく深海アンビエントのような質感があり、メロディを排した霧のようなシンセが揺らぎを生み、音に包まれて「今」へとゆっくりと溶解していく。冷たい音響の中に微かな温度が差し込む、アナログ的な揺れやノイズの人間味も魅力。音の配置、空間の扱い、低音の質感が極めて精緻で、タイムレスな魅力を放つ最良のダブ・ミニマルの一つ。


アムステルダム拠点のNicolini、Nushin Naini、La RatによるトリオDevon Rexiと、UKアンダーグラウンドの重要人物John T. Gastによるコラボレーション作『Breathstep』。クラウトロックの反復性、ノーウェイヴ的な生々しい質感、そしてGastの深く沈み込むダブ処理が混ざり合い、有機と人工が同時に脈打つような独特の音響世界を形成。音の断片が突然現れては消えるコラージュ的構造、湿り気を帯びた重低音、呪術的に加工されたヴォーカル。どれもがダンスミュージックの枠を外れながら、身体の奥を震わせる奇妙なグルーヴを生み出している。残響や空白の扱いが異様に巧みなGastのプロダクションもあり、音が沈んでいく深度そのものを聴かせるような感触のある前衛性と中毒性を兼ね備えた1枚。

フィラデルフィア拠点のサウンドデザイナーYakaが、水辺の世界や両生類的モチーフを軸に構築したコンセプチュアルな電子音楽作品『Dream Big』。Aサイドは荘厳なコーラスと、水面を跳ねる粒子のようなブレイクビーツ、湿度を含んだ低域、遊び心のあるメロディが次々と姿を変える。ベースは水中で形を変える塊のように揺れ、シンセは薄い膜のように重なりながら、時折光が反射するような高域が差し込む。Bサイドではクラブ的なグルーヴがゆっくり脈打ち、薄明かりのアンビエンスで作品全体の物語が静かに閉じる。水辺の生態系を電子音で描いたような音世界と、ユーモアとスピリチュアルの中間にあるメロディ感が自然に結びついた、高精細な音響作品。

NYを拠点に活動する音楽家james Kの3rdアルバム『Friend』を再構築したリミックス・アルバム。Objekt、Roza Terenzi、JASSS、Drew McDowall、Huerco S.など、現行エクスペリメンタルからクラブ・ミュージックの重要アーティストが多数参加し、原曲の内省的なムードをそれぞれの手法で拡張している。曇り空のような質感と気だるいヴォーカルを軸にしつつ、ブレイクビート、アンビエント、インダストリアル、ドリームポップまで、多様な手法を用いており、特にHuerco S.による14分超の「Peel」は、深い霧の中を漂うようなアンビエント・テクスチャーで、アルバムの中でもひときわ没入度の高いトラック。『Friend』の親密さを保ちながら、別の物語へと書き換えるようなリミックス集に仕上がっている。

ブリュッセルのアンダーグラウンドから現れた奇才Michael Crabbéが、Rudi J名義で放つ最新作。アナログな質感とデジタルの断片をざっくり混ぜ合わせた、奇妙に歪んだダンスホール/ベース・ミュージックが全8曲にわたって展開。トリッピーでアンビエントな浮遊感と、サウンドシステムを前提にした深い低音が両立、ジャズやオーケストラ的な要素もふっと顔を出し、遊び心と不穏さが同居する白昼夢のような世界観。ベース・カルチャーの精神を保ちながら、ダンスホールの外側へと大胆に踏み出した注目作。

〈Isle Of Jura〉を主宰するKevin Griffithsのプロジェクト、Jura Soundsystemによる、オーガニックでスピリチュアルなバレアリック・ダブ『Morning Star』。深いエコー、柔らかい低音、ゆったりとしたパーカッションが重なり、まるで部屋の空気がゆっくりと変わっていくような、瞑想的で香り立つサウンドが広がる。ギターや鍵盤、フィールド録音などの生音が、アナログ的な質感とともに漂い、バレアリック特有の柔らかい熱を帯びた音像を形成している。レフトフィールド・ディスコの感覚も健在で、静かに身体を揺らすミッドテンポのグルーヴが心地よい。香りとエスケープイズムをキーワードにした、夕暮れの海辺や、深夜のリスニングにぴったりの空間を満たすチルアウト。

カルト的名門〈Skull Disco〉を主宰し、初期ダブステップの発展に貢献、現在はその卓越した音像をさらにトライバル/シャーマニックに研ぎ澄ます鬼才Shackleton。彼が長年追求してきた儀式的ビートと黙示録的ヴィジョンが、さらに直接的で切迫した形で結晶した2枚組アルバム『Euphoria Bound』が名門〈AD 93〉より登場。複雑に絡み合うパーカッション、緊張感を帯びたテクスチャー、そしてスピリチュアルな高揚感が同時に押し寄せる。音の層が絶えず積み重なっては崩れ、また新たな形へと変質していくプロセスが、陶酔と緊張が交錯する独特の感覚を生み出している。Shackletonならではの深い没入感が強く際立つ一枚。

イタリア系ベトナム人アーティストRadio Hitoが、フランスの詩人Claude Royet-Journoudの詩集をもとに制作した、声とMIDI音源だけで構成された、現代の歌曲とも言える10曲の連作が収められたアルバム『L’usage et les attributs du cœur』。中心にあるのは、朗読と歌のあいだを揺れ動く親密な声と、Casio CTKワークステーションの 素朴で透明なMIDI音色。ピアノ、ストリングス、ベルといったプリセット音が無機質な光のように配置され、言葉の響きそのものを際立たせる。楽曲は短いフレーズの反復で構成され、音数は極端に少ない。そのため、わずかな変化が大きな揺らぎとして立ち上がり、意味が揺らぐ瞬間をそのまま音にしたような独特の緊張感が続く。19世紀のリートの伝統を、デジタル音源とミニマルな構造へと移し替えたような、古さと新しさが同時に存在する一枚。

和物シーン屈指のパーティー〈和ラダイスガラージ〉や〈スナックねこ〉〈BAR KITTY〉といったイベントのオーガナイズから、〈Zero Gravity〉や〈ExT Recordings〉といった先鋭的なレーベルの運営に至るまで、日本のアンダーグラウンド・シーンを代表する電子音楽家/DJ、永田一直が94年に設立、23年に正式復活を果たした名門レーベルであり、〈Syzygy Records〉や〈Sublime Records〉と並び、日本の黎明期のダンス・シーンを支えた〈Transonic Records〉。その作品群でもニューエイジ・リバイバル以降の視点から大いに再発見されたアンビエント・テクノ名作であり、元・電気グルーヴの高橋コウジがPalomaticとして95年にCDオンリーで発表した唯一作、世界中から人気高まる『Trill』がベルリンの『Feedback Waves』より奇跡のアナログ再発!
永田氏の〈ExT Recordings〉から21年に発売された、初期〈Transonic〉を国産ドリーム/アンビエント・テクノ全盛期の走馬灯の如く熱く振り返ったショーケース・アルバム『Transonic Records From 1994 To 1995』にも、本作より"Foaming Waves"と"Under The Ground"の2曲が収録。それに続く形で〈ExT〉からデラックス・エディションでCD再発もなされた名作がこの度初めてアナログ化!
Palomaticは、90 年代前半から中期にかけて日本のエレクトロニック・ミュージック・シーンで活躍した高橋コウジの別名であり、電気グルーヴのシンセ・プログラマーとしても活動していたほか、ニックヨシザワとのTakahashi Tektronix (と) や InterferonことKiyoshi HazemotoとのMutronでも活動。1993 年に福岡から日本のクラブ・シーンを牽引した〈Syzygy Records〉 よりデビュー曲「Halo」をリリースした後、Takahashiは、シーンを定義する〈Transonic〉のコンピ盤へ一連の作品を提供。ブリストルのトリップホップやシェフィールドのブリープ・テクノのムーディーなベースの重み、ベルリンのテクノとベルギーのトランスのケミカル・ラッシュまでが、明らかに日本的な感性でエレガントな音楽のタペストリーにまとめられたような、時代を超越した日本のエレクトロニック・ミュージックの金字塔。アルバムの目玉であり、今日のテンポの速いダンスフロアにピッタリとハマる"Foaming Waves"や、ジャパニーズ・ドリーム/アンビエント・テクノの極点といえる"Halo"など、名曲がずらりと並ぶ大傑作!

コペンハーゲンを拠点に、カセットテープや日常のオブジェクト、環境音を用いて極めて親密でプライベートな音響世界を編み上げるデンマークのサウンドアーティストKristoffer KjærskovによるプロジェクトEconomy of Meaningによる、浮遊するアンビエンスと断片的ループのコラージュ『Mind Sink』。制作はコペンハーゲンのアンダーグラウンドな実験音楽、テープレコーディング・シーンに深く根ざして行われ、フィールド録音、ギター、オブジェクト、シンセなど多様な音素材がレイヤーされている。音は一定の重力から解放されたように漂い、短いフレーズや質感の断片がゆっくりと重なり合う。自然音・環境音・物音のレイヤーが電子音と混ざり、いつかどこかの記憶のような曖昧な風景が立ち上がる。また、意図的に残された微細なノイズやテープのヨレが、この曖昧な風景に独特の陰影と平熱の体温のような温かみを与えている点もなんとも言えない魅力で、北欧の静謐な空気の中で、時間の流れを優しく歪ませてしまうような、至福のエクスペリメンタル・チルアウトがじんわりと響いてくる。
