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85歳になってもなお、鋭くラディカルな実験音楽を生み出し続ける実験音楽界のレジェンド、Annea Lockwoodの新作『On Fractured Ground / Skin Resonance』が〈Black Truffle〉から登場!A面の「On Fractured Ground」は、北アイルランド・ベルファストに点在する“ピース・ライン”(カトリックとプロテスタントの住民を分断する壁)を録音素材にした作品。ロックウッドはその壁を手や石、葉などで叩き、あたかも巨大な打楽器のように扱いながら、壁そのものの響きを引き出している。政治的な暴力の歴史を背景にしながらも、作品自体は静かで瞑想的な音の連なりに仕上がっており、ミニマルで繊細な音響彫刻のような趣がある。B面の「Skin Resonance」は、オーストラリアの作曲家/パーカッショニスト、ヴァネッサ・トムリンソンとの共作。バスドラムという一見シンプルな楽器を、「動物の皮、木、金属」として捉え直し、その物質性と音の共鳴を徹底的に探求する内容。奏者自身の声も交えながら、音と身体、記憶や感覚との関係性を掘り下げている。

最終入荷。Musica Elettronica Vivaと並び、イタリアから世界を大きく先導していた伝説的前衛即興集団、Gruppo di Improvvisazione Nuova Consonanzaにも参加での活動も知られ、ドイツ最高峰のクラシック・レーベル〈Deutsche Grammophon〉にも作品を残した稀代の電子音楽家、Roland Kayn (1933-2011)。自身の音楽を「サイバネティック・ミュージック」と称される同氏の未発表音源を満載した豪華15枚組CD BOXが〈Frozen Reeds〉より堂々リリース!金箔仕様のボックスセットに収められた長編エレクトロアコースティックでその最高水準をさらに更新した画期的音源集。Jim O’Rourkeが彼特有の修復的なタッチを加え、名イラストレーターRobert Beattyが謎めいたアートワークを提供したあらゆる電子音楽ファン必携の超豪華盤となっています!

2024年12月18日、ロサンゼルス・コールドウォーターキャニオンパークの樫とブラックウォルナットの木々の下で行われた、詩人/ヴォーカリストのサウル・ウィリアムズ、打楽器奏者/プロデューサーのカルロス・ニーニョ & フレンズによる特別なセレモニーの記録『Saul Williams meets Carlos Niño & Friends at TreePeople』が〈International Anthem〉より登場。長年にわたり環境保全活動を行ってきたTreePeopleの敷地内で、Living Earth主宰のノア・クラインが企画したこのパフォーマンスのために、ニーニョは気心知れた仲間たちを招集。シンセギターとサンプリング、ネイト・マーセロー、フルートや複数のサックスを駆使するアーロン・ショウ、各種打楽器を担当するアンドレス・レンテリア、フルート、ビブラフォン、声を担うMaia、コンピュータとホラ貝を用いた音響設計のフランチェスカ・ハート、詩人アジャ・モネ、そしてテナーサックスでカマシ・ワシントンが参加している。多層的なエレクトロ・アコースティックの生態系に溶け込むウィリアムズの言葉、即興的かつ多層的な音楽のセッション、そのすべてが、この場にしかありえなかった特別な響きを紡ぐ。全編が、政治性と集合的な祈りに貫かれた〈International Anthem〉からのリリースであることも納得の、美しく、深く、真摯な記録。

2025年リプレス!シーンの枠組みを越えて多大なリスペクトを浴びてきた我らがジム・オルークの2020年名作が待望のリプレス。石橋英子(ピアノ)、波多野敦子(ヴァイオリン、ヴィオラ)、Eivind Lonning(トランペット)を迎えたアンサンブル編成となっており、自身の若き頃と、名声を得たのちという30年もの時を超えた、2度に渡るGRMへの訪問からインスパイアを得た壮大な一作。散文的なインプロヴィゼーションと、徹底したミニマリズムを土台に、フィールド・レコーディング素材やエレクトロニックなテクスチャーの構築美の妙を見せつけながら、果てしなく予測不可能なゾーンへと突入した35分13秒。驚異的なバランスで抑えられ、整えられた音場ですが、このような静寂のなかに在っても決して内に秘めた熱を失うことがありません。
ダイナミック・レンジが広範であるため、リスナーは適宜ボリュームを調整する必要があるとのこと。これは絶対にお見逃し無く!!


〈Drag City〉配給。Jim O’Rourke他参加!Jim O’Rourkeの名作群でのドラミングを筆頭に、Tony Conrad、Faust、Sonic Youth、Wilco、Silver Jews、John Zorn、Stereolab…と数え切れないほどの先鋭的アーティストたちと共演してきた名手Tim Barnes。2021年に若年性アルツハイマーと診断された彼が、その後に取り組んだ2作のうちのひとつ『Lost Words』が自身のレーベル〈QUAKEBASKET〉より登場!本作はTortoiseやGastr del Solで知られるKen “Bundy” Brownが企画・プロデュースを手がけ、Joshua Abrams、Glenn Kotche、Tara Jane O’Neil、Jim O’Rourke、Ken Vandermark、Britt Walfordら錚々たるメンバーが参加し、距離や時間を越えてTimのリズムに呼応するように音を重ねていく。過去の経験と人間関係の積み重ねが、そのままサウンドとして響いてくるような不思議な温度と強さを感じさせる作品。どこか記憶の深層に触れるような、切実さと解放感も感じられる、静かながらも強い輝きを放つ一枚。

Jana Irmert と 7038634357 によるスプリット作 『Portals / Rope』。Irmert の「Portals」は、ブラジルとコロンビアのアマゾン熱帯雨林で録音された音だけを素材に構成された作品で、人間の耳には届かない超音波や水中の響き、無数の昆虫やカエル、コウモリやイルカの活動音を使用し、森の奥に潜む見えない世界を音楽として提示している。耳を澄ませば、森の奥底に広がる異界的な音の網が浮かび上がる。Irmert の手つきは博物学的でもドキュメンタリー的でもなく、あくまで個人的かつ詩的に自然界の音を再構成してゆく。7038634357 の「Rope」は、タイトル通りロープをイメージの軸にしている。ロープが撚り合った繊維で張力を保つように、音も複数の層やテクスチャが組み合わさり、緊張感と支え合う構造を作り出している。結び目や摩擦がロープを支えるように、旋律や音のアクセントが聴き手の感覚に引っ掛かりを与え、全体の張り詰めたけれど崩れない空気を生んでいる。

ニューヨークのアンダーグラウンドMC Sensationalと、ブラジル出身のプロデューサーBruno Tonisiによる、奇妙で幻想的な音のやりとりを記録した作品『Sensational Conversations』が、サンパウロ拠点のオブスキュア系発掘レーベル〈Lugar Alto〉より登場。2人は実際に対面したことはなく、Brunoが憧れの存在だったSensationalにコンタクトを取ったことで、このプロジェクトが始まった。ただしこれは普通のコラボではなく、まるで壊れかけたラジオを通して交信しているような、ノイズまじりの「符号」のような音楽。アルバムはヒップホップを土台にしているが、その形を大胆に解体。GRMがNYのロフトで汚れ仕事を始めたようなサウンドデザインで、ぼやけた声、壊れたビート、不安定なリズムの中に、ふとした瞬間に感情がにじみ出る。その不安定さや歪みにこそリアルな手触りがある一枚!

〈Drag City〉配給。Joshua Abrams参加!Jim O’Rourkeの名作群でのドラミングを筆頭に、Tony Conrad、Faust、Sonic Youth、Wilco、Silver Jews、John Zorn、Stereolab…と数え切れないほどの先鋭的アーティストたちと共演してきた名手Tim Barnes。2021年に若年性アルツハイマーと診断された彼が、その後に取り組んだ『Lost Words』に続く、Tim Barnesの未発表ソロ音源集第2弾。『Noumena』が自身のレーベル〈QUAKEBASKET〉より登場!本作は楽器の演奏というよりも、音そのものの在り方を探るような試みで、フィールドレコーディング、環境音、オブジェクトの擦過音、微細なパーカッション。それらが時間の中で溶け合いながら、ゆっくりと立ち上がってくる。沈黙や余白、聴覚の境界線をじっと見つめるような、深く静かな世界に焦点を当てた作品。ジャズ、ポストロック、即興、アヴァンギャルド……様々な音が行き交いながら、音に向き合い続ける彼の、静かで強靭な意志が感じられる一枚。『Lost Words』と対を成す、深く静かなリスニング体験。

John Also Bennettによる、2019年の『Erg Herbe』以来となるソロ作『Ston Elaióna』が〈Shelter Press〉から登場!本作は、彼が現在拠点とするギリシャ・アテネで制作され、バスフルートと純正律によるYamaha DX7iiシンセを中心にしたエレクトロアコースティック作品で、早朝の静けさのなかで録音された音は、古代と現代が交錯するアテネの空気をそのまま封じ込めたような、詩的で内省的な響きを持っている。タイトル「Ston Elaióna(オリーブの木立にて)」が示す通り、土地の風景や歴史、都市の雑音、教会の鐘、嵐、家の中の出来事といった日常の体験と環境音が深く反映された、都市のアンビエンスやフィールド録音を織り交ぜた静謐な全9曲。ミニマルで感情豊かな音世界が展開される。現存する世界最古の楽曲「Seikilos Epitaph」のカバーをはじめ、宗教的な感情やギリシャ神話、土地の記憶が静かに反響するような雰囲気で、古代と現在、外界と内面を音で結ぶ。長年の漂泊と深いリスニングの実践が、ミニマルでスピリチュアルな音世界に結晶したような一枚。

Andrew Peklerによる幻想的な音響世界を深く探求する作品『New Environments & Rhythm Studies』が〈Faitiche〉より登場。長尺で没入的なコンポジションと、短く断片的なスケッチ風トラックに分かれ、人工的なフィールドレコーディング風の音響や滑らかな電子音テクスチャ、ゆらぐパーカッション、そして穏やかな旋律を自在に交差させている。この作品の核心にあるのは、自然と人工の音の関係性で、たとえば「Globestructures」や「Cymbals In The Mist」などでは、生態音のように聴こえるが、実際は完全にシンセサイザーで構築された音響環境。一方で、「Cumbia Para Los Grillos」や「Fabulation For K」では、コオロギや昆虫の音を録音・ループしてリズムのトリガーとして使い、そこにメロディーを重ねることで、有機的でありながらどこかズレたビートを生み出している。収録された6つの「Rhythm Studies」もまた、自然音と電子音の境界を遊ぶようなアプローチで、音楽とフィールドレコーディングの区別を曖昧にしている。全体としてこのアルバムは、エキゾチカや民族音楽学といった、西洋的な視点から他文化を“再現”しようとした過去の音楽スタイルを、あくまで想像の産物として再描写しようとする試みだとも言えて、実在しない場所の音、存在しない環境のリズム。それらを丁寧に、しかし大胆に構築し直したサウンドは、想像力と耳を刺激する作品になっている。


激激高内容です。未体験の実験音楽マニアの方は是非!スウェーデンのカルトレーベル〈Discreet Music〉傘下の〈I Dischi Del Barone〉や〈Students Of Decay〉といった実験系のレーベルからも作品を発表してきた、豪州の作家Mark BarrageによるプロジェクトBlue Chemise。2017年に限定105部のプライベートリリース作品として発表されていたデビューLPであり、現在大変入手困難となっている非常に人気の高いアルバム『Influence On Dusk』が、ベルギーの〈B.A.A.D.M.〉よりアナログ再発。荘厳で神秘的なアトモスフェリック・ドローン/アンビエント・サウンドから、時には不気味なサウンドコラージュ/エレクトロアコースティックでのシュールな世界観まで、独特の音楽的サイクルを形成した、極めてミステリアスで魅惑的な逸品。Christophe Albertijn によるリマスター サウンドと最新のアートワークを起用。限定300部。

2017年に発表され、高い評価を受けたLPで、オハイオ州シンシナティ拠点のレーベル〈Students Of Decay〉から限定アナログ盤としてリリースされた作品。弦楽器、声、オルガン、ピアノによる楽曲群を収録し、Pitchfork誌に「意識と無意識の間、かろうじて存在するが、確かにそこにある」と評された。Godspeed You! Black Emperorのアナログ録音スタジオ「Hotel2Tango」(モントリオール)で録音され、Davachiの鍵盤演奏に加え、Camille Hesketh(ソプラノ)、Jessica Holmes(チェロ)、Jessica Mosson(ヴァイオリン)が参加している。


John Also Bennettによる、2019年の『Erg Herbe』以来となるソロ作『Ston Elaióna』が〈Shelter Press〉から登場!本作は、彼が現在拠点とするギリシャ・アテネで制作され、バスフルートと純正律によるYamaha DX7iiシンセを中心にしたエレクトロアコースティック作品で、早朝の静けさのなかで録音された音は、古代と現代が交錯するアテネの空気をそのまま封じ込めたような、詩的で内省的な響きを持っている。タイトル「Ston Elaióna(オリーブの木立にて)」が示す通り、土地の風景や歴史、都市の雑音、教会の鐘、嵐、家の中の出来事といった日常の体験と環境音が深く反映された、都市のアンビエンスやフィールド録音を織り交ぜた静謐な全9曲。ミニマルで感情豊かな音世界が展開される。現存する世界最古の楽曲「Seikilos Epitaph」のカバーをはじめ、宗教的な感情やギリシャ神話、土地の記憶が静かに反響するような雰囲気で、古代と現在、外界と内面を音で結ぶ。長年の漂泊と深いリスニングの実践が、ミニマルでスピリチュアルな音世界に結晶したような一枚。


8月中旬再入荷。Pitaの死後、〈Editions Mego〉から運営を引き継いだ〈Shelter Press〉がキュレーションする、〈INA-GRM〉の遺産とその後に焦点を当てた〈Portraits GRM〉シリーズからの最新タイトル!それぞれカナダの実験的作家であるMichelle Helene Mackenzieと、Olivia Blockによる作品を収録したスプリット・アルバム。Stefan Maierらによる共作は、建設中に事故が相次ぎ廃墟となった台湾の有名なスポット・三芝ポッド シティからインスピレーションを得た神秘的な作品。Olivia Blockサイドのエレクトロアコースティック作品は、メキシコの都市、サン・イグナシオ・ラグーン(バハカリフォルニア)でのフィールド・レコーディングと合成音を駆使し、太平洋のコククジラやその他の種の生存に対する人類の脅威について考えさせる内容となっています。

イタリアはローマを拠点とするLuca Quartaroneのデビュー作『mathematical model 0010』が〈Objects & Sounds〉より登場。本作は、日本を旅した際に録音した環境音をもとに作られた、静謐なアンビエント作品。日常の音の断片を素材にしつつ、そこから抽象的で広がりのある音響世界を描き出している。アルバムタイトルは、神奈川・小田原の江之浦測候所で見た杉本博司のランドアート作品に由来しており、この作品にある「無限に収束し続けるけれど決して交わらない超曲率の金属面」のイメージと同様に、音楽もまた、日常のささやかな瞬間から無限の広がりを感じさせる。アンビエント、エレクトロアコースティックとサウンドアート的なフィールドレコーディングが交わり、静けさや余白を重視しつつ、内面の感情や記憶の風景にそっと触れるような音響構築になっている。

『Clube da Mariposa Mórbida』は、サンパウロ拠点のDIYアーティストAkira Umedaと、ウガンダはカンパラを拠点とするレーベル〈Nyege Nyege Tapes〉 周辺で活動するMetal Preyersがコラージュ的に作り上げた、異文化横断型のエレクトロ・アコースティック作品。南米のファンク、ノイズ、実験的なシンセ、民族楽器などが錯綜し、現実と仮想、過去と未来、デジタルとアナログの境界が曖昧に。収録曲では、倒錯したブラジル・ファンクや壊れた寺院の鐘、電子的なミュージックボックスなど、さまざまなサウンドが交錯する。二人のコラボは、Metal Preyers側が送った音の断片やコンセプトを、UmedaがGoogle翻訳を駆使しながら解釈し、自らの直感に基づいて印象を音にしていった。Umeda はそれを「粘土細工のような幽霊の成形作業」と語っている。従来の「第4世界音楽(Fourth World)」よりもさらに異次元的な夢幻世界。

2018年に発表されたDavachiの5作目のアルバムで、その年のWire誌"Top 50リリース"で第6位に選ばれた。メロトロン、エレクトリック・オルガン、ピアノ、シンセサイザーによる、夕刻のための楽曲を集めた作品集。
カナダ出身のシンセシスト、Sarah DavachiがSean McCannの主宰のRecitalから2018年にリリースした超人気作にしてキャリア最重要作が待望の再プレス。デビュー以来、軸のあるミニマル・ミュージックへと取り組み続けてきた彼女の音楽も随分と深いところまで来たように感じます。ロマンティシズムを讃える祝福的和音と、持続する永遠の引用のような多幸感。音楽の中へと入り込む、あるいは万華鏡の中へと侵入して、音の波に没頭する、ミニマル・ミュージックの至高体験的一枚。あるいは街の灯りのような優しげに寄り添う環境音楽の、影当たるところで眠っている子供達。イーノの子供達は皆健やかに・・・

米国の大人気実験作家Ullaとの昨年のコラボレーション・アルバムが大変素晴らしかった、〈Radio.syg.ma〉の共同創設者としても知られるベルリン拠点のDJ/プロデューサー、Perilaによる最新アルバムが〈Smalltown Supersound〉からアナログ・リリース。極地的環境を彷彿とさせる、荒涼として凍てつく広大なサウンドスケープが、深い内省と愁いを込めつつシュルレアリスティックに展開されていく、破格のエレクトロアコースティック/ドローン・アンビエント作品!名匠Rashad Beckerによるマスタリング仕様。

Sarah Davachiの2015年デビューLP。Davachi自身およびサンフランシスコ・ベイエリアのミュージシャンたちが参加した、拡張されたエレクトロ・アコースティックなソロ作品と室内楽作品のシリーズであり、カナダ、カリフォルニア、ヨーロッパ各地で録音された。すべては風景の中にあり、心の位置が風景となっている。
